2025.12.16
欧州・地中海向け運賃が上昇局面へ 旧正月前の市況を読む
本日は、欧州および地中海向けのコンテナ運賃が上昇している背景と今後の焦点について整理します。 ここ最近、アジア発欧州向けの海運市況は再び動きが慌ただしくなっています。 結論から言うと、欧州・地中海向け運賃は明確な上昇トレンドに入っています。 SCFIが示す欧州・地中海向けの上昇 上海航運交易所が発表した12月12日付のSCFIを見ると、その傾向ははっきりしています。 上海発北欧州向けの短期運賃は、前週比で約10%上昇し、1,538ドル/TEUとなりました。 さらに地中海向けは、約19%上昇し、2,737ドル/TEUまで伸びています。 地中海向けはこれで4週連続の上昇となっています。 運賃上昇の背景にある二つの要因 このタイミングで運賃が上がっている理由は大きく二つあります。 年末に向けた輸送需要が想定以上に安定していること 12月から実施されているGRIの効果が表面化してきたこと 来年の長期契約交渉を見据え、船社側が運賃水準の底上げを狙っている意図が読み取れます。 WCIでも確認される欧州向けの強さ ドゥルーリーが公表するWCIを見ても、欧州向けの上昇は共通しています。 上海発ロッテルダム向けは5%増、ジェノバ向けは13%増となっています。 特に地中海航路では、北欧州向けよりも船腹需給が引き締まった状態が続いています。 北米向けは指標によって温度差 一方で、北米向け市況はやや慎重に見る必要があります。 SCFIでは西岸向け、東岸向けともに前週比で約15%上昇しています。 しかしNYFIでは、中国発北米向けが微減となるケースも確認されています。 これは、市場全体が一気に強気へ転じたわけではなく、スポット契約の条件やタイミングによるばらつきを示しています。 先物市場が示す慎重な見方 中国の運賃先物市場INEでは、実勢運賃が上昇する一方で、先物価格が一時下落しました。 これは、投資家が今回の運賃上昇を短期的な動きと見ている可能性を示しています。 今後の最大の焦点は旧正月 今後の市況を左右する最大のポイントは旧正月です。 来年の旧正月は2月中旬に始まり、例年よりやや遅めの日程となります。 ドゥルーリーの予測では、12月の欠便率は約9%とされています。 特に太平洋航路では欠航が目立ち、供給調整が続いています。 旧正月前の駆け込み出荷のピーク時期 再編後の4大グループによる新サービス体制 これらが今後の運賃動向を左右することになりそうです。 荷主や物流担当者は、足元の運賃上昇を受け入れつつ、旧正月明けの反動減とスケジュール混乱にも備える必要があります。 動画視聴はこちらから
