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海上輸送、燃料費高騰!ロシア・ウクライナ情勢で記録的な燃料価格、年間70億ドルの追加コスト?! | 物流ニュース・物流ラジオ

海上輸送、燃料費高騰!ロシア・ウクライナ情勢で記録的な燃料価格、年間70億ドルの追加コスト?!

どうもこんにちは、飯野です。 本日JOC.comの記事から、「荷主、運賃上昇に加え、燃料サーチャージの上昇に直面」についてお話していきたいと思います。 2022年3月16日イーノさんの物流ラジオ コンテナ運賃大幅引き上げ ロシアがウクライナに侵攻した後に石油市場が高騰しています。 バンカー変動燃料価格がここ2週間で大幅に上昇し、現在ただでさえ高い海上運賃なのに、さらにコンテナ運賃の大幅引き上げの可能性があるということです。 低硫黄燃料価格高騰 石油価格報告機関によると、低硫黄燃料(VLSFO = Very Low Sulfur Fuel Oil)の価格は、2月24日のロシアのウクライナ侵攻前に比べ、なんと26%上昇。 現在シンガポール、ニューヨーク、ロッテルダムの主要ハブ港で1トン当たり平均986ドルとなっています。 以前、燃料価格について放送した際、2月14日付シンガポール市場の低硫黄重油の価格は、トン当たり752ドルでした。 この1ヶ月で、230ドル/トンほど上がっています。 スクラバー搭載でC重油使用 低硫黄燃料はスクラバーが装着されていない世界の船体の70%を動かしています。スクラバーというのは排ガス洗浄装置のことです。 質の悪いC重油を燃やすとPM2.5が発生するため、質の高い低硫黄燃料を使いましょうという規制がありますが、スクラバーを搭載していると、船は従来の価格の安めなC重油を使えます。 C重油高騰 とはいえ、C重油も現在は650ドル/トンに上昇しています。 2月中旬で536ドルでしたが、ここひと月ほどで約120ドルの値上げを見せています。 低硫黄重油がUSD980/トン、C重油がUSD650/トンでUSD330/トンの差があり、かなりC重油にメリットのある価格差になってきています。 価格高騰の影響 Hapag-LloydのCEOは先週木曜日の記者会見で、「エネルギー価格の上昇は本当に心配なことである」と述べています。 「燃料価格は1トン500ドルから1,000ドル程度まで上がっている」と続け、「Hapag-Lloydは年間450万トンの燃料を使用しているため、20億ドルから25億ドルのレンジでの、追加コストを意味する」としています。 記事は、荷主は、通常燃料価格に1〜2ヶ月遅れて請求が来るBAFを通じて、燃料費上昇のピンチを感じることになるだろうと報じています。 BAFについて 海上輸送の費用には、BAF(Banker Adjustment Factor)という燃料の割増料金があります。FAF、EBSという名前でも使われており、燃料費の変動があったときに調整される費用のことです。 燃料費用は船社がある期間まで契約しており、その間は基本的に上がらないことになっています。緊急のBAFというのは以前にとても不評だったため、Hapag-Llyodは今回は緊急のBAFやサーチャージを課すつもりはないと伝えています。 BAFの価格が上がり、今後、荷主の費用負担が増してきます。 コンテナ船業界への追加コスト 分析会社のSea-Intelligence は最新のニュースレターで、「バンカー燃料価格が年間を通して現在の水準で推移した場合、コンテナ船業界は年間70億ドルの追加コストを負担することになる」と推定しています。 燃料費の高騰は船会社にとっては大きな負担です。 コスト負担は? 同じく、海上輸送の分析会社Vespucci MaritimeのCEO兼パートナーは、今週のLinkedInに投稿した記事で、「このコストはすぐに転嫁される」と警告しています。 「荷主は、次回の運賃改定で記録的な高額のバンカー・サーチャージが課されることを予期するだろう」と述べています。 船社がこの費用を吸収するのか、荷主に遅れて請求するのか、もしくはすぐに荷主に転嫁するのかが注目だと思います。 低硫黄燃料費がUSD980/トンは過去最高値だと思います。C重油との価格差もかなり空いてきたので、スクラバーに投資する船会社も出てくるかもしれません。 実務やっている現場としては、やはり運賃の値上がりが気になるところです。最近は、コントロールできないことが色々起こりすぎていると実感しています。 また情報アップデートしていきます。

何がなんだか…北欧州向け運賃が下落。深圳のロックダウンでどうなる?? | 物流ニュース・物流ラジオ

何がなんだか…北欧州向け運賃が下落。深圳のロックダウンでどうなる??

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「欧州向けのコンテナ運賃が軟化。ロシア・ウクライナ問題の影響か?」についてお話していきたいと思います。 2022年3月日イーノさんの物流ラジオ 上海発北欧州向け運賃 上海航運交易所がまとめた3月11日付の上海発北欧州向けコンテナ運賃は、20フィートコンテナ当たり7,019ドルとなり、前週に比べて700ドル弱の値下がりとなりました。 北欧州向けが値下がりは7週連続ですが、今回の下げ幅はかなり大きいものでした。 ロシア・ウクライナ情勢 原因として考えられるのは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻です。 欧米諸国が経済制裁を実施し、それに合わせてコンテナ船社も一斉にロシア発着貨物の輸送引き受けを停止しています。 よって、アジア発欧州向けでロシア・ウクライナ向け貨物の出荷が止まったことで、これが多少なりとも影響を受けている可能性があります。 ブッキングしやすく 北欧州向けの運賃は1月末がピークで徐々に安くなり、3月に入って下落のスピードが早くなってきました。地中海向けも同じ動きで運賃は軟化してきています。 ある船社関係者は、「アジア発ではこれまでに比べ、先週あたりからブッキングが通りやすくなってきた」と述べています。 シベリア鉄道封鎖の影響 アジアから欧州に向かう2021年のコンテナ貨物量は約1,700万TEUで、このうちロシア、ウクライナ向け貨物は合計では80万TEU、約5%程度です。 このラジオでは、シベリア鉄道が実質封鎖で海上運賃は上がるかもしれないとお伝えしていましたが、現状ではロシア・ウクライナへ輸送する分が無くなったため、運賃が軟化している状態です。 運賃は下がって、スペースが取りやすくなって良かったものの、戦争はまだ続いているので、複雑な思いではあります。 このまま運賃が下がり続けるかどうかは、まだ分かりません。 深セン、ロックダウン また、本日の他の記事で、3月14日から20日まで中国の深センがロックダウンされることが報じられています。 無症状を含む市中感染者が、中国本土で3月12日に3,122人、11日の1,524人から倍増しました。深圳だけの数字ではなく、中国本土で3,000人であり、中国のゼロコロナ政策の厳しさがうかがえます。 人手不足の懸念 この間はロックダウンをする深圳では工場も止まり、これがどこまで影響が及ぶかは未知数ですが、検疫強化による港湾物流での人手不足については懸念があります。 また、労働者不足による本船遅延などが発生する可能性は十分ありえます。 もう、何がなんだかという感じで、全く先が分からない状況です。 北米向けの運賃横ばい 3月11日付の北米西岸向けは40フィートコンテナ当たり8,105ドル、前週比で5ドル下落しています。 北米東岸向けは1万634ドル、前週比で44ドル下落であり、若干軟化しているものの、実質的には横ばいに近い値動きとなっています。 北米西岸の沖まち コンテナ船は3月11日時点で50隻となり、年末年始の100隻前後から大幅減となっています。 かなり改善しており、このまま何も問題なくいけばあと2ヶ月ほどで沖まちはなくなるかもしれません。北米の物流の目詰まりが解消されていくように感じます。7月までは運賃が少し落ち着くかもしれません。 随時、情報をアップデートしてきたいと思います

大手荷主向けの海上運賃、長期レートがスポット運賃なみの高値!荷主はスペース確保優先。 | 物流ニュース・物流ラジオ

大手荷主向けの海上運賃、長期レートがスポット運賃なみの高値!荷主はスペース確保優先。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞のニュースから、「日系大手荷主向けのコンテナ運賃交渉、年契約がスポット運賃の水準に」についてお話ししていきたいと思います。 2022年3月14日イーノさんの物流ラジオ 2022年度の運賃交渉 コンテナ船社とBCO(日系大手荷主)の2022年度の運賃交渉は終盤戦に突入しています。 スペースが逼迫しているため、大手荷主は軒並みスペース確保を最優先しています。 今回の交渉は「運賃そのものが問題にならない初の運賃交渉となった」と船社関係者は伝えています。 長期レートの高騰 成約した契約運賃は、2021年のスポット(短期)運賃並みという記録的な高値が続出しているようです。 通常、長期契約はスポット運賃よりも安く設定されます。2022年の長期契約の運賃が、去年のスポット運賃並に高くなったというのがポイントです。 2022年の交渉の焦点 主要船会社の今年の供給スペースはどこも前年並みですが、荷主側は出荷計画の増加を見込んでいます。圧倒的に需要の方が高く、交渉内容は極端なほど売り手優位の交渉となったと報じられています。 運賃よりもスペース確保優先 今回の交渉で焦点になったのは、供給スペースの確保であり、「荷主から聞かれるのはスペースのことばかり。運賃については全く話題にもならなかった」(船社の営業担当)。 船社側が1次段階で提示した金額を丸のみするところが少なくなかったとのことです。 更に安定した輸送スペースを確保するため、2年間など複数年契約を結ぶ事例も見られました。複数年契約は荷主にとってはリスクですが、船会社にとっては安定した利益がみこめるから魅力的です。 もし2023年に運賃が急落したら、複数年契約した荷主は損をします。船会社はスペース供給の提供を確約し、複数年契約を積極的に受けたようです。 長期レートの価格 日本・アジア発北米西岸向けの長期運賃は、2021年の運賃交渉での金額はUSD3,000-4,000/40’程度でした。 しかし、今年の1月時点では、40フィートコンテナ当たり1万ドル前後が一つの指標と言われており、既に決まったBCO向けでは、この指標を上回る金額が多く、去年の倍以上に値上がりしました。 日本発がアジア発より高値に そして記事の最後に、日本発北米向けのスポット運賃で中国発を上回ったと報じられています。 アジア発に比べて、日本発の値段が高くなる傾向が出てきています。従来、日本発がアジア発に比べて一般的に割安といわれてきましたが、昨年末から逆転しました。 現在、日本直航便の相次ぐ欠便があり、儲からないため、日本への寄港を避ける傾向が見られます。 日本発の条件が悪くなっていることで、アジア発に比べて値段を高くしないとスペースを確保できないようです。 スポット運賃は 今回の記事で気になるのは、今年のスポット運賃です。 今年の長期レートが去年のスポット運賃と同じくらいとなり、その場合、スポット運賃は更に高くなるのが一般的な流れです。 アメリカ政府の船会社への対応 しかし、バイデン大統領が海運会社を叩いています。北米はかなりのインフレであり、3月1日のアメリカの一般教書演説で、バイデン大統領は下記のように批判しました。 「米国内外に物資を運ぶ海運会社の状況を見てほしい。コロナ禍の間、外資系海運会社が1,000%もの値上げを行い、記録的な利益を上げている」 その上で、「米国の企業と消費者に過大な請求をしている企業の取り締まりを発表する」とバイデン大統領が述べると、議場では大きな拍手が沸き起こったようです。 それに対して世界海運協議会(WSC)は翌日の3月2日、「コンテナ船業界は十分に競争している環境にある。そして、過去に例のない輸送需要に対応している業界に対し、根拠のない批判が行われたのは非常に残念」との声明を発表しました。 国内外ともに運賃動向注目 冒頭に話をしたのは日本の荷主の話ですが、海外の荷主も同じような状況のようです。 日本のBCO向け長期レートが安すぎたため、そのギャップに注目してしまいがちですが、BCO向けの長期レートが昨年より高くなるでしょう。 これ以上のスポット運賃を上げない為に、アメリカのパワープレーで、何らかの規制が入るかもしれません。 どうなるかは分かりませんが、日本の船会社は長期レートが倍以上で売れることが決まっていますので、2022年の収益が去年より高くなることは確定です。 現場の立場として、今後の運賃動向にも注視していきます。

日本の企業物価指数9.3%上昇、消費者物価指数は横ばい。値上げの受け入れが必要。 | 物流ニュース・物流ラジオ

日本の企業物価指数9.3%上昇、消費者物価指数は横ばい。値上げの受け入れが必要。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は日経新聞の記事から、「メーカーのコスト削減限界に!企業物価指数が41年ぶりの伸び率」についてお話ししていきたいと思います。 2022年3月11日イーノさんの物流ラジオ 企業物価指数上昇 企業間で取引するモノの価格が高騰しています。 日銀が3月10日発表した2月の企業物価指数は前年同月比9.3%上昇し、伸び率はオイルショックの影響があった1980年12月以来、なんと41年ぶりの高水準になりました。 価格転嫁へ 個人消費の低迷を受けて、企業はコスト削減で吸収を進めてきましたが、限界がきており、価格転嫁にカジを切る動きも出てきました。 ガソリンを含む石油・石炭製品は34.2%上昇し、鉄鋼は24.5%、電力・都市ガス・水道は27.5%、と上昇しています。 ウクライナ情勢による小麦への影響 輸入小麦も4月から売り渡し価格が平均で約17%上昇し、過去2番目に高い水準となります。ウクライナが小麦の産地であり、ウクライナ国旗の黄色が小麦を表しているほどです。 消費者物価指数は横ばい 大和証券のシニアエコノミストは、「企業がコストを販売価格に転嫁できなければ、製造業の経常利益は今年に、前年比で最大84%押し下げられる」と試算しています。 原油価格が1バレル120ドル、円相場が1ドル=115円で推移する場合、28兆円が失われる計算です。 企業物価指数が上昇している一方で、消費者物価指数はほぼ横ばいです。つまり、値上がり分を企業が吸収しているということです。 値上げに踏み切れない アベノミクスで得た利益を、内部留保していたので、お金があって余裕があるのか、なかなか値上げに踏み切れないのかもしれません。 最近はちょこちょこと値上げがありますが、ここにきて耐えられないレベルにまできたようです。 このままだと日本人全体で貧乏になっていくので、物価、給料は上げていかないといけないと思います。 アメリカの消費者物価指数 一方で本日の別の日経新聞に、「アメリカの消費者物価、2月7.9%上昇に加速。40年ぶり高水準続く」という記事がありました。 物価上昇率は2%くらいが適度と言われていますが、北米では先月に消費者物価指数が7.9%上昇しました。 積極的な値上げ 企業側も一部は我慢しているかもしれませんが、日本ほどではないようです。ドラスティックにあげている模様です。 続くインフレへの対応 今後10年のインフレ期待を示す「ブレークイーブン・インフレ率(BEI)」は、2月は2.5%前後でしたが、現在は2.9%前後で3%を目の前にしています。 これは、今後もインフレが続くという見通しが数字で出ているということです。 値上がりが続くという連想から人々が耐久財を買い急いだり、企業がコスト増を前提に値付けしたりする変化が広がっています。 家賃の上昇 他にも北米では家賃の上昇が物価を押し上げています。 記事に首都ワシントンの賃貸の話がありました。 契約更新時に管理会社が当初の提示で約20%の値上げがあり、住人が「とても払えない」と物価データなどを挙げて反論し、ようやく5%程度に上昇幅を抑えるところまで交渉したとありました。 それくらい値上げに対して売る方は積極的です。 日本企業の対応 日本は消費者のことを考えすぎというか、顔色を伺いすぎではないかという気もします。 サプライチェーンの乱れからくる値上がりもありますが、このラジオでは何度もお話しているとおり、現状では値上げは避けられません。 日系企業では、いまだに海上運賃を叩いてくる大手企業もあります。 「いい加減、貧乏やめよう」と思いますね。 僕らの世代だけならまだしも、子供の世代にも影響していきます。 物価の値上げ必要 今年は日本も物価が多分上がっていきます。逆に物価が上がらないと、この国はヤバいと考えています。 このラジオのリスナーさんは、男性 90%、女性 10%。45歳以上が50%、35歳以上だと80%以上いらっしゃいます。役職についている人も多いのではないかと思います。 値上げについて理解を示していただきたいですし、一消費者としても同じで、値上げを受け入れないといけません。 昭和や平成ではないので、いい加減、変化が必要なのではないか?と感じています。

今後の国際物流業界はどうなる??中小フォワーダーの視点から考察。 | 物流ニュース・物流ラジオ

今後の国際物流業界はどうなる??中小フォワーダーの視点から考察。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は、現在の国際物流業界について僕が思うことについてお話ししていきたいと思います。 2022年3月10日イーノさんの物流ラジオ 続く物流混乱 コロナの影響で2年ちょっと物流の混乱が続いています。 コロナ前はスペースの問題はほとんどなく、価格勝負でしたが、コロナ後はスケジュールが乱れまくり、海上運賃は高騰し、スペースが取れると、利益額は上がるので収益は高くなっています。 とはいえ、しんどいのが現状です。 コントロールできない問題多発 例えスペースが取れても、抜港や遅延など、僕らがコントロールできない問題が発生しています。 船会社の営業マンもコントロールできません。 荷主さんも、サプライチェーンの部分で大変だと思います。荷主さんから何とかならないかと言われますが、対応が難しい場面が多いのが現状です。 2022年の市況 そこで、ロシア・ウクライナ情勢があり、また物流が乱れる可能性が高いです。 航空輸送は既に乱れて始めています。 7月に北米西岸のストがあり、10月に国慶節、クリスマス商戦と続き、2022年もバタバタします。 物流業界のデジタル化 大手フォワーダーは既にやってはいますが、肌感覚でまだまだ浸透はしていないように思います。 物流のDX化のスタートアップの企業も登場してきています。 ここについていく必要があり、昔ながらのフォーワーディングだけでは生き残れないと考えています。 船会社は営業マンを大量に雇うことができないので、フォワーダーを代理店として、貨物を集めています。 船会社はデジタル化にも投資できる資金があり、荷主がフォワーダーを通さなくても直接 Bookingできるようになってきています。中小の荷主も船会社のシステムが便利であれば、使っていくでしょう。 通関・トラック・倉庫・梱包 通関・トラック・倉庫・梱包は専門の業者がありますが、大手フォワーダーは自身のアセットを持っています。 中小フォワーダーはアセットなしで、トータル物流を提供していますが、デジタル化が進めばコミュニケーションが簡易的になります。 デジタル化ができていない、アセットもない中小の物流業者は今後厳しくなっていくのではないかと思います。 これまでは人脈や地域で商売をすることができましたが、このデジタル化の波に乗り遅れるとちょっと厳しいと思います。 物流業界の変革期 タイでフォワーダーを経営しており、コロナ前から危機感をもっています。 業界がこれから、どういうふうになっていくかが未だハッキリとはしていません。デジタルでの勝者がまだいなく、これを真似れば良い!というのがまだありません。 そんな中で、物流のデジタルメディアと人材紹介というところで活動しています。 メディアも最初は正解がなく、僕の相方には全否定されました。2年続けてきて、やっと集客できるようになってきました。 物流・貿易の人材紹介も同じく、チャレンジな感じがします。 国際物流業界の変革期だと思っており、正解が分からないけれども、自分で決めて進んで、ダメだったら責任を取る、というのがリーダーの役割なのかなと思います。 最近の物流業界に対して、混乱に焦点がいきがちですが、デジタル化などの将来に目を向けていかないといけないと考えています。

大手フォワーダー、ロシア向け陸上サービスを停止。海上へのシフトで海上運賃に上昇圧力懸念。 | 物流ニュース・物流ラジオ

大手フォワーダー、ロシア向け陸上サービスを停止。海上へのシフトで海上運賃に上昇圧力懸念。

どうもこんにちは、飯野です。 本日はウォール・ストリート・ジャーナルの記事から、「ロシア向け、大手フォワーダーの動きについて」お話ししていきたいと思います。 2022年3月9日イーノさんの物流ラジオ ロシア向けサービス 船会社がロシア向けのサービスを停止したとお伝えしてしましたが、今回大手フォワーダー視点の記事があったので紹介していきたいと思います。 船社の対応 まず船社では、Maersk、MSC、CMA CGMは3月1日から、食料品、医療品、人道支援を除き、ロシア発着の貨物サービスを停止しました。 そしてフォワーダー、スイスのKuehne + NagelとドイツDB Schenkerは、航空、陸上、海上でのロシア発着の配送を停止することを顧客向け勧告で発表しました。 ベラルーシへの貨物 デンマークのDSVとフランスのGeodisは、ロシアの同盟国であるベラルーシへの配送も停止していると述べました。 DSVは、「ロシアとベラルーシへの輸送を停止するという決定が、サプライチェーンの混乱、輸送の複雑さを更に増すことを承知の上で、悪影響を軽減するための最大の努力」であると伝えています。 原油価格、輸送コスト高騰 デジタル貨物マーケットプレイスのFreightosは、ロシアへのサービスや輸送接続の混乱は、原油価格の上昇とともに、世界中の企業の輸送コストを更に上昇させる恐れがあると述べています。 原油価格高騰はどのメディアでも報じており、輸送コストについては、昨日の放送で航空運賃がスポットで2倍以上になったとお伝えしました。 貨物滞留 フレイトス社は海上貨物輸送の他港へのダイバーション(転送)は、「すでに欧州やその他の地域の発着港で山積みになっており、混雑を引き起こし、これらの航路の運賃を上昇させている可能性がある」と述べています。 陸路サービス フランスのフォワーダーGeodisは、アジア-ヨーロッパ間の貨物鉄道サービスの予約も停止すると発表しました。 ここからが記事に書かれていた注目ポイントです。 この陸路サービスは、コロナのあった過去2年間、荷主や貨物輸送業者がコロナによる港の混雑を回避するために、海上輸送をからの移行でますます人気が高まっていたサービスです。 フレイトス社(Online Freight Market Place)によると、毎週、約1万個のコンテナに相当する貨物がアジアからヨーロッパへ鉄道で輸送されています。 鉄道から海上への移行 「制裁や混乱への懸念により、相当数のコンテナが鉄道から海上輸送に移行した場合、すでに不足しているキャパシティをより多くの荷主が競うため、この新しい需要もアジア-欧州間の運賃に上昇圧力をかけるだろう」と、同社は述べています。 シベリア鉄道の貨物車両減少 2022年3月6日の日経新聞に、シベリア鉄道駅の衛星写真を掲載しています。 2/2のウクライナへの侵攻前の写真と、3/1の侵攻後の写真を比較し、衛星写真分析したところ、貨物車両が減少していると報じました。 この間に物流に異変が生じている可能性があるとしています。 シベリア鉄道による輸送 昨日お伝えした通り、航空貨物には既に影響が出ており、次にシベリア鉄道を使った輸送がどうなるかが注目ポイントです。 このラジオでも、フォワーダーがシベリア鉄道使ったサービスの停止については、今回で3回目のお伝えです。 冒頭でKuehne + NagelとDB Schenkerは、陸上でのロシア発着の配送を停止、Geodisは、アジア-ヨーロッパ間の貨物鉄道サービスの予約も停止すると発表しました。 ヨーロッパの税関はロシア発着の貨物を通さないと決定し、シベリア鉄道の貨物便は事実上で停止のような状況です。 そうなると鉄道から海上輸送に移行することになり、海上運賃に影響する可能性が強くなってきました。 引き続き情報をアップデートしていきたいと思います。

ロシア向け、コンテナ貨物が積み戻しへ。空コンの回送に影響も。コンテナ不足再び? | 物流ニュース・物流ラジオ

ロシア向け、コンテナ貨物が積み戻しへ。空コンの回送に影響も。コンテナ不足再び?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「コンテナ船社、ロシア向け貨物を積み戻しへ。空コンの回送に支障も」についてお話していきたいと思います。 2022年3月8日イーノさんの物流ラジオ ロシア向け貨物、積戻し コンテナ船社は、3月1日からロシア向け貨物輸送を一斉に停止し、そのため、輸送中の貨物の取り扱いに難儀しています。 アジア発ロシア向け貨物の場合、対応は船社によって異なりますが、積み替えする北欧州の港で一時陸揚げするのが難しい状況です。 よって、大半は出荷地への積み戻しになる模様です。 空コンテナの回送 ただし、積み戻し貨物が多ければ、欧州からアジアへの空コンテナ回送が制約を受けることになります。空コンテナ回送が遅れればアジアでコンテナ不足になりかねず、関係者は動向を注視していると記事は報じています。 最近はスペース不足でしたが、コンテナ不足になる可能性が出てきました。 AIRについて 「欧州向けの航空輸送、スペース不足が深刻化で、運賃の上昇に圧力が強まる」といニュースがありました。 航空会社はロシア上空の飛行を敬遠し、航空便の欠航・運休があり、ロシア領空を避けた迂回ルートで運航する会社もあります。 供給量の減少 フォワーダーによっては、確保しているスペースがロシアのウクライナ侵攻前と比較して、3、4割も減少したところも出ています。 供給量が減り、そのため運賃への上昇圧力が一段と強まっています。 大手フォワーダー曰く、迂回は安全面などから検証が必要で、運航できる路線は現時点で限られています。 欧州線全体で見れば、スペースは圧倒的に足りず、スペース不足は依然として深刻な状況が続いています。 運賃高騰 運賃は侵攻前と比べて、関係者によると「スポットで2倍以上」であり、航空機への搭載確約するサービス(プレミアム)の利用では、6倍を超えるケースも出ています。 もともと航空貨物はコロナによる国際旅客便の減便や海上からの航空シフトで需給が逼迫しており、運賃が高止まりしている状態でした。 今回、供給量がさらに縮小したことで、更に運賃の上昇圧力が強くなってきています。 リードタイムも長期化 通常の日-欧州間の航空輸送は、空港から空港までで、2―3日程度です。 しかし、あるフォワーダーは7日間見てもらうよう荷主に通達しています。別のフォワーダーは最終仕向け地まで、最大10日程度かかることを案内したという話もあります。 海上、航空の今後 今回、迂回ルート便の利用により飛行時間が長くなれば、リードタイムがさらに伸びる可能性があります。 日本から欧州の間は輸送距離が長く、コロナ前は船で約40日ほどでした。 コンテナ船は新規ブッキングが取れない状況が続いており、一般的に航空から海上への切り替えは考えにくいとされています。 フォワーダー各社は大型貨物の搬入を停止したほか、貨物に優先順位を付けて対応しています。 ロシア・ウクライナ情勢 やはり、ロシア・ウクライナ情勢で乱れることになりました。今後、戦争が終わってもすぐに元通りに戻るというものではないですが、早く戦争が収束して、通常に近づいて欲しいと思います。 引き続き、情報をアップデートしていきます。

2022年2月 物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2022年2月 物流ニュース

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今回は2022年2月の物流ニュースをお届けします。 ご存知の通り、現在は世界中のサプライチェーンが大きく乱れています。 これまでは中国の旧正月の後には何らかの変化があるのではないか?という見解がありましが実際には市況にはどのような動きがあったのか? 今回は主に中国と北米を中心に2月のコンテナ不足・スペース不足の状況を、時系列順にお伝えしていきたいと思います。 それではいってみましょう! 中国旧正月でも北米西岸港湾の回復は期待薄 旧正月前のニュースです。 通常、旧正月後は貨物の量が落ちますが、北米の小売業者の在庫が過去最低水準のため、中国からの貨物減少は少ない傾向にあります。 コンテナ会社やアナリストによると、約2週間の旧正月中の海運の減速は、今年はそれほど顕著ではないとのことです。 中国政府はコロナの対策で、労働者に休暇中に故郷に帰らないよう工場に圧力をかけており、小売店の注文も依然として強いと報じられています。 それに加えて現場での労働力不足がある北米の西岸港湾では、コロナのオミクロン株の影響で倉庫での労働力不足、ドライバー不足、シャーシ不足が問題になっています。 ONE、日本-北米西岸航路に臨時船を投入 オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)は2月下旬にも、日本―北米西岸航路に臨時船を投入します。 通常の日本―北米西岸間の航海日数は往復で35日ですが、港湾混雑でいまは通常の倍の70日となり、昨年後半から欠便が目立っています。 今年1月からは北米向けは事実上の隔週サービスとなり、ここにきて欠便が2週続くなど悪化に歯止めがかかっていません。 ONEの臨時船 今回ONEが投入する臨時船は2,500TEU型で、揚げ地はロサンゼルスとオークランド。積み地は名古屋、東京。日本発の貨物だけを積載する予定です。 北米東岸の港湾混雑が悪化中 北米東岸のチャールストン港でのコンテナ船の沖まちが1月は19隻から、2月に30隻と増加しています。 サウスカロライナ州のチャールストン港は北米の東海岸の港湾で、4番目にコンテナ輸入の多い港です。 これはサプライチェーンの混雑が、北米西岸だけでなく様々なところに及んでいることを示しています。 チャールストン港の沖まちが始まったのは昨年の感謝祭の頃で、11月第四木曜の翌日のブラックフライデーのセールから続いています。 これは混雑している西海岸の港から、別の港に貨物を振り分けようとしたことが影響しており、同港では輸入コンテナ取扱量は増加中。前年比で25.4%増となっています。 北米西岸向け海上運賃、最高値更新。続くスペース不足 2月18日付の上海発北米西岸向けコンテナ運賃は、40フィートコンテナ当たり8,117ドルとなり、2週連続で過去最高値を更新しました。 例年では旧正月明け直後の海上運賃は値下がりするものの、北米西岸のLA・LB港向けに関しては依然として値上がりをしています。 その他航路 一方、その他の航路は全体的に値下がり傾向。 北米東岸向けは1万870ドル/40’。前週比152ドルの値下がり。 北欧州向けは20フィートコンテナ当たり7,652ドル。前週比25ドルの値下がり。 地中海向けは7,416ドル。前週比19ドルの値下がりとなりました。 カリフォルニアの港に待機しているコンテナ船の数は、1月9日のピーク時の109隻から76隻に減少しましたが、依然として高い水準にあります。 ロシア・ウクライナ情勢で船舶燃料価格、最高値へ接近 船舶燃料油の価格が急騰しています。 2月14日付シンガポール市場の低硫黄重油(VLSFO) の価格は、前日に比べて20ドル高のトン当たり752ドルとなり、2年前に記録した過去最高値に接近しています。 ウクライナ情勢の緊迫化に伴うエネルギー需給の不透明感が原油価格を押し上げています。 シンガポールの低硫黄重油の価格は今年の年初に比べて、既に130ドル強上昇。2020年1月のSOx規制開始直後に記録した、過去最高値750ドル台後半に近づいています。 現在の本船スペース不足による海上運賃の高騰に加え、この燃料価格の高騰もあり荷主にとっての負担は更に大きくなりそうです。 ウクライナ、オデッサ港閉鎖。コンテナ船各社 ウクライナ向け一斉停止 ロシア・ウクライナ情勢の問題がコンテナ船を含めたグローバルサプライチェーンに大きな混乱を与え始めました。 ロシア軍によるウクライナへの侵攻を受けて、ウクライナ当局は黒海に面した同国最大のコンテナ港オデッサ港を現地時間24日に閉鎖。 マースク、MSC、CMA―CGMなど欧州系船社は24日からウクライナ発着貨物の引き受けを停止しました。 これに合わせ、黒海でフィーダーを運航するコンテナ船各社は一斉に同国向けの受託を停止。 中東などの接続港でコンテナが滞留する可能性も出てきました。 ロシア発着サービス 一方、ロシア発着サービスについては各船会社とも現時点では通常通り利用可能としていますが、今後、欧米諸国の対ロシア制裁など状況次第では、ロシア向けサービスの動向も不透明感が残ります。 解説コーナー それでは2月のニュースの解説のコーナーです。今回は大きく分けて2つのニュースだけにフォーカスしました。 旧正月のサプライチェーン まずは中国の旧正月でのサプライチェーンについて。 通常の中国旧正月の前にはコンテナ船のスペースが逼迫して、そして旧正月後には落ち着き、運賃も下がり傾向にあります。 その例年の流れを期待してか、現在のサプライチェーンの乱れも旧正月後には何らかの変化があるのではないか?と期待されていました。 しかし北米西岸のコンテナ滞留はピーク時109隻から76隻にまで減ったものの、76隻は依然として高い水準です。 これだけ積み下ろしを待っている船があると、通常では日本 - LA, LB港の往復航海日数は35日ですが、現在では倍の70日もかかっています。 チャールストン港沖待ち増加 そして北米の西岸だけでなく東海岸のチャールストン港においても沖まち船は増加していました。 西海岸向けの滞留をかわす為に別の港に向けられると他の港も混雑するという例で、やはり西海岸のボトルネックの解消がポイントなのかなと思います。 海上運賃上昇 更に北米西岸向けの海上運賃がまだ上がってます。 年末年始からの運賃の高止まりで価格の天井が見えていたような気がしていたのですが今回8,000ドルを超えてきて過去最高値を更新しています。 ロシア・ウクライナ情勢 そして追い討ちをかけるように、ロシア・ウクライナ情勢による燃料費の高騰。 戦争に関しての言及は控えさせて頂きますが、船舶燃料に使われる低硫黄濃度のA重油と、排気ガス規制の対象になっているC重油の価格差がUSD210/トンとなりました。 これによりC重油を使用する為に使われる、排ガス洗浄装置・スクラバーを搭載した船にメリットが出てきます。このように今後カントリーリスクを避ける為にA重油の使用ではなく、スクラバーへの投資も進むかもしれません。 昨年の3月時点ではスエズ運河の閉鎖がありましたよね。 このロシア・ウクライナ情勢の問題がいつまで続くかは分かりませんが、去年と同じタイミングでの問題発生です。 北米西岸のストライキ そして今年は7月に北米西岸でのストがあります。 私個人的には今年中にサプライチェーンの乱れが解消するのは難しいと考えております。その為、荷主さんにとっては「在庫を持つ」というような今 出来ることで対処していく必要があると思います。 まとめ 今回のニュースはいかがだったでしょうか。 国際物流で起こっている「今」を分かりやすくお伝えしたつもりですが、皆様のお仕事などのお役に立っていましたら嬉しく思います。 もし良く分かったなという方はチャンネル登録、フォロー、SNSでシェアなよろしくお願いします!今回は以上です!ありがとうござました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

ロシア向け、船会社が相次いでBooking停止!対ロシア貿易の遮断進む。 | 物流ニュース・物流ラジオ

ロシア向け、船会社が相次いでBooking停止!対ロシア貿易の遮断進む。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「コンテナ船社、ロシア輸送を相次いで停止」についてお話していきたいと思います。 2022年3月3日イーノさんの物流ラジオ 各船社、ロシア発着輸送停止 ロシアに欧米諸国が経済制裁などに踏み切ったことを受けて、コンテナ船社もロシア発着の輸送停止に動いています。 マースク、MSC、CMA-CGMONE、Hapag Lloydなどは、1日以降、ロシア発着コンテナサービスのブッキングを相次いで停止しています。 欧州、通関停止 またドイツやオランダ、ベルギーなど各税関では、サンクトペテルブルク発着貨物の通関を停止するなど、対ロシア貿易の遮断が進んでいます。 ロシアに貨物は送らず、ロシアからの輸入貨物も受けない、ということです。 輸送貨物の選別 マースクは「ロシア発着の海上、航空、鉄道輸送サービスの新規ブッキングは、食料品や衣料品、人道支援物資を除いて一時停止する」と発表しました。 ロシア国民向けの生活必需品は入るようです。 輸出側は貨物をHSコードで選別しているはずです。恐らく、特定のHSコードにはアラートが出たり、自動で選別したりしていると思います。 国によっては輸出通関で結構な時間がかかるかもしれません。 輸送中のロシア向け貨物 各社ともロシア発着サービスのブッキングは止めましたが、現在輸送中の貨物についてはどの港で陸揚げするか調整中です。 北欧州では一時陸揚げ拒否 しかし、一部の北欧州諸港では、ロシア向け貨物の一時陸揚げを拒否する動きも出てきている模様です。 一時陸揚げを認めると長期に滞留し、港湾混雑につながることを懸念しています。 ロシア鉄道 ロシア国内の鉄道輸送は、まだ通常通り運行されていますが、海上輸送との接続では問題が発生しています。 ロシア船社FESCOは、ロシア鉄道とバルト海の自社フィーダー船を組み合わせ、極東貨物を欧州まで輸送する「FESCOトランスバルチックブリッジ」を提供しています。 日本代理店のサービス停止 日本総代理店トランスロシアエージェンシージャパンは2日、同サービスでの貨物引き受け停止を顧客に通知しました。 独、蘭、ベルギーの各税関が、サンクトペテルブルク発着の輸出入貨物の通関を停止したことによる対応です。 日本代理店は、輸送中貨物についてはFESCOと協議を進めるとしています。 他フォワーダーの鉄道輸送 欧州向けに鉄道を使ったランドブリッジサービスを提供している他のフォワーダーもBookingを停止する可能性もあります。 日系企業では、日通や日新がシベリア鉄道使ったサービスを提供しています。 鉄道サービスが停止となると、海上輸送にこの分が流れてくる可能性が高くなります。 昨年の上半期だけで、中国から鉄道使って欧州へのコンテナ輸送は30万TEU以上ありました。 中国ロシア間は関係があるので、中露は大丈夫かと思いますが、それ以外の国のフォワーダーの動きに注目が必要かと思います。 今後の海運市況 旧正月明けで北米の沖まちが若干マシになったかなと感じましたが、これで確実にまた海運市況は乱れることになるでしょう。 実務をやっている立場からすると、かなり厳しい状況になったと思います。 また情報をアップデートしてお伝えしていきます。

ロシア・ウクライナ、鉄道、海上、航空サービス。貨物輸送リスクへの対応は? | 物流ニュース・物流ラジオ

ロシア・ウクライナ、鉄道、海上、航空サービス。貨物輸送リスクへの対応は?

どうもこんにちは、飯野です。 本日はウォール・ストリートジャーナルからのニュースで、「ウクライナ・ロシア情勢問題の輸送リスクの話」についてお話していきたいと思います。 2022年3月2日イーノさんの物流ラジオ 今後の市況 これは先週の土曜で、ロシアに具体的な経済制裁がまだ課せられていない時点の記事です。 しかし、今後の市況がどのようになるかの見解が書かれていてとても参考になったので、ご紹介したいと思います。 陸上から海上・航空へシフト フォワーダーは規制や混乱を避けるために、一部のサービスを停止し、サービスを陸上から海上または航空にシフトしています。 デンマークのDSV やドイツのDHLエクスプレスなどの輸送会社は、ウクライナ発着のサービスを停止しています。船会社もウクライナのオデッサ港とロシアの一部の港はBookingを停止しました。 今後、ロシアと西側が課す経済制裁によって、企業が出荷をどうするかを深く考えるようになっていきます。 各国企業の対応 本日時点ではアップル、ナイキがロシアで販売停止、イギリスのシェルがLPGのプロジェクトから急に離れたというニュースがありました。 輸送貨物への影響 フランスの物流事業者ジオディス(Geodis)は、先週の金曜日に、さらなる空域の閉鎖や航空会社ごとの制限により、遅延、キャパシティーの縮小、料金の値上げが発生する可能性があると予想していると述べています。 実際、現時点でもエアーにも遅れなどの影響が出ています。 アジアーヨーロッパ間の輸送 シカゴに拠点を置く貨物追跡技術会社のフォーカイツ社( FourKites Inc.)は、この紛争によって海・空・陸路の物資移動が妨げられるため、特にアジアとヨーロッパ間の輸送料金が急騰すると述べています。 同社によると、シベリア鉄道を使った中国からロシアを経て欧州連合に移動する貨物量は、貨物輸送の接続が中断されれば、海上または航空に移行する可能性があるとしています。 シベリア鉄道の使用 昨年上半期に中国から欧州連合に鉄道で移動したコンテナは、30万TEU以上でした。20フィート換算でコンテナ30万個以上になります。 よって、シベリア鉄道が使えないと、これくらいの量が海上・航空輸送に流れることになり、更にスペースが取りにくくなるのが目に見えており、運賃も上がります。 鉄道使用のリスク 米国を拠点とするFlexport Inc.は金曜日、シベリア鉄道の予約受付を停止し、代わりに航空便と海上便の代替便を提供すると発表しました。 もし鉄道が中断された場合、顧客が貨物を失う可能性があります。 フォワーダーとしてはシベリア鉄道を使う輸送を受けてしまうと、万が一の時にお客様の貨物の紛失リスクが出てくるため、責任が取れません。なので、最初から海上にまわした方が良いという判断は納得出来ます。 海運への影響 ロンドンにあるDrewry Shipping Consultants Ltd.は、世界の海運への”最初の影響は小さい”ものの地政学的緊張が世界経済の不安定さに拍車をかけるだろうとしています。 そして、燃料費とインフレの上昇をさらに加速させる可能性があると指摘しました。 今後の対応 今日お伝えした内容のことは、可能性として普通にあり得る話です。このリスクがあるということを頭において実務をしないといけないと思います。 シベリア鉄道が昨日時点では使えているので、このまま使い続けるのか。 運賃や燃料費が上がる可能性が高いため、予算を高めに見ておくとか。 欧州向けのスペースは今後かなりタイトになる可能性があるので、エアーを使うのか。 仕入れ先を北米・南米に変えて、北大西洋を超えて欧州に送るのか。 欧州で現地調達に変えるのか。 リスクをどう捉えて対処するのかが大切かなと思います。