
2020.02.19
インコタームズのCグループについて解説!CFR, CIF, CPT, CIPのそれぞれの費用・リスク負担の違いについて。
今回はインコタームズのCグループである、CFR,CIF,CPT,CIPについてご説明をしていきます。 筆者はタイのフォワーダーとして活動をしているのですが、輸出国(製造国)であるタイにおいてお客様から多くの貿易条件にてBookingを頂いているのがCIFやCFRとなります。 CFR・CIF・CPT・CIPについて動画で解説 インコタームズ CFRとは CFRとは、Cost and Freightの略称で、日本語では運賃込条件と呼ばれます。CFRは、CIFから輸出者の保険料の負担を除いた条件です。貨物の引き渡し場所と危険移転は輸出港に停泊する船の甲板上に貨物が接地した時でCIFと同じです。 実務においては伝統的な表現であるC&Fと表現されることも多いようですが、正式にはCFRが正しい表記とされていますので、契約書などではCFRと記載しましょう。 Cグループのインコタームズを理解する時におさえるポイント CFRやCIFといったC類型に分類されるインコタームズでは、危険負担と費用負担が輸出者から輸入者へと切り替わる時点が異なります。 そのため、これからインコタームズを学ぼうとしている人や貿易の初心者の方にとっては理解しにくい部分があるかもしれません。 しかし保険や運賃の費用負担と事故などがあった場合に責任を負う危険負担を分けて考えると理解がしやすいと思います。 これはどのインコタームズにも言えることで、以下に挙げる貿易条件を構成する3つの要素を別々に考えることで混乱を避けることができます。 理解すべき分岐点 ・貨物の引渡し場所 ・危険負担の分岐点 ・費用負担の分岐点 ここを理解する事がインコタームズの違いを理解しやすくなるポイントです。 インコタームズ CIFとは CIFはCost, Insurance and Freightの略称で貿易条件の種類であるインコタームズの一つです。 運賃と保険料を輸出者が負担する取引条件のことを指し、日本語では運賃保険料込条件とも言います。 FOB条件などの場合に輸出者が負担する船積までの費用に加えCIF条件では輸入港到着までの運賃と保険料を負担する取引条件となっています。 CFR/CIFにおける貨物の引渡し場所、費用負担・危険負担の分岐点 CIF条件では、貨物の引き渡しは本船積み込み時に完了するとされています。船舶の甲板に貨物が接地(タッチダウン)した時点で危険負担も輸出者から輸入者へと移転します(FOBと同じ)。 しかし保険と運送にかかる費用については本船に積み込み後、船が輸入港へ到着するまでの区間についても輸出者側が負担することとなっています。 CIFの特徴 - 輸出者視点 ・リスク負担:輸出国で船の上に貨物を載せるまで ・費用負担:輸入国に到着するまで輸出者が負担 ですから、CIF条件で貨物についての責任が移転するとされている本船積み込み時とは、厳密に言えば貨物が船の甲板に置かれた時点ということになります。 ちなみに、最新版であるインコタームズ2010において、長年にわたり、FOB、CFR、CIFの各条件で危険負担の分岐点として想定されていた「本船の手すり (Ship's Rail)」の文言が削除され、物品の危険は「物品が本船の船上に置かれた(On board)」時に売主から買主に移転するとされました。 インコタームズ CPT/CIPとは インコタームズのCグループにはCFRとCIF以外にも、CPTとCIPがあります。CPTとCIPの条件も合わせて簡単に見てみましょう。 まずは用語の解説と、CPTとCIPの違いですが の略となります。 違いについてはCFRとCIFと同様にIのあるCIPが保険ありで、CPTが保険なしの条件になります。このようにして覚えるとそれほど難しくはないと思います。 CPT/CIPのリスク負担 CFRとCIFではリクス負担の切り替わる場所は船の甲板の上に貨物が乗ってからでした。 一方でCPTとCIPではリスク負担の切り替わる場所は輸出側のCYやCFSになります。 CPT/CIPの費用負担 そして費用負担についてですが、Cグループは全て同じで 輸入側の港までが輸出側の費用負担となります。 まとめ 今回は、CFR,CIF,CPT,CIP条件について見てきました。CIFの保険については、輸出者が義務付けられているのは最低限の填補範囲ですがこれについても取引相手と契約内容を確認しておく必要があります。 Cグループの条件(特にCFRとCIF)は比較的良く用いられる契約条件です。良い取引のために内容についてしっかりと理解しておきましょう。