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2022年9月

コロナとインフレにより国際輸送の労働争議がグローバル化し、サプライチェーンに打撃! | 物流ニュース・物流ラジオ

コロナとインフレにより国際輸送の労働争議がグローバル化し、サプライチェーンに打撃!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、ウォールストリートジャーナルの記事から、「国際輸送の労働争議がグローバル化し、サプライチェーンに打撃」についてお話していきたいと思います。 2022年9月29日イーノさんの物流ラジオ 増える労働争議 ロサンゼルスやリバプールの港湾、シカゴの鉄道操車場、欧米の倉庫など、今年に入ってから貨物労働者と管理者の衝突が増え、世界中の物資の流れに複雑さと不確実性が増加しています。 世界中で貨物を扱う さまざまな労働者が、コロナ渦の2年以上に及ぶストレスの後、賃上げと労働条件の改善を求めて新たに奮起しています。 米国最大の労働組合連合の会長は、「第一線で働く労働者は、必要不可欠と呼ばれながらも消耗品として扱われることにうんざりしている」と述べています。 インフレも影響 イギリスのリバプール港やフェリックストゥ港でのストライキなど、労働争議の中には、実際に貨物輸送の業務を一時的に停止させたものもあります。 また、米国の鉄道会社に対するストライキに近いものや、米国西海岸で進行中の港湾労働者の労使交渉のように、より大きな影響に備えて企業が危機管理計画を立てるきっかけとなっています。 そして高いインフレが賃上げの圧力に拍車をかけています。 リバプール港の労働者は、年間8.3%の賃上げを含む契約提案を拒否し、組合側はこれでは消費者物価の上昇を下回っていると述べています。 韓国では、6月にトラック運転手が賃金と燃料費上昇に対しての補助金を求めて1週間作業を停止し、サプライチェーンに支障をきたしました。 企業は、このような対立が物流計画をより難しくなっていて、更に、最近の中国のロックダウンやウクライナ戦争などがサプライチェーン・ショックによるひずみを悪化させたと述べています。 フォワーダー視点から デンマークのフォワーダーDSVはここ数カ月、英国のフェリックストゥーとドイツのハンブルクでストライキに遭遇しています。 DSVの担当者によるとゲートウェイが閉鎖された場合、DSVは貨物を迅速に代替港にシフトしようするものの、この変更が港でトラック、ドライバー、貨物処理で遅延とコスト上昇につながっているとのことです。 世界各地の騒動 イギリスのフェリックストゥー港の港湾労働者は、8月に8日間のストライキを行い、更に賃上げを求めて9月27日から10月5日まで2回目のストライキを実施。 次にドイツのハンブルグ港などの一部では、一連のストライキにより、8月下旬に契約合意に達するまで数カ月間操業が中断されました。 北米西岸のオークランド港では、トラックドライバーは、独立した請負業者として活動することを困難にするカリフォルニアの州法に抗議し、7月に1週間事実上閉鎖。 ターミナルの前でピケを張りました。 そしてAmazon.comの倉庫で働く労働者が、この大手Eコマース初の組合結成に投票し、ニューヨーク州北部にあるAmazonスタッフは、来月組合選挙を行う予定です。 英国のアマゾン労働者は、時給の引き上げを要求し、デモ行進を行いました。 コロナとインフレの影響 本当に各地でストや労働者側の抗議が多いです。 今回紹介した内容は過去にニュースで取り上げているので、過去動画を見ていただければと思います。 コロナの爪痕とインフレ。この2年間ちょっとで、業界では物凄いことが起こっています。 これからこの国際物流の業界はどうなっていくのか? 僕も業界関係者として目が離せない状況でございます。

北米西岸の労使交渉でスローダウン開始!沖待ち悪化か | 物流ニュース・物流ラジオ

北米西岸の労使交渉でスローダウン開始!沖待ち悪化か

どうもこんにちは、飯野です。 本日は9月28日付の海事新聞の記事から、「米西岸の労使交渉、スローダウン開始」についてお話していきたいと思います。 2022年9月日イーノさんの物流ラジオ オークランド港などで組合員スローダウン開始 先週、米国西岸のオークランド港などでILWU(労働組合)の組合員が荷役作業を遅らせるスローダウンを行ったことが確認されました。 ロサンゼルス港の一部ターミナルで自動化機器に関する作業を拒否したりする動きはあったものの、今回の労使交渉期間中で明確なスローダウンは出ていませんでした。 各港の状況 スローダウンが行われたのは、西岸南部のオークランド港と、西岸北部にあるシアトル港とタコマ港です。 オークランド港ではターミナルの港湾労働者が作業開始時間を20―30分ほど遅らせたほか、ILWUオークランド支部が事務員を半分しか派遣しなかったため作業が滞った模様です。 更にシアトル港では環境保護団体が停泊中の船舶に陸上電源プラグを接続するよう要求してピケを張ったものの、ILWUが安全上の理由から横断幕(ピケ)を拒否するトラブルが発生しました。 シアトル港の管轄権めぐる 停泊中の船舶に電力を供給する設備の保守・修理については現在、国際機械工労組(IAM)とILWUが管轄権を巡って争っています。 今回の労使交渉でILWU側はPMA(太平洋海事協会)に対し、シアトル港の電源設備の管轄権を明確にするよう求めており、これが大きな争点の一つとなっています。 2014年の労使交渉と同じ流れに 2014年の労使交渉も今回と同様、7月1日の期限切れ後もしばらくは大きな混乱は生じませでした。 しかし、秋口から今回と同じくタコマ港やシアトル港など北部港湾で組合側によるスローダウンが開始。その後はロサンゼルスなど南部にも波及したほか、スローダウンも長期化して大混乱となりました。 西岸沖待ちへの影響 北米西岸の沖まちはかなり解消されてきています。 沖待ちが多い中でスローダウンをされていたらここまで海上運賃は下がっていなかったかもしれません。 現在は、ストを避けるために、荷主さんは荷物を東海岸向けへと増やしています。 一方で西岸向けの運賃がかなり下がっており、港の混雑もないことから、西岸向けのBookingが増えてきたのかもしれません。 そのリードタイムにスローダウンされてしまったため、また沖まちは増える可能性もあります。 今後、市況がどうなっていくのか注目です。

PortX、輸出入のコストをPFで社内共有する機能を追加!業務効率化へ。 | 物流ニュース・物流ラジオ

PortX、輸出入のコストをPFで社内共有する機能を追加!業務効率化へ。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は9月27日付の海事新聞の記事から、「PortX、輸出入のコストをPFで社内共有する機能を追加」についてお話していきたいと思います。 2022年9月27日イーノさんの物流ラジオ PortX、PFに新機能 国際物流の見積もり効率化プラットフォームを運営するPortXは、荷主企業の各事業部と物流部門の間で行われる、輸出入コストの社内共有とシミュレーションをデジタル上で管理する機能をPFに追加しました。 大手製造業や商社など既存ユーザーからの要望に対応し、荷主の業務効率化を支援していきます。 輸出入コストの社内共有 製造業や商社など大手荷主の社内では、一元的に管理された輸出入コストのデータベースがなく、物流部と各事業部とのコスト情報共有や、事業部から依頼された案件ごとのコストシミュレーションなどで、大きな業務コストが発生していました。 今回の機能追加により、荷主の物流部門は各事業部に対して行う輸出入コストの社内展開業務と、各事業部が物流部に対して行う輸出入コストの社内見積もり業務をPortXのPF上で行うことが可能となります。 業務の効率化とコスト管理 各事業部は原価に反映される輸出入コストを、即時かつ正確に確認でき、物流部も膨大なコスト通知業務を効率化できるようになります。 また、双方のコミュニケーションコストも大幅に削減できます。 現在の見積もり対応 これは確かにあったら良い機能です。 フォワーダーの見積もりは各部署で別々にとっている場合があります。各部署の担当者や、小さい会社であれば各部署の営業マンがコスト確認しています。 そして社内のDX化が進んでいない会社では、その情報はメール、PDFなどで各自で管理されるため、他の部署が安い価格で見積もりを取っていても、分からないことがあります。 一方では高いコストで買っていることになり、とてももったいないことです。 大手有利の状態か しかし、フォワーダーサイドからすると、難しい局面があります。 社内共有され、他の部署のフォワーダーとも比較されることになります。 他の部署の輸送ボリュームが多い場合、費用はもちろん安くなります。そこで、会社全体で特定の安いフォワーダーを使い始める可能性もあります。 こういった状況になると、大手フォワーダーが有利になっていくでしょう。 この機能を使う荷主も大手企業のため、大手に集約される可能性が高くなっていきます。 中小企業は別の強みが必要 個人的に思うのは、中小フォワーダーでも尖った強みを持っていないと厳しいということです。 PFで簡単にコスト比較が出来るようになると、尖ってないと、コストだけで選ばれていきます。 フォワーダーの業界も価格比較で決められるような、そういう未来が近くに来ていると思いました。

インド – 北米の貿易量が急増!中国からの調達シフトか。繊維、アパレルなど。 | 物流ニュース・物流ラジオ

インド – 北米の貿易量が急増!中国からの調達シフトか。繊維、アパレルなど。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「インド-米国間の貿易が急増、調達先が徐々に中国から移行中」についてお話していきたいと思います。 2022年9月26日イーノさんの物流ラジオ インド米国、貿易量急増 インドと米国のコンテナ貿易は、2021年の通年で23.5%急増した後、2022年上半期に8.3%増加しました。 北米の消費財需要の増加と、コロナの大流行時に中国からの調達シフトが加速したことにより、米国とインドの貿易は過去最高を記録しました。 中国を抜いて一位に マースクの西・中央アジア地域担当者は、米国の輸入業者の「チャイナプラスワン」調達戦略でインドのメーカーを使い続けるだろうと述べています。 インド商務省のデータによると、2021-2022会計年度のインドと米国の商品貿易総額は、48.3%増の1,194億ドルと過去最高となり、米国は中国を抜いてインドの最大の貿易相手国に押し上げられました。 これまではインドの最大の貿易相手国は中国でした。 アメリカと中国間状況 中国は引き続き世界最大の生産拠点ですが、アメリカとの関税の対立、ゼロコロナ政策による経済圧力、人件費の高騰により中国市場の支配的地位が徐々に損なわれていると、米国に拠点を置く工業包装メーカーの担当者は述べています。 「中国江蘇省の工場労働者の賃金はインド グジャラートの労働者の平均額の4倍を稼ぐかもしれない。それもあってか、労働集約的な製造品目(特に繊維、衣服、クリスマスの飾り)は、中国から調達するよりもインドで約30%安い」という声もあります。 インドの台頭 ムンバイに拠点を置くECU Worldwideの親会社であるAllcargo Logisticsの広報担当者は、今年初めに上海とその周辺で見られたようなロックダウンに対する懸念と、ロシア・ウクライナ戦争に関する地政学的敵対関係が、米国の輸入業者がすでにサプライチェーンの混乱の影響を軽減するために注文を前倒ししていたときに、世界の調達状況をインドに有利に変えていると語っています。 「インドと米国の貿易は、Walmart、JCPenney、Target、Amazonなどの大手小売業者やオンラインマーケットプレイスによる大量発注により、2022年の最初の5カ月間に加速度的に成長した」とのことです。 ムンバイに拠点を置くアパレルメーカーの幹部は、米国の輸入業者はコロナによる米国消費者需要の急増のずっと以前から、中国製への依存を減らすことを検討してきたと指摘しています。 米国が中国におけるウィグル地区の強制労働やその他の違法な貿易慣行を取り締まる中、この傾向は続くだろうとしています。 「中国の対米アパレル輸出額は2022年1月に2019年の1月に対して24.2%減少しましたが、これに対して米国のインドからの輸入額は53.4%急増した」と、情報筋は述べています。 船社大手、インドとの航路追加 輸送業界では、大手海運会社は需要の増加に対応し、主にジャワハルラール・ネルー港やムンドラ港への新サービスや追加運航により、米国-インド間の輸送能力を増強しています。 船社大手のMSCは、8月末に西インドと米国東海岸を結ぶ航路に3本目の週刊便を追加し、ハパッグロイドとCMA CGMは、2021年10月に2本目の週刊便を追加。 取扱量では、インド-米国航路ではMSCとマースクが最も伸びています。 チャイナプラスワン やはりアメリカと中国との対立や中国のゼロコロナ政策、ウィグル問題もあり、生産拠点がインドに流れていっています。 チャイナプラスワンというのは以前からありましたが、今回のコロナで更に加速したようです。 生産拠点はインドに? インドの人口が約14.1億人、中国は14.3億人ちょっとです。中国も少子高齢化が進んでいるため、確実にインドの人口が中国を抜くでしょう。 インドというとITな印象ですが、ここで消費材の製造に注目が集まっています。記事でも紹介した繊維・アパレルなどで、工業品というイメージはまだありません。 こういった流れから生産国として変わっていくかもしれません。 マクロな視点で貿易・海運を見ていくと面白いと思う記事でした。

世界貿易の成長率、驚くほど堅調!DHLの調査。成長の中心は新興国 | 物流ニュース・物流ラジオ

世界貿易の成長率、驚くほど堅調!DHLの調査。成長の中心は新興国

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、9月22日付の海事新聞の記事から、「DHL調査で世界貿易「驚くほど堅調」。コロナ禍前を10%上回る」についてお話していきたいと思います。 2022年9月22日イーノさんの物流ラジオ 世界貿易、今後も堅調 DHLが米のニューヨーク大学スターンビジネススクールと共同で世界の物品貿易の傾向と見通しをまとめたリポートによると、世界の貿易量は今後も堅調に推移しそうとのことです。 このリポートは全世界、地域別、先進国・新興国別の物品貿易を分析したもので、世界173カ国を対象に調査を行われたものです。 高い成長率 今年の5月実績はコロナ前に当たる2019年12月の水準を10%上回っています。 更に2022年から2023年にかけての成長率は、過去10年間の成長率をわずかに超える見通しとされています。 既にコロナ前の成長率に戻っており、更に今年の成長率はすごく高いということです。 越境ECの成長 このDHLのリポートによると、ウクライナ戦争のためにIMF(国際通貨基金)は貿易成長率の予測を下方修正したとはいえ、今後も成長が続きそうとのことです。 また、リポートは特に越境ECの力強い成長が続くと予測しています。 中国以外の国の成長 貿易成長の中心は東南アジア、南アジアの新興国となり、またサハラ以南のアフリカの成長が「劇的に加速する」と予想しています。 さらに成長は幅広い国に広がるとのことです。 このため、中国は今後も最大の成長率が予測されるものの、以前ほどの勢いではないようです。 2026年までの貿易成長の国別予測では、ベトナム、インド、フィリピンがスピードと規模の両面で突出しています。 これには、企業が中国中心の生産・調達からシフトする動きが背景にあるとのことです。 これらの新興国も事業環境の改善や技術革新、企業の成長などを背景に、競争力を増しています。 アジア・東南アジア台頭 僕が今41歳で、僕が現役の間はやっぱりアジア・東南アジアが熱いと思います。アフリカというのもありますが、まだ先ではないでしょうか。 イエール大学の成田悠介さんが、「アジアは過去にないほど盛り上がっており、アジア・東南アジア全体で、ヨーロッパ、アメリカと対等している」と何かの動画でおっしゃっていました。 そこで日本の立ち位置はアジア・東南アジアの中でいい感じでいるとのことです。 今回のDHLのリポートでも、物の流れ、マーケットの流れからの予測でアジア・東南アジアの成長が堅調です。 どこを中心にどのように攻めたら良いかの、ヒントになったような気がしております。

北米の8月 アジアからの輸入量、引き続き堅調。東海岸で混雑! | 物流ニュース・物流ラジオ

北米の8月 アジアからの輸入量、引き続き堅調。東海岸で混雑!

どうもこんにちは、飯野です。 本日はJob.comの記事から、「米国 8月のアジアからの輸入は、引き続き堅調」についてお話していきたいと思います。 2022年9月21日イーノさんの物流ラジオ アジア発北米向け、輸入堅調 8月の米国におけるアジアからの輸入は減速の兆しが見られず荷動きの鈍化を示唆するスポット運賃の下落などがあるものの、予想に反して好調です。 PIERSが先週木曜日に発表したデータによると、8月のアジアの輸入量は172万TEUで、7月から3.5%の増加。去年の2021年8月から8.3%増加しました。 北米では需要が落ち着いてきたと言われていますが、一応ピークシーズンということもあり8月は伸びていました。 そして、それは東海岸に影響が出ています。 東海岸の混雑 東海岸とメキシコ湾岸の港湾は西岸港湾の労使交渉が長引く中、小売業者が貨物を西海岸からシフトしているので、アジアからの輸入品の市場シェア拡大が1年間続いています。 今年8月までのアジアからの米国輸入に占める西海岸のシェアは58.2%と、2021年の1~8月の61.2%から低下しています。 そもそも今年は、西海岸に貨物が送られていないということです。 西岸を避け、東岸に 労使交渉がどう転ぶか分からない状況のため、最初から貨物が東岸に流れており、前回の労使交渉でも同じ動きが出ていました。 PIERSによると、アジアからの輸入の東海岸のシェアは32.8%から34.7%に上昇し、メキシコ湾岸のシェアは5.6%から6.8%に上昇しました。 1月から8月のアジアの輸入取扱量は560万TEUで、前年同期の490万TEUを上回っています。 運賃への影響 コンテナ取扱量が増加したことにより、北米東岸とメキシコ港湾の一部では船舶の滞留時間が記録的に長くなり、内陸部のサプライチェーンが混雑しています。 一方で、西海岸の港は今年初めと比較すると流動的になってきています。 北米の輸送コンサルタント会社ACT Researchは「東海岸のインフラは、このレベルの物量に対応できるようにはなっていない。混雑はピークシーズン(9月、10月)まで続くだろう」と述べています。 そして海事新聞の記事では西海岸向けの運賃が下落し、東海岸向けは運賃維持となっているとありました。 インフレの影響 今日ご紹介した記事の通り、東海岸向けは引き続き混雑をしています。 そして全体の輸送量としても、今はピークシーズンのため、北米で需要が減ったとか、サービスに消費が流れているといえど輸送量はあります。 しかし、去年の8月の前年同月比で8.3%の増加は正直ちょっと分かりません。 去年は需要が高い状態でしたが、去年と比較して減ってないのは不思議です。インフレによる影響が出ていないような気がします。 とはいえ、これくらいの輸入ボリュームがあると北米の倉庫はいっぱいです。 鉄道のストが回避されましたが、内陸の輸送は最悪の事態を避けただけであり、引き続き予断を許さない状態だと思います。 北米全体のサプライチェーンが落ち着くのはやはり年末年始か来年早々くらいのタイミングなのかなと勝手に予想をしております。

北米鉄道スト回避!政府介入により暫定合意。北米西岸の労使交渉は? | 物流ニュース・物流ラジオ

北米鉄道スト回避!政府介入により暫定合意。北米西岸の労使交渉は?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、9月20日付の海事新聞の記事から、「米鉄道労使、暫定合意。政府仲裁、スト回避へ」についてお話していきたいと思います。 2022年9月20日イーノさんの物流ラジオ 米鉄道労使交渉、暫定合意 米鉄道会社と労働組合による労使交渉は9月15日、米政府の仲裁により暫定合意に達しました。 米バイデン大統領も同日に声明を発表し、今回の暫定合意について感謝の意を示し、「この合意はわれわれにとって偉大な勝利である」とコメントしています。 それほど鉄道のスト回避は重要でした。 ストライキの回避 鉄道労使交渉を巡っては、多数の従業員を擁する組合の強硬姿勢により、9月16日からのストライキ突入は避けられないのではとの懸念が高まっていました。 僕もこれまでラジオで紹介していましたが、普通にストに入って北米のサプライチェーンがまた乱れるかもと思っていたくらいです。 今回の暫定合意により、米サプライチェーンにとって重要な鉄道輸送の混乱はひとまず回避されたことになります。 合意までの経緯 これまでの経緯は、ユニオン・パシフィック(UP)やBNSFなど米鉄道会社と労働組合はこれまで、バイデン大統領が創設した大統領緊急委員会(PEB)が仲裁をして、賃上げを巡って労使交渉を行ってきました。 12の鉄道組合のうち10組合はほぼ合意に達したものの、最大人数を擁する2組合との交渉が難航。 この2組合は9日までにPEBの提言を受け入れないことを決定しました。 2組合との交渉難航 互いの提示は、下記のとおりです。 組合側の求める賃上げ額:31・3% 鉄道会社側の提示額:17%程度 現行法ではPEBが大統領に提言してから30日間は「クーリング・オフ」期間に設定され、その間のストライキは禁止されています。 このため米政府のウォルシュ労働長官が9月14日から労使交渉の仲介に動き、15日未明にようやく暫定合意に達することができました。 今回の記事には具体的な着地点は書いてはいませんでしたが、以前は組合と鉄道会社の中間くらいの24%の賃上げと報じられています。 何はともあれ、労働組合側が合意をして北米の鉄道でストが回避となりました。 西岸労使交渉は 鉄道の方は政府の介入で早々に解決をし、ストには突入しませんでした。 そして注目の西岸港湾の労使交渉の影響はというと、西海岸の沖まちには引き続き繋がっておらず、割とスムーズな印象を受けます。 このまま無事に何も起こらず落ち着いていくのではないでしょうか。 コロナ禍以降のサプライチェーンの乱れ、運賃の上昇、そして船会社や大手フォワーダーの投資等、国際物流は次のフェーズに入ってきているような気がします。

コンテナ運賃市況はコロナ前の程水準には戻らず。2023年は新造船多数竣工! | 物流ニュース・物流ラジオ

コンテナ運賃市況はコロナ前の程水準には戻らず。2023年は新造船多数竣工!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は9月15日付の海事新聞の記事から、「コンテナ船の市況、コロナ前には下がらず」についてお話していきたいと思います。 2022年9月16日イーノさんの物流ラジオ コンテナ運賃、コロナ前に戻らず 国際海運団体のBIMCOはコンテナ運賃市況の今後について、足元で軟化しているものの新型コロナウイルス感染前の非常に低い水準には戻らないと予想しています。 これは荷主さんや僕らフォワーダーにとってかなり注目したい内容です。 需給バランス緩和 BIMCOでは世界経済の不透明感や世界的な港湾混雑の解消で、需給バランスは徐々に緩和するものの、コロナ禍前よりは高い運賃水準を維持するとみています。 数字で表すと、上海航運交易所(SSE)がまとめた足元のコンテナ運賃市況(SCFI)は2,000ポイント後半と、年初の5,000ポイントから約50%減。 それでも、コロナ禍前の700~1,000ポイントと比べれば高い水準を維持しています。 コンテナ船用船料 では、コンテナ船の用船料はどうでしょうか。 現在SCFIなどコンテナ運賃指数と用船料はほぼ同じ傾向となっており、2022年6-12カ月の短期用船料は今年4月をピークに6%減となりました。 用船料金とコンテナ運賃指数が連動している形となり、ともに下がっています。 新造船への意欲 ただし、船の年齢が5年の用船料は、今後竣工する新造船に比べて34・7%割高となっています。 BIMCOでは、プレミアム料金を払ってでも、今すぐ船を調達する意欲が市場に残っている証拠では、とみているとのことです。 需要は落ち着いてはいますが、キャリアは「今」船を必要としているようです。 コロナ禍以降、旺盛だった貨物需要ですが、2022年7―9月は通常の繁忙期とは異なり、盛り上がりに欠けた展開となっています。 米国では大手小売りが在庫過剰に陥るなど調整局面となっています。 2023年の海運市況 こうしたこともあり、2022年の世界の貿易量は前年比1―2%減となりますが、来年2023年は3―4%増のプラスを見込んでいます。 今年は在庫過多で需要が低いですが、来年は今年と比較したらまだ伸び、よって船が必要になっていくのではないでしょうか。 ただ、ユーロ安は欧州の購買力にとって懸念材料としています。 コンテナ船の供給面では、新造船発注は2022年に入って減速傾向にあるものの、2022年第3四半期までの発注残は700万TEUと、船腹量の27・6%に相当します。 これから市場に約30%のコンテナ供給が入ってくることになります。 2023年以降の潜伏需要 船腹量増加率は2022年が2.9%、2023年が8%と予想されています。 来年移行に竣工される船は本当に多いです。 船が増え、コンテナの供給が増えすぎると、価格が落ちるのでは?と思うかもしれません。 しかし、EEXIという既存船の燃費性能規制や減速航行に伴って船腹の需要が、10%増加するとBIMCOは見込んでいます。 船舶の排ガス規制の観点から、船のエンジンの燃費性能の規制と格付けがあり、運航スピードが落とさなければいけません。 更に、船主がEEXIへの適用を断念し、船をスクラップにすると決断した場合、解撤量は年間20万―30万TEUになると計算しています。 よって、コンテナ船の海上運賃はコロナ前には戻らないだろうという見立てがあるという記事でした。 価格競争よりもサービス向上へ コンテナ船が増えるからと言って、供給量が増えて単純に海上運賃が下がるということではありません。 あの安い価格に戻っては、船会社が倒産をしてしまいますので、さすがにあそこまで下がることはないでしょう。 そうなると、価格だけでの勝負にはなっていきません。 貨物手配をちゃんとするサービス品質や、ルートの提案、フレキシブルな対応などが引き続き求められていくと思います。

マースクが各国で新倉庫開設を進める!物流業界の変革期! | 物流ニュース・物流ラジオ

マースクが各国で新倉庫開設を進める!物流業界の変革期!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は9月14日付の海事新聞の記事から、「マースク、倉庫新設相次ぐ。サービスを強化」についてお話していきたいと思います。 2022年9月日イーノさんの物流ラジオ マースク、物流拠点拡充 デンマーク海運最大手マースクは相次いで物流拠点を拡充しています。 ブラジル・サンパウロでは今月、同国で7拠点目となる倉庫が稼働。同じく今月、インド・ムンバイでも新倉庫が稼働しました。 マースクが今年インドで開設した倉庫としては5拠点目。 今後もデンマークで低炭素型の物流倉庫や、中東でフルフィルメント機能を持つ物流センターなどを開発する予定で、マースクが目指すロジスティクスインテグレーターとして、サービス強化を続けていく方針です。 各倉庫の詳細 ブラジルの新倉庫は、サンパウロから30キロメートルに位置し、倉庫面積は約2万平方メートル。 保管だけでなく、ピッキングや梱包、混載など付加価値サービスを提供するのも同施設の特徴です。太陽光パネルを使い、ちゃんと環境に配慮もしています。 インドの新倉庫はムンバイ近郊のビワンディーに立地し、倉庫面積は、約2万3000平方メートルです。 製造拠点やムンバイ外港のジャワハルラール・ネルー港に接続しやすいのが特徴で、地場タイヤ大手JKタイヤが主要顧客となります。 新施設開発も 新倉庫の開設によりインドでの倉庫拠点は、先日買収が完了した香港のLFロジスティクス運営の倉庫と合わせ、合計約20万平方メートルとなるということです。 更にマースクは新施設開発も相次いで発表しています。 低炭素型の物流施設 今月頭にはデンマーク南部のタウロフで低炭素型の物流施設を開設すると発表しました。 同社が2040年までに事業全体の脱炭素化を目指すという目標を掲げる中、同施設では水素ステーションを導入するなど温室効果ガスの排出量を抑制していきます。 倉庫サービスだけでなく、ちゃんと脱炭素の倉庫になっています。倉庫面積は4万平方メートルで、24年ごろの倉庫の稼働を見込んでいます。 フルフィルメント機能の新倉庫 また、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイでは、都市開発会社ドバイサウスと協定を締結し、フルフィルメント機能を持つ新倉庫の開発を推進しています。 倉庫面積は1万5000平方メートルで、UAEの小売り・ライフスタイル、食品・美容、EC分野での倉庫・配送サービスを強化するとしています。 物流業界の変革期 このような感じで、船会社が陸に上がってきています。 今日の記事を読むだけでも、ロジスティクスの業界の流れがなんとなく掴めると思います。 大手荷主はマースク本体がガッツリと掴まえていきます。マースクのグループ会社のDAMCOやサフマリンも本体に統合されており、中小企業へのサービスもちゃんと出来る体制のように感じます。 アセット+IT+人材で無茶苦茶強いロジスティクス企業が誕生しようとしています。 コロナ禍で叩き出した高い収益で、船会社の投資が大きく進んでいます。 物流業界のDX化、IT化も進んでおり、何度もこのラジオでお伝えしていますが、今は変革期です。 最新情報をとって正しい方向で活動をしていきましょう。

MSCコンテナ船横揺れ防止装置を100隻に搭載!コンテナ損失リスクを最小化 | 物流ニュース・物流ラジオ

MSCコンテナ船横揺れ防止装置を100隻に搭載!コンテナ損失リスクを最小化

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、9月12日付の海事新聞の記事から、「DNVがコンテナ船の揺れ防止支援装置をMSC運航船に搭載」についてお話していきたいと思います。 2022年9月13日イーノさんの物流ラジオ MSC、DNVの横揺れ防止システム搭載 ノルウェーの船級協会DNVは9月7日、世界最大のコンテナ船社であるスイスMSCと、DNVの横揺れ防止支援システムとコンテナ船向け横揺れ防止装置を、MSC運航のコンテナ船約100隻に搭載する契約書に調印しました。 DNVについて DNV はノルウェーの組織で、150年間続くあらゆるリスクマネジメントに関する活動を行う国際機関です。 オイル、ガス、船、風力、電力配送の分野などのリスクマネジメントです。 世界100ヶ国以上、300の事務所、様々な国籍を持つ16,000人のスタッフが認証、船級、技術アドバイザリの各分野でサービスを提供しています。 コンテナ流出事故防止 今回のニュースでは、MSCは船の周期的横揺れによるコンテナ損失を回避するため、今回の横揺れ防止システムを採用します。 これは、船舶に特化したツールを導入する初のコンテナ船社となります。 コンテナ船業界では、近年、船舶の横揺れ(ローリング)などに起因する、コンテナの流出事故が続いています。 記憶に新しいのが2020年の年末にONEの約1,900本のコンテナ流出です。強い嵐で積み上がっていたコンテナが揺れ、流出。中には危険品もあり、環境にも影響します。 DNVのシステム DNVの横揺れ防止支援システムでは、船長がパラメトリックローリングやシンクロナスローリングのリスクを認識し、回避することを支援するものです。 パラメトリックローリングで検索しましたが、結構専門的な内容でしたが、波の動きについて解説で、そういう横揺れがあると理解していただいて問題ありません。 DNVは、同システム導入により、船主は顧客に対してコンテナ損失リスクを最小化するための戦略を採用していることを示すことができるとしています。 技術で価値提供 MSCは100隻にこの横揺れ防止の支援システムを導入し、荷主にとっても安心材料につながると思います。 僕がフォワーダーとしてMSCの船を提案するときもしやすくなります。 機械やインボイスバリューが高額、または納期が重要な貨物に適しています。 価格だけでなく、こういった技術の導入で価値提供できることは、やはり大切だと思います。