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貿易コラム

変わるeコマース物流!超高速配送と確実な納期予測。コロナ渦での変化 | 物流ニュース・物流ラジオ

変わるeコマース物流!超高速配送と確実な納期予測。コロナ渦での変化

どうもこんにちは、飯野です。 本日はウォールストリートジャーナルの記事から、「小売業者、速さよりも指定日配送に注目」についてお話していきたいと思います。 2022年11月11日イーノさんの物流ラジオ 小売業者、速さより指定日配達 今年のホリデーシーズンに向け、小売業者は配達の速さを競うよりも、指定日に顧客に荷物を届けることに重点を置いています。 この変化は、近年のeコマースにおける配送スピードの競争が緩和されたことを意味しています。 配送スピードの競争 商品を顧客へ届けるスピードがどんどん速くなる一方で、小売業者の売上利益率は低下しています。 インフレに敏感な消費者がオンラインショッピングを控える中、多くの小売業者はフルフィルメントとラスト・マイル・デリバリーの高コスト抑制に注力しています。 米アマゾン社は、翌日配達と当日配達への投資により、スピード競争のベースを作りました。 2019年、Amazonは、プライム会員に特定の配達日を選ぶオプションも付け加え、現在、他の小売業者や物流事業者もこれに追随しています。 予想納期提示が重要に 小売業者にeコマースサービスを提供するShopify社は5月、同社のツールを利用する業者に対し、5日以内に配達可能な商品の横にマークを表示するオプションの提供を始めました。 これが、何を意味するかというと、2日であれ3日であれ、予想納期を提示することが重要であるということです。 「荷物がいつ届けられるかを明確に提示できることは、顧客にとって非常に価値がある」と関係者は述べています。 早い配達には高いコスト 他のEコマース・フルフィルメント・サービス・プロバイダーであるシピウム社のCEOは、この選択によって、より早い配達にはより高いコストがかかることが消費者に明らかになったとしています。 さらに、「そのトレードオフの計算を人々に伝えることが必要だ」と続けています。 コロナ渦での変化 オハイオ州立大学フィッシャー・ビジネス・カレッジの物流学の准教授によると、オンラインショッピングの利用者は、コロナ渦のサプライチェーンの混乱に慣れたことで、配送を待つことを厭わなくなったとしています。 消費者にとって最も重要なのは、「超高速で配達されるという保証ではなく、すべてが見え、いつ配達されるかを知ることができること」だと、准教授は述べています。 消費者の理解 「本当に早く欲しい場合もあれば、予定通りに欲しい場合」もあり、もちろんケースバイケースではあります。 しかし、早い配送にはそれなりのコストが必要です。 日本の通販では「送料無料」とうたうショップも多いですが、実際、送料は無料ではありません。 早く届ける場合は高いコストがかかっていると消費者にも正しく伝わらないといけないと思います。 物流業界の働き方改革には、消費者の理解がやっぱり必要だと感じた記事でした。

コンテナ船新造ラッシュ!スクラップは少なく供給過多になるか?小型船の老齢船の需要高 | 物流ニュース・物流ラジオ

コンテナ船新造ラッシュ!スクラップは少なく供給過多になるか?小型船の老齢船の需要高

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、11月2日付の海事新聞の記事から、「コンテナ船新造ラッシュ、2025年までに730万TEU増。解撤効果も限定的か」についてお話していきたいと思います。 2022年11月4日イーノさんの物流ラジオ 新造船竣工ラッシュ 仏調査会社のアルファライナーのまとめによると、新造船の竣工ラッシュにより、2025年末までに合計730万TEUの新造船が投入される見込みです。 これは現在の船腹量の約3割に相当し、今後船腹の供給過剰を懸念する声も上がっています。 過剰供給懸念の声も そんな中で、EEXI(既存船の燃費性能規制)などによる規制で減速航行が進み、供給船腹量は減少するとの見方もある一方、景気低迷やそれによる荷動き減少で船腹の過剰供給を懸念する声も上がっています。 老齢船のスクラップ ここで、船腹の過剰供給リスクを軽減する手段として、コンテナの解撤売船(スクラップ)の動向にも注目が集まっています。 コンテナ船の解撤売船はコロナ禍以降、記録的なコンテナ運賃の高騰により、船主・オペレーター共に解撤せずにサービスに投入し続けていることなどの影響で、歴史的な低水準で推移してきました。 今年の1―6月期ではTEUベースでゼロとなるなど異例の状況が続いていたのです。 スペースが必要だったため、この期間はスクラップに回せなかったということです。 スクラップ対象船 これから再び解撤が進むという見方もあるものの、既存の船隊の平均船齢が13.5年であることを考慮すると、船腹の需給バランス改善への効果は現時点で不確実だという見方も強いです。 アルファライナーの最新のデータによると、世界のコンテナ船隊は5,627隻で2,550万TEU。 25歳以上のスクラップ対象のコンテナ船は424隻で65万TEU、全体の2.5%しかありません。 船齢20年以上の船腹に着目すると、1,102隻、250万TEUで、全体の約10%がスクラップとなり、これが進むと、今後の船腹供給の影響を緩和するとみられています。 小型船の需要 しかし船齢が20年以上の船齢の船舶は500―999TEUの小型船が最も多く、新造船として同サイズが供給される見込みがなく、一定のニーズもあることから、相当数があと数年は市場に残る可能性もあります。 環境規制により、こうした船舶の解撤が進むという見方もありますが、今後の荷動き動向や、スクラップ価格の推移などもこの動向を左右していきそうだと記事は締めくくっています。 先日はアメリカのジャーナルオブコマースが発表した船腹の需給についてご紹介しましたが、アルファライナーは、スクラップにする船はあまり多くなく、小型船も多いことから、やはり供給過多になるのではという見立てができるデータでした。 スクラップ価格の動向 記事の最後にもありましたが、スクラップ価格にも影響するのではないでしょうか。 鉄などの金額が上がれば、スクラップにしてしまおうという船主さんもいるでしょう。また、別の記事でONEの社長が今後の需給は均衡すると見ているとの記事もありました。 何が起きるかわからないのが海運マーケットだと思います。 とはいえ、より高い精度で予想したい場合は、スクラップ価格の動向も注視をして頂ければ良いのではないかと思います。

2022年10月物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2022年10月物流ニュース

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今回は2022年10月の物流ニュースをお届けします。 2023年以降の海運市況の動向、北米の鉄道労使交渉や、フォワーダーの山九・西濃シェンカーの新サービスについてお話していきたいと思います。 それでは行ってみましょう! 世界の貨物量、2023年は減速!WTOも予測を下方修正 WTO(世界貿易機関)は先週、2023年の世界の物品の貿易量が前年比1%増に減速するとの予測を発表しました。 世界経済は2022年後半に勢いを失い、2023年も低調に推移するとして、今年の4月の予測の3.4%増から1%大幅に下方修正しました。 先行き不透明感が強いため、下振れリスクが顕在化すればマイナス成長に減少するという見込みもあります。 逆に予想を上回る成長になる可能性もあるということです。 2023年から2024年でコンテナ船の供給船腹量、15%減! 貨物量減少に続き、コンテナ船の供給船腹量の減少ニュースです。 コンテナ船の供給船腹量は2023から2024年にかけて、環境規制や減速航行などによって最大15%程度減少する可能性があるとコンテナ船アナリストによる分析で明らかになりました。 2023年1月からはIMO(国際海事機関)のEEXI(既存船の燃費性能規制)の適用開始に伴い、世界の供給船腹量に対して10%の削減効果が発生。 更に、コロナ禍による混乱でコンテナ運賃市況が高騰した過去2年間、船腹需要が高かったため無理して使っていた老齢船のスクラップによる5%の削減効果が見込まれています。 米国鉄道労使交渉、暫定合意を拒否でスト懸念高まる 米国鉄道会社の労働者で構成される12ある労働組合のうち、信号係員で構成される鉄道信号員組合(BRS)が26日、組合投票で労使交渉の暫定合意案を否決しました。 BMWED(国際トラック運転手労働組合 道路整備員部門)に続いてBRSも暫定合意案を否決したことで、米国ではストライキの懸念が高まりつつあります。 これに対し、組合側と交渉する全米輸送会社 会議委員会(NCCC)は、「交渉による解決を引き延ばしたことに失望している」との声明を発表しています。 山九がマレーシアで物流の人材育成施設を開設 日系フォワーダーの山九は、マレーシア・ジョホール州で海外初となる人材育成センター「SANKYU TECHNICAL ACADEMY」を開設しました。 将来に向けた高度な技術・技能を有する人材の確保育成、自社技術・技能の高度化を通じ、世界で活躍できるグローバルな技術・技能集団の育成を目指しています。 山九の中村社長は「ここで育った東南アジア域内の従業員たちが、世界の現場で活躍し、マレーシアはもとより世界中の人々の幸せを作るお手伝いができれば良いと考えている」とコメントしています。 西濃シェンカー、LCLで差別化!日本-ドイツで名古屋発着の直行便を開始 西濃シェンカーが海上混載サービス(LCL)を強化しています。 今年の8月に独ハンブルク発日本向け自社直行LCLサービスに名古屋向けを追加しました。 年内を目途に名古屋発ハンブルク向けも開始し、国内主要港とドイツを直行便で結ぶ輸出入LCL輸送網を構築します。 加えてグループが展開するハブ拠点を活用し、日本発着LCLの自社便化を推進しています。 さらに、海上輸送と中国―欧州の鉄道輸送を組み合わせるシー&レールにより、新たなドイツ向けLCLサービスを始める計画です。 解説コーナー それでは、今回のニュースの解説コーナーです。 先ずはWTOが2023年以降の貨物量減少発表のニュースをお届けしました。 主要国の経済成長鈍化 WTOによると、主要国の経済成長がそれぞれの理由で鈍化しており、輸入需要が軟化する見込みです。 欧州ではロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰が家計を圧迫し、製造コストを上昇させています。 米国では金融引き締めにより、住宅や自動車への支出、固定資産投資などが影響を受けています。 FRB、ECB、イングランド銀行も揃ってインフレ対策で金利を上げており、中国ではゼロコロナ政策と生産の混乱に加え、外需の低迷が響いています。 今年8月には商品の納期が短縮し、完成品在庫が増加したことで、WTOは、これを世界的な需要の減少を示唆している可能性があるとしています。 来年度の船社とのSCがどうなるのかが注目ポイントです。 EEXIによる規制と老齢船のスクラップ 次はコンテナ船供給船腹量減少のニュースです。 先にお伝えした通り、貨物需要はコロナ禍による巣ごもり需要の一服や、世界経済の低迷もあり、2023年以降は減速すると想定されています。 更に、EEXIなどによる規制や老齢船のスクラップにより、結果として供給船腹量は減少するとの見方が強くなっています。 EEXIは、IMOの2030年CO2排出削減目標のための短期対策として採択された技術アプローチであり、船に対してのトンマイル当りのCO2排出を数値化して、規制します。 本船のEEXIスコアが規制値に達していない場合は、エンジン出力の制限や省エネ技術の導入などの対策が必要となります。 対策としては、多元燃料エンジンに変える、燃料を変える、排ガス洗浄装置のスクラバーを取り入れるなどがあります。 しかし、古い船にも投資が必要となるのであれば、スクラップにしよう、という流れに向かっています。 需要過多で過去2年は船のスペースが足りず対応できていなかった老齢船のスクラップが増加する見込みです。 ストライキの警戒感高まる 続いては、米国鉄道の労使交渉のニュースをお届けしました。 米国鉄道労使交渉は2020年1月にスタート。なかなか合意に達せず長期化していましたが、米政府が仲裁に乗り出したことで交渉が再開しました。 9月15日までに12の組合と暫定合意し、ストライキ回避の兆しが見えました。 しかし、組合内部の承認作業で2つの組合が暫定合意案を否決し、組合員による不満の強さが明らかになったことにより、ストライキに対する警戒感が一気に高まりつつあります。 日本の技術を世界へ 次にフォワーダーの新しい取り組みについてのニュースを二本お届けしました。 山九は、海外での業務が拡大する中、高度技術・技能への対応や、既存サービスレベルの高度化が急務となっていることを背景に、マレーシアに人材育成センターを整備しました。 山九の海外現地法人社員を対象に、技術の高度化を目的としたメンテナンス研修や、技能の高度化を狙った機械整備研修など34講座を計画しています。 年間延べ約3,000人の研修生受け入れを予定しており、溶接や仕上げ、フォークリフトなどの競技大会も実施予定です。 日本国内での製造は残念ながら落ちてきています。 今回の山九の施設開設は、東南アジアの方を対象に日本の技術を伝え、世界で活躍していってもらおうというものです。 こういった取り組みは、今後の日本のプレゼンスの維持・向上には素晴らしいと思います。 フォワーダーが混載に注力 西濃シェンカーは、東京・名古屋・大阪の3大都市圏―ドイツ間サービス開始により、数少ない直行LCLを提供するフォワーダーとして、その強みを打ち出していく方針を発表しました。 名古屋圏の市場開拓に当たっては、中部地区を本拠とする西濃運輸の協力も得ていくとのことです。 また、独デュッセルドルフの日系顧客担当部署とも連携し、DBシェンカーが欧州に張り巡らせる物流網を組み合わせ、テーラーメードのサービスを提供します。 船会社が陸に上がってきて、フォワーダーのようなサービスを開始している状況下で、大手フォワーダーが混載に力を入れ、ポジションを獲得していこうとしています。 物流業者は、今後集約されていくと思いますので、こういった外資とのタッグは良い方向にいきているように個人的には思います。 今後の動向にも注目です。 今回の物流ニュースはいかがだったでしょうか。 2023年以降、貨物量とコンテナ船の供給船腹量の減少が予想されています。 これにより供給スペースが増えると考えることもできますが、実際は蓋を開けてみないとわかりません。 また、山九や西濃シェンカーなどフォワーダーが新サービスに取り組んでいます。 世界的な景気後退への警告が広がる中、海運市場は冷え込んでいます。マーケットの動向に引き続き注目です。 今回のニュースが為になった、面白かったという方は、是非チャンネル登録、いいね、SNSでのシェアを宜しくお願いします。 今回は以上です。どうもありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

海上輸送で香港離れ加速!?中国ゼロコロナ政策の影響。香港と華南地区の動向に注目 | 物流ニュース・物流ラジオ

海上輸送で香港離れ加速!?中国ゼロコロナ政策の影響。香港と華南地区の動向に注目

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、11月1日付の海事新聞から、記者の視点コラムで「中国のゼロコロナ政策、海上輸送で香港離れが加速」という記事をご紹介していきます。 2022年11月2日イーノさんの物流ラジオ 中国ゼロコロナ政策の影響 中国のゼロコロナ政策が、物流にも暗い影を落とし続けています。 10月中旬に10日ほど中国の寧波でロックダウンとなり、港湾物流が混乱しかねない事態になりました。 本船荷役などが継続された一方、港湾地区が封鎖されたためにコンテナの搬出入が停滞し、一時はヤードのキャパシティーオーバーが危ぶまれました。 この時は大きな混乱には至っていません。 深セン-香港間のクロスボーダー輸送 しかし、寧波に限らず、中国では各地の港湾、空港で大小の規制が敷かれ、物流が寸断するリスクが色んなところで潜んでいます。 中でも、最近よく耳にするのが深圳 ― 香港のクロスボーダー輸送の停滞です。 春先には一般トラックの通行が極端に制限され、商業貨物輸送が事実上停止しました。 その後も規制が続き、チャーター便の手配が難しくなっている上、運賃も上昇しています。 フィーダーサービスへの移行 トラック輸送から香港にフィーダー船にシフトする動きもあるものの、コロナ禍以降はコンテナが香港で滞留する傾向にあり、フィーダー船の接続にかかる時間が読めなくなっているとのことです。 加えて、船員の防疫対策のために旧正月などの大型連休に合わせ、フィーダーサービスは最長2カ月以上停止されます。 その前後は特に混雑が深刻化し、安定した輸送が難しくなっています。 そんな状況において、日新、NIPPON EXPRESSホールディングス、内外トランスラインなどがこうした事態に対応する代替サービスを開発しています。 「香港離れ」加速 ただ、長期的にはゼロコロナの香港への影響は大きいとみられ、香港はこれまで、華南のゲートウエーとして機能していましたが、政情不安と民主化デモで「香港離れ」が加速したとのことです。 通関などの手続き面での利便性などから香港を経由するメリットはあるものの、ゼロコロナ政策が重なり、香港を利用してきた荷主でも深圳など華南主要港での直接の輸出入を志向する企業が少なくないようです。 こと海上貨物輸送に関しては、深圳などの華南主要港との差がこれまで以上に広がりそうです。 それであれば、フォワーダーのネットワークの在り方やサービスも変化していくのではないか、今後の香港と華南を巡る動きに注目と記事は締めくくっています。 今後の中国の方向性 最近でもiPhone工場の人たちが工場での感染拡大のため、工場から逃げ出すというニュースがありました。習近平さんが3期目をやるというニュースもあります。 方針や政策は当分変わらないと思います。 このゼロコロナ政策もあり、去年・今年前半のサプライチェーン混乱も加え、北米やヨーロッパも生産工場を近くに作るニアショアにする動きもあります。 以前のニュースでは中国からインドに切り替えるという品目もあるとお伝えいたしました。 今は香港離れが進んでいく状態です。 もしかしたら今後は中国離れも顕著になってくるかもしれません。 大国・中国の影響 GDP世界2位の大国の動きは経済に大きく影響します。 経済に影響するということは、もちろん物流にも影響するということです。 ここからも目が離せない状態となっています。

船会社のトータルロジスティクス戦略に対しての大手外資フォワーダーの見解。これからのフォワーダー | 物流ニュース・物流ラジオ

船会社のトータルロジスティクス戦略に対しての大手外資フォワーダーの見解。これからのフォワーダー

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「船会社のトータルロジスティクス戦略に対しての大手外資フォワーダーの見解」についてお話していきたいと思います。 2022年10月31日イーノさんの物流ラジオ コンテナ船市場の悪化 コンテナ船市場の急速な悪化によって、荷主がスペースを確保するための船会社からのプレッシャーから解放されました。 荷主はより安いスポット運賃市場に多くの貨物量をシフトできるようになりました。 キューネアンドナーゲルの戦略 Kuehne + NagelのCFOは、「パンデミックの時にスペースが不足していたため、船会社はキャパシティと価格水準に関して一定の優位性を持っていた」と述べています。 「今、私たちが見ているのは、その正反対であり、3PLの時代が来た。顧客は過去2年間の高い価格水準で苦悩し、今、荷主たちはフェアな取引を取り戻すために私たちのところに来ている」と続けています。 コンテナ船社との競争はない Kuehne + NagelのCEOはマースクやCMA-CGMなどのコンテナ船社が提供する統合サービス(通関・倉庫など)との競争はないと考えており、むしろフォワーダーが市場シェアを獲得するのに有利な立場にあると考えていると述べました。 「3PL業界は衰退する環境の中で、今こそ市場シェアを獲得することができる。我々にとって、これは良いことであり、現時点では、コンテナ船の競合他社の一部の垂直統合から生じる影響はないと考えている」としています。 船社のエンド・ツー・エンド戦略 マースクやCMA CGMのような輸送会社は、積極的にエンド・ツー・エンド戦略を追求し、フォワーダーを取っ払って主要荷主との直接関係を拡大しています。 この戦略は一部のフォワーダーとの間に緊張関係を生み出し、マースクとDBシェンカーは2020年に公然と対立しています。 荷主のフォワーダー回帰 DSVのCOOは、一部の荷主が輸送会社に直接依頼したことを認めたものの、荷主がフォワーダーに回帰していることを明らかにしました。 DSVは、「我々は、現在の競争環境について懸念していない」と述べています。 「私たちは、私たちの資産の少ないビジネスモデルを信頼しており、今後、市場を凌駕することができるという自信もある」としています。 3PLによる市場拡大 大手外資フォワーダーとしては、現時点では船会社が陸に上がってきていることはあまり競争になってないとのことです。 キューネは、3PLが市場を拡大出来る時だと述べています。 マースクとCMA-CGMはトータルロジスティクスの戦略をとり、MSCとONEは船会社としての姿勢を貫く戦略です。 ノンアセットフォワーダーの強み DSVのアセットの少ないビジネスモデルを信頼しているということは、自社のアセットがないからこそ、他の船会社も使用できる強みがあります。 定期的に流れているものなどは一つの選択肢で効率が良い方が費用も安くなり、良いと思います。 しかし、マーケットが混乱している時などは、変化に強いノンアセットのフォワーダーが確かに強いと思います。 フォワーダーとしての生き残り フォワーダーの仕事がなくなることはないでしょう。 しかしフレートしかやってないところは何かに特化して(強みがあって)提案営業ができないと、厳しいと思います。 荷主の代わりにBookingしますよ、というのは、今はシステムでBookingができる時代であり、複数の船会社のスケジュールを比較するサービスはSaaSで可能です。 改めてフォワーダーの戦い方について考える記事でした。

業界で注目の通関士試験オンライン指導会、みこ会!ここ数年で合格者を激増 | 物流ニュース・物流ラジオ

業界で注目の通関士試験オンライン指導会、みこ会!ここ数年で合格者を激増

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、「業界で注目の通関士試験オンライン指導会、みこ会」のテーマでお話していきたいと思います。 2022年10月28日イーノさんの物流ラジオ 通関士試験 10月に通関士の試験があり、11月8日に合格発表があります。最近Twitterでは通関士試験を受けた人たちのツイートなどが活発化しています。 弊社も人材紹介業を営んでいて、通関士の募集が結構あります。 そんな中で今回ご紹介する「みこ会」は効率的に通関士試験対策ができるというもので、ここ数年で合格者を激増させていて、話題の通関士の受験指導です。 今回の紹介は案件ではなく、このラジオでは僕が個人的に面白いと思ったニュースやリスナーさんに役に立つと思った話題を届けています。忖度なしです。 通関士資格の活用 通関士の資格を持っていると、手当が出る会社もあります。 ちょっと特殊ですが、通関士の資格を持っていても、通関会社で登録をしてもらえないと通関士を名乗れません。 通関士として登録されると、また通関士の手当が出るといった形もあります。 弊社のクライアントさんでは、資格者に1万円/月、登録者に1万円/月、毎月もらえる会社さんもあります。 収入アップにもこの資格は有効だと思います。 また、通関士にならなくても、この勉強をしていると、国際物流パーソンとして強いです。国際物流でトラブルになりやすいところは、やはり通関です。 みこ会のここが凄い みこ会の凄いところは、オリジナルのテキストがもの凄く分かりやすいと評判です。 通関士試験は法律が絡んでいるため、かなり難解で、通関士試験の合格率も毎年10%前後で狭き門です。 実務に就いている方の入会も多いようです。 というのも、この試験は実務的な能力よりも、その根幹にある基礎的な法律の知識や考え方、読解力、試験戦術などを試されるので、実務とは色が異なり、独特の戦略を立てないとクリアしづらいものです。 特に一度不合格を経験された実務家の方は、こういったことに気づいて入会されるケースがよくあります。 「試験と実務は別物」ということです。 テキストだけでなく、もちろん分からないことは質問することが出来、勉強会も開催されており、過去問題のアプリもあります。 現在は来年度、第57回の通関士試験対策の受講生を募集しています。 会費も僕個人的にはリーズナブルだと思う金額です。 まずは、みこ会のTwitterやHPを見てください。 みこ会

第二回コンテナシャーシ シェアリングの実証実験!効率性向上や走行距離の削減図る | 物流ニュース・物流ラジオ

第二回コンテナシャーシ シェアリングの実証実験!効率性向上や走行距離の削減図る

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月27日付の海事新聞の記事から、「関東地方整備局、横浜港でシャーシシェア2回目の実証実験」についてお話していきたいと思います。 2022年10月27日イーノさんの物流ラジオ 第二回シャーシシェアリング実証実験 関東地方整備局は10月31日から11月26日に実施する「第2回シャーシシェアリング実証実験」の検証内容について発表しました。 第一回では南本牧埠頭にシャーシプールを置いて実証実験をしました。 今回は本牧埠頭にもシャーシプールを置くほか、シャーシプールの利用時間の拡大などを行い、輸送効率がどう変わるのか、走行距離や時間などの削減が見られるかを検証する予定です。 実験の内容 シェアリング用シャーシは各プールに20フィート用シャーシ2台、40フィート用6台、兼用2台を用意します。 空コンテナに限定してオンシャーシの駐車を許可するほか、午前8時―午後7時に制限していたシャーシプールの利用時間を24時間に変更。 また、シェアリングシャーシ専用の予約システム上で、シャーシの位置情報を把握できる機能を追加する予定です。 これにより、新・港湾情報システム(CONPAS)予約業務や配車業務への活用、荷主問い合わせへの対応ができるようになるとのことです。 検証内容 実験ではコンテナシャーシの位置情報を活用し、複数の陸送事業者がシャーシとシャーシプールを共同利用しながらシャーシ運用の効率性向上や走行距離の削減、コンテナターミナル(CT)周辺の混雑解消に向けた検証を重ねています。 昨年6―7月に南本牧埠頭で実施した第1回実証実験では、陸運事業者がCT内のシェアリング用シャーシを活用することで走行距離と時間がどう削減されるかを検証しました。 研究会によると、走行距離で従来の6割以上削減、走行時間で4割ほどの削減効果があったとのことです。 今回の実証実験の結果は来年3月ごろに開催予定の第7回研究会で取りまとめられます。 シェアリングエコノミーの普及 シェアリングエコノミーが浸透してきており、街中でも車や自転車のシェアが普及しています。 コンテナ積み込み中にコンテナを載せたシャーシだけ置き、ヘッドが別の仕事に向かうことができるようになります。 もしシャーシのシェアリングが一般的になると、シャーシが投資対象になってファンドが出来るかもしれません。 シャーシのリースはあるみたいですが、ファンドが出来たら面白いかなぁと思います。 色々と可能性のある試みではないでしょうか。

山九がマレーシアで物流の人材育成施設を開設!世界の現場での活躍目指す | 物流ニュース・物流ラジオ

山九がマレーシアで物流の人材育成施設を開設!世界の現場での活躍目指す

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月26日付の海事新聞の記事から、「山九、マレーシアに人材育成施設を開設」についてお話していきたいと思います。 2022年10月26日イーノさんの物流ラジオ 山九、マレーシアに人材育成センター開設 山九はこのほど、マレーシア・ジョホール州で海外初となる人材育成センター「SANKYU TECHNICAL ACADEMY」を開設しました。 海外での業務が拡大する中、高度技術・技能への対応や、既存サービスレベルの高度化が急務となっていることを背景に、同センターを整備しました。 将来に向けた高度な技術・技能を有する人材の確保育成、自社技術・技能の高度化を通じ、世界で活躍できるグローバルな技術・技能集団を育成していくとのことです。 施設について 施設はマレーシアのジョホール州で近隣の空港から車で1時間程度という好立地にあります。 敷地面積1万6,794平方メートルに、実習場を備えた研修棟、事務所棟、宿泊棟を置いています。 山九の海外現地法人社員を対象に、技術の高度化を目的としたメンテナンス研修や、技能の高度化を狙った機械整備研修など34講座を計画しています。 年間延べ約3,000人の研修生受け入れを予定しており、溶接や仕上げ、フォークリフトなどの競技大会も実施予定です。 今月6日、現地で開所式を実施し、山九の中村社長は「ここで育った東南アジア域内の従業員たちが、世界の現場で活躍し、マレーシアはもとより世界中の人々の幸せを作るお手伝いができれば良いと考えている」とコメントしています。 日本の技術を世界へ これは素晴らしい取り組みだと思います。 タイの物流の現場では、据え付けや梱包、ローカルと日系両方を使ったことがありますが、やはり日系の方がしっかりしている印象があります。 重量物などは取り扱いがとても難しいですが、日系で働いているローカルの方は、しっかりと技術が付いており、丁寧だと感じます。 今回の取り組みは、日系の高い技術を提供し、世界で活躍してもらおうというものです。 昨今では海外の人にとって日本で働くメリットは減っていっていると思いますが、マレーシアは基本的に英語が通じ、各国のコールセンターも置かれています。 日本国内での製造は残念ながら落ちてきていますが、東南アジアの方を対象に日本の技術を伝えて世界で活躍していってもらおうというのは、今後の日本のプレゼンスの維持・向上には素晴らしいと思います。

味の素の物流改革!嫌われる物流から脱却し、持続可能な物流へ。ホワイト物流を目指す | 物流ニュース・物流ラジオ

味の素の物流改革!嫌われる物流から脱却し、持続可能な物流へ。ホワイト物流を目指す

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月25日付の海事新聞の記事から、「味の素、「嫌われる物流」から「持続可能な物流」へ。商習慣から改革」についてお話していきたいと思います。 2022年10月25日イーノさんの物流ラジオ 味の素、サプライチェーン全体で物流改革 味の素は加工食品のメーカー、卸、小売り、あと行政、業界団体に連携を広げ、サプライチェーン全体で物流改革に取り組んでいます。 4月に発足した「フードサプライチェーン・サステナビリティ・プロジェクト(FSP)」の下、納品リードタイムの延長などに取り組み、物流の効率化と負荷軽減を図っています。 商習慣から抜本的に見直し、「嫌われる加工食品物流」から持続可能な物流の構築を目指しています。 主な取り組み 10月20日、国土交通省が開いた「『ホワイト物流』推進運動セミナー」で取り組みが説明されました。 加工食品業界全体で連携するため、フードサステナビリティプロジェクト(FSP)には、大手メーカーで構成する食品物流未来推進会議、日本加工食品卸協会、日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会が参画しています。 メーカーの取り組み メーカーではリードタイムの延長を前提に、受注締め時間を「後ろ倒し」にする取り組みを推進しています。 現状は午前中に受注を締め切り、翌日に卸へ納品することが一般的です。 第1ステップとして、午後1時に受注締め・翌々日納品への変更に取り組んでいます。 ただ、卸からは午後3時に後ろ倒しする要望が強くあります。 そのために、小売りでは卸への定番品の発注締め時間の前倒しを検討し、特売品や新商品の適正リードタイム確保と計画数量化・追加の抑制も進めています。 卸の取り組み 一方、卸はメーカーへの発注の原則EDI(電子データ交換)化、緊急対応など負荷のかかる業務の抑制、リードタイム延長に伴う需要予測の精度向上、一定の在庫増加リスクに柔軟に対応することなどに努めています。 決まったシステムで対応していかなければ、受発注業務が改善できず、電子化が進まないとAIなどで需要予測ができなくなり、在庫管理が難しくなって在庫リスクがあがっていきます。 加工食品物流の現状 味の素は2019年、「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言書を提出。2021年には同宣言の内容を拡充しました。 この背景には、「運べなくなる危機」があります。 長時間待機が頻発する、ドライバーの付帯作業が多い、日付管理・納品期限管理が厳しく複雑、リードタイムが短い、などの事情から、加工食品物流は物流事業者から敬遠される傾向にあります。 ドライバーの時間外労働に上限規制が適用される「2024年問題」などの影響も見据えています。 働きやすい市場を 食品は賞味期限があり、生鮮食品は1日でも早く新鮮なものを顧客は望んでいます。 それに応えようとする小売がこれまでは強かったです。 よって物流業社のマンパワーでなんとかしようとしていましたが、このまま続けると、続けられないというのが現状です。 これからはAIや自動運転が世の中を変えてくれると思いますが、自動運転はまだ先であり、それまでの間は、仕組み・制度を変えて対応しないといけません。 誰もが働きやすい世の中になれば良いと思います。

旅行者の増加により、エアーの需給バランスが乱れる!スペース余る。 | 物流ニュース・物流ラジオ

旅行者の増加により、エアーの需給バランスが乱れる!スペース余る。

どうもこんにちは、飯野です。 本日はJob.comの記事から、「エアーの貨物輸送会社は悪化する需給のアンバランスと戦う」についてお話していきたいと思います。 2022年10月24日イーノさんの物流ラジオ 貨物需要低下でスペース余る 航空会社は、着実に増加する長距離旅客数に対応するため、アジア市場にデッキ下のスペース(ベリー)を投入しているものの、ヨーロッパや北米の主要市場で貨物需要が低迷しているため、そのスペースを埋めるのは難しくなっています。 需給の不均衡は中国発の航空貨物スポット運賃に反映されています。 中国発のスポットレート 第3四半期から10月にかけて、中国のいくつかの地方で発生したコロナの再発とそれに伴う操業停止が製造業に影響を及ぼし、急激に低下しています。 Baltic Air Index(BAI)によると、第3四半期の上海発ヨーロッパ行きの平均レート水準は1キロあたり6.53ドルで、第2四半期と比較して9%減少。 現在のレートは1キロあたり5.56ドルで、前年同期比22%減となっています。 上海発北米行き また上海発北米行きの平均スポット運賃も急落しています。 第3四半期の平均レートは7.75ドル/kgで、第2四半期より13%低下、現在のレートは6.00ドル/kgで、前年同期比46%減となっています。 エアーのスペース空きの影響 エアーのスペースが余っている直接的な影響は、コロナの規制が緩和された日本の第3四半期までの旅客数の増加で確認することができます。 データによると、日本からヨーロッパへの旅客機のスペースは四半期ごとに7%改善し、同路線の航空貨物スポット運賃は前四半期比で28%減少しました。 航空会社も、インフレや金利の上昇、その他の経済的要因による個人消費の減少により、需要が軟調に推移していると報告しています。 相次ぐ開国による旅行者増 しかし、アメリカンエアカーゴの商業担当副社長は、「中国からの輸出は、引き続きロックダウンや海外での個人消費の低迷の影響を受けているが、日本、韓国、東南アジア全域の需要は、企業が生産の多様化を図る中で、場合によっては新たな製造に支えられ、それなりに堅調に推移している」と述べています。 10月からアジア・東南アジアでも開国になってきました。 開国すると旅行者が増え、航空会社も旅客機を増えます。そうすると旅客機のベーリーのスペースが生まれます。 スペースの供給が増えるものの、北米、ヨーロッパのインフレで需要が低迷し始めてきているのでスペースがかなり余ることになります。 AIRのピークシーズン エアーのピークシーズンはもう少し先ですが、ピークシーズンらしいピークにはならないかもしれません。 海上のLCLがエアーに流れていく可能性もあります。 エアーのスペースが供給過多のため、実務でそういう使い分けなどが出来ても良いのではないかと思っています。