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貿易の基礎について | 物流コラム

貿易の基礎について

貿易の基礎について動画で解説 どうもこんにちは飯野です。 今回は「貿易」の基本についてお話をしたいと思います。 貿易の基本について! 現代社会では貿易によって経済が支えられています。あなたの身の回りの製品が安い価格で買えたり、いつでもどこでも、買いたい時に買える状態であるのは貿易のおかげです。 もし世の中に貿易がなかったり、全てが地産地消や国内で生産したものしか使ったらダメというルールであったりしたら、天然資源がほとんどない日本の成長は確実に弱まりますし、身の回りの製品も多様性がなく、また値段も高くなるでしょう。 貿易がなかったら? 生産や取引を、特定の地域だけではなく、世界をベースにすることで、多種多様の製品が作られ、また多くの人の手に行きわたるようになっています。 安い製品だけでなく、高価だけれども珍しいもの、希少なものも入手出来るため、貿易により 物質的には豊かな世の中が形成されています。 「正しい知識」の必要性 しかし、貿易をするということは、近所のスーパーでリンゴを買うのとは訳が違い、言葉や文化、商習慣が違う人たちと取引をすることになります。 海外の人たちと取引をして製品を売買するには、正しい知識が必要です。 この正しい知識がないと ・騙されたり ・利益が出るどころか、赤字になってしまったり ・知らずに法律違反をしてしまったり することになってしまいます。 ボランティアではなく、利益を得るためのビジネスとして貿易をする訳ですから、損をしたり、違法行為のようなリスクは絶対に避けなければいけません。 しかし、正しい貿易知識があるとリスクやトラブルを回避して、貿易に慣れていないライバル会社よりもより大きな利益を得る可能性があります。 取引相手への信用のリスク では具体的に、貿易にはどのようなリスクがあるのでしょうか? 一番大きなリスクは「取引相手」の信用です。 製品を売ったり、買ったりする取引の相手が ・ちゃんとお金を払うのか? ・ちゃんと製品を送ってくるのか? という商売の基本的なことをしてこない可能性があります。 海外という物理的に距離がある会社と取引をするのですから、相手のことをよく知らない、状況が随時分からないとなると、 普通に損をする可能性が高いのです。 貿易取引をしたことがない人からしたら、「本当にそんなリスクがあるの!?」と思われるかもしれません。 それは日本という国がビジネスの取引においては本当にちゃんとしているからです。 貿易取引歴が長い私としても、日系企業との取引は 確かに要求などは厳しいけれども、金払いの良さ、商品の安全、納期を遵守する姿勢が抜群に良いと実感しています。 もちろん人や会社にもよりますが、 私たち日本人の感覚や商習慣からすると、海外の会社との取引では ・支払いをわざと遅らせる ・粗悪品を普通に入れてくる ・商品の梱包や包装が不十分 ・納期が平気で1ヶ月以上遅れる ・よく分からない項目を入れて金額を請求してくる など、考えられないことをしてきます。 これは良い悪いではなく、商習慣の違いです。しかし、他の国ではこれらが一般的という国もあります。この商習慣の違いをカバーする為に正しい貿易知識があるのです。 為替のリスク また海外ということで為替のリスクもあります。 為替は日々変動しています。極端な円高や円安に為替が振れてしまうと儲けが大きく減ったりすることもあります。貿易取引においては為替変動も常に意識をしなければいけません。 国際的な規則の理解 他にも貿易には国際的な規制を理解していなければいけません。 この規制を理解せずに「儲かるかも!」と盲目的になってしまい、税関で貨物が止まり 大赤字になってしまうケースはよくあります。本当によくあります。 では、どのような規制があるのでしょうか? ・知的財産の侵害 ・環境問題 ・危険品 ・絶滅危惧種 ・外来種 ・国内産業の保護 ・安全性の遵守 大枠で見たら「当たり前」と思うかもしれませんが、これが実際の商取引になると、知らずに規制を無視して 進めてしまっているケースが本当によくあります。 これらの規制についての解説はまた別の動画を作りたいと思いますので、まずは、ざっくり このようなものがあるとだけ理解してください。 今回のトピックのまとめ! では今回のお話のポイントをまとめましょう。貿易取引がなければ、現代の物質的な豊かさはありえません。 しかし他国の人と取引をする貿易には ・代金支払い(信用リスク) ・製品の発送(ダメージ・納期) ・為替変動 などのリスクがあります。 また「世界の条約」「各国の規制」を理解していないと、送れると思った製品が送れなかったり、税関で止められたりして大赤字になるケースもよくあります。 これらのリスクをカバーするのが正しい貿易知識です。 このチャンネルでは正しい貿易の知識を分かりやすく随時更新をしていきますので、一緒に学んでいきましょう。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

スエズ運河の座礁問題 | 物流コラム

スエズ運河の座礁問題

スエズ運河の座礁問題を動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は 現在世界的に話題になっているスエズ運河の座礁の問題についてお話をしていこうと思います。 3月23日にエバーグリーンという船会社のEver Givenという名前の船が、スエズ運河で座礁をしたというニュースが飛び込んできました。 問題なのは、そのEver Givenという船は全長400mもあって、スエズ運河を完全に塞いでしまうほど大きく 他の船が強制的に通行止めを食らっている状態です。 ちなみにですがこの船を所有している会社は正栄汽船という日本の会社です。 スエズ運河について スエズ運河は地中海と紅海を結ぶ運河で、アジアと欧州を最短距離でつないでいて、世界の貿易の約12%がこの運河を経由しています。 一年で約19,000隻の船、1日で約50隻の船が通行する、国際物流にとっては重要な運河です。 なんで今回、船が座礁したかというと、船に電気系のトラブルがあって、更に強風と砂嵐のために視界が悪化してしまい座礁してしまったとのことです。 船が座礁する場合の多くが運航時のナビゲーションミスが原因だと言われています。 スエズ運河は水深が比較的浅い方でして、こういう事故は割と発生しがちな運河です。 実際に今回の座礁が初めてではなく、過去10年に25回の座礁事故がありました。 対処方法 現在では突っ込んだ船首の周りの沿岸部分を削ったり、タグボートで押したりして動かそうとしていますが、 この台本を書いている3月27日時点では、この船のサルベージ(引き上げ)作業は難航していて、現時点で約300隻の船がスエズ運河周辺で待機をしています。 今回 座礁したコンテナ船はコンテナがほぼ満帆な状態で座礁してしまっています。 動かすにはとにかく重たい状態なのです。 もし現在のサルベージ活動がうまくいかないとなると、コンテナを降ろしたり、燃料を抜いたりして、軽量化してから動かすことになり、数週間かかるとも言われています。 もし数週間もスエズ運河が使えない状態だと、船は南アフリカの喜望峰を回らなければいけません。 こうなると追加で10日以上の日数がかかるだけでなく、燃料もかなりの量を消費することになるので、現在 約300隻の船が待機という選択をとっています。 座礁問題による影響 現状は分かったと。ではこの問題がどのように影響するのでしょうか? 離礁作業がすぐに終われば、影響はそれほど大きくはないと思います。 しかし、コンテナを積み下ろしたりして、数週間がかかると、現在のコンテナ不足に更に影響が出て、海上運賃も上がることになります。 先ほどご説明したように、喜望峰を回ることになると、10日以上の日数がかかるわけです。 この追加の10日間というのがかなり大きくて、コンテナの回漕にも時間がかかるし、余計に燃料を使うことにもなるので 船会社もそれを補填する形で値上げをしてきます。 それだけは本当に勘弁して欲しいです。 1956年のスエズブーム ちなみにですが1956年に第二次中東戦争が勃発して、スエズ運河が1年閉鎖されたことがあります。 この時は船が喜望峰回りを強制されることになったり、船の絶対数が足りなくなって、船会社は不定期戦の運賃を2倍にして海運業界は好況を迎えました。 いわゆる「スエズブーム」と呼ばれているものです。 今回の座礁の問題は1年も続くことはないでしょうが、もしサルベージに数週間かかるとなると スポット的な「第二次スエズブーム」が海運業界に訪れるかも知れません。 荷主からしたらたまったものではないので、早い解消を祈るばかりです。 まとめ それでは今回のお話をまとめましょう。 3月23日にエバーグリーンという会社のEver Givenという20,000TEUクラスの大型船がスエズ運河で座礁をして、運河を塞いでしまいました。 これにより3月27日時点では約300隻の船が足止めされている状態です。 現時点では離礁作業は難航しています。 もし、このまま船を動かすことが出来なければ、満杯に積まれているコンテナを下ろしたり、燃料を抜いたりして軽量化をしなければいけません。 そうすると作業として数週間がかかることになり、この期間はスエズ運河が使えなくなります。 もしそうなってしまうと、船は南アフリカの喜望峰をまわることとなって、追加で10日以上の航海をすることになります。 これは現在のコンテナ不足に更に悪影響を及ぼします。 海上運賃もスポット的ですが更に上がることになるでしょう。 私としても1日も早い離礁を祈っています。 今回のお話は以上になります!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

日本の近代海運の歴史と今後の課題 | 物流コラム

日本の近代海運の歴史と今後の課題

日本の近代海運の歴史と今後の課題について動画で解説 どうもこんにちは、飯野です。 今回は日本の近代海運の歴史と今後の課題というテーマでお話をしていきたいと思います。 菅哲賢社長の著書「最適物流の科学」 今回の動画を作るにあたり、参考にした本があります。 それは、ジャパントラスト株式会社 菅 哲賢(てつまさ)社長の著書「最適物流の科学」です。 ジャパントラストさんは弊社の日本の代理店で菅社長は私ととても考えが似ている感じで、この本の内容も共感できるところが多かったです。 この本には日本の国際物流の歴史やフォワーダーとしての在り方、フォワーダーの選び方なども書いてあって 私にとっても非常に勉強になる本だったのでお勧めです。 それでは、本題にいってみましょう! 海運なくして日本の経済なし ご存知の通り日本は島国です。 そして日本は全てを自給自足しているわけではなく、外国との貿易によって生活に必要なものや工業製品などを輸出入しています。 特に天然資源に関しては99%を輸入していて「海運なくして日本の経済なし」と言えるほど 海運とは切っては切れない地理的な特徴があります。 日本の海運を切り拓いた2社 日本の近代海運で有名人、というと誰を思い浮かべますか? 私は「岩崎彌太郎さん」を最初にイメージしてしまいます。 この方が1885年に日本郵船という船会社を設立し、今でもこの会社は世界中に支店があり、日本の海運を支えています。 郵船ロジスティックスというフォワーダーや倉庫など、総合的な物流でも有名ですね。 そしてもう一社 当時の日本の海運を切り拓いた会社がありまして、それが大阪商船会社。今でいう商船三井の最初会社です。 この2社が日本当初の、遠洋定期船を運行して、インド、欧州、北米、南米、豪州、台湾などとの貿易の架け橋となっていました。 近代海運の成長 これらの会社が近代日本史において成長したのは、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦です。 ロジスティックスという言葉は「兵站」と呼ばれる軍事用語です。 戦争による物資の輸送で日本は海運大国になりましたが、第二次世界大戦では軍用船だけでなく商船も戦争に使われ、約2千数百隻という船が失いました。 またゼロからのスタートになったわけです。 スエズブーム 戦後に少しずつ日本の船会社は経営を立て直していき、大きなきっかけとなった要因がスエズ運河です。 1956年にエジプトの当時の大統領がスエズ運河の領有を宣言しました。 この時に利権を巡って、エジプト、イスラエル、イギリス、フランスと対立が激化して、第二次中東戦争が勃発。スエズ運河が閉鎖されました。 これにより、大量の船が南アフリカの喜望峰回りを余儀なくされたんです。 すごい遠回りをしないといけないんですね。 世界中で船舶の絶対数が足りなくなり、海運市況は暴騰しました。 いわゆる、スエズブームです。このブームにより不定期船の運賃は約2倍となり 日本にとっても海運業界は第二次世界大戦後で初めての好況になりました。 しかし、スエズ運河が元通りに開通しますよ、ということで、このブームはたった1年で終わります。 そして更に悪いことにブームの反動もありました。 この時に船舶を作りすぎて供給過多になり海運業界は大不況となります。 海運業界の不況 日本の海運会社も経営悪化し、当時12社あった日本の船会社は、買収や合併を繰り返して、最終的に ・日本郵船 ・川崎汽船 ・大阪商船三井船舶 ・ジャパンライン ・山下新日本汽船 ・昭和海運 の6社に集約されました。 スエズブームの後 海運業界は不況でしたが、日本は歴史でも勉強した通り、戦後の複数の好景気を経て、高度経済成長をしていきます。 当時の為替は1ドル360円もして、輸出に非常に有利な状況でした。 しかし、ここから日本の海運業界にとっては、またも厳しい状況に経済は変わっていきます。 為替による更なる不況 当時の為替は固定相場制でした。1ドルが360円くらいで固定されていたら、日本の輸出にとっては有利な状態が続きます。 しかし1973年に固定為替相場制から変動為替相場制に移行します。 そして第一次オイルショック。燃料費の高騰と世界的な不況となります。 更に1985年の「プラザ合意」でドル高が是正されて、当時240円/ドル から約120円/ドルになり一気に円高になりました。 海上運賃はドル建てがほとんどです。 円高になると円での収入が減ってしまいますし、輸出製品の競争力がなくなって輸出する貨物が減ってしまいます。 1980年代は日本経済はバブルでしたが、日本の海運会社にとっては実は不況だったんです。 このような状況で、生き残るべく日本の各船会社は、撤退や吸収合併をしながら、6社に集約されていたものが 1990年代に日本郵船、川崎汽船、商船三井の3社となりました。 経済的な世界の海運市場 次に経済・経営的な視点から世界の海運市場について説明をしてきます。 海運業界は不景気だったんですが、世界的にコンテナ貨物の輸送量は増加をしています。 グローバル化に伴う国際分業が発展していったからです。 例えばアメリカのAppleのiPhoneの部品は各国で作られいますし、最終的には台湾のホンハイという会社で組み立てられています。 どれくらいコンテナの輸送量が増えていたかというと 2004年〜2014年の10年間で、日本を除くアジアではコンテナ輸送量は約2.2倍増えています。 一方で日本はというと約1.3倍で増えてはいるが、他国に比べるとそれほど大きな伸び率ではありません。 世界的に荷動きの量が増加してるんだったら、何で船会社は不景気なの?と思われる方もいると思います。 それは、船の「巨大化」が原因となっています。 近年の船は巨大化しており、大きい船だと20,000TEUといった、20feetコンテナなら2万個を一度に運ぶことが出来ます。 船会社は船のサイズアップをすることで輸送の合理化を進めていき、コストダウンを図ろうとしたんです。 しかし貨物の実際の輸送量より、運べるスペースの方が多くなり、供給過多になってしまいました。 船会社は船の輸送スペースを在庫することは出来ません。 なので、一度の航海で出来る限り船のスペースをいっぱいにしないと、船会社は赤字の状態で船を運行することになります。 この船の巨大化が要因の一つで、世界の船会社は各国で競争が激化していきます。 現在はコロナによってコンテナ不足が発生して、海上運賃の高騰が激しいんですが、 それよりも以前では、海上運賃はずーっと底値をキープしていました。 日本からタイの輸送でも40feetコンテナで200ドルしない金額でした。 2016年に韓国の大手船会社が倒産したのも、この激しい価格競争による、ずっと長く続いていた低価格運賃が原因でしょう。 この強烈な価格競争に生き残るべく、海運業界では世界的な規模で、船会社の買収が繰り広げられました。 日本の船会社もそれに負けじと、日本郵船、川崎汽船、商船三井の3社でコンテナ事業が1つに統合され 2017年にONE(オーシャンネットワークエクスプレス ホールディングス)として設立されています。 安い日本の海運マーケット そして意外かもしれませんが、近年の日本の海運マーケットは世界一安いとも言われていました。 これは船会社と実荷主の直接契約の歴史が長いのも、原因の一つだと考えられています。 これまでは船会社が荷主に運賃を提示する際に、 ・大手荷主だから ・有名荷主だから ・付き合いが長いから といった非経済的な理由で安売りをしていたケースもあったんです。 コンテナ不足 このような安いマーケットプライスの日本の海運業界ですが、現在、起こっていることは何だと思いますか? 「日本にコンテナが集まらない」です。 他の動画でも解説をしていますが、現在のマーケットではコロナウィルスによる世界的なコンテナ不足が発生しています。 これまでに説明したように、ずっと不況で赤字経営を続けていた船会社は、このタイミングで運賃を上げて一気に黒字に持っていっています。 船会社にしてみると収益性が低い日本にコンテナを集めるより、収益性の高い中国から北米、欧州へのロングホールにコンテナを集める方が儲かります。 多分 多くの方が今回説明したような海運業界のことを知らなかったと思いますし、 これまで不況を経験してきた船会社の状況を考えると、分からなくもない経営判断だと思います。 とはいえ、これは問題です。 現在では日本のコンテナ不足は本当に深刻で、貨物を送りたくても送れないという状況が続いています。 こんな状況なので冒頭でご紹介させてもらった、ジャパントラストの菅社長は「変えたい」と強く思っていらっしゃいます。 ジャパントラストの挑戦 ちょっとここで、ジャパントラストさんの「挑戦」を紹介させてください。 同社は日本→北米向けの貨物取扱量が世界で第6位のフォワーダーです。 グローバルフォワダーでもない社員25人くらいの名古屋の小さなフォワーダーが、世界6位とは本当に凄いことです。 現在、行われている彼らの挑戦は、なんと名古屋からアメリカのLA港まで、在来船を自社でチャーターすることです。 今回説明したように、現在 日本にはコンテナが集まりません。 これをフォワーダー1社で何とかしようというのも無理な話なんですが、ジャパントラストの社長は何か「挑戦する」ことで 日本の海運関係者たちの意識を変えようとされています。 そしてこの在来船のチャーターには3,000万円くらいの費用がかかり、同社のお客様の貨物を集めても2,000万円くらいにしかならず 残り約1,000万円が足りていない状況です。 ここでお知らせなんですが、同社はこの名古屋→LA港までの在来船チャーターの費用で、クラウドファンディングを実施されています。 「赤字になっても必ず運行する!」とのことですが、関係者様の支援を呼びかけています。 クラウドファンディングの詳細については概要欄にリンクを貼っておきます。 ちなみにですが、これは同社からの企業案件ではありません。 それどころか、私個人的にも支援をさせてもらっています^^ 今後の日本の海運市場 もしこのまま日本の海運が変わらなければ、邦船や日本の市場はこれからどうなっていくのでしょうか? もしかしたら外国の企業に買収され、日本に寄港する船が一気に減るなんてことも可能性としてはゼロではありません。 もし、そうなったら島国にある日本の企業は圧倒的に利便性を欠きますし、輸送を他国にコントロールされることにもなるのです。 私としては、今回ご説明させてもらったような日本の海運市場についても知っていましたし、現在コンテナが日本に集まっていないのも知っていました。 でも あまりにも大きな問題だし、自分で出来ることはないと思い傍観していました。 しかし、同社の挑戦を見て、日本のこれからの海運の為に、私自身が何か力になれないかと思い 今回の近代日本の海運の歴史と、課題を皆さんにお伝えしようと思った次第です。 まとめ それでは今回の話をまとめてみましょう。 日本は島国で海運を使った貿易によって経済が成り立っています。 戦後にスエズブームで好況に移った海運市場ですが、この時に船を作り過ぎてしまい、ブーム終了時には反動で一気に不況が訪れます。 日本は好景気を迎える一方で、政治的な要因で円高に向かっていくことになり、生き残りをかけて買収や合併を繰り返し 日本の船会社は日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社だけが残りました。 そしてコンテナ事業はこの3社で合併されONEと2017年になりました。 海運市場は不況ですが、貨物の荷動きはグローバル化が進む中で、右肩あがりに増えていきます。 世界の船会社は海上輸送を合理化するために、船を巨大化させていくのですが、巨大化した船のスペースは、需要より供給が圧倒的に多くなってしまい 船会社同士で競争が激化していきました。 去年までは低価格運賃が続いていて、その中でも日本の海運市場は世界一安いと言われることもありました。 そして現在ではコロナウィルスが起因して発生したコンテナ不足となり、海上運賃は高騰したものの、 日本にコンテナが集まらないという問題が発生しています。 この問題に対して何か変えなければいけないと、ジャパントラストという名古屋の小さなフォワーダーが挑戦をしています。 私たち個人では出来ることは少ないかもしれませんが、私たち海運関係者の多くが歴史や現状を知り、 少しでも意識を変えることが出来れば、日本の海運がより良い未来に向かうかもしれません。 今回のお話がそのきっかけになれば嬉しいです。 今回のお話は以上になります。どうもありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

旧正月明けのコンテナ不足の影響の現状 | 物流コラム

旧正月明けのコンテナ不足の影響の現状

旧正月明けのコンテナ不足の影響の現状について動画で解説 どうもこんにちは飯野です。 今回は中国の旧正月明けの、コンテナ不足の現状についてお話をしていこうと思います。 2月中旬以降に旧正月が明けて、まだ1ヶ月も立っていないので 統計的なデータがまだ出ていません。 なので あくまで私の主観が強い内容になりますが、参考になれば幸いです。 ではいってみましょう! コンテナ不足の現状 昨年の11月頃にコンテナが足りないと、問題になり始めた時ですが その時のコンテナ不足の問題解消は、中国の旧正月明けくらいかもと一部では言われていました。 その理由の一つとしては、中国のコンテナ製造会社に発注していたコンテナが納品されるのが、大体 旧正月明けと言われていたからです。 では実際のところはどうなのでしょうか? 残念ながら現状は全く改善していません。 相変わらずアジアではコンテナが足りない、船のスペースが取れないといった問題が継続して発生しています。 じゃあ、いったいコンテナはどこにあるのよ?と思う人も多いでしょう。 以前の、コンテナ不足に関する動画でも説明をしましたが、コンテナは、アメリカやヨーロッパの内陸、港、そして海の上にあります。 なぜそんな所にあって、コンテナが戻ってこないのかは、以前の動画で詳しく解説していまして概要欄にリンクを貼っておきますので是非みて見てください。 海上輸送の市況 では前回からの進捗はないのか?と思われる方のために、市況をもう少し詳しく解説します。 まず海上運賃ですが、昨年の11月以降からものすごい勢いで上がっていました。 統計がこのように出ているので見ていただきたいのですが、今年の1月時点ではまだ上昇しています。 気になる方は動画を止めてじっくりと見てください。 しかし、中国の旧正月が明けた3月現在。 まだ統計データは出ていなくって、弊社がとっている海上運賃の情報になりますが タイからアメリカの西海岸、東海岸向けは少し下がっております。 一旦はピークを超えたという感じでしょうか。 ではアジア・東南アジアではどうかというと、タイにある弊社の数字ですが、まだ海上運賃は少しずつ上がっています。 これはなぜか?というと、タイに限定的な話になるんですが 3月、4月はドリアンの輸送シーズンなのです。 更に4月中旬はタイの旧正月です。 毎年本当に沢山のドリアンがタイから中国にリーファーコンテナで送られます。 船会社もドリアンの輸送にコンテナや船のスペースを優先させますし、旧正月前という長期連休の駆け込み輸出の増加もあるので タイからの輸出は相変わらずスペースが取りにくい状況です。 ここで改めてなのですが、このコンテナ不足の問題で 、具体的にどのように物流が混乱しているかも説明させてください。 スケジュールの乱れ 現在の問題のポイントは、海上運賃の上昇も、もちろん大きな問題なのですが 「スケジュールが全く読めない」というのも実は大きな問題なのです。 なぜスケジュールが全く読めないのか??この要因はコンテナ船の ・ディレイ ・オミット ・ロールオーバー です。 一つずつ解説していきます。 ディレイについて まずディレイ。これは船が予定しているスケジュールから遅れていることを表します。 なぜ船が遅れるのか?それは港の混雑が影響しています。 現在、各港では沢山の船が貨物を積んだまま、積み降ろす順番を待っている状況です。 この沖待ちの期間はアメリカのロングビーチだと1週間以上であったり、アジアのハブであるシンガポールでも5日以上待つこともあります。 なんで港が混雑しているかは以前の動画で解説しているのでそちらをご確認ください。 この港の混雑が原因で船の2−3日の遅れは当たり前で、1週間近く遅れるケースもあります。 オミットについて では船会社はこの遅れを解消するために何をするのでしょうか? 次のキーワードのオミット。抜港です。 コンテナ船は決められた航路に複数の寄港する港があって、そこでコンテナを積み込み、積み下ろしをして航海をしていきます。 そしてスケジュールを早めるためにこの港には寄らないで、次の港にいこうと抜港がいきなり決定されます。 現場で対応している私たちからすると、抜港の連絡が来て、お客様に「抜港になりました。。次の週の船に乗せることなります」とお伝えしなければいけません。 貨物のローディングの1、2週間前に連絡があればまだマシですが、貨物が積み終わって港に入ってから抜港の連絡もあったりします。 ロールオーバーについて そして最後にロールオーバー。日本語でいうとコンテナの積み残しです。 現在、船会社はオーバーブッキングをしています。 オーバーブッキングというのは100%でフルスペースの状態だけれども、ブッキングを受け付ける時に例えば120%くらいまで予約を受けます。 そこから荷主がキャンセルをしていって、これがもし110%くらいにしかならないと、オーバーした10%分はロールオーバーとして予定していた船に積み込まれません。 翌週の船に回されることになります。 そしてそれは混雑しまくった経由港だと更に大変なことになっています。 現在 どれくらいロールオーバーされているかというと シンガポールやマレーシアのポートクランのような経由港だと40〜50%。 韓国のBusanや中国のShanghai港でも30%くらいです。 このように港によっては、半分から3分の1のコンテナが港に積み残しをされるということです。 このディレイ、オミット、ロールオーバーですが単発で発生する分にはまだマシです。 実際のところはロールオーバーされて、翌週の船がオミットというコンボを受けたりします。 それが経由便であれば、経由地で次の接続船でのロールオーバーも普通にありえます。 こうなると荷主にとっては2週も3週も遅れてしまうわけです。 現場でできる対応 私もたまに「工場が止まってしまうから何とかしてくれ!」と強烈なプレッシャーを受ける時がありますが、出来ることは船会社の営業マンに「頼むからこのコンテナだけはロールオーバーしないで!」と依頼することだけです。 オミット(抜港)は船会社の営業マンがコントロール出来ることではありませんし。 ロールオーバーもどこまでコントロールできるかは船のキャパシティーもありますので、必ず何とかなるというものではありません。 このように海上輸送のスケジュールが正常な状態ではないので、私たちがお客様にお願いしたいことは、可能な限り在庫を持って頂くことです。 もちろん保管スペースや倉庫費用などの問題があるというのは十分に理解しております。 ですがこのようにスケジュールが安定していない、またコントロールすることが難しい状況なので、何を優先するかだと個人的には思います。 コンテナ不足はいつまで? では、イーノさん、状況は分かったと。 そしたら今度はいつになったらこの状況は改善されるの?という質問が飛んでくると思います。 これが分かれば苦労しないのですが、コロナのワクチンが流通して、アメリカやヨーロッパの港が正常に動き始めるのは早くて6月末くらいでしょうか。 地域によってはそれ以上かかる可能性も十分にあります。 ある機関によると今年いっぱいかかるという見方もあります。 例えば、先日 アメリカのバイデン政権で約200兆円の経済対策法案が可決されました。 これにより高所得者以外の国民に約15万円が給付されます。 これがサービスではなく商品の消費につながると、また中国からアメリカに貨物がドーンと渡ることになり、西海岸のロサンゼルスやロングビーチ港にコンテナが滞留する可能性がありますし、更なるコンテナ不足になる可能性もあります。 「本当にどうなるか読めない」というのが私の個人的な感想です。 まとめ では今回のお話をまとめましょう。 中国の旧正月明けにはコンテナ不足の問題は解消するのでは?という見通しは外れて、今もまだ国際物流の混乱は解消していません。 旧正月明けの海上運賃の統計はまだ出ていないのですが、タイにある弊社の数字では、アメリカ向けの運賃は収まってきてピークを超えた感じですが、アジア向けはまだ微妙に上がっています。 タイからだと3月、4月はドリアンやソンクラーン前ということもあり、更にスペースが取りにくい状況が続いております。 アジアでは船のディレイ、オミット、ロールオーバーが多発しており、スケジュールが全く読めない状況が続いています。 私たちフォワーダーや船会社のいち営業マンがコントロール出来ることではないので 出来ることとしたら、お客様に現状を理解してもらうことと、可能であれば在庫を持ってもらうことです。 この状況がいつまで続くかは正直分かりません。早くて6月末かもしれませんし、何か他の要因で今年の年末まで続くかもしれません。 現在 私に出来ることは国際物流の現状をお伝えして、お客様に理解をして頂き、 コントール出来ないことばかりに目を向けるのではなく、自社のコントロール出来ることに注力を注いで頂きたいと思っております。 引き続き情報を更新していきますので、何卒宜しくお願い致します。 今回のお話は以上です。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

営業とマーケティングの違いについて | 物流コラム

営業とマーケティングの違いについて

営業とマーケティングの違いについて動画で解説 どうもこんにちは飯野です。 今回はフォワーダーのマーケッターが語る「営業とマーケティングの違いについて」をお話ししたいと思います。 私の個人的な感覚ですが、営業とマーケティングの違いが良く分かっていない人や会社が国際物流の業界には非常に多いような気がしています。 実際にどのフォワーダーのHPを見ても同じようなことが書いてあり、違いがよく分かりません。 まず、そもそもですが 営業とマーケティングとは何か?ここから解説していきましょう。 営業について まず営業についてです。 色んな会社に営業マンがいますよね。製造業、商社業、金融業、観光業、物流業などなど。 イメージしやすい営業という仕事は、お客さんの所を訪問して、お客さんに自社の商品・サービスの提案をするというものです。 営業を御用聞きという人もいれば、コンサル営業のようなコンサルタント的な役割とする場合もあります。 マーケティングについて そして営業マンは各企業にいる一方で、マーケッターはあんまり聞かないですよね。 マーケティングの部署がある会社は、広告代理店や自動車会社とかで特定の業界や大手企業にはあるという感じです。 もしくは「マーケティング会社」というように、単体で存在している感じです。 またはコンサル会社のコンサルタントがマーケティングを使ってクライアントの業績アップのアドバイスをしていたりもします。 マーケティングの定義 まずですが、マーケティングの定義をしてみましょう。 世の中には色んな所で「マーケティング」という言葉が使われています。 ツイッターマーケティング、YouTubeマーケティング、インフルーエンサーマーケティングとか。 中には飲み会マーケティングという言葉も聞いたことがあります。ぶっちゃけ、これらはマーケティングではありません。 マーケティングの中のプロモーションの一つです。 ではマーケティングとは何か? 私が一番しっくりくるマーケティングの定義があります。 それは経営の神様、ピーター・ドラッカーが言う 「優れたマーケティングはセールスを不要にする」というもの。 例えば、マーケティングがむちゃくちゃ強かったら、積極的に営業する必要はなくって、欲しいと言ってくるお客さんの目の前に商品をポンっと置いてあげると買ってくれます。 営業は全く不要ですよね。これが優れた「マーケティング」です。 物流業界におけるマーケティング フォワーダーやその他の物流の業界では、このマーケティングに力を入れているところはあまり見かけません。 なぜか?私が思うには「トップがマーケティングについてあまり理解していない」ということが考えられます。 これは本当にもったいないとだと思っています。 私は過去にマーケティングの勉強をして、ずっと実践してきた経験があります。 またその経験を現在のフォワーダーとしてでも使っているので、7年前にタイでお客ゼロから始めた時でも結果を出すことが出来ましたし、今でもYouTubeなどを利用して 継続して新規顧客獲得が出来ております。 営業とマーケティングのメリット・デメリット 営業やマーケティングの定義やイメージはご理解頂けたかと思います。 では次に、営業とマーケティングの違いについて、それぞれのメリットとデメリットを含めて解説していきましょう。 営業のメリット 営業のメリットは、ズバリ「 分かりやすく」て「早い」こと。 マーケティングに比べると、「営業」って何をするか分かりやすいですよね。 だから企業のトップも営業を知っているから「ガンガン営業してこい」の一択になってしまいがちです。 実際にお客さんの前で話を聞いて、うまく提案ができれば成果にもつながりやすいです。 営業のデメリット そして営業のデメリットは、経営者の視点から言うと、良い営業マンに頼りがちになること。 また営業マンに、ある一定水準の営業スキルが要求されることです。 たまに本当に営業スキルが高いスーパー営業マンがいます。 この営業マンに頼ればガンガン売ってくれるのですが、もし この営業マンが会社を去った時に 組織として大きな損失となります。 この営業マンのノウハウがチームや社内でうまく共有されていなければ、一気に会社の力は落ちてしまいます。 また売れない営業マンは本当に売れません。これは採用時の問題にも関係するのですが、会社からしたら売れない営業マンを抱えてしまうと無駄なコストになります。 売れる営業マンになる為の教育するにも、教育コストがかかりますし、時間もかかります。 私自身会社を経営していますが、これらの問題は常日頃から感じています。 マーケティングのメリット では一方で、マーケティングのメリットとは何でしょうか? 「組織で集客の力を底上げ出来る」ことです。 特定の営業マンに頼らずに、マーケティングを使ってお客さんの方から来てもらうことが出来ます。 ちなみに、営業マンが個人でマーケティングを使うことも出来ますし、これが出来るようになると、更に価値の高い営業マンになれるとお約束します。 これはまた別の機会にお話することにしましょう。 優れたマーケティングが出来ていれば、お客さんは既に「買いたい状態」「興味を持ってくれている状態」なので優秀な営業マンでなく、一般の営業マンが提案しても売りやすい状態になっています。 これがマーケティングの大きなメリットです。 また成果が数字として見えやすいのもマーケティングのメリットです。 マーケティングとは科学のようなもので、1つの施策を試して、効果測定をして改善を繰り返します。 人に大きく依存しないので、効果測定もしやすく、何が良くて、何がダメだというのが数字として出てきます。 これはコントロールがしやすく、改善の施策も数字として出ますので結果が出やすくなります。 マーケティングのデメリット 一方でマーケティングのデメリットとは何でしょうか? それは ある程度の費用がかかり、時間がかかる事です。 もし早い成果を求めるなら、サンプルの絶対数が必要となりますので、より費用をかける必要があります。 また露出が多くなると、自分たちが求めているお客さんとは違うお客さんからの問い合わせも増えます。 これはメッセージをもっと絞れば対応出来ますが、自分が狙っているマーケットが小さかったら、お客が来ない可能性があります。 バランスを取らないといけないポイントですね。 また「マーケティングは難しい」と思われているのもデメリットだと思います。 コンサル会社のコンサルタント達は、やたらと難しいマーケティング用語を使って高い費用を請求していますが、実際のところはそんなに難しいものではありません。 マーケティングには色んな分析・プロモーションがあり、簡単なものから少しずつ実践をしていけば成果につながりやすいのです。 営業とマーケティングを分かりやすいイメージで例えると、営業が強い会社は、特定の営業マンだけが強いけれども マーケティングが強い会社は、複数の一般的な営業マンに強い武器を与えている感じです。 もしこの強い営業マンが辞めてしまったら会社としては大きな損失になりますが、マーケティングが強い会社だと、もし営業マンに辞められてもそれほど大きくは影響しません。 弊社のマーケティング例 ここで弊社が使っているマーケティングの一例をご紹介します。 弊社では「ターゲティング」を意識して、自社の強みをある程度絞ってメッセージを伝えています。 ターゲティングとは、特定のお客に狙って、会社のブランドイメージを伝えたり、会社の強みや魅力を伝えることです。 フォワーダーの多くの会社は、ぶっちゃけ違いがよく分かりません。 ほとんどの会社が、 ・ワンストップサービス ・きめ細やかなサービス ・世界各国へのネットワーク とかを伝えています。 HPを見ても非常に似たり寄ったりの感じです。 これだとお客さんが見るところは、「営業マンのパフォーマンス」や「価格」になってしまいます。 弊社の場合の例えですが、私はタイの国内の日系企業のお客さんには「海上輸出が超強いです」と最初に伝えています。 また海外の代理店や見込み客には「タイの物流はイーノさん」というメッセージを何度も伝えています。 これによって 自社が得意としている、海上輸出を必要としているお客さんに、狙ってメリットを伝えているので、競合と比較しても選ばれやすく、また勝ちやすくなります。 また海外のフォワーダーの代理店候補の会社も、タイの物流はイーノさんに任せてみようかと、思い出しやすくもしています。 ターゲッティングが明確になったら、どの媒体を使ってメッセージを伝えるのか? 私の場合はYouTube、Twitter、Linkedinを主に活用し、たまにFacebook広告も使ったりします。 また作ったコンテンツをブログにもまとめていて、Googleの検索で上位表示される工夫もしています。 これにより弊社のYouTubeを見たというお客さんや海外のフォワーダーからタイ発の案件の問い合わせがきます。 そこに対して実際に訪問したり、オンラインで面談したりして、簡単な営業活動をします。 既に弊社に興味を持っているお客さんと話をするので、高い確率で成約することになります。 ちなみに営業する時のプレゼン資料も、ターゲッティングとメリットを盛り込んだものに仕上げています。 現在、まだコロナウィルスは世界中で猛威を振るっていて、コロナありきの生活のニューノーマルが来るとも言われたりしています。 在宅ワークを取り入れている会社も多く、またお客さんも対面の面談を拒否してくるところもあります。 そんな状態で新規顧客の獲得を「ガンガン営業する」の一択だけで、果たして出来るのでしょうか? 在宅ワークをしている人に新規で連絡をとるのは難しいですし、新規の飛び込みでオンラインミーティングを依頼するのも簡単なことではありません。 私としてもそんな営業をされたら嫌ですし、個人的にはかなり無理があると思います。 今回このようなお話をさせてもらったのは、フォワーダーとしての顧客獲得のスタイルも見直す必要があるのでは?とお伝えしたかったからです。 まとめ それでは今回の話をまとめましょう。 フォワーダーで現在 マーケティングを取り入れている会社は非常に少ないです。 マーケティングとは?を定義すると、私のお勧めはピーター・ドラッカーの「優れたマーケティングはセールスを不要にする」というものがあります。 実際に、営業とマーケティングにはそれぞれメリットとデメリットがあります。 営業のメリットは「分かりやすい」「うまく提案出来れば結果は早い」こと。 デメリットは「特定の営業マンに頼りがちになってしまう」こと。 そしてマーケティングのメリットは「組織全体の集客の力を底上げする」こと。 「成果が数値で測定しやすく、改善しやすい」こと。 デメリットは「ある程度の費用と時間がかかること」「難しいと思われている」ことです。 しかし実際にマーケティングを取り入れてみて活動をすると、成果は出ると私の経験上で実感しています。 現在はコロナと共に生きる、ニューノーマルの社会だと言われています。 この社会ではフォワーダーも適切なマーケティングが必要になるのではと私は考えている所です。 経営者の目線で言えば、確かにマーケティングにはコストがかかりますが、それは売れない営業マンを抱えていても同じこと。 そして営業マン個人へのメッセージとしては、個人がマーケティングを使えば更に価値ある存在になります。 ビジネスを運営する、前進させるにはある程度のコストが必要です。 そして個人の自己投資としてもマーケティングは価値があります。 組織・個人として価値あることを見極めるのが大切で、これからの時代を生きる新しいフォワーダーとして、営業力の強化だけでなく、適切なマーケティングを取り入れてみてはいかがでしょうか。 今回のお話は以上になります!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい? | 物流コラム

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい?

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい?について動画で解説 どうもこんにちは、飯野です。 今回はフォワーダーの仕事は忙しいのか?をテーマにお話をしていきたいと思います。 もしあなたがフォワーダーの仕事に興味がある、でも全くの初心者の場合フォワーダーの仕事がどのようなものか見当も尽きにくいですし、どれくらい忙しいのかも分からないと思います。 Googleの検索を見てもフォワーダーの業務の忙しさを検索している人たちは一定数でいると分かりますので、今回は私なりの考えをお話ししていきます。 会社やポジションによる フォワーダーの仕事は忙しいのか? 結論を言えば、「会社やポジションによる」という事になります。激務で長時間労働をしているフォワーダーもいれば毎日定時に帰っているフォワーダーもいます。 それでは どういうポイントでフォワーダーの仕事が激務になるのか?または定時で帰れる程の業務量になるのか?フォワーダーの仕事が忙しいかどうかを判断するポイントをご紹介します。 もし、あなたがフォワーダーに就職や転職をしようとしているならこれらのポイントを面接の時に質問してみるのもいいかもしれません。 今回のポイントはフォワーダーの営業と業務担当のポジションでのお話となります。ではいってみましょう。 業務量について まずは業務量です。フォワーダーの仕事はサービス業なので商品を売って終わりというものではありません。 フォワーダーが貨物を荷主さんから引き取って、別の国の届け先までしっかりと届けるには色んな工程があって、それぞれで連絡業務や書類が発生してきます。 もし引き取りから、最終的な届け先までの全ての物流を手配するワンストップサービスをフォワーダーが提供する場合、1つの案件での業務量は多くなります。 また どれくらいの顧客数を フォワーダーが担当するのか、どれくらいの案件を1ヶ月でこなさなければいけないのか、これらによって大体の仕事の忙しさが決まってきます。 業務内容について 次に業務内容です。先程ご説明したようにもしワンストップのサービスをお客に提供する場合、貨物の引き取りから、配送先までの全ての物流手配をする必要があります。 しかし お客の取引条件や、通関やトラック手配をしないという方針であればフォワーダーの仕事は船や飛行機だけの手配で済む場合もあります。 フォワーダーの大前提の仕事としては 船会社や航空会社のスペースを使って、物流を手配する代理店業になります。 なので船や飛行機の手配だけという案件もあるのです。 輸出・輸入のトラックや通関の手配は荷主が別の会社を使用するケースもあります。 これは会社や営業マンのスタイルにもよります。船や飛行機の手配だけではフォワーダーの会社にスペースを確保する力や海上運賃・航空運賃が相当魅力的でないと荷主が他社に簡単に切り替えられてしまいます。 なので出来るだけワンストップサービスをお客に提供しようとするフォワーダーは少なくありません。とはいえ、船や飛行機の手配だけなら1案件の仕事内容は比較的 楽なものになります。 営業と業務の仕事の振り分けについて 他には「営業と業務 の仕事の振り分け方」です。 これは完全に会社によるのですが、 営業は新規の開拓、見積もり作成、既存客のフォロー、トラブルが発生した時の対応をする。 業務はBookingや各種書類の手配、通関手配、トラック手配、請求書の発行をする。 などがあり、それぞれの仕事を営業と業務で分担します。 業務担当の仕事 まず業務担当者の話をします。 業務担当者は仕事の業務量や業務内容にも勿論よるのですが、仕事が多い、人手が足りていない会社ではすごく忙しいです。 業務の仕事には早さと正確さが求められます。ミスをしてしまうとミスのカバーするための仕事が発生してしまうので、正確さと早さのバランスがとても重要です。 また会社にもよりますが業務担当者がレートを確認し、見積もりを作る場合もあります。 営業マンは新規顧客獲得と問題が起きた時のフォローだけ。 貨物を送る為のオペレーション全般は全て業務担当者がするという会社もあります。 この場合、仕事が多い会社だと業務担当者は むちゃくちゃ忙しくなります。 営業マンの仕事 次にフォワーダーの営業マンの一般的な仕事ですが、日本のフォワーダーの営業マンは基本的に外回りが中心で、事務所にいることが少ないケースもあります。 仕事をしない営業マンだと、ぶっちゃけ楽です。 しかし、仕事をバリバリする営業マンだと仕事のプレッシャーが大きいです。物流の仕事では納期通りに貨物を届ける事が求められます。 しかし最終配送先まで届けるのに複数のプロセスがあり貨物の輸送中に問題が発生することは少なくありません。 物流の問題の種類は沢山あるのですが、昨今のコンテナ不足で発生している問題で例にあげますと ・本船のスペースが取れない ・コンテナがロールオーバー(積み残し)され翌週の船に回される ・翌週の船が港を抜港して更に1週間遅れる ・他の国の港が混雑してスケジュールが遅れる ・通関で貨物が止まる ・ドレーが取れない などなど。自分たちでコントロール出来ない事も沢山あり、その中でフォワーダーの営業マンは出来る限りの対応を取る必要があります。 仕事が出来る営業マン、また仕事の多い営業マンほど問題を多く抱えることになります。 問題が発生した時は荷主からのプレッシャーがハンパないのです。 フォワーダーの繁忙期 また時期によってもフォワーダーの仕事の忙しさは変わります。 例えば、中国との取引が多い荷主を担当する場合 中国の旧正月や国慶節といった長期休暇の前は荷主も貨物を出そうとBookingが集中しますので忙しくなります。 あと年末年始やタイだとソンクラーンというタイの旧正月前は忙しくなります。 また長期休暇後も忙しいです。休暇中は通関は止まりますので、休み明けに書類作成や通関対応を まとめてすることになります。 日本の場合3連休が多いので、3連休明けは業務担当者は忙しくなります。 まとめ では今回のお話をまとめてみましょう。 フォワーダーの仕事は忙しいのか?という質問に対しては 「会社やポジション」によります。 フォワーダーはサービス業なので、業務量が多いと純粋に忙しくなりますし、業務内容がワンストップサービスを提供するものだと作業は増えます。 業務担当者と営業担当者でも違いはあって業務担当者がスケジュール確認をしてBookingするだけでなく、レート確認をして見積もりを作る場合だと忙しくなりますし、営業マンは仕事をとれば取るほど問題発生の可能性が高くなって、問題発生時には荷主さんからのプレッシャーがハンパないです。 他には長期休暇前では荷主は休み前に貨物を出そうとするので、輸出担当者が忙しくなります。 そして長期休暇後では貨物は港や空港に入って来ているけれども、通関が止まっていたり、Arrival NoticeやD/Oといった書類の作成が一気に増えますので、連休明けは輸入担当者が忙しくなります。 主にこれらのポイントがフォワーダーの仕事が、忙しいかどうかを判断する参考材料になると思います。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴 | 物流コラム

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今日はですね、ダメなフォワーダーの営業マンの特徴についてお話をしていきたいと思います。 私自身が商社で働いていた時にいろんなフォワーダーさんと取引していたのと 現在はフォワーダーの経営者として社内の営業マンを管理していたり 競合他社の営業マンの話を聞く機会もあったりでダメな営業マンはやっぱり共通しているなと思ったことがあります。 もし、あなたがフォワーダーの営業マンであれば参考にして頂いたり、もし荷主さんであればフォワーダーの仕事や内情を理解して、より良いフォワーダーを選ぶ基準の一つになればと思います。 では、いってみましょう! すぐに「できない」と言う ダメなフォワーダーの営業マンの共通点1「すぐに出来ない、難しいと言ってくる」 貨物を送る荷主の立場からして、新しいビジネスが決まった時や物流で何らかの問題が発生した時に営業マンの対応が必要になった時 簡単に「出来ない」というフォワーダーの営業マンがいます。 検討や確認すらせず即答する人もいます。 仕事を抱えすぎて本当に忙しくて時間的に余裕がないから出来ないのと単にやった事がないから出来ないというパターンがあり、どちらにしろお客さんにとったら、「じゃあどうすればいいの?」となります。 既存の案件の貨物を運ぶだけなら他のフォワーダーでも沢山 対応出来る所があります。 もちろん本当に難しい案件だったり、内容にもよるのですが、お客さんの依頼や悩みを解決しようとする所にフォワーダーの営業マンの意義があるので即答で出来ないと言ってくるのは営業マンの引き出しが少ない可能性があります。 昨今ではフォワーダーに、ピックアップから最終目的地までのワンストップサービスが求められることが割と一般的です。 単に船会社・航空会社の取次業務だけでは、「コンテナやスペースが確実に取れる」や「相当な価格メリットがある」などの特徴がないと生き残れません。 お客さんの物流のコンサルタント的な役割も フォワーダーの営業マンには必要なのかなと思います。 レスポンスが遅い ダメなフォワーダーの営業マンの共通点2 「レスポンスが遅い」 国際輸送は案件によっては対応のスピードが求められる時があります。特にトラブルが発生した時。対応が遅くなればなるほどデマレージなどのペナルティーが発生したり、金額が大きくなったりするものもあります。 この「レスポンスが遅い」には営業マン自体の問題だったり 下請け業社の問題だったりすることがあります。営業マンは早くお客さんに回答をしたいけれども下請け業社がなかなか回答をくれない事も少なくありません。 これは後にも説明しますが下請け業社との連携が大切な要因です。 営業マン自体のレスポンスの速さは意識次第で何とかなります。 短くてもいいのでチャットやメールを確認した旨を伝え、対応しているという姿勢を見せましょう。 自分ですぐに回答できるものは即レス。他の部署の担当者や下請けの回答が必要な場合は 常に進捗を確認してフォローをする意識が大切です。 仕事が雑 ダメなフォワーダーの営業マンの共通点3 「詰めが甘い、仕事が雑」 新規案件の時に営業マンの詰めの甘さが露呈する場合があります。弊社も含めてですが結構あります。 営業マンの仕事は新規開拓でもあります。新規案件を取ったはいいものの、実際の業務になると 実は確認漏れがあって、見積もりに含めていない項目が出てきたりすることがあります。 営業マンにとっても初めて取り扱う貨物やルートの場合 十分に調べたつもりでも、実際に貨物が送られてきて「何このチャージ?」と港や通関からの請求書を見て驚く時があります。 これはお客さんに請求できない場合が多く、結構な金額を支払った同業者さんも知っていますし 弊社でもやってしまったことがあります。 自社で問題の責任を取ればまだセーフな感じはしますが 事前確認の問題でお客さんに負担を強いたりするのは問題かなと思います。 業務との連携が取れない ダメなフォワーダーの営業マンの共通点4 「業務との連携が取れていない」 フォワーダーの営業マンはオペレーションをしてない場合が多く カスタマーサービス担当者に任せている所もあります。 営業マンはお客との窓口で、フォワーダーの営業に伝えたことが業務に正しく伝わっていない事が結構あります。 業務担当であるカスタマーサービスは大量の作業を抱えていて、特に新規案件の場合は業務連絡のミスが起こりやすいです。 営業マンからの適切な指示やフォローアップがないと かなりの確率で問題が発生して、営業マン自身がトラブル対応に追われることになります。 下請けとの連携が取れない ダメなフォワーダーの営業マンの共通点5 「下請けとの連携が取れていない」 フォワーダーは大手企業でなければ 通関、ドレー、倉庫、梱包、据付などの仕事を外注しています。 これは先にも説明したように、船会社・航空会社との取次業であるフォワーダーにワンストップサービスが求められる事が多いからです。 これも先程の業務担当者との連携の話に共通しますがフォワーダーの営業マンに依頼したのに、通関などの下請けに情報が正しく伝わっていない時があります。 通関のミスは貨物が税関で止められてしまう原因になるので納期を優先しているお客さんの場合だと大問題になります。 また少し複雑な据付や梱包の手配では 案件の全体をよく理解している営業マンが現場に立ち会わないと現場判断が出来ずにミスにつながる可能性もあり、最悪の場合は事故につながるケースもあります。 これは営業マンの意識だと思います。下請け業社に丸投げするのではなく、しっかりと進捗を確認して正しく業務が遂行されるかを管理する必要があります。 因みにですが、大手企業でも自社のリソースを使うけれども営業マンによっては連携が取れていない人もいます。会社の大小の話ではなく、営業担当者としての話です。 コストが高すぎる ダメなフォワーダーの営業マンの共通点6 「値段が高すぎる」 物流は物が安全に納期通りに運ぶことが出来れば、あとは基本的にはコストでしかありません。 営業マンのサービスが素晴らしい場合、他社と比べて最安値である必要はないけれども 圧倒的に高い場合は他社に切り替えられる可能性があります。 同じ案件で安全に・納期通りに・営業マンの対応にストレスなく 貨物が運ぶことが出来れば、安い方が選ばれるのが資本主義の原則です。 フォワーダーの営業マンは自分の仕事のキャパシティの限界とマーケットプライスをしっかりと理解している必要があると思います。 営業マンは自分の仕事のキャパがいっぱいで手が回らない時に、安く売る必要はないと個人的には思います。 しかし他の人にまわせるのであれば、仕事をまわして適正価格で取引した方が組織としては中長期的に儲かりますので、そこはマネージャーの仕事になってきます。 まとめ それでは今回の話をまとめます。 ダメなフォワーダーの営業マンの特徴は ・すぐに出来ないという ・レスポンスが遅い ・詰めが甘い ・業務との連携が取れていない ・下請けと連携が取れていない ・値段が高すぎる だと私は思います。 フォワーダーの仕事はサービス業です。サービスを度外視して、単に貨物を運ぶだけなら他のフォワーダーでも出来るコモディティな業種だと私は思っています。 そこでどうやったら生き残れるのかを常に考えると、やはり目の前の仕事に対して 丁寧にスピード感を持ってやる事ではないでしょうか。 今回のお話がフォワーダーの営業マンや荷主の物流担当者さんのご参考になれば幸いです。 今回は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

第一回!物流クイズ-正しいインコタームズを当ててみよう! | 物流コラム

第一回!物流クイズ-正しいインコタームズを当ててみよう!

第一回!物流クイズ どうも、こんにちは飯野です。さあ、始まりました新企画。物流クイズでございます。 このチャンネルではIt’s fun to learn Logistics「物流を学ぶのは実は楽しいことなんだ」というテーマでお送りしておりますので皆さんの物流や貿易の知識を是非 力試しして欲しいと思ったので 今回のクイズ企画を作りました。 楽しんで頂ければと思います。 まず簡単にクイズの概要を説明します。今回のクイズはインコタームズ についてです。 これから一枚ずつ画像が表示されます。この画像をみてEXWやFOBなど、どのタームかを当てるクイズです。 判断するポイントは輸出者と輸入者との間での「物流のコスト」と「貨物のリスク」の負担が切り替わる場所です。 全く分からないという方のために、関連動画集を概要欄に貼っておきますのでそちらを見てから挑戦してもらっても大丈夫です。では、いってみましょう! 第一問 問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DDP B. EXW C. FOB D. CIF 正解はBのEXWです!物流コストと貨物のリスクを輸出者の工場から全てBuyerである輸入者が負担するという図ですので、タームはEXWになります。 第二問 では続いての問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. CIF B. DDP C. CFR D. FOB 正解はBのDDP!先ほどのEXWとは逆で、輸出側の工場から輸入側の届け先までSellerである輸出車が費用と貨物のリスクを全て負担すると表している図です。なのでタームはDDPになります。 第三問 問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. FCA B. DAP C. DPU D. CFR これは少しトリッキーなタームですね。正解は。。。DのCFRです! 物流コストの負担は輸出者が輸入側の港まで負担する。そして貨物のリスク負担は輸出者が輸出側の港までを負担する条件です。 インコタームズのCグループはこのようにコスト負担とリスク負担が変わる場所が違うトリッキーなものなので注意が必要です。 第四問 続いての問題はこちら。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DAP B. CPT C. FOB D. DPU さて正解は。。CのFOBです!コストとリスク負担を輸出者は輸出側の港まで、それ以降を輸入者が全て負担するという取引条件です。FOBは貿易では頻繁に使用するタームです。 第五問 それでは最終問題です。この図は、コスト負担とリスク負担のどちらを表現しているでしょうか? 3択問題です。 A. コスト負担 B. リスク負担 C. どちらでもない さあ、ここで50:50. Cのどちらでもないが消えます。 ※みのもんた風のタメ 正解はAのコスト負担です! 問題の解説 もう一枚別の図を見て一緒に解説しましょう。この問題でのポイントはCFRとCIFです。先ほどの問題の左の図は輸出者が輸入側の港までを負担するもの。これは物流費用・コストでしたね。 そして右側の図では輸出者が輸出側の港までしか負担しない。これは貨物のリスクでした。 このトリッキーなタームをしっかりと理解しているかどうかが正解を分けるポイントになりましたね。 まとめ 今回の物流クイズはいかがだったでしょうか? 慣れている方には簡単なものだったかもしれません。 しかし貿易・物流の基本といえるインコタームズは確実に理解しておかなければいけません。 輸出者と輸入者で取引条件の共通認識が出来ていなければ勘違いが生じてトラブルの元になってしまいます。 これからも 楽しく学べる物流のクイズを作っていきますので 次回もお楽しみに!ありがとうございました! ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは? | 物流コラム

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは?

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは?を動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回はこのコンテナ不足によってこれから物流業界がどのように変わっていくのか私の個人的な考えをお話ししていきたいと思います。 昨年末にコンテナ不足の原因や影響を解説する動画を作成していまして、まだ見ていないという人の為に概要欄にリンクを貼っておきますので是非 一度ご覧になって下さい。 海上運賃の高騰 ここ最近の海上運賃の高騰はもの凄く大きくてルートよっては20倍にまで値上がりしたという航路もあります。20倍は極端な例ですが、ここ数年の海上運賃が低水準過ぎたという見方もできます。 実は過去数年で統合合併する船会社や倒産した船会社もあります。ここ数年では船会社はずっと赤字で運営しているところが多かったんです。 そこで今回のコンテナ不足が発生し、この高騰しまくった海上運賃でも貨物を輸送する荷主さんは実際には沢山います。 このような状態を経験すると、船会社としても赤字運営をしていた以前のように海上運賃を低水準まで落とす必要はありません。 コンテナ不足が解消されたら? なのでコロナが落ち着き、コンテナが市場に余ってきたとしてもコンテナの量は調整されると思います。 そうなると海上運賃は以前のように安くならないので ・利益が少ないビジネスは続けるのが難しい ・価値が高い商品でないと採算が合わない ・製品によっては近場や国内調達の方がメリットが出てくる ・薄利でもボリュームで利益を確保できる資本のある会社が結局強い これらのような事が起こってくると思います。 海上輸送は世界のインフラです。 現在のように運賃が高すぎるのもどうかと思いますが安すぎて船会社が倒産してインフラ自体が使えなくなる、または競争が減って各国への船の便数も減ってしまうと逆に納期通りに送れなくなったり、船会社のサービスが悪くなってしまうのも問題かと思います。 何事もバランスが大切なのかなと思います。 コンテナ確保の重要性 またコンテナの量が限られているので、コンテナを確保できないフォワーダーも生き残りが難しくなるでしょう。 私の周りでも現在 コンテナが確保できないフォワーダーは仕事がなくて暇でコンテナが確保できるフォワーダーは仕事が集まって忙しいという状況になっています。 荷主は貨物を送らなければいけません。この時に取引のあるフォワーダーがコンテナを確保出来なければ確保できる別のフォワーダーが選ばれることになります。 そしてコンテナが取れない、また海上運賃が高騰しているので、海上輸送以外の手法で輸送を希望される荷主さんも増えています。なので現在 海上の混載便や航空輸送に影響が出ています。 クロスボーダートラック案件の増加 タイにある弊社ではクロスボーダートラックの案件が増えています。 特にシンガポールとマレーシアはトランシップ港として港の混雑が大きな問題になっており、タイからだとトラックの方がスケジュールが見えるので、そちらが選ばれるようになってきました。 これまで海上輸送しかやってこなかったというフォワーダーが急にクロスボーダートラックの手配を依頼されても迅速な対応は難しいです。 また輸入者も在庫を準備するようになり、倉庫を求められることもあります。その時に素早く適切な倉庫を提案が出来るかどうか。フォワーダーの営業マンは総合的な物流提案の実力が必要になってくるでしょう。 フォワーダーが多すぎる 私の個人的な感覚でもありますがタイに関して言えばフォワーダーは非常に多い印象です。日系の運輸業者はバンコク日本人商工会議所に登録されているだけで約100社あります。 その中でフォワーディングの業務対応をしている会社も多いです。そして日系の製造業・商社業は登録されているもので約1,150社あります。 私がバリバリに営業をしていた時で、1人で抱えていた顧客数は30社以上あったのでこの数字を見る限りではタイでは日系のフォワーダーは供給過多だと思えてしまいます。 フォワーダーの仕事は日系やタイローカルも含めて少人数で始める事が出来ます。 これまでは物量が少なくてもコンテナを船会社から確保出来ていたので問題なく物流手配が出来ていましたが、現在では取り扱いボリュームが少ないフォワーダーはコンテナが取れないと聞きます。 船会社の営業のマンパワーにも限りがあるのでボリュームの多いフォワーダーの対応を優先しがちになるからです。 タイの物流はイーノさん ここで少し宣伝をさせて下さい。 弊社のグループでは通常時で月間5,000TEUの物量を扱っており複数の船会社と良い関係があります。 その為、弊社ではタイ発のコンテナは取れている方だと思います。 他の同業者さんがコンテナを取れなく、荷主さんから弊社にBooking依頼が来ることも最近は少なくありません。 また得意なのは海上輸送ですが、総合的なタイの物流手配を私自身 7年やってきましたので様々な案件にお答えできるかと思います。 タイに支店がない日本のフォワーダーさんで、タイからの輸送案件がありましたら是非お問い合わせ下さい。 まとめ では今回の話をまとめますと昨年下旬から発生したコンテナ不足から、物流業界にもニューノーマルが訪れ、以前と全く同じようなコンテナ供給や海上運賃には戻らないと思います。 これはニューノーマルというか、ずっと以前に戻ったという感じでしょうか。 なので荷主さんにとっては物流を意識したビジネスモデルが重要になり またフォワーダーの実力や営業マンの提案力が重要になって来ると思います。 現時点ではまだコロナは治まるどころか逆に広がっていますし、その中でも自分が出来ることを考えて行動するのが大切なのかなと思います。 今回のお話は以上になります。また次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

第二回!物流クイズ – インコタームズの特徴 | 物流コラム

第二回!物流クイズ – インコタームズの特徴

第二回!物流クイズ どうもこんにちは。飯野です。 さあ、今回も始まりました。第二回目の物流クイズでございます。 このチャンネルではIt’s Fun to learn Logisticsをテーマに発信していますので楽しく物流を学べるように心がけております。 では今回のクイズの概要を説明します。これから各問題ごとに1枚の画像が表示されます。 テーマはインコタームズですが、それぞれの特徴を問題としています。全て4択問題で、選択肢から最も適切な回答を選んで下さい。ちなみに正解は1つだけとは限りません。それではいってみましょう! 第一問 問題。EWXで輸出者のメリットはなんでしょうか? A. 全ての物流のコントロールをする事ができる。 B. 物流のリスクが少ない C. 生産スケジュールを遅らせてもいい D. 何もメリットはない 正解は・・・Bの「物流のリスク」が少ないです。 EXWでは輸出側の工場などから配送先までの貨物のリスクを輸入者が負担します。 輸送手配は全て輸入者が対応してくれるので、もし選択肢に「物流手配の手間が少ない」という回答があればそれも正解になっていたでしょう。 第二問 問題。EXWで輸入者のメリットは何でしょうか? A. 物流をコントロールする事が出来る B. 物流費用を支払う必要がない C. 輸入関税と消費税を支払う必要がない D. フォワーダーを選ぶ事が出来る 正解は・・・AとDです。 先ほど説明したようにEXWでは輸入者が物流の手配をしますので、輸出側の工場から配送先までの全ての物流を手配することになります。 その為、輸出側・輸入側のトラック・通関・フォワーダーを輸入者が選ぶ事が出来るので全ての物流をコントロールすることが可能になります。 第三問 問題。EXWで輸入者のデメリットは何でしょうか? A. デメリットはない B. 現地に詳しいフォワーダーがいないと使えない C. 本船のスペースが取りにくい D. 全ての物流のリスクを負担しなければいけない 正解は・・・BとDです。 EXWでは輸入者が輸出地の物流も手配することになります。その為、取引のあるフォワーダーが輸出側に詳しい必要があるのです。 フォワーダーには得意・不得意があり、現地に支店や代理店がなかったり 全く馴染みがない国の物流手配をすることは難しいです。もし出来たとしてもトラブルが発生した時の対応が難しくなります。 その全く馴染みがない国でのトラブルのリスクも負担する必要がありますので 全てのリスクを輸入者が負担するEXWは輸出する国の物流のことをよく知っているフォワーダーを見つけなければいけません。 第四問 問題。FOBでは貨物の運賃とリスクの負担はどこから輸出者から輸入者に変わるでしょうか? A. 輸出側のCY B. 輸入側のCY C. 輸出側で貨物が船に乗った時 D. 輸入側で貨物が船から下ろされた時 正解は・・Cの輸出側で貨物が船に乗った時です。 CYとはコンテナヤードの事ですが、FOBではCYではなく輸出側で貨物が船に乗せられた時に費用と貨物の責任が輸出者から輸入者に移ります。 先程の輸入者のデメリットでも少し触れましたが、輸入者にとって輸出側の国のことがよく分からないとその国の物流手配をするのは簡単な事ではありません。 なので馴染みのない国から輸入する場合、その国の国内物流を輸出側に任せるFOBを使用するのは 物流のリスクを下げることにつながります。 第五問 最終問題です。この画像はどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DPU B. FOB C. CIF D. FCA 正解は・・ DのFCAです。 インコタームズのFCAでは輸出側の特定の場所までの費用とリスクを輸出者が負担する取引条件です。それは輸出側のCYであったり、特定の倉庫の場合があります。 特定の倉庫を使う場合はバイヤーズコンソリデーションで複数の輸出者の貨物をまとめてコンテナに積み込んで輸送する時に使われることもあります。 また輸出側のCYを指定場所としたときに、CYに貨物が入ったら費用負担とリスク負担が輸入者に切り替わります。 これはCYに入った貨物が地震や津波などで災害にあった時の貨物責任は、輸入者が負担することになるのです。 商習慣的にFOBを使うことが多いですが、このようなリスクを知った上で適切なインコタームズ を選択することも大切です。 まとめ 今回のクイズはいかがだったでしょうか。 インコタームズを理解することは大切ですが実際に実務で使用できることが大切です。貿易では貨物が最終的な配送先に届けられるまでに複数のプロセスが存在しています。 そこで発生するリスクや輸出側・輸入側の物流業者の強みなどを考慮してどのような物流手配がベストなのかを選択出来るようになると物流担当者としての強みになります。 引き続きケーススタディーも含めて、楽しく学べるクイズを作っていきたいと思います。 今回はこれまで!また次の動画でお会いしましょう!ありがとうございました! ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。