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2026年1月

【2026年 航空貨物市場】AI需要と越境ECが招くスペース逼迫、その行方は? | 物流ニュース・物流ラジオ

【2026年 航空貨物市場】AI需要と越境ECが招くスペース逼迫、その行方は?

本日は、Journal of Commerce(JOC)が発表した2026年の航空貨物市場予測をベースに、2025年の振り返りと2026年の見通しを整理していきます。 結論から申し上げますと、2026年もアジア発の航空貨物市場は、特定のピーク時期においてスペース逼迫が続く可能性が高いと見られています。 動画視聴はこちらから 2026年の主役はAI需要と越境EC JOCの記事が指摘している最大のポイントは、AI関連需要と越境ECという二つの構造的要因です。 世界各地で建設が進むAIデータセンター向けに、高性能半導体やサーバー関連機器の輸送需要が拡大しています。 これらの製品は高額かつ納期厳守が求められるため、輸送モードとして航空便が選択されやすく、結果として航空スペースを強く圧迫します。 AI需要は一過性ではなく 中長期的に航空貨物のベースロードとなる可能性があります 2025年に起きた越境ECの調整と適応 2025年を振り返ると、中国発越境EC貨物が航空市場を大きく揺さぶりました。 SheinやTemuなどのプラットフォーム貨物が太平洋路線のスペースを占有していましたが、トランプ政権によるデミニミス免税措置の撤廃が大きな転換点となりました。 一時的に中国発航空貨物は急減しましたが、その後は東南アジア発米国向けや、アジア発欧州・中南米向けが増加し、全体として需給は持ち直しました。 2026年の焦点は台湾とベトナム 2026年に向けて注目されるのが、台湾とベトナムです。 台湾は引き続きAI半導体供給の中核であり、ベトナムも製造能力の強化により航空貨物需要を押し上げています。 これらの半導体輸送が、既存の越境EC貨物と重なることで、アジア発主要レーンでは高い積載率が常態化すると予想されます。 量だけでなく質が問われる航空物流 AI関連貨物は単なる数量勝負ではありません。 GPUなどは非常に繊細かつ高価であり、温度管理や衝撃監視、セキュリティを含めた高付加価値輸送が求められます。 物流企業にとっては、スペース確保能力と同時に、品質対応力が競争力の分かれ目となる一年になりそうです。 中長期では供給過剰リスクも 一方で、長期的には市況が緩む可能性も指摘されています。 旅客機のベリースペース回復や新造フレイターの投入が進めば、供給が需要を上回る局面も想定されます。 そのため、2026年は短期的な逼迫と長期的な調整が同時に存在する、非常に難しい年になるでしょう。 まとめると、2026年の航空貨物市場はAI需要と越境ECが牽引し、アジア発を中心にスペース逼迫が続く一方で、将来的な供給増も見据えた柔軟な契約戦略が重要になります。

【海運市況】米国・ベネズエラ軍事衝突!タンカー・ドライ・コンテナ船への影響を徹底解説 | 物流ニュース・物流ラジオ

【海運市況】米国・ベネズエラ軍事衝突!タンカー・ドライ・コンテナ船への影響を徹底解説

本日は、米国によるベネズエラへの軍事行動と、それに伴う海運マーケットへの影響について整理していきます。 地政学的には非常にインパクトの大きいニュースですが、海運市況への影響はどう評価すべきなのか。 結論から言うと、短期的な影響は限定的ですが、中長期ではタンカー市場の構造が変わる可能性があります。 動画視聴はこちらから なぜ「直近の影響は限定的」なのか まず押さえておきたいのは、ベネズエラの原油ビジネスは、すでに長年正規マーケットから切り離されていたという点です。 厳しい経済制裁の影響で、ベネズエラ原油の多くは、いわゆるダークフリート(影の船隊)によって中国などへ輸送されてきました。 つまり、私たちが日常的に見ている正規のタンカー市況には、もともとベネズエラ関連の需要はほとんど織り込まれていなかったのです。 そのため、軍事行動が発生しても、スポット運賃が急変動する構造にはなっていません。 米国の狙いは「軍事」ではなく「資源」 ベネズエラは、確認埋蔵量で世界最大級の原油資源を保有しています。 ただし、設備老朽化と投資不足により、生産能力はピーク時から大きく低下していました。 今回、トランプ大統領が数十億ドル規模の投資に言及している点は非常に重要です。 これは単なる軍事介入ではなく、ベネズエラを西側エネルギー供給網に組み戻す動きと見るべきでしょう。 タンカー市場への中長期インパクト もし制裁が緩和され、オイルメジャーが本格参入すれば、状況は一変します。 これまでダークフリートが担っていた輸送が、正規のVLCC市場に戻ってくる可能性があるからです。 ベネズエラ原油が米国・欧州・アジア向けに正規輸送されれば、トンマイルは確実に増加します。 これはタンカー需給にとって明確なプラス材料です。 ただし、インフラ復旧には時間がかかり、数年単位のシナリオとして見る必要があります。 他船種への影響はどうか ドライバルク船:ベネズエラ発の輸出規模は小さく、影響は限定的。 コンテナ船:主要港は稼働しており、世界市況への影響はほぼなし。 自動車船:輸出台数はすでに激減しており、直接的影響は限定的。 まとめ 今回の米国によるベネズエラ軍事行動は、短期的には海運市況への影響は小さいと言えます。 一方で、中長期的にはタンカー市場の需給構造を押し上げる潜在力を秘めています。 今後は、米国の投資姿勢と現地の治安・政治情勢を継続的に見ていく必要があるでしょう。

【2026年海運市況】船会社、100億ドルの赤字転落か 需給バランス崩壊のシナリオを解説 | 物流ニュース・物流ラジオ

【2026年海運市況】船会社、100億ドルの赤字転落か 需給バランス崩壊のシナリオを解説

本日は、2026年にコンテナ船社が直面すると予測されている巨額赤字シナリオと、その背景にある需給バランスの崩れについて解説します。 新年早々、海運業界にとってはややショッキングな見通しが出てきました。 動画視聴はこちらから Drewry予測 2026年に100億ドル規模の赤字 Journal of Commerceに掲載された記事およびDrewryの最新レポートによると、2026年のコンテナ海運業界は、全体で約100億ドル、日本円にして1兆円を大きく超える規模の赤字に転落する可能性があるとされています。 これまでの5年間、コンテナ船社は歴史的な高収益を享受してきました。 しかし、その好調局面は2026年で終わりを迎える可能性が高いと見られています。 早ければ2026年第1四半期、つまり1月から3月の間にも、赤字に転落する船社が出てくると予測されています。 最大の原因は深刻な需給バランスの崩れ なぜ、ここまで急激に市況が悪化すると見られているのでしょうか。 最大の要因は需給の深刻な不均衡です。 簡単に言えば、荷物の量に対して船のスペースが余りすぎている状態です。 この構造は、2025年の動きを振り返るとよく見えてきます。 2025年は「異常な条件」が利益を支えていた 実は2025年も、第4四半期には荷動きの減速が見られていました。 それにもかかわらず、船社各社は年間で約200億ドル規模の利益を確保するペースを維持していました。 その背景にあったのが、皮肉にも地政学的な混乱です。 一つは、トランプ政権による関税強化への警戒感です。 米中摩擦の再燃を懸念した米国の輸入業者は、在庫のフロントローディング、つまり前倒し出荷を進めました。 本来は後半に動くはずだった需要が、前半に集中した形です。 もう一つは、長期化する紅海情勢です。 喜望峰経由の迂回ルートが常態化したことで航海日数が延び、結果として余剰船腹が吸収されていました。 2025年の夏物商戦向け貨物は、例年より約1か月も早く動いていたとされています。 2025年の利益は「実需の強さ」ではなく「異常要因」によって支えられていました。 世界全体では増えても北米が冷える ここで、別のデータも見てみましょう。 BIMCOの予測では、2026年の世界のコンテナ取扱量は2.5%から3.5%増加すると見られています。 一方、世界の船隊能力は約2.2%増にとどまる見通しです。 一見すると、需給はそれほど悪くないようにも見えます。 しかし、問題は北米航路です。 Moody’sの分析によると、米国の小売業者は依然として消費者心理の不透明感や関税政策の変動を警戒し、在庫を極力抑えています。 その結果、2026年の北米向けコンテナ取扱量は、2025年比で横ばい、もしくは最大で2%減少する可能性があるとされています。 最も収益性の高い航路が冷え込むことで、業界全体の収益構造が大きく崩れる構図です。 スエズ回帰がもたらす本当のリスク もう一つの重要な転換点は、紅海情勢の行方です。 仮にイスラエルとハマスの停戦が成立し、船社がスエズ運河ルートに戻った場合、短期的には欧州港湾で船の集中、いわゆるVessel Bunchingが発生し、運賃が一時的に上昇する可能性があります。 しかし、それが解消された後には、喜望峰ルートで吸収されていた余剰船腹が一気に市場に戻ります。 結果として、強烈な供給過多となり、運賃市況には大きな下押し圧力がかかることになります。 2026年は船社にとって厳しい年に 総合すると、2026年は在庫調整による需要の弱含みと、供給過剰の顕在化が同時に進む年になる可能性が高いと言えます。 荷主にとっては運賃交渉で有利な局面となりますが、船社のサービス改編や抜港、減便といったリスクにも注意が必要です。 「安い運賃」だけでなく、ネットワークの安定性を見極める視点が、これまで以上に重要になるでしょう。