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2023年、活発化?コンテナ船のスクラップ市場の動向

どうもこんにちは、飯野です。

今日は1/30付の海事新聞の記事から、「コンテナ船のスクラップ市場が活発化。年間35万TEUに急増か。」についてお話していきたいと思います。

この記事を書いた人
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)

2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!

2023年2月1日イーノさんの物流ラジオ

イーノさん
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コンテナ船のスクラップ増加

海上コンテナ運賃市況の下落が続く中、これまで歴史的な低水準を記録していたコンテナ船のスクラップ市場が活発化しています。

ヨーロッパの海事調査機関アルファライナーによると、1月時点で既に13隻がスクラップの為の売却済みで、2023年のスクラップの規模は35万TEUになる予想。

これまで運賃高騰や用船料の高止まりを受け、スクラップを保留する動きもありましたが、今後新造船の竣工を控える中、マーケットの推移や、環境規制も市場を後押ししていきそうとのことです。

昨年のスクラップは6隻

2022年のコンテナ船のスクラップ規模は6隻・1万904TEUとなり、2005年以来17年ぶりの低水準を記録しました。

2022年の初頭は、コンテナ船はフル稼働だったため、スクラップが少なかったのです。

船腹供給増加で老齢船スクラップへ

そして今年は、新造船の竣工により、市場に新たに240万TEUの船腹が供給されることが予測されており、船主・オペレーターは今後船齢の高い船舶を中心にスクラップを進めていくとみられています。

既に今年の1月の時点で13隻の船舶がリサイクル業者に売却されており、ワンハイ、マースクなどの船舶が含まれています。

2023年のコンテナ船の供給

年初からの活発な動きを踏まえ、アルファライナーは、2023年のスクラップ船の市場の規模は高水準を記録する可能性もあるとのことです。

全体の船腹量を考えると、2023年に竣工する量が240万TEU、スクラップの予測が35万TEUです。

市場の船腹の増加を少し抑えるくらいの規模感です。

これに加え、船をドッグに寝かせ、不稼働船で供給量を船会社がコントロールしていくでしょう。

北米の景気の動向

運賃は今が底値か、もう少し下がるかで、北米の景気回復がまたちょっとした分岐点になるのかと思います。

北米のインフレは現在ピークを迎えているので、今年中にはよくなるかもしれないという見通しもあります。

海運のマーケットも合わせて見ていきたいと思います。

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