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2021年2月

Air Way Billの料金記載について | 輸送・ロジスティクス

Air Way Billの料金記載について

Air Way Billの料金記載について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は航空貨物輸送で取り扱う書類「Air Way Bill」の中の料金記載方法について解説をしていきたいと思います。 Air Way Billとは 「Air Way Bill(エア・ウェイビル)」とは航空運送状のことですが「AWB」と省略されたり、業務上「B/L」と呼ばれることもあります。 宅急便で物を送るときの送り状や伝票のようなイメージで捉えると分かりやすいと思います。 Air Way Bill記載事項 そして Air Way Billには主に ・荷主、輸出者 ・荷受人、輸入者 ・積地 ・仕向け地 ・輸送する製品 ・物量 ・航空運賃等の輸送料金 のような情報が記載されています。 では、Air Way Billの中でも料金の記載方法についてはどのように取り決めがされているのでしょうか。 料金の記載方法の取り決め Air Way Billはエアーで貨物を輸送する際にはそれを手配する航空会社、もしくは貨物を混載して運送するフォワーダーなどが発行している書類です。 Air Way Billには、航空会社からフォワーダー等の運送人に対して発行されるマスター・エア・ウェイビル(Master Air Waybill=MAWB)と、運送人が発行する混載航空運送状であるハウス・エア・ウェイビル(House Air Waybill=HAWB)があります。 IATA規則 Air Way Billは通常国際航空運送協会(IATA)の規則に基づいて作成されます。 料金の記載方法についても取り決めがされています。 Air Way Billに記載される料金内容は貨物を飛行機で輸送する際に発生する航空運賃・燃料費・セキュリティーチャージ・その他手数料など、エアー輸送に関する部分が多いです。 Air Way Billに記載されている情報では、貨物の出荷に対して「何がどのくらいの量輸送をされて、どのくらいの料金がかかったか」という情報は非常に重要な部分となります。 「Rate/Charge」欄 Air Way Billには、貨物の個数・重量と併せて「Rate/Charge」の箇所で、貨物1kgあたりにかかる航空運賃が記載されます。 燃料費・セキュリティーチャージ・その他手数料などはOther Chargeの箇所でまとめて記載されています。 航空会社の輸送にかかる航空運賃は IATAに加盟する航空会社が世界中の各向け地に対して取り決めている運賃率に基づいています。 一方、フォワーダーなどが航空会社へ支払う航空運賃は、混載する貨物の重量が多いほど1kgごとの単価が安くなる重量逓減(ていげん)制となっています。 「Rate Class」欄 そして「Rate/Charge」と併せて、「Rate Class」を記載する箇所がありますが、これはその貨物に対しての航空運賃の計算方法を示しています。 Rate Classは貨物の重量によって変わります。 計算対象となる重量は、貨物の実重量もしくはM3を基にした容積重量の値が大きい方が適用されることとなります。 また、Rate Classには「M」「N」「Q」のようにいくつかの種類があります。 MはMinimumを表し、1つの輸送に関して航空運賃が航空会社が定めている最低料金以下の小口の貨物に対して使用されます。 Minimumであれば1kgごとではなく、輸送する貨物全体に対して決められたMinimum運賃が適用されることとなります。 そして NはNormalといい、Normal Rateと言われる45kg未満の貨物に対して適用される割高の航空運賃となります。 最後にQはQuantitative Rateで、45kg以上の貨物に対しての航空運賃が適用されます。 航空運賃は重量が重くなるにつれて安い料金が適用されるので、このときに少量貨物で料金を計算するのではなく、一定以上の重量として料金を計算した方が安く済むことがあります。 例えば、40KGの貨物で45kg未満のNormal Rateを適用するよりも、45kgとして45kg以上のRateで計算した方がトータルの航空運賃が下がるケースです。 このような計算方法を「As取り」と呼び、Rate ClassはNではなくQを使用します。 料金記載によるよくあるトラブル また航空運賃等の料金をAir Way Billに記載すると、荷主にとって問題となってしまうケースがあります。 では、どういった場合に問題が生じるのでしょうか。 Air Way Billは、輸出者と輸入者に貨物手配の証明として送付されます。 そのAWBに航空運賃が記載されていると、建値がCIFの場合、貨物のCIF ValueからAWBに記載されている航空運賃を差し引いて製品自体の価格が明確になってしまいます。 輸出者によっては航空運賃に金額を上乗せして売値をつくっていたり、製品単価を明確になると輸入者との取引交渉で不利になる場合があるので、AWBに航空運賃を記載して欲しくないケースがあります。 「As arrange」表記 Air Way Billで価格を表記したくない場合は、Rate/ChargeとTotalの箇所を「As arrange」と表記し価格を隠すことができます。 Air Way Billを発行する際には、この「As arrange」の表記が使用されているケースの方が実際に多いのです。 輸入者や輸出者に対して発行されるAir Way Billの中でも、料金については重要な情報となります。 Air Way Bill作成の中でも特に記載ミスがないように注意が必要な内容となるでしょう。 今回は以上になります。ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい? | 物流コラム

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい?

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい?について動画で解説 どうもこんにちは、飯野です。 今回はフォワーダーの仕事は忙しいのか?をテーマにお話をしていきたいと思います。 もしあなたがフォワーダーの仕事に興味がある、でも全くの初心者の場合フォワーダーの仕事がどのようなものか見当も尽きにくいですし、どれくらい忙しいのかも分からないと思います。 Googleの検索を見てもフォワーダーの業務の忙しさを検索している人たちは一定数でいると分かりますので、今回は私なりの考えをお話ししていきます。 会社やポジションによる フォワーダーの仕事は忙しいのか? 結論を言えば、「会社やポジションによる」という事になります。激務で長時間労働をしているフォワーダーもいれば毎日定時に帰っているフォワーダーもいます。 それでは どういうポイントでフォワーダーの仕事が激務になるのか?または定時で帰れる程の業務量になるのか?フォワーダーの仕事が忙しいかどうかを判断するポイントをご紹介します。 もし、あなたがフォワーダーに就職や転職をしようとしているならこれらのポイントを面接の時に質問してみるのもいいかもしれません。 今回のポイントはフォワーダーの営業と業務担当のポジションでのお話となります。ではいってみましょう。 業務量について まずは業務量です。フォワーダーの仕事はサービス業なので商品を売って終わりというものではありません。 フォワーダーが貨物を荷主さんから引き取って、別の国の届け先までしっかりと届けるには色んな工程があって、それぞれで連絡業務や書類が発生してきます。 もし引き取りから、最終的な届け先までの全ての物流を手配するワンストップサービスをフォワーダーが提供する場合、1つの案件での業務量は多くなります。 また どれくらいの顧客数を フォワーダーが担当するのか、どれくらいの案件を1ヶ月でこなさなければいけないのか、これらによって大体の仕事の忙しさが決まってきます。 業務内容について 次に業務内容です。先程ご説明したようにもしワンストップのサービスをお客に提供する場合、貨物の引き取りから、配送先までの全ての物流手配をする必要があります。 しかし お客の取引条件や、通関やトラック手配をしないという方針であればフォワーダーの仕事は船や飛行機だけの手配で済む場合もあります。 フォワーダーの大前提の仕事としては 船会社や航空会社のスペースを使って、物流を手配する代理店業になります。 なので船や飛行機の手配だけという案件もあるのです。 輸出・輸入のトラックや通関の手配は荷主が別の会社を使用するケースもあります。 これは会社や営業マンのスタイルにもよります。船や飛行機の手配だけではフォワーダーの会社にスペースを確保する力や海上運賃・航空運賃が相当魅力的でないと荷主が他社に簡単に切り替えられてしまいます。 なので出来るだけワンストップサービスをお客に提供しようとするフォワーダーは少なくありません。とはいえ、船や飛行機の手配だけなら1案件の仕事内容は比較的 楽なものになります。 営業と業務の仕事の振り分けについて 他には「営業と業務 の仕事の振り分け方」です。 これは完全に会社によるのですが、 営業は新規の開拓、見積もり作成、既存客のフォロー、トラブルが発生した時の対応をする。 業務はBookingや各種書類の手配、通関手配、トラック手配、請求書の発行をする。 などがあり、それぞれの仕事を営業と業務で分担します。 業務担当の仕事 まず業務担当者の話をします。 業務担当者は仕事の業務量や業務内容にも勿論よるのですが、仕事が多い、人手が足りていない会社ではすごく忙しいです。 業務の仕事には早さと正確さが求められます。ミスをしてしまうとミスのカバーするための仕事が発生してしまうので、正確さと早さのバランスがとても重要です。 また会社にもよりますが業務担当者がレートを確認し、見積もりを作る場合もあります。 営業マンは新規顧客獲得と問題が起きた時のフォローだけ。 貨物を送る為のオペレーション全般は全て業務担当者がするという会社もあります。 この場合、仕事が多い会社だと業務担当者は むちゃくちゃ忙しくなります。 営業マンの仕事 次にフォワーダーの営業マンの一般的な仕事ですが、日本のフォワーダーの営業マンは基本的に外回りが中心で、事務所にいることが少ないケースもあります。 仕事をしない営業マンだと、ぶっちゃけ楽です。 しかし、仕事をバリバリする営業マンだと仕事のプレッシャーが大きいです。物流の仕事では納期通りに貨物を届ける事が求められます。 しかし最終配送先まで届けるのに複数のプロセスがあり貨物の輸送中に問題が発生することは少なくありません。 物流の問題の種類は沢山あるのですが、昨今のコンテナ不足で発生している問題で例にあげますと ・本船のスペースが取れない ・コンテナがロールオーバー(積み残し)され翌週の船に回される ・翌週の船が港を抜港して更に1週間遅れる ・他の国の港が混雑してスケジュールが遅れる ・通関で貨物が止まる ・ドレーが取れない などなど。自分たちでコントロール出来ない事も沢山あり、その中でフォワーダーの営業マンは出来る限りの対応を取る必要があります。 仕事が出来る営業マン、また仕事の多い営業マンほど問題を多く抱えることになります。 問題が発生した時は荷主からのプレッシャーがハンパないのです。 フォワーダーの繁忙期 また時期によってもフォワーダーの仕事の忙しさは変わります。 例えば、中国との取引が多い荷主を担当する場合 中国の旧正月や国慶節といった長期休暇の前は荷主も貨物を出そうとBookingが集中しますので忙しくなります。 あと年末年始やタイだとソンクラーンというタイの旧正月前は忙しくなります。 また長期休暇後も忙しいです。休暇中は通関は止まりますので、休み明けに書類作成や通関対応を まとめてすることになります。 日本の場合3連休が多いので、3連休明けは業務担当者は忙しくなります。 まとめ では今回のお話をまとめてみましょう。 フォワーダーの仕事は忙しいのか?という質問に対しては 「会社やポジション」によります。 フォワーダーはサービス業なので、業務量が多いと純粋に忙しくなりますし、業務内容がワンストップサービスを提供するものだと作業は増えます。 業務担当者と営業担当者でも違いはあって業務担当者がスケジュール確認をしてBookingするだけでなく、レート確認をして見積もりを作る場合だと忙しくなりますし、営業マンは仕事をとれば取るほど問題発生の可能性が高くなって、問題発生時には荷主さんからのプレッシャーがハンパないです。 他には長期休暇前では荷主は休み前に貨物を出そうとするので、輸出担当者が忙しくなります。 そして長期休暇後では貨物は港や空港に入って来ているけれども、通関が止まっていたり、Arrival NoticeやD/Oといった書類の作成が一気に増えますので、連休明けは輸入担当者が忙しくなります。 主にこれらのポイントがフォワーダーの仕事が、忙しいかどうかを判断する参考材料になると思います。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。