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2021年1月

第一回!物流クイズ-正しいインコタームズを当ててみよう! | 物流コラム

第一回!物流クイズ-正しいインコタームズを当ててみよう!

第一回!物流クイズ どうも、こんにちは飯野です。さあ、始まりました新企画。物流クイズでございます。 このチャンネルではIt’s fun to learn Logistics「物流を学ぶのは実は楽しいことなんだ」というテーマでお送りしておりますので皆さんの物流や貿易の知識を是非 力試しして欲しいと思ったので 今回のクイズ企画を作りました。 楽しんで頂ければと思います。 まず簡単にクイズの概要を説明します。今回のクイズはインコタームズ についてです。 これから一枚ずつ画像が表示されます。この画像をみてEXWやFOBなど、どのタームかを当てるクイズです。 判断するポイントは輸出者と輸入者との間での「物流のコスト」と「貨物のリスク」の負担が切り替わる場所です。 全く分からないという方のために、関連動画集を概要欄に貼っておきますのでそちらを見てから挑戦してもらっても大丈夫です。では、いってみましょう! 第一問 問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DDP B. EXW C. FOB D. CIF 正解はBのEXWです!物流コストと貨物のリスクを輸出者の工場から全てBuyerである輸入者が負担するという図ですので、タームはEXWになります。 第二問 では続いての問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. CIF B. DDP C. CFR D. FOB 正解はBのDDP!先ほどのEXWとは逆で、輸出側の工場から輸入側の届け先までSellerである輸出車が費用と貨物のリスクを全て負担すると表している図です。なのでタームはDDPになります。 第三問 問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. FCA B. DAP C. DPU D. CFR これは少しトリッキーなタームですね。正解は。。。DのCFRです! 物流コストの負担は輸出者が輸入側の港まで負担する。そして貨物のリスク負担は輸出者が輸出側の港までを負担する条件です。 インコタームズのCグループはこのようにコスト負担とリスク負担が変わる場所が違うトリッキーなものなので注意が必要です。 第四問 続いての問題はこちら。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DAP B. CPT C. FOB D. DPU さて正解は。。CのFOBです!コストとリスク負担を輸出者は輸出側の港まで、それ以降を輸入者が全て負担するという取引条件です。FOBは貿易では頻繁に使用するタームです。 第五問 それでは最終問題です。この図は、コスト負担とリスク負担のどちらを表現しているでしょうか? 3択問題です。 A. コスト負担 B. リスク負担 C. どちらでもない さあ、ここで50:50. Cのどちらでもないが消えます。 ※みのもんた風のタメ 正解はAのコスト負担です! 問題の解説 もう一枚別の図を見て一緒に解説しましょう。この問題でのポイントはCFRとCIFです。先ほどの問題の左の図は輸出者が輸入側の港までを負担するもの。これは物流費用・コストでしたね。 そして右側の図では輸出者が輸出側の港までしか負担しない。これは貨物のリスクでした。 このトリッキーなタームをしっかりと理解しているかどうかが正解を分けるポイントになりましたね。 まとめ 今回の物流クイズはいかがだったでしょうか? 慣れている方には簡単なものだったかもしれません。 しかし貿易・物流の基本といえるインコタームズは確実に理解しておかなければいけません。 輸出者と輸入者で取引条件の共通認識が出来ていなければ勘違いが生じてトラブルの元になってしまいます。 これからも 楽しく学べる物流のクイズを作っていきますので 次回もお楽しみに!ありがとうございました! ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴 | 物流コラム

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今日はですね、ダメなフォワーダーの営業マンの特徴についてお話をしていきたいと思います。 私自身が商社で働いていた時にいろんなフォワーダーさんと取引していたのと 現在はフォワーダーの経営者として社内の営業マンを管理していたり 競合他社の営業マンの話を聞く機会もあったりでダメな営業マンはやっぱり共通しているなと思ったことがあります。 もし、あなたがフォワーダーの営業マンであれば参考にして頂いたり、もし荷主さんであればフォワーダーの仕事や内情を理解して、より良いフォワーダーを選ぶ基準の一つになればと思います。 では、いってみましょう! すぐに「できない」と言う ダメなフォワーダーの営業マンの共通点1「すぐに出来ない、難しいと言ってくる」 貨物を送る荷主の立場からして、新しいビジネスが決まった時や物流で何らかの問題が発生した時に営業マンの対応が必要になった時 簡単に「出来ない」というフォワーダーの営業マンがいます。 検討や確認すらせず即答する人もいます。 仕事を抱えすぎて本当に忙しくて時間的に余裕がないから出来ないのと単にやった事がないから出来ないというパターンがあり、どちらにしろお客さんにとったら、「じゃあどうすればいいの?」となります。 既存の案件の貨物を運ぶだけなら他のフォワーダーでも沢山 対応出来る所があります。 もちろん本当に難しい案件だったり、内容にもよるのですが、お客さんの依頼や悩みを解決しようとする所にフォワーダーの営業マンの意義があるので即答で出来ないと言ってくるのは営業マンの引き出しが少ない可能性があります。 昨今ではフォワーダーに、ピックアップから最終目的地までのワンストップサービスが求められることが割と一般的です。 単に船会社・航空会社の取次業務だけでは、「コンテナやスペースが確実に取れる」や「相当な価格メリットがある」などの特徴がないと生き残れません。 お客さんの物流のコンサルタント的な役割も フォワーダーの営業マンには必要なのかなと思います。 レスポンスが遅い ダメなフォワーダーの営業マンの共通点2 「レスポンスが遅い」 国際輸送は案件によっては対応のスピードが求められる時があります。特にトラブルが発生した時。対応が遅くなればなるほどデマレージなどのペナルティーが発生したり、金額が大きくなったりするものもあります。 この「レスポンスが遅い」には営業マン自体の問題だったり 下請け業社の問題だったりすることがあります。営業マンは早くお客さんに回答をしたいけれども下請け業社がなかなか回答をくれない事も少なくありません。 これは後にも説明しますが下請け業社との連携が大切な要因です。 営業マン自体のレスポンスの速さは意識次第で何とかなります。 短くてもいいのでチャットやメールを確認した旨を伝え、対応しているという姿勢を見せましょう。 自分ですぐに回答できるものは即レス。他の部署の担当者や下請けの回答が必要な場合は 常に進捗を確認してフォローをする意識が大切です。 仕事が雑 ダメなフォワーダーの営業マンの共通点3 「詰めが甘い、仕事が雑」 新規案件の時に営業マンの詰めの甘さが露呈する場合があります。弊社も含めてですが結構あります。 営業マンの仕事は新規開拓でもあります。新規案件を取ったはいいものの、実際の業務になると 実は確認漏れがあって、見積もりに含めていない項目が出てきたりすることがあります。 営業マンにとっても初めて取り扱う貨物やルートの場合 十分に調べたつもりでも、実際に貨物が送られてきて「何このチャージ?」と港や通関からの請求書を見て驚く時があります。 これはお客さんに請求できない場合が多く、結構な金額を支払った同業者さんも知っていますし 弊社でもやってしまったことがあります。 自社で問題の責任を取ればまだセーフな感じはしますが 事前確認の問題でお客さんに負担を強いたりするのは問題かなと思います。 業務との連携が取れない ダメなフォワーダーの営業マンの共通点4 「業務との連携が取れていない」 フォワーダーの営業マンはオペレーションをしてない場合が多く カスタマーサービス担当者に任せている所もあります。 営業マンはお客との窓口で、フォワーダーの営業に伝えたことが業務に正しく伝わっていない事が結構あります。 業務担当であるカスタマーサービスは大量の作業を抱えていて、特に新規案件の場合は業務連絡のミスが起こりやすいです。 営業マンからの適切な指示やフォローアップがないと かなりの確率で問題が発生して、営業マン自身がトラブル対応に追われることになります。 下請けとの連携が取れない ダメなフォワーダーの営業マンの共通点5 「下請けとの連携が取れていない」 フォワーダーは大手企業でなければ 通関、ドレー、倉庫、梱包、据付などの仕事を外注しています。 これは先にも説明したように、船会社・航空会社との取次業であるフォワーダーにワンストップサービスが求められる事が多いからです。 これも先程の業務担当者との連携の話に共通しますがフォワーダーの営業マンに依頼したのに、通関などの下請けに情報が正しく伝わっていない時があります。 通関のミスは貨物が税関で止められてしまう原因になるので納期を優先しているお客さんの場合だと大問題になります。 また少し複雑な据付や梱包の手配では 案件の全体をよく理解している営業マンが現場に立ち会わないと現場判断が出来ずにミスにつながる可能性もあり、最悪の場合は事故につながるケースもあります。 これは営業マンの意識だと思います。下請け業社に丸投げするのではなく、しっかりと進捗を確認して正しく業務が遂行されるかを管理する必要があります。 因みにですが、大手企業でも自社のリソースを使うけれども営業マンによっては連携が取れていない人もいます。会社の大小の話ではなく、営業担当者としての話です。 コストが高すぎる ダメなフォワーダーの営業マンの共通点6 「値段が高すぎる」 物流は物が安全に納期通りに運ぶことが出来れば、あとは基本的にはコストでしかありません。 営業マンのサービスが素晴らしい場合、他社と比べて最安値である必要はないけれども 圧倒的に高い場合は他社に切り替えられる可能性があります。 同じ案件で安全に・納期通りに・営業マンの対応にストレスなく 貨物が運ぶことが出来れば、安い方が選ばれるのが資本主義の原則です。 フォワーダーの営業マンは自分の仕事のキャパシティの限界とマーケットプライスをしっかりと理解している必要があると思います。 営業マンは自分の仕事のキャパがいっぱいで手が回らない時に、安く売る必要はないと個人的には思います。 しかし他の人にまわせるのであれば、仕事をまわして適正価格で取引した方が組織としては中長期的に儲かりますので、そこはマネージャーの仕事になってきます。 まとめ それでは今回の話をまとめます。 ダメなフォワーダーの営業マンの特徴は ・すぐに出来ないという ・レスポンスが遅い ・詰めが甘い ・業務との連携が取れていない ・下請けと連携が取れていない ・値段が高すぎる だと私は思います。 フォワーダーの仕事はサービス業です。サービスを度外視して、単に貨物を運ぶだけなら他のフォワーダーでも出来るコモディティな業種だと私は思っています。 そこでどうやったら生き残れるのかを常に考えると、やはり目の前の仕事に対して 丁寧にスピード感を持ってやる事ではないでしょうか。 今回のお話がフォワーダーの営業マンや荷主の物流担当者さんのご参考になれば幸いです。 今回は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは? | 物流コラム

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは?

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは?を動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回はこのコンテナ不足によってこれから物流業界がどのように変わっていくのか私の個人的な考えをお話ししていきたいと思います。 昨年末にコンテナ不足の原因や影響を解説する動画を作成していまして、まだ見ていないという人の為に概要欄にリンクを貼っておきますので是非 一度ご覧になって下さい。 海上運賃の高騰 ここ最近の海上運賃の高騰はもの凄く大きくてルートよっては20倍にまで値上がりしたという航路もあります。20倍は極端な例ですが、ここ数年の海上運賃が低水準過ぎたという見方もできます。 実は過去数年で統合合併する船会社や倒産した船会社もあります。ここ数年では船会社はずっと赤字で運営しているところが多かったんです。 そこで今回のコンテナ不足が発生し、この高騰しまくった海上運賃でも貨物を輸送する荷主さんは実際には沢山います。 このような状態を経験すると、船会社としても赤字運営をしていた以前のように海上運賃を低水準まで落とす必要はありません。 コンテナ不足が解消されたら? なのでコロナが落ち着き、コンテナが市場に余ってきたとしてもコンテナの量は調整されると思います。 そうなると海上運賃は以前のように安くならないので ・利益が少ないビジネスは続けるのが難しい ・価値が高い商品でないと採算が合わない ・製品によっては近場や国内調達の方がメリットが出てくる ・薄利でもボリュームで利益を確保できる資本のある会社が結局強い これらのような事が起こってくると思います。 海上輸送は世界のインフラです。 現在のように運賃が高すぎるのもどうかと思いますが安すぎて船会社が倒産してインフラ自体が使えなくなる、または競争が減って各国への船の便数も減ってしまうと逆に納期通りに送れなくなったり、船会社のサービスが悪くなってしまうのも問題かと思います。 何事もバランスが大切なのかなと思います。 コンテナ確保の重要性 またコンテナの量が限られているので、コンテナを確保できないフォワーダーも生き残りが難しくなるでしょう。 私の周りでも現在 コンテナが確保できないフォワーダーは仕事がなくて暇でコンテナが確保できるフォワーダーは仕事が集まって忙しいという状況になっています。 荷主は貨物を送らなければいけません。この時に取引のあるフォワーダーがコンテナを確保出来なければ確保できる別のフォワーダーが選ばれることになります。 そしてコンテナが取れない、また海上運賃が高騰しているので、海上輸送以外の手法で輸送を希望される荷主さんも増えています。なので現在 海上の混載便や航空輸送に影響が出ています。 クロスボーダートラック案件の増加 タイにある弊社ではクロスボーダートラックの案件が増えています。 特にシンガポールとマレーシアはトランシップ港として港の混雑が大きな問題になっており、タイからだとトラックの方がスケジュールが見えるので、そちらが選ばれるようになってきました。 これまで海上輸送しかやってこなかったというフォワーダーが急にクロスボーダートラックの手配を依頼されても迅速な対応は難しいです。 また輸入者も在庫を準備するようになり、倉庫を求められることもあります。その時に素早く適切な倉庫を提案が出来るかどうか。フォワーダーの営業マンは総合的な物流提案の実力が必要になってくるでしょう。 フォワーダーが多すぎる 私の個人的な感覚でもありますがタイに関して言えばフォワーダーは非常に多い印象です。日系の運輸業者はバンコク日本人商工会議所に登録されているだけで約100社あります。 その中でフォワーディングの業務対応をしている会社も多いです。そして日系の製造業・商社業は登録されているもので約1,150社あります。 私がバリバリに営業をしていた時で、1人で抱えていた顧客数は30社以上あったのでこの数字を見る限りではタイでは日系のフォワーダーは供給過多だと思えてしまいます。 フォワーダーの仕事は日系やタイローカルも含めて少人数で始める事が出来ます。 これまでは物量が少なくてもコンテナを船会社から確保出来ていたので問題なく物流手配が出来ていましたが、現在では取り扱いボリュームが少ないフォワーダーはコンテナが取れないと聞きます。 船会社の営業のマンパワーにも限りがあるのでボリュームの多いフォワーダーの対応を優先しがちになるからです。 タイの物流はイーノさん ここで少し宣伝をさせて下さい。 弊社のグループでは通常時で月間5,000TEUの物量を扱っており複数の船会社と良い関係があります。 その為、弊社ではタイ発のコンテナは取れている方だと思います。 他の同業者さんがコンテナを取れなく、荷主さんから弊社にBooking依頼が来ることも最近は少なくありません。 また得意なのは海上輸送ですが、総合的なタイの物流手配を私自身 7年やってきましたので様々な案件にお答えできるかと思います。 タイに支店がない日本のフォワーダーさんで、タイからの輸送案件がありましたら是非お問い合わせ下さい。 まとめ では今回の話をまとめますと昨年下旬から発生したコンテナ不足から、物流業界にもニューノーマルが訪れ、以前と全く同じようなコンテナ供給や海上運賃には戻らないと思います。 これはニューノーマルというか、ずっと以前に戻ったという感じでしょうか。 なので荷主さんにとっては物流を意識したビジネスモデルが重要になり またフォワーダーの実力や営業マンの提案力が重要になって来ると思います。 現時点ではまだコロナは治まるどころか逆に広がっていますし、その中でも自分が出来ることを考えて行動するのが大切なのかなと思います。 今回のお話は以上になります。また次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

よくあるB/Lのトラブルについて | 貿易書類と手続き

よくあるB/Lのトラブルについて

どうもこんにちは。飯野です。 今回はよくあるB/Lのトラブルについてお話ししたいと思います。 B/Lとは日本語では船荷証券と呼ばれ、運送契約書のことです。輸入の際、貨物を引き取る時に荷物の持ち主であるという証明書になります。 今回はB/Lのよくあるトラブルの例と、トラブルの対処方法についてのお話です。では、いってみましょう。 よくあるB/Lのトラブルについて どのようなものがある? B/Lのトラブルにはどのようなものがあるでしょうか? 主に発生するB/Lのトラブルは ①B/Lの記載内容が間違っている ②貨物を引き取りたいのにMaster B/Lがサレンダーになってない 私が体験しているものでは殆どがこの2つになります。 記載ミス なぜB/Lの記載内容に間違いが生じてしまうのでしょうか? それはB/Lの内容は主に人が手作業で入力しているからです。 輸出者から送られるSI(Shipping Instruction)を元にB/Lは作成されます。フォワーダーがB/Lの原稿となる内容のデータを入力しますので、タイプミスがあると間違ったまま発行されてしまうのです。 またフォワーダーのHBLだけでなく、船会社が発行するMBLにもミスはあります。 なのでB/Lの記載ミスはドラフトの時点でしっかりと確認しましょう。フォワーダーに連絡すれば、すぐに修正してくれます。 B/Lの記載ミスはHBLの場合はすぐに修正することが出来ますが 船会社のダイレクトB/Lを使用している場合は修正により時間がかかります。 B/Lの記載ミスの修正には費用がかかります。主にミスした側の負担になりUSD50程度支払わなければなりません。 サレンダーになっていない そして貨物を引き取りたいのにマスターB/Lがサレンダーになっていない時もあります。サレンダーB/Lは、オリジナルB/Lを発行した際に輸出側でそのB/Lを船会社やフォワーダーに差し入れて回収することです。 なのでサレンダーのことを元地回収とも言います。サレンダーされていれば輸入側にオリジナルB/Lが届いていなくても貨物を引き取ることが出来ます。 しかし サレンダーB/Lの発行手配をしたつもりでも、貨物が引き取れない時があります。 サレンダーB/Lの手配は、一旦オリジナルB/Lが発行されて、そのオリジナルB/Lを輸出側で船会社に差し入れることでサレンダー(元地回収)になります。 よくあるのは輸出側でB/Lの回収手配を忘れていることがあるのです。 これはフォワーダーか船会社の単なるオペーレーションミスで輸出側のフォワーダーに連絡をして、正しくB/Lの元地回収が行われているかを確認しなければいけません。 また稀にあることですが、B/Lが紛失する時があります。これは貨物の持ち主であることの証明がないのと同じなので、貨物を引き取れません。 万が一B/Lが紛失した時の対応としては、輸入者がL/G(Letter of Guarantee)を発行し フォワーダーに説明をすると、先に貨物の引き取りが出来る時があります。 これはフォワーダーによっても判断は分かれることもあるので絶対とは言えませんし、銀行の保証をつけることも求められます。 銀行の保証を解除するためには後日オリジナルのB/Lを入手し、L/Gと交換しなければなりません。もしくは最終的な手段として、法的手段しか方法はありません。 どうしてB/Lのミスは危険なのか ではそもそも、なぜB/Lのミスが危険なのでしょうか? B/Lの記載ミスがあると、輸入側で通関出来なかったり修正に時間がかかります。 そうなると、ヤードや倉庫から貨物を出せずにデマレージや保管料がかかるのです。 貨物が止まって時間がかかるだけでなく、安くない余計な費用も発生するからです。 B/Lの記載ミスを防ぐには ではどうすればB/Lの記載ミスを防ぐことが出来るでしょうか? ・ドラフトの時点でB/Lの記載事項に間違いがないかチェックする ・B/Lが発行されたら直ぐに輸入側にコピーを送り確認をしてもらう そして万が一のオリジナルB/Lの紛失を防ぐには オリジナルは3部発行されるのですが、1度に3部まとめて郵送するのはやめましょう。 またEMS(国際郵便)ではなくDHLなどのクーリエサービスを使って送ると良いでしょう。 他にはサレンダーB/Lを積極的に活用する事をおすすめします。 まとめ 今回のB/Lのトラブルについてまとめます。 B/Lのトラブルでは、B/Lの記載ミスとマスターB/Lがサレンダーになっていないことが頻繁に起こります。また稀にですがB/Lの紛失もあります。B/Lは正しく記載することが重要です。 間違いがないようにドラフトの時点で確認を怠らない様にしましょう。 B/Lの訂正にはお金と時間がかかります。発行した後にB/Lの間違いに気づいたとしても 本船の入港前であれば、それほど大きな問題にはなりません。 またマスターB/Lでサレンダーがされていない場合は とにかく輸出側のフォワーダーとの連携が必要です。 マスターB/Lにサレンダーのスタンプが押されていても船会社のシステムでサレンダーになっていない場合もあります。これは気付いた時点ですぐに行動しなければいけません。 万が一B/Lは無くしてしまうと、再発行は難しいです。 1部は輸出者で保管、1部は輸入者で保管、1部はフォワーダーに送付など決めておくと、どれか1部無くしてしまっても、他のB/Lの原本を使用する事で貨物を引き取ることが出来ます。 これらのことを気をつけるだけでB/Lのトラブル発生確率を下げることが出来るので 参考にして頂ければと思います。今回は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

第二回!物流クイズ – インコタームズの特徴 | 物流コラム

第二回!物流クイズ – インコタームズの特徴

第二回!物流クイズ どうもこんにちは。飯野です。 さあ、今回も始まりました。第二回目の物流クイズでございます。 このチャンネルではIt’s Fun to learn Logisticsをテーマに発信していますので楽しく物流を学べるように心がけております。 では今回のクイズの概要を説明します。これから各問題ごとに1枚の画像が表示されます。 テーマはインコタームズですが、それぞれの特徴を問題としています。全て4択問題で、選択肢から最も適切な回答を選んで下さい。ちなみに正解は1つだけとは限りません。それではいってみましょう! 第一問 問題。EWXで輸出者のメリットはなんでしょうか? A. 全ての物流のコントロールをする事ができる。 B. 物流のリスクが少ない C. 生産スケジュールを遅らせてもいい D. 何もメリットはない 正解は・・・Bの「物流のリスク」が少ないです。 EXWでは輸出側の工場などから配送先までの貨物のリスクを輸入者が負担します。 輸送手配は全て輸入者が対応してくれるので、もし選択肢に「物流手配の手間が少ない」という回答があればそれも正解になっていたでしょう。 第二問 問題。EXWで輸入者のメリットは何でしょうか? A. 物流をコントロールする事が出来る B. 物流費用を支払う必要がない C. 輸入関税と消費税を支払う必要がない D. フォワーダーを選ぶ事が出来る 正解は・・・AとDです。 先ほど説明したようにEXWでは輸入者が物流の手配をしますので、輸出側の工場から配送先までの全ての物流を手配することになります。 その為、輸出側・輸入側のトラック・通関・フォワーダーを輸入者が選ぶ事が出来るので全ての物流をコントロールすることが可能になります。 第三問 問題。EXWで輸入者のデメリットは何でしょうか? A. デメリットはない B. 現地に詳しいフォワーダーがいないと使えない C. 本船のスペースが取りにくい D. 全ての物流のリスクを負担しなければいけない 正解は・・・BとDです。 EXWでは輸入者が輸出地の物流も手配することになります。その為、取引のあるフォワーダーが輸出側に詳しい必要があるのです。 フォワーダーには得意・不得意があり、現地に支店や代理店がなかったり 全く馴染みがない国の物流手配をすることは難しいです。もし出来たとしてもトラブルが発生した時の対応が難しくなります。 その全く馴染みがない国でのトラブルのリスクも負担する必要がありますので 全てのリスクを輸入者が負担するEXWは輸出する国の物流のことをよく知っているフォワーダーを見つけなければいけません。 第四問 問題。FOBでは貨物の運賃とリスクの負担はどこから輸出者から輸入者に変わるでしょうか? A. 輸出側のCY B. 輸入側のCY C. 輸出側で貨物が船に乗った時 D. 輸入側で貨物が船から下ろされた時 正解は・・Cの輸出側で貨物が船に乗った時です。 CYとはコンテナヤードの事ですが、FOBではCYではなく輸出側で貨物が船に乗せられた時に費用と貨物の責任が輸出者から輸入者に移ります。 先程の輸入者のデメリットでも少し触れましたが、輸入者にとって輸出側の国のことがよく分からないとその国の物流手配をするのは簡単な事ではありません。 なので馴染みのない国から輸入する場合、その国の国内物流を輸出側に任せるFOBを使用するのは 物流のリスクを下げることにつながります。 第五問 最終問題です。この画像はどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DPU B. FOB C. CIF D. FCA 正解は・・ DのFCAです。 インコタームズのFCAでは輸出側の特定の場所までの費用とリスクを輸出者が負担する取引条件です。それは輸出側のCYであったり、特定の倉庫の場合があります。 特定の倉庫を使う場合はバイヤーズコンソリデーションで複数の輸出者の貨物をまとめてコンテナに積み込んで輸送する時に使われることもあります。 また輸出側のCYを指定場所としたときに、CYに貨物が入ったら費用負担とリスク負担が輸入者に切り替わります。 これはCYに入った貨物が地震や津波などで災害にあった時の貨物責任は、輸入者が負担することになるのです。 商習慣的にFOBを使うことが多いですが、このようなリスクを知った上で適切なインコタームズ を選択することも大切です。 まとめ 今回のクイズはいかがだったでしょうか。 インコタームズを理解することは大切ですが実際に実務で使用できることが大切です。貿易では貨物が最終的な配送先に届けられるまでに複数のプロセスが存在しています。 そこで発生するリスクや輸出側・輸入側の物流業者の強みなどを考慮してどのような物流手配がベストなのかを選択出来るようになると物流担当者としての強みになります。 引き続きケーススタディーも含めて、楽しく学べるクイズを作っていきたいと思います。 今回はこれまで!また次の動画でお会いしましょう!ありがとうございました! ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。