column

3大アライアンス、欧州向け27%の供給減便!

どうもこんにちは、飯野です。

本日は、1月19日付の海事新聞の記事から、「アジア―欧州 欠便拡大。需要が低迷し、3大アライアンスが27%減便」についてお話していきたいと思います。

この記事を書いた人
HPS CONNECTご担当者様

2023年1月23日イーノさんの物流ラジオ

イーノさん
イーノさん

チャンネル登録よろしくお願いします!

アジア―欧州航路、欠便増加

輸送需要の低迷でアジア―欧州航路で欠便が増加しています。

アルファライナーによると、2M、ザ・アライアンス(TA)、オーシャン・アライアンス(OA)の3大アライアンスは年初の7週間で、当初計画していた運航数のうち27%に当たる53便の欠便を決めました。

貨物量の下落

荷動きが減少する中国の旧正月期間の欠便は一般的ですが、通常貨物が増加する旧正月前でも中国出しは低調に推移しています。

減便による供給の調整を行っているものの、中国発欧州向け運賃でも下落が続いています。

3大アライアンスの対応

3大アライアンスでは、1月1日から2月17日までの期間、アジアと北欧、地中海を結ぶ計196便を運航する計画でした。

しかし、年初の数週間の出航実績と、今後の数週間の計画を基にまとめたアルファライナーの集計によると、計53便の航海が欠便となる見込みです。

内訳は2Mが15便、OA18便、TA20便の欠便です。

迂回ルートでの供給調整

この中で注目なのはTAで、各社が北欧からアジアへのバックホールでスエズ運河から喜望峰ルートへ他の船社よりも多く迂回させています。

迂回により航行日数は2週間追加となり、供給の調整を図っています。

市況の低迷の影響

アジア―欧州航路ではかつて、海上運賃の高騰を背景に中国船社のCUラインズなどの新興船社の新規参入も相次いでいました。

しかし市況の低迷により、こうした船社は撤退しています。

同航路での供給量は減少し、自動車輸送台数の低迷など需要の落ち込みが続く中、欠便による供給調整を余儀なくされています。

海上運賃の下落

しかし、各社が供給調整を行う中でも、運賃の下落傾向には歯止めがかかっていません。

上海航運交易所(SSE)がまとめた1月13日付のSCFI指標によると、上海発欧州向けスポット運賃は1TEU当たり1,020ドル、地中海向けは1,836ドルと前週と比べて下落が続いています。

旧正月明けの貨物の荷動きがどのように推移するかが今後のマーケットの動向に影響を与えそうとのことです。

欧州向けで3大アライアンスが今年いきなり約30%を欠便しています。

供給過多と海上運賃値下げ

2023年は船腹の供給過多が懸念されていましたが、このように船会社が欠便を決行しています。しかし、海上運賃の値下げ傾向は止まっていません。

次は船舶の排ガス規制を名目に、もっと減速するという形になるかもしれません。

運賃の下げ幅がこれからどうなるかが注目です。

運賃が既にコロナ前と同じか、それ以下に戻っているルートもあります。

引き続き運賃動向も含めて確認をしていきたいと思います。

関連記事