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日系企業、ベトナムで低温物流事業拡大! | 物流ニュース・物流ラジオ

日系企業、ベトナムで低温物流事業拡大!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は4月12日付の海事新聞の記事から、「日系物流企業がベトナムで低温物流事業への投資を拡大」についてお話していきたいと思います。 2023年4月13日イーノさんの物流ラジオ 日系企業、ベトナムで低温倉庫事業拡大 C&Fロジホールディングスは今夏、ホーチミン市近郊で第3倉庫を稼働させる予定です。 ヨコレイやニチレイロジグループもベトナムで低温倉庫事業を展開しています。 ベトナムの低温保管の市場 ベトナムの低温保管の市場規模は2016年からの5年間、年率8・6%という高い成長率で拡大してきました。 2021年からの5年間では、年率14・2%増と、さらに成長が加速する見通しとのことです。 既存の冷蔵倉庫は老朽化が進んでおり、供給不足の状況が続いています。 ベトナムの経済成長 更に、ベトナムの経済成長に伴い、特に南部の大都市圏では生活水準が向上、高品質な食品への需要が増加しています。 冷蔵庫普及率も上昇し、冷凍・チルド食品の需要が拡大。 エンド・ツー・エンドで品質を担保できるコールドチェーンへの需要が高まっています。 C&Fロジホールディングスのベトナム展開 C&Fロジホールディングスの現地法人メイトウベトナムはホーチミン市を中心とした南部経済圏で第3倉庫を建設予定です。 保管能力を大幅に拡大し、日系物流企業としてはベトナム最大の低温保管能力となる見込みです。 低温定期便スタート 更に同社は合弁で輸送会社T&Mトランスポーテーションも運営し、温度管理車両を運行。 ホーチミンとハノイ間の低温定期便もスタートしました。 他社のベトナムへの展開 また、クールジャパン機構、川崎汽船、日本ロジテムが出資するCLKコールドストレージは昨秋、倉庫面積を増床しています。 これまでホーチミン郊外で日本水準の3温度帯倉庫を運営してきましたが、設備増強に踏み切りました。 ヨコレイ、現地法人設立 一方、ヨコレイはベトナムでの冷蔵倉庫事業参入を決め、現地法人「ベトナムヨコレイ」を設立。 2025年竣工予定で、物流拠点として機能させる方針です。 ニチレイ、合弁会社設立 国内の温度管理物流最大手のニチレイロジグループ本社は、ベトナム大手低温輸送企業タン・バオ・アン・ロジスティクス(TBA)と合弁会社を設立。 2024年に新冷蔵倉庫を立ち上げ、事業を開始する予定です。 ニチレイロジにとっては、タイ、マレーシアに続く東南アジア展開となります。 東南アジアでのコールドチェーン市場 ベトナムやタイを含めた東南アジア地域のコールドチェーン市場は、今後も大きな成長が見込まれます。 経済成長と中間層の増加 東南アジア諸国の経済成長に伴い、中間層が増加しています。 これにより、品質や安全性に対する消費者の意識が高まり、冷凍・チルド食品などの需要が増加しています。 食品安全基準の向上 また、食品安全基準の向上や法規制の強化が進んでおり、企業はこれに対応するためにコールドチェーンの整備が必要となります。 インフラ整備 東南アジア各国では、交通インフラの整備が進んでおり、物流効率が向上しています。 このことで、より広範囲にわたるエリアでのコールドチェーンが可能になり、市場の拡大が見込まれます。 注目のサービス 特に、エンド・ツー・エンドの品質管理ができるコールドチェーンや環境に配慮した技術・サービスが注目されると考えられます。 東南アジアでは、所得やインフラもこれから伸びていく市場であり、伸び代があります。 伸びているマーケットに参入をする方が、業績を伸ばすのは簡単です。 日本一択でこれまで通りの物流をやっているとジリ貧になっていくでしょう。 グローバル展開を積極的に出来る企業が強いのだろうと思います。

北米小売業者、海上輸送コストを大幅に削減! | 物流ニュース・物流ラジオ

北米小売業者、海上輸送コストを大幅に削減!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、WSJの記事から、「北米の小売業が海上輸送コストを大幅に削減」についてお話していきたいと思います。 2023年4月3日イーノさんの物流ラジオ 小売業は、海上コスト削減 昨年の秋から始まった貨物量の急な減少により、船会社は本船のスペースを埋めるのに苦労しています。 現在、海上運賃はコロナ前の水準まで下落し、北米の小売業者は海上コンテナ輸送で大きく費用を節約することが出来ています。 SC契約を遅らせ、更にディスカウント そして小売企業は年間契約を遅らせ、海上運賃をさらにディスカウントしようとしています。 北米の小売業者は昨年後半、個人消費の変化に伴い在庫過多に陥り、多くの小売業者が過剰在庫に対処している状況です。 スポット運賃の動向 海運需要の減少に伴い、スポット市場の運賃はコロナ禍の最高値から90%以上暴落しています。 アジアから米国西海岸へのコンテナ輸送の平均スポットレートは、1,289ドルで、契約価格より668ドルも低くなっています。 この差は年間数百万ドルとなります。 SC契約とスポット運賃 北米のデジタルフォワーダーFlexport の責任者は、国際輸送に対して信頼性と価格の一貫性を重視する企業は、SC契約の固定料金に商品価格を委ねることをいとわないとしています。 進まないSC契約 しかし、多くの顧客は、昨年輸入した高額な在庫を抱えており、利益を上げるためにスポット市場で勝負することを望んでいるとのことです。 一部の荷主は、船のスペースを確保することに不安がないため、特に急いで契約を進めなくても良いとしています。 低いSC契約運賃 このSCの交渉ですが、多くの船会社は、アジアと米国西海岸の航路のコンテナ運賃を約4,000ドルで要求し、顧客との交渉を開始しました。 これらの航路の平均契約料金は1,957ドルで、昨年よりも71%も低くなっています。 このような状況は、小売業者にとっては大幅なコスト削減のチャンスです。 今後の市場動向 しかし、海上輸送業界にとっては厳しい状況が続いており、今後の市場動向によってはさらなる影響が懸念されています。 今後の市場状況や需要の変化によっては、業界全体の再編や競争の激化が予想されるため、今後も市場動向に注目が集まりそうです。

住友商事、北米東岸でアンモニア燃料事業を検討! | 物流ニュース・物流ラジオ

住友商事、北米東岸でアンモニア燃料事業を検討!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、3月31日の海事新聞の記事から、「住友商事、アンモニア燃料を供給。マースクなどと、北米東岸で事業化を検討」についてお話していきたいと思います。 2023年3月31日イーノさんの物流ラジオ 住友商事、アンモニア燃料事業 住友商事はデンマークの海運大手のマースク、米ジョージア州港湾局などと共同で、北米東岸のサバンナ港で船舶向けアンモニア燃料供給事業の検討を開始します。 次世代燃料としてのアンモニア アンモニアはCO2排出がなく、次世代燃料として期待されています。 特にグリーンアンモニアは再生可能エネルギーと水、空気から製造され、ライフサイクル全体でCO2排出がないため、海運業界や世界の脱炭素化への貢献が特に期待されている燃料です。 マースクは2040年のネットゼロ実現を目指し、グリーンメタノールやグリーンアンモニアの開拓が必要としています。 アンモニア燃料供給事業の検討内容 今回の共同検討では、競争力のあるグリーンアンモニア供給網の開発、アンモニアバンカリング船の設計開発、海上輸送や貯蔵などの関連インフラ整備を検討していく予定です。 各港の対応 サバンナ港はコンテナ取扱量が急激に増加しており、2024年までに大型コンテナ船6隻が同時に荷役を行う設備投資を進めています。 更に、2025年までに60%の拡張工事を行い、取り扱い能力を年950万TEUまで増やす予定です。 隣接するブランズウィック港やジャクソンビル港には、自動車船ターミナルがあり、大型コンテナ船や自動車船向けでアンモニア燃料供給ニーズが見込まれています。 この検討を通じ、参加する企業や団体が知見やノウハウを持ち寄り、グリーンアンモニア燃料のサプライチェーンを確立する予定です。 アンモニアの調達 具体的な検討はこれからになりますが、グリーンアンモニアの調達は世界屈指のコスト競争力がある南米のチリやカナダからと想定されています。 また、移行期の措置として、米国で安価に大量生産される見込みのブルーアンモニアの使用も視野に入れています。 次世代燃料への取り組み 住友商事関係者は、脱炭素化の潮流が強まる中で、メタノールやアンモニア、水素などが船舶用次世代燃料の有力候補とみられている、としています。 更に、多様化する顧客ニーズに対応し、アンモニアなど新燃料の供給にも積極的に関与していく、と述べています。 次世代燃料の主役は? 昨日がメタノールの燃料についてお話をし、今日はアンモニアの記事を取り上げました。 昨日のニュースでは従来のオイル価格が代替燃料の価格を2025年に上回るかもしれないという内容でした。 その中でメタノールは代替燃料として移行し始めています。 そして今回のアンモニア。 アンモニアは既に非硫黄用途などで使われており、輸送や貯蔵のノウハウは既にあります。 海運業界も脱炭素に向けて進んでいます。 マースクはメタノールだけじゃなく、アンモニア燃料も使う方向で検討しているということが分かりました。 今後の代替エネルギーの主役がどこになっていくのかが注目です。

化石燃料の価格、2025年までにグリーン燃料の価格を上回るか? | 物流ニュース・物流ラジオ

化石燃料の価格、2025年までにグリーン燃料の価格を上回るか?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comからの記事で、「従来の化石燃料の価格が2025年までにグリーン燃料の価格を上回る可能性あり」についてお話していきたいと思います。 2023年3月30日イーノさんの物流ラジオ 化石燃料と代替燃料 Longspur Capitalの調査によると、船舶のCO2排出規制が強化されることで、早ければ2025年に化石燃料が低炭素の代替燃料よりも高価になる可能性があるとしています。 CO2削減への対応 その中で、メタノールは国際海事機関(IMO)とEUによる厳しいCO2排出規制に対応するための現実的な方法を提供するとされており、現在100隻以上の船舶がメタノール燃料で就航中または発注している状況です。 EUは、2024年から船舶をCO2排出権取引制度(ETS)に加え、船舶燃料の課税を導入し、FuelEU Maritime Initiativeの下で排出量の罰則を課す予定です。 またLongspurの報告書は、2025年5月1日から地中海を硫黄酸化物の排出規制地域(ECA)に指定し、それにスエズ運河を含めることで、代替燃料の使用を急がせるIMOの動きを強調しています。 IMOは船舶に総合的なエネルギー効率制限の強化を導入し、2030年のCO2排出量の40%削減を目指しています。 代替燃料候補 グレーメタノールとして知られる天然ガス由来のメタノールが、すでに重要な利点を備えているとされており、船舶燃料として有望視されています。 ただし、Hapag-Lloyd社CEOは、メタノールがコンテナ船で採用されるいくつかの代替燃料の候補の一つに過ぎないと述べており、LNG(液化天然ガス)やアンモニアにも注目が集まっています。 メタノール船の増加 メタノールなどの代替燃料の製造コストは現在の船舶用燃料よりも高いものの、業界による採用が進んでいくとされています。 マースクは積極的にメタノール船を採用し、市場では100隻ほどがメタノール船舶になってきています。 アンモニア、水素の導入 メタノールのCO2削減はアンモニアとか水素に比べるとそこまで高くありません。 しかし、早く実装できるというのもあってか、導入が進んでいます。 アンモニアと水素は、まだ燃料として使える技術が十分でありません。 エネルギー問題の船腹供給への影響 今回の記事では、従来の石油価格が2025年までにメタノールなどの代替燃料の価格より高くなると報告されています。 背景には、ロシア・ウクライナ問題でのエネルギー価格の高騰、脱炭素が世界中に広がり、課税対象になっていることなどがあげられます。 船腹の供給が多いなか、こういうエネルギー問題が供給量を抑える要因になるかもしれないと個人的に感じています。

北米向けSC交渉、スポット運賃とSC運賃の差で難航中 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米向けSC交渉、スポット運賃とSC運賃の差で難航中

どうもこんにちは、飯野です。 本日は3月28日付の海事新聞の記事から、「北米航路SC交渉、スポット運賃との乖離 大きく、終盤戦で遅れ気味」についてお話していきたいと思います。 2023年3月28日イーノさんの物流ラジオ 北米航路SCの交渉、終盤戦に 日系荷主とコンテナ船社の北米航路サービスコントラクトの交渉が終盤戦に入っています。 例年だと大手荷主との交渉は3月末までにほぼまとまるものの、今年は決着に遅れが出ているようです。 交渉難航中 下落が続く足元のスポット運賃と、船社側が求める年間契約運賃に差があるため、交渉がまとまらないとのことです。 運賃市況が下降局面の場合には早めに決まるのがこれまでの流れでしたが、「足元の運賃水準に比べ、船社が提示する来期の契約運賃が高く、乖離し過ぎていると思う」とある荷主関係者は不満を漏らしています。 更に荷主側が不満を強めるのは、船社が提示する運賃が足元のスポット運賃だけでなく、「下方修正済みの2022年度契約運賃より高い水準を提示している」こともあるようです。 2022年度との比較 2022年度の運賃交渉はサプライチェーン混乱による需給が増え、北米西岸向けの平均海上運賃は1万ドル前後になりました。 その結果、コンテナ船社が好業績を納めています。 スポット運賃軟化、契約運賃修正 しかし、2022年秋口からのスポット運賃が軟化し始め、年末年始から一部荷主を中心に契約運賃を下方修正する動きが続出しました。 一部では7―8回以上の修正を経て、2022年度の契約運賃が足元のスポット運賃並みまで下がったケースもあったようです。 このため、この時に修正を重ねて安い運賃を確保した荷主ほど、交渉が難航しています。 船会社の対応 船会社からするとあれは1−2ヶ月間の期間限定の運賃であり、それを基準に年間固定で決められたら確実に採算割れで難しいとのことです。 運賃交渉ではこのほか、船社側は夏場のPSS込みを求めています。 船社側は今の北米の過剰在庫が解消すれば、再び需給が逼迫すると見込んでおり、それに備えてPSSをしっかり確保したいようです。 安いマーケットに逆戻りか 個人的には、荷主の購買担当者の気持ちも、船会社の立場も理解できます。 ポジショントークになりますが、今のスポット運賃で年間固定にしてしまうと、また日本の安いマーケットに逆戻りします。 メーカーなどの購買担当の人は、海運業界の未来のことなんて基本的に考えていないでしょう。 むしろ大手荷主(メーカー)ほど賃上げをしているため、運賃を下げて利益を残そうとしているのかもしれません。 業界における賃上げの必要性 船会社だけでなく、フォワーダーや通関業者、トラック業者も含め、この業界でも賃上げをしないといけないのではないでしょうか。 僕らもある程度の高い運賃というのは必要となります。 船会社は除いて、一般的なフォワーダーなどではそこまで給料が高いわけではありません。 個人的には船会社さんに頑張って欲しいと考えています。 適正価格への対応 コロナ禍のむちゃくちゃ高い値段やリーマンショック後のむちゃくちゃ安い値段ではなく、適正価格で襟を正して売って欲しいです。 荷主も値下げが仕事なので理解できなくもありませんが、とにかく安く買い叩くという行為はやめていただきたいです。 メーカーさんなどには、もっと高く売る工夫もお願いしたいところです。

DSV、北米の物流企業2社を買収! | 物流ニュース・物流ラジオ

DSV、北米の物流企業2社を買収!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、3月24日付の海事新聞の記事から、「DSV、半導体物流を強化、米で2社の物流会社を買収」についてお話していきたいと思います。 2023年3月24日イーノさんの物流ラジオ DSV、米物流会社2社買収 デンマークの物流大手DSVは3月21日、米国アリゾナ州の物流企業S&Mムービング・システムズ・ウエストとグローバル・ダイバーシティ・ロジスティクス(GDL)を買収すると発表しました。 半導体関連の物流や、航空機のチャーター輸送など中南米とのクロスボーダー物流を強化していく方針です。 来月には買収を完了する予定で買収額は非公開としています。 買収先の2社 買収先の2社のオーナーは同じで、DSVはこれでオレゴン、アリゾナの両州で合わせて11拠点、約9.3万平方メートルの物流センターを運営することになります。 このアメリカの物流業者は、米国内の陸上輸送、国際航空・海上輸送、倉庫業務などを手掛け、展示会物流や半導体業界向けサービスに強みを持っています。 従業員数は130人。 DSVは買収後、両社を航空・海上輸送、陸上輸送、倉庫の各部門に統合します。 DSV、中南米への輸送網拡大 DSVはマイアミに加え、アリゾナ州のフェニックス・メサ・ゲートウエー空港の利用をはじめ、中南米への航空貨物チャーター輸送網を拡大しています。 買収により中南米へのサービスを強化し、クロスボーダー輸送の需要拡大に対応していきます。 アリゾナ州は電気自動車の販売・製造拠点としても存在感を高めており、DSVは買収により、既存顧客へのサービスも拡充していく方針です。 M&Aが進む物流業界 このロジラジではずっとお伝えしていることですが、フォワーダーの業界はコロナで利益を出した会社とそうでない会社が二分化しました。 基本的に大手は高い収益をコロナ中に稼いだので、これからはM&Aが進んでいくという見通しを個人的には立てています。 なぜなら、その方が圧倒的に早いからです。 今回のDSVでも、1人のオーナーで2社を買収でき、アメリカで11拠点を手に入れています。 ニアショア戦略 コロナによるサプライチェーンが分断された問題により、自動車関係などを含め、メキシコなどで製造をするニアショア戦略が進みました。 そうなると、クロスボーダートラックを手掛ける会社を買収すれば、圧倒的に早くシェアを取りに行けます。 2023年移行はこういうニュースがどんどん出てくるでしょう。 そういった視点でニュースを見ていき、自分はどう立ち回るかというのを考えるようになれば良いと思います。

スタンデージ、デジタルフォワーディングシステム発表! | 物流ニュース・物流ラジオ

スタンデージ、デジタルフォワーディングシステム発表!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、3月23日付の海事新聞の記事から、「スタンデージ、「無理なくデジタルFW」に、新たにシステム提供」についてお話していきたいと思います。 2023年3月23日イーノさんの物流ラジオ デジトラッド・フォワーディング提供開始 デジタル貿易プラットフォームを提供するSTANDAGEは3月22日、国際物流の概算見積もりの即時取得や発注、社内外のやりとりの一元管理が可能なデジタルフォワーディング・システム「デジトラッド・フォワーディング」の提供を始めたと発表しました。 システムについて 既存のオペレーションを止めずに使えるため、物流会社が無理なくデジタルフォワーダー(FW)になれるシステムだということです。 提携先の山九など大手を含め2月末時点で約10社と導入について協議しており、初年度で5万―10万件の利用を目指しています。 データベースで即時見積もり 物流会社が持つデータベースのレートを参照し、通常数日―1週間かかる見積もり提示をオンラインで即時に完了させることが可能です。 荷主は容易に概算の見積もりを検討でき、本見積もりの依頼や発注手続きに進むことができるようになります。 また、既存の貿易PF「デジトラッド」と連携しているため、貿易・国際物流に関する業務を完結させることも可能です。 スタンテージ独自のシステム 見積もりの依頼・発注、担当者間のやりとりには、同じPF上の「チケット」と呼ばれるシステムを使います。 これはスタンデージが独自に開発したもので、案件ごとに添付書類を含めてやりとりを一元管理でき、担当者間ではチャット形式での対話が可能です。 システムの利用には、見積もりからの受注1件当たりで物流会社側に定額料金が発生。 同社は当初は試験版として公開し、システムのフローや使い勝手などを確認するとしています。 デジトラッド・フォワーディングは、物流会社の現場の目線を重視し開発したサービスです。 実際に物流会社の現場に数カ月にわたって入り、現場の課題感や意見、実態を把握した上で設計・開発をしました。 気軽にデジタルフォワーダーに 自社でPFを開発しなくとも、デジタルフォワーダーになれ、デジタルフォワーダーというのがスタンダードになっていくように感じています。 見積もりを即時提出が出来るのが当たり前となり、見積もり提出に時間がかけている時代ではありません。 荷主は概算でも良いから早く見積もりが欲しいものです。 スタンデージのサービス スタンデージのサービスを見てみると、デジトラッドの提供もしており、キーワードとしてブロックチェーンとアフリカを含む新興国がポイントです。 メンバーもアフリカ出身の方達がいます。 サービスでは販路拡大や代金回収の補償もしています。 「貿易コンシェルジュが貴社製品の特徴をヒアリングし、販売最適地域をご提案。販売先の開拓から交渉契約まで全て丸投げでOKです」とのことです。 このサービスは、既にネットワークを構築しているのであれば、可能だとは思いますが、このビジネスモデルのリスクは、売れない商品を扱う荷主の対応をすることになるということです。 現実として、売れない商品は、何をやっても売れません。 その代行はかなりのリスクだと個人的には思ってしまいます。 これは荷主さん向けのサービスですが、今回は簡単にデジタルフォワーダーになれるというサービスが登場しました。 時代の変化 中小フォワーダー向けとしては、このデジトラッドに加え、フォーカスシステムズのBeyond TheBookがあります。 じわじわと時代の変化がきています。 情報をとって行動をしないといけないと個人的には感じています。

欧州の景気後退のリスク軽減、需要回復の期待高まる | 物流ニュース・物流ラジオ

欧州の景気後退のリスク軽減、需要回復の期待高まる

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「欧州の景気後退の懸念が薄れ、需要回復の期待高まる」についてお話していきたいと思います。 2023年3月20日イーノさんの物流ラジオ 欧州、在庫再構築か 現在は欧州各地の倉庫は満杯状態が続いており、高いインフレ率にもかかわらず、今年後半には在庫スペースが十分にでき、在庫の再構築が進むとの期待が高まっています。 エネルギー価格の下落により、今年の景気後退のリスクが軽減されたように見えることから、アナリストやフォワーダーは、小売業による在庫補充キャンペーンが控えていると楽観視しています。 フォワーダーの見解 英国を拠点とするアナリストの貨物チームリーダーは、「第2四半期の終わりから第3四半期の初めに小売業者が倉庫を空にし始めそうだ。輸送量は増え、運賃の下落が止まるだろう」と述べています。 これは、ほとんどのフォワーダーが共有する見解でした。 DHLのグローバルヘッド DHL Global Forwardingの海上貨物担当グローバルヘッドも、市場は正常化しつつあるとし、「高インフレ、金利、在庫水準などマクロ経済的な逆風は依然として続いているが、これは市場の崩壊ではない」と述べています。 更に、「これは安定に向かう傾向であり、今年後半には全体的な需要状況が改善されると予想している」と語っています。 欧州における在庫減少 ドイツに拠点を置くフォワーダーは、現在ヨーロッパでは特に小売・消費財セクターにおいて、広範な在庫補充は行われていないと述べています。 「顧客は長期的な在庫を持たず、その場限りの在庫補充を行い、短期的な視点で見ている」とし、「最新の市場データを見ると、今後数ヶ月の間の希望が持てる」としています。 PMI調査データ ジャーナル・オブ・コマースの親会社であるS&Pグローバルによる2月のPMI調査データによると、企業が安全在庫バッファを解消する取り組みを強化したため、欧州の生産前在庫は2021年9月以来初めて減少しました。 とはいえ需要増加の明確な兆候はありません。 小売業者の見解 フォワーダーの今年の見通しのほとんどは投機的なもので、欧州のコンテナ船の輸入需要では不確実なものです。 一方でヨーロッパの小売業者の輸入担当者は、市場についてより悲観的な見方をしており、高い在庫水準と、低い需要から、年内に輸入注文を出す可能性は低いと語っています。 「今、いくつかのものを安売りしていて、ガーデン家具やBBQなど、かさばり、倉庫のスペースを取る春シーズン商品を片付けるのが狙いだ」と関係者は話しています。 現場レベルでは楽観視難しく データでは今年の下半期には需要は回復しそうです。 しかし、小売業者、現場レベルではそんな兆候はなく、その予測は間違っているのでは?という印象を受けます。 現在のヨーロッパの消費者物価指数は8.5%と高い状況が続いており、インフレが続いています。 いろんな見方があるかもしれませんが、もしかしたらヨーロッパが一足早く需要が回復するのでは?という見方もあります。 その可能性もあるかもしれない、と考えておいても良いかもしれません。

北米ではバイヤーが強気に!値上げ受け入れず | 物流ニュース・物流ラジオ

北米ではバイヤーが強気に!値上げ受け入れず

どうもこんにちは、飯野です。 本日はWSJの記事から、「北米ではバイヤーが強気に!サプライヤーとバイヤーの関係は再び変化」についてお話していきたいと思います。 2023年3月17日イーノさんの物流ラジオ 小売業者、値下げ認めず 北米大手小売業はコスト抑制のため、サプライチェーンに再び影響力をちらつかせています。 コロナ大流行で変化した小売業者とサプライヤーの関係が、消費者の支出の変化とサプライチェーン全体でのコスト高に対処するために変化しています。 ウォルマート社やホールフーズ・マーケット社などの大企業は、サプライヤーに商品の値下げを迫る一方、衣料品から家電製品までの注文をキャンセルしているところもあるようです。 1年前だとスカスカの商品棚を補充するために商品を急遽入荷しようとしていた購買戦略とは大きく異なるものとなっています。 サプライヤーとバイヤーの関係変化 物流の専門家によると、小売業者は品不足が緩和され、サプライヤーとバイヤーの関係が流行前に戻った今、その規模と購買力を利用して、大手小売業者がサプライチェーンをよりコントロールしようと考えているようです。 現在、多くの小売業者は過剰在庫を避けるため、より慎重に発注しています。 サプライヤーは需要の減少や価格引き下げの要請に対応するものの、インフレによるコストアップで自社の経営の対処が難しくなっています。 注文のキャンセル増加 ミシガン大学のサプライチェーン教授は、「交渉力が変化している」と指摘します。 同氏は、「昨年から始まった在庫過剰の状況は小売業者に大きな打撃を与えており、基本的に注文をキャンセルするようになっている」と語っています。 小売業者、業者にコスト削減を要請 一部の小売業者は、高インフレが消費を鈍らせ始めている中、顧客向けの価格を下げようと、今年に入ってから業者にコスト削減を要請しているようです。 各社は、輸送料金の低下や商品価格の下落を指摘し、価格面での打開策を模索しています。 大手各社の対応 アマゾン・ドット・コムが所有する食料品大手ホールフーズは、サプライヤーに小売価格の引き下げへの協力を要請しました。 ウォルマートは昨年末、値上げに対して反撃するとサプライヤーに伝えています。 ターゲット社は先月、在庫量を昨年のピークから減らし、今後数年間で20億ドルから30億ドルのコスト削減を目指すと発表しました。 消費者需要減退の可能性 サプライヤーは高い原材料費を回収しようとし、小売業者はレジでの価格上昇を抑えようとしています。 消費者の需要が減退する可能性があり、このシフトはサプライチェーンに緊張をもたらすケースもあると記事は報じています。 北米の経済 アメリカでは高いインフレが続いています。 というのも、コストアップが継続的にあったためです。 大手小売はこれ以上のコスアップを認めないとしており、一方でサプライヤーは原材料が上がっているため、それを価格に転嫁できない状況になっています。 日本ではそういった状況はずっと続いていましたが、アメリカでは値上げを止める動きになっています。 値下げによるインフレ打開 こういう状況下において、大手小売の動きは個人的には理解できます。値上げを認め過ぎればインフレは止まりません。 実際に在庫も沢山抱えている状態で、高い値段で買う理由もありません。 値段が下がれば需要が増え、また貨物の輸送需要が増える可能性もあります。 すぐにではなくとも、こういった動きが後々で効いてくるのかもしれません。

ONE、自社船保有を増加!大型コンテナ船10隻発注 | 物流ニュース・物流ラジオ

ONE、自社船保有を増加!大型コンテナ船10隻発注

どうもこんにちは、飯野です。 本日は3月16日付の海事新聞の記事から、「ONE、1万3,700TEU型のコンテナ船を10隻発注」についてお話していきたいと思います。 2023年3月16日イーノさんの物流ラジオ ONE、自社保有船増加 オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)は15日、環境負荷低減技術を導入した1万3,700TEU超の大型コンテナ船10隻を発注したと発表しました。 昨年も環境対応型の最新鋭のコンテナ船10隻を発注しており、ONEは環境戦略にのっとった船舶投資に力を入れています。 環境負荷低減技術の導入 今回発注した10隻はメタノールやアンモニアなどの代替燃料に対応し、船首部には風圧抵抗を低減するバウカバーをはじめとする多様な環境負荷低減技術を導入しています。 加えて、造船所や機械メーカーなどとも協議し、船上CO2回収・貯留システム(OCCS)の竣工時の実装を目指す方針とのことです。 ONE、船舶分野への投資 ONEは昨年3月に公表した中期戦略で、2030年度までに船舶やターミナル、デジタル化に200億ドル以上(約2兆6千万円)の投資を行っていくことを明らかにしていました。 中でも、船舶分野には投資額の半分以上を充当する方針です。 今回の発注も同戦略に基づくもので、最新鋭の新造コンテナ船を安定的に投入していくことで、船隊の強化を図るとともに、効率的で信頼性の高いサプライチェーンの維持などのニーズに対応します。 グリーン戦略推進 環境に優しい資産・技術に対して継続的に投資を行うことで、経営の最重要課題として位置付けるグリーン戦略を推進していきます。 今回の新造発注により、ONEが発足してから自ら発注し保有する自社船舶は20隻になる模様です。 自社保有船と傭船 マーケットの好景気で2022年度が最も収益が高いタイミングです。 船腹数が増加してはいますが、最新の船で自社の船というのがポイントではないでしょうか。 これまでは船会社の多くは傭船をしていました。 以前は傭船率が70%ほどでしたが、昨今では50-60%までに下がり、自社保有率が増えてきました。 自社保有率の増加 自社船比率が上昇するということは、不況時に船会社自身が自社船を処分することで長期契約船のリスク回避することができます。 リーマン・ショック以降、割高な傭船料の船舶を解約できず、累積赤字が数百億円規模まで拡大し、複数の中堅の運航船社が倒産した経緯があります。 よって海運関係者の中には、「海運不況に直面しても、定期用船はすぐに解約できないが、自社保有船なら処分が可能。赤字幅もコントロールできる」という認識があります。 北米の景気後退による海運不況 船会社の財務状況もかなり改善してきており、自社保有率が増えてきているということから、北米の景気後退による海運不況もコントロールできるのかもしれません。 今回のONEの投資は、タイミングとしても投資しやすいタイミングではないかと思います。 ONEの方針は、Maerskとは違って総合輸送ではなく、船での輸送に重点を置いています。 その戦略が今回の船の投資に繋がっているのではないでしょうか。