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フォワーダーの新入社員の仕事とは?国際物流業の新卒がやるべき6つの事。 | フォワーダーの仕事

フォワーダーの新入社員の仕事とは?国際物流業の新卒がやるべき6つの事。

早いもので今年も4月。日本では新社会人たちが、それぞれの想いを持って入社をしたと思います。タイでは新卒の入社時期は特に決まっていません。好きな時に入ってきます。 日本独特の4月のフレッシュな雰囲気というのは、外から見ていて「なんか良いな」とこの季節が来るたびに思ってしまいます。 そんな初々しい新入社員の方たちの中で、国際物流の業界で働く人たちもいると思います。 今回はタイでフォワーダーを経営している立場から、日本の国際物流業界で働き始めた若者たちに向けて、もし私が新卒だったらというテーマでお話をしたいと思います。 イーノさんのフォワーダーとしての経歴 簡単な自己紹介ですが、私が初めてフォワーダーの仕事をし始めたのは、30歳の時。自分の事業が失敗した直後で、とにかく早く就職しないとヤバいという状態で、私の英語力を買ってくれる会社がフォワーダーでした。 人材紹介のサービスを使って、外資系のフォワーダーに派遣社員として働き 最初は海上輸入の業務をしていました。 その後、タイで働く機会があり、最初にタイで入社した会社は現在の親会社。タイのローカルのフォワーダーで営業として入社しました。 そこで営業成績が良く、またオーナーと仲良くなったので 自分の会社を立ち上げることになりました。現在、会社は5期目を迎えていて おかげさまで安定した経営が出来ております。 国際物流の登竜門とは? 私が初めてフォワーダーの業務として仕事をした時に実感をしたこと、また現在ではスタッフを抱えて教育をしているので、国際物流の仕事で新人が感じることは共通していると思います。 フォワーダーの新入社員として働く皆さんも同じことを感じると思いますので(多分)、まずそれについて説明をしていきたいと思います。 なんでこんなに書類が多いの? 国際物流では取り扱う書類がとにかく多いです。 国際物流の書類 - 例 ・Invoice ・Packing List ・B/L(Draft/Original/Surrender/Waybill) ・Letter of Credit ・Shipping Instruction ・Booking Confirmation ・VGM/AFR(書類ではないが提出があるルール) ・原産地証明書 ・その他、他法令に関する各種書類 ・Arrival Notice ・Delivery Note ざっと思いつくだけでこれくらいあります。 何で単に物を送るだけなのに、こんなに書類が多いのか?個人の荷物を送る時にはこんなに沢山の書類を要求されませんが、商業貨物だと必要になります。 1件のプロセスが多い 国際物流では貨物が別の国に送られるまでに複数のプロセスがあるからです。この各プロセスでそれぞれの書類が必要となります。 簡単にですがざっとプロセスをご紹介します。 国際輸送のプロセス ・船/飛行機の予約(S.I, Booking Confirmation) ・貨物のピックアップ ・貨物の梱包(必要な場合) ・貨物の重量の申告(VGM) ・貨物の事前申告(AFR/AMS) ・輸出申告(通関,C/O) ・海上・航空輸送(B/L, AWB) ・貨物の到着案内(Arrival Notice) ・輸入申告(輸入通関) ・税金の支払い ・貨物を港でピックアップ(D/O) ・配送完了 フォワーダーの会社に入社した人は、まずこの全体像が見えないと何もできないと思います。 イーノさんが新入社員なら さて前置きが長くなりましたが、本題です。もし私がフォワーダーの営業マンとして新入社員となったら何をするか。 前提条件として中小企業のフォワーダーとします。企業の規模で出来る事や期待されていることが違うと思いますので。 1. 業界に関する基本ルールを超勉強する まずルールが分からないと、お客さんに提案が出来ません。その前にお客さんの問題も見抜けなかったりします。営業マンだからといって海上・航空のスペースを売れば良いというだけではありません。 海上・航空のスペースだけであれば、スペースの確保力と価格競争になります。スペース確保は新人が出来ることではなく、会社組織としての総合力の問題です。 そして価格競争であれば大手が本気を出したら勝てません。 だから国際物流の基本ルールをまず学んで、自分の引き出しを増やすこと。お客さんを訪問した時にお客さんが何で悩んでいて、もしくはより良い提案が出来るような基礎知識を身につけることが本当に重要です。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/training-lesson/?lang=ja" target="_blank"] 2. 業務能力を高める フォワーダーの営業マンといえど、お客さんを訪問するだけではありません。会社によっても違いますが、お客さんの物流の業務はCS担当が全てするところもあれば、営業も業務に加わって対応する場合があります。 外回りの営業であったとしても業務能力が必要な理由は上述した通りです。国際物流では本当に多くのプロセスがあり、1つの小さなミスでも貨物をストップさせて大きな問題につながるからです。 基本的に自分でミスをしない。もし他の人がミスをしてもカバー出来る様にするのが超大切です。業務能力が低いとミスが多発して全体に迷惑をかけてしまうので。 3. 全ての仕事を快く引き受ける 国際物流の仕事は本当に色んなものがあります。取り扱う貨物や地域で違った規制が出てきて最初は混乱するかもしれません。 しかし新人であれば基本的に知識はゼロの状態。スポンジの様に色んな知識を経験してくことをお勧めします。色々と実際に体験してみないと分からないことも多いです。 体験・経験値の多さが今後の仕事の活動内容に影響するのは間違いなくって、最初から仕事を選ぶということはしない方がいいでしょう。 4. 社内・社外で敵を作らない 新入社員で若い時の私は生意気だったので社内(商社)で敵を結構作っていたらしいですが、今振り返るとフォワーダーだったら特に終わっていたと思います。 何度も言いますが国際物流の仕事は沢山のプロセスがあり、関係者が多いのです。多くの人の協力を得て1件の仕事をまっとうすることになるのでチームワークが大切になります。 「営業マンは仕事を取ってきてなんぼ」みたいな古い考えがあったりするかもしれませんが、フォワーダーに関しては別です。 フォワーダーの場合では仕事の役割分担が違い、やることが違うだけなのです。他の仕事でも基本はそうですが。 こういうのって若い時は特に気づかないものだと思います。中途半端に成果を出してしまうと「自分の実力」と勘違いしてしまうのですが、それは全て他の人たちのサポートがあるからです。 5. 英語を身につける 他の業界でも英語は大切だと言われますが、フォワーダーという仕事においては英語能力はデフォルトだと言っても過言ではありません。 日本だけでなく他国の人たちとコミュニケーションを取って貨物を輸送する仕事です。メールはもちろん英語になり、営業マンであれば海外の人に電話をすることもありますし、海外に行くこともあります。 上述したように、フォワーダーの仕事はチームワークが大切です。これは社内だけでなく、国外の協力者(支店・代理店)も人たちも含めて協力して貨物を運ぶ仕事です。 副業はしない 昨今では大手企業でも副業解禁という風潮がありますが、私が新入社員なら副業はしません。自分が新人だった時に思いっきり副業をやっていましたが、もし新卒に戻れるなら絶対にやりません。 副業、更に言えば起業もですが、いつでも出来ます。 それよりも自分が所属した組織から学ぶ方が大きな財産だと思うからです。言い方は悪いですが会社を利用すれば良いと思います。 サラリーマンだと滅多なことでは首を切られませんし、失敗しても良いから挑戦をすること。 大切なことなので2回言いますが、副業・起業はいつでも出来ます。しかし新入社員として、組織から色々と教えてもらえる期間は限られています。この期間を自分なりに有効活用することをお勧めします。 まとめ もし私が新入社員ならというテーマで簡潔に書きましたが、実際はもっと意識してやることはあります。※私の個人ブログの方で書こうと思いました。 ですが、今回はフォワーダーという仕事の特性を理解して、新人時代に特に意識することとして6つのポイントをお伝えしました。やるべきことが多いと結局何も出来なかったというケースは多いですからね。 私もタイでフォワーダーとして活動して8年目になります。新人の皆さんと私は同業者ですが、パートナーになれる可能性もあります。弊社では日本に支店はなく、代理店とお取り引きをするというスタイルをとっていますので。 これも何かのご縁だと思います。皆さんの成長に私の経験が何かのお役に立てばとても嬉しいと思います。頑張ってください!

コロナでフォワーダーが二極化!?影響は物流業者にも出ています。 | フォワーダーの仕事

コロナでフォワーダーが二極化!?影響は物流業者にも出ています。

2020年の3月くらいからコロナウィルスが世界中で蔓延をしていって、仕事を失った人・倒産してしまった会社、逆に儲けた人・会社があると思います。 私がタイでフォワーダーの仕事を始めたのが2014年2月。そこから2016年に自分の会社を経営しているのですが、最近になってやっと業界のことをよく考えるようになりました。 直近の私の周りの話で言えば、コロナによってフォワーダーは仕事が取れる会社、仕事が取れない会社と二極化してきた印象があります。 今後、国際物流の業界はどのようになっていくのか?現時点での私の考察をツラツラと書いていきたいと思います。 コロナによって仕事が出来なくなる 上述したように、私の周りでは仕事が無くなる、倒産するフォワーダーの話を聞く機会があります。なぜそんなことになるのか? それはコロナが影響して発生したコンテナ不足の問題です。2020年11月頃からコンテナ不足の影響が出始めて、今もまだ解消の見込みが立っていません。 更にスエズ運河の問題でコンテナ不足に拍車がかかる懸念があります。コンテナ不足が長期化すると更に経営に大きなダメージを喰らうフォワーダーが増えていくでしょう。 限られたスペース・コンテナが取れない コンテナの本数には限りがあります。この限りあるコンテナを取れる会社とはどのような会社なのか? ズバリ、船会社に対して高い交渉力を持っている会社となります。逆に言えば、交渉力が全くない会社はコンテナを割り当ててもらえません。 キャッシュフローの問題で仕事が取れない もう一つの点はキャッシュフローです。私たちフォワーダーは船をBookingしてB/Lが発行されるタイミングで船会社に海上運賃を先に支払っています。 しかし、お客さんに請求をするのはもっと後です。会社によって異なりますが、弊社では1ヶ月のクレジットタームをお客さんに提供しています。 船会社には先払いをして、お客さんからの代金回収は後になる。なので十分なキャッシュがないと、次のBookingをする資金が足りなくなってしまいます。 高い海上運賃が影響する コンテナ不足の影響で海上運賃は高騰しています。例えば、コンテナ不足の問題の前では上海→ロサンゼルス港はUSD1,500/40’程度でしたが、現在ではUSD4,000/40’を超えています。 コンテナ1本あたりでこれくらいのキャッシュが必要になるので、これを1shipmentで10本のコンテナをBookingする必要があったらどうでしょうか。 かなりの現金を持っていないと、お客さんから代金回収が出来るまでは次の船・仕事が取れないということになります。 二極化するフォワーダー フォワーダーという業態はアセット(船・飛行機などの設備)を持たないので、参入が簡単に出来るのが特徴です。 しかし、参入が簡単だからこそ多くのフォワーダーが市場に存在していました。少人数であれば、そこそこの物量があるお客さんを2−3社抱えれば経営自体は出来てしまいます。 しかし、現在では取扱量が少ないと船会社からコンテナやスペースを割り当ててもらえません。より交渉力のある物量を抱えたフォワーダーにコンテナが回ります。 一部のフォワーダーは圧倒的に勝ち残る コンテナが取れない会社は生き残れませんが、逆にコンテナが取れる会社は圧倒的に有利になります。2020年の年度末も終え、各船会社の純利益が圧倒的に黒字、もの凄く業績が好調だったというニュースが出ています。 フォワーダーも同じで、競争が少ない現在では限られたコンテナを荷主に高く売る事ができるので、高い売り上げ・利益が見込まれます。 またエアーが強いフォワーダーももの凄い業績を上げています。特に日本から欧米へのコンテナ不足は深刻な問題なので、工場を止めないためにエアーで輸送にシフトせざるを得ない会社もあるからです。 まとめ コロナによってもちろん国際物流業界にも影響が出ています。飲食や旅行業界のように全部に悪影響という形ではなく、力の差によって生き残りを分けるというものでした。 二極化が進み、強い会社はより強く、小さな会社は倒産もしているところもあります。資本主義が続く限り国際物流というものは無くなりませんが、全ての会社が安泰というわけではありません。 自分の働く業界について流れを理解し、適切な判断が経営者にも、そして働く従業員たちにも必要だろうなと思います。

タイでフォワーダーとして起業してみた話。物流会社の日本人社長がすべき事とは? | フォワーダーの仕事

タイでフォワーダーとして起業してみた話。物流会社の日本人社長がすべき事とは?

どうもこんにちは、飯野です。 これまでのフォワーダー大学のブログ記事はノウハウ系が多かったのですが、最近は物流の知識やノウハウに関してはYouTubeで解説をしています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/training-lesson/?lang=ja" target="_blank"] ブログの一般的な投稿が止まっていたのもそれが原因で、一般投稿をどうしようかと考えていたのですが、ノウハウではなく私が思ったことをツラツラと書いてみることにしました。 今回のテーマは私がタイで国際物流会社を経営し始めた時に意識をした営業、マーケティング、経営について書いていこうと思います。 タイでフォワーダーを始めた簡単な経緯 私がタイに来たのが2014年の2月。タイに来た当初は現在の親会社にあたるHarpers Sea Freightというタイのローカルのフォワーダーに日本人営業マンとして入社しました。 そこで3年弱の営業を経験してから、現在の自分の会社であるHPS Tradeを設立したのが2016年の8月です。 現在は会社設立をして5期目。起業当初は組織として色々問題もあったんですが(今ももちろんあります)、おかげさまで経営は安定してきました。 では起業してから、これまでの4年はどのような感じだったかをお話ししていきたいと思います。 タイでの物流担当者は誰? タイに日系の製造業や商社業は泰日商工会議所に登録されているだけで約4,000社あります。しかし、ほとんどの会社で物流のオペレーションはタイ人スタッフさんが担当することになります。 日本人が物流を担当するのは本当に大手の企業ですね。もちろん1つ1つの細かい案件を見ておらず全体の監督をする感じです。物流は安全に納期通りに運べることが出来ればコストとして見られます。 そこにコストが高い日本人の担当責任者を置くというのは確かに非合理なので、タイ人スタッフさんが物流を見るのは至って普通かなと思います。 日本人による物流の営業とは? お客のタイ人スタッフさんが物流を対応している現場で、タイにいる日本人の物流営業マンはどのように活動をするのでしょうか?タイ人スタッフさんに日本人が直接アプローチをするのは言語の壁もあり困難です。 私も当初はタイ人に英語で売り込み提案をしに行ったことが何度かありましたが、やっぱりメリットが響きにくいんです。タイ人のお客さんにとっても第二外国語の英語で話されるより、タイ語で説明してもらった方が楽ですから。 同じ原理で、日本人の物流営業マンは主にお客の日本人に連絡をして自社の物流を売り込みます。 お客の日本人も物流を把握していない 物流はタイ人のスタッフさんが見ていることが殆どとご説明しました。なのでお客の日本人の担当者さんは工場全体を見ていたり、営業専門だったりします。 その日本人に物流の提案をしなければいけません。 これって日本で日本人に向けて物流の営業をするよりハードルが少しあがるんですよね。それは日本人のお客さんは現在使っている物流のことをよく知らないケースが多いから。 そこに何とかアポをとって、提案しに行って 見られる所はほぼ100%価格のみです。なので価格競争力がないと新規獲得が難しくなります。 日本で関係がある会社 タイにある日系のフォワーダーでは、日本で既に取引があるということでタイでも同じ会社と取引をするケースがあります。 しかし、弊社のような日本に本社もないフォワーダーはそのコネクションを使えません。当時は電話営業でアポを取り、とにかく製造業の日本人のお客さんに会いに行きました。 お客さんにもよりますが、一応 日本人同士なので飛び込みの電話アポ依頼をしても快諾してくれるところは多かったです。とはいえ起業当初は泥臭い営業が必要だと思います。 徹底したコスト管理 営業訪問して会社説明をしてから、次に見られるのは先程ご説明した価格です。物流価格にメリットがないとトライアルすらしてもらえません。 だから弊社のようなフォワーダーは自社のコストを徹底して下げています。安い売値でも利益が取れるように、会社全体でコスト管理を徹底する。 例えば、日本語が話せるタイ人の通訳を雇っている製造業もありますが、弊社ではそんな無駄な人件費は使えません。また英語が話せる人材もコストは上がりますので、私がタイ語を覚えた方が全体のコストが下がります。 こんな感じで、タイで起業してからは他社の日系フォワーダーに比べると泥臭い営業や経営努力をしている印象があります。 仕入れコストを下げる フォワーダーの仕入れとは海上運賃・航空運賃だけでなく、通関費用、トラック費用、倉庫費用などがあります。海上運賃と航空運賃を見られることが多いので、ここの値段を安くしなければいけません。 これは「卵が先か鶏が先か」理論に近いかもしれませんが、安く仕入れないと他社に勝てません。しかし安く仕入れるためには大量にBookingをする必要があるのです。 なので最初は上述したような自社のコストを下げて、1件あたりの利益が低くなっても生き残れるという状態で経営を続け、その積み重ねで大量に仕入れることが出来ることになります。 まとめ フォワーダーというのは設備を持たない業種なので、比較的簡単に始めることが出来ます。タイでは日本人1人に対してタイ人スタッフを4人雇うルールがあるのですが、多くの中小のフォワーダーが最低人数で経営をしています。 始めるのが簡単なので、競合の数が多い。だから価格競争になりやすいんですね。そんなマーケットで生き残るには徹底した自社のコスト削減が大切なんです。 独立系フォワーダーとして日本人が海外で起業するのは簡単です。でも上手くいくかどうかは別の話で、かなり泥臭いことをしないといけないと思います。

フォワーダー 選びに失敗しない為の8つの事。国際物流を大手だけに任せて安心をしていませんか? | フォワーダーの仕事

フォワーダー 選びに失敗しない為の8つの事。国際物流を大手だけに任せて安心をしていませんか?

貨物を送るときに最適なフォワーダーを選んでいますか?大手だからという理由だけで特に選びもせずに仕事をお願いしていませんか? 貨物を海外に送るときに利用するのが国際物流業者であるフォワーダーと呼ばれる業者です。そして世界には本当に沢山のフォワーダーが存在しています。 この沢山あるフォワーダーから最適な業者を選ばないと、高いコストで貨物を運ぶ事になったり、実際は送れるけど送れないと言われてしまったり、通関で毎回止められたりすることもあります。 あなたの物流案件で最適なフォワーダーを検討するために、今回はフォワーダーの選び方について大切な8つのポイントを解説をしていきたいと思います。 フォワダーの選び方について動画で解説しました。 何故こんなにフォワーダーは多いのか? 筆者が活動するタイにおいても泰日商工会議所に登録されている日系の運輸業者だけで100社近くあります。リストを見るとほとんどがフォワーディング業務をしている業者だと思いました。 何故こんなにも多いのか? 船や飛行機などを持たないフォワーダーはノンアセット(設備なし)で出来る業態なので簡単に始められるというメリットもあるからです。タイでは日本人1人、タイ人4人だけで経営している会社も少なくありません。 また物を運ぶというのは単純なようで実は奥が深く、お客様・貨物・配送先によってフォワーダーの得意不得意、また合う合わないがあるからです。 初期投資が少ない、変動費が少ない、色んな物流があるからライバルが多くても意外とやっていける。大体こんな理由だと思います。 国際物流をフォワーダーに頼む必要はあるのか? アセットを持たずに国際物流の手配が出来るのであれば、フォワーダーを使わずに自社で直接 船会社やトラック会社に物流手配の依頼をして貨物を送れることが出来るのではないか?このように思うかもしれません。 実際のところやろうと思えばそのようにフォワーダーを使わず自社で物流手配をすることは可能です。しかし、もの凄く非効率です。あと大手企業のような物量がないと割高になります。 実際は色々と手配する必要がある国際物流の仕事 もしあなたが船会社に直接 海上輸送をお願いする時に必要な手配は船会社へのブッキングだけではありません。 自分でやると大変な諸々の物流手配 ・トラック会社にトレーラーの手配 ・通関業者に通関の手配 ・梱包が必要な場合は梱包業者に連絡 ・重量物の場合は重量屋さんに連絡 ・貨物量が少ない場合は混載業者に連絡 ・クロスボーダーが必要な場合は専門のトラック業者に連絡 ・冷蔵貨物を保管する場合は冷蔵倉庫業者に連絡 などが必要となります。 しかし、フォワーダーに物流手配を依頼をすると基本的に全ての必要事項を対応してくれます。また経験豊富な営業マンの場合、費用を抑え効率的にあなたの貨物を運んでくれます。 費用面でも大きな違いがある もしあなたの会社がコンテナでの輸送を必要としていたとしても、月間で1−2本程度の輸送量の場合 船会社からの海上運賃は恐らく高いものになります。一方でフォワーダーは毎月コンテナを何百本、何千本と輸送手配をしています。 船会社からしたらフォワーダーは代理店になり特約価格を得ていることになります。HISなどの旅行代理店と同じ感覚で物量がそれ程多くないのであれば代理店を通した方が安くなります。 フォワーダーの選び方のポイント フォワーダーの必要性は理解して頂けたかと思います。ではフォワーダーを使うという前提でどのような業者を選べば良いのか?フォワーダー選びのポイントをご説明しましょう。 フォワーダーには得意不得意がある 全てのフォワーダーが全ての物流を手配出来る訳ではありません。 フォワーダーには得意不得意があります。弊社はタイのグループ会社(CONNECT Group)でフォワーディングと通関の事業をしている会社が複数あるのですが以下のように得意が分かれています。 CONNECT Groupの得意分野 ・アジア・東南アジア向けが得意 ・アメリカ向けが得意 ・輸入が得意 ・危険品が得意 ・冷蔵貨物が得意 ・中東、アフリカが得意 ・航空輸送が得意 ・航空の輸入通関が得意 ・日本向けが得意&日系向け全般サービス(弊社) このように見事に得意が分かれております。 南米向けに貨物を送りたいのに、南米向けの貨物輸送を殆どやったことがないフォワーダーに依頼すると輸送費用が高くなったり、トラブルが起きた時の対応がよくなかったりします。 「物を送る」という単純に見える仕事でも、実は非常に幅広く多岐にわたるお仕事なのです。 スペースを確保する力 コンテナ船のスペースには限りがあります。送りたい時に好きなだけ送れる訳ではありません。特にニューイヤー、国慶節、ソンクラーン、ゴールデンウィークなどの長期休暇前は各企業も事前に貨物を輸送したいのでスペースがタイトになりがちです。 製造業ではラインを止めてはいけないというルールがあります。送りたいのにスペースがなくて送れないがために、大量のボリュームを航空輸送しなければいけないというケースもあったりします。 この本船スペースを確保する力はかなり重要なポイントです。 価格競争力 物流は安全に、納期通りさえ運ぶことが出来ればあとはコストです。お客様もコストが高いと最終的な製品単価が上がるので出来るだけ安く運べるなら、安い方が好まれます。 この価格競争力はどこから生まれるのか?これはフォワーダーの取り扱いボリュームと営業担当者のさじ加減です。取扱量が多いと船会社も特別なレートを出してくれます。 そして営業マンが高く売るタイプの人間であれば、必然的に高くなります。 複数の船会社との取引がある フォワーダーよりは少ないですが船会社も複数存在します。そして各船会社によってスケジュールが違ったり価格が違ったり、ルートが違ったりします。フォワーダーを使うメリットは選択肢があるという所です。 複数の船会社と取引するには全体的に多くの物量を持っていなければいけません。特定の船会社で勝負しているフォワーダーもいますが、複数の選択肢を提供できるフォワーダーの方がお客様としてはメリットがあるでしょう。 通関対応の良さ 国際輸送では通関が一つの関門と言えます。税関で貨物がストップするとスケジュールに遅れが出てしまうからです。国をまたいでの輸送では何でもかんでも自由に送れるという訳ではありません。 許可や登録が必要な物も少なくありません。そいういう情報を事前にお客様に伝えられるかどうか。通関で貨物が止まらずスムーズに対応できるかどうかが良いフォワーダーの条件です。 海外支店や代理店との連携 貨物を海外に送る時に向け先の港まででなく、当然ですが指定の届け先まで送らなければいけません。輸出側と輸入側の二国間でのコミュニケーションがないと貨物が届けられるのか、また港についた後はちゃんと通関を通ったのかが分かりません。 海外に支店があった方が良いとの情報もありますが、海外支店がないフォワーダーでも各国に代理店があります。 あまり貨物を送らない地域には代理店を新規で探さないといけませんが、マスターB/Lで貨物を送ることは出来ます。輸入側でお客様に通関手配をお願いする事になりますが。 営業担当者のフットワーク 上記は会社単位での強みや選定ポイントでした。しかしフォワーダーという仕事はサービス業でありますのでお客様に良いサービスを提供する姿勢で、お客様の実務・事務担当者様が感じる使いやすさの印象は変わってきます。 フォワーダーの営業の仕事についてはこちらに詳しく記載しておりますのでご確認ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/good-forawrder-sales/?lang=ja" target="_blank"] [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-forwarder/?lang=ja" target="_blank"] カスタマーサービス担当者のレスポンスと正確さ 会社によるのかもしれませんが、弊社ではフォワーダーで実際の実務にあたるのはカスタマーサービス担当者です。通常で流れている業務に関しては営業マンではなくCS担当者が対応しております。 営業マンは新規獲得や問題発生時のトラブル対応、お客様のお困りごとの解決という仕事を弊社ではしております。なので通常の物流業務においてCS担当者のレスポンスの早さや書類などにミスをしないかも大切な判断要因となります。 担当者替えというのもたまにあったりします。お客様の担当者様とうまくコミュニケーションが取れない社員は別のお客様の対応をさせて頂くなど、そういうところでは会社単位で対応をしております。 弊社が日本でお取引のある代理店 タイで活動するフォワーダーである弊社ですが、日本向けには毎週多くの貨物を輸出しています。その日本側のパートナーとして現在お取引があるのが以下のフォワーダー様になります。 ・フライングフィッシュ株式会社 ・ジャパントラスト株式会社 フライングフィッシュ株式会社様 筆者が会社を創業する前に同社の社長様がわざわざタイまで会いに来て下さいました。そのフットワークの軽さは凄いなと思ったのを覚えています。 食品輸送のスペシャリスト フライングフィッシュ様は食品の取り扱いを得意としていらっしゃいまして、ヨーロッパやタイなどから定期的に食品輸送の手配をされています。 弊社でもタイから日本に食品関連の貨物を輸送する時は、同社の食品輸入通関の経験を信頼して安心して依頼することが出来ています。 ジャパントラスト株式会社様 ジャパントラストの社長様は筆者と非常に似た考えをお持ちの方で、LINEのスタンプを作ったり、ウェブのプロモーションなども力を入れていらっしゃいます。 北米向けコンテナ輸送のスペシャリスト また独立系フォワーダーとして日本-北米間の輸送の取り扱いが世界で第4位とのこと。タイ-アメリカのレートを同社に依頼したところ、非常に魅力的なレートを出してくださり実力は本物だと思いました。 まとめ 今回はフォワーダー を経営している筆者の視点で良いフォワーダーの選び方について解説をしてみました。大手のフォワーダーは確かに会社レベルではサービス出来ることが多いのですが、担当者レベルでは話が違います。小さい案件はやらないという担当者もいるでしょう。 会社の組織力と属人性の両方がうまくバランスが取れていること。これが良いフォワーダーの見極めに大切な事です。

イケてるフォワーダーの仕事術!国際物流の「売れる営業」と「売れない営業」の違いを解説しました。 | フォワーダーの仕事

イケてるフォワーダーの仕事術!国際物流の「売れる営業」と「売れない営業」の違いを解説しました。

国際物流業者として色んなお客様から色んな物流案件のお問い合わせを頂きます。フォワーダーの仕事としてどのようなお客様・案件であれ物流の手配をするのが大切です。 今回は仕事の姿勢によって変わる、売れるフォワーダーの営業マンと売れない営業マンについてお話をしていこうと思います。 色んな貨物輸送のリクエストがある 貨物を外国に送りたいという案件がある場合、フォワーダーの営業マンにとったら多くの場合でお客様になり得るのですが、所属している会社の得意・不得意によって提供できるサービスに差が出来ます。 例えば弊社では月間 5,000TEUの輸出入の実績があり、またタイの会社でドリアン・お米・マンゴー・シーフード・ゴムの木などの海上輸出の取り扱いの方が多いので、コンテナを使った海上輸出が得意です。 でも、たまに小さなダンボール1箱を運びたいというお客様から問い合わせを頂く事もあるのですが、この場合はDHLなどのクーリエを私たちが手配する事もあります。 お客様には説明した上で弊社でクーリエを手配したり、お客様自身で手配してもらっています。 物流に慣れているお客様 法人・個人に関わらず長年貨物を輸出入し続けている物流に慣れているお客様の場合は話が早いです。既に色々と経験済みで色々知ってますから。 しかし慣れているお客様の場合はフォワーダーの仕事の質が高くないと、コストでしか判断されません。 ただでさえ慣れているお客様はコスト意識が高く、別のフォワーダーとの相見積もりが一般的です。 コストの強みに加え、以下に説明するサービスの強みを持って挑まなければ仕事に繋がりにくいのです。 どんな物流でも手配出来る フォワーダーとして国際物流業に従事をしていると新規や既存のお客様から色んなケースでの物を運ぶ事に関しての質問を受けます。 機械以外にも ・お酒 ・衣類 ・工業品 ・危険品 ・化粧品 ・生鮮食品 ・冷凍貨物 ・引越し貨物 ・プラント装置 ・高級ゴルフバッグ など、色んな貨物を運ぶ依頼があるのですがこの時にイケてるフォワーダーの営業マンは このように物流のプロとして色んな案件を引き受けます。たとえ経験がなかったとしても経験のある人や業社を探してお客様のご要望にお応えします。 因みに筆者はタイにおいて上記の全ての貨物の取扱経験がございます。勿論、最初は経験ゼロでした。 フォワーダーの仕事はサービス業 フォワーダーというとNVOCCと呼ばれ、自社の船舶や飛行機を持たず船会社や航空会社の代理店として活動をするのですが船や飛行機以外の物流手配も出来るのです。 国際物流では他国のお客様に貨物をお届けするまでに 輸出側の物流手配テキストが入ります。 ・倉庫 ・梱包 ・トラック ・貨物の積み込み ・輸出通関 ・海上保険 ・船・飛行機 輸入側の物流手配 ・輸入通関 ・トラック ・貨物の積み下ろし ・倉庫保管・管理 などの各ステップがあります。 この一貫した物流を手配したり、得意・不得意はあれど上述したような様々な種類の貨物の物流手配をする事が出来ます。 サービス業なので何でも出来る 製造業とは違いサービス業の場合、お客様の要望するものはやり方次第で何でもお応えする事が出来ます。 物流業では ・倉庫を持ってる倉庫屋さん ・梱包資材や職人を抱えている梱包屋さん ・通関士を抱えている通関業者 ・船を持っている船会社 ・各種トラックを揃えているトラック業者 などアセット(設備・資材・資源)を持った業者さんがいます。 筆者としてはフォワーダーは商社と同じように情報を頼りにお客様に物流サービスを手配する業者だと認識をしています。 どんな貨物でも取り扱う 物流のプロであれば極力何でも取り扱う姿勢を持っている事が大切です。 確かに特殊な貨物の輸送の依頼の場合は慣れている所にお願いした方が良いのですが、お客様もその貨物を運べる業者を探している訳です。 自分が窓口になって出来る業者を探して上げれば自分の経験や利益にもなりますよね。 イケてるフォワーダーの営業マンは自らの情報とコネクションを活かしまくって、どんな貨物でも運ぼうとします。 まとめ 基本的にフォワーダーはアセットを持っていません(大手企業は別)。アセットを持っていないのであれば使えるのは情報と人脈とホスピタリティです。 製造業だと製品は全て均一に造らないといけないのですが、フォワーダーの仕事はサービス業ですから、提供できるサービスの差は人によって大きく異なります。 フォワーダーの営業マンとしてマネジメントも含め個人の実力が発揮できる所でもあるので、やりがいがある仕事だと筆者は思ってます。

フォワーダーの大切な仕事を解説!海上貿易ではコンテナ本船のスペース確保ほど重要な仕事はない。 | フォワーダーの仕事

フォワーダーの大切な仕事を解説!海上貿易ではコンテナ本船のスペース確保ほど重要な仕事はない。

国際物流を担うフレイトフォワーダーの仕事で重要な一つはコンテナ本船のスペースをいかに確保出来るかという事です。 タイからだとソンクラーン(タイの旧正月)やチャイニーズニューイヤー(春節)、エンドオブイヤー(年末年始)などの長期連休前にはどの工場も貨物を出したいという傾向がありますので、必然的に本船スペースは少なくなります。 また製造現場やオペレーションミスによっての緊急対応の場合も本船スペースが必要だけども取りにくい状態です。 筆者もタイでフォワーダーをするまではこのスペースの重要性についてそれ程まで認識をしていませんでした。 今回はフォワーダーの仕事としてのスペース確保に焦点を当てて説明していきたいと思います。 なぜフォワーダーの仕事でスペースが重要なのか? 日本国内の宅配や、DHLやFedexなどのクーリエサービスを利用するときに「スペースが取れない」という話を聞く機会はまずないので、本船のスペースの問題は一般的ではありません。 しかしコンテナで送る程の量の貨物は主に商業用貨物です。 商業用の貨物で納期トラブルが発生した場合・・・ ・小売:店頭に商品が並ばない ・飲食:材料がない、提供する商品がない ・工場:製造ラインがストップする という大問題が発生してしまいます。 その為、納期トラブルが出たらエアーで飛ばすなどの対応をして、とてつもなく高い輸送費用を払ってでも対応するのが一般的です。 なぜ本船のスペースがなくなるのか? 上述もしていますが、長期休暇の前はどの工場も貨物を出したいという思いがあります。休暇中はもちろん生産がストップしますし、また通関業務もストップするからです。 貿易ではとにかく遅れてはいけない 貨物が止まらずに常に流れていればこのような問題はないのですが、休暇のために流れが止まってしまうとその動きを取り戻す為に時間がかかり遅れにつながります。 製造業の場合は生産スケジュールに基づいて商品が作られます。スケジュールに遅れがあると、またその先の工程や取引先でも遅れが発生してしまうのでとにかく遅れには敏感なのです。 これらの遅れを避ける為に多くの製造業が休み前には一斉に貨物を送るので本船スペースがなくなりがちになります。 船社のサービス(航路)が少ない 船会社もビジネスです。利益が見込めない航路のサービスをずっと続けている訳にはいきません。少ない航路では当然ながら貨物が集中しがちです。そうなったときにスペースは取りにくくなります。 CYカットオフの直前 お客様の都合でカットオフの直前にスペースを取って欲しいという依頼がたまにあるのですが、この時もスペースがない場合が多いです。 弊社では2週間前にBookingを頂ければ基本的には問題なくスペース確保ができますが、2日前の直前などでは船社のCS担当者ではなく、営業担当者に掛け合わないといけません。 なぜスペースが取れないのか? これは業界の風習のようなものがありまして、タイでは船会社とフォワーダーとの人間関係が結構大きな要因でもあります。 船会社にも営業担当者がいて、この営業担当者も自分のお得意先には融通を効かせるところがあります。 このように船会社の営業担当者と良い関係があればスペースは取りやすいですし、営業ではなくCS担当者のみとのやり取りをしている場合 スペース確保に融通が効かない場合があります。 弊社がスペースを取りやすい理由 弊社ではグループ会社各社を含めて毎月2,500本以上のコンテナの輸出入の取り扱いがあります。 特にアジア、東南アジア、中東、ヨーロッパに集中しておりこれらの地域では複数の船会社の協力の元でお客様の貨物を運んでおります。 ですので複数の船会社の営業担当者やタイ支店の代表者たちと良い関係が構築出来ております。 日系フォワーダーの下請けもやってます タイに進出したばかりの日系企業で大手企業を除いて、それほど貨物を集められる会社は多くありません。 なのでその日系企業が船社にBookingをするよりフォワーダーだけども弊社を利用した方が選択肢も多くコストメリットもあるので現在4社程の下請けをさせて頂いております。 とはいえあまり同業者の取引先を増やすとやりにくくもなりますので、あまり積極的に増やす予定はございません。 まとめ フォワーダーはサービス業で自社のアセット(設備)をもっておりません。船会社のスペースも代理店であるフォワーダーの営業力で取りやすい状況を作っております。 フォワーダーにとってはどれだけ多くの貨物を集められるかはやはり大切なポイントです。多くの仕事があるからこそ船会社からもメリットのある価格や待遇を受ける事が出来るのです。 スペースにお困りの荷主様は是非お問い合わせください。

海上輸出のBookingの流れを解説!タイでFCLコンテナ輸出を手配する時の必要書類と情報などを説明しました。 | フォワーダーの仕事

海上輸出のBookingの流れを解説!タイでFCLコンテナ輸出を手配する時の必要書類と情報などを説明しました。

貨物を海外に海上輸出したい時どのような手順で手続きを進めていくのでしょうか。小口の貨物をEMSやDHLなどの航空便で送った経験はあると思いますが、海上輸出となると個人レベルではあまり体験する機会がありません。 海上便で貨物を送るとなると海外引っ越しを除いて大体が商業用の貨物だと思います。海上輸送では混載便やコンテナ便などで輸送をするのですが今回は具体的なBookingの流れについてご説明していきたいと思います。 Bookingの流れを動画で解説 1. フォワーダーにBooking依頼をする もしあなたが貨物を海外に輸出したい時フォワーダーに予約の連絡をしましょう。基本的にはメールで行われます。 緊急の場合 LINEのチャットで依頼される場合や電話で依頼される場合もありますが後ほど正式にメールで依頼をして頂いております。 Booking依頼に必要な情報 1. 貨物:名前・種類 (一般貨物、危険品貨物、冷蔵貨物) 2. 積み地 3. 向け地 4. コンテナのタイプ(20ft, 40ft, 40HC) & コンテナの本数 5. 貨物重量 6. 希望スケジュール 7. 希望船社 8. その他特別なリクエスト フォワーダーへのBooking依頼の例 1. Cargo: Car Parts 2. POL: Bangkok 3. POD: Tokyo 4. Container: 40HC x 2, 20dry x 4 5. Cargo Weight: about 15ton/container 6. Schedule: ETD BKK 24th Mar 7. Carrier: TS Line 8. Remark: free time 21days このように要点を簡潔に書いてメールにてご連絡ください。 船会社のスケジュールについては別途フォワーダーにお問い合わせ下さい。 2. フォワーダーが船会社にBookingをする(スペースの確保) 頂いた予約依頼の情報を元にフォワーダーが船会社に予約依頼をします。この時に重要なのが本船のスペースです。 急ぎでない場合、遅れても良い貨物の場合はスペース確保は大きな問題ではないのですが出荷スケジュールが決まっている貨物については本船のスペースが確保できないと貨物を送ることが出来ません。 スペース確保の重要性については、こちらの記事に記載しております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-forwarder/?lang=ja" target="_blank"] 3. Booking Confirmationを入手する フォワーダーが本船スペースを確保出来たら船会社からBooking Confirmation(書類)を入手し、またフォワーダーからお客様にもBooking Confirmation(書類)を送られます。 Booking Confirmationの内容 ・Shipperの名前 ・Cneeの名前 ・本船名 ・コンテナの種類・数量 ・ETD/ETA ・積み地/揚げ地 ・CY搬入日 ・CY Cut Off Date(CY締め切り) ・船会社名 ・備考 4. フォワーダーに書類を提出する 貿易実務の現場では急ぎや変更などが頻繁に行われますので上記の対応を取っていますが、正式なBooking予約では以下の書類をお客様(Shipper)よりご提出頂く事になります。 ・Shipping Instruction(通称:S.I) ・Invoice ・Packing List 出荷の1ヶ月前の予約や急ぎでない案件の場合、また何度も輸出している案件の場合、最初から上記の書類を手配して頂いてから予約をして頂いたほうがスムーズです。 InvoiceとPacking Listは商取引で一般的に使われるものですが、Shipping Instruction(S.I)はフォワーダーがB/Lを発行する際の元となる書類です。 5. 通関・トラックの手配を依頼する 輸出通関手配 貨物を海上輸出する際には輸出通関をしなければいけません。フォワーダーに貨物情報を知らせて通関手配を事前に準備します。 貨物によってはタイ政府からの書類を入手しないと輸出が出来ない上げ地(向け地)側で通関が通らない、関税が高くなる場合があります。 初めて輸出する貨物の通関につきましてはお早めにお問い合わせ下さい。 トレーラーの手配 またコンテナを工場まで持っていく為のトレーラーも必要です。港のカットオフの時間や積み込み時間を考慮して、何時にコンテナが到着してほしいかを確認しましょう。 トラックもフォワーダーに依頼すれば手配をしてもらえます。 6. コンテナを手配する お客様側からしたら依頼した日時に空のコンテナが到着しているのですが、私たちはその空のコンテナをコンテナデポから事前に取りに行っています。 朝一のローディングの場合は前日の夕方に空コンテナをピックアップしておき、翌朝にお客様の工場に向かいます。 コンテナデポでは予約した船会社からのコンテナが割り当てられるのですが、コンテナの質が悪い(穴あき、汚れ、サビなど)場合があります。 質の悪いコンテナが割り当てられてしまったらトラックドライバーは受け取りを拒否して、再度 新しいコンテナをピックアップするために列の後ろに並びなおさなければいけません。 タイでコンテナが時間通りに来ないという問題の背景にはこういうコンテナデポでの問題も関係しています。 7. 貨物を積み込む 一般的に貨物の積み込みはお客様によって行われます。フォークリフトを使ったり、作業員が手で直接積み込んだり、積み込み方法はお客様の貨物によってそれぞれ異なります。 トレーラーの待機時間 貨物の積み込みに時間がかかる場合、オーバータイムが発生することがあります。トレーラーの無料待機時間は主に2〜4時間です。 トラック業者によって異なる場合がありますが、弊社では4時間とさせて頂いております。 VGMをフォワーダーに連絡する VGMとは貨物の正しい重量を船社に報告するルールです。VGMの提出締め切りがありまして、締め切りまでにフォワーダーに貨物の実重量を連絡しなければいけません(誤差10%くらいならOK)。 提出方法は船会社によって異なりまして、特定のフォームにお客様のサインが必要なものや、フォワーダーがシステムで入力するだけで済むところもあります。 8. 港にコンテナを運び込む 貨物を積み終わったコンテナを港まで運びます。 CYカット(カットオフ・リターン) 港の事をCY(Container Yard)といい、予約した本船に貨物を載せるために「CYカット」という貨物を持ち込む締め切り日時が設けられております。飛行機の搭乗予約時間の締め切りのようなものです。 これは「カットオフ」や「リターン」という言葉でも使われます。 CYカットは”場合によって”延長可能です。 ※毎回延長可能ではありません。どうしても積み込みに時間がかかる、または港まで渋滞に巻き込まれてしまう可能性があります。 ”事前に”カットオフまでどうしても間に合いそうにないと分かった場合は、フォワーダーにカットオフの延長を依頼しましょう。 フォワーダーへの連絡なしにコンテナが港に遅れて到着しても受け取ってもらえませんのでご注意下さい。 9. 本船が出港する 貨物を搭載した本船がタイの港を出港します。 10. B/Lの発行 船が港を出港すると船会社よりB/Lが発行されます。主に出港日の翌日 or 2日後に発行されます。急ぎの場合はフォワーダーにご連絡下さい。 まれにB/L部隊がB/L作成に忙殺されていて発行に時間がかかる場合がございますので。 B/Lの役割と取り扱いについてはこちらの記事に記載しております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-bl/?lang=ja" target="_blank"] まとめ 今回は輸出の一連の流れを説明しました。全体を理解していることで事前に準備しておくことや、もし問題が発生したときに備えることが出来ます。 もし何かご不明点がありましたら弊社スタッフまでお問い合わせ下さい。

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。 | フォワーダーの仕事

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。

「フォワーダー」というと一般の方にはあまり聞き慣れない職業で、何をしている業者なのか分かってもらえない時があります。 確かに私もフォワーダーという職業については実際に自分がなってみるまではよく分かっていませんでした。物流の手配をするんだけど、明確に何の仕事をするのかが全く不明でした。 ですので、今回のお話しはフォワーダーという職業に興味を持っている方のためにフォワーダー歴9年の著者よりご説明をしたいと思います。 フォワーダーの仕事内容について動画で解説! フレイトフォワーダーとは? では、まずWikipediaで「フォワーダー」を調べてみましょう。 フォワーダー(Forwarder)とは貨物利用運送事業者のことであり、荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者を指す。 一般的には貨物利用運送事業者のうち国際輸送を取扱う業者を指す。航空輸送を得意とする業者をエア・フレイト・フォワーダー(フォワーダー)、海上輸送を得意とする業者をNVOCC(非船舶運航業者、Non-Vessel Operating Common Carrierの略、NVと略されることもある)と呼ぶこともある。 簡単にいうとその通り。世界的にお馴染みの企業名に「DHL」や「Fedex」(これらはクーリエとも呼ばれるが)があり、日系企業だと「日通」などが有名です。 フォワーダーの仕事は物流をコントロールする事 海外に物を送るというのは実は様々な工程を経て貨物が送り先に届けられます。トラックに乗せて「はい、終わり!」という感じではありません。 国際輸送の一般工程 海上・航空輸送の輸送工程例 ・貨物の梱包 ・貨物のトラック積み込み ・貨物の国内配送 ・書類の確認フォーム申請 ・輸出通関 ・貨物の積み込み(港・空港) ・海上/航空輸送(船・飛行機) ・貨物の積み下ろし(港・空港) ・貨物によって各省庁に届出 ・輸入通関 ・港で貨物のピックアップ ・荷物の配送 ・貨物のお届け/積み下ろし 国際物流にトラブルはつきもの 断言します。毎回 問題なく100%スムーズに貨物が送り先に届く事はありません。 お客様にとっては毎回大きな問題なく荷物が届いていると思うかもしれませんが、その問題解決を水面下で解決しているのが私たちフォワーダーです。 天候、船の遅れ、書類のミス、港でのストライキ、港での機材トラブル、通関など。様々な要因で貨物の到着が遅れたり、止まったりします。 これらの原因を可能な限り回避・調整してスケジュール通りにお客様に貨物を届けるのがフォワーダーの役割となります。 情報力が大きな差を生む フォワーダーはお客様の貨物を運ぶサービスを提供している事業者です。商品の品質というよりサービス品質がフォワーダーとしてのレベルに大きく影響します。 その中でより大きな要因なのが情報力です。 イケてるフォワーダーの条件 上述しているようにフォワーダーはサービス業です。国際物流に従事している業者として、お客様に提供出来る良いサービスとは何でしょうか? ここで著者が考えるイケてるフォワーダーの条件をご紹介しましょう。 イケてるフォワーダーの条件 ・沢山の選択肢を持っている ・お客様の都合に合わせた最適な提案 ・船のスペースが取りやすい ・輸送費用が他社より安い ・お客様にリスクをしっかり伝える ・問題発生時に全力で解決に取り組む ・通関で貨物が止まらない(特に東南アジア) ・法規制に沿った正しい申請をする 営業担当者やCS担当者の力量による 製造業とは違いフォワーダーはサービス業です。ですので営業マンやCS(カスタマーサービス)担当者の知識やレスポンスの早さによってサービスの質が変わります。 お客様のリクエストに対して、最初からすぐに出来ないと言う人や少しやって難しいと諦めてしまう人より、全力で頑張ってお客様のご要望に答えようとする営業マンがいればその人にお客様はついていきます。 営業マンが同業者に転職をした時に一緒に、その営業マンにお客様がついていく事はよくあります。 なぜなら担当者がかわった事によりサービスレベルが下がるというのは前担当の営業マンのレベルが高ければ高い程よくある事です。 まとめ もしあなたがフォワーダーの仕事に興味をもっているのであれば、あなたの頑張り次第でいくらでも可能性のある仕事だと著者の経験上お約束する事が出来ます。 貿易に関する知識を持ち、様々な現場で発生する物流の問題を頑張って解決していく事でもの凄く経験値が上がります。 その積み重ねが実力となりお客様からの評価にもつながりますので是非挑戦をして欲しいと思います。