
2020.03.26
【3月26日時点】新型コロナウィルスによる国際物流への影響について。マニラ・インドの封鎖や航空便が減少・ストップする影響とは。
新型コロナウィルスが世界中に広がりWHOが3月11日にパンデミック宣言をしてから2週間が経ちます。フィリピンはマニラを閉鎖し、インドは国を閉鎖し外出禁止令まで出しました。そして3月26日のタイにおいては非常事態宣言が発令されました。 今のところ事態の収束に向けて各国がそれぞれの対応をとっており、各企業もリモートワークの導入や部外者の訪問禁止などを実施しております。またタイにおいては映画館、ムエイタイスタジアム、ショッピングモールなどの娯楽施設、バー、レストラン、マッサージ店などの閉鎖を実施。 そして航空会社も便数を減らしたり、一部の国においてはサービスの運休を決定した会社もあります。 国際物流は重要なインフラなのでそう簡単には止まりませんが、確実に影響が出てきているのが現状です。本日は3月26日時点での新型コロナウィルスが物流に与えている影響について筆者が理解している範囲でご説明をしていきます。 武漢向けの海上輸送は再開 新型コロナウィルス発症の地である武漢。一番最初に物流がストップした地域ですが、現在では武漢向けの海上輸送サービスは再開をしております。 残念ながらウィルスは世界中に広まってしまいましたが事態の収束の目処がほんの少しだけ見えた気がしました。 フィリピン マニラのロックダウンの影響 3月15日に東南アジアでいち早くロックダウンを決めたのがフィリピンのマニラでした。弊社でもマニラ港向けへの海上輸送は多く取り扱っております。今のところ各船会社からの特別なアナウンスはありません。 お客様からも沢山の問い合わせを受けましたが海上輸送便に関しては通常通り動いております。しかしDHLがフィリピンの一部の地域には配送ストップしたとのことで代わりにTNTで書類を送ったことがあります。 インド全土 閉鎖による国際物流への影響 3月25日から、インドは全土において21日間の完全封鎖を発表。外出禁止令が出され工場や航空便などが停止しています。 ツイッターで「India Logistics Covid」で検索したらインドの物流は深刻な状態だとネット記事で確認出来ました。要約しますと以下のようになります。 インド全土封鎖による物流の影響 ・食品、マスク、医療品などは配送されないといけないが道路で警察に止められる ・貨物便はインドに到着しているが空港職員が少ないので積み下ろし出来ていない ・税関職員も足りていないので通関が出来ない ・倉庫もストップしておりサプライチェーンが止まる 詳しくはこちらの記事を参照ください。※英語になります 航空便が減少・ストップすることの影響 コロナウィルスの輸送者である人の動きを制限する為に、各航空会社も地域によって減便、またはストップする動きが出てきています。 タイ国際空港 / 日本 - タイサービスの運休について タイ国際航空(TG)は日本向けのサービスを以下のように運休すると発表しました。 ■日本発 運休(2020年3月26日~6月1日まで) <成田発> TG641便/TG643便/TG677便※ ※TG677便は5月31日まで運休 <羽田発> TG661便/TG683便 <関西発> TG623便※ ※TG623便は3月26日は運航 <中部発> TG645便※ ※TG645便は3月28日は運航 ※TG645便は5月31日まで運休 ■バンコク発 運休(2020年3月25日~5月31日まで) <成田行き> TG640便/TG642便/TG676便 <羽田行き> TG660便/TG682便 <関西行き> TG622便※ ※TG622便は3月25日は運航 <中部行き> TG644便 ※TG644便は3月28日は運航 ■日本発 運休(~2020年10月24日まで) <札幌発> TG671便 <仙台発> TG627便 <関西発> TG673便 <中部発> TG647便 <福岡発> TG649便 ■バンコク発 運休(~2020年10月24日まで) <札幌行き> TG670便 <仙台行き> TG626便 <関西行き> TG672便 <中部行き> TG646便 <福岡行き> TG648便 タイ国際航空HPより引用 航空運賃が高騰している 便が減少しているので仕方がないのですが航空運賃が高騰しています。成田向けの全日空(NH)の貨物便の航空運賃ですがTHB 170/kg all inでした。通常であればTHB 50〜60/kg all inほどの金額なのですが3倍以上しております。 またキャンセル料が発生します。以前であればキャンセルしてもキャンセル料は発生しなかったのですが、現在は請求されるとのことです。ご注意ください。 DHL, UPS, Fedex, TNTなどのクーリエサービスについて 弊社はB/Lや原産地証明などの重要書類を発送する為にDHLのサービスを利用しております。しかし先日、DHLではフィリピンの一部の地域には送ることが出来ないと言われました。 代わりにTNTのサービスを利用したので問題はなかったのですが船積み関係書類が送れないことで問題が発生します。 ①B/Lのオリジナルが送れない ・B/L Surrenderで対応 ・L/Cの場合 → WaybillやSurrender。またL/Gで対応する必要あり ※銀行に相談してください。 ②原産地証明のオリジナルが送れない 原則オリジナルなのですが状況によりコピーでの提出で税関との話し合いが出来るかもしれない。 ※不確定な情報ですが弊社の見解です。 まとめ このような非常事態では通常では問題なく出来ていたことが、突然出来なくなったりします。 政府の突然の発表から各関係部署へのアナウンス・準備もままならない状態で物事が決まり実行されますので、私たち国際物流業者もオンタイムでの対応や情報発信を心がけておりますが、通常通りの対応は難しい場合があります。 状況を見ながら随時対応をして情報の共有もさせて頂きます。とにかくはこれ以上の拡大が止まり、早く収束に向かっていって欲しいと思います。