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2020年2月

インコタームズのCグループについて解説!CFR, CIF, CPT, CIPのそれぞれの費用・リスク負担の違いについて。 | インコタームズ

インコタームズのCグループについて解説!CFR, CIF, CPT, CIPのそれぞれの費用・リスク負担の違いについて。

今回はインコタームズのCグループである、CFR,CIF,CPT,CIPについてご説明をしていきます。 筆者はタイのフォワーダーとして活動をしているのですが、輸出国(製造国)であるタイにおいてお客様から多くの貿易条件にてBookingを頂いているのがCIFやCFRとなります。 CFR・CIF・CPT・CIPについて動画で解説 インコタームズ CFRとは CFRとは、Cost and Freightの略称で、日本語では運賃込条件と呼ばれます。CFRは、CIFから輸出者の保険料の負担を除いた条件です。貨物の引き渡し場所と危険移転は輸出港に停泊する船の甲板上に貨物が接地した時でCIFと同じです。 実務においては伝統的な表現であるC&Fと表現されることも多いようですが、正式にはCFRが正しい表記とされていますので、契約書などではCFRと記載しましょう。 Cグループのインコタームズを理解する時におさえるポイント CFRやCIFといったC類型に分類されるインコタームズでは、危険負担と費用負担が輸出者から輸入者へと切り替わる時点が異なります。 そのため、これからインコタームズを学ぼうとしている人や貿易の初心者の方にとっては理解しにくい部分があるかもしれません。 しかし保険や運賃の費用負担と事故などがあった場合に責任を負う危険負担を分けて考えると理解がしやすいと思います。 これはどのインコタームズにも言えることで、以下に挙げる貿易条件を構成する3つの要素を別々に考えることで混乱を避けることができます。 理解すべき分岐点 ・貨物の引渡し場所 ・危険負担の分岐点 ・費用負担の分岐点 ここを理解する事がインコタームズの違いを理解しやすくなるポイントです。 インコタームズ CIFとは CIFはCost, Insurance and Freightの略称で貿易条件の種類であるインコタームズの一つです。 運賃と保険料を輸出者が負担する取引条件のことを指し、日本語では運賃保険料込条件とも言います。 FOB条件などの場合に輸出者が負担する船積までの費用に加えCIF条件では輸入港到着までの運賃と保険料を負担する取引条件となっています。 CFR/CIFにおける貨物の引渡し場所、費用負担・危険負担の分岐点 CIF条件では、貨物の引き渡しは本船積み込み時に完了するとされています。船舶の甲板に貨物が接地(タッチダウン)した時点で危険負担も輸出者から輸入者へと移転します(FOBと同じ)。 しかし保険と運送にかかる費用については本船に積み込み後、船が輸入港へ到着するまでの区間についても輸出者側が負担することとなっています。 CIFの特徴 - 輸出者視点 ・リスク負担:輸出国で船の上に貨物を載せるまで ・費用負担:輸入国に到着するまで輸出者が負担 ですから、CIF条件で貨物についての責任が移転するとされている本船積み込み時とは、厳密に言えば貨物が船の甲板に置かれた時点ということになります。 ちなみに、最新版であるインコタームズ2010において、長年にわたり、FOB、CFR、CIFの各条件で危険負担の分岐点として想定されていた「本船の手すり (Ship's Rail)」の文言が削除され、物品の危険は「物品が本船の船上に置かれた(On board)」時に売主から買主に移転するとされました。 インコタームズ CPT/CIPとは インコタームズのCグループにはCFRとCIF以外にも、CPTとCIPがあります。CPTとCIPの条件も合わせて簡単に見てみましょう。 まずは用語の解説と、CPTとCIPの違いですが の略となります。 違いについてはCFRとCIFと同様にIのあるCIPが保険ありで、CPTが保険なしの条件になります。このようにして覚えるとそれほど難しくはないと思います。 CPT/CIPのリスク負担 CFRとCIFではリクス負担の切り替わる場所は船の甲板の上に貨物が乗ってからでした。 一方でCPTとCIPではリスク負担の切り替わる場所は輸出側のCYやCFSになります。 CPT/CIPの費用負担 そして費用負担についてですが、Cグループは全て同じで 輸入側の港までが輸出側の費用負担となります。 まとめ 今回は、CFR,CIF,CPT,CIP条件について見てきました。CIFの保険については、輸出者が義務付けられているのは最低限の填補範囲ですがこれについても取引相手と契約内容を確認しておく必要があります。 Cグループの条件(特にCFRとCIF)は比較的良く用いられる契約条件です。良い取引のために内容についてしっかりと理解しておきましょう。

インコタームズのFOBを解説!FCAとの違いやリスク・費用負担、貿易条件のメリットについてお話しします。 | インコタームズ

インコタームズのFOBを解説!FCAとの違いやリスク・費用負担、貿易条件のメリットについてお話しします。

貿易取引において重要なのはリスク管理とコストです。筆者が輸入する時に頻繁に使う貿易条件はFOBなのですが、国によって貿易条件を変えております。 輸入の場合は慣れている国だとFOB、そうでない場合はCFR。使い分けが肝心です。今回は輸出者、輸入者のそれぞれの立場からインコタームズのFOBについて見ていく事にしましょう。 FOBについて動画で解説 貿易が得意な弊社の立場からFOBをどのようにして使うのかを含めて解説をしています。是非ご覧ください。 インコタームズ FOBとは FOBは日本語では本船渡し条件、または甲板渡し条件とも言います。 輸出地の港に停泊する船舶の甲板において費用や危険負担の責任が移転する取引条件のことです。 FOBは英語のFree On Board の略称でこの場合のBoardは船舶の甲板を指します。ですからFOBとは船舶の甲板において、輸出者が責任から自由になる(責任が輸入者へ移転する)という意味になります。 船積書類などには、「FOB TOKYO」のように、FOBの後には輸出港の名前が表記されます。「FOB TOKYO」であれば、「東京港に停泊する船舶の甲板において、責任が輸出者から輸入者に移転する」という意味になります。 輸出港の船舶上で責任が輸出者から輸入者へと移転するので輸出者にとってはリスクが比較的少なく、輸入者にとってはEXWよりは責任範囲が狭いものの一定以上の取引経験やリスクヘッジが求められる条件と言えるでしょう。 FOBにおける貨物の引渡し場所、費用負担・危険負担の分岐点 FOBでは費用や危険負担の責任は船舶の甲板に貨物が接地(タッチダウン)した時点で輸出者から輸入者に移転することになっています。 貨物が船舶に積載されてからは輸入者が責任を負いますが、貨物が積み込まれる船の予約については実際には輸出者が行うこともあります。 ちなみに、最新版であるインコタームズ2010において長年にわたり、FOB、CFR、CIFの各条件で危険負担の分岐点として想定されていた「本船の手すり (Ship's Rail)」の文言が削除され、物品の危険は「物品が本船の船上に置かれた(On board)」時に売主から買主に移転するとされました。 ガントリークレーンの恐怖 コンテナを使用する海上輸送の場合、コンテナをターミナルから船舶上に積み込むのは実際には港湾業者や船会社が行う業務です。 そのため輸出者は本船への積み込み作業を自社でコントロールすることができません。 なのでFOB条件ではガントリークレーンを使った本船への積み込みの間の責任も輸出者にあるとされるので積み込み時のリスクも考慮に入れなければいけません。 これに対しFCA条件では貨物が運送人の管理下にあるコンテナヤード(CY)で引き渡され、輸入者指定の運送人の管理下に置かれた時に貨物の引き渡しが完了し危険負担が輸入者に移転します。 輸出者側から見たFOB FOBは輸出者側は自国の港までの責任を持てばその後の船舶輸送や輸入地での輸送は輸入者に委ねることができるので、輸出者側から見たら比較的責任負担の軽い取引条件だと言えます。 輸出者としてはリスクを避けるためには、コンテナ輸送の場合はコンテナターミナルなどの運送人の施設で責任が移転するFCA条件をFOB条件の代わりに提案するのが望ましいとされています。 輸入者側から見たFOB 輸入者にとっては特定の輸入国から頻繁に輸入しているのであれば海上運賃の値下げ交渉をフォワーダーにする事が出来るのでFOB取引のメリットがあるでしょう。 一方で輸出者のほうが大量の貨物を輸出しているようなメーカーであればFOBではなくC&F取引の方が良いでしょう。何事も取扱量が多く、慣れているほうが手配するほうがスムーズですしコストメリットもあります。 ここで取引するフォワーダーがその輸出国からの物流に強いかどうかがポイントです。上述していますが頻繁に輸入をしているのであれば選択肢も多いでしょうしスムーズな取引が出来ます。 そうでなければ他の取引条件での交渉も検討した方が良いでしょう。 まとめ 今回はFOBについて詳しく見てきました。FOB条件は輸出港に停泊する船の甲板上で責任が移転します。 輸出者、輸入者どちらの立場の場合でも見積もりや取引にあたってFOB条件について正確に理解しておくことは重要です。FOB条件での取引を考える際はそのメリットやリスクについて十分に検討した上で契約を結びましょう。

貿易条件インコタームズの EXW・Ex-Worksについて危険負担やリスク移転などを徹底解説しました。 | インコタームズ

貿易条件インコタームズの EXW・Ex-Worksについて危険負担やリスク移転などを徹底解説しました。

貿易取引においてインコタームズを正しく理解する事で売り手・買い手間におけるトラブルを出来るだけ小さくする事が出来ます。 今回はEXWに焦点を当てて、輸出側(売り手)と輸入側(買い手)のそれぞれの立場でのメリットとデメリットについて解説をしていきたいと思います。 またインコタームズにおける基本的な情報につきましてはこちらにまとめています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/incoterms/?lang=ja" target="_blank"] EXW(Ex-Works)について動画で解説 輸出者と輸入者の立場でそれぞれのデメリットについて解説をしていますので、是非ご参照ください。 EXWとは EXW(エクスワークス、またはイーエックスワークスと読む)は、貿易の取引条件を示すインコタームズと呼ばれる略称の一つです。 日本語では工場渡し条件、または工場引き渡し条件とも言います。 EXWの特徴 インコタームズには、全部で11種類の貿易条件がありますが、EXWはその中で最も売主にとって負担が少なく、リスクが小さい条件です。 EXWにおける費用負担・危険負担の分岐点 EXWでは売主が自社の拠点である工場や倉庫などにおいて貨物を買主に引き渡した時点で、費用と危険を負担する責任が買主へと移ります。 つまり引き取りに用いるトラックの経費などの輸出国での輸送費用から、輸出通関、船・飛行機等の運賃、輸入地での輸送費用まで、その後の費用や危険は全て買主が負担することになります。 インコタームズとして定められた11規則の中で買主側が輸出国での輸送費用や、輸出通関の費用を負担する規則はEXWだけとなっています。 ただし売主も関係省庁から輸出認可を取得したり輸出通関を行う際に輸入者が必要とする情報を提供したりすることについては、売主はサポートする義務があると定められています。 輸出者側から見たEXWはどんな条件? 輸出者側から見れば商品を期日内に生産し、自社の敷地内で買主に貨物を引き渡せば後はほぼ全ての業務を買主である輸入者が行ってくれるということになります。 そうした意味では、これから海外への輸出を始めようとしている場合や、輸出先の国が初めての貿易相手国である場合などに適した貿易条件だと言えます。 輸出経験の少ない事業者様はEXW条件での取引を検討してみると良いかもしれません。 輸出者側のメリットとデメリット では輸出者側から見たEXWのメリットとデメリットについて考えてみましょう。 輸出者側のメリット 輸出者としては貨物を自社の敷地で引き渡すだけで良いので梱包費用などを除いて基本的に物流費用は発生しません。 また事故や誤配など運送の間に生じる可能性のある危険についても輸入者側が責任を負うので危険負担も少なくて済みます。 さらに、フォワーダーなどとの契約や通関などの事務手続きも輸入者側の義務となり輸入者側が指定したフォワーダーが行うので輸出に伴う業務の負担も最小限となります。 こうしたメリットをまとめると、以下のようになります。 輸出者がEXWを利用する時のメリット 輸出者のメリット ・運送などの費用負担が最も抑えられる。 ・事故などがあった時の危険負担が最も少ない。 ・通関などの貿易手続きを行う必要がない。 輸出者側のデメリット ではEXWでは輸出者にとってのデメリットはないのでしょうか? 確かにEXWは最も輸出者の負担が少ないと言われていますが、買主との関係を考えると立場的に不利になることも考えられます。 実際の取引を考えてみましょう。 EXW条件で輸入を行う場合、事業者は相手の敷地内での貨物引渡し後 全ての運送業務を自社で手配しなければなりません。 そのためには、貿易取引について熟知している必要があります。つまりEXWにおける輸入者は貿易のベテランである可能性が高いのです。 このような取引相手に対し、輸出者が価格面で良い条件を引き出すことはかなり難しいと考えられます。相手は貿易の上級者である上、運送などのリスクを引き受けてくれるのです。 比較的経験の浅い輸出者の場合、EXWではこうした理由から国内外の販売価格を利用して大きく儲けるといったことは難しくなる可能性があります。 デメリットをまとめると以下のようになります。 輸出者がEXWを利用する時のデメリット 輸出者のデメリット ・貨物受渡し以降の輸送手段などを選ぶことができない。 ・買主が多くの業務を負担するため、価格交渉において不利になることも。 輸入者側から見たEXWはどんな条件? 輸入者側から見るとEXWは貿易相手国における輸送から全て自社で手配する必要があるので、現地の取引に慣れているなど豊富な経験や知識が必要とされる条件です。 輸入者側のメリット、デメリット 今度は輸入者側からみた場合EXWにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを考えてみましょう。 輸入者側のメリット EXWは輸入者にとって良い点もあると考えられます。 EXWでは自社で運送会社や保険会社を選択することができるので、そうした意味でもEXWが買主にとっては最も安く輸入することができる条件だと言われています。 さらに、輸送などの手間やリスクを全て自社が負担することで値下げなどの有利な条件を相手に提案する事が可能です。 輸入者がEXWを利用する時のメリット 輸入者のメリット ・商品を最も安く輸入することができる条件と言われている ・輸送や危険の負担を担う分、取引相手との交渉において有利な立場に 輸入者側のデメリット 輸入者側のデメリットはやはり輸送に伴う危険を最も幅広く負担しなければならない点でしょう。 輸出者の敷地からあらかじめ定められた国内の地点まで全てのリスクについて責任を持たなければなりません。 また輸出国での輸送や輸出通関を行わなければならない為に、取引を行っているフォワーダーがそれらの手配について得意なのか可能なのかを確認する必要もあります。 もし取引先のフォワーダーがそれらの業務を行うことが出来ない場合は、他のフォワーダーを探すかEXWの使用を避けて契約しなければなりません。 輸入者がEXWを利用する時のデメリット 輸入者のデメリット ・危険や費用の負担について、最大の範囲で責任を負う必要がある ・輸出国での通関やフォワーダーの選定などについて、高い能力が必要とされる まとめ 今回はEXWについて詳しく見てきました。輸出者・輸入者の双方の立場からEXWの条件を考えていますので自社の状況に照らし合わせてお読みいただけるとよりイメージしやすいかと思います。 EXWはインコタームズの中では最も輸出者側の負担が少ない条件ですので、これから海外へ販売展開を考えている会社などは取引相手に一度EXWでの取引を打診してみるのも良いかと思います。 また、輸入者の場合も価格を抑えたい場合はEXWで輸入を行うことができないかフォワーダーなどと相談して検討してみると良いでしょう。

B/Lの内容を解説!間違いやすい箇所やミスした時の問題と対処法を解説します。

B/Lは貨物を国外に輸送する時に船会社やフォワーダーから発行される書類であり、また荷受側が貨物を受け取る為に使われるとても重要な書類です。 今回はB/Lに記載しなければいけない主要な項目やありがちなB/Lの記載ミスによる問題について解説していきたいと思います。 B/Lの主要項目は船社やフォワーダーによって書式は若干異なるのですが、基本的には共通しています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-bl/?lang=ja" target="_blank"] 「船荷証券(B/L)」の主要項目 B/Lの主要項目 ① 船会社名 ② 船荷証券番号 (B/L No.) ③ 荷送人 (Shipper)※輸出者のこと ④ 荷受人 (Consignee)※輸入者のこと ⑤ 着荷通知先 (Notify Party) ⑥ 本船名 (Ocean Vessel) ⑦ 荷受地 (Place of Loading) ⑧ 荷揚げ港 (Port of Discharge) ⑨ 荷渡し地 (Place of Delivery) ⑩ 商品明細 (Description of Goods)* マーク、数量、重量、コンテナの本数など ⑪ B/Lの種類 ⑫ 運賃の支払い場所 * Prepaid(Shipper支払い) or Collect(Cnee支払い) ⑬ 揚げ地側の代理店情報 ⑭ 船積み年月日 B/Lのミスは貨物ストップを意味する B/Lの記載にスペルミスなどの間違いがあると修正(リバイス)しなければ通関で申告が出来ず揚げ地側で貨物の引き取りが出来ません。 B/LはShipperが発行するS.I(Shipping Instruction)を元に作成されますが、スペルミスは頻繁に見られます。 特にShipper, Cnee, Notify, Descriptionのミスには注意して下さい。社名や住所の英語記載でスペルミスは頻繁にあります。 また貨物の数量や重量がPacking Listと違う場合もよくあります。 B/Lを修正するには時間がかかる場合があり、貨物が到着しているのにB/Lの修正が出来ていないため貨物が取り出せないケースがあります。 オリジナルB/Lが既にCneeに送られている場合はB/Lを輸出地側に送り返さなければ修正できません。 B/Lの修正に時間がかかっている間にフリータイム(港での無料コンテナ保管期間)が切れてデマレージ(港でのコンテナ保管費用の超過料金)が発生する場合もあります。 コンテナ一本単位でデマレージが発生するので、コンテナ本数が多いShipmentだとかなりの金額になり大問題になります。 B/Lの記載内容についてはDraftの時点でしっかりと確認し、発行後も輸出地側と輸入地側で注意して確認しましょう。 ハウス B/Lのメリット B/Lには船会社が発行するマスターB/Lとフォワーダーが発行するハウスB/Lがあります。 B/Lを作成するときにミスをしないのが前提なのですが人が作成するものなので、やはりミスは発生する場合があります。 そのミスをいかに早くリカバーするか。経験もあり対応の良いフォワーダーのサービスを使っていると問題発生時にいち早く解決してくれます。 B/LもハウスB/Lを使う事で早急に問題が解決しやすくなるので、マスターB/LではなくハウスB/Lの利用をお勧めします。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/hbl-mbl-difference/?lang=ja" target="_blank"] まとめ 貿易においてB/Lは非常に重要な書類です。B/Lは有価証券ですので発行する船会社やフォワーダー側としても正確に厳しく管理しなければいけません。 またお客様にもS.Iに間違いがない事や、ドラフトB/Lの時点での確認にご協力をお願いしています。書類の内容をしっかりと確認してスムーズに貿易取引が進められるようにしましょう。

ハウスB/LとマスターB/Lの違いとは?メリットとデメリットを理解しよう。 | 物流コラム

ハウスB/LとマスターB/Lの違いとは?メリットとデメリットを理解しよう。

海上輸出を手配するときに一般的にフォワーダーにBookingをします。 その取り扱いの際にB/L(船積証券)を発行することになるのですが、お客様はハウスB/LかマスターB/Lのどちらか使用する事を選ぶことが出来ます。 ハウスB/LとマスターB/Lにはそれぞれメリット・デメリットがあり、その違いをしっかりと理解した上でBooking時にフォワーダー に伝えましょう。 それでは、ハウスB/LとマスターB/Lの違いについて解説していきましょう。 House B/LとMaster B/Lの違いについてのアニメ動画解説 ハウスB/LとマスターB/Lとは? B/LにはオリジナルB/L, サレンダードB/L, Sea Waybillなどの種類がありました。このB/Lの種類についてはこちらに詳しく記載しております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-bl/?lang=ja" target="_blank"] ハウスB/LとマスターB/Lの違いは簡単に言うと発行者の違いです。 ハウスB/LとマスターB/Lの違い ・ハウスB/L - House B/L(HBL) : フォワーダーが発行 ・マスターB/L - Master B/L(MBL): 船会社が発行 貨物取り扱いにハウスB/Lを使用した場合 ハウスB/Lを発行する時には、同時にマスターB/Lも発行されています。 お客様にはハウスB/Lしか送られないので、その存在が分かりにくいのですがマスターB/Lはフォワーダーの業務で処理をされております。 ではHBLの書式例を見てみましょう。 ハウスB/Lの例 HBLの記載ポイント ① Shipper欄:貨物の輸出者名が記載 ② Cnee欄:貨物の輸入者名が記載 ③ B/Lのフォーマット:フォワーダーのものを使用 ④ B/Lの差入れ先:B/Lを発行したフォワーダーの代理店及び関連会社 ハウスB/L使用時のマスターB/Lの例 MBLの記載ポイント ① Shipper欄:輸出を手配するフォワーダー名を記載 ② Cnee欄:B/L差入れ先のフォワーダー名を記載 ③ B/Lのフォーマット:船社のものを使用 ④ B/Lの差入れ先:B/Lを発行した船社の代理店及び関連会社 HBLをお客様に使用する時のポイント このようにハウスB/Lを使用した際には1shipmentでB/LはハウスB/LとマスターB/Lの2セットが発行されています。 このように2セットのB/Lが存在しているので、輸入した貨物が通関で引っかかった時に、ハウスB/Lは問題ないけれどもマスターB/Lに間違いがあるという事が稀に発生します。 貨物取り扱いにマスターB/Lを使用した場合 ハウスB/Lではなく、お客様がマスターB/Lを使いたいと指定してくる事もあります。 その時のマスターB/Lの書式例を見てみましょう。 マスターB/L使用時のB/Lの例 MBLをお客様に使用した場合のポイント ① Shipper欄:貨物の輸出者名が記載 ② Cnee欄:貨物の輸入者名が記載 ③ B/Lのフォーマット:船社のものを使用 ④ B/Lの差入れ先:B/Lを発行した船社の代理店及び関連会社 先ほどのハウスB/Lを使用した場合とは違い、B/Lのフォーマットは船会社のもので、Shipperには貨物の輸出者名が記載されており、Cneeには貨物の輸入者が記載されています。 フォワーダーの名前はどこにも記載されていません。 では、このようにハウス・マスターB/Lを利用した際にどのようなメリット・デメリットがあるのか、以下に解説をしていきます。 ハウスB/Lのメリット・デメリットとは? ハウスB/Lのメリット ・発行するのが早い ・修正するのが早い ・フレキシブルな対応が可能 ・原産地証明の申請にも影響 ハウスB/Lのデメリット ・揚げ地でD/O費用(約USD50)が発生する ハウスB/L発行のポイント 一般的にB/Lは貨物港を出港した後に発行されますが、ハウスB/Lの場合は出航前からB/L作成の準備が出来ていたりするので、出航後すぐにお客様にB/Lをお届けする事が出来ます。 また国際輸送においてはB/Lにミスがある事は珍しくありません。Gross Weightが違ったり、サイズが違ったり、DescriptionにHS Codeを記載しなければいけなかったなど。 この時にハウスB/Lだとフレキシブルなサービスを提供しているフォワーダーであれば、すぐに修正する事が出来ます。 また原産地証明書の発行のスピードにも影響します。原産地証明書の発行にはB/Lが必要になります。 ハウスB/Lの場合は出航後にすぐにB/Lを入手する事が出来るので、すぐに原産地証明書の申請が可能になります。 特に近隣国へ輸出する時はHBLがお勧め! 近隣国への輸出の場合、書類を発行している間に貨物が到着してしまっているというのはよくあります。 必要書類がないと輸入通関が進められませんので迅速な書類発行というのは物流では非常に重要なポイントなのです。 マスターB/Lのメリット・デメリットとは? マスターB/Lのメリット ・揚げ地でD/O費用が発生しない。 ※DOC Feeとして約USD20のみ マスターB/Lのデメリット ・発行に時間がかかる ・修正に時間がかかる ・フレキシブルな対応は無し ・原産地証明の入手に時間がかかる ハウスB/Lと反対の事がマスターB/Lを使用すると発生します。 船会社がB/Lを発行するので一般的には船が港を出港してから、早くて翌日 or 翌々日にB/Lが発行されます。 海外でよくあるケースですが船社のB/L発行部隊の人材不足の問題やシステムエラーなどでとにかくB/Lの発行が遅くなる事もしばしばあります。 それでもお客様からはマスターB/Lを使ったとしてもミスがないように注意するよう指示され、B/L発行後とにかく超特急で持ってくるように依頼されたりすることもあります。 まとめ 昨今の物流においてはとにかくスピード化が進んでいます。お客様も在庫を出来るだけ作らないようにスケジュールを組んで製造していますので、貨物と書類の流れが同じように進まないと製造・輸送スケジュールに影響してしまいます。 貨物は動いていますので、それを取り扱う為の「書類」を迅速に扱えるかどうか。 私たちはフォワーダーですので、フォワーダーの立場でものを言ってしまいますがハウスB/Lを使用した方がかなり安全です。 文化・言葉が違う国際間の取引ですし、更に言えば人間が書類作成し、取扱いを管理しています。国際間取引では何かしらの問題が発生してしまう事はよくあります。 安定的に問題をいかにしてコントロールするか。その為にハウス・マスターB/Lのメリット・デメリットを理解してご利用頂ければと思います。

B/Lについて解説!貿易取引において重要なB/Lの種類と役割とは? | 物流コラム

B/Lについて解説!貿易取引において重要なB/Lの種類と役割とは?

貿易事務や実務で覚えなければいけない書類の代名詞である「B/L」。貿易においてB/L(船荷証券)は非常に重要な役割を持ちます。 今回はB/Lの役割について出来るだけ分かりやすく解説をしていきたいと思います。 B/Lについての解説動画はこちら B/Lの役割と流れについてのアニメ動画解説 B/Lの種類についてのアニメ動画解説 B/L(Bill of Lading)とは 簡単に言えばB/Lとは「貨物受領書類」&「貨物引渡し書類」です。 B/Lを発行するのは輸出者側の船会社で、船が港を出航したタイミングで発行されます。 そしてB/Lがなければ輸入者は港に到着した貨物を引き取ることが出来ません。故にB/Lを紛失してしまうと大問題に繋がってしまいます。 国際貿易の中では製品(モノ)と製品代金(カネ)のやり取りにこのB/L(カミ)が活用されるケースが多々あります。 貨物が完成し、船積みを完了したとしても輸入者側からの代金が支払われていない場合、輸出者側はB/Lを差し押さえる事で代金回収リスクを防ぐことが出来ます。 反対に輸入者が製品代金を支払ったにも関わらずB/Lが送られてこないケースも稀にあります。それを避ける為に貿易取引ではL/C(Letter of Credit)を利用する事もあります。 L/Cについての詳しい説明はまた別の機会にしますが、L/Cを使う事で輸出者は代金回収リスクを避け、輸入者は支払ったにも関わらず製品未納リスクを避ける事が出来ます。 B/L発行から貨物引き取りまでの流れ ※オリジナルB/Lを使用した場合。 ① 本船が港を出港する(ETD) ② 船社からB/Lが発行される ③ 輸出者(Shipper)が輸入者(Cnee)にB/Lを郵送する ④ 輸入者がB/Lを船社(or フォワーダー)に差し入れる ⑤ 船社が貨物をリリースする ※詳しくはB/Lを入手する事で、D/Oという貨物引き渡し書類と交換して貨物を引き取ります。 B/Lには船会社が発行するMaster B/Lとフォワーダーが発行するHouse B/Lがあります。MBLとHBLの違いについてはこちらに記載しています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/hbl-mbl-difference/?lang=ja" target="_blank"] では以下にB/Lの種類とその役割について解説していきましょう。 オリジナルB/Lとは 通常B/Lはオリジナルという「原本」を売り手(輸出者)と買い手(輸入者)の間で貿易取引に用います。このオリジナルB/Lの原本を買い手(輸入者)が入手出来れば貨物を港から取り出す事が出来ます。 オリジナルは3部発行されます。3部発行される理由としてはB/Lの紛失を防ぐ為です。オリジナルB/Lは「原本」を輸出者から輸入者にDHLやFEDEXなどのクーリエ便で郵送します。 1度に3部送るのではなく、飛行機を2便、3便と分けて送る事でB/Lの紛失リスクを防ぐことが出来るのです。 サレンダードB/Lとは サレンダーとはB/Lの元地回収の事です。上述したようにオリジナルB/Lでは原本が輸入者側に到着しないと貨物を港から引き出すことが出来ません。 ですが輸送先が近い場合(レムチャバンからホーチミンは3−4日間)や船足が早い便で貨物を輸送した場合、貨物がB/Lより早く港に到着してしまう事はよくあります。 スピーディーに貨物を取り出す為にB/Lを輸出者側(元地)で回収するのがサレンダーです。 この場合、輸出者側から船会社にサレンダーのリクエストをして、サレンダー費用を船会社に支払います。タイだとサレンダー費用はTHB1,300 - 1,500/BLくらいです。 B/Lに”Surrendered” というスタンプが押され、輸出者はその書類の「コピー」をメールやFAXで輸入者に送り、このB/Lのコピーで貨物の引き出しが可能になります。 輸出者がオリジナルB/Lを輸入者に送らず、代金の入金確認が出来たらB/Lをサレンダーして、そのコピーをメールするというケースはよくあります。 輸出者が船会社にサレンダー費用を支払うのは輸入者から代金の回収について問題がないからですね。 Sea Waybillとは Sea WaybillはB/Lとは違い有価証券ではありません。故にSea Waybillを使って貨物を輸送すると輸入者側の商品代金の有無は関係なく、輸入者によって貨物が港で引き出すことが出来るのです。 オリジナルB/LやサレンダードB/Lと比べて、Sea Waybillが発行されたら貨物が取り出せるというスピードのメリットはあるのですが、輸出者側に代金回収リスクが生まれてしまいます。 またSea Waybillは有価証券ではないのでL/Cにも利用される事はほとんどありません。 故にSea Waybillは輸出者と輸入者の間で長く取引があり信用がある場合や、子会社・グループ会社間で信用が確保されている場合に利用されます。 稀にお客様(輸出者)からSea Waybillを依頼されることがありますが、Sea Waybillの特徴をしっかりと説明させて頂いております。 まとめ 今回はB/Lについての基本概要を説明しましたが、今回の内容は「モノ」・「カネ」・「カミ」の概要を理解する為に事務取引の手順を一部省略して解説しています。 貿易実務担当者であれば上記の内容を理解していることが最低条件です。まずは概要を理解しましょう。

インコタームズを図解!とにかく分かり易く貿易条件を解説しました。 | インコタームズ

インコタームズを図解!とにかく分かり易く貿易条件を解説しました。

貿易用語で最初の関門とは何でしょうか。私はインコタームズだと思います。CFRやEXWなど英単語3文字で表現されるインコタームズは何と11種類もあります。 でもご安心ください。ぶっちゃけフォワーダー歴8年の筆者も11種類のインコタームズを覚えていません。でも何とかなっております。 もしあなたが貿易業務を始めることになり、「まず最初にインコタームズを覚えなさい!」と先輩に言われたとしても11個全てを覚える必要はありません。 覚えるのは頻繁に貿易業務に出てくる6個だけで大丈夫です。もし他のも覚えたければこの基本の6個を理解してから拡張していくのが良いでしょう。 今回はとにかく分かり易くインコタームズについて解説していきます。 インコタームズとは? インコタームズを図解する前に、そもそもコレって何のために使うものなのかをご説明します。 インコタームズとは貿易取引において 「売り手」と「買い手」で ・誰がどこから運賃を支払うのか ・誰がどこから貨物の責任を取るのか という国際的な取り決めだとざっくり理解しましょう。この2点を取り敢えず理解すればOKです。 貿易においては様々な工程を経て貨物が届けられます。この各工程においての輸出者と輸入者の双方が、どこからどこまで責任を取るのかを決めなければ貨物トラブルがあった時に責任の所存がハッキリせず貿易取引がより複雑になってしまいます。 インコタームズを図解してみる インコタームズをマスターするコツは、覚えるのではなく理解する事です。今回は理解しやすいように6個のインコタームズを図解して説明をしていきます。 文字だけでなく図を見る事で頭にイメージが入ってき易くなるので、すぐに覚える事が出来ますよ。 EXW/イーエクス・ワークス(出荷工場渡し) 貨物を輸出先の工場から買い手に渡すのがEXWです。イーエクスワークス、またはエクスワークスとも言います。 輸送費用と貨物責任は工場で貨物をトラックやコンテナに積み込んでから、買い手に渡ります。 このように売り手からしたら、工場で商品を生産し終わり、積み込みが完了した時点で貨物責任は買い手に移るわけなので、売り手からしたらとても楽な取引と言えるでしょう。 買い手に荷物が届くまでに何か物流の問題があったとしても売り手の責任にはならないのです。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-exw/?lang=ja" target="_blank"] FOB/Free On Board(本船甲板渡し) FOBは輸出側で本船に乗ったら貨物の責任が買い手に渡る取引条件です。 輸出側の国内費用(トラック・通関・港の諸費用)は売り手が負担し、買い手は海上運賃から輸入にかかる諸々の費用を負担します。 EXWでは全ての運賃は買い手負担だったのですが、FOBでは現地の運賃は売り手の負担です。ですがこの運賃は売り手側によって現地の輸送業者に支払われますが、一般的には製品代金に乗っかっています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-fob/?lang=ja" target="_blank"] C&F/Cost&Freight(運賃込み) C&F(CFRとも呼ばれる)では売り手側が、買い手国の港に貨物を着けるまでの費用と責任を負担する取引条件です。万が一、海上輸送中にトラブルが発生した際には買い手側の責任になります。 ※厳密に言えばC&Fではリスクは買い手に移っています。分かりやすくするためにこのように記載しております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-cif/?lang=ja" target="_blank"] 買い手側が保険を掛ける事が出来る CIFでは売り手側が保険をかけるのですが、C&Fで買い手が保険を掛けるのも実は一般的です。貨物の内容によっては保険の掛け方に注意しないといけないものもありますから。 売り手側や買い手側に全てを任せるのではなく自分たちでコントロールする事が大切です。 CIF/Cost, Insurance & Freight(運賃・保険料含む) CIFは上述したC&Fに売り手側が保険(Insurance)を掛けた取引条件です。 保険の掛け方と保険料についてはこちらの記事に記載をしております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/cargo-insurance/?lang=ja" target="_blank"] DDU/Delivered Duty Unpaid(仕向地持ち込み渡し・関税なし) DDUは売り手が買い手の指定した届け先までの運賃を責任を負担する取引条件です。ですが輸入関税や消費税は買い手の負担となります。 関税・消費税の金額は小さくありませんし、会社のキャッシュフローにも影響します。筆者の経験では次に説明するDDPより、このDDU条件の方が多い印象です。 DDP/Delivered Duty Paid(仕向地持ち込み渡し・関税含む) DDPは売り手が貨物の運賃と責任を全て負担する取引条件です。輸入関税・消費税も売り手が負担します。 輸送中に問題があっても売り手が負担するし、税金も払わなくても良いので、買い手にとっては最も楽な取引条件ですね。 とはいえ売り手が全てを負担するとは言っても、大体が製品費用に乗っかっています。この場合、売り手は運賃をそのままの金額を乗せている訳ではなくて、いくらかの利益を乗せて買い手に費用算出をしている場合があります。 買い手側としてはもしコストを出来だけ抑えたいというのであれば、手間ではありますが物流は自分たちで手配する方がよりコントロールも出来るし製品に余計な金額が付加される事はありません。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/ddu-ddp/?lang=ja" target="_blank"] まとめ インコタームズで頻繁に使われるのがこの6つとなります。全ての取引条件において売り手と買い手の同意がベースにあります。 もし始めて輸入する国という場合はFOBやC&F/CIFの方がいいかもしれません。 輸出の場合はC&F/CIFの方がおすすめです。 現地の国内の輸送費用を把握するのは取引のあるフォワーダーの得意不得意にもよります。そのフォワーダーがあまりその国から輸出入経験が少ないとなると現地側に任せる方が良い場合が多いのです。 全てケースバイケースなのですが、それぞれの取引条件の特徴を理解してスムーズな貿易取引が出来るように今回ご紹介した6つのインコタームズを覚えてみて下さい。 企業様の貿易・新人研修にお勧めの無料コンテンツ

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。 | フォワーダーの仕事

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。

「フォワーダー」というと一般の方にはあまり聞き慣れない職業で、何をしている業者なのか分かってもらえない時があります。 確かに私もフォワーダーという職業については実際に自分がなってみるまではよく分かっていませんでした。物流の手配をするんだけど、明確に何の仕事をするのかが全く不明でした。 ですので、今回のお話しはフォワーダーという職業に興味を持っている方のためにフォワーダー歴9年の著者よりご説明をしたいと思います。 フォワーダーの仕事内容について動画で解説! フレイトフォワーダーとは? では、まずWikipediaで「フォワーダー」を調べてみましょう。 フォワーダー(Forwarder)とは貨物利用運送事業者のことであり、荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者を指す。 一般的には貨物利用運送事業者のうち国際輸送を取扱う業者を指す。航空輸送を得意とする業者をエア・フレイト・フォワーダー(フォワーダー)、海上輸送を得意とする業者をNVOCC(非船舶運航業者、Non-Vessel Operating Common Carrierの略、NVと略されることもある)と呼ぶこともある。 簡単にいうとその通り。世界的にお馴染みの企業名に「DHL」や「Fedex」(これらはクーリエとも呼ばれるが)があり、日系企業だと「日通」などが有名です。 フォワーダーの仕事は物流をコントロールする事 海外に物を送るというのは実は様々な工程を経て貨物が送り先に届けられます。トラックに乗せて「はい、終わり!」という感じではありません。 国際輸送の一般工程 海上・航空輸送の輸送工程例 ・貨物の梱包 ・貨物のトラック積み込み ・貨物の国内配送 ・書類の確認フォーム申請 ・輸出通関 ・貨物の積み込み(港・空港) ・海上/航空輸送(船・飛行機) ・貨物の積み下ろし(港・空港) ・貨物によって各省庁に届出 ・輸入通関 ・港で貨物のピックアップ ・荷物の配送 ・貨物のお届け/積み下ろし 国際物流にトラブルはつきもの 断言します。毎回 問題なく100%スムーズに貨物が送り先に届く事はありません。 お客様にとっては毎回大きな問題なく荷物が届いていると思うかもしれませんが、その問題解決を水面下で解決しているのが私たちフォワーダーです。 天候、船の遅れ、書類のミス、港でのストライキ、港での機材トラブル、通関など。様々な要因で貨物の到着が遅れたり、止まったりします。 これらの原因を可能な限り回避・調整してスケジュール通りにお客様に貨物を届けるのがフォワーダーの役割となります。 情報力が大きな差を生む フォワーダーはお客様の貨物を運ぶサービスを提供している事業者です。商品の品質というよりサービス品質がフォワーダーとしてのレベルに大きく影響します。 その中でより大きな要因なのが情報力です。 イケてるフォワーダーの条件 上述しているようにフォワーダーはサービス業です。国際物流に従事している業者として、お客様に提供出来る良いサービスとは何でしょうか? ここで著者が考えるイケてるフォワーダーの条件をご紹介しましょう。 イケてるフォワーダーの条件 ・沢山の選択肢を持っている ・お客様の都合に合わせた最適な提案 ・船のスペースが取りやすい ・輸送費用が他社より安い ・お客様にリスクをしっかり伝える ・問題発生時に全力で解決に取り組む ・通関で貨物が止まらない(特に東南アジア) ・法規制に沿った正しい申請をする 営業担当者やCS担当者の力量による 製造業とは違いフォワーダーはサービス業です。ですので営業マンやCS(カスタマーサービス)担当者の知識やレスポンスの早さによってサービスの質が変わります。 お客様のリクエストに対して、最初からすぐに出来ないと言う人や少しやって難しいと諦めてしまう人より、全力で頑張ってお客様のご要望に答えようとする営業マンがいればその人にお客様はついていきます。 営業マンが同業者に転職をした時に一緒に、その営業マンにお客様がついていく事はよくあります。 なぜなら担当者がかわった事によりサービスレベルが下がるというのは前担当の営業マンのレベルが高ければ高い程よくある事です。 まとめ もしあなたがフォワーダーの仕事に興味をもっているのであれば、あなたの頑張り次第でいくらでも可能性のある仕事だと著者の経験上お約束する事が出来ます。 貿易に関する知識を持ち、様々な現場で発生する物流の問題を頑張って解決していく事でもの凄く経験値が上がります。 その積み重ねが実力となりお客様からの評価にもつながりますので是非挑戦をして欲しいと思います。

貿易における海上・貨物保険の計算方法についてご説明します。 | 貿易実務の基本

貿易における海上・貨物保険の計算方法についてご説明します。

その貨物、保険に入ってますか?国際輸送ではあらゆる所に危険が隠されています。もしあなたの貨物がちゃんと保険に入っていなかったら、貨物に破損などが発生した場合は保障してもらえません。 国際物流に慣れていない人はこの保障の問題を軽視しがちなところがあったりします。普通にものが届いて当たり前。これは日本国内での輸送であれば商品は割と安全に運ばれてくるのですが、国をまたいでの国際輸送の場合はそう簡単にはいかないのが事実なのです。 特に食品やガラスなどの割れ物、高額な貨物を運ぶ時には、ちゃんとリスクを理解しておかなければいけません。 そうなんです。機材トラブルだけでなく、船上で揺れたり、陸送中に事故にあったり、また国にもよりますが作業員の雑な荷扱いなどが危険なのです。 今回はこの万が一のアクシデントに備えての保険のかけ方とその海上保険の計算方法についてご説明していきます。 海上保険の掛け方と計算方法について動画で解説 貨物保険・海上保険とは 海上保険とは主に外国へ貨物を輸送する時に発生したダメージの費用をカバーしてくれる保険のこと。海上保険というので「海上輸送のみ」で適応される保険と思われてしまうかもしれませんが、空路や陸路でも保険対象とされる包括的な保険もあります。海上の貨物保険を掛けるにはフォワーダーに「保険をお願いします」と一方入れればOKです。どこからどこまでを保険適応対象とするかはフォワーダーさんにご相談下さい。 全ての貨物に保険をかける必要はあるのか? 保険をかけるにはもちろんコストが発生します。貨物の内容や梱包状態にもよりますが、必ずしも保険に入らなければいけないと言うことはありません。 海上保険の金額はいくら? 海上保険の金額は保険会社や掛ける保険の内容にもよるのですが一般的なものでInvoice Value ×110% ×0.2%〜0.3%となります。※最低金額 約USD28/time 海上保険の計算方法 保険の利率は分かりました。では具体的な計算方法をご紹介していく事にしましょう。 例:冷凍マンゴー 保険会社:A海上保険会社保険利率:0.3%Invlice Value: USD 10,000保障適応割合:Invoice Valueの110%保障適応金額:USD 10,000 × 110% = USD 11,000保険金額:USD 11,000 ×0.3% = USD 33 海上保険には入った方がいいのか? 私たちは国際物流業者として毎月2,500本以上のコンテナの輸出入をしているのですが、やはり貨物ダメージによるトラブルは絶えません。この時に一番問題になるのが保険に入っていなかった場合。貨物ダメージの保障は船会社はしてくれませんし、トラック業者はタイではTHB100万〜THB300万(約350万円〜約1,050万円)までを保障する保険を入っている所が多いです。※タイの場合はトラック会社が既に保険に入っているので特別に保険をかける必要はありません。 海上保険には出来る限り入るべき 上述したようにコントロールが出来ることが少なく、不慮の事故・問題の可能性もあります。保険金額自体は一般的なものは0.2%〜0.3%ほどで、最低金額がUSD28くらいです。あくまで保険なので万が一に備えてのコストとなりますが、可能な限りリスクを理解し、コントロールするのが大切ではないでしょうか。 まとめ トラックに載せたら終わりの国内輸送とはことなり、国際物流では貨物がお客様に到着するまでに様々な貨物のダメージリスクが存在します。そのような状態で全てのリスクをコントロールするのは容易無ことではありません。万が一の貨物ダメージによるトラブル、またそれを対処する労力と時間を考えた時に、安心を持っているのは全く違います。