2022.10.06
2022年9月物流ニュース
この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今回は2022年9月の物流ニュースをお届けします。 船会社の利益減少、減便、また生産国インドの台頭などの海運市況を中心に、また物流DXのニュースも併せてお送りしていきます。 それでは行ってみましょう! 2024年に船会社利益が80%減少! 今後2年間で船舶の供給増 世界的な銀行であるHSBCは、コンテナ輸送は過剰設備と需要の減少によってダウンサイクルに入り、今後2年間で船会社の利益は80%以上減少すると発表しました。 コンテナ船業界は、船会社が2021年上半期に記録的な利益を上げた後、過去最高の収益性を得ており、2021年と2022年の利益は、なんと3,000億ドルに達するとの予想もあります。 しかし、2022年の明け以降、スポット市場の運賃は、2021年に達成した記録的な水準から急降下しています。 現時点では北米はまだ需要が底堅いですが、欧州向けは顕著に落ちてきています。 とはいえコロナ禍で高い収益をたたき出した船会社が船に投資をしたため、船舶のオーダーが13年ぶりの高水準となっています。 今後新しい船が竣工されていくため、2024年には船会社の収益はかなり落ちると予想されています。 中国国慶節を前に船会社が北米向けの減便計画を発表 需要の低迷とスポット運賃の下落の中、2つのコンテナアライアンスが太平洋横断船の輸送キャパシティを縮小する計画を発表しました。 この減便は、荷主が輸送会社とより良い条件で交渉しようとする動きを受け、スポット運賃の値下がりを食い止める動きになるのではという期待が業界であがっています。 しかし、あるアナリストは、この動きは中国の国慶節期間のよくある減便と関係しているとし、スポット運賃の下落を食い止めるにはほとんど役に立たないだろうとしています。 インド―北米の貿易量が急増!中国からの調達シフトか インドと米国のコンテナ貿易は、2021年の通年で23.5%急増した後、2022年上半期に8.3%増加しました。 インド商務省のデータによると、2021-2022会計年度のインドと米国の商品貿易総額は、48.3%増の1,194億ドルと過去最高となり、米国は中国を抜いてインドの最大の貿易相手国となりました。 米国に拠点を置くあるメーカーは、アメリカとの関税の対立、ゼロコロナ政策による経済圧力、人件費の高騰により中国市場の支配的地位が徐々に損なわれていると、指摘しています。 また、コストの面でも、特に繊維やアパレルなどの分野では中国よりもインドが30%ほど安いという声もあがっています。 輸送業界では、大手海運会社は需要の増加に対応し、主にジャワハルラール・ネルー港やムンドラ港への新サービスや追加運航により、米国-インド間の輸送能力を増強しています。 PortX、輸出入のコストをPFで社内共有する機能を追加 最後にテクノロジーのニュースをお届けします。 国際物流の見積もり効率化プラットフォームを運営するPortXは、輸出入コストの社内共有とシミュレーションをデジタル上で管理する機能をPFに追加しました。 今回の機能追加により、荷主の物流部門は各事業部に対して行う輸出入コストの社内展開業務と、各事業部が物流部に対して行う輸出入コストの社内見積もり業務をPortXのPF上で行うことが可能となります。 これにより、各事業部は原価に反映される輸出入コストを、即時かつ正確に確認でき、物流部も膨大なコスト通知業務を効率化できるようになります。 また、双方のコミュニケーションコストも大幅に削減でき、効果が期待されます。 解説のコーナー それでは、今月の物流ニュースの解説のコーナーです。 先ず、今後2年間で船会社の利益が80%以上減少するという衝撃的なニュースです。現在の中国発 北米向け、北欧州向けの平均スポット料金は長期契約運賃を下回っています。 コンテナ船、大量竣4 そんな中、6月末時点のコンテナ船の発注量は、世界の総船腹量の約27%で、660万TEU分の船腹量の発注残があります。 欧米の主要市場が大きな経済的不安に直面しているにもかかわらず、大半の船舶は今後2年間に竣工する予定です。 HSBCは、市場の低迷は「避けられない」とし、2024年に底を打つ可能性が高いとしながらも、金利水準が上昇しているため、コロナ前と比べれば海運業界は利益を維持できるだろうとしています。 コロナ前ほどの落ち込みではないというのは重要です。 何事も適正価格というのがあり、価格も適正で、船の供給量が増えるのであれば、荷主にとっては便利な世の中になると思います。 アライアンスの太平洋横断船の減便 続いては、スポット運賃下落の中、アライアンスの太平洋横断船の減便決定のニュースです。 2Mアライアンスとザ・アライアンスは、9月中旬から10月上旬にかけて、南カリフォルニア港への週10便の寄港を減便すると発表しています。 この2つのアライアンスでは、同時期に米国東海岸へ向かう6便がブランクとなります。 その他、米国東海岸、メキシコ湾岸、カナダ西部への航路は、当初予定より1週間から2週間遅れる予定です。 これを受けて、Sea IntelligenceのCEOは、「この動きは国慶節前の減便として常識を逸脱してはいない」としています。 問題は、「運賃が下がっても、まだコロナ前の水準をかなり上回っているため、これが荷主や規制当局に受け入れられるかどうかだ」と同氏は述べています。 具体的なスケジュールは、2MアライアンスのマースクとMSC、ザ・アライアンスのONE、現代商船、ハパックロイド、ヤンミンのホームページなどからご確認ください。 米国とインドの貿易、過去最高 続いては、生産国インドのニュースについてです。 北米の消費財需要の増加と、コロナの大流行時に中国からの調達シフトが加速したことにより、米国とインドの貿易は過去最高を記録しました。 アメリカとインドの貿易は、Walmart、Target、Amazonなどの大手小売業者やオンラインマーケットプライスによる大量発注により、2022年の最初の五ヶ月間に加速度的に成長した、とのことです。 アメリカと中国の対立、中国のゼロコロナ政策、ウィグル問題もあり、生産拠点がインドに流れ始めています。 船社大手のMSCは、8月末に西インドと米国東海岸を結ぶ航路に3本目の週刊便を追加。ハパッグロイドとCMA CGMは、2021年10月に2本目の週刊便を追加しています。 20. チャイナプラスワンというのは以前からありましたが、今回のコロナで更に加速したようです。 インドというとITのイメージが強いですが、ここで消費材の製造に注目が集まっています。生産国として変わっていくかもしれないインドに今後も注目が高まります。 PFで業務の効率化とコスト削減 最後にテクノロジーのニュースを一つお届けしました。 製造業や商社など大手荷主の社内では、一元的に管理された輸出入コストのデータベースがなく、物流部と各事業部とのコスト情報共有や、事業部から依頼された案件ごとのコストシミュレーションなどで、大きな業務コストが発生していました。 PortXのPF上では、この輸出入コストの社内共有や見積もり業務を行うことができ、業務の効率化とコスト削減が図れます。 とても便利な機能ですが、各社の運賃が社内共有され、他部署のフォワーダーと比較されることにより、会社全体で特定の安いフォワーダーを使い始める可能性もあります。 こういった状況になると、大手フォワーダーが有利になっていくでしょう。この機能を使う荷主も大手企業のため、大手に集約される可能性が高くなっていきます。 PFで簡単にコスト比較が出来るようになると、大手にコストで太刀打ちできない中小企業は苦しくなっていきます。 それぞれのフォワーダーが生き残りのために、今以上にしっかりとした対策をとっていくことが必要とされていくと私は考えております。 まとめ 今回のニュースはいかがだったでしょうか。 今月は海運市況に大きい動きがありましたので、主に取り上げてお届けしました。刻一刻と状況は変わっています。幅広く情報を取り、状況を理解していくことが大切です。 今回のニュースが為になったという方はぜひ、チャンネル登録、いいね、SNSでシェアをお願いいたします。 今回は以上です。どうもありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。
