2025.12.26
プレミア・アライアンス、2026年新体制でハブ&スポークを加速 寄港地削減で定時性改善へ
本日は、プレミア・アライアンスが発表した2026年の新ネットワークと、そこから見えてくる海運業界全体の構造変化について解説します。 2025年も終盤に差しかかる中、船社各社はすでに来年を見据えたネットワーク再編を本格化させています。 今回注目するのは、ONE、HMM、Yang Mingで構成されるプレミア・アライアンスの動きです。 動画視聴はこちらから 2026年ネットワークの最大の特徴は「寄港地削減」 12月18日付のJournal of Commerceによると、プレミア・アライアンスは2026年の改訂ネットワークにおいて、アジア―欧州航路の寄港地を大幅に削減する方針を明らかにしました。 一部のループでは、寄港地をわずか5港にまで絞るという、非常に大胆な設計が採用されています。 アルファライナーの分析では、この新ネットワークは2026年4月から順次導入される予定とされています。 特に注目されるのは、アジア側でのダイレクト・コールの削減です。 これまで本船が直接寄港していた港の一部は抜港され、韓国の釜山港をハブとしたトランシップ型の運用へと移行します。 釜山ハブ化が前提となる新ネットワーク 新体制では、釜山港を主要ハブとし、そこから高雄、アモイ、そして日本の東京、神戸、名古屋などへフィーダー船で接続する構造が強化されます。 例えば、アジア―北欧州航路のFE1ループでは、レムチャバン、カイメップ、シンガポール、ロッテルダム、ハンブルクの5港のみに寄港する計画です。 また、FE4ループでは、アジア側の寄港地を上海と釜山の2港に限定する構成となっています。 本船の寄港地を極限まで絞り、ハブ港で効率的に積み替えるモデルが鮮明になっています。 狙いは定時性の回復 では、なぜここまで寄港地を削減するのでしょうか。 最大の理由はスケジュールの定時性(信頼性)の回復です。 Xenetaのデータによると、プレミア・アライアンスの定時運航率は2025年第1四半期の36%から、第3四半期には22%まで低下しました。 平均遅延日数も、年初の2.7日から第4四半期には5.2日へと拡大しています。 荷主から見れば、決して満足できる水準とは言えない状況です。 競合はすでに「答え」を出している 一方、競合となるマースクとハパックロイドのジェミニ体制を見てみると状況は対照的です。 彼らは徹底したハブ&スポーク戦略を採用しており、Sea-Intelligenceのデータでは、9月と10月の定時性が88.6%という非常に高い数値を記録しています。 寄港地を減らし、主要ハブに集約することで、遅延リスクを抑え、リカバリーもしやすい体制を構築しているのです。 プレミア・アライアンスとしても、同様の戦略に舵を切らざるを得ない背景があります。 日本の荷主に求められる視点 この変更により、定時性は改善する可能性が高いと考えられます。 一方で、日本の荷主にとっては新たな課題も生じます。 東京や神戸への直接寄港が減少し、釜山経由のフィーダー輸送が増えることで、リードタイム管理や接続リスクへの対応がより重要になります。 今後は、直行便の有無だけでなく、ハブ港の処理能力やフィーダー接続の信頼性まで含めた判断が必要になるでしょう。
