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2022年10月

船会社のトータルロジスティクス戦略に対しての大手外資フォワーダーの見解。これからのフォワーダー | 物流ニュース・物流ラジオ

船会社のトータルロジスティクス戦略に対しての大手外資フォワーダーの見解。これからのフォワーダー

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「船会社のトータルロジスティクス戦略に対しての大手外資フォワーダーの見解」についてお話していきたいと思います。 2022年10月31日イーノさんの物流ラジオ コンテナ船市場の悪化 コンテナ船市場の急速な悪化によって、荷主がスペースを確保するための船会社からのプレッシャーから解放されました。 荷主はより安いスポット運賃市場に多くの貨物量をシフトできるようになりました。 キューネアンドナーゲルの戦略 Kuehne + NagelのCFOは、「パンデミックの時にスペースが不足していたため、船会社はキャパシティと価格水準に関して一定の優位性を持っていた」と述べています。 「今、私たちが見ているのは、その正反対であり、3PLの時代が来た。顧客は過去2年間の高い価格水準で苦悩し、今、荷主たちはフェアな取引を取り戻すために私たちのところに来ている」と続けています。 コンテナ船社との競争はない Kuehne + NagelのCEOはマースクやCMA-CGMなどのコンテナ船社が提供する統合サービス(通関・倉庫など)との競争はないと考えており、むしろフォワーダーが市場シェアを獲得するのに有利な立場にあると考えていると述べました。 「3PL業界は衰退する環境の中で、今こそ市場シェアを獲得することができる。我々にとって、これは良いことであり、現時点では、コンテナ船の競合他社の一部の垂直統合から生じる影響はないと考えている」としています。 船社のエンド・ツー・エンド戦略 マースクやCMA CGMのような輸送会社は、積極的にエンド・ツー・エンド戦略を追求し、フォワーダーを取っ払って主要荷主との直接関係を拡大しています。 この戦略は一部のフォワーダーとの間に緊張関係を生み出し、マースクとDBシェンカーは2020年に公然と対立しています。 荷主のフォワーダー回帰 DSVのCOOは、一部の荷主が輸送会社に直接依頼したことを認めたものの、荷主がフォワーダーに回帰していることを明らかにしました。 DSVは、「我々は、現在の競争環境について懸念していない」と述べています。 「私たちは、私たちの資産の少ないビジネスモデルを信頼しており、今後、市場を凌駕することができるという自信もある」としています。 3PLによる市場拡大 大手外資フォワーダーとしては、現時点では船会社が陸に上がってきていることはあまり競争になってないとのことです。 キューネは、3PLが市場を拡大出来る時だと述べています。 マースクとCMA-CGMはトータルロジスティクスの戦略をとり、MSCとONEは船会社としての姿勢を貫く戦略です。 ノンアセットフォワーダーの強み DSVのアセットの少ないビジネスモデルを信頼しているということは、自社のアセットがないからこそ、他の船会社も使用できる強みがあります。 定期的に流れているものなどは一つの選択肢で効率が良い方が費用も安くなり、良いと思います。 しかし、マーケットが混乱している時などは、変化に強いノンアセットのフォワーダーが確かに強いと思います。 フォワーダーとしての生き残り フォワーダーの仕事がなくなることはないでしょう。 しかしフレートしかやってないところは何かに特化して(強みがあって)提案営業ができないと、厳しいと思います。 荷主の代わりにBookingしますよ、というのは、今はシステムでBookingができる時代であり、複数の船会社のスケジュールを比較するサービスはSaaSで可能です。 改めてフォワーダーの戦い方について考える記事でした。

業界で注目の通関士試験オンライン指導会、みこ会!ここ数年で合格者を激増 | 物流ニュース・物流ラジオ

業界で注目の通関士試験オンライン指導会、みこ会!ここ数年で合格者を激増

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、「業界で注目の通関士試験オンライン指導会、みこ会」のテーマでお話していきたいと思います。 2022年10月28日イーノさんの物流ラジオ 通関士試験 10月に通関士の試験があり、11月8日に合格発表があります。最近Twitterでは通関士試験を受けた人たちのツイートなどが活発化しています。 弊社も人材紹介業を営んでいて、通関士の募集が結構あります。 そんな中で今回ご紹介する「みこ会」は効率的に通関士試験対策ができるというもので、ここ数年で合格者を激増させていて、話題の通関士の受験指導です。 今回の紹介は案件ではなく、このラジオでは僕が個人的に面白いと思ったニュースやリスナーさんに役に立つと思った話題を届けています。忖度なしです。 通関士資格の活用 通関士の資格を持っていると、手当が出る会社もあります。 ちょっと特殊ですが、通関士の資格を持っていても、通関会社で登録をしてもらえないと通関士を名乗れません。 通関士として登録されると、また通関士の手当が出るといった形もあります。 弊社のクライアントさんでは、資格者に1万円/月、登録者に1万円/月、毎月もらえる会社さんもあります。 収入アップにもこの資格は有効だと思います。 また、通関士にならなくても、この勉強をしていると、国際物流パーソンとして強いです。国際物流でトラブルになりやすいところは、やはり通関です。 みこ会のここが凄い みこ会の凄いところは、オリジナルのテキストがもの凄く分かりやすいと評判です。 通関士試験は法律が絡んでいるため、かなり難解で、通関士試験の合格率も毎年10%前後で狭き門です。 実務に就いている方の入会も多いようです。 というのも、この試験は実務的な能力よりも、その根幹にある基礎的な法律の知識や考え方、読解力、試験戦術などを試されるので、実務とは色が異なり、独特の戦略を立てないとクリアしづらいものです。 特に一度不合格を経験された実務家の方は、こういったことに気づいて入会されるケースがよくあります。 「試験と実務は別物」ということです。 テキストだけでなく、もちろん分からないことは質問することが出来、勉強会も開催されており、過去問題のアプリもあります。 現在は来年度、第57回の通関士試験対策の受講生を募集しています。 会費も僕個人的にはリーズナブルだと思う金額です。 まずは、みこ会のTwitterやHPを見てください。 みこ会

第二回コンテナシャーシ シェアリングの実証実験!効率性向上や走行距離の削減図る | 物流ニュース・物流ラジオ

第二回コンテナシャーシ シェアリングの実証実験!効率性向上や走行距離の削減図る

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月27日付の海事新聞の記事から、「関東地方整備局、横浜港でシャーシシェア2回目の実証実験」についてお話していきたいと思います。 2022年10月27日イーノさんの物流ラジオ 第二回シャーシシェアリング実証実験 関東地方整備局は10月31日から11月26日に実施する「第2回シャーシシェアリング実証実験」の検証内容について発表しました。 第一回では南本牧埠頭にシャーシプールを置いて実証実験をしました。 今回は本牧埠頭にもシャーシプールを置くほか、シャーシプールの利用時間の拡大などを行い、輸送効率がどう変わるのか、走行距離や時間などの削減が見られるかを検証する予定です。 実験の内容 シェアリング用シャーシは各プールに20フィート用シャーシ2台、40フィート用6台、兼用2台を用意します。 空コンテナに限定してオンシャーシの駐車を許可するほか、午前8時―午後7時に制限していたシャーシプールの利用時間を24時間に変更。 また、シェアリングシャーシ専用の予約システム上で、シャーシの位置情報を把握できる機能を追加する予定です。 これにより、新・港湾情報システム(CONPAS)予約業務や配車業務への活用、荷主問い合わせへの対応ができるようになるとのことです。 検証内容 実験ではコンテナシャーシの位置情報を活用し、複数の陸送事業者がシャーシとシャーシプールを共同利用しながらシャーシ運用の効率性向上や走行距離の削減、コンテナターミナル(CT)周辺の混雑解消に向けた検証を重ねています。 昨年6―7月に南本牧埠頭で実施した第1回実証実験では、陸運事業者がCT内のシェアリング用シャーシを活用することで走行距離と時間がどう削減されるかを検証しました。 研究会によると、走行距離で従来の6割以上削減、走行時間で4割ほどの削減効果があったとのことです。 今回の実証実験の結果は来年3月ごろに開催予定の第7回研究会で取りまとめられます。 シェアリングエコノミーの普及 シェアリングエコノミーが浸透してきており、街中でも車や自転車のシェアが普及しています。 コンテナ積み込み中にコンテナを載せたシャーシだけ置き、ヘッドが別の仕事に向かうことができるようになります。 もしシャーシのシェアリングが一般的になると、シャーシが投資対象になってファンドが出来るかもしれません。 シャーシのリースはあるみたいですが、ファンドが出来たら面白いかなぁと思います。 色々と可能性のある試みではないでしょうか。

山九がマレーシアで物流の人材育成施設を開設!世界の現場での活躍目指す | 物流ニュース・物流ラジオ

山九がマレーシアで物流の人材育成施設を開設!世界の現場での活躍目指す

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月26日付の海事新聞の記事から、「山九、マレーシアに人材育成施設を開設」についてお話していきたいと思います。 2022年10月26日イーノさんの物流ラジオ 山九、マレーシアに人材育成センター開設 山九はこのほど、マレーシア・ジョホール州で海外初となる人材育成センター「SANKYU TECHNICAL ACADEMY」を開設しました。 海外での業務が拡大する中、高度技術・技能への対応や、既存サービスレベルの高度化が急務となっていることを背景に、同センターを整備しました。 将来に向けた高度な技術・技能を有する人材の確保育成、自社技術・技能の高度化を通じ、世界で活躍できるグローバルな技術・技能集団を育成していくとのことです。 施設について 施設はマレーシアのジョホール州で近隣の空港から車で1時間程度という好立地にあります。 敷地面積1万6,794平方メートルに、実習場を備えた研修棟、事務所棟、宿泊棟を置いています。 山九の海外現地法人社員を対象に、技術の高度化を目的としたメンテナンス研修や、技能の高度化を狙った機械整備研修など34講座を計画しています。 年間延べ約3,000人の研修生受け入れを予定しており、溶接や仕上げ、フォークリフトなどの競技大会も実施予定です。 今月6日、現地で開所式を実施し、山九の中村社長は「ここで育った東南アジア域内の従業員たちが、世界の現場で活躍し、マレーシアはもとより世界中の人々の幸せを作るお手伝いができれば良いと考えている」とコメントしています。 日本の技術を世界へ これは素晴らしい取り組みだと思います。 タイの物流の現場では、据え付けや梱包、ローカルと日系両方を使ったことがありますが、やはり日系の方がしっかりしている印象があります。 重量物などは取り扱いがとても難しいですが、日系で働いているローカルの方は、しっかりと技術が付いており、丁寧だと感じます。 今回の取り組みは、日系の高い技術を提供し、世界で活躍してもらおうというものです。 昨今では海外の人にとって日本で働くメリットは減っていっていると思いますが、マレーシアは基本的に英語が通じ、各国のコールセンターも置かれています。 日本国内での製造は残念ながら落ちてきていますが、東南アジアの方を対象に日本の技術を伝えて世界で活躍していってもらおうというのは、今後の日本のプレゼンスの維持・向上には素晴らしいと思います。

味の素の物流改革!嫌われる物流から脱却し、持続可能な物流へ。ホワイト物流を目指す | 物流ニュース・物流ラジオ

味の素の物流改革!嫌われる物流から脱却し、持続可能な物流へ。ホワイト物流を目指す

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月25日付の海事新聞の記事から、「味の素、「嫌われる物流」から「持続可能な物流」へ。商習慣から改革」についてお話していきたいと思います。 2022年10月25日イーノさんの物流ラジオ 味の素、サプライチェーン全体で物流改革 味の素は加工食品のメーカー、卸、小売り、あと行政、業界団体に連携を広げ、サプライチェーン全体で物流改革に取り組んでいます。 4月に発足した「フードサプライチェーン・サステナビリティ・プロジェクト(FSP)」の下、納品リードタイムの延長などに取り組み、物流の効率化と負荷軽減を図っています。 商習慣から抜本的に見直し、「嫌われる加工食品物流」から持続可能な物流の構築を目指しています。 主な取り組み 10月20日、国土交通省が開いた「『ホワイト物流』推進運動セミナー」で取り組みが説明されました。 加工食品業界全体で連携するため、フードサステナビリティプロジェクト(FSP)には、大手メーカーで構成する食品物流未来推進会議、日本加工食品卸協会、日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会が参画しています。 メーカーの取り組み メーカーではリードタイムの延長を前提に、受注締め時間を「後ろ倒し」にする取り組みを推進しています。 現状は午前中に受注を締め切り、翌日に卸へ納品することが一般的です。 第1ステップとして、午後1時に受注締め・翌々日納品への変更に取り組んでいます。 ただ、卸からは午後3時に後ろ倒しする要望が強くあります。 そのために、小売りでは卸への定番品の発注締め時間の前倒しを検討し、特売品や新商品の適正リードタイム確保と計画数量化・追加の抑制も進めています。 卸の取り組み 一方、卸はメーカーへの発注の原則EDI(電子データ交換)化、緊急対応など負荷のかかる業務の抑制、リードタイム延長に伴う需要予測の精度向上、一定の在庫増加リスクに柔軟に対応することなどに努めています。 決まったシステムで対応していかなければ、受発注業務が改善できず、電子化が進まないとAIなどで需要予測ができなくなり、在庫管理が難しくなって在庫リスクがあがっていきます。 加工食品物流の現状 味の素は2019年、「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言書を提出。2021年には同宣言の内容を拡充しました。 この背景には、「運べなくなる危機」があります。 長時間待機が頻発する、ドライバーの付帯作業が多い、日付管理・納品期限管理が厳しく複雑、リードタイムが短い、などの事情から、加工食品物流は物流事業者から敬遠される傾向にあります。 ドライバーの時間外労働に上限規制が適用される「2024年問題」などの影響も見据えています。 働きやすい市場を 食品は賞味期限があり、生鮮食品は1日でも早く新鮮なものを顧客は望んでいます。 それに応えようとする小売がこれまでは強かったです。 よって物流業社のマンパワーでなんとかしようとしていましたが、このまま続けると、続けられないというのが現状です。 これからはAIや自動運転が世の中を変えてくれると思いますが、自動運転はまだ先であり、それまでの間は、仕組み・制度を変えて対応しないといけません。 誰もが働きやすい世の中になれば良いと思います。

旅行者の増加により、エアーの需給バランスが乱れる!スペース余る。 | 物流ニュース・物流ラジオ

旅行者の増加により、エアーの需給バランスが乱れる!スペース余る。

どうもこんにちは、飯野です。 本日はJob.comの記事から、「エアーの貨物輸送会社は悪化する需給のアンバランスと戦う」についてお話していきたいと思います。 2022年10月24日イーノさんの物流ラジオ 貨物需要低下でスペース余る 航空会社は、着実に増加する長距離旅客数に対応するため、アジア市場にデッキ下のスペース(ベリー)を投入しているものの、ヨーロッパや北米の主要市場で貨物需要が低迷しているため、そのスペースを埋めるのは難しくなっています。 需給の不均衡は中国発の航空貨物スポット運賃に反映されています。 中国発のスポットレート 第3四半期から10月にかけて、中国のいくつかの地方で発生したコロナの再発とそれに伴う操業停止が製造業に影響を及ぼし、急激に低下しています。 Baltic Air Index(BAI)によると、第3四半期の上海発ヨーロッパ行きの平均レート水準は1キロあたり6.53ドルで、第2四半期と比較して9%減少。 現在のレートは1キロあたり5.56ドルで、前年同期比22%減となっています。 上海発北米行き また上海発北米行きの平均スポット運賃も急落しています。 第3四半期の平均レートは7.75ドル/kgで、第2四半期より13%低下、現在のレートは6.00ドル/kgで、前年同期比46%減となっています。 エアーのスペース空きの影響 エアーのスペースが余っている直接的な影響は、コロナの規制が緩和された日本の第3四半期までの旅客数の増加で確認することができます。 データによると、日本からヨーロッパへの旅客機のスペースは四半期ごとに7%改善し、同路線の航空貨物スポット運賃は前四半期比で28%減少しました。 航空会社も、インフレや金利の上昇、その他の経済的要因による個人消費の減少により、需要が軟調に推移していると報告しています。 相次ぐ開国による旅行者増 しかし、アメリカンエアカーゴの商業担当副社長は、「中国からの輸出は、引き続きロックダウンや海外での個人消費の低迷の影響を受けているが、日本、韓国、東南アジア全域の需要は、企業が生産の多様化を図る中で、場合によっては新たな製造に支えられ、それなりに堅調に推移している」と述べています。 10月からアジア・東南アジアでも開国になってきました。 開国すると旅行者が増え、航空会社も旅客機を増えます。そうすると旅客機のベーリーのスペースが生まれます。 スペースの供給が増えるものの、北米、ヨーロッパのインフレで需要が低迷し始めてきているのでスペースがかなり余ることになります。 AIRのピークシーズン エアーのピークシーズンはもう少し先ですが、ピークシーズンらしいピークにはならないかもしれません。 海上のLCLがエアーに流れていく可能性もあります。 エアーのスペースが供給過多のため、実務でそういう使い分けなどが出来ても良いのではないかと思っています。

2023年から2024年でコンテナ船の供給船腹量、排ガス規制と老齢船スクラップにより15%減! | 物流ニュース・物流ラジオ

2023年から2024年でコンテナ船の供給船腹量、排ガス規制と老齢船スクラップにより15%減!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月21日付の海事新聞の記事から、「コンテナ船 供給船腹量、23―24年に15%減を見込む」についてお話していきたいと思います。 2022年10月21日イーノさんの物流ラジオ コンテナ船供給船腹量、15%減少 コンテナ船の供給船腹量は2023―2024年にかけて、環境規制や減速航行などによって最大15%程度減少する可能性があるとコンテナ船アナリストによる分析で明らかになりました。 これまでは2023年以降、新造コンテナ船の竣工ラッシュが続くため、供給船腹量は確実に増加するとみられていました。 ただ、EEXI(既存船の燃費性能規制)などによる規制で減速航行が進み、結果として供給船腹量は減少するとの見方が強くなっています。 新造船竣工ラッシュ 米ジャーナル・オブ・コマースは、コンテナ船アナリストの国際会議での発言を引用しつつ、2023年以降のコンテナ船供給船腹量の動向について分析しています。 世界のコンテナ船腹量は今後2年間で8―9%増加する見通し。 英クラークソンによると新造船竣工量は、2022年は86万TEUほどで、2023年は351万TEU、2024年以降は227万TEUと急激に拡大するとのことです。 新造コンテナ船の竣工ラッシュが続くことになります。 需要の低迷 一方で貨物需要はコロナ禍による巣ごもり需要の一服や、世界経済の低迷もあり、2023年以降は減速すると想定されています。 このため、大量竣工による供給増を貨物需要の伸びが補えず、需給バランスが悪化する可能性が何度も指摘されてきました。 EEXIの適用開始 ただ、2023年1月からはIMO(国際海事機関)のEEXIの適用開始に伴い、世界の供給船腹量に対して10%の削減効果が発生。 さらに、老齢船のスクラップによる削減効果が5%上乗せされるとアナリストは分析し、「2023―2024年は新造コンテナ船による竣工ラッシュが続くものの、老齢船のスクラップと環境規制の二つによって供給船腹量の増加は大幅に抑制される」と語っています。 老齢船のスクラップ増 コロナ禍による混乱でコンテナ運賃市況が高騰した過去2年間、船腹需要が高かったためスクラップ船はほとんどない状況でした。 今後はコロナ禍で無理して使っていた老齢船の大量スクラップが予想され、例年よりも既存船の削減効果は大きくなる模様です。 CO2排出削減への対策 EEXIは、IMOの2030年GHG排出削減目標のための短期対策として採択された技術アプローチであり、船に対してのトンマイル当りのCO2排出を数値化して、規制します。 本船のEEXIスコアが規制値に達していない場合は、エンジン出力の制限や省エネ技術の導入などの対策が必要となります。 対策としては、多元燃料エンジンに変える、燃料を変える、排ガス洗浄装置のスクラバーを取り入れるなどがあります。 古い船にも投資をしないといけなくなり、それであればスクラップにしよう、という流れに向かっています。 スクラップによる供給スペース減 過去2年は船のスペースが足りなくてスクラップにはできませんでした。 これにより、そこまで船の供給スペースは増えないとも考えられますが、これも蓋を開けてみないとわからないような気がします。 また新しい情報があったらアップデートしていきます。

西濃シェンカー、LCLで差別化!日本-ドイツで名古屋発着の直行便を開始。自社サービスで迅速対応 | 物流ニュース・物流ラジオ

西濃シェンカー、LCLで差別化!日本-ドイツで名古屋発着の直行便を開始。自社サービスで迅速対応

どうもこんにちは、飯野です。 本日は10月19日付の海事新聞の記事から、「西濃シェンカー、海上混載を強化。日独間で名古屋発着の輸出入直行便を開始」についてお話していきたいと思います。 2022年10月19日イーノさんの物流ラジオ 西濃シェンカー、LCL強化 西濃シェンカーは、海上混載サービス(LCL)を強化しています。 今年の8月に独ハンブルク発日本向け自社直行LCLサービスに名古屋向けを追加しました。 そして名古屋発ハンブルク向けも年内を目途に開始し、国内主要港とドイツを直行便で結ぶ輸出入LCL輸送網を構築します。 加えてグループが展開するハブ拠点を活用し、日本発着LCLの自社便化を推進しています。 さらに、海上輸送と中国―欧州の鉄道輸送を組み合わせるシー&レールにより、新たなドイツ向けLCLサービスを始める計画です。 日独間のサービスで差別化 ハンブルク発名古屋向けの頻度は週1便です。 東京・名古屋・大阪の3大都市圏―ドイツ間で輸出入とも自社で直行LCLを提供する日系フォワーダーは多くはありません。 名古屋発着サービスの開始により、その強みを打ち出していくとのことです。 西濃シェンカーの名古屋支店長は「ドイツ発祥のフォワーダーとして、サービスのなかった名古屋のマーケットを中心にドイツ・欧州との輸出入LCLの需要を掘り起こしたい」と述べています。 更に、「特に、欧州からの輸入混載では当社はパイオニアだと自負している」と意気込んでいます。 DBシェンカーと西濃運輸とのタッグ 名古屋圏の市場開拓に当たっては、中部地区を本拠とする西濃運輸の協力も得ていくとのことです。 独デュッセルドルフの日系顧客担当部署とも連携し、DBシェンカーが欧州に張り巡らせる物流網を組み合わせ、テーラーメードのサービスを提供します。 DBシェンカーのサービス DBシェンカーが欧州各地のCFSと全世界との間で運行する自社直行LCLの航路数は1,740以上あります。 欧州では内陸のCFSまでコンテナを開封しないインタクト輸送も行っています。 自社サービスの増加 西濃シェンカーは東京、横浜、神戸、大阪、名古屋の各港にCFSを置き、ハンブルク、ロッテルダム、ミラノ、シンガポール、香港との間で自社混載を輸出入合わせて16サービス展開しています。 それ以外は現状コ・ロードで対応していますが、自社サービスを増やして輸送品質とスピード、顧客とのコミュニケーションによる差別化を図ります。 既に5月、韓国法人と連携し、日本発釜山経由北米向けの輸送ルートを確立しています。 緊急事態への対応 背景にはリスクをコントロールし、顧客の事業継続に寄与する考えもあるとのことです。 物流の混乱は収束しつつあるものの、米国西岸港湾の労使交渉の長期化、欧州の港湾混雑やストライキなどの火種がくすぶり、事故や天災も頻発しています。 「何かあったときにコ・ロードではスピーディーな対応が難しい。緊急事態でも自社サービスで輸送し続けられるよう、ルートを増やしていきたい」とLCLマネージャーは説明しています。 大手フォワーダー、混載マーケットへ 元々、混載輸送で多くのルートを持つフォワーダーですが、名古屋発着を加えて更に力を入れています。日本発、釜山経由の北米行きもスタートしています。 大手フォワーダーが混載に力を入れるのはマーケットの流れ的にも納得がいきます。 ECが一般的になり、小規模事業者の取引が増えてきています。 また、船会社が陸に上がってきて、フォワーダーのようなサービスを開始しています。 この状況下で、大手フォワーダーが混載に力を入れ、ポジションを獲得していこうとしています。 名古屋地域の開拓は西濃運輸が協力するというのも、良いシナジーだと思います。 物流業者は、今後集約されていくと思っていますので、こういった外資とのタッグは良い方向に生きているような気もします。

北米のアジア輸入、9月以降更に落ち込む見込み。スポットレートも大きく下落 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米のアジア輸入、9月以降更に落ち込む見込み。スポットレートも大きく下落

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「9月の米国におけるアジアからの輸入の落ち込みは、今後さらに減少」についてお話していきたいと思います。 2022年10月17日イーノさんの物流ラジオ 北米ピークシーズン前倒し アジアと米国の港湾におけるサプライチェーンのボトルネックが続いているため、今年は米国の小売業者は年末商戦向けの輸入品を数ヶ月早くアジアから出荷していました。 データによると、8月のアジア輸入は16.1%増、7月の輸入は10.1%増、6月の輸入はコロナ前の2019年の同じ月と比較して24.5%増でした。 現在の輸入量減少 9月の米国のアジアからの輸入量は、8月から10.4%減少し、昨年12月以来の低い月間輸入量となりました。 具体的には、9月のアジアの輸入量は、151万TEUで8月の168万TEUから約10%減少。 グローバル・ポート・トラッカー(GPT)が今後のデータを発表し、輸入は前年同月比で10月に9.4%減少、11月に4.9%減少、12月に6.1%減少すると予想されています。 輸入減少の要因 この秋の輸入減少には、いくつかの要因があります。 アジアの積出港や米国の港湾関連サプライチェーンでサプライチェーンのボトルネックが続いているため、小売業者は今年のホリデーシーズン商品を早めに出荷していました。 つまり、従来の8月から10月のピークシーズンが太平洋横断で夏場に発生していたのです。 また、倉庫の在庫過多や、インフレの進行により年明けの個人消費の落ち込みを懸念して、多くの小売業者が年末商戦の注文を一部キャンセルしました。 Sea-Intelligenceによると、アジアの積出港を出港する船舶の稼働率は春には90%を超えていたのが、ここ数週間は80%を下回っているとのことです。 船のスペースに結構な空きがあります。 海上運賃の動向 上海からロサンゼルスへのスポットレートは、7月は1FEUあたり7,199ドル、10月上旬では1FEUあたり2,995ドル。 上海からニューヨークへのスポットレートは、7月に1FEU当たり10,164ドル10月上旬に1FEU当たり6,887ドルと大きく下落しています。 見事に国慶節前のピークが数ヶ月前倒しになったという様子です。 続くキャンセル 更に、北米の国内サプライチェーンは倉庫がまだいっぱいのため、小売業者が注文をキャンセルしており、需要が落ちていました。 データによると、これが年末まで続くとのことです。 現在、西岸向けがUSD3,000/40’弱、コロナ前は安い時にはUSD 1,000/40’くらいでした。これは船社が潰れるレベルの安値です。 どれくらいまで船社が落としてくるか、がポイントです。 コスト削減以外の道へ行けるか 荷主もUSD10,000くらいまで払えていたので、叩きすぎないで欲しいと個人的には思います。 日本はデフレの時にコスト削減でしか価値を産めなかったため、今のような状態になってしまっています。 これから変わっていくのか、やっぱり変わらないのか、そんなふうに思いながら今後も運賃動向を見ていきたいと思います。

海運市場の後退でM&Aが減速!各社の拡大はどうなる?市場は景気後退で冷え込み | 物流ニュース・物流ラジオ

海運市場の後退でM&Aが減速!各社の拡大はどうなる?市場は景気後退で冷え込み

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、ウォール・ストリートジャーナルの記事から、「北米で貨物輸送需要の低迷で物流案件が減少、更に金利の上昇と収益の減少が、好調だったM&A市場に水を差している」についてお話していきたいと思います。 2022年10月14日イーノさんの物流ラジオ M&A案件、減少傾向 昨年以降、旺盛な輸送需要に支えられ、ロジスティクスのM&A案件は増加しましたが、最近は減少傾向にあります。 北米では、イリノイ州の物流業者 STGロジスティクスのCEOは、過去1カ月ほどで、前年度の全期間よりも多くの取引候補とのディールには至らなかったとのことです。 高い評価額 この不況においても買収候補先の多くの企業は非現実的な高い収益予測を立てています。 売り手は好業績期を終え、高く売れると期待を持っていますが、買い手は金利の上昇や、マーケットの不確実性を考慮している状態です。 よって、M&A取引が進まなくなっています。 これまでのM&A市場 ここ最近の運賃が落ち着くまではM&A市場は活発であり、トラック、フォワーダー、船会社など幅広い企業の間で記録的な利益を出していました。 この間は各社とも拡大スピードがとても早かったです。 例えば、ドイツのフォワーダーDB Schenkerは、9月に約2億8500万ドルでトラックロードキャリアUSA Truckを買収しました。 デンマーク船社のマースクは、Pilot Freight Servicesを16億8000万ドルの取引で買収。 更に、フランス船社のCMA CGM SAは、Ingram Micro社のCommerce & Lifecycle Servicesを30億ドル相当の取引で買収しました。 過去最高の取引数 これらに対して調査グループ、アームストロング&アソシエイツ社の社長は、「過去18ヵ月間にサードパーティー・ロジスティクス分野で1,000万ドル未満の取引が数百件あった」としています。 一方、「昨年は1件1億ドルを超える取引が25件あり、1999年に同社が調査を開始して以来最高の件数だった」と続けています。 景気後退による市場の冷え込み 海運量が減少し、世界的な景気後退への警告が広がる中、市場はそれ以降冷え込んでいます。 また、金利の上昇が投資する人を遠ざける可能性があるとのことです。 しかし、事業拡大を目指す物流企業や、既存の物流ポートフォリオを拡大しようとする投資家は、依然として案件を探し求めています。 パンデミックの時に数百億ドルの利益を上げたマースクなどの海運会社は、負債を積み上げることなく買収を行うことができ、強い立場にあります。 とはいえ、価格は依然として最大の障害の一つであるとしています。 急成長による高い評価額 国内輸送の総収入は昨年平均で52%増加し、国際輸送では前年比75%増であったとのことです。 「今は、あまりの成長ぶりに、評価額が出にくい状況にある」と記事は締めくくっています。 M&Aの減速 コロナで高い収益を出してきた企業のM&Aによる事業拡大が落ち着いてくるかもしれません。 インフレ対策で金利が高くなり、しかも、フレートが下がり、更に貨物需要も下がってきています。 会社を売る方も高く売りたいため、直近の実績で高い金額を提示するものの、マーケットの落ち着きにより、買う方は思い切って買えない状況です。 こういった状態により、船会社が陸に上がってくるスピードが落ちてくるかもしれません。 しかし、この間にまた市場に何らかの変化があるかもしれません。 業界の変動に目が離せないと思っています。