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2023年1月

パワーX、事業拡大に追加27億円を調達!電気運搬船の日本技術に期待 | 物流ニュース・物流ラジオ

パワーX、事業拡大に追加27億円を調達!電気運搬船の日本技術に期待

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞の記事から、「パワーエックス、27億円追加調達。正栄汽船や辰巳紹介など出資」についてお話していきたいと思います。 2023年1月11日イーノさんの物流ラジオ パワーX、事業拡大 世界初の電気運搬船実現などに取り組むスタートアップ企業、パワーエックスは10日、蓄電池工場建設や事業拡大に伴い、総額27億円を追加で調達したと発表しました。 船舶投資ファンドを運営するアンカー・シップ・パートナーズや今治造船グループの正栄汽船、大阪港を基盤に物流事業を手掛ける辰巳商会など6社超が新たに資本参加し、累計の調達額は約99億円に達しました。 今回調達した資金は蓄電池製品の製造・開発に充て、2025年を予定する1番船の完成など、電気運搬船の実現に向けた準備を加速させるとのことです。 パワーXの開発 現在、パワーXは今治造船や日本郵船など海事業界の複数社と提携し、大型コンテナ型蓄電池を積載できる電気運搬船「Power Ark」の開発などを進めています。 他にも記事には出資している会社さんのコメントなども書いてあるので、興味のある方は概要欄に記事リンクを貼っているのでご覧ください。 パワーエックス、27億円追加調達。工場建設・事業拡大で。アンカー・正栄など出資 パワーXのサイトにもありますが、この船がむちゃくちゃカッコいいです。 風力発電の日本技術 YouTubeなどにもパワーXの伊藤社長のインタビュー動画や洋上風力発電などの動画があります。 日本は国土は狭いですが、海上では常に強い風が吹いている地域があります。 これまでの洋上風力では、沖合で作った電力をどうやって内陸におくるかという、送電ケーブルをどうするかの課題がありました。 しかしパワーXは電気を運ぶ船を開発しており、また工場では蓄電池も作っています。 今は脱炭素に向けて再生可能エネルギーの調達などが注目されていますが、電気を海上輸送するというアイデアで実際にそれをやってしまおうというのが凄いです。 僕らに馴染みのある日本の会社も出資をし始め、この分野では日本の技術が世界で前を走れるのではないかと個人的に期待をしています。

欧州も景気後退で需要伸びず?海上輸送はどうなるのか。 | 物流ニュース・物流ラジオ

欧州も景気後退で需要伸びず?海上輸送はどうなるのか。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「欧州の景気後退の影響で、海上輸送の需要と運賃が下がる」についてお話していきたいと思います。 2023年1月10日イーノさんの物流ラジオ ヨーロッパの市況 今回はヨーロッパ方面についてのニュースをお伝えします。 2023年が始まり、アジア-ヨーロッパ航路の荷主は本船スペースが有り余り、スポット運賃が暴落するという、2022年初頭とは正反対の立場に立たされることになっています。 しかし、この「改善された」海運環境の背景には、欧州経済が不況に陥り、消費者が悪化する生活費危機と戦っているため、全くポジティブなことはありません。 高い在庫水準は、個人消費の低迷により、在庫削減が難しくなっており、少なくとも2023年の第1四半期までは、欧州の輸入量は減少することが予想されます。 2022年の振り返り アジア-欧州間のスポット運賃は過去最高を記録し、船腹は非常に逼迫していたため、船社はすでに上昇していた運賃に数千ドルを上乗せしたスペース保証プレミアムを請求していました。 北欧の主要ハブ港は慢性的な混雑に見舞われ、利用可能な本船のスペースが事実上縮小し、荷主はより早く、より大量の輸入注文を、前倒しして発注しました。 過剰在庫とレート下落 このため、ヨーロッパ各地の倉庫はこの貨物で一杯となり、ピーク時には夏場以降、10月の中国の国慶節を前にした従来の需要の高まりは見られなくなりました。 2022年のレートは1月第1週にピークとなり、1年を通して順調に下落し、8月にはアジア・北ヨーロッパの長期契約レートを下回っていきました。 2023年はどうなるか? 北欧の港湾の混雑が緩和され、本船スペースが市場に放出され、暴走するインフレと欧州全体の不況が消費財の需要を押し下げると船社は船腹の供給過多を実感することになるだろうといわれています。 2022年を通じて運賃が下落する中でも非常に好調な四半期決算を発表した船社のCEOたちは、収益性を維持するため、積極的にスペースと需要をマッチングさせると主張しています。 船腹の削減 Sea-Intelligenceのデータによると、12月末までに、今年の最後の4ヶ月間で合計824,000 TEUの船腹が削減される予定とのことです。 この数字は、1ヶ月の貿易で利用可能なすべての船腹を削減したのとほぼ同義です。 既に、それだけ意図的に減らしていたのです。 2023年初めに施行される国際海事機関(IMO)の新たな環境規制の影響に備え、船社はより遅い航海を強いられ、一部は完全にスクラップされる可能性があります。 供給量をコントロールするということですね。 景気後退による需要減 ヨーロッパ向けも基本的には、インフレやエネルギー価格の高騰による景気後退で需要が減る見込みです。 北米と同じく過剰在庫がまだあるので、それを減らしていかないと輸送需要は伸びないでしょう。 船腹量コントロールによる影響 この記事には2022年9月から12月まで船会社が船腹量を既にコントロールしていたとありました。 船腹量をコントロールしても、価格は下がり続けたということで、影響は限定的だったのかもしれません。 北米だけでなく、欧州でも同じようなことが起こっています。 コロナが発生した2020年から世界で同時に巣篭もり需要が増え、港の混雑が世界中で起こっていたので、下がる時も同時に落ちていくようです。 今後も同行をチェックしていきたいと思います。

MSC コンテナ船腹量が1年で約8%アップ!今後の船会社の動向に注目 | 物流ニュース・物流ラジオ

MSC コンテナ船腹量が1年で約8%アップ!今後の船会社の動向に注目

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、1月6日付の海事新聞の記事から、「コンテナ船腹量 MSC 1年で約8%増。マースク微減、戦略に差」についてお話して行きたいと思います。 2023年1月6日イーノさんの物流ラジオ MSCとマースクのコンテナ船腹量 アルファライナーの2023年1月1日時点の調べによると、昨年初めに世界最大のコンテナ船社となったスイス船社MSCは、その後も中古の船を積極的に購入し、2022年初めから船腹量を約8%拡大しました。 2Mのアライアンスパートナーで、船腹量2位のデンマーク船社マースクの船隊は対照的に微減しています。 マースクはM&Aなどロジスティクス分野への投資を継続しており、戦略の差が数字にはっきりと現れた形となりました。 その他船社の船腹量 アルファライナーがまとめた1月1日付の船腹量のランキングが紙面にはありますが、注目ポイントだけ紹介していきましょう。 前年同期比でまず船腹量がアップした船社 MSC:7.5%アップ CMA CGM:7.1%アップ エバーグリーン:12.5%アップ イスラエルのZIM:29%アップ シンガポールのPIL:11.4%アップ そしてダウンした船社 マースク:1.4%ダウン COSCO:2.1ダウン ONE:0.8%ダウン MSC、中古船大規模購入 MSCは2021年、コンテナ船市況の高騰を取り込むべく中古の船を大規模に購入し、1年で船隊を41万TEU超拡大し、マースクを抜いて世界最大のコンテナ船社となりました。 続く2022年も中古船の購入の勢いを落とすことなく32万TEU超の船隊を拡大しました。 1月1日時点では、MSCは合計約460万TEU、2位のマースクは約420万TEUとなり、2022年の年初から差が開いたという感じがします。 そしてMSCの2023年に竣工予定の船は2万TEU超のメガマックス型14隻、1万4000TEU前後のネオパナマックス型22隻と、当面世界最大のコンテナ船社が交代することはなさそうとのことです。 船腹量のアップ MSCとマースクの戦略の違いが明確に出たのと同時に他の船会社のアップがすごく気になります。 イスラエルのZIMは29%アップ、その他、エバーグリーン、PILもかなりの量をアップしています。ダウンしている船会社もありますが、微減ですね。 昨日の放送では2023年末には作対比で4.5%増とお伝えしましたが、ランクが低めの船会社の船腹量がかなりアップした印象があります。 MSCは母数が大きいため、8%アップはかなり大きく、またCMAも7.1%アップしています。 船腹量アップの影響は 今回、船腹量を大幅にアップしていた船会社がどのようにしてくるのでしょうか? 貨物量は景気後退もあって全体的に減る見通しがあります。 無理に値下げをして、他の船社の貨物を取りに来るのか、また市場が荒れてしまうかどうかが個人的には心配です。

2023年、どうなるコンテナ船の市況?需要減退、規制の影響は? | 物流ニュース・物流ラジオ

2023年、どうなるコンテナ船の市況?需要減退、規制の影響は?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、1月5日付海事新聞の記事から、「市況正常化後のコンテナ物流、環境規制が大きく左右するか」についてお話していきたいと思います。 2023年1月5日イーノさんの物流ラジオ 2023年の市況 新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに始まった世界的な海上コンテナ輸送の混乱と、コンテナ市況の歴史的な高騰がありました。 物流の目詰まりによって世界のサプライチェーンは大きく揺れたが、2022年後半にかけてその混乱も収束しつつあります。 そして2023年以降のコンテナ輸送を取り巻く環境がどのように影響をするのか見ていきましょう。 北米西岸、ようやく正常化へ 世界的なサプライチェーン混乱の象徴だった米国西岸ロサンゼルス・ロングビーチ両港のコンテナ滞船も、2021年末の100隻前後をピークにして2022年11月にはついにゼロ隻となり、混乱は完全に解消しました。 3年を経てようやく正常化に至ることになりました。 北米西岸向けなどは12月9日時点で40フィートコンテナ当たり1,430ドルと、こちらは完全にコロナ禍前の水準となっています。 需給バランスの軟化続く コンテナ市況の高騰を支えていた物流混乱と巣ごもり需要の2大要素がすっかり剥落しました。 さらに世界的なインフレ懸念とこれまでの需要先食いによる過剰在庫もあり、需給バランスの軟化はしばらく続く見通しです。 2023年以降のコンテナ船腹供給は? 日本郵船調査グループによると、2022年末の供給船腹量は3・2%増の見込みでした。 解撤量は依然として歴史的低水準が続くものの、竣工量の伸び悩みが響きました。 中国のロックダウンの影響で上海周辺の造船所の稼働停止が長期化したほか、韓国造船所でのストライキなどが響いたとのことです。 2022年末時点ではあまり増えていません。 2022年の伸び悩みの影響 そして2023年末の供給船腹量は対前年比で4・5%増と予想しています。 前年に比べて伸び率は上回るものの、2022年の工期遅れの挽回が難しいことなども考慮し、竣工量は252隻・173万2,000TEUとしています。 2024年末には2023年からの先延ばし船の竣工も予想するものの、一方で解撤についても75隻85万TEUまで進むと見られています。 意外と増えないかもという感じです。 規制効果は? 供給船腹量が増加する一方、ウクライナ危機や世界的なインフレもあって景気後退が確実視されるなかで、荷動きも期待できず、コンテナ市況の環境としては悪条件がそろっています。 ただし、23年1月からスタートする環境規制、つまりEEXI(既存船の燃費性能規制)とCII(燃費実績格付け制度)がどの程度影響するのかで大きく変わってくるとみられています。 2分される見方 基本的にはEEXIとCIIの導入により、船腹量削減効果が発揮されて需給が引き締まる方向に行くとの見方が強く、先日退任を発表したマースクのソーレン・スコウCEOも環境対応と減速航行で投入船腹が減るとメディアのインタビューでコメントしています。 一方でこうした環境規制による船腹量削減効果は限定的との意見も根強く、見方は2つに分かれています。 2023年はこれまで以上に先行きの不透明感が強くなるなか、広い意味での環境ファクターがコンテナ輸送動向を大きく左右する可能性が高くなりそうです。 2023年の市況予想 全体的にはやはり伸びることはないと思います。世界的なインフレがやはり影響するでしょう。 スペースも非常に取りやすく、安定した状況が続くのではないかと見ています。 運賃水準が完全にコロナ前に戻っており、業界で働く立場からするとこれ以上下がらないでほしいと思います。 船の解鉄を含めても、船の供給量も増えます。 もしかしたらとんでもなく運賃が安くなるかもしれないと個人的には危惧しています。 また、EEXIとCII規制によって、船が減速して進む可能性があるので供給量のバランスが取れるかもしれませんが、これは蓋を開けてみないとわかりません。 今年も一年、情報発信を続けていきたいと思うのでよろしくお願いします。