2026.01.29
紅海危機、再燃か?フーシ派が攻撃再開を示唆、スエズ運河復帰に暗雲
紅海情勢は一度落ち着きを見せたかに見えましたが、ここに来て再び緊張が高まっています。 本日は、フーシ派による攻撃再開示唆と、それに伴うスエズ運河復帰見送りの動きを整理し、今後の海運市況への影響を読み解きます。 動画視聴はこちらから フーシ派が「攻撃再開」を示唆、再び高まる紅海リスク イエメンの親イラン武装組織であるフーシ派が、紅海を航行する商船への攻撃再開を強く示唆しました。 背景にあるのは、米国によるイランへの軍事的圧力の強まりです。 フーシ派は先週末、YouTubeなどの動画プラットフォームに挑発的な映像を投稿しました。 その動画には「Soon(間もなく)」という文言とともに、商船が炎上する映像が含まれていたとされています。 さらに声明では、米国がイランを攻撃した場合、報復を行うと明言しました。 紅海は世界のコンテナ物流における最重要ルートの一つであり、ここでの緊張再燃は即座に海運判断へ影響します。 米国とイランの緊張がフーシ派を刺激 海外メディアの報道を総合すると、米国はイランの核開発問題や地域武装組織への関与を警戒し、紅海およびペルシャ湾周辺で軍事プレゼンスを強化しています。 これに対し、イランの後ろ盾を持つフーシ派は、紅海を事実上の交渉カードとして利用する構えを見せています。 紅海という物流の要衝を不安定化させることで、米国とその同盟国に圧力をかける狙いです。 スエズ運河復帰に急ブレーキ、船社の判断は分かれる この緊張の高まりは、直ちに船社の運航判断に影響しています。 一部船社では「スエズ運河へ段階的に戻れるのではないか」という見方が出ていました。 しかし、今回のフーシ派の警告により、その動きは一気に後退しました。 フランスの大手船社CMA-CGMは、欧州航路の一部で計画していたスエズ復帰を取りやめ、引き続き喜望峰経由での運航を継続すると発表しました。 安全を最優先する判断です。 一方、マースクはインド―米国東岸を結ぶMECLサービスについて、紅海・スエズ経由への変更を発表していました。 しかし現状では、この決定が再び見直される可能性が極めて高いと見られています。 今後の影響、運賃とサプライチェーンはどうなるか 結論として、スエズ運河への全面復帰は当面遠のいたと見るべきでしょう。 喜望峰経由の長期化により、リードタイム短縮は期待しづらい状況が続きます。 燃料費や用船料の高止まりも避けられません。 一方で、足元では旧正月前の需要一巡により運賃には下落圧力がかかっていました。 しかし紅海情勢の再悪化により、供給スペースが再び引き締まる可能性があります。 運賃下落が止まり底堅く推移するシナリオ 地政学リスクを背景にスポット運賃が反発するシナリオ さらに、米国とイランの直接衝突に発展すれば、ホルムズ海峡封鎖リスクが浮上します。 その場合、原油価格の高騰とバンカーサーチャージ急騰が物流コストを直撃するでしょう。 荷主企業にとっては、長めのリードタイム設定や代替ルート、航空輸送への切り替え準備など、BCPの再確認が不可欠な局面です。 地政学リスクが市況を左右する状況は、まだしばらく続きそうです。
