column

貿易コラム

コンテナ海上運賃、コロナ禍前の水準に戻る。EEXI規制の影響は? | 物流ニュース・物流ラジオ

コンテナ海上運賃、コロナ禍前の水準に戻る。EEXI規制の影響は?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、12月6日付の海事新聞の記事から、「コンテナ運賃、ほぼコロナ禍前の水準に」についてお話していきたいと思います。 2022年12月7日イーノさんの物流ラジオ 海上運賃、コロナ渦前の水準に 上海航運交易所がまとめた12月2日付の上海発のコンテナ運賃指数(SCFI)は1,171ポイントとなりました。 コロナ禍前の3桁台には届いてはいないものの、このまま行けば微妙な状況となります。 北米西岸向けや北欧州・地中海向けはほぼコロナ禍前の水準となっています。 ただ、前週に比べると値下がり幅は小刻みになっており、実質的には下げ止まりの気配が強いようです。 北米向けの海上運賃 12月2日付の上海発北米西岸向けは40フィートコンテナ当たり1,437ドル、北米東岸向けは3,437ドルとなりました。 前週比では、北米西岸は59ドル、東岸向けは250ドルの値下がりです。 これまで4,000―5,000ドル近くあった西岸向けと東岸向けの値差も、ここにきて2,000ドルまで縮小。 このまま東岸向けの値下がりが続けば、コロナ禍前の1,000ドル以下の値差に縮まる可能性があります。 北米向け以外の海上運賃 北米の東西以外では、南米の東岸向けは中国・国慶節休み前直前の9月末は5,059ドル/20’でしたが、2,025ドルとなり、2カ月で半分以下まで下落しました。 また中近東向けは11月上旬に一時的に2,000ドル弱まで値上がりしたものの、現在は1,184ドルまで落ち込んでいます。 上海発シンガポール向けも237ドルとなり、こちらもほぼコロナ禍前の水準に戻しています。 北米内陸部の混雑 海上運賃がコロナ前に戻っています。 北米西岸の沖待ちは、一時期は100隻近くが海の上でコンテナの積み下ろし待ちをしていたものの、現在ではゼロになっています。 その中で西岸港湾の労使交渉は今の所は大きくは動いていません。 しかし、内陸の方は混雑がいまだに続いています。 先日、北米の鉄道労使交渉がアメリカ議会によって、強制的にスト禁止にされました。 アメリカ国内はインフレがすごく、ここに更にストが発生し、サプライチェーンを混乱させるということはアメリカ政府的にも出来なかったのです。 この動きを見る限りでは、西岸港湾の労使交渉もサプライチェーンに影響が出そうになれば、議会が普通に介入してくる可能性はあります。 海運業界はコロナ前に戻るか では、海運業界はコロナ前の10年くらいの不景気に戻るのか? 多分、そこまでは行かないと個人的には思います。 船会社はこの2年間で得た収益を新造船に投資をしています。 スペースが沢山出来るため、運賃はもっと安くなると思うかもしれませんが、コロナ渦中は船のスクラップも少なかったです。 EEXI規制の影響 また2023年のEEXI規制も大きく影響するのではないでしょうか。 EEXI規制というのは簡単にいうと、船のCO2排出量をスコア化して成績の悪い船は改善要求が出る規制です。 改善要求というのはスクラバーのようなCO2排出抑止になる設備を入れたり、燃料を変えたりすることです。 しかし、古い船の設備に投資するくらいならスクラップにという動きも出てくると思います。 古い船で設備が行き届いていないものは、排ガスが出にくいように減速するようになるので、船のスケジュールは遅くなるものが増えてくるかもしれません。 これがスタートするのが2023年の1月1日からです。 船会社からがスケジュールがどうなるかはアップデートしていきます。 とにかく現在は「環境」に対して優しくないとダメであり、これが2010年代との大きな違いです。 全く同じ状況ではないので、運賃はそこまで下がらないのではないかと思っています。

物流企業で進む雇用の多様化。賃金、差別、セキュリティ面など課題も残る。 | 物流ニュース・物流ラジオ

物流企業で進む雇用の多様化。賃金、差別、セキュリティ面など課題も残る。

どうもこんにちは、飯野です。 本日はウォールストリートジャーナルの記事から、「物流企業で進む雇用の多様化。課題も残る」についてお話していきたいと思います。 2022年12月5日イーノさんの物流ラジオ 物流業界の雇用の変化 サプライチェーン業界が変わりつつあります。 より多くの女性や有色人種がロジスティクスを職業として選んでいることが調査で明らかになりました。 しかし、業界が平等となるにはまだ長い道のりが必要との声もあります。 女性、有色人種の従業員 調査会社ガートナー社によると、今年5月時点で、配送センター作業員からC-suiteまで、サプライチェーンの従業員における女性の割合は約39%でした。 昨年の41%からわずかに減少したものの、2018年の37%から上昇しており、そのシェアは企業の上層部ほど低下し、トップエグゼクティブの女性の割合は19%です。 また、5月時点のサプライチェーン部門の全ポジションに占める有色人種の割合は32%で、前年の30%から増加しています。 地位が上がるにつれ、その割合は減少し、副社長職の有色人種が占める割合は10%に至っています。 女性の割合低下の要因 ガートナー社の副社長兼アナリスト、ダナ・スティフラー氏は、サプライチェーンの仕事に就く女性の割合が最近低下しているのは、コロナ渦に労働力に大きな圧力がかかった結果であろうと述べています。 米国国勢調査局のデータによると、約350万人の母親である女性が、コロナ渦において、育児のための選択肢がなく、仕事を失うか、休暇を取ることにより米国の雇用市場を去っています。 また、他の女性従業員も、より高収入の仕事を求めて、配送センターや物流の仕事を辞めたとのことです。 採用活動に多様性を優先 2020年5月に起きた警察官によるジョージ・フロイド殺害事件をきっかけに、人種的公正を求める抗議運動が広がりました。 更にマイノリティや重要な労働者に大きな打撃を与えたコロナもあり、採用活動において多様性を優先する企業が増えていると、スティフラー氏は述べています。 人手不足の中で、企業はより多様な人材で役割を果たそうと考えているようです。 スティフラ―氏は、「人材確保に必死であれば、人口の半分を占める女性をもっとうまく取り込むことができれば、競争上有利になるはずだ」とし、「もっと多くの民族から人材を集めることができれば、それも素晴らしいこと」であると続けています。 物流業界では、女性や有色人種が重要な役割を担うようになってきています。 仕事環境への課題 しかし、日々の業務に近いところでは、状況はより複雑で、女性やマイノリティは依然として大きな課題に直面していると言う人もいます。 全米荷主戦略輸送協議会の前事務局長、ゲイル・ラトコウスキー氏は、50年にわたりサプライチェーン業界で勤務。 物流業界の男性社会 同氏は大企業の自家用トラックの運行からキャリアをスタートし、トラック運転手と配車係の男性ばかりのクルーを監督していました。 自分の権威を主張し、同僚から尊敬されるために、ぶっきらぼうな管理スタイルを身につけたといいます。 ラトコウスキー氏は、キャリアを重ねるごとに進歩してきたものの、「今日でも、ここまでやって天井を打つような問題にぶつかることがある」と語っています。 海運業という伝統的に男性が多い環境で働く女性にとって、身の安全は依然として重要な問題です。 賃金の格差 また、調査によると、物流業界全体で賃金に大きな格差があることが判明しています。 Institute for Supply Management社の調査によると、男性のサプライチェーン関係の昨年の平均収入は約12万5300ドル(約1,700万円)で、女性より23%多くなっています。 調査で人種を明かした人のうち、白人の回答者の平均収入は約12万5000ドル(約1,700万円)だったのに対し、アジア人と答えた人の平均収入は約9万3500ドル(約1,250万円)、黒人と答えた回答者は9万2500ドル(約1,240万円)だったとのことです。 雇用の多様性がサプライチェーンの効率と回復力を高めるという研究結果が出ているにもかかわらず、こうした課題が残っています。 現場での環境変化 アーカンソー大学とアクロン大学が最近行った、小売業者とサプライヤーのコラボレーションを評価する研究では、女性の方が男性よりも効率的に業務を遂行できることがわかりました。 これは調査をしなくとも、現場で働いていても肌で感じるところです。女性の方が丁寧できっちりしてくれる印象があります。 オハイオ州立大学フィッシャービジネスカレッジのテリー・エスパー准教授は、20年前にサプライチェーンの会議に参加し始めた頃は、アフリカ系アメリカ人男性の参加者は数人しかいないことが多かったと話します。 それ以来、状況は大きく変わっています。 倉庫における環境 しかし、倉庫やドライブインは、ホテルのカンファレンスセンターで開催されるプロフェッショナルなネットワーキングイベントとは多くの点で異なる世界である、とエスパー氏は発言しています。 物流センターでは、人種差別的なジョークや下品な雑談、その他の不適切な行動が、物流業界でのキャリアを目指す有色人種や女性にとって障壁になると、エスパー博士は述べています。 「そのような職場では、正直なところ、人々はプロフェッショナルになりきれていない」と語ります。 セキュリティ問題 また、セキュリティ上の懸念もあります。 女性トラック運転手は、企業がより多くの女性トラック運転手を採用しようとしているにもかかわらず、夜間駐車するための安全で明るい場所を見つけるのに苦労しています。 倉庫労働者たちは近年、妊娠差別や職場の危険な状況などの問題を提起しています。 周りの反応 航空宇宙企業ボーイング社の調達担当者であるアレクシス・キルーディス氏は、「なぜ、性別に関係なくサプライチェーンマネジメントの道を選んだのか」と質問されることがあるそうです。 29歳のキルーディス氏は、学部では小売業と消費者科学を専攻し、小売業経営に携わることを目標としていましたが、自分は販売よりも店舗運営に興味があることに気づき、進路を変更。 そして今年、アリゾナ州立大学でグローバル・ロジスティクスの修士号を取得しました。 小売業で一緒に働いていた人たちは、彼女の転身に驚いたといいます。 「女性なのに、どうしてそんなところで働いているのか?あそこは女性の場所じゃないのに」と言いたいかのようでした。 キルーディス氏は、「私はいつもそのために少し戦っていました。私はそこにいるべきなのに」と語っています。 人材不足への対応 日本でもロジスティクスに関連するお仕事では圧倒的に男性の方が多いです。それは展示会に行くと一目瞭然で、大体が男性です。 人材不足というのも基本的にはアメリカも日本も同じであり、現場系ではロボットの導入は今後、確実に増えていくでしょう。 日本の場合は、さらにオフィス系ではもっとリモートワークが浸透しないといけないとも考えています。 地方在住の育児中のママさんなど優秀な人がいても、働ける環境がないことがとてももったいないことです。 また、人材紹介業をしていて感じるのは、求職者で登録している人で結構、外国籍の方が多いです。 中国の方はN1などもしっかり取っていて、すごいと思います。中にはもちろん優秀な人もいますし、日本の若者大丈夫ですか?と思う時も実際あります。 課題の多い物流業界 僕もこの業界で働いて11年くらいです。 DX化や人材不足など、とにかく課題が多いです。 課題を認識して早く対応していけばある意味でチャンスだと考えています。 僕なりにできることをやっていきたいと思います。

商船三井、不動産に4,000億を投資!コンテナ事業依存から脱却目指す | 物流ニュース・物流ラジオ

商船三井、不動産に4,000億を投資!コンテナ事業依存から脱却目指す

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、11月30日付の日経新聞の記事から、「商船三井、不動産に4,000億円投資 コンテナ依存から脱却」についてお話していきたいと思います。 2022年12月2日イーノさんの物流ラジオ 商船三井、不動産投資に舵を切る 商船三井が2023年から5年間で不動産事業に4,000億円を投じると発表しました。 4月に完全子会社化したダイビルが主導し、米国に進出するほかベトナムやオーストラリアなどの海外案件を増やすとのことです。 コンテナ依存から脱却 海運事業が好調なうちに中長期で安定的な収益が見込める不動産への投資を急拡大し、市況に左右されやすいコンテナ事業への依存を減らしていきます。 ご存知の通り商船三井の海運事業は新型コロナで物流需要が急増しました。しかし、経常益の約8割を占めるコンテナ船事業の業績は不安定です。 不安定なコンテナ船事業 2011年3月期から2020年3月期までの10年間では4度も最終損益で赤字を計上し、2011年3月期に35%だった自己資本比率は一時23%まで低下していました。 コンテナ事業に依存する事業構造の見直しは同業他社も課題にしています。 日本郵船は陸運事業を強化しており、商船三井は不動産投資にかじを切ります。 ではどのように不動産投資をするのでしょうか。 商船三井の不動産投資内容 4,000億円の不動産投資のうち、3分の1の1,300億円程度は米国をはじめとした海外案件に振り分け、既にオフィスビルを所有しているベトナムやオーストラリアで新規物件の獲得を狙っていきます。 人口増加が見込まれるインドをはじめアジア中心に新興国の開拓も見据えているとのことです。 海運事業者としてはこのような海外の不動産投資は異例の大規模となります。 残る3分の2の2,700億円程度は、国内投資をし、東京や大阪を中心に既存ビルの買収を目指します。 海運業界の不安定さ 海運業というのはとにかくボラティリティが高いです。 お伝えした通り、コロナ禍では大きな収益がありましたが、コロナ前は海運業はかなり厳しい環境下にありました。僕自身、実務をしていても、とにかく安い値段がどんどん出てくるといった状況でした。 それは今も変わらず、急激に上がった海上運賃がみるみる下がってきています。 過去に海運業界にはスエズブームっていうのがあり、一時的に海上運賃が高騰し、収益を上げた船会社が沢山船を作り、供給過多となりました。 船会社の投資の変化 今回も多くの船会社が船に投資をしていますが、時代が変わり、CO2排出の規制も重要なポイントになってきています。 商船三井はウィンドチャレンジという帆を作って風力で船を進めるプロジェクトも行っています。 世界的な脱炭素の流れがあるので、規制に対応していない船はスクラップに回され、そこまで供給過多にはならないと思います。 とはいえ、競争は激しく、商船三井はより安定した不動産への事業に舵を切ったということです。 別の事業での安定はかる 世の中の9割以上の貨物が海運で運ばれているので、海運事業自体は無くなりません。 もし別の事業が安定していれば、海運業での競争も耐えられるかもしれません。 物流業社はこの2年で大きな収益を得たので、今後、各社の投資戦略が注目です。

マースク・IBM、一大プロジェクト・トレードレンズ「商業性ない」と事業中止! | 物流ニュース・物流ラジオ

マースク・IBM、一大プロジェクト・トレードレンズ「商業性ない」と事業中止!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、12月1日付の海事新聞の記事から、「マースク・IBM、トレードレンズ「商業性ない」と事業中止」についてお話していきたいと思います。 トレードレンズ事業停止 デンマーク海運大手APモラー・マースクは11月29日、米IT大手IBMと共同で推進してきた貿易プラットフォーム「トレードレンズ」の事業を停止すると発表しました。 ブロックチェーン技術を核に、船社、港湾、税関当局など、主要な貿易関係者を結び、貿易の電子化を進める一大プロジェクトでしたが、マースクは「事業継続に必要な商業的有用性の水準に達しなかった」ため、停止を決めたとのことです。 トレーズレンズとは トレードレンズは貿易情報の電子化による業務効率化、貿易促進などを狙い、2018年にスタートしました。 当初はマースク主導のプロジェクトと敬遠する向きもありましたが、その後、MSCやCMA―CGM、ONE、ハパックロイドなど競合大手船社も順次参加しました。 事業停止への反応 同PFの電子船荷証券(eBL)が2021年にP&Iクラブの認証を得るなど、業界横断PFという認識も高まっていただけに、事業停止の発表は驚きを持って受け取られています。 情報のトランザクションごとの課金などではなく、PFから得られる物流情報を利用したアプリなどを通じた収益を狙うビジネスモデルを想定していたとみられるが、独立した事業として維持できるだけの収益が見込めなかったようです。 マースクは引き続き、サプライチェーンのデジタル化に努め、他のソリューションにより国際貿易を促進するとしています。 プラットフォームの今後の展開 今はプラットフォーム合戦が繰り広げられています。その中で、トレードレンズが抜けました。 最終的にどこかに集約はされていくと個人的には思っています。 他業種で考えてみましょう。 ECサイトでは、昔は各会社が自社の販売ページを持っていました。 今も各社のHP・通販サイトはありますが、ユーザーは、楽天・Amazon・ZOZOなどプラットフォームをメインで使っています。 おそらく、貿易のプラットフォームもこのように進んでいくのではないかと思っています。 とはいえ、今日のニュースはちょっと驚きのニュースでした。

関税局、「スマート税関」に向けて新施策を発表!DX化に備える | 物流ニュース・物流ラジオ

関税局、「スマート税関」に向けて新施策を発表!DX化に備える

どうもこんにちは、飯野です。 本日は11月30日付の海事新聞の記事から、「関税局、「スマート税関」へ新施策を発表」についてお話していきたいと思います。 2022年11月30日イーノさんの物流ラジオ 関税局、新施策発表 財務省関税局は28日、税関の中長期の施策をまとめた「スマート税関実現に向けたアクションプラン2022」を発表しました。 小口の輸入貨物の急増や経済社会全体のDX化などに対して新施策を打ち出しました。 詳しく見ていきましょう。 適切業務体制を整備 税関を取り巻く環境の変化や新たなニーズに対応し、世界最先端の税関を目指すとのことです。 越境ECが拡大し、輸入小口貨物が急増していることに対しては、水際の取り締まりの実効性確保と適正な課税のための情報の取得、情報を活用したリスク管理の強化、税関事務管理人の制度見直しなどを行います。 通関業者やECプラットフォーム事業者などとも連携・協力するほか、適切な業務体制を整備していきます。 関税などのキャッシュレス化 輸入手続きの円滑化に向けては、商業貨物の関税などのキャッシュレス納付に関するニーズを調査。 調査結果を踏まえ、納税環境の整備を検討します。 しかし、通関業者の税金立て替え問題を考えると、キャッシュレスのニーズ調査ではなく、もっとリアルタイム口座の浸透を目指すべきではないか、と個人的には感じております。 保税地域の活用 そして新たなニーズに対応し経済活性化につなげるため、保税地域も活用していきます。 アートフェア開催など保税地域を活用した新たなビジネスが生まれていることを踏まえ、多様な形での制度活用を図ります。 一方で、保税制度のさらなる適正執行に向けた体制強化を検討します。 プラットオーム連携を追求 貿易情報連携プラットフォームの登場など貿易情報のDX化に対しては、国内外の貿易関係書類のデジタル化の動向を注視していきます。 さまざまなプラットフォームとの連携の可能性を追求します。 税関とプラットフォームが繋がるとすると、NACCSとプラットフォームが繋がる感じでしょうか。 各プラットフォーム経由でNACCSが使えるとしたら面白いと思いますが、果たしてどうなっていくか、注目です。 原産地証明書のデータ交換 更には、原産地証明書のデータ交換にも取り組み、タイ、インドネシア、ASEANとの間で協議やシステム開発を順次行っていきます。 PDFファイルによる原産地証明書の受け入れも働き掛ける予定です。 日本への輸入では原産地証明はまだ原本必要だったように思います。コピー(PDF)で通関をした経験があります。 PDFによる受け入れは、ブロックチェーンを絡めたら仕組みができるのではないでしょうか。 税関の効率化へ このほか、空港・港湾施設などへの先端技術の導入、税関検査場のDX化、スマートグラスや水中ドローンの活用検討など新たな技術や機器を活用した審査・検査の効率化、経済安全保障への対応や途上国への関税技術協力などを進めていきます。 税関も色々と変わっていく時代です。 便利になってほしいとは思う一方で、税関がゆるゆるになってしまうと危険です。 人がやっていたことをDXで仕組みを作り、効率化に繋げてほしいと思います。

カリフォルニア州、2035年までに港湾でのディーゼルトラック輸送を禁止。課題は充電ステーションの設置 | 物流ニュース・物流ラジオ

カリフォルニア州、2035年までに港湾でのディーゼルトラック輸送を禁止。課題は充電ステーションの設置

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、ウォールストリートジャーナルの記事から、「カリフォルニア州、2035年までに港湾でのディーゼルトラック輸送を禁止」についてお話していきたいと思います。 2022年11月29日イーノさんの物流ラジオ カリフォルニア州、ディーゼルトラック輸送を禁止 カリフォルニア州では、トラック運送会社にディーゼル燃料から電気エネルギーへの転換を義務付ける計画がある一方で、現在、充電ステーションの設置問題に直面しています。 段階的にディーゼル燃料禁止 カリフォルニア州は、港、鉄道基地、倉庫の間を輸送するコンテナを運ぶ交通量の多い通路を走る、古い大型トラックを段階的に廃止。 2024年からすべての新車にクリーン燃料を使用するよう義務付けることを提案しています。 そして、2025年からは走行距離が80万マイル(約130万km)を超えたトラックを港湾や鉄道基地で運行することを禁止する予定です。 トラック業界関係者は、「この目標は時間がかかる」しています。その理由としては「充電がないから」です。 カリフォルニア州の新規則 カリフォルニア州は、クリーンエネルギーへの移行において、全米をリードしています。 カリフォルニア州ではこの夏、2035年までにガソリンエンジン車の新車販売を禁止する規則を可決。 更に、トラック・ディーラーに対し、今後10年間はゼロエミッション車の販売比率を高めることを義務付ける規則も可決しました。 トラック運転手にクリーンエネルギーの装備を強制することで、ディーラーの市場を創出することを目的としています。 しかし、問題は充電インフラだけではありません。 立ちはだかる問題 電気トラックは、小売価格が15万ドル(約2,100万円)程度のディーゼルトラックに比べ、2~3倍のコストがかかる傾向があります。 更に、電気トラックの多くは充電後の走行距離が100〜200マイル(約160~320km)であり、長距離のトラック輸送は現実的ではありません。 企業による対応 一方で、物流とトラック輸送を手がけるNFI Industries社の副社長は、同社は今後1年間で南カリフォルニアに約90台の電気トラックを導入すると述べています。 NFIはまた、港や倉庫に近い3ヵ所に数十の充電器の設置を予定しています。 大手は既に利用する顧客を多く抱えており、ゼロエミッションの輸送に割増料金を支払ってくれる顧客もいるとのこと。 港の対応 ロングビーチ港では、現在2つのトラック用の充電ステーションが設置されていますが、さらに増やす予定です。 そしてお隣のロサンゼルス港では地元の交通への影響、利用可能な土地、必要な送電網の改善などの懸念から、多くの充電器を追加する予定はないと述べています。 港側としても足並みが揃っているわけではありません。 州当局による支援 カリフォルニア州当局によると、これまでに中型・大型トラック用の充電ステーション200カ所に資金を提供、さらに多くの民間企業が資金を提供しているとのことです。 カリフォルニア州公益事業委員会は11月17日、今後5年間で7億ドルを中・大型車の充電に充てる「交通機関電化プログラム」を採択しました。 州としてもお金を出して充電設備を作っていく方針です。 強制的に電気トラックにするように州の法律を決め、インフラ設備も増やしていこうとしています。 ゼロエミッションは世界的な流れなので、現実的ではないという現場の人たちがいる一方で、徐々に広がっていくのだと思います。

北米の鉄道スト、12月2日から危険品類を制限。4つの組合が前提合意案否決 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米の鉄道スト、12月2日から危険品類を制限。4つの組合が前提合意案否決

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、11月28日付の海事新聞の記事から、「米鉄道会社は12月2日から、危険品などの貨物受託を停止」についてお話していきたいと思います。 2022年11月28日イーノさんの物流ラジオ 米鉄道労使交渉の否決 アメリカの鉄道労使交渉で、提示された暫定合意案を否決した組合が4つあります。 その4つの組合がばらばらだった交渉期限の調整で合意しました。これにより、4組合とも12月9日からのストライキ突入に向けて準備することを決めたとのことです。 鉄道会社の危険品引き受け停止 12月2日からの鉄道会社による危険品類などの引き受け停止は、ストライキに備えたものです。 ストライキによる影響額は1日20億ドルとも試算されており、混乱が懸念されています。 米鉄道労使交渉では12組合のうち4組合が、11月21日までに政府が提示した暫定調停案を拒否しています。 鉄道労使交渉でのストライキ ストライキをやってはいけませんよという、スト禁止期間が終わるタイミングが調停案を拒否している4つの組合同士で違っていました。 しかし、今回はそのスト突入タイミングを合わせにいっています。バラバラでやるよりも、一気にやったほうが効果的であるという理由からでしょう。 そのストが始まるのが12月9日予定です。 ストライキの影響 連邦政府の規定により、鉄道会社はストライキ予定日の1週間前から準備することになっており、安全保障上の重要な物資の確保や移送を優先するため業務を縮小しています。 また危険品類などの引き受けも制限することになると報じられています。 北米西岸向けは、オールウォーターで西岸へ運ぶ必要があり、北米東岸へ輸送し、鉄道で西岸へ輸送することができなくなります。 北米西岸では現在沖待ちはゼロとなっており、以前ほど混乱はないとは思いますが、引き続き情報をアップデートしていきたいと思います。

貿易PFトレードワルツ、日本-タイPF上で貿易実証に成功。世界初!5ヵ国連携成功 | 物流ニュース・物流ラジオ

貿易PFトレードワルツ、日本-タイPF上で貿易実証に成功。世界初!5ヵ国連携成功

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、11月22日付の海事新聞の記事から、「トレードワルツ、5カ国の貿易PF 接続成功。日-タイではデータ連携実証」についてお話していきたいと思います。 2022年11月22日イーノさんの物流ラジオ トレードワルツ、貿易PF実証成功 貿易情報連携プラットフォームのトレードワルツは18日、日本、タイ、シンガポール、豪州、ニュージーランドの貿易PFのシステム接続と、日本―タイ間での構造化データの連携実証に成功したと発表しました。 ブロックチェーン技術をベースに信頼性を確保しながら、業界横断型BtoBのPFを5カ国で連携したことは世界初です。 異なったPFでの連携に成功 タイの貿易PF「NDTP」とは、相手国の貿易手続きにそのまま流用できる細かいレベルでの構造化データのAPI連携に成功しました。 5カ国とも違うPFで繋げることが出来たとのことで、日本-タイ間ではAPIで繋げたものでの実験も成功しました。 実証実験の内容 実証ユーザーとして豊田通商と豊田通商タイランド、三菱商事とタイの水産加工会社ユニコード、三菱商事プラスチックとタイ国営石油会社系のPTTが参加。 9月20―22日にPO(発注書)とインボイス、パッキングリストなどの船積み書類の構造化データを貿易PF間で受け渡す実証を行いました。 実証ではデータ入力と送付のための時間や受領側での確認時間が短縮され、現行の業務よりも60%以上効率が上がったとのことです。 日本―タイ間の連携 豊田通商と豊田通商タイランドは、日本の商工会議所が発行する電子原産地証明書(eCO)の構造化データの連携も実証しました。 関係者は今後、商工会議所のシステムとTradeWaltz間のシステム接続、NDTPとタイ税関の連携などを検討しています。 商工会議所とトレードワルツはまだ繋がっておらず、商工会議所が発行した電子原産地証明をトレードワルツのPFにアップし、受け渡しが出来たということです。 個人的に、タイのPFとタイ税関の連携が注目です。東南アジアの税関はまだまだ袖の下とかがあるので、どう繋がるかな?というのが僕の見解です。 CO2排出量の可視化 このほか、三井倉庫ホールディングス(HD)とゼロボードにより、物流からのCO2排出量を可視化する取り組みも行われました。 トレードワルツと関係者は実証で得た課題を踏まえ、商用化に向けた検討を続けていくとのことです。 メールよりもPFへ PF上でのやり取りの方が、やはり効率的だと思います。 メールの場合、メーラー開き、そこにファイルを添付し、また別のメールでファイル添付という繰り返しで、書類に修正があると、またメール添付で対応していきます。 添付書類がどのメールにあるのかを探すのにかなり時間がかかっているのが現状です。 よって、PF上で情報の一元管理ができる方が、情報がすっきり整理されています。 今後のプラットフォーム合戦 今はプラットフォーム合戦が始まっており、どこのプラットフォームに今後集約されていくのかが注目です。 例えばECの場合、皆さんはアマゾンや楽天のアプリをスマホに入れていると思います。昔はECサイトが沢山ありましたが、現在はECサイトで買うよりアプリで買う時代です。 このように貿易プラットフォームもなっていくのではないかと、個人的には思っています。

RORO船の供給逼迫で、COSCOが新車をコンテナ輸送!自動車販売市場に注目 | 物流ニュース・物流ラジオ

RORO船の供給逼迫で、COSCOが新車をコンテナ輸送!自動車販売市場に注目

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、11月17日付の海事新聞の記事から、「自動車船の需給逼迫で、中国船社が新車をコンテナで輸送」についてお話していきたいと思います。 2022年11月17日イーノさんの物流ラジオ RORO船需給逼迫 完成車を運ぶ自動車船(RORO船)の船腹需給が逼迫する中で、新車をコンテナで輸送する動きが出てきました。 それを今回実行するのは中国船社のCOSCOシッピングです。 中古車はコンテナ船で運ばれることも多いですが、新車を運ぶのは珍しいです。僕も実務でRORO船が足りず、何とかしてくれという依頼があり、リアルに足りてないと感じています。 コンテナ船で新車輸送 コンテナで新車を運ぶ動きが出てきたのは、荷動き回復とトレード変化で自動車船の船腹不足が継続し、荷主の輸送需要に十分に応え切れないためです。 日本からの9月の新車輸出は前年同月比85%増の約37万台となり、半導体不足などによる減産の影響は和らいできています。 他にも建設機械の輸送需要も旺盛であり、また中国発の荷動きの伸びも顕著になってきています。 一方で、自動車船の供給の伸びは限定的です。 自動車船の供給伸び悩み 新型コロナウイルス感染拡大直後の荷動き急落を受け、高齢船の解撤が進み全体の船腹量は減少しています。 先行き不透明感から投資が手控えられた時期があり、新造船の供給も2022―23年は15隻程度にとどまっています。 コンテナ船は沢山作られていますが、RORO船への投資は進んでいませんでした。 その結果、船腹需給が引き締まり、一部では積み残しも発生している模様です。 特に、輸出を急拡大させている中国の荷主が輸送スペースの確保に苦慮しています。 中国における新車輸送 中国の海運会社は自国の自動車メーカーの輸送需要に応えるため、コンテナ船だけでなく、多目的船でも完成車を輸送しています。 COSCOは今夏、製紙原料用パルプ輸送に投入する6万2000重量トン型多目的船で、商用車1100台以上を南米に輸送した実績があります。 コンテナでの新車輸送が中国以外に広まるかどうかはまだ不明です。 日本の海運関係者は「コンテナ船のスペースは確保しやすくなっているかもしれないが、新車の高度な輸送品質ニーズに対応するのは困難」と語っています。 今後、自動車船の需給逼迫が緩和する可能性もあるとのことです。 自動車販売市場の行方 利上げに伴う景気減速で、自動車販売市場が鈍化することも予想されています。 船腹需要を左右する自動車販売市場の行方が注目されています。 中国の自動車輸出量の増加 同時に注目をしたいのが、中国が自動車輸出でドイツを抜いて世界2位になったということです。 一位は日本です。 中国車の競争力が高まっています。中国車の輸出先といえば、かつては発展途上国が主でしたが、現在は大半が先進国となっています。 中国税関総署によると、22年1〜8月の中国車の輸出額上位10カ国は米国、メキシコ、日本、ベルギー、英国、ロシア、ドイツ、韓国、オーストラリア、サウジアラビアの順でした。 中国の高級車市場への参入 中国のとくに純電気自動車(BEV)などの輸出価格は、年々上がってきています。 2018年の2000ドル(約29万円)から2020年には1万1000ドル(約160万円)、2022年には1万9900ドル(約280万円)となっています。 更に2022年8月には2万5800ドル(約370万円)へと大幅に上昇しました。 中国のEVが段々と高級車市場にも入っていっています。 日本の自動車産業への影響 怖いのは、RORO船の供給量が限定的なので、中国に買い負けるかもしれないというところです。 日本の自動車メーカーがリスクを負って新車をコンテナ輸送するかというと、可能性は低いように感じます。 もしRORO船を買いまけて、コンテナ輸送もしないとなると、日本の自動車産業はどうなるんだろうか?と思った記事でした。

北米西岸労使交渉、停滞打破?オークランド港で荷役停止。組合側の揺さぶりか? | 物流ニュース・物流ラジオ

北米西岸労使交渉、停滞打破?オークランド港で荷役停止。組合側の揺さぶりか?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は11月16日付の海事新聞の記事から、「米西岸労使交渉、オークランド港、荷役作業を11月14日から停止」についてお話していきたいと思います。 2022年11月16日イーノさんの物流ラジオ オークランド港、荷役作業停止 北米西岸港湾の労働組合ILWUは11月14日から、米国西岸オークランド港のターミナルで荷役作業を停止しました。 米誌ジャーナルオブコマース(JOC)電子版が伝えています。 荷役作業が止まったのは、オークランド港のOICTというターミナルで、オークランド港のコンテナ取扱量の70%を占めるターミナルです。 現時点では作業再開のめどは立っていないとのことです。 労働組合側の揺さぶりか 今年5月から始まった米国西岸港湾の労使交渉は目立った進展がないため、組合側による揺さぶりとの見方も出てきています。 オークランド港では2週間前にも、四つあるターミナルのうち三つで早朝シフトが止まり、一時的に閉鎖されるなどのトラブルが発生していました。 労使交渉、完全中断 米西岸労使交渉は5月10日からスタートしています。 7月1日の現行労働協約の期限切れ後も大きな混乱なく荷役作業は続けられたものの、交渉は停滞していました。 その後、労働組合側のILWUと使用者側であるPMAとの交渉は10月に入ってから完全に中断していたとのことです。 シアトル港での荷役機器のメンテナンスに関するILWU以外の組合との管轄権問題がネックといわれています。 今回のオークランド港での組合による荷役停止は、交渉再開に向けた組合側の圧力との見方が強いです。 不安定な国際物流業界 まだメインの港の自動化についての交渉が始まっていません。 今の所は北米の港まではスムーズに輸送ができている状態で、海上運賃も下がり続けており、コロナ前のレベルにも戻ってきています。 高いSCレート 現場ではSCレートと現在の安いスポットレートの使い分けの葛藤のようになっていると感じます。 特に大手荷主と大手フォワーダーの間では顕著です。 SCを取ってない中小のフォワーダーは結構自由に動ける印象です。 まだこの国際物流の業界は、安定はしておらず、いつどういう変化が起こるか分からない状態だと個人的には思っています。 そんな中でDX化などのトレンドにはちゃんとついていき、やるべきことをしっかりとやらないといけないと思います。