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輸送・ロジスティクス

コンテナの種類について | 輸送・ロジスティクス

コンテナの種類について

コンテナの種類について動画で解説 今回は国際輸送におけるコンテナの種類についてお話をしていきたいと思います。 海上輸送をする為のコンテナには様々なタイプの物があります。 世界中から食品・工業品・化学品・生活用品など、様々な貨物が輸送されるために使われるのですからそれぞれの貨物の特徴にあった最適なコンテナを選ばなければいけません。 今回 重点を置いて説明するのはコンテナの種類と特徴、そしてコンテナのサイズについてです。 コンテナの種類 まず今回 ご紹介するコンテナの種類です。 ・ドライコンテナ ・リーファーコンテナ ・オープントップコンテナ ・フラットラックコンテナ ・ISO タンクコンテナです。 一般的にコンテナには20’feetコンテナと40’feetコンテナがあります。 このフィートとは長さのことで20’feetは約6m, 40’feetは約12mの長さがあるコンテナの事になります。 この中でISOタンクだけはフィートではなく容量の大きさでコンテナサイズが分かれています。 それでは一つずつ見てきましょう。 ドライコンテナについて まず最初はドライコンテナです。 ドライコンテナは貨物を輸送する「箱」としての機能があるコンテナです。 市場に最も多くあるコンテナで、主に一般貨物を輸送する時に使われます。 またクラスにもよりますが危険品を輸送する時にも使われます。 この後に色んな種類のコンテナをご紹介していきますが、まず これがスタンダードなコンテナだと理解してください。 リーファーコンテナについて 次にReeferコンテナです。 Reefer コンテナは温度調節機能があるコンテナで、動く冷蔵庫のようなものです。 コンテナのメーカーにもよりますが、主に-30度〜+30度くらいで温度の調節が可能です。海上輸送するコンテナ内の温度は赤道直下では60度〜70度近くまで上がります。 しかしReeferコンテナだとコンテナ内の温度を一定に保つことが出来るのです。なので食品の輸送に多く使われたり、また温度管理が必要な危険品の輸送にも使われることもあります。 オープントップコンテナについて 次にオープントップコンテナです。 オープントップコンテナはドライコンテナの天井がないものだと理解して下さい。 天井がないので背の高い貨物を輸送する時に使われます。また高さはないけど重たい貨物をコンテナに入れたい時にもオープントップは使われることがあります。 一般的な3トンや5トンフォークリフトでは持ち上がらないような、重たい貨物をコンテナに積み込みするのは簡単ではありません。 しかし工場にある天井クレーンやレッカーを手配して、コンテナの上部から積み込みするのはそれ程 難しいことではありません。 積み込みが完了したらカバーで天井部を覆いますので雨によって貨物が濡れる心配はありません。 フラットコンテナについて そしてフラットラックコンテナです。 フラットラックはドライコンテナの天井と側面をなくしたコンテナです。 ドライコンテナの幅より大きい貨物を輸送する時に使われます。またオーバーサイズだけの貨物だけでなく、コンテナ内に収まるインゲージのものを積み込む時にも使われる場合があります。 側面から積み込むことが出来るので工場の設備や積み込み環境によってはインゲージだけどフラットラックが使われる場合があります。 一般的に特殊コンテナであるオープントップやフラットラックコンテナの海上運賃は高くなります。それはコンテナ船でそれらのコンテナをおけるスペースが限られているからです。 例えば、フラットラックでオーバーサイズの貨物を運ぶ場合、上部だけでなく両側面のコンテナスペースを余計に使うことにもなります。場所を多く使用するので運賃は高くなります。 しかし、特殊コンテナであってもインゲージであれば本船上で使えるスペースは制限されませんので海上運賃は抑えることが出来たりします。 ISO タンクコンテナについて そして最後にISO タンクコンテナです。 ISOタンクは液体物を輸送する時に使われます。 ワイン、ジュース、化学品など、容器に入れるよりISOタンクコンテナに直接入れる方がトータルコストが安く抑えられる場合があります。弊社でも植物油をISOタンクを使って輸送しています。 コンテナのサイズ 20'feetコンテナについて 次にコンテナのサイズについて解説をしていきましょう。 まずは20’feetコンテナです。 実際の業務で必要なサイズは、コンテナの内側のサイズである内寸です。 20’feetコンテナは約2.3mの正方形で、奥行きが約6mあると覚えて下さい。 正確に大きさを暗記するのではなく、ざっくりで大丈夫です。 船会社によってもコンテナのサイズは微妙に違いがありますので、私は正確に暗記する必要はないと思っています。テストに出るわけではないので、実際に使えるかどうかが重要なポイントです。 40'feetコンテナについて そして40’feetコンテナです。40’コンテナは20’コンテナと、幅と高さが同じ2.3mで、長さが20’feetの倍で約12mだと覚えましょう。こう覚えると簡単ですよね。 そして40’HCコンテナ。HCとは高さがあるコンテナのことで、主に40’feetコンテナとなります。20’HCはあまり一般的ではありません。 そしてサイズですが、40HCは40’コンテナの高さが約2.7mになったと覚えて下さい。 コンテナのサイズをまとめるとこのようになります。先ほどもお伝えしましたが、ざっくり覚えましょう。 出てくる数字は4つしかありません。 この中で共通しているのはコンテナの幅が、約2.3mだという事。 あとは 20’feetで6m 40’feetで12m HCで2.7m オープントップは天井なし フラットラックは天井と側面なし このように覚えれば簡単だと思います。 コンテナの積載重量 そしてコンテナのサイズと同様に重要なのが、積載可能な貨物重量です。 鉄や機械、液体、水、お米などのような、かさばらないけど重たい貨物を輸送する場合、海上輸送においては貨物重量は安全の為に非常に重要なのです。 それゆえ20’feetコンテナでも40’feetコンテナでも積み込み可能な貨物重量は約25tonとなります。これは覚えておいて下さい。 40’feetだから20feetの倍の重量の重さを積み込めるわけではありません。 コンテナのグレード そして最後にコンテナのグレードについても触れておきましょう。コンテナは長く使用されると痛んできますし、また積み込まれる貨物によってもコンテナ品質は変わってきます。 使い終わったコンテナはコンテナデポで洗浄され、修理をされるのですがグレードがA,B,Cのように分けられます。 例えば、食品や医薬品などの衛生品を輸送する場合は、コンテナグレードはAでなくてはいけません。 グレードAのコンテナは大きな傷もなく、床もはげておらず、臭いもない状態のコンテナです。 そしてグレードCのコンテナですが、さすがにコンテナの天井に穴が開いていたらNGですが、傷むことがある程度前提として使われるものです。スクラップや廃材、鋼材などを輸送する時に使われたりします。 まとめ いかがでしたでしょうか。 貿易に携わる人であれば、貨物の内容によってコンテナを使い分けなければいけませんし、また効率的に貨物積み込むためにコンテナのサイズも理解しておかなければいけません。 今回お話したコンテナの内容はとても大切ですので、実際の業務に早く使えるように今回の動画を何度も見直して頂ければと思います。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

フリータイムとディテンションの違い | 輸送・ロジスティクス

フリータイムとディテンションの違い

フリータイムとディテンションを動画で解説 今回はフリータイムとディテンションの違いについてご説明をしたいと思います。 コンテナを使った海上輸送をしているとフリータイムという言葉を頻繁に使います。 フリータイムとディテンションとは フリータイムとは、港でのコンテナの無料保管期間のことです。 予め決められたフリータイムの期間は、コンテナを港に無料で置いておくことができます。 そして、このフリータイムと合わせて覚えておかなければいけない言葉があります。それは、デマレージとディテンションです。それでは詳しく見ていきましょう。 フリータイムについて まずフリータイムについてです。 フリータイムは港で無料でコンテナを保管できる期間のことで Dryコンテナなら一般的に7日〜14日です。 この期間はフォワーダーによっては延長のリクエストが可能です。 弊社の場合だと日本の主要港向けだと最大21日までフリータイムを延長できる場合があります。 このフリータイムですが船会社によって長さが違います。 なので貨物のBooking時にフォワーダーにフリータイムの期間を確認をしておきましょう。 そして注意しておきたいのはリーファーコンテナや、オープントップ、フラットラック コンテナの場合はフリータイムは短くなります。大体 1週間未満です。これも事前に確認をしておきましょう。 コンテナが港についたら早く取り出した方がいいんじゃないか?と思われるかもしれません。 しかしフリータイムはこんな状況でよく利用されます。 ・通関に時間がかかる ・工場に貨物を置くスペースがない ・ドレージの手配に時間がかかる 基本的に港は倉庫ではないので問題がなければ速やかに貨物を取り出さないといけないのですが 一般的にはこのような理由でフリータイムが活用されることが多いです。 デマレージについて そしてデマレージについてご説明をします。 デマレージはフリータイム期間が過ぎてしまってから発生する超過保管料金のことです。 先ほどもお伝えしましたが港は倉庫ではありませんしコンテナヤードのスペースにも限りがあります。コンテナをずっと港に保管しておくことはできないのでこのような超過料金が発生します。 このデマレージの金額ですが安くありません。 ある船社での例ですが、1日目から3日目までは40’feetコンテナ1本あたり、1日で13,000円かかります。 そして4日目から6日目は1日1本あたり25,000円、7日目以降は変更しないのですが1日1本あたり40,000円となります。このように超過期間が長くなるにつれて,金額が加算されていく仕組みになっています。 もし1shipmentのコンテナが10本だとしたら、 かなりの金額になってしまいます。 ディテンションについて 次にディテンションについてご説明します。 ディテンションとはコンテナを港から引き取り、貨物を積み下ろしして、空コンテナをまた港に戻すまでの期間のことです。 この期間を過ぎてしまうと費用が発生します。コンテナは船会社の所有物ですので使い終わったら、ちゃんと返却する為の仕組みです。 フリータイムとディテンションの起算方法についても例を上げて解説します。 例えば、フリータイムが14日間、ディテンションが7日間だったとします。本船が港に到着するETAが5月1日で、コンテナが船から積み下ろされてコンテナヤードに搬入されるのが5月3日としましょう。 この場合、フリータイムは5月17日までとなります。搬入日から起算する場合もあれば、国によってはETAから起算するところもありますので事前に確認をして下さい。 そして、コンテナをフリータイム最終日の5月17日に引き取りに行ったとしましょう。 ディテンションはコンテナ引き取り日から起算しますので5月24日までとなります。 実務ではディテンションを最大まで使うというケースは稀ですが、このようになります。 フリータイムでよくある問題 最後にフリータイムでよくある問題についてご紹介します。 それは通関がフリータイム中に完了しないという場合です。 特に新しく取り扱う商品を輸入する場合、新商品は輸入実績がないため必要書類を見落としている可能性があります。 食品や化学品など輸入する為に許可登録が完了していないと輸入できない貨物も沢山あり、登録には大抵時間がかかってしまいます。 他にもB/Lにミスがあり修正に時間がかかってデマレージが発生する場合もあります。 そうならない為には、新商品の場合は貨物を輸出する前にフォワーダーに相談をしてちゃんと準備をすること。 B/Lなどの書類ミスには注意することを忘れてはいけません。 まとめ いかがだったでしょうか。 今回の説明でフリータイム、ディテンション 、デマレージという専門用語は理解できたと思います。ですが大切なのはフリータイムを上手に使いデマレージを発生させないという実務上での注意です。 私もフォワーダーを長年やっていますが 商品の登録や書類のミス、売り手買い手側での支払い問題、長期休暇後による港の混雑などで フリータイムが切れてデマレージが発生するケースは沢山見てきました。 フリータイムは国際物流の実務において特に注意しなければいけないポイントですので 実務では事前確認などしっかりとして、準備をしましょう。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

InvoiceとPacking Listについて | 輸送・ロジスティクス

InvoiceとPacking Listについて

InvoiceとPacking Listについて動画で解説 今回のテーマは貿易におけるINVOICEとPACKING LISTの書き方について、分かりやすく解説していきたいと思います。 まず、そもそもINVOICEとPACKING LISTとは何でしょうか? 貨物を輸出するときには、必ず作らなければならない書類、輸入するときにはフォワーダーや通関業者へ提出しなければならない書類との認識を持っていらっしゃる方は多いと思います。 では実際にどのような役割があるかについて確認していきましょう。 INVOICEとは まず最初にINVOICEの役割についてです。 INVOICEは日本語にすると「請求書」です。皆さんが通信販売などで商品を購入したときに商品とともに送られてくる請求書、それのことです。 貿易では、INVOICEを元に、どんなものが輸出入されているかの確認や、輸入国でいくら税金を払わなければならないかの計算がされます。 なので「仕入書」や「送り状」と訳したほうがしっくりくるかもしれません。 関税法上、輸出入の申告においてほぼ例外なく必要となる書類です。 PACKING LISTとは 続いてPACKING LISTの役割です。 こちらは日本語にすると「梱包明細書」です。 貿易ではPACKING LISTで、どの貨物がどれくらいの数量で輸出入されているのか、どのような荷姿で梱包されているのか、貨物にどのようなマークが付けられているのかなどの確認をします。 つまりどちらも貿易にとって、なくてはならない書類ということです。 なので、たかが仕入書や梱包明細書と思わず、正確な情報を明確に記載することが重要です。 間違っても、税金を安く済ませたいから商品の価格をわざと低く記載したり、運賃を節約するためにボリュームを小さめに記載したりすることはあってはならないことです。 もし仮に、フォワーダーや通関業者はうまくやり過ごせたとしても、税関の事後調査で指摘されて莫大な追徴課税を払うことになったり、船や飛行機に積載する段階になって判明して、輸出できなくなり、貨物の引き取りや船のキャンセルで余計なお金や時間がかかったりするのは目に見えています。 そういったことを防ぐためにも、貿易にとって大切なこれらの書類の書き方をしっかり覚えておきましょう。 「書き方の前に書式はどこにあるの?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、INVOICEもPACKING LISTも特定のフォームはありません。 もし、1から作るという方がいらっしゃいましたら、弊社の使っているものをテンプレートとしてお使いください。概要欄からダウンロード出来るページへのリンクを貼っておきます。 それではまずINVOICEの書き方から解説します。 INVOICEの書き方 INVOICEには輸出入者情報に加えて、輸出入される物の品名・数量・金額、船やフライトの便名などの輸送情報などが主に記載されます。基本的には英語表記です。 そしてこのINVOICEが請求書としての役割にプラスして, 輸出入時の通関書類にもなるのです。つまりINVOICEを見ればその貿易の内容がわかるように作成することが重要です。 また、記入は、細かく, 正しく、わかりやすく、というのが大切です。 ここからは基本的な記載事項についてお話します。 輸出者の社名・住所・電話番号・FAX番号などを記載します。同じように輸入者の社名・住所・電話番号・FAX番号なども記載します。 インボイス番号の決め方に特に決まりはありませんので、任意の番号で構いません。連番にする、日付を利用する、送り先の国名や会社のイニシャルを入れる、などルール決めをしておくと便利でしょう。 今まで私が見てきた感じではやはり日付を利用されているパターンが多かったです。到着する港や空港の名前、国名も記載しておきます。 利用する飛行機や船の便名、出港日も記載します。業者に依頼していて不明な場合は確認しましょう。 貿易取引条件の明記も必要です。インコタームズで規定されている取引条件に沿って記載しておけば問題ないでしょう。CIF TOKYOやFOB SHANGHAIといった表現で大丈夫です。 シッピングマークも規定のものはありませんので任意で構いません。 オーソドックスなものは上から会社名、向け地、箱の番号、生産国もしくは輸出国名でしょうか。 そして重要な、貨物の明細についてです。 輸出入する貨物の品名、個数、単価、合計金額を記載します。 通関業者はこの品名を見て申告する税表番号を決めていきますので、わかりやすく, 詳しく書くことがポイントです。 できれば品名だけでなく材質や使用目的なども書いてあるとよいでしょう。材質ならWOODENやSTEEL、使用目的ならFOR CARなど書いてありますと通関業者はとても助かります。 支払条件はその貿易取引のものを正しく書いてください。電子送金決済を意味するT/Tなどが多いです。 最後に輸出者の名前と、担当者のサインを記入します。 近年はサイン入りのINVOICEでないと輸入申告ができない国も増えていますので、しかるべき担当者の方が忘れずにきっちりサインをするようにすると良いですね。以上がINVOICEの基本的な書き方になります。 PACKING LISTの書き方 続いてPACKING LISTの書き方です。 PACKING LISTの内容は実はINVOICEとほぼ変わりません。フォームも同じものを使っている会社がほとんどです。 違うところは、貨物の明細です。貨物の単価や合計金額ではなく、貨物の大きさや重さ、梱包前の重量と梱包後の重量などを記載します。 ケースの数や、どのケースに何が何個入っているかなども書かれていると、もし貨物が検査になったときにスムーズに進みます。 実務上の話をしますと、実はPACKING LISTは、ほぼ例外なく必要なINVOICEとは違い、他の書類などで貨物の個数重量がわかるような書類があれば、なくてもOKです。 なので、輸送する貨物が少ない場合は、INVOICEとPACKING LISTを一つにまとめてしまっても問題ありません。 もちろん、貨物の管理には大変有効な書類ですし、到着地で貨物が行方不明になってしまった場合にもPACKING LISTがあると役立ちます。 ぜひ正確でわかりやすいPACKING LISTの作成も心掛けて頂ければと思います。 まとめ 以上がINVOICEとPACKING LISTの書き方となりますがいかがでしたでしょうか。 慣れてしまえばそれほど難しい書類ではありません。 あらかじめフォーマットさえ決めてしまえば後は輸出入の都度、必要事項を書き換えるだけで作成することができるでしょう。 繰り返しになりますがINVOICEもPACKING LISTも細かく、正しく、わかりやすく、が重要です。 この3つのポイントを忘れずに作成すればスムーズな貿易取引が期待できるでしょう。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

海上輸送の貨物保険と保険金額の計算法 | 輸送・ロジスティクス

海上輸送の貨物保険と保険金額の計算法

海上輸送の貨物保険と保険金額の計算法について動画で解説 今回は海上輸送における貨物保険と保険金額の計算方法について解説をしていきます。 国際物流に慣れていない人は貨物保障の問題を軽視してしまうかもしれません。 日本国内だけの輸送だと、貨物の紛失というのは あんまりないですよね。 しかし、国際輸送ではあらゆる所に危険が隠されています。 もし、あなたの貨物がちゃんと保険に入っていなかったら、貨物に破損などが発生した場合は保障してもらえません。 これは日本国内での輸送であれば商品は割と安全に運ばれてくるのですが、国をまたいでの国際輸送の場合はそう簡単にはいかないのが事実なのです。 国際輸送では、船上で揺れたり、陸送中に事故にあったり、また国にもよりますが作業員の雑な荷扱いなどが危険なのです。 この万が一のアクシデントに備えての保険のかけ方とその海上保険の計算方法について理解をしておいた方がいいでしょう。 海上保険とは主に外国へ貨物を輸送する時に発生したダメージの費用をカバーしてくれる保険のこと。 海上保険というので「海上輸送のみ」で適応される保険と思われてしまうかもしれませんが、空路や陸路でも保険対象とされる包括的な保険もあります。 海上の貨物保険を掛けるにはフォワーダーに「保険をお願いします」と一方入れればOKです。 どこからどこまでを保険適応対象とするかはフォワーダーさんにご相談下さい。 海上保険の金額の計算方法をご紹介します。 海上保険の金額は保険会社や掛ける保険の内容にもよるのですが一般的なものでInvoice Value ×110% × 0.3%となります。最低金額は約USD30/timeくらいです。 保険の利率は分かりました。では具体的な計算方法をご紹介していく事にしましょう。 保険会社:A海上保険会社 保険利率:0.3% Invoice Value: USD 20,000 保障適応割合:Invoice Valueの110% 保障適応金額:USD 20,000 × 110% = USD 22,000 保険金額:USD 22,000 ×0.3% = USD 66 最低金額より上なのでこの保険金額が保険会社に支払う金額になります。 冒頭に説明したように、海上輸送ではコントロールが出来ることが少なく、不慮の事故・問題の可能性もあります。 保険金額自体は一般的なものは約0.3%ほどで、最低金額がUSD30くらいです。 あくまで保険なので万が一に備えてのコストとなりますが、可能な限りリスクを理解し、コントロールするのが大切ではないでしょうか。 いかがだったでしょうか。 トラックに載せたら終わりの国内輸送とはことなり、国際物流では貨物がお客様に到着するまでに様々な貨物のダメージリスクが存在します。 そのような状態で全てのリスクをコントロールするのは容易無ことではありません。 万が一の貨物ダメージによるトラブル、またそれを対処する労力と時間を考えた時に、貨物保険に入っておいた方が安心感が全く違 います。 なのでお客様には可能な限り毎回貨物保険に入ることをお勧めしています。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

L/C (Letter of Credit)について | 輸送・ロジスティクス

L/C (Letter of Credit)について

L/C (Letter of Credit)について動画で解説 今回は貿易におけるL/Cを使用するメリットと、L/Cの流れについて解説をしていきたいと思います。 貿易取引の中でL/C = Letter of Creditという信用状を使い、銀行を介して輸出入と支払いの一連の手続きが行われることがあります。 L/C案件では、お金の流れと物や各書類の受け渡しの流れが 他の支払い方法による貿易取引とは少々異なります。 今回は貿易業務の基礎となるL/Cを使った取引の流れを一から押さえていきましょう。 L/Cを使用する目的 これまで取引したことがない海外の企業と初めて貿易取引をする時に気をつけなければいけないことがあります。 輸出者の場合、製品の代金が確実に支払われるのか。 また輸入者の場合、代金と引き換えに製品が確実に送り届けられるのか。 初めて取引するの相手の場合、信用や信頼関係が不十分なことも多く、輸出者・輸入者の双方にリスクがあります。 ちなみにですが私もマレーシアの業者からある商品のサンプル 約USD300分を購入するために 代金を先に支払ったけれども製品が送られてこなかったというトラブル経験があります。 この問題の事例はブログ記事に残しているので概要欄にリンクを貼っておきます。 この時は少額だからよかったものの、本取引で金額が大きかったら大変なことになっていました。 このような問題を出来る限り回避する為に使用するのがL/Cです。 L/Cは銀行が発行する信用状で、銀行が輸入者に代わり輸出品の代金の支払いを確約します。 確実な代金回収と確実な貨物の受け取りがL/Cの最大のメリットです。 もし何らかの理由で、輸入者が代金の支払いが不可能になった場合、銀行がその責任を負うことになります。 輸出者にとっては手形の買取がすぐに行われるので、輸出者にとっては確実に支払いが行われることとなります。 そして輸入者にとっては確実に貨物が送られていることが保証され、更に支払いから貨物入手までのタイムラグがないことも特徴です。 L/C案件では、輸入者が代金支払いの後にB/Lを入手します。 その後、B/LとD/Oを交換して貨物を受け取ることになりますが 前払い送金の条件時よりはその期間のずれが短縮されているためリスクが低減されています。 L/Cと銀行 L/Cは銀行が絡んだ貿易取引だと説明しましたが 銀行がどのように関係しているのかをご説明します。 銀行が絡むL/Cのポイント ①製品の輸出手配が行われる前に、銀行が最初に信用状を発行し輸出者に対して支払いを保証する。 ②輸出者から荷為替手形(為替手形+船積書類)の提示があった時点で、銀行が手形の買い取りをする。 ③輸出者は、信用状の内容に従った船積書類を為替手形と一緒に提出しないと、手形の買取がされない。 ④ 輸入者は、手形の代金を支払わないと銀行から船積書類を受け取れず、貨物の引き取りができない。 このように輸出者と輸入者の双方で、貨物と書類とお金に関することを間に入って取り持っています。 L/C取引の流れ では、これから具体的にL/C取引の流れを順番に見ていきましょう。 ここで登場するのは 輸入者 そして 輸入者の取引銀行 輸出者 そして 輸出者の取引銀行 これからご説明する例では日本とタイの取引として 輸出者がタイの会社、そして輸入者が日本の会社とします。 取引の合意 まず日本とタイの会社で取引の合意があり、L/Cを用いた条件での取引が決まります。 銀行へ信用状発行依頼 次に輸入者は、日本で取引をしている銀行に信用状の発行を依頼します。 この時点で銀行は輸入者の支払いの信用状況を審査します。 審査が通れば、輸入者の信用状況に応じて銀行から信用状の発行限度額が決定されます。 その発行限度額の範囲内で信用状が発行されることになります。 輸入者の取引銀行は国を超えて、輸出者の取引銀行に向けて信用状の発行をします。 信用状は、一度発行されると銀行と輸出入者の当事者全員の同意が得られないと 取り消しや変更ができないとして扱われます。 2つの銀行は、暗号コードで銀行間がやり取りできる、また異なる国同士の銀行間で結ぶ、コルレス契約を両者が結んでいる必要があります。 ちなみに輸入者の取引銀行は、信用状を発行する銀行のため、輸出者の取引銀行と区別して「信用状発行銀行」とも呼ばれます。 L/C発行の信用状通知 輸出者へのL/Cが発行されたという信用状通知は、輸出者が取引をしている銀行経由で行われます。 ちなみに輸出者の取引銀行は、信用状の通知を輸出者へ行うことから、輸入者の取引銀行と区別して「通知銀行」とも呼ばれます。 保険証券の提出 インコタームズがCIFやCIPの場合はL/Cに保険条件の記載がされ、保険証券の提出が求められるときもあります。 本船予約、必要書類発行 輸出社はフォワーダー に貨物を輸送するための本船予約をします。 そして輸出者は貨物をローディング、通関手配をして、B/Lを含めた諸々の必要書類を入手します。 B/Lは予約している本船に乗せられてから発行されます。 荷為替手形の提出 輸出者は作成した為替手形と合わせて、入手したB/L・インボイス・パッキングリストなどの船積み書類を添付し、代金を回収するために「荷為替手形」として銀行へ提示します。 このとき、B/Lなどの船積み書類は信用状の内容通りに作成することに注意が必要です。 商品名、条件、輸入者、輸出者の表記などは、事前に通知された信用状の内容に一致していなければなりません。 輸出者からL/C案件で輸出手配依頼があった時点で、フォワーダーは信用状の内容を確認し、各書類が内容と完全に一致しているかチェックが必須となります。 代金回収 銀行は、手形の商品代金を輸出者に支払いします。 このときに、輸出者から提示された船積み書類が信用状の内容と完全に一致していないか銀行からチェックされ、一致していないと支払いがされないことになります。 この時点で、輸出者は商品の代金回収が出来たことになります。 ちなみにですが手形の買取をすることから、輸出者の取引銀行を「通知銀行」だけでなく、「買取銀行」とも呼ばれます。 荷為替手形送付 手形の代金を請求するため、輸出側の銀行(買取銀行)は信用状発行した輸入者の取引銀行へ荷為替手形を送付します。 支払い手続き 銀行は立て替えていた支払代金を輸入者に請求し 輸入者が取引銀行へ代金の支払い手続きをします。 B/L受け取り 輸入者は銀行に代金を支払ってからB/Lを受け取ることになります。 代金支払いを確実に行ってもらうために、代金の支払いと引き換えに、銀行からB/Lが輸入者に引き渡されることになります。 B/L差し入れ、D/O入手 入手したB/Lをフォワーダーに差入れ、貨物引き渡し書類であるD/Oを入手します。 輸入通関手配も終えて、D/Oを港に提示して最終的に貨物の受け取りをすることが出来ます。 まとめ では最後にL/Cの流れを図にしてまとめてみましょう。 ・まず輸入者と輸出者で売買契約が決まります ・輸入者は取引銀行にL/Cの発行依頼をします ・輸入側の銀行が輸出側の銀行へL/Cを発行します ・輸出側の銀行から輸出者へL/C発行の通知があります ・輸出者は貨物の船積み手配をフォワーダーに依頼します ・貨物が本船に搭載されB/Lが発行されます ・輸出者はB/Lや必要書類を輸出側の銀行に提示します ・輸出側の銀行は輸出者からB/Lを含んだ荷為替手形を買い取ります ・輸出側の銀行は輸入側の銀行にB/Lを含んだ荷為替手形を送付します ・輸入側の銀行が輸入者に請求をします ・輸入者は支払いと引き換えにB/Lを入手します ・輸入者はB/Lをフォワーダーに差入れD/Oを入手します ・輸入通関も完了し、D/Oを港に差入れて貨物を引き取ります このような流れになります。 L/Cを使用した取引は、輸出者・輸入者双方にとっていくつかのメリットがあります。 そのメリットを活かした取引をスムーズに進めるためには、手配時に船積書類の作成に注意を払うことが最も重要となります。 L/Cを使った取引では書類の記載で不一致が生じてしまえば、大きな問題になったり支払いの遅延を生じさせる場合もあります。 手配する場合には今回説明したL/Cの流れを理解し、各関係者がより慎重に取り扱っていく必要がありますので、今回のL/Cの流れの解説がお役に立てれば幸いです。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

LSSサーチャージについて | 輸送・ロジスティクス

LSSサーチャージについて

LSSサーチャージについて動画で解説 今回はLow Sulfur Surchargeについて解説をしていきたいと思います。 海上輸送に新しいサーチャージ 2020年1月から義務付けられた新しい規制により海上輸送に新たなサーチャージが加わりました。 船の燃料にLSC重油という低硫黄の燃料を使わなければいけませんよとIMO(国際海事機関)がマルポール条約、いわゆる海上汚染防止条約を改正したのです。 簡単に言えばこれまで使っていた環境に優しくない燃料をそのまま使うのはダメで、これからは低硫黄の環境に優しい燃料を使いましょうというルールです。 それでは詳しく解説をしていきましょう。 ご存知の通りPM2.5による大気汚染は国際的な問題になっていますよね。PM2.5は元をたどると排ガスに含まれる硫黄酸化物から生成されています。 PM2.5は具体的にどのような健康被害をもたらすかというと、肺癌や心疾患、そして小児喘息にもなってしまう可能性があるのです。 なので、あなたの健康を害するPM2.5を減らす為に、IMOはPM2.5を引き起こす排ガスの硫黄酸化物を減らそうというのが今回の規制です。 ローサーファーについて それではローサルファーとはどういう意味なのでしょうか? 硫黄を英語でいうとSulfurなので、Low Sulfurで低硫黄という意味になります。 従来、船舶で使われている燃料は主にC重油でした。 そのC重油に含まれる硫黄分濃度の上限は3.5%以下でなければいけなかったのですが 今回の条約改正で硫黄分濃度の上限が0.5%以下の「低硫黄重油」を使わなければいけないという決まりになったのです。 SOx規制 そして、この規制はSOx規制と呼ばれます。SOxとはSulfur Oxsideの略で硫黄化合物のことです。 このSOx規制で0.5%以下の低硫黄重油を使おうという条約改正は実は2008年に決まっていました。 しかし石油業界から、対応の準備期間が必要だとのことで、なんと12年の時間をかけて2020年1月の実施に至ったのです。 またこのマルポール条約では、排気ガスによる人の健康への影響は沿岸海域を運航する船舶からの方がより大きいことから、ECAと呼ばれる「指定海域」で規制を強化しています。 現在のECAは北米沿岸や北欧の北海・バルト海などがECAに指定されており、この海域の規制は更に厳しく、硫黄分濃度は0.1%以下でなくてはいけません。 では、必ず燃料をかえなければいけないのか?というとそうではありません。 スクラバーと呼ばれる排気ガス洗浄装置を船に設置することで従来のC重油の使用は可能です。 しかし、スクラバー設置には1機あたり数億円の設備投資が必要になり、さらに貨物積載のスペースも減ることになるとも言われています。 サーチャージが発生する理由 なぜサーチャージが発生するのでしょうか? 低硫黄燃料はこれまで使用可能だった従来のC重油よりも価格が高いので船会社も燃料費としてカバーしなければいけません。 またスクラバーを導入した船舶であれば、そのコストをカバーする為に船舶会社も費用補填をしなければいけません。 LSSはPM2.5を削減し、環境・人体に優しくするための環境コストとしてご理解頂ければと思います。 LSSの金額は? さてこの環境に優しくする為のLSSですが船会社によって金額が異なります。 このLSSが導入され始めると騒ぎになった2019年11月頃、私の会社も各船会社からの情報が不十分なまま、お客様に色々と質問をされました。導入時は各社とも他社の様子見な感じだったのかもしれません。 LSSにはタリフと売値があります。 タリフとは定価の事で、各船会社のHPで発表されていたりします。 船会社も各フォワーダーに対して同じLSSを提出しているところもあれば、安く価格を設定している船会社もあります。 一般的にLSSはタリフで3ヶ月間の固定ですが、弊社は特定の船社からはタリフより安い価格で提示をされ、毎月交渉をしています。 タリフであれば期間内は値上げはありませんが、お客様の為に交渉しているとLSSは上がることがありますのでご理解ください。 まとめ 国際物流には様々な機関が関係し定期的に規制が変わります。 環境や労務をより良くする為に規制は変わり続け、私たちはそれに合わせて事業を運営しなければいけません。 今回のLSSは地球環境の為に必要とされたもので、コストアップは辛いものではありますが、何卒ご理解を頂けましたら幸いです。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

梱包について | 輸送・ロジスティクス

梱包について

梱包について動画で解説 今回は国際輸送の梱包について解説していきたいと思います。 国際輸送の梱包 通販で何かを買った時に、商品が何も梱包されずにそのまま届く場合はほとんどないと思います。 一般的にはどんな物を運ぶ時でも梱包されています。 梱包はとても大切でせっかく貨物を送ったり受け取ったりしたのに、壊れて使えなかったら送った意味がありません。 普段、日本で活動されている人は貨物は安全に運ばれて当たり前かと思われているかもしれませんが、国内貨物と国際貨物では全く輸送事情が違います。 今回はこれから海外へ輸出をしようとしている方に、梱包において気をつけなければならないことをお伝えします。 国際輸送では日本国内の輸送では考えられないくらい荷物の扱いが雑な場合があります。 例えば、海外旅行に行って飛行機にスーツケースを預けると、壊れてしまう時があると聞いたことはありませんか? 実際にスーツケースのキャスターがとれて無くなったという話を私の周りでも聞いたことがあります。 海外では商品であれ、お客様のものであれ、荷物が投げられると、日本ではあまり考えられない事が起る事があります。 航空貨物と海上貨物の梱包 梱包は航空貨物は軽く、海上貨物は丈夫にするのが基本です。また木材を使う場合は必ず輸出国の木材規制を確認しましょう。 国際貿易における木材梱包材の規則にのっとり、木材を熱処理、または燻蒸などをした承認マークがついた木材を使わないと輸入ができない国が増えています。 燻蒸しないと病害虫も一緒に他国に運んでしまう可能性がありますので、とても重要なことなんです。 航空貨物の梱包について 航空貨物の梱包を詳しくみてみましょう。 航空貨物は航空運賃を、重量または容積重量にかけて計算します。 とにかく梱包材の重さを軽くすることが運賃を下げることにつながるため、軽い梱包材を選ぶことが多いです。 容積重量に関しては別の動画で詳しく解説をしていますので、概要欄にリンクを貼っておきます。 航空輸送では梱包は段ボールであるカートン、木箱であればすかし梱包が主流です。 カートンは国内輸送で使うような普通のカートンでは危険です。 フォワーダーではダブルカートンと呼ばれるものを使う事が多いです。 ダブルカートンは厚紙の間にある、波なみの緩衝材になる部分が二層になったものです。 普通のカートンの2倍の厚みがあるものを使っています。 通常はダブルカートン、内容によっては3層のトライウォールも使用します。 航空輸送の木材梱包はしっかりと貨物を固定する為に壊れやすい物、精密機械、重量貨物などに使用されます。 海上輸送の梱包について 次に海上輸送の梱包です。 海上輸送ではラッシングという固定が不十分だと、コンテナを船に積み込む時や海上輸送中に揺れて荷崩れが発生する可能性があります。 その他、水濡れ対策も考えないといけませんし、大型貨物を安全に運ぶための強度のある梱包などが求められます。 LCLではいろいろな貨物が一緒のコンテナに積まれるため、個々の貨物を保護するために梱包した状態で渡し、段積みできるように対策していないとCFSで受けてもらえない時があります。 またタイのCFSは倉庫でなく屋外で作業される事があります。 乾季は問題ありませんが雨季だと急なスコールで、一瞬ですが貨物が濡れてしまう時があります。 またコンテナ輸送でよくあるのが結露です。冬場は特に多く、届け先に着いたらコンテナの壁に近くに置いてあるカートンがビショビショに濡れていというのはよくあります。 また稀にですが船に積み込む時のガントリークレーンの操作ミスでコンテナ上部に穴を開けられ、そこから雨水が入る時もあります。 バリア梱包について 機械を輸送する時はバリア梱包を使う時が多いです。 バリア梱包とは真空梱包の事でバリアメタルという湿気を通しにくい素材でくるみ、掃除機のようなもので空気を吸い出し乾燥剤を入れて品物を包む梱包方法です。 その上から、木箱やトライウオールなどで梱包をします。 東南アジアを渡る船の場合は特に温度や湿度の変化が大きく、錆やカビなどが発生する場合があるから貨物を真空状態にして錆などから守ります。 木材を使った梱包 木製でも木は生木、ベニヤ、ISPM NO.15の処理をされた木材などと、種類があります。 合板(ベニヤ)は輸出梱包材としては木材としては扱われず、接着剤で貼り合わせた木製の加工品という扱いになり、燻蒸等の処理が必要ありません。 ベニヤは安いですし木材として扱われないために梱包材としてはとても優秀なのですが、耐荷重がありませんので注意が必要です。 次に木材を使った梱包の種類を詳しくみてみましょう。 密閉箱 密閉箱は一般的によく使われます。立方体のすべての面を木材で覆い、中身がみえません。 税関検査の際に梱包を開けるのが大変というデメリットがあります。 高価な品物には盗難対策として密閉箱を選ぶこともあります。 すかし箱/クレート すかし箱はクレートと呼ばれていますが 木材の木の間が開いており、中身が少し見える梱包のことです。メリットは重量が軽くなることとです。 パレット パレットは木やプラスチックのパレットの上に貨物を載せる形状です。 カートンに入れてパレットに乗せ、シュリンクで巻いたり、バンドルで巻いたりします。 パレットからはみ出るように貨物を乗せると貨物同士がぶつかって壊れやすいので、 荷物よりも大きいパレットサイズを選びましょう。 スキッド スキッドは貨物にあわせて架台をつけるような形です。 それぞれの貨物専用に大きさに合わせて梱包容器を作ることは運賃を下げるためには重要ですが、梱包日数がかかったり梱包料金が上がってしまいがちです。 小さいパーツをおくるのには事前に用意しておいた箱にいれ、大きい物はパレットやスキッドにするといいかもしれません。 まとめ 国際物流の中で梱包というと簡単に考えられがちですが奥が深いです。 梱包には荷物を安全に運ぶという重要な役目があります。 最近ではエコの観点からリターナブル容器を使うという選択肢もあります。 今回の動画を機に今までの梱包を見直してみてはいかがでしょうか。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

国際物流の流れ | 輸送・ロジスティクス

国際物流の流れ

今回のテーマは海上輸送の流れについてです。 海上輸送の中でもコンテナを使ったコンテナ輸送をする方法にフォーカスしてお話をしていきたいと思います。 海上輸送の流れ 国際物流における海上輸送ですが、実際にはどのような流れで貨物が運ばれているのでしょうか? 初めて物流業務の仕事をする人にとっては貨物の流れと書類の流れを理解するのが重要です。 まずは全体の流れを理解し、どのタイミングで何をする必要があるのかを理解出来るようになりましょう。 貨物の流れ 工場で製品が作られる まず場面を工場に移します。 個人レベルではコンテナを使って輸送するケースは流石に稀ですが 工場では毎日商品を生産していて毎週 海外に出荷している工場もあります。 弊社のお客様でも自動車パーツ、冷凍食品、紙、革製品、化粧品、スクラップ、包装資材など多種多様にわたる貨物をコンテナで海上輸送をしています。 Booking 完成した商品のQCが終わったら、工場の出荷担当者からフォワーダーにBooking依頼があります。 このBooking時に、必要なコンテナの種類や本数、貨物の引き取り日、積み地、揚げ地、Cut Off、ETD、ETA、フリータイムなどの連絡があります。 お客様から頂いた情報を元にフォワーダーが本船予約、トラックの手配、通関手配、そして、それぞれの必要書類の確認をして準備を進めていきます。 基本的にワンストップサービスを依頼されるお客様が多く、フォワーダーが本船予約以外の物流手配もすることでお客様にとっては一つの窓口で物流を完結出来るメリットがあります。 書類の確認 そしてここが大切なのですが必要書類の確認作業です。どれか一つの情報でも間違っていると、正しく通関を通すことができませんし本船に乗せることが出来なくなります。 また原産地証明を発行する場合で書類にミスがあれば関税の優遇が受けられません。 書類のミスに関しては特に中をしなければいけません。 貨物の引き取り お客様の貨物を引き取る為に、貨物引き取り日の朝か、前日の夕方にコンテナデポに空のコンテナをピックアップに行きます。コンテナデポはコンテナバンプールとも呼ばれます。 デポには使い終わった船会社のコンテナを掃除し、修理し終わったものが沢山積み上げられています。空コンテナのピックアップの際の注意は、コンテナ品質です。 コンテナグレードAで予約したにも関わらず、質の悪いコンテナが割り当てられる事は少なくありません。 弊社のサービスでは、コンテナを引き取るドライバーに必ずチェックをさせて質の高いものを選んでお客様にお届けしております。 コンテナへ積み込む 空のコンテナをお客様の工場に届けたら、コンテナに貨物を積み込みます。 規模の多いお客様だと1日に何十本というコンテナを使う場合があり、積み込みにかかる時間を計算し、トラックの配車スケジュールも管理したりします。 コンテナは海上では大きく揺れる場合がありますので、貨物がコンテナ内で動かないようにしっかりとラッシング(固定)もしなければいけません。 港に到着 貨物を乗せたコンテナが本船に積み込まれる港に到着します。コンテナのCut Offという言葉が使われるのですが、締め切り時間のことだと理解してください。 またContainer Returnはコンテナが船に乗せるために港に戻っていなければいけないということです。 コンテナが船に乗せられる前に ・AFR(日本向け:輸出の事前申告 - ETDの24時間前) ・VGM(コンテナの総重量の申告義務) そして通関の輸出申告も済ませておかなければいけません。貨物が工場でコンテナに積み込まれ、船に乗る前までに 色んな申請事項を済ませておかなければいけないのです。 港には本当に大量のコンテナが集められています。その為、港湾内での荷役の時間も十分に必要だということでCut Offは守らなければいけないのです。 コンテナが船に乗せられる時はガントリークレーンという大型のクレーンに吊られて積み込まれます。吊り上げるのでコンテナの総重量が大きなポイントとなります。 40’フィートコンテナだと20’フィートコンテナの倍の重量を積むことが出来るのかという問い合わせをたまに聞きますが、設備上の関係で出来ません。 20’フィートであれ、40’フィートであれ貨物重量は大体25トンくらいまでと覚えておきましょう。 このように本船には大量のコンテナが積み込まれます。コンテナ船に積めるコンテナの本数には限りがありますのでシーズンによってはスペースが取りにくくなります。 書類の流れ 輸出の流れ コンテナが本船に積み込まれたらB/Lが発行されます。 流れを見てみましょう。 フォワーダーから発行されたB/LがShipperに送られ、ShipperとConsigneeの間で商品の代金支払いなどのやりとりがあります。 オリジナルB/Lの場合はShipperからB/Lの原本がConsigneeに、DHLやFedexなどのクーリエサービスで送られます。 このようにConsigneeはD/Oを引き取るためのB/Lを入手しておかなければいけません。 海の上でコンテナが船に揺られながら各港で積み込み・積み下ろしを繰り返して、スケジュール通りに進んでいきます。よく天候の問題で船が遅れる場合がありますがこれだけは仕方がありません。 海上輸送では近海であれば数日で到着し、日本ーヨーロッパのようなロングルートだと2ヶ月近くかかったりする場合もあります。 本船が入港する2−3日前に輸入側のフォワーダーからArrival Noticeが発行され、輸入者に送られます。 このArrival Noticeには、港の諸費用やD/O費用などの諸々の費用があり輸入者はそれを支払わなければいけません。 輸入の流れ 輸入の流れを詳しく見ていきましょう。 輸入者は貨物引き渡し書類であるD/Oを入手しなければいけません。その為にA/Nに書かれている金額をフォワーダー に支払います。 そしてA/Nの支払いのタイミングと同時に、Shipperから入手したB/Lも差し入れます。オリジナルB/Lなら原本を差し入れ、サレンダーB/Lならコピーをフォワーダーに提出します。 A/Nの支払いとB/Lの差し入れと引き換えに、輸入側のフォワーダーがConsigneeにD/Oをリリースします。D/Oも原本だけでなく、D/O LessといったID番号を発行する簡素化された手続きもあります。 輸入港に到着後の流れ 輸入者がコンテナを引き取るにはD/Oだけでなく輸入通関も完了しておかなければいけません。Invoice, Packing List, 原産地証明などの書類を使い、システムに入力して通関士によって輸入申告がされます。 申告に何も問題がなければ税関から輸入許可が出ますが、問題があれば検査などが発生します。 D/Oを入手し輸入通関も完了したConsigneeは、D/Oをヤードに差し入れて、コンテナ貨物を引き取ることが出来ます。 コンテナを乗せたトレーラーが届け先まで運んできて、貨物の積み下ろし作業をして配送完了となります。 まとめ ここで各工程を振り返りましょう。 工場で製品が作られます お客様からBookingのリクエストがあります フォワーダーが物流の手配をします 必要書類の確認をします 空のコンテナをピックアップします 空コンテナをお客様に届けて貨物をピックアップします 貨物が港に到着します。この時にVGMや輸出通関を済ませておかなければいけません コンテナが船に積み込まれます 本船が港を出港するとB/Lが発行されます 海上輸送をします そして、ここからが輸入のステップに移ります 本船が港に到着する2〜3日前にA/Nが発行されます 輸入者はA/Nの支払いをしてB/Lも差し入れます フォワーダーから輸入者にD/Oがリリースされます 輸入通関も済ませておかなければいけません ヤードでD/Oを差し入れて貨物をリリースします 貨物が配送されます これだけの工程を経てやっと貨物が海外の届け先まで送られるのです。 いかがだったでしょうか。コンテナに貨物を乗せて輸送しているだけのように見えますが、色んな工程で必要書類が出てきます。 この書類に間違いがあると貨物はスムーズに輸送されませんし、書類の修正などに時間がかかって 港での保管の超過料金が発生するのもよくあります。 全体の流れをよく理解して、スムーズな国際物流が手配できるようになりましょう。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/

メーカー・商社の貿易の仕事とは?フォワーダーの仕事とはどう違うのか説明しました。 | 輸送・ロジスティクス

メーカー・商社の貿易の仕事とは?フォワーダーの仕事とはどう違うのか説明しました。

貿易の仕事をする場合、全ての業務を1人ですることは出来ません。多くの人や会社が関わり、得意分野を分業して国際物流を進めていくことが一般的です。 またフォワーダーだけでも貿易は出来ません。フォワーダーは輸出入をする方の意向に沿って、貨物を手配するのが仕事です。 貿易業界には色々な仕事をする人がいますが、仕事内容よって分類すると大きく分けて次の通りになります。 貿易に関係する人や会社 ①メーカー・商社などの輸出入者 ②フォワーダー ③船会社・航空会社 ④通関業者 ⑤銀行 これらの5つの分類でどれもが国際物流をする上で必要な役割があります。 今回の記事では今までスポットを当てていなかった、メーカー・商社などの貿易の仕事について説明していきます。 メーカー・商社の仕事内容について メーカー・商社の仕事はどのようなものなのでしょか。輸出入者であるメーカー・商社は海外から品物の売買をしている当事者です。 自社で使用するための品物の輸入や、国内・国外で販売するための買い付けをしています。売買の取引が成立したら、その取引先まで責任を持って届けることが仕事です。 簡単に説明するとこのような仕事ですが、更に詳しく見ていきましょう。 メーカー・商社の仕事内容 メーカー・商社の輸出入ビジネスでは、海外顧客の開拓、交渉などが一番重要な仕事になります。 一昔前は、メーカーの輸出入では商社が手配することが当たり前で、日本の輸出入の発展には商社の力によるものと言われていました。 もちろん今では、メーカー直接で貿易を行うこともありますが、それでも商社の活躍は大きく、商社による日本の主要産業の輸出や原材料の輸入は長年の日本の発展を支えてきました。 メーカーの貿易内容 メーカーでは、原材料を輸入して、日本で生産することもありますし、海外に生産を委託した品物を国内に輸入する場合もあります。 日本の工場自体が海外進出していることが増えてきており、そこで生産するために、日本から部品を輸出したりと色々な貿易形態があります。 他にも日本が他の2国間の輸送に介入する3国間貿易もあります。 海外顧客との価格交渉では売買する品物の価格に輸送料金を含めた金額が必要で、それらを含めた金額の契約を交わします。 自社の商品の知識や買い付ける商品の知識はもちろん必要ですが、国際輸送にかかわる知識を持たないと、交渉を優位に進めることが出来ません。 輸送業者、通関業者への手配 さて、買い付けや販売などの売買が成立すると、輸送手配が必要になります。 国際輸送には国と国とをまたぐため、法律や規制が色々と異なり、自国だけの知識では通用しないところがあります。 その現地からの輸送をフォワーダーなどが手配することになりますが、具体的な輸送方法や納期などは、メーカーや商社の方がフォワーダーに指示することにより希望に沿った料金や到着日を選ぶことできます。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/good-forawrder-sales/?lang=ja" target="_blank"] フォワーダーは貨物を引き取り、港や空港に運び、船会社や航空会社に依頼して貨物を輸入地まで運び、通関業者が通関をし、国内運送会社が配送するという流れになります。 その流れをフォワーダー任せにすることも出来ますし、メーカー・商社自ら、船会社や航空会社への運賃の交渉、予約を行い、より競争力のある価格を引き出すことも出来ます。 船積書類の作成 次に船積み書類の作成になります。こちらは実際の商取引にあった書面でなくてはなりません。 メーカー・商社が作成します。書類の例としては、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書などがあります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/inv-pkl/?lang=ja" target="_blank"] 税務上の証明書になりますし、各国の規制にあった書面を作成しなければなりません。また輸送上でも正確な書類でないとトラブルの原因となります。 またそれらの書類と共に、海上輸送をする場合は船会社と輸送契約を交わします。 フォワーダーが代行することが多いですが、ドックレシートやコンテナロードプランなどを作成し、B/L(輸送契約書)を発行してもらいます。 航空輸送であれば、AWBを航空会社に発行してもらいます。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/airwaybill/?lang=ja" target="_blank"] 納期調整、在庫管理 貿易となると、輸入であれば必要な商品がいつ届くのか、国内到着した後の商品をいつ使うか、在庫はどのぐらいあるのかという納期調整などの付随した業務が必要になります。 輸出であれば、貨物の出荷具合によって生産調整など管理が必要になります。 L/Cを含めた銀行との調整 貿易では国をまたいだ決済となりますので、信用問題(お金の回収)がつきまといます。 貨物を送ったけれども、代金が未収になるようなことが無いように、銀行の保証をつけたり、事前入金をしてもらったりして、お金の問題を防ぐことを忘れてはなりません。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/lc-letter-of-credit/?lang=ja" target="_blank"] まとめ メーカーや商社の貿易の仕事をまとめてみました。貿易には様々な形態があり、輸送方法も複数の選択肢から選べます。メーカーや商社は輸出入業者として、フォワーダーに自社の希望を伝えることは重要です。 一方でフォワーダーは実務経験上、色々な案件を見ています。よりスムーズな物流手配をする為に、より良いアドバイスや専門家ならではの方法を提案してくれたり、相談に乗ってくれるフォワーダーと付き合うことをお勧めします。

IATAの役割とは。航空貨物の安全な輸送に欠かせないIATAについて解説しました。 | 輸送・ロジスティクス

IATAの役割とは。航空貨物の安全な輸送に欠かせないIATAについて解説しました。

IATAという言葉を聞いたことはありますか? 航空貨物を取り扱っている方は、どこかで耳にしたことがあるかもしれません。 IATAはイアタまたはアイアタと読みます。 International Air Transport Associationの略で、日本語では国際航空運送協会といいます。 貿易に関する仕事をしている方は、IATAについて基礎知識をつけておくと航空貨物の取扱について疑問が時にある時にどういう人に聞けば良いのかということが分かります。 それでは、IATAについて詳しく説明していきましょう。 IATAとは何か ①どういう組織か IATAとは世界各国の国際航空会社が集まり、設立されたものです。 1945年に設立され、現在約290社の航空会社で構成されています。これは定期国際航空輸送会社の82%を占めています。 ②IATAの目的 IATAは航空会社の安全な運行を一番の目的としています。 安全、確実、そして経済的な航空運送を発展させ、航空貨物による貿易を推進、研究し、業者間での協力を目指しています。 また、最近では環境に対する影響を減らすことにも取り組んでいます。 IATAは世界中の航空輸送において同一のネットワークの中で、同様の輸送サービスが提供できる事を保証しています。 ③具体的に何をしているのか 国際定期便のスケジュールの調整のガイドラインを定めたり、航空運賃や発券・運用ルールを決め、実行することが重要な任務となっています。 航空会社の2レターコード、空港の3レターコードはIATAで決められたものであり、世界標準のものとなっています。 ④IATA公認代理店について IATAは航空券の販売には代理店制度をとっており、一定の基準を満たした認可された代理店が航空券を自社で発券することが出来ます。 旅行代理店などが航空券の発券のために取得していますが、貿易に関わるものとして重要なのがIATA公認貨物代理店です。 自社で航空貨物のB/Lを発券するにはIATA公認貨物代理店の資格が必要です。 また、IATAの公認貨物代理店になると日本のIATAなどが母体となって作られた社団法人 航空貨物運送協会(JAFA)の会員となります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/airwaybill/?lang=ja" target="_blank"] ⑤ディプロマについて IATAでは国際航空輸送業務に関する知識を有する人を認定しています。 航空貨物を取り扱う代理店の公認認定基準として、各営業所に基礎コース以上のディプロマ資格者と危険物コースのディプロマ資格者が2名以上在籍していなくてはなりません。 航空貨物を取り扱うフォワーダーでAWBを発券するためには、ディプロマの有資格者が必要なのです。 JAFA経由でIATAのトレーニングプログラムに申し込み、講習と試験を受け、ディプロマの資格を取得できます。 コースには2つあります。 ・基礎コース 国際航空貨物の運送状(AWB)及び輸送スケジュールの作成、運賃計算等についての基礎知識を学びます。 ・危険物コース IATA危険物規則書についての関連書類、輸送梱包等の専門知識を問うものです。 危険物の資格は有効期限が2年間のため、2年に一度ごとに講習をうけ、試験にパスし更新していかなければなりません。 しかも、危険物の資格者が各営業所にいないと、危険品の取扱ができません。 試験は英語で行われ、世界100カ国で同じ試験問題を使っています。そのため、世界で通用する資格となっています。 航空貨物を取り扱うフォワーダーでは、基礎コースは新人の間に取得することが多く、費用は5万円以上かかります。 IATAに属していない航空会社について 近頃、台頭してきている格安航空会社はIATAに加盟していません。 そのため、今までのIATAの基準の運賃に満たない格安価格が設定されているのです。 IATAに関するその他の事 加盟していない格安航空会社が増えてきていることもあり、IATAの地位は以前に比べて下がってきていると言っている業界人もいます。 また、JAFAでの業界内会議で、料金について話が出たことがあり、そこでの話が独占禁止法にふれるということで参加していた業者が何社も摘発されてしまった過去があり業界内の協力のやり方が難しくなってきています。 そうであっても、IATAのルールは世界基準として使用されており、航空会社と航空関連企業との連携を図る意味でも、守るべきルール、ガイドラインとしてこれからも航空会社の運航に必要不可欠なものとなっています。 まとめ IATAについて、まとめてみました。 IATAは航空会社の安全な運行に必要なものです。 航空貨物について、疑問点があったらIATA航空貨物代理店に問い合わせてみるのが最善です。 ディプロマの資格に興味を持った方がおられましたら、航空貨物を取り扱っているフォワーダーに聞いてみましょう。