column

2023年3月

ANA、日本貨物航空(NCA)を買収!欧州路線強化 | 物流ニュース・物流ラジオ

ANA、日本貨物航空(NCA)を買収!欧州路線強化

どうもこんにちは、飯野です。 本日は2つの記事から考察を含めてお話していきたいと思います。 2023年3月9日イーノさんの物流ラジオ ANA、NCA買収 先ずは3月8日付の記事です。 日本郵船とANAホールディングス(HD)は3月7日、日本郵船が保有する日本貨物航空(NCA)の全株式をANA HDが取得し、子会社化すると発表しました。 日本郵船は長年、グループにおけるNCAの位置づけを大きな課題と認識してきましたが、今回の全株式売却で一区切りつけたこととなります。 またANAHDは先月発表の中期経営戦略で貨物事業の拡大を掲げており、今回の判断はその一環です。 ANAとNCAの関係 傘下の全日本空輸(ANA)とNCAはこれまでも機材整備や共同運航などで、協力体制にありました。 NCAは邦人航空会社で唯一の国際航空貨物専業の航空会社であり、これまで40年近くにわたり国際貨物輸送サービスを提供してきた実績があります。 しかし、長らく赤字に苦しみ、日本郵船にとって同社の処遇は経営課題の一つとなっていました。 日本郵船は売却合意に至った背景として「運航・整備体制拡充のために継続的な機材導入、人材育成などには相応のコストを有し、ボラティリティの高い航空運送事業において、コストに見合うレベルで事業規模を拡大することに課題を抱えてきた」と説明しています。 ANA、NCAと欧米路線強化 もう一つの記事から、「ANAHD、NCA統合で欧米路線強化。日本発着、貨物シェア25%に」についてです。 ANAの強みである日本―アジア間のネットワークに、NCAの日本―欧米間の充実したネットワークを融合することで、貨物事業の収益性を高めます。 日本発着路線の輸送重量規模 両社の日本発着路線での貨物スペースのシェアはインテグレーターを除いて約25%となり、日本路線での存在感は高まる見通しです。 IATAの統計によると、2021年輸送重量規模は、ANAが世界13位、NCAが42位。 今回の合意により、両社合わせて、輸送重量規模は世界第9位の規模になる見込みです。 ANAの戦略 この2つのニュースを読んでの、個人的な感想としては、日本郵船は最後にNCAが利益を大きく出して売れたので良いけど、これからのマーケットでのANA大丈夫かなという印象を受けました。 ANAはNCAをANAグループの航空事業ポートフォリオに加えるとともに、日本最大の国際線旅客便ネットワークを活用するグループの貨物事業と将来的に統合・再編するとしています。 これにより、貨物専用機と旅客便ネットワークの双方を活用できるコンビネーションキャリアとして収益性を高め、グループの成長戦略を加速させていきます。 ANAの集荷力 しかし、NCAのスペースをANAが埋め切れるだろうかという懸念もあります。 船もスペースが余っており、欧米では景気後退が続いています。そこまで精密機械や医薬品、急ぎの貨物がたくさんあるとは思えません。 また、ANAに集荷力にも注目です。 フォワーダーの立場からすると、日本が絡む航空輸送キャリアはANAだけではなく他の選択肢も結構あります。 僕がタイにいた時も、日本向けはNH(ANA)だけではなく、TGやAirAsiaも使っていました。 インテグレーターの存在 記事内にインテグレーターを除くとシェアは25%とありましたが、航空キャリアは船会社と違い、フォワーダー経由でしか取引ができません。 荷主が直接、航空会社に貨物輸送のBookingができないのです。 とはいえ、それでも貨物が集まらないと収益性は弱くなるので、DHLのようなインテグレーターのポジションが強いのではないかと思います。 航空輸送はそこまで専門ではありませんが、そのように思ったニュースでした。

PIL、韓国で複合一貫輸送をスタート! | 物流ニュース・物流ラジオ

PIL、韓国で複合一貫輸送をスタート!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、3月6日付の海事新聞の記事から、「PIL、韓国で複合一貫輸送を始める」についてお話していきたいと思います。 2023年3月8日イーノさんの物流ラジオ PIL、インテ―モーダルサービス開始 シンガポール船社のPILはこのほど、韓国でのインターモーダルサービスを開始すると発表しました。 釜山港から韓国の国内内陸部を鉄道、トラックで結ぶエンド・ツー・エンドの輸送サービスを提供します。 PILの韓国でのサービス 同社は、インターモーダルサービスの拠点を世界で拡大しています。 PILの定期コンテナ航路のうち、現在釜山港に寄港しているのは2サービス。 鉄道・トラック輸送の内陸サービスを活用し、釜山からソウル、光州(クァンジュ)、仁川(インチョン)、光陽(クァンヤン)、浦項(ポハン)などの主要都市に接続します。 世界に拡充を続ける PILは昨年10月、鉄道やトラック、はしけ輸送を組み合わせた国際複合一貫輸送サービスをアジア域内やアフリカ、中東などの地域で提供する方針を示していました。 現在では、韓国以外にも、オーストラリア、カンボジア、中国、インド、バングラデシュ、マレーシア、ニュージーランド、タイ、ベトナムなどの国々や、アフリカ、中南米、中東でもインターモーダルサービスを提供しています。 PILは「今後も、お客さまの貨物をより効率的かつ持続的に管理・輸送することを目指し、インターモーダルサービスをより多くの拠点で展開していく」としています。 船会社がフォワーダーの役割 この件、詳しい人がいたら教えて欲しいのですが、通関をしてDoor to Doorの輸送をすることではないですよね? 韓国にインランドデポがどれくらいあるか分かりませんが、船会社が港までではなく、かなり近くまで持ってきてくれるということだと思っています。 とはいえ、そのうち通関を始めるのではないかと思います。そうなると完全にフォワーダーとやっていることが同じになります。 マースクが複合一貫輸送をして通関もやっているので、フォワーダーとして船会社のこういう動きに敏感になってしまっています。 弊社のタイのフォワーダーの会社ではPILを利用していますが、このニュースのような話はまだ聞いたことがないとのことでした。 なので、情報アップデートできましたらまたお伝えしたいと思います。

PortX、PF上での入札管理機能を追加! | 物流ニュース・物流ラジオ

PortX、PF上での入札管理機能を追加!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、3月6日付の海事新聞の記事から、「ポートエックス、定期入札の管理機能を追加」についてお話していきたいと思います。 2023年3月7日イーノさんの物流ラジオ PortX、入札管理機能リリース 国際物流の見積もり効率化プラットフォーム(PF)を開発・提供するPortXはこのほど、定期入札管理機能を新たにリリースしました。 顧客からの要望 従来、スポット入札管理に特化してきましたが、PF上で輸送案件全体を管理したいという顧客の要望に応じて開発。 膨大なレーンごとの提示額の比較表も、プログラム不要の「ノーコード」で簡易に作成できるようにしました。 業務負荷を軽減 ポートエックスのPF利用企業は、製造業・商社などの大手企業が中心です。 これら企業は、多様な品目・モード・ルートで輸出入を行っており、定期入札時は三国間も含めて100以上のレーンで各社からの見積もりを取得しています。 さらに、それぞれに貿易条件や諸チャージなども加わるため、データは膨大なものとなり、各担当者・部署で個別に簡易プログラムを組むなど、比較・分析に係る業務負荷が課題になっていました。 比較・分析が容易に また、それぞれの交渉履歴なども分からず、事業部をまたがった比較なども困難でした。 PortXの新機能により、これまで個別の部署・担当者でエクセルなどを別々に管理していたのに対し、比較・分析が容易になり、それぞれの交渉履歴も残せるようになります。 さらに、運賃など国際輸送部分だけでなく、国内トラック輸送や梱包、プロジェクト貨物であれば現地側での作業量などの項目も設け、物流コスト全体が管理することも可能です。 入札の進捗状況や、これまでの決定履歴なども各部門担当者が閲覧できるようになるため、物流部門に都度問い合わせる必要がなくなり、大幅に業務負荷が軽減されます。 為替などの変動要因へも対応 また、為替やサーチャージなど変動要因について、元となるデータベースで内容を変更すれば、複数のシートに同時に反映できる仕組みを、プログラム技術を必要としないノーコードにより実現します。 自社の輸送に適したシートの作成方法などについては、プロフェッショナルサービスと呼ばれるポートエックスの担当者がサポートしていきます。 データの一元管理へ 素晴らしい機能を追加したという印象です。 国際輸送の入札は、見積もりを提出する船会社やフォワーダーも結構大変です。 記事にもあるように、100レーン以上の海上運賃に加え、燃料代なども含めて確認して提出する必要があります。 荷主さん側からすると、1社のフォワーダーでもかなりの情報量な上、複数のフォワーダーと比較するため、かなりの情報量になります。 そういうのを管理できるようになるのは素晴らしいことだと思います。 コストの最適化へ しかし、こういった価格比較がより簡単になることにより、物流コストが最適化されていきます。 そうなるとコスト競争力がないフォワーダー、トラック、梱包の会社などは厳しくなってくるでしょう。 品質が相当よく、業界で評判になるくらいになれば、話は別ですが、こういった機能が浸透していくと、潰れる業者さんが出てくると思います。 これまで業者が多すぎたというのもあり、時代の流れなのかもしれません。 注目ポイント しかし、この記事にヒントがあります。 プロジェクト貨物であれば現地側での作業量などの項目も設け、物流コスト全体が管理することもできる、というポイントです。 現地側とのネットワークは重要だと思いますが、日本だけで完結させていてはいけません。 大手さんは各国に支店を持っていますが、ローカライズされていない企業も結構あり、値段が高すぎたり、現地の協力会社とのネットワークが弱かったりする場合もあります。 そういう意味では、弊社のタイのフォワーダーはプロジェクト貨物でもタイ側で据え付け管理、輸入通関も可能です。 中小企業の生き残りというのは、こういった感じで規模だけでは戦わない戦略だと思います。

トレードワルツ、豪貿易PFと連携!業務効率が6割アップ! | 物流ニュース・物流ラジオ

トレードワルツ、豪貿易PFと連携!業務効率が6割アップ!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、2/22付の海事新聞の記事から、「トレードワルツ、豪貿易PFと連携実証。業務60%効率化」についてお話していきたいと思います。 2023年3月3日イーノさんの物流ラジオ トレードワルツ、TradeWindowとの実証実験 貿易情報連携プラットフォーム(PF)「TradeWaltz」を運営するトレードワルツは16日、豪州・ニュージーランドの貿易PF「TradeWindow」とのユーザーの連携実証に成功したと発表しました。 これにより、データ送付側の入力や送付の作業、受領側の確認にかかる時間が短縮され、60%以上の業務を効率化できることを確認しました。 リモートワークの推進にもつながるとのことです。 実証実験の内容 実証の対象は日本から豪州・ニュージーランドへの輸出取引での 1.インボイス送付・受領  2.輸出許可証送付・受領  3.インボイス、パッキングリストを含めた船積み書類の送付・受領の貿易プロセス 船積み書類の構造化データの一部とPDFをTradeWaltzとTradeWindowの間で授受しました。 貿易プラットフォームの普及 貿易のプラットフォームはこれからどんどん浸透していくと思います。 実際の業務では書類の送付に結構な時間がかかります。 何に時間がかかるかというと、メールを探す作業、もしくは新規でメールを作る作業です。 しかし、プラットフォームを使えば、1つのJobが立ち上がっていて、そこに書類を置いていけば良いようになります。 送る側も受け取る側も、共通のJOBを確認すればそこに必要な書類がそろっています。 また、貿易書類は修正の頻度も結構あります。 貿易プラットフォームを使うことで業務が格段に楽になり、間違いなく浸透していくでしょう。

コンテナ船腹量ランキング、11位以下が変動!中堅の船会社に注目 | 物流ニュース・物流ラジオ

コンテナ船腹量ランキング、11位以下が変動!中堅の船会社に注目

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、3/1付の海事新聞の記事から、「コンテナ船腹量ランキング、中堅船社で変動」についてお話していきたいと思います。 2023年3月2日イーノさんの物流ラジオ 中堅船社、コンテナ船腹量ランキング 仏海事調査会社アルファライナーによると、コンテナ船腹量11位以下の船社の順位が昨年から大きく変動しています。 輸送需要減少によるサービス休止 コンテナ船市況が正常化に向かう中、アジア域内の船会社で一部の中堅船社では好況期に新たに参入した欧州・北米航路などの長距離サービスを休止しました。 中国から欧米への貨物の輸送需要の減少により、船腹を削減したことなどが変動要因となったようです。 各社の船腹の発注残にもばらつきがあり、今後順位はさらに入れ替わりそうとのことです。 エミレーツシッピングの伸び そのなかで11位から30位のうち、香港に拠点を置くエミレーツシッピングの船腹量は、前年比55%増と最大の伸び率となりました。 これは同社のアジア域内ネットワーク拡充の一環で、従前のチャーターから自社で船腹を供給するという方針の変更などが増加の要因となったとのことです。 新造船竣工ラッシュに向けて そして受注残にも注目です。 今後はワンハイの発注残36隻・26万TEUを筆頭に、Xプレスフィーダーズが24隻11万TEU、TSラインズが23隻9万TEUと新造船の竣工ラッシュを控えており、船腹量の順位にも変動が出てきそうです。 フレキシブルな中堅船社 実務では大手の船会社とだけ取引をするわけではありません。 タイの弊社でも中堅の船会社と結構取引があります。 理由は、フリータイムやカットオフの延長など、フレキシブルな対応をしてくれるためです。 国際物流ではいろんなトラブルが発生するため、そのときに決まり・ルールのみの対応の船会社はちょっと使いづらいときがあります。 船会社の情報 自分たちの会社がよく使っている船会社のランキングがどうなっていくのか、また船の供給量も大体知っておいた方が良いと思います。 どこに新しい船を投入してくるのとか、興味をもって確認できると良いのではないでしょうか。 このような情報を普段の営業や購買活動で使えると、知識だけではなく、サービスの幅が広がります。 お取引のある船会社さんやフォワーダーさんによく使っている船会社のランキングはどうなるか、聞いてみるのも面白いと思います。