投稿日:2025.05.07 最終更新日:2025.05.07
海事プレスに弊社のフォワーディング事業へのピボットとデマタクが掲載されました。
アジアFWD事業に注力 HPS CONNECT、ローカル密着型を強みに
HPS CONNECT(本社=東京都渋谷区、飯野慎哉代表取締役)は今年度から、これまでの主力だった人材育成事業から方針転換し、アジアを軸としたフォワーディング事業に本格的に注力していく方針だ。日本とタイを中心としつつ、今後はアジア各国でパートナーを巻き込みながらローカル密着型のネットワークを構築する。
ローカル人材が強みとする「現地対応力」や、「スペース確保力」に加え、日系企業が持つ「日本の高いサービス品質」を差別化のポイントとし、アジアで信頼される物流サービスを提供していく考えだ。
飯野氏は、物流YouTuber「イーノさん」の名前でも知られる。貿易・物流に関する情報発信やキャリア啓発を通じて、グローバルで活躍する日本人を増やしていくことを目指すほか、同氏がCEOを務めるタイを本拠とする物流会社「HPS Trade」では、日本―タイ航路を中心としたアジアでフォワーディング事業を展開している。創業以来、フォワーディング事業は順調に推移しており、足元におけるグループのコンテナ取扱量は月間約5000TEUとなっている。また新規事業として、2021年に貿易特化型の人材紹介会社「HPS Link」を、23年には人材育成事業を展開する「HPS CONNECT」を設立し、貿易業界の人材課題に向かってきた。しかし、事業の多角化により、リソースが分散化し、収益性と成長性の両立が難しくなる局面を迎えた。こうした中で今回、HPS Linkを他社に事業譲渡し、HPS CONNECTは人材育成事業からフォワーディング事業にシフトすることを決めた。顧客のニーズが高く、グループとして最も強みを持つアジア発着のフォワーディング事業に経営資源を集中していく。
HPS CONNECTは、まず日本とタイを中心としたフォワーディング事業を基盤に、今後5年をめどとして、「次に伸びる新しいマーケット」(飯野氏)と予想するベトナムや、インドネシア、マレーシアなどの東南アジア各国、台湾や韓国といったアジアの成熟マーケットでローカル密着型のネットワークを構築する。大手フォワーダーなどは、本社から現地法人に日本人駐在員を派遣するケースも多いが、HPSグループでは現地採用のローカル人材やローカルのパートナーを積極的に起用する。
ローカル人材が持つ細かい現地の情報や知識と、日系フォワーダーとしての高品質サービスを融合させ、他社との差別化を図る。日系荷主のみならず、ローカルや欧米系の非日系顧客の案件獲得にも取り組んでいく方針で、世界のフォワーダーネットワークへの参画も積極的に行い、パートナーネットワークの形成も図る。
飯野氏は、「TEUの数字を追うのではなく、目の前のお客さまや海外のパートナーと丁寧に向き合う。『あなたしかいない』と思ってもらえる唯一の存在として、日本の価値を、物流を通じて世界に届けていきたい」と話す。
■デマレージ計算ツールを開発
HPS CONNECTはこれまでも、貿易の流れを楽しく学べる体験型ボードゲーム「貿易すごろく」を開発するなど、企画力を強みとしてきた。今後、フォワーディングを主力とするが、企画力とITを生かした差別化を進めていく。
新たなITツールとして、日本の主要港(東京・横浜・名古屋・神戸・大阪など)におけるデマレージ・ディテンションを瞬時に計算できる「デマタク」(https://demataku.com/ja)を自社開発した。従来、デマレージ計算は、港湾別・船社別の条件を調べて、試算する必要があった。デマタクを活用すればこれらの作業を約1分で行うことが可能となる。カレンダー上で見やすいインターフェースとなっており、荷主企業の業務負担軽減に寄与できる。デマタクは現在、無料で誰でも利用が可能となる。英語版もあり、海外から日本の港でのデマレージを計算する際にも有効活用することができ、国内外で提案を進めていく方針だ。今後も顧客の利便性向上につながるITツールの開発を行っていく。
出典:海事プレスオンライン
2025年5月7日
https://www.kaijipress.com/news/container/2025/05/192537/