column

2020年3月

【3月26日時点】新型コロナウィルスによる国際物流への影響について。マニラ・インドの封鎖や航空便が減少・ストップする影響とは。 | 物流ニュース・物流ラジオ

【3月26日時点】新型コロナウィルスによる国際物流への影響について。マニラ・インドの封鎖や航空便が減少・ストップする影響とは。

新型コロナウィルスが世界中に広がりWHOが3月11日にパンデミック宣言をしてから2週間が経ちます。フィリピンはマニラを閉鎖し、インドは国を閉鎖し外出禁止令まで出しました。そして3月26日のタイにおいては非常事態宣言が発令されました。 今のところ事態の収束に向けて各国がそれぞれの対応をとっており、各企業もリモートワークの導入や部外者の訪問禁止などを実施しております。またタイにおいては映画館、ムエイタイスタジアム、ショッピングモールなどの娯楽施設、バー、レストラン、マッサージ店などの閉鎖を実施。 そして航空会社も便数を減らしたり、一部の国においてはサービスの運休を決定した会社もあります。 国際物流は重要なインフラなのでそう簡単には止まりませんが、確実に影響が出てきているのが現状です。本日は3月26日時点での新型コロナウィルスが物流に与えている影響について筆者が理解している範囲でご説明をしていきます。 武漢向けの海上輸送は再開 新型コロナウィルス発症の地である武漢。一番最初に物流がストップした地域ですが、現在では武漢向けの海上輸送サービスは再開をしております。 残念ながらウィルスは世界中に広まってしまいましたが事態の収束の目処がほんの少しだけ見えた気がしました。 フィリピン マニラのロックダウンの影響 3月15日に東南アジアでいち早くロックダウンを決めたのがフィリピンのマニラでした。弊社でもマニラ港向けへの海上輸送は多く取り扱っております。今のところ各船会社からの特別なアナウンスはありません。 お客様からも沢山の問い合わせを受けましたが海上輸送便に関しては通常通り動いております。しかしDHLがフィリピンの一部の地域には配送ストップしたとのことで代わりにTNTで書類を送ったことがあります。 インド全土 閉鎖による国際物流への影響 3月25日から、インドは全土において21日間の完全封鎖を発表。外出禁止令が出され工場や航空便などが停止しています。 ツイッターで「India Logistics Covid」で検索したらインドの物流は深刻な状態だとネット記事で確認出来ました。要約しますと以下のようになります。 インド全土封鎖による物流の影響 ・食品、マスク、医療品などは配送されないといけないが道路で警察に止められる ・貨物便はインドに到着しているが空港職員が少ないので積み下ろし出来ていない ・税関職員も足りていないので通関が出来ない ・倉庫もストップしておりサプライチェーンが止まる 詳しくはこちらの記事を参照ください。※英語になります 航空便が減少・ストップすることの影響 コロナウィルスの輸送者である人の動きを制限する為に、各航空会社も地域によって減便、またはストップする動きが出てきています。 タイ国際空港 / 日本 - タイサービスの運休について タイ国際航空(TG)は日本向けのサービスを以下のように運休すると発表しました。 ■日本発 運休(2020年3月26日~6月1日まで) <成田発> TG641便/TG643便/TG677便※ ※TG677便は5月31日まで運休 <羽田発> TG661便/TG683便 <関西発> TG623便※ ※TG623便は3月26日は運航 <中部発> TG645便※ ※TG645便は3月28日は運航 ※TG645便は5月31日まで運休 ■バンコク発 運休(2020年3月25日~5月31日まで) <成田行き> TG640便/TG642便/TG676便 <羽田行き> TG660便/TG682便 <関西行き> TG622便※ ※TG622便は3月25日は運航 <中部行き> TG644便 ※TG644便は3月28日は運航 ■日本発 運休(~2020年10月24日まで) <札幌発> TG671便 <仙台発> TG627便 <関西発> TG673便 <中部発> TG647便 <福岡発> TG649便 ■バンコク発 運休(~2020年10月24日まで) <札幌行き> TG670便 <仙台行き> TG626便 <関西行き> TG672便 <中部行き> TG646便 <福岡行き> TG648便 タイ国際航空HPより引用 航空運賃が高騰している 便が減少しているので仕方がないのですが航空運賃が高騰しています。成田向けの全日空(NH)の貨物便の航空運賃ですがTHB 170/kg all inでした。通常であればTHB 50〜60/kg all inほどの金額なのですが3倍以上しております。 またキャンセル料が発生します。以前であればキャンセルしてもキャンセル料は発生しなかったのですが、現在は請求されるとのことです。ご注意ください。 DHL, UPS, Fedex, TNTなどのクーリエサービスについて 弊社はB/Lや原産地証明などの重要書類を発送する為にDHLのサービスを利用しております。しかし先日、DHLではフィリピンの一部の地域には送ることが出来ないと言われました。 代わりにTNTのサービスを利用したので問題はなかったのですが船積み関係書類が送れないことで問題が発生します。 ①B/Lのオリジナルが送れない ・B/L Surrenderで対応 ・L/Cの場合 → WaybillやSurrender。またL/Gで対応する必要あり ※銀行に相談してください。 ②原産地証明のオリジナルが送れない 原則オリジナルなのですが状況によりコピーでの提出で税関との話し合いが出来るかもしれない。 ※不確定な情報ですが弊社の見解です。 まとめ このような非常事態では通常では問題なく出来ていたことが、突然出来なくなったりします。 政府の突然の発表から各関係部署へのアナウンス・準備もままならない状態で物事が決まり実行されますので、私たち国際物流業者もオンタイムでの対応や情報発信を心がけておりますが、通常通りの対応は難しい場合があります。 状況を見ながら随時対応をして情報の共有もさせて頂きます。とにかくはこれ以上の拡大が止まり、早く収束に向かっていって欲しいと思います。

フォワーダー 選びに失敗しない為の8つの事。国際物流を大手だけに任せて安心をしていませんか? | フォワーダーの仕事

フォワーダー 選びに失敗しない為の8つの事。国際物流を大手だけに任せて安心をしていませんか?

貨物を送るときに最適なフォワーダーを選んでいますか?大手だからという理由だけで特に選びもせずに仕事をお願いしていませんか? 貨物を海外に送るときに利用するのが国際物流業者であるフォワーダーと呼ばれる業者です。そして世界には本当に沢山のフォワーダーが存在しています。 この沢山あるフォワーダーから最適な業者を選ばないと、高いコストで貨物を運ぶ事になったり、実際は送れるけど送れないと言われてしまったり、通関で毎回止められたりすることもあります。 あなたの物流案件で最適なフォワーダーを検討するために、今回はフォワーダーの選び方について大切な8つのポイントを解説をしていきたいと思います。 フォワダーの選び方について動画で解説しました。 何故こんなにフォワーダーは多いのか? 筆者が活動するタイにおいても泰日商工会議所に登録されている日系の運輸業者だけで100社近くあります。リストを見るとほとんどがフォワーディング業務をしている業者だと思いました。 何故こんなにも多いのか? 船や飛行機などを持たないフォワーダーはノンアセット(設備なし)で出来る業態なので簡単に始められるというメリットもあるからです。タイでは日本人1人、タイ人4人だけで経営している会社も少なくありません。 また物を運ぶというのは単純なようで実は奥が深く、お客様・貨物・配送先によってフォワーダーの得意不得意、また合う合わないがあるからです。 初期投資が少ない、変動費が少ない、色んな物流があるからライバルが多くても意外とやっていける。大体こんな理由だと思います。 国際物流をフォワーダーに頼む必要はあるのか? アセットを持たずに国際物流の手配が出来るのであれば、フォワーダーを使わずに自社で直接 船会社やトラック会社に物流手配の依頼をして貨物を送れることが出来るのではないか?このように思うかもしれません。 実際のところやろうと思えばそのようにフォワーダーを使わず自社で物流手配をすることは可能です。しかし、もの凄く非効率です。あと大手企業のような物量がないと割高になります。 実際は色々と手配する必要がある国際物流の仕事 もしあなたが船会社に直接 海上輸送をお願いする時に必要な手配は船会社へのブッキングだけではありません。 自分でやると大変な諸々の物流手配 ・トラック会社にトレーラーの手配 ・通関業者に通関の手配 ・梱包が必要な場合は梱包業者に連絡 ・重量物の場合は重量屋さんに連絡 ・貨物量が少ない場合は混載業者に連絡 ・クロスボーダーが必要な場合は専門のトラック業者に連絡 ・冷蔵貨物を保管する場合は冷蔵倉庫業者に連絡 などが必要となります。 しかし、フォワーダーに物流手配を依頼をすると基本的に全ての必要事項を対応してくれます。また経験豊富な営業マンの場合、費用を抑え効率的にあなたの貨物を運んでくれます。 費用面でも大きな違いがある もしあなたの会社がコンテナでの輸送を必要としていたとしても、月間で1−2本程度の輸送量の場合 船会社からの海上運賃は恐らく高いものになります。一方でフォワーダーは毎月コンテナを何百本、何千本と輸送手配をしています。 船会社からしたらフォワーダーは代理店になり特約価格を得ていることになります。HISなどの旅行代理店と同じ感覚で物量がそれ程多くないのであれば代理店を通した方が安くなります。 フォワーダーの選び方のポイント フォワーダーの必要性は理解して頂けたかと思います。ではフォワーダーを使うという前提でどのような業者を選べば良いのか?フォワーダー選びのポイントをご説明しましょう。 フォワーダーには得意不得意がある 全てのフォワーダーが全ての物流を手配出来る訳ではありません。 フォワーダーには得意不得意があります。弊社はタイのグループ会社(CONNECT Group)でフォワーディングと通関の事業をしている会社が複数あるのですが以下のように得意が分かれています。 CONNECT Groupの得意分野 ・アジア・東南アジア向けが得意 ・アメリカ向けが得意 ・輸入が得意 ・危険品が得意 ・冷蔵貨物が得意 ・中東、アフリカが得意 ・航空輸送が得意 ・航空の輸入通関が得意 ・日本向けが得意&日系向け全般サービス(弊社) このように見事に得意が分かれております。 南米向けに貨物を送りたいのに、南米向けの貨物輸送を殆どやったことがないフォワーダーに依頼すると輸送費用が高くなったり、トラブルが起きた時の対応がよくなかったりします。 「物を送る」という単純に見える仕事でも、実は非常に幅広く多岐にわたるお仕事なのです。 スペースを確保する力 コンテナ船のスペースには限りがあります。送りたい時に好きなだけ送れる訳ではありません。特にニューイヤー、国慶節、ソンクラーン、ゴールデンウィークなどの長期休暇前は各企業も事前に貨物を輸送したいのでスペースがタイトになりがちです。 製造業ではラインを止めてはいけないというルールがあります。送りたいのにスペースがなくて送れないがために、大量のボリュームを航空輸送しなければいけないというケースもあったりします。 この本船スペースを確保する力はかなり重要なポイントです。 価格競争力 物流は安全に、納期通りさえ運ぶことが出来ればあとはコストです。お客様もコストが高いと最終的な製品単価が上がるので出来るだけ安く運べるなら、安い方が好まれます。 この価格競争力はどこから生まれるのか?これはフォワーダーの取り扱いボリュームと営業担当者のさじ加減です。取扱量が多いと船会社も特別なレートを出してくれます。 そして営業マンが高く売るタイプの人間であれば、必然的に高くなります。 複数の船会社との取引がある フォワーダーよりは少ないですが船会社も複数存在します。そして各船会社によってスケジュールが違ったり価格が違ったり、ルートが違ったりします。フォワーダーを使うメリットは選択肢があるという所です。 複数の船会社と取引するには全体的に多くの物量を持っていなければいけません。特定の船会社で勝負しているフォワーダーもいますが、複数の選択肢を提供できるフォワーダーの方がお客様としてはメリットがあるでしょう。 通関対応の良さ 国際輸送では通関が一つの関門と言えます。税関で貨物がストップするとスケジュールに遅れが出てしまうからです。国をまたいでの輸送では何でもかんでも自由に送れるという訳ではありません。 許可や登録が必要な物も少なくありません。そいういう情報を事前にお客様に伝えられるかどうか。通関で貨物が止まらずスムーズに対応できるかどうかが良いフォワーダーの条件です。 海外支店や代理店との連携 貨物を海外に送る時に向け先の港まででなく、当然ですが指定の届け先まで送らなければいけません。輸出側と輸入側の二国間でのコミュニケーションがないと貨物が届けられるのか、また港についた後はちゃんと通関を通ったのかが分かりません。 海外に支店があった方が良いとの情報もありますが、海外支店がないフォワーダーでも各国に代理店があります。 あまり貨物を送らない地域には代理店を新規で探さないといけませんが、マスターB/Lで貨物を送ることは出来ます。輸入側でお客様に通関手配をお願いする事になりますが。 営業担当者のフットワーク 上記は会社単位での強みや選定ポイントでした。しかしフォワーダーという仕事はサービス業でありますのでお客様に良いサービスを提供する姿勢で、お客様の実務・事務担当者様が感じる使いやすさの印象は変わってきます。 フォワーダーの営業の仕事についてはこちらに詳しく記載しておりますのでご確認ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/good-forawrder-sales/?lang=ja" target="_blank"] [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-forwarder/?lang=ja" target="_blank"] カスタマーサービス担当者のレスポンスと正確さ 会社によるのかもしれませんが、弊社ではフォワーダーで実際の実務にあたるのはカスタマーサービス担当者です。通常で流れている業務に関しては営業マンではなくCS担当者が対応しております。 営業マンは新規獲得や問題発生時のトラブル対応、お客様のお困りごとの解決という仕事を弊社ではしております。なので通常の物流業務においてCS担当者のレスポンスの早さや書類などにミスをしないかも大切な判断要因となります。 担当者替えというのもたまにあったりします。お客様の担当者様とうまくコミュニケーションが取れない社員は別のお客様の対応をさせて頂くなど、そういうところでは会社単位で対応をしております。 弊社が日本でお取引のある代理店 タイで活動するフォワーダーである弊社ですが、日本向けには毎週多くの貨物を輸出しています。その日本側のパートナーとして現在お取引があるのが以下のフォワーダー様になります。 ・フライングフィッシュ株式会社 ・ジャパントラスト株式会社 フライングフィッシュ株式会社様 筆者が会社を創業する前に同社の社長様がわざわざタイまで会いに来て下さいました。そのフットワークの軽さは凄いなと思ったのを覚えています。 食品輸送のスペシャリスト フライングフィッシュ様は食品の取り扱いを得意としていらっしゃいまして、ヨーロッパやタイなどから定期的に食品輸送の手配をされています。 弊社でもタイから日本に食品関連の貨物を輸送する時は、同社の食品輸入通関の経験を信頼して安心して依頼することが出来ています。 ジャパントラスト株式会社様 ジャパントラストの社長様は筆者と非常に似た考えをお持ちの方で、LINEのスタンプを作ったり、ウェブのプロモーションなども力を入れていらっしゃいます。 北米向けコンテナ輸送のスペシャリスト また独立系フォワーダーとして日本-北米間の輸送の取り扱いが世界で第4位とのこと。タイ-アメリカのレートを同社に依頼したところ、非常に魅力的なレートを出してくださり実力は本物だと思いました。 まとめ 今回はフォワーダー を経営している筆者の視点で良いフォワーダーの選び方について解説をしてみました。大手のフォワーダーは確かに会社レベルではサービス出来ることが多いのですが、担当者レベルでは話が違います。小さい案件はやらないという担当者もいるでしょう。 会社の組織力と属人性の両方がうまくバランスが取れていること。これが良いフォワーダーの見極めに大切な事です。

保税倉庫 – タイのFreeZoneとBonded Warehouseの違いを解説!IORとEORを利用して貿易をフレキシブルにしましょう。 | 輸送・ロジスティクス

保税倉庫 – タイのFreeZoneとBonded Warehouseの違いを解説!IORとEORを利用して貿易をフレキシブルにしましょう。

加工貿易をする時や貨物を保税状態で国内に保管するときに使われるのが保税倉庫です。タイでは保税倉庫として使われる倉庫がBondedとFree Zoneの2種類があります。 筆者としても保税倉庫と言えばBonded Warehouseだろうと思っていたのですが、昨今のタイでの物流ではFree Zoneの倉庫が主流となってきています。 ではBondedとFree Zoneはどのように違うのでしょうか? 実は結構違うんです。今回はタイにおけるBondedとFree Zoneの倉庫についてご説明をしていきたいと思います。 BondedとFree Zone 倉庫の違いとは それでは以下にそれぞれの保税倉庫の特徴について羅列します。 Bonded Warehouse ・保管期間:2年 (最大保管期間) ・国内貨物:使用不可 ・税金:入庫時に全部支払う ・出庫量: 入庫の時と同じ物量を出庫する必要あり Free Zone Warehouse ・保管期間:2年 + 1年延長可能 ・国内貨物:入庫可能 ・税金:出庫時に出庫した分支払う ・出庫量: 出庫したい分だけ出庫可能 ・IOR / EOR: 使用可能 ご安心ください。それでは更に詳しく見ていきましょう。 BodedとFree Zoneの保管期間 保管期間は分かりやすいですよね。Bondedの倉庫は最大1年間の保管期間の制限があり、Free Zoneにはそれがありません。 長期的に保管する必要があればFree Zoneを使用した方が良いですね。 国内貨物の入庫について Bondedは国内貨物を倉庫内に入れる事は出来ません。外国から来た貨物のみ保管することが可能です。 一方、Free Zoneは国内の貨物も入庫可能です。このメリットは国内の貨物と外国から輸入したFree Zone内の貨物を組み立てたり、箱の詰め替えが出来たりする事です。 Bondedだと国外の貨物だけで組み立てなどが可能ですが、Free Zoneの方がよりフレキシブルですね。 税金の支払いタイミングについて Bondedは外国からの貨物を入庫した時点で全ての関税・消費税を支払わなければいけません。 一方でFree Zoneでは倉庫に入庫した時は税金を払う必要がなく、国内に出庫した時に出庫した分だけの税金を払うことが出来ます。 出庫量について Bondedでは海外から輸入した分を、そのままの量で出庫しなければいけません。例えば貨物を100ton入庫したら、出す時は100tonでなくてはいけません。50tonなど分けて出庫してはいけません。 FreeZoneでは出庫したい分だけを出庫することが出来ます。また上述したように出庫した分のみの税金を払えばOKです。 IORとEORについて 特定の倉庫業者のFree ZoneではIORとEORが使用可能です。これにより海外の企業はタイに会社がなくても貨物の輸出入が可能となります。詳しく見ていきましょう。 IOR - Importer of Recordとは IORを使うことによりタイに法人がなかったとしても輸入手続きが出来ます。Free Zoneの倉庫業者を利用することで輸入者扱いになってくれるのです。 【例】 輸出国:日本 輸入国:タイ Shipper: 株式会社ジャパン Cnee: On behalf of 株式会社ジャパン Invoice Value: USD 0 輸入した貨物は保税倉庫に保管されます。もしタイの国内に輸入をしたい時(内貨にする時)は出庫手続きをするのですが、この時に関税と消費税を受け取り人が支払います。 倉庫業者ですで保管が目的なので倉庫に入庫する時はInvoice Valueはゼロで申告します。出庫してタイの内貨にする時に正規のInvoiceの金額で申告することになります。 EOR - Exporter of Recordとは IORでFree Zoneに輸入した貨物を再輸出する時に、タイに会社がなかったとしてもFree Zoneの倉庫が輸出者扱いとなってくれます。 先ほどの例を使って説明しましょう。 【例】 輸出国:タイ(Free Zoneに保管)- 輸入時のShipper: 株式会社ジャパン 輸入国:アメリカ Shipper: On behalf of 株式会社ジャパン Cnee: アメリカン Co.,Ltd Free Zoneで加工・梱包などをして他国に輸出する時に現地に法人を用意する必要はありません。Free Zoneの倉庫業者がIORやEORでサポートしてくれるので安心です。 まとめ Bondedの倉庫よりFree Zoneの方が機能的に優れているのがお分かりになったでしょうか。「保税」以外の機能を理解して倉庫を使いこなす事は大切だと思います。 タイでFree Zoneの倉庫が必要なさいはお問い合わせを頂ければと思います。

LSSサーチャージについて分かりやすく解説!海上貿易で使われる従来の燃料(C重油)はなぜダメなのか? | 輸送・ロジスティクス

LSSサーチャージについて分かりやすく解説!海上貿易で使われる従来の燃料(C重油)はなぜダメなのか?

2020年から義務付けられた新しい規制により海上輸送に新たなサーチャージが加わりました。 船の燃料にLSC重油という低硫黄の燃料を使わなければいけませんよとIMO(国際海事機関)がマルポール条約(海洋汚染防止条約)を改正したのです。 簡単に言えばこれまで使っていた環境に優しくない燃料をそのまま使うのはダメですと国際機関によって決定されたという事です。 これにより加わったLSS(Low Sulfur Surcharge/ローサルファー・サーチャージ)について今回はご説明をしていきたいと思います。 LSSについて動画で解説しました 排ガスの硫黄酸化物がPM2.5の大気汚染に ご存知の通りPM2.5による大気汚染は国際的な問題になっていますよね。PM2.5は元をたどると排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)から生成されています。 なのであなたの健康を害するPM2.5を減らす為に、IMO(国際海事機関)はPM2.5を引き起こす排ガスの硫黄酸化物(SOx)を減らそうとしているのが今回の規制です。 ローサルファーとは? 硫黄(Sulfur)なので、Low Sulfurで低硫黄を指します。 硫黄分濃度が低い燃料を使いましょうという事で、その硫黄分濃度の基準が以下になります。 ・従来のC重油:HS (High Sulfur): 3.5%以下 ・低硫黄C重油:LS (Low Sulfur):0.5%以下 硫黄分濃度が0.5%以下の重油のことがLow Sulfur重油で、この重油を使用することでPM2.5の発生を抑制しましょうという決まりなのです。 スクラバーを使って従来のC重油を使う スクラバーを使えば従来のC重油でも、排ガスを低硫黄燃料を使ったときのレベルまで洗浄することが出来るので低硫黄燃料を使用する必要はありません。 出典:Alfa Laval PureSOx (サイトに移動します) なぜサーチャージが発生するのか? 低硫黄燃料はこれまで使用可能だった従来のC重油より3割〜5割ほど高くなっています。船会社も燃料費としてカバーしなければいけません。 またスクラバーを導入した船舶であれば、そのコストをカバーする為に船舶会社も補填をしなければいけません。 各船会社のLow Sulfur Surcharge さてこの環境に優しくする為のLSSですが船会社によって金額が異なります。詳しい理由は分からないのですが各船会社ごとに戦略があるのでしょう。 このLSSが導入され始めるぞと騒ぎになった2019年11月頃、筆者の会社も各船会社からの情報が不十分なままお客様に色々と質問をされました。 独自の呼び方と計算方法をする船会社 全ての船会社を調べた訳ではないのですが以下の2社はLSSという言葉ではなく別の言葉で新しい燃料サーチャージを表現しています。 ONEのLSS: OBS ・ONE:ONE Bunker Surcharge(OBS) OBSは他社のLSSと比較すると安く設定されており、ONEによると独自の計算方法をしているとの事です。 海上運賃はAll inで出した方がいいかもしれませんね。 EverGreenのLSS: ISOCC ・EverGreen:IMO Sox Compliance Charge(ISOCC) EvergreenのLSSはこのように表現されています。当初Evergreenの見積もりを見た時に「ISOCC」という項目を見つけてググったのを覚えています。 LSSにはタリフと売値がある タリフとは定価の事です。タイから日本の主要港までのLSSのタリフはDryコンテナで ・USD 70/20’ ・USD140/40’ だったと思います。※うる覚えですみません。。間違ってたらすみません。 しかしこれはタリフで実際には各船会社はそれぞれの価格を提示してきました。 フォワーダーとしてのLSS 船会社も各フォワーダーに対して同じLSSを提出しているところもあれば、安くLSSを設定している船会社もあります。 一般的にLSSはタリフで3ヶ月間の固定ですが、弊社は特定の船社からはタリフよりかなり安い価格で提示をされ、毎月交渉をしています。 タリフのLSSであれば値上げはありませんが、お客様の為に交渉しているとLSSは上がることがありますのでご理解ください。 まとめ 国際物流には様々な機関が関係し定期的に規制が変わります。近年でもIMOによるSolas条約(海上人命安全条約)で導入されたVGMがありました。 貿易をより良くする為に規制は変わり続け、私たちはそれに合わせて事業運営をしなければいけません。 今回のLSSは地球環境の為に必要とされたもので、コストアップは辛いものではありますが、何卒ご理解を頂けましたら幸いです。 企業様の貿易・新人研修にお勧めの無料コンテンツ

ASEANのクロスボーダー トラック輸送について解説。タイからミャンマー・ラオス・マレーシア ・カンボジア・ベトナム・シンガポール・中国を陸送するトラック手配について。 | 物流コラム

ASEANのクロスボーダー トラック輸送について解説。タイからミャンマー・ラオス・マレーシア ・カンボジア・ベトナム・シンガポール・中国を陸送するトラック手配について。

地図を見るとわかるのですがタイはASEAN地域の中でとても良い立地にあります。タイには日系企業も多く品質の高い製品が製造される一方で、人件費が高騰し続けています。その為に周辺国に工場を構えて製造する企業も増えてきました。いわゆる「タイ+One」。 2015年にAECが発足しASEAN地域での関税撤廃やタイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアを含めた大メコン経済圏でのインフラ整備なども進み、貨物輸送では陸送が注目を集めています。 タイで国際物流に携わって現在7年目。クロスボーダートラックの要望や案件は実際に増えてきていると実感します。 今回はこのクロスボーダートラックの輸送手配を現場感覚でお伝えしていきたいと思います。 クロスボーダートラックのリードタイム クロスボーダートラックの魅力と言えばリードタイムです。流石に航空輸送には敵いませんが、海上輸送に比べると断然に早いのが特徴です。 タイからの輸送リードタイム ・クアラルンプール(マレーシア):約4〜5日 ・ビエンチャン (ラオス):約2〜3日 ・ヤンゴン(ミャンマー):約4〜5日 ・プノンペン (カンボジア):約2〜3日 ・ホーチミン(ベトナム):約3〜4日 ・ハノイ(ベトナム):約3〜4日 ・シンガポール :約4〜5日 例えば、ヤンゴン向けの海上輸送だとDoor to Doorで約3週間かかっていたのが、約4日ですので圧倒的に早くなっていますね。 ホーチミンやシンガポールでも海上輸送の船足は短いのですがCYに入れたりしてDoor to Doorだと週をまたいでしまいます。 クロスボーダートラックのコスト・費用 これは「向け地」と物流業者さんの「売値のさじ加減」にもよるのですが、弊社の感覚だとクアラルンプールだとクロスボーダーと海上輸送でDoor/Doorだとほぼ同じという印象です。 ホーチミン向けなどは海上運賃が安いのでコスト面では海上輸送の方が有利な場合が多いのですが、日系やローカルのトラック会社によっても変わってきます。 日系企業のクロスボーダートラック 筆者もネットから情報をとる時に日系企業の情報をよく見ます。 流石だなと思うのがクロスボーダートラックでASEANだけにとどまらず中国やインドまで支店を置いて陸送しているのが日通さんです。 その他、K-Lineロジッスティクスや三九さんなど、やはり大手の物流業者さんはASEAN地域を網羅しているように見えます。 鴻池さんはクロスボーダートラックでも冷蔵・冷凍の強みを持っており、コールドチェーンを確実に取りに行っているように見えます。 嬉しい混載サービスまで 日通さんや日立物流・佐川さんなどはタイ〜ベトナムで週1便などで混載サービスを提供しています。 コンテナやトラック一杯にならないくらいの貨物の場合は日系のトラック会社がお勧めです。 ローカルのクロスボーダートラック会社 筆者はローカルのフォワーダーとして様々な物流サービスを主に日系企業のお客様にご提供しているのですが、基本的にローカルのトラック会社しか使いません。 ローカルの業者には価格面でメリットがあるのですが、日通さんのような混載サービスを提供している会社を筆者は知りません。 コンテナかトラックで貨物を運ぶ ローカルのトラック会社では上述しているような混載サービスはありません(筆者は知りません)。 なので「40‘コンテナ」で運ぶか「4Wheelか6Wheelトラック」でチャーターで運ぶかになります。 ※しっかりと調査した訳ではありません。あくまで筆者の肌感覚でお話しています。 国境での積み替え クロスボーダートラックの特徴として、”基本的に” 国が変わると車輌も変えなければいけません。 同一のトラックで輸送できるライセンスを取得している業者もあり、そのトラックを使えば積み替え不要ですが、まだそれは多くなくて殆どが積み替えます。 コンテナを積み替える 国境にはコンテナを持ち上げる設備があり、輸出国のシャーシーから輸入国のシャーシーへコンテナを載せ替えます。 トラックで貨物を積み替える コンテナの場合、コンテナごと積み替えるので大きな問題は起こりにくいのですが、トラックの場合は国境沿いにある倉庫で作業員が詰め替え作業をします。 貨物がパレットに乗っていればフォークリフトを使っての積み込み積み下ろし作業となりますが、バラ積みの場合は現場の作業員の登場です。 ここがトラック輸送でのクロスボーダーのリスクです。弊社でもトラックでの陸送を希望されるお客様の場合はこのリスクを説明しております。 ライセンスを持っている業者であればトラックでも開けずにそのまま運べるので、弊社でもそういうサプライヤーを増やしてる最中です。 まとめ 昨今の物流ではとにかくリードタイムの短縮を希望されるお客様が多く、クロスボーダートラックでの輸送は大メコン経済圏内において今後も増えていくでしょう。 あとはコストとのバランスです。弊社ではローカルのトラック業者をメインで使っていますがサービス品質は悪くありません。 ローカル業者でも最近ではGPSは当然で、通関対応にも非常になれたローカルのサービスはコストと納期のバランスが取れた選択肢として有効です。 とはいえ日系のトラック会社にもサービスの強みもあり、状況に応じて使い分ければ良いと思います。

タイで食品輸入の為にFDAの登録申請をする方法!鮮魚・青果・肉・果物・加工品などのFDA申請代行もやってます。 | 物流コラム

タイで食品輸入の為にFDAの登録申請をする方法!鮮魚・青果・肉・果物・加工品などのFDA申請代行もやってます。

タイで食品の輸入販売をしたい。そのためにはタイのFDA(Food and Drug Administration)の登録許可が必要になります。 食べられる物であったとしても、何でもかんでも輸入出来る訳ではありません。タイの食品法に基づいて輸入許可が下りなければ、いくら日本や諸外国で食べることが許されている食品でもタイに輸入は出来ません。 弊社では鮮魚・野菜・フルーツ・加工食品・飲料などの食品を日本から輸入通関している実績があり、それぞれの商品のFDA登録もしてきました。 今回は弊社の経験に基づいた食品のFDA登録について手順や必要書類などについて解説をしていきます。 タイのFDA登録について動画で解説 タイで食品をFDAに申請するポイント FDAの登録を全て自分で手配をするとなるとかなり時間を要します。 これはアルコール・酒の輸入登録の時にもご説明をしましたが、FDAに頻繁に通えるロケーションやFDAの担当者との人間関係も大きく影響します。 ご参考にアルコール・酒の輸入登録の記事についてもご覧ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/alcohole-registration-thai/?lang=ja" target="_blank"] やはりFDAの申請に慣れている業者に依頼する方がスーピーディーにストレスなく登録手続きが出来ます。 商品によって求められる書類が違う 食品にも色んな種類の物があります。タイで輸入が禁止されている成分が使われているものがあったり、乳幼児が口にするような物などもあります。 タイで安全な食品を流通管理するために、FDAに登録申請する為の書類は商品によって異なります。 FDA担当者が「この書類を用意しろ」と言えば基本的には用意しなければいけません。しかしコネクションがあると追加書類の要求も緩くなる場合があります。 タイのFDA登録申請 全体の流れ 以下に輸入したい食品の登録完了までの必要なプロセスをご紹介します。 1. 貨物輸入ライセンス 2. 食品の輸入許可申請 3. FDAのカテゴリー登録 4. FDAの製品登録 それでは1つずつ見ていきましょう。 1.貨物の輸入ライセンス そもそもの話なのですがタイに貨物を輸入する輸入者としてのライセンスが必要です。 輸入したことが無いという会社様はライセンスを取るか、輸入したことがある業者に依頼しましょう。 2. 食品の輸入許可申請 輸入ライセンスがあれば食品でもなんでも輸入出来るかというとそうではありません。食品の場合は食品を輸入するためのライセンスが必要なのです。 ※ライセンスという言葉を使っていますが「登録」とご理解ください。 申請期間:約2週間 この時にお客様に手配してもらう書類が以下になります。 食品の輸入ライセンス取得に必要な書類 ・Company Registration(6ヶ月以内) ・代表者(社長)のパスポート(コピー&サイン) ・会社の株主一覧書類(外国人株主の場合) ・ワークパーミット(外国人社長の場合) ・登録住所証明書類 ・輸入貨物を保管する倉庫の地図・図面 ・倉庫の使用許可書 ・食品管理倉庫周辺の地図 ・社印 保管倉庫について FDAに申請をするためには食品を保管する倉庫を準備しなければいけません。輸入して直接配送先にお届けする場合であっても登録には倉庫情報が必要なのです。 冷蔵・冷凍倉庫であれば問題ないのですが、冷蔵庫があるスペースでも申請は可能です。※反応はFDA担当者によっても異なります。 まだ事業が大きくないという場合はこの倉庫条件がちょっとしたハードルかもしれません。弊社でもそのようなお困りごとに対応してきた実績がありますので、ご相談頂ければと思います。 3.FDAのカテゴリー登録 食品の輸入ライセンスが取得出来たら、どのカテゴリーの商品を輸入するのかを申請する必要があります。 野菜・フルーツ・肉・飲料・加工品など、輸入したい商品情報を頂けましたら弊社でどのカテゴリー登録が必要かをご連絡します。 例:「加工品」でカテゴリー登録した場合 【輸入可能な食品】 ・パックの味噌汁 ・サバの缶詰 ・オリーブの瓶詰 【輸入不可な食品】 ・キャベツ(青果) ・牛肉(肉) ・サーモン(鮮魚) 申請期間:約1週間 4.FDAの製品登録 カテゴリーの登録が終われば、最後にどの製品を輸入するのかの製品登録があります。 商品カテゴリーによって求められる書類は異なるのですが以下のような書類は求められます。加工品の場合の例です。 加工品の場合 1. 商品名 2. 商品写真 3. 商品ラベル 4. GMP/HACCP/FSSC22000/ISO など *品目による 5. 成分分析表 6. 製造工程標 7. 商品サンプル 申請期間:約1週間 弊社のFDA申請・通関サービスをを利用されているお客様の声 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/interview-karatsu/?lang=ja" target="_blank"] まとめ タイでのFDAの登録申請は慣れていないとかなり手間がかかるというのが筆者の印象です。 必要書類の手配は日本側のお客様の協力も必要となります。追加書類の要求がいきなり来たりしますのでお客様には事前にタイのFDA登録申請の煩雑さをお伝えさせて頂いております。 タイでは日本食などの人気は高く販路拡大のためにタイに進出される企業様もいらっしゃいます。タイのFDAの登録はどこにどうやって依頼したらいいの?と思われましたら、お問い合わせ下さい。

新型コロナウィルスが国際物流にもたらす影響について。フォワーダー視点から3月7日時点の情報を共有します。 | 物流ニュース・物流ラジオ

新型コロナウィルスが国際物流にもたらす影響について。フォワーダー視点から3月7日時点の情報を共有します。

現在、世界中を震撼させる新型コロナウィルス(以下:新型コロナ)ですがタイの物流業界で働く私たちの間でも色んな形で影響が出始めてきています。 色んな業界の貨物を運んでいる筆者としましてはお客様を訪問した時にコロナの影響について物流の観点から色々と質問を受けます。 本日は現時点(3月7日時点)で筆者が確認している範囲で新型コロナが物流にどのような影響を与えているかについてご説明をしていきたいと思います。 新型コロナによる中国物流の影響 現時点では新型コロナは世界中に広がっておりますが、新型コロナが中国武漢から広まった当時では中国の物流はどのようになっているのか頻繁に問い合わせを受けました。 武漢地域での物流はもちろん止まっています。それ以外のお客様の関心事項は上海や寧波などの中国の主要港です。 船社や弊社の中国の代理店に確認したところ、現時点では港が止まると言う事にはなっていません。武漢地域以外では通常通りとの事です。 上海近郊ではトラックが南に行ってくれないから、トラックが手配出来ないという事は頻繁に聞きました。最近では南方面はさておきトラック手配は可能との事です。 中国からタイ向けの輸入貨物 弊社のお客様には中国から原材料を輸入してタイで加工して日本などに輸出している工場が多いです。お客様からよく聞くのは中国からの原材料が入ってこないから生産量が落ちているとのこと。 なので中国からの輸入は減ってはいるのですが、中国以外からの輸入に切り替えているお客様もいます。 中国からタイに生産変更する 中国に工場を構えていて中国から日本などに輸出をしていた会社様で、生産をタイに移すという動きが出ています。 現在ある生産ラインでは出来ない製品は、生産ラインごと中国からタイに持ってくるという案件もあります。 中国で貨物が動かないからコンテナが滞留中 特にヨーロッパの話を聞くのですが、中国から貨物がヨーロッパに行かないのでコンテナがヨーロッパに行かずコンテナが中国に滞留しています。 空コンテナを動かすにも費用がかかりますので、現在ではヨーロッパから諸外国への海上運賃に反映されております。 コロナの影響で日本で商品が売れない 日本向けに最終製品を製造販売しているお客様ですが、過去5年で最も貨物が動かないとのこと。 外出の自粛は旅行業・飲食業・サービス業以外にも消費が冷え込む事で製造業へも影響しています。物が売れないと原材料の動きにも徐々に鈍りが出てきます。 航空便が減便して航空運賃にも影響か タイでは特定の11カ国への出国を規制しており、各航空会社も減便をすることになっています。まだインドのように外国人に対して新規ビザを発行しないなどはありませんが、日本人の入国禁止も義務化されるかもしれません。 日本人だけでなく世界的に人が動かないので航空便数も減ります。飛行機は人だけじゃなく同時に荷物も運んでいるので供給量が減るために航空輸送費用が上がるかもしれません。 生産量が減り出荷量も同時に減れば影響はないかもしれませんが、輸送費用が上がる可能性はあります。 タイからの輸出海上運賃 これは船会社によりけりですが、弊社に対しては据え置きしている船会社やLSSを値上げしてきた船会社があります。 現在はソンクラーンも控えているので船社のサービスが減ったと言う話は聞きませんが、海上輸送にも運賃やサービスなどで影響は出てくる可能性は十分にあります。 まとめ 新型コロナウィルスがもたらす影響ですが、現時点で筆者が把握しているのは上述したものになります。 マスクなどの必需品などの動きは大きいですが、人が動かないという影響は消費の冷え込みから物を動かす国際物流業にも影響しています。 それでも各お客様は対策を取っておられ、今でこそできる事をやっているお客様もいらっしゃいます。事態の早期収縮を祈りながら出来ることをやっていきたいと思います。

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。 | 輸送・ロジスティクス

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。

主に輸入貨物を取り扱うときにお客様によっては倉庫の手配を希望される事があります。倉庫は単に商品を在庫保管するだけでなく、積み下ろしや軽作業にも使われます。 弊社のHPからは日本語でタイの倉庫に関する問い合わせが多く、それだけ日系企業のお客様からの需要が高いのか or 単に情報がないのかが良く分かりませんが筆者の知っているタイの倉庫事情についてご説明をしていきたいと思います。 現在のタイの倉庫事情 倉庫選びで重要な要素に立地が挙げられます。港・空港と配送先・仕入れ先などの場所から最適な場所に貨物をストックする。 いくら倉庫費用が安いと言っても配送先などから距離が離れていると輸送費用が高くなり効率的ではありません。 人気の倉庫立地 筆者が知る限りでは貨物が集まりやすい立地はタイではスワナプーム空港・バンコク港・レムチャバン港の近く。 そして日系企業が多く入っている工業団地としてチョンブリ県のアマタナコーン工業団地やサムットプラカーン地域にある工業団地に近いBangNa Tradが人気のエリアかなと思います。 割と空いている倉庫立地 一方でガラガラの倉庫もあります。2011年にタイの起きた洪水でタイのアユタヤ地域周辺は水没しました。その影響で東部のレムチャバン地域に倉庫が多く建てられました。 しかし供給過多でその地域の倉庫はまだガラガラに空いていると言う印象です。 倉庫の種類 倉庫では様々な貨物が保管・作業をされますので、それに適した倉庫が必要となります。 以下に各種倉庫について説明をしてきましょう。 一般倉庫 / General Warehouse 一般の貨物(General Cargo)が保管される倉庫です。樹脂、木材、自動車パーツなどなど。一般貨物の場合は他の倉庫に比べて機能がないので他社と差をつけるにはサービス、立地、価格になります。 またコンテナからの積み下ろしが出来ないお客様の場合、一般倉庫でコンテナを開梱してトラックに載せ替えてお届けする事があります。 冷凍・冷蔵倉庫 / Cold Warehouse タイでは冷凍・冷蔵倉庫の需要が高くなってきたように感じます。 2018年ごろから屋台の撤去が進みコンビニやスーパーの冷蔵・冷凍食品の需要が増えていくと予想されています。 弊社では冷凍のシーフードや温度管理が必要な工業品のリクエストもあり日系・タイ系の冷蔵/冷凍倉庫を状況に応じて使い分けています。 冷凍・冷蔵倉庫の温度設定ルーム ・-25度 ・3度〜5度 ・5度〜10度 ・15度〜18度 ・25度 など。 タイでは日中の気温は一般的に30度を超えますので温度管理が必要な貨物は冷蔵・冷凍倉庫を使います。 危険品倉庫 / DG Warehouse 化学品などで危険品とされる貨物は危険品倉庫に保管しなければいけません。また危険品の輸入登録をする時にもDIW(タイの工業省)に保管する予定の危険品倉庫の資料を提出する必要があります。 危険品倉庫というくらいですので、本当に危険です。船や倉庫でも危険品が燃えたというニュースはよくあります。 タイの危険品倉庫でクラス4(可燃性物質), クラス5(酸化性物質)を取り扱っている所は私は知りません。 でも日本のお客様からたまにこれらのクラスの危険品の取り扱い依頼を頂きます。 弊社で取り扱い可能なのは ・クラス3:引火性液体 ・クラス6:毒物 ・クラス8:腐食性物質 ・クラス9:その他 これらのクラス以外の危険品につきましてはMSDSを頂き、確認した上で判断をさせて頂いております。 保税倉庫 / Bonded Warehouse 一般的に貨物を輸入すると関税やVATが発生します。しかし輸入した貨物を加工して再輸出をするという場合などに使う倉庫が保税倉庫です。 ラベル貼り、梱包作業、簡単な組み立てなどを行ったり、他国との貨物を合わせて第三国に送るためにコンテナ積めをしたりもします。 基本的に再輸出を前提としていますので主に空港の近くや港の近くにあります。 他国との貨物をまとめてコンテナにバン積めする際は保税倉庫以外にもCFSを使ったりする事があります。お客様のご要望を聞いてどうしたら最も効率が良い物流手配になるのかを提案させて頂いております。 B2C 向けの倉庫 / E-Commerce Warehouse 近頃ではタイもオンラインショッピングの利用が盛んになってきました。タイではLazadaやShopeeが有名です。筆者も「どこで買ったらいいの?」という商品をLazadaで購入する事があります。 ちょっと調べましたら、2013年〜2017年までLazadaやShopee(2015年創業)まで赤字だったそうです。確かにタイの通販は物を買ってお金払ったけれども送られてこないや詐欺のような事がよくあったと聞きます。 2016年に楽天がタイから撤退したのもマーケットがまだ出来ていなかったからでしょう。 しかし昨今ではアプリを使った注文はGrabTaxi/Food, Panda Foodなど便利なものが増えておりますのでオンラインショッピングも一般的になっている印象です。※筆者の主観です。 弊社グループ会社でもE-Commerceの波にのって倉庫を始める計画があります。 やはり米・水などの重たい物を運ぶのは大変ですし、外出しないで買い物できる利便性は大きいので今後伸びていくマーケットなのは間違い無いでしょう。 アリババやAmazonのようなロボットが働く倉庫はまだタイでは人件費の面で導入されないかもしれません(安いから)。しかしこれも時間の問題だと筆者は思っております。 まとめ 今回はタイの倉庫に関して一般的な情報をお伝えさせて頂きました。弊社ではまだまだB2Bのビジネスが多いので、一般倉庫・冷蔵倉庫・危険品倉庫・保税倉庫の利用が多いのですが、いずれはB2C用の倉庫も主要倉庫の一つになると思います。 倉庫はとにかくロケーションが大切です。まだまだタイの倉庫情報は多く無いかもしれませんので、もし各種倉庫でお探しでしたらお問い合わせください。

海上保険・保険条件について解説しました。海上損害の種類やリスクカバーの範囲・料率の計算方法について。 | 貿易実務の基本

海上保険・保険条件について解説しました。海上損害の種類やリスクカバーの範囲・料率の計算方法について。

海上保険は、貿易において欠かすことのできないリスク対策の1つです。 民間企業による保険には、大きく分けて損害保険と生命保険がありますが、貿易において利用するのは損害保険のなかでも「マリン」と呼ばれる海上保険です。 今回は、海上保険のうち取引において特に知識を必要とする貨物保険について見ていきたいと思います。 貨物保険に関わる当事者 保険金を支払う保険会社のことを保険者(Insurer/Assurer)といいます。 また、保険金を受け取る事ができる者を被保険者(Insured/Assured)といいます。 保険期間 自動車保険や火災保険といった保険は、通常一年単位で契約されます。しかし、貨物保険の保険期間はこうした時間としての期間(期間建)ではなく、ある地点から別の地点まで(場所建)の間で定められます。 協会貨物約款(ICC)によれば、貨物保険の保険期間は原則として仕出地の倉庫から仕向地の倉庫までをカバーする倉庫間約款(Warehouse to Warehouse Clause)が原則とされています。 保険金額と保険価額 損害が生じた場合に支払われる保険金の額は、どのようにして決まるのでしょうか。 これは、貨物の評価額である保険価額をもとにして決められます。保険価額は現在、保険会社と被保険者との協定によりCIF価格の110%とされています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/cargo-insurance/?lang=ja" target="_blank"] 支払われ得る保険金の最高金額のことを、保険金額と呼びます。保険金額は、保険価額の範囲内で定められます。 海上損害の種類 海上輸送に伴う損害を、海上損害と呼びます。海上損害には大きく分けて、貨物に及ぶ物的損害と、救助費用などの費用損害があります。 物的損害は、さらに貨物の全てに被害が及ぶ全損と、貨物の一部が被害を受ける分損に分かれます。 ここでは、海上損害の種類についてそれぞれ見てみましょう。 全損 全損とは、貨物全体が価値を失った状態になることを言います。海上輸送の場合、例えば穀物が浸水のために変質してしまった場合や、船の沈没により引き上げが不可能となった場合なども全損にあたります。 現実全損 損害により貨物の価値が全くなくなってしまうことで、この場合保険金額は全額支払われます。 推定全損 現実分損には当たらなくても、例えば貨物が沈没してそのサルベージ(引き揚げ)費用が貨物の価格を超える場合などは、保険会社の鑑定により全損と見なされることがあります。こうした場合を推定全損と呼びます。 分損 貨物の一部が損害を受けることを分損と呼びます。分損は、損害の費用を誰が負担するかによって単独海損と共同海損に分かれます。 単独海損 単独海損とは、保険契約者である荷主が単独で費用を負担する海損を指します。WA条件ではこの単独海損がカバーされ、FPA条件ではその一部が補償されます(詳細は後述)。 共同海損 共同海損とは、差し迫った、船舶と積荷との共同の危険(例:高波や座礁など)に瀕した場合に、船長の負担によりその状態から逃れるためにとられた処分(例:投荷など)により生じた損害および費用を船主と荷主等が共同で負担することを言います。 各自の費用負担については、共同海損清算人(General Average Adjuster)により計算され、その負担金は共同海損宣言書により各荷主に通知されます。 共同海損についての国際的統一規則としては、ヨーク・アントワープ規制(York-Antwerp Rules of General Average) があります。 保険条件 海上保険の保険条件としては、カバーされる範囲などによって次のような種類があります。 FPA(Free from Particular Average) FPA(分損不担保)条件は、本来は文字通り分損を担保せず、全損、共同海損、費用損害(海水濡れ危険を除く)をてん補する条件でした。 しかし現在では保険会社の競争などにより、実際には分損であっても特定分損についてはてん補されるようになっています。 特定分損とは、座礁、沈没、大火災、火災、爆発、他船との衝突・接触が原因で生じた分損(SSBC Sinking, Stranding, Burning, Collision)のことを言います。 WA(With Average/With Particular Average) WA条件とは、特定分損に加えて不特定分損がてん補される条件です。 不特定分損とは、海水による濡れ危険(潮濡)のことを指します。ですから、WA条件はバラ荷の中でも海水濡れに弱い穀物類や豆類の貨物に使用されます。 A/R(All Risks)オール・リスクス A/R条件(オール・リスクス)とは、FPA条件やWA条件でてん補されない危険も含めて包括的に補償される条件です。 但し、保険免責事由はあるためどのようなリスクでも全てカバーするというわけではないので、当然ながら契約時には注意が必要です。 まとめ 今回は海上保険と保険条件について見てきました。保険は貿易に欠かせない重要な要素です。 海上保険は必須ですが、適切な条件は貨物の種類や貿易条件等によって変わります。自分の取引に合った無駄のない保険を選んで、効率よく安全な取引を行いましょう。

イケてるフォワーダーの仕事術!国際物流の「売れる営業」と「売れない営業」の違いを解説しました。 | フォワーダーの仕事

イケてるフォワーダーの仕事術!国際物流の「売れる営業」と「売れない営業」の違いを解説しました。

国際物流業者として色んなお客様から色んな物流案件のお問い合わせを頂きます。フォワーダーの仕事としてどのようなお客様・案件であれ物流の手配をするのが大切です。 今回は仕事の姿勢によって変わる、売れるフォワーダーの営業マンと売れない営業マンについてお話をしていこうと思います。 色んな貨物輸送のリクエストがある 貨物を外国に送りたいという案件がある場合、フォワーダーの営業マンにとったら多くの場合でお客様になり得るのですが、所属している会社の得意・不得意によって提供できるサービスに差が出来ます。 例えば弊社では月間 5,000TEUの輸出入の実績があり、またタイの会社でドリアン・お米・マンゴー・シーフード・ゴムの木などの海上輸出の取り扱いの方が多いので、コンテナを使った海上輸出が得意です。 でも、たまに小さなダンボール1箱を運びたいというお客様から問い合わせを頂く事もあるのですが、この場合はDHLなどのクーリエを私たちが手配する事もあります。 お客様には説明した上で弊社でクーリエを手配したり、お客様自身で手配してもらっています。 物流に慣れているお客様 法人・個人に関わらず長年貨物を輸出入し続けている物流に慣れているお客様の場合は話が早いです。既に色々と経験済みで色々知ってますから。 しかし慣れているお客様の場合はフォワーダーの仕事の質が高くないと、コストでしか判断されません。 ただでさえ慣れているお客様はコスト意識が高く、別のフォワーダーとの相見積もりが一般的です。 コストの強みに加え、以下に説明するサービスの強みを持って挑まなければ仕事に繋がりにくいのです。 どんな物流でも手配出来る フォワーダーとして国際物流業に従事をしていると新規や既存のお客様から色んなケースでの物を運ぶ事に関しての質問を受けます。 機械以外にも ・お酒 ・衣類 ・工業品 ・危険品 ・化粧品 ・生鮮食品 ・冷凍貨物 ・引越し貨物 ・プラント装置 ・高級ゴルフバッグ など、色んな貨物を運ぶ依頼があるのですがこの時にイケてるフォワーダーの営業マンは このように物流のプロとして色んな案件を引き受けます。たとえ経験がなかったとしても経験のある人や業社を探してお客様のご要望にお応えします。 因みに筆者はタイにおいて上記の全ての貨物の取扱経験がございます。勿論、最初は経験ゼロでした。 フォワーダーの仕事はサービス業 フォワーダーというとNVOCCと呼ばれ、自社の船舶や飛行機を持たず船会社や航空会社の代理店として活動をするのですが船や飛行機以外の物流手配も出来るのです。 国際物流では他国のお客様に貨物をお届けするまでに 輸出側の物流手配テキストが入ります。 ・倉庫 ・梱包 ・トラック ・貨物の積み込み ・輸出通関 ・海上保険 ・船・飛行機 輸入側の物流手配 ・輸入通関 ・トラック ・貨物の積み下ろし ・倉庫保管・管理 などの各ステップがあります。 この一貫した物流を手配したり、得意・不得意はあれど上述したような様々な種類の貨物の物流手配をする事が出来ます。 サービス業なので何でも出来る 製造業とは違いサービス業の場合、お客様の要望するものはやり方次第で何でもお応えする事が出来ます。 物流業では ・倉庫を持ってる倉庫屋さん ・梱包資材や職人を抱えている梱包屋さん ・通関士を抱えている通関業者 ・船を持っている船会社 ・各種トラックを揃えているトラック業者 などアセット(設備・資材・資源)を持った業者さんがいます。 筆者としてはフォワーダーは商社と同じように情報を頼りにお客様に物流サービスを手配する業者だと認識をしています。 どんな貨物でも取り扱う 物流のプロであれば極力何でも取り扱う姿勢を持っている事が大切です。 確かに特殊な貨物の輸送の依頼の場合は慣れている所にお願いした方が良いのですが、お客様もその貨物を運べる業者を探している訳です。 自分が窓口になって出来る業者を探して上げれば自分の経験や利益にもなりますよね。 イケてるフォワーダーの営業マンは自らの情報とコネクションを活かしまくって、どんな貨物でも運ぼうとします。 まとめ 基本的にフォワーダーはアセットを持っていません(大手企業は別)。アセットを持っていないのであれば使えるのは情報と人脈とホスピタリティです。 製造業だと製品は全て均一に造らないといけないのですが、フォワーダーの仕事はサービス業ですから、提供できるサービスの差は人によって大きく異なります。 フォワーダーの営業マンとしてマネジメントも含め個人の実力が発揮できる所でもあるので、やりがいがある仕事だと筆者は思ってます。