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2021年11月

CMA‐CGM 北米LA港のコンテナターミナル業者Fenix Marine Serviceを買収!完全子会社化に。 | 物流ニュース・物流ラジオ

CMA‐CGM 北米LA港のコンテナターミナル業者Fenix Marine Serviceを買収!完全子会社化に。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は、「フランスの船社CMA―CGMが11月3日、LA港コンテナターミナル運営会社のフェニックス・マリンサービス(Fenix Marine Service)の株式90%を既存株主から取得」というニュースがありましたので、それについて話していきたいと思います。 2021年11月5日イーノさんの物流ラジオ CMA-CGMの買収 CMA-CGMの取得額は約23億ドル(約2,630億円)だったとのことです。 CMA‐CGMはFMSの株式10%を以前に保有しており、今回の株式取得でフェニックス・マリンサービスを完全子会社化したことになります。 買収したターミナル FMSが運営しているターミナルはどんな港なのでしょうか。 LA港のエリアにあるターミナルで、水深15メートル強で4バース、ガントリークレーン16基、鉄道引き込み線8トラック、リーファープラグ706口を備えています。 スタッフは145人、処理能力は約250万TEU/年間に上り、LA・ロングビーチ港エリアで第3位の規模を誇る主要ターミナルです。 このコンテナターミナルの取得について、CMA-CGMグループの社長兼会長は、"Fenix Marine Services "は、この国で最大級のターミナルであり、最も戦略的なゲートウェイのひとつであると発言しています。 また、重要な産業施設であり、CMAの地位を大幅に強化し、この市場での急速な成長をサポートする、とも述べています。 買収によって何が変わる? CMAが自社管轄でコンテナターミナル、特に北米(LA港)を運営することが注目だと思います。 北米は、現在も混乱が続いており、すぐには難しいとはおもいます。しかし少し落ち着いてきたら、例えばMaerskなどの競合を後回しにして、CMAのコンテナの取り出しを優先したり出来るかもしれません。 また、フリータイムを伸ばしたり、荷主に対して有利な条件の提供もできるようになる可能性もあります。 港と船会社でシナジーを生むような買収だった印象です。 今後に向けて 弊社は北米向けに結構CMA-CGMを使っています。比較的、スペースが取りやすいので、他のタイの日系フォワーダーさんがスペースが取れなくて弊社に依頼してくるくらいです。 弊社のお客様にとっても、もしかしたらメリットがあるかもしれない内容だと思い、ご紹介をさせて頂きました。 これからの動向に注目です。引き続き、情報をアップデートしていきます。

フォワーダーの仕事、良かったこと & 嫌だったことを話します | 物流ニュース・物流ラジオ

フォワーダーの仕事、良かったこと & 嫌だったことを話します

どうもこんにちは、飯野です。 今回は、フォワーダーの仕事していて良かったこと、嫌だったこと、を話したいと思います。あくまで、個人的な意見ですので、参考程度にお聞きください。 2021年11月3日イーノさんの物流ラジオ フォワーダーの仕事で良かったこと コロナ禍でも大きな打撃を受けない 他産業が打撃を受けていましたが、物流業界では、スペースが逼迫し、需要が上がったことにより、事実、仕事が増えました。 国際経済が止まらない限り、国際物流も同じく止まらず、常に仕事があると再認識しました。 どこの国でも働ける  国際物流は世界共通のルールで行われていることが多いので、他国でも同じように働ける自信があります。 通関などではローカルルールがあって違うところもありますが、どこに行っても対応できるというのは、かなりのメリットだと思います。 海外に関係がある仕事ができる いろいろな国の代理店さんなどと商売することになります。 なかなか現地に行かずとも成り立ってしまう側面もありますが、世界中と仕事ができる醍醐味はあります。フォワーダーのネットワークにも所属しており、年に一回ほど一堂に会したりなど、とても刺激的で楽しいと思います。 IT方面で伸び代がある 私自身、インターネットマーケティングを使って活動していますが、YouTubeのチャンネル登録者数も、おかげ様で伸びております。理由としては、ライバルが少ないこともあると思います。 物流業界はコンサバなところがあり、ITの伸びしろがまだまだあり、この面にチャンスがあると思います。 フォワーダーの仕事で嫌だったこと 給料が高い業界ではない 中小企業ではあまり高い印象はありませんが、大手の会社さん、外資さんではそうではないかもしれません。特に外資はコミッション制を取っているところが多いので、稼げる営業は稼げます。 弊社の営業マンも単月最高で200万程稼いだ人もいます。 見下される時があった 営業で商社やメーカーに伺ったとき、スマホを見ながら対応されたり、少し下に見られた経験があります。フォワーダーで集まったときも、自分たちは下だから、といった自虐する人もいました。 自動車関係の仕事はスケジュールが厳しすぎる 大きなメーカーさんは在庫を持たない方針の会社が多いです。フォワーダーにはトラブルが付き物です。スケジュールの乱れなどはざらにあります。 サプライヤーさんが必要なときにお届けする、という方針もわからなくはないですし、もちろん時間通りに行くよう努力します。ですので、できれば現場の状況をご理解いただけましたら、と思います。 個人的な意見を述べてきましたが、これからフォワーダーに興味がある方など、エンターテイメントとして聞いていただけたら嬉しいです。

2021年10月物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2021年10月物流ニュース

この記事を動画で見る どうもこんにちは飯野です。 今回は2021年10月の物流や海運に関するニュースをお届けします。今月も役立つ情報を厳選しましたのでお楽しみ頂ければと思います。 それでは、いってみましょう。 輸入リーファーコンテナのフリータイム ゼロへ 世界的なサプライチェーンの混乱によりコンテナ不足が深刻になる中、コンテナ船社はコンテナの無料保管期間であるフリータイムの削減に踏み切っています。 日中航路では中国船社が10月からフリータイムの算出方法を変更し、リーファーコンテナでは3営業日あったフリータイムをゼロにし、保管料が即日発生するようになりました。 こうした変更は日中航路だけでなく他の基幹航路でも広がっています。 基幹航路のドライコンテナではオーシャンネットワークでは6営業日ですが、マースクは土日含む8日、CMA-CGMは土日含む7日となっています。 それぞれ起算日はマースクは着岸当日、ONEとCMAは着岸翌日からとフリータイムの運用を厳格化し、今まで個別に対応していたフリータイムの延長を認めない傾向が強くなってきています。 中国発コンテナ運賃急落。電力不足による出荷遅延が原因か 中国発のコンテナ運賃が9月末に急落しました。 北米西岸向けのスポット運賃はこれまで40フィートあたり1万5,000ドル前後でしたが、9月末に8m000ドルから9,000ドルまで下落しました。 これは中国の電力不足の影響で国慶節前に生産が終わらず多くの中国荷主がBookingをキャンセル。スペースに空きが出たためフォワーダーがスペースを投げ売りした事が原因とみられています。 半年ぶりの運賃下落は市場に大きな衝撃として捉えられていますが、中国の工場出荷の遅れが原因による一時的なスペース余剰のため、出荷再開後の市場回復の可能性も指摘されています。 上海港、寧波港の沖待ち154隻 中国の上海港や寧波港で、入港待ちしているコンテナ船の数が急増しています。 アメリカン・シッパー電子版によれば、9月末時点で両港の沖待ちは154隻。中国全土では沖待ちコンテナ船が242隻など、港の混雑状況は悪化しているようです。 中国の沖待ち船が増えたのは、港湾労働者にコロナ患者が発生し、それに伴いターミナルが閉鎖され、また相次ぐ台風発生により本船スケジュールの遅延が出たことが理由です。 その他の原因として、中国~北米航路に新規投入船が増え、船の小型化が進んだため効率が悪くなり混雑の悪化を招いたとの指摘もあります。 スポット運賃高騰で既存船社以外に新興船社が小型船をチャーターし新規サービスを始めたことが大きいようです。 コンテナ運賃、北米東岸向け1万1,000ドルを割り込む 中国・上海発北米東岸向けコンテナ運賃は10月15日付けで40フィートが1万700ドルとなり、2ヶ月ぶりに1万1,000ドルを下回りました。 これは10月から3週連続の値下がりで、10月始めから1,200ドル以上も下落しました。北米西岸も6,219ドルと6月上旬以来の値下がりとなりました。 北米以外では一進一退ではありますが下落傾向がみられ、15日付けで北欧州向けが20フィート7,687ドルで前週比27ドル減。地中海向けは7,374ドルで前週比74ドル減となっています。 上海港のコンテナ取扱量 通年過去最多の4,500万TEUを視野に 世界最大のコンテナ港である上海港では1-9月累計で前年同比10%増の3,479万TEUとなり、このままいけば通年の取扱量は過去最多となる4,500万TEUを突破する見込みです。 2019年まで上海港の取扱量は月間平均で360万TEU。 コロナ禍以降は20年2月に230万TEUと記録的な落ち込みからその後急伸。20年10月以降は初めて400万TEUを超え、21年は勢いは衰えず400万TEUを超えたのは1月、6月、8月。 8月は過去最高の432万TEUを記録しました。 邦船大手、チャーター船から自社船保有へ 邦船大手オペレーターは運航船を用船から自社保有へ傾向を強めています。 海上運賃高騰により得た資金を自社船のアセット保有に向けているようです。 各船社の財務体質が大きく改善していることで、船主から無理に用船する必要性が低下しているとのことです。 また重点整備するLNG焚きの自動車船や大型バルカーの船舶管理の外部委託が難しいことも自社船保有をすすめる要因です。 中長期用船に比べると、自社保有船はマーケットの変化にも対応しやすいという側面もあるようです。 コカ・コーラ コンテナ不足によりバルカー船で原材料輸送 米コカ・コーラはバルカー船3隻で飲料製品の原材料6万トン強を海上輸送することに決定しました。 これまで輸送していたコンテナ船はスペース逼迫により代替手段としてバルカー船による輸送を選択しました。これはコンテナ2,800TEUに相当する原料です。 コカ・コーラ調達担当のディレクターは「現在の海上貨物危機によりコンテナやスペース確保出来ない中、それ以外の方法を考えなければならなかった」と経緯を説明しました。 解説コーナー それでは、今回のニュースの解説のコーナーです。 冒頭にお伝えした日中航路での中国船会社によるリーファーコンテナのフリータイムゼロは実務でかなり影響してくる内容です。 これにより日本向けのリーファーコンテナは中国船社以外が選ばれる可能性が高くなります。そのため本船スペース予約が偏り、更なるスペース不足、海上運賃の高騰につながる可能性があるでしょう。 また中国の電力不足によって国慶節前後において海上運賃が急落したのも驚きのニュースでした。実務をしている立場からしても、一時的にですが急にスペースが取りやすくなったのでかなり驚いたのを覚えています。 この件の中国電力不足からのサプライチェーンへの影響に関する詳しい解説は別の動画にてお話ししていますので、概要欄にリンクを貼っておきます。 中国電力不足による海運市況への考察 そして10月から北米向けの海上運賃には頭打ち感が見えています。以前はいつまで高騰が続くのか、上がり続ける運賃に不安でしたが、やっと天井が見えた気がします。 とはいえ引き続き高い運賃水準であることは変わりません。年末に向けて更にスペースタイト、運賃の若干の上昇はあるかもしれません。 上海港でのコンテナの取扱量が過去最高になっているニュースですが、世界中で、特に北米での経済活動の回復が大きく影響しています。 単に北米西岸や内陸でコロナによる物流の目詰まりが発生していただけでなく、過去最高レベルでの出荷量の増加になっていました。この物流の目詰まりの解消にはコロナだけでなく、北米の経済についても注目が必要かと思います。 2021年は船会社が過去最高益を叩き出し、利益をアセットに投資する姿勢が注目です。 邦船3社のこれまでの用船率は6割強と自社船の保有率を抑えるノンアセット戦略が主流でしたが、用船マーケットの変化に対応しやすくするように、また脱炭素への取り組みとしてLNG燃料のコンテナ船などに投資をしています。 船会社の自社船率が上がることにより、私としても海上運賃の安定を期待しています。 最後にコカ・コーラが原材料をバルク船で輸送していたのが注目でした。北米向けのコンテナ船のスペース不足、海上運賃高騰により大手荷主はバルカー船をチャーターして運ぶ動きが最近では多くみられます。 私が知る限りで、ウォルマート、ターゲット、イケア、そして今回のコカ・コーラがチャーター船で輸送をしています。 ウォルマート、ターゲット、イケアはバルカー船でコンテナを輸送するという新しい輸送方法を実施しており、今後も運賃の高騰が続けば このようなバルカー船チャーターの需要は上がっていくと思います。 今回の物流ニュースはいかがだったでしょうか。国際物流やサプライチェーンの「今」が分かったのではないかと思います。 今回参考にしたニュースのソースは概要欄にリンクを張っておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。 現場からは以上でーす!ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

2022年3月期、ONE税引後利益 1.3兆円! その理由を解説。 | 物流ニュース・物流ラジオ

2022年3月期、ONE税引後利益 1.3兆円! その理由を解説。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は、海事新聞に「ONE、税引き後利益1.3兆円」というニュースがあったのでそれについてお話していきたいと思います。 2021年11月1日イーノさんの物流ラジオ ONE、四半期利益過去最高を記録 海事新聞によると、ONEの2021年4―9月期決算で、税引き後利益が前年同期比約10倍の約7,600億円となったと報道しています。 四半期の利益としては過去最高とのことです。 利益急増の要因 理由としては、市場での荷動きが増加し、2021年4―9月期の積み高はONEで10%増となったこと。また、現在もサプライチェーンの混乱継続で需給が逼迫しており、運賃市況は高止まりしてることが挙げられます。 燃料費が前年同期比に比べて、48%も高騰していますが、これらのコストはコンテナ運賃上昇で全て吸収できているそうです。 これにより、2022年3月期通期、税引き後利益は約1兆3,300億円を見込んでいるとのことです。 今後の見通し 商船三井の執行役員は、コンテナ運賃の上昇について、「長期契約の部分もあるが、大半は短期(スポット)運賃の値上がりから来ている」と発言しています。 また、商船三井取締役常務執行役員は、今後の見通しについては、「来年2月の中国旧正月休みまではこの状況が続くのではないか」と予想しています。 現在の市況はいつまで続くのか とはいえ、去年の11月にも今年の旧正月ごろまで続くと言われていました。 しかし、スエズ運河が座礁により封鎖され、北米の内陸、鉄道で目詰まりが発生しました。その後、北米で景気回復していき、北米では沖待ちが深刻化し、今に至っています。 市況がどうなるのかは全くわからず、来年いっぱいまで続くという意見もあります。 ONEの利益の投資先は とはいえ、1.3兆円の利益をどう使っていくかが注目です。 内部留保に大きく投資するというよりは、脱炭素への投資へ向かうのではないかと、ある程度想像ができます。 日経新聞の音声配信では、頻繁に脱炭素のニュースが報道され、世の中がそういう動きで進んでいます。 今はスポット的に運賃が高騰していますが、次第に落ち着いていくでしょう。しかし、コロナ前のような低価格運賃にならないように注意が必要です。 競争は大切ではありますが、マーケットが潰れるのは問題です。 行き過ぎた値下げ合戦にならないように取り組みを行っていくのではと個人的に考えています。 ONE、税引後利益 1.3兆円を見込むという刺激的なニュースをご紹介しました。