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エジプトの新しい輸入通関事前申告制度 / ACIについて解説 – Advance Cargo Information | 物流ニュース・物流ラジオ

エジプトの新しい輸入通関事前申告制度 / ACIについて解説 – Advance Cargo Information

どうもこんにちは飯野です。 今日のテーマは、エジプトのACIという新しい輸入通関の事前申告制度についてお話をしていきたいと思います。 ACIとはAdvance Cargo Informationの略で、エジプトの関税法の改正により導入された新制度です。導入は2021年4月で、運用は2021年7月1日に予定されていましたが、延期となって2021年10月1日からとなりました。 2021年9月24日 イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   ACIに必要な二つのプラットフォーム この新制度の運用にあたりポイントとなる2つのプラットフォームをご紹介します。 CargoX Platform このプラットフォームはブロックチェーンの仕組みを使った書類転送ツールです。ブロックチェーンとは簡単に言えば書き換え不可能なデータのことで、情報セキュリティが重視されるこれからの時代において必要な技術です。 このCargoX Platformに、B/LやInvoice, Packing Listなどをアップロードし書類の転送、管理をします。輸出者、輸入者、フォワーダーが登録しなければいけないとされていますが、実際のところはまだ登録は進んでいないようです。 CargoX Platform NAFEZA Platform (the Egyptian Single Window System for foreign trade) ACIを実際に申告するにあたり、このNAFEZAのプラットフォームは必ず使用しなければいけません。 エジプトの輸入者はNAFEZAに登録し、貨物情報を都度 このプラットフォームに入力します。そしてACID Numberという19桁の番号を入手し、輸出者に送ります。 NEFEZA Platform ACI 事前申告に必要な情報 エジプトの輸入事前申告に必要な情報は以下になります。 1. ACID Number(19桁) 2. 輸入者のVAT登録番号 (9桁) 3. 輸出者登録番号 4. 輸出者登録国 これらの情報をShipping Instruction(S.I)含めて、船会社に送る必要があります。 ACI 事前申告のタイミング 船会社が法律に沿って申告するのが船積みの24時間前なので、荷主やフォワーダーはそれよりも早い時間に提出する必要があります。CMA、CGMはETDの48時間前、MaerskはCYカットの36時間前と発表していますので、それぞれの船会社に確認をしましょう。 もし上記の情報がない、もしくは情報に誤りがあると * 船に積めない * 積み戻しの可能性がある * ペナルティの可能性がある とのことです。 エジプト政府によるACI導入の目的 エジプト政府がブロックチェーンの技術まで使って、このACI(輸入通関の事前申告制度)を導入した理由は、通関のスピードをアップする為です。 World Bankが発表している、エジプトの輸入通関はなんと240時間もの時間がかかっているとのことです。1件の輸入通関に10日もの日数がかかっているとなると、エジプトと他国による貿易の足枷になりますよね。 エジプト政府としては新しい仕組みで通関の日数を1日以内にすると目標を掲げています。 まとめ 国際物流の規制は常にアップデートされていきます。今回のエジプトのACIはエジプト政府をあげての貿易活性化の取り組みです。新制度の導入当初はちょっとした混乱もあるかもしれませんが、将来的により良い貿易活動に繋がっていきます。 今回のエジプト政府のブロックチェーンを使った新しい取り組みが、国際貿易に今後どのように影響していくのかが個人的には楽しみです。

結果報告!物流YouTubeを始めて1年でどれくらい稼いだのか? | 物流ニュース・物流ラジオ

結果報告!物流YouTubeを始めて1年でどれくらい稼いだのか?

どうもこんにちは飯野です。 今日のテーマは物流YouTuberって実際どうなの?というテーマでお話をしていきたいと思います。 最近ではYouTubeや音声メディアを使って物流ラジオを発信していますが、物流とYouTubeの相性はどうなのか?気になる人も多いと思いますので私の経験をお話しします。 2021年9月22日イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   物流YouTuberになった理由 昨年の4月からYouTubeを始めてもう1年半が経とうとしています。YouTubeを始めた理由というのはコロナの感染が広がりバンコクでもロックダウンとなり、仕事が暇になったからです。 営業にもいけない、お客さんにも会えない。そのような状況でどうやって顧客と接点を持つのか?時間も出来たことなので物流のノウハウもスタッフに共有する目的もあり、軽いノリで始めました。 物流 × YouTube まず参考までに私のYouTubeの規模感をお伝えします。2021年9月現在のYouTube活動の数字です。 メインチャンネルのチャンネル登録者数:約 52,000人 日本語チャンネルのチャンネル登録者数:約 4,200人 広告収入はどれくらい? これくらいのチャンネル登録者数がいると、広告収入でそこそこの利益を得ていると思われるかもしれませんが、これらのチャンネルは主に物流のノウハウ情報をお伝えしているので再生回数はそれほど多くはありません。 なので広告収入は弊社のタイスタッフ1名分の給料くらいです。また動画の制作費に約10万円/月のコストがかかっています。 広告収入だけをみるとメリットがないように見えますが、実際にはYouTubeを始めた事で大きな結果を得たと思っています。 物流YouTubeを始めて1年で得た結果 このYouTubeを始めて1年が経った時に弊社の経営陣で 新たに予算会議を行いました。その時にこの1年の成果を報告した時の数字が以下になります。 ・YouTube経由で獲得した顧客の累計売り上げ:約6,000万円 ・YouTube動画の1年間の累計制作コスト:約120万円 更に半年がたった現在では、累計売り上げは1億円は軽く超えていると思います。 どのような顧客にアプローチしたのか? フォワーダーの主な顧客は①輸出者、②輸入者、③海外の代理店となります。日本語・英語・タイ語でYouTubeを運営していますので、日本とタイの荷主さんからの問い合わせ、海外のフォワーダーからの問い合わせが増えました。 特に海外のフォワーダーさんからのアプローチが大きいです。動画の最後に「タイの物流はイーノさんまで」とお伝えしているので、多くのフォワーダーさんが私に問い合わせを送ってくれています。 まとめ この経験や数字を通して分かった事は、やはり新しい活動をやってみるのは大切だという事です。とにかく何かをフットワーク軽く始める事。失敗したら止めればいいだけの話です。 今回、私は「物流の表現」で新しいことをしました。物流の本質は表現ではなく、貨物を運ぶ事だというのは十分に理解をしていますが、表現を通して ここまで新しい仕事が増えるとは思ってもいませんでした。 とにかくやってみる。そこから必ず得られるものがありますので、どんな状況であっても行動することを強くオススメします。

質問に回答!キャリア(船会社・航空会社)とフォワーダーの関係は? | 物流ニュース・物流ラジオ

質問に回答!キャリア(船会社・航空会社)とフォワーダーの関係は?

今回は質問を頂いたので、お答えをしていきたいと思います。 「飯野さんいつも楽しく聞かせていただいてます。国内の某大手キャリアに内定を頂いているのですが、飯野さんのラジオを聞いていて、キャリアとフォワーダーはどのような関係なのか気になりました。フォワーダーとキャリアはどのような力関係であったり、どこで利害が一致していたり、実際に仲が良かったりするのでしょうか?」 私が範囲でお答えをしていきたいと思います。 スタンドFMで音声回答します .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   まずキャリアという事ですが、キャリアには船会社と航空会社の両方があります。どちらかが分からないので、私が得意としている海上輸送の船会社を例にお話をしていきます。 船会社とフォワーダーとの関係は? 船会社とフォワーダーの関係は「持ちつ、持たれつ」だと思います。 例えば、現在は船のスペースやコンテナがないということで、船会社の力が強いと感じている人も多いでしょう。 しかしコロナ前ではスペースは余っていて、海上運賃が非常に安い時期がずっと続いていました。その時は船会社の方から弊社グループに使ってくださいと営業していたのです。 だから力関係や、どっちが偉いとかではなく、両方の存在が必要だと思います。 大手フォワーダーと小規模フォワーダー とはいえ大手フォワーダーと小規模フォワーダーでは、船会社の対応は変わってくるのは事実です。大手フォワーダーのブッキング量は非常に大きく、船会社にとってはお得意様になります。 一方で小規模のフォワーダーのブッキング量は少ないので、特に昨今のようなスペース不足のマーケットでは、全くスペースを割り当ててもらえないというケースも多いです。 これは他の業界でも同様にあると思います。 船会社とフォワーダーは仲が良いのか? そしてフォワーダーと船会社は仲が良いのか?に対してですが、仲が良いと思います。仲が良く無いとフォワーダーは船会社にブッキングをしませんし、船会社はフォワーダーにスペースを提供しません。 その為、弊社では荷主だけでなく、船会社に対しても接待をしています。 私が日本で商社に勤めていた時もメーカーとお客さんの両方に接待をしていたので、商品やアセットを持たないミドルマンとしては、営業力や人間関係が必要なのかなとも思います。 まとめ 今回の質問者さんは大手キャリアに内定を貰ったとのことで、おめでとうございます。仕事が始まるとフォワーダーとの取引が増えると思うのですが、昨今のスペース不足で優位だからといって横柄な態度で仕事をしてはいけません。 スペース不足が解消された時に、貨物が集まりにくくなると思いますので。 フォワーダーと船会社の力関係というより、仕事においては人間関係がとても需要です。誠実な姿勢でお仕事をされるとより良い人間関係が構築できると思います。

なぜ無いの?荷主とフォワーダーのマッチングサービスについて。 | 物流ニュース・物流ラジオ

なぜ無いの?荷主とフォワーダーのマッチングサービスについて。

本日はラジオのリスナーさんからのご質問にお答えしていきたいと思います。 このような質問を頂きました。「荷主とフォワーダーのマッチングサービスがないのはなぜでしょうか?教えてください。」 この質問に対して私なりの見解をお話していきたいと思います。 2021年9月20日イーノさんの物流ラジオ 荷主とフォワーダーのマッチングの現状 結論から申しますと、需要が大きくないからだと思います。 本当に荷主とフォワーダーのマッチングサービスはないのか?と思い簡単に調べたところ、日本では2社くらいがそのようなサービスを運営しておりました。探せば他にもあるかもしれませんが、私個人的には以下の理由からそのサービスには大きな需要がないと考えています。 フォワーダー自体が船会社・航空会社のマッチング 基本的にフォワーダーの仕事は船会社・航空会社のスペースを借りて荷主に提供するものです。 また海上・航空輸送だけでなく、トレーラーや倉庫も他社の設備を使って輸送手配しているところが多いです。もちろん大手フォワーダーは自社の倉庫やトレーラーを所有しているケースもありますが、基本的にはノンアセットで運営できるのがフォワーダーの特徴です。 その為、フォワーダー自体が国際物流のマッチングサービスと言えるでしょう。 遠隔地の物流を手配出来る 国際輸送を手配するフォワーディングという仕事は、国内であれば遠隔地からでも手配可能です。実際に弊社では九州の鹿児島からバンコクへの輸送を、東京のフォワーダーに依頼をしています。 トレーラーや通関は現地で対応をする必要があります。しかし、海をまたぐ海上・航空輸送手配はその国のどこからでも手配は可能です。 そういう特徴からもフォワーダーをわざわざマッチングサービスで探さなくても、一般検索で見つけることで十分に事足りるからです。 デジタル・フォワーダー これからはデジタルフォワーダーが独自のプラットフォームを使ったマッチングサービスになるでしょう。 荷主が積み地・揚げ地、貨物情報などを入力し、その条件に沿った船会社と海上運賃が表示される仕組みで、本船予約がもっと手軽になります。 昨今では船会社もBookingシステムを導入していますが、海上輸送のみです。 Port to Portの輸送を手がける船会社とは違い、Door to Door輸送を手がける事が出来るのがフォワーダーと船会社との違いです。フォワーダーのマッチングサービスではトータル物流を提案するサービスとなります。 フォワーダー同士のマッチングサービスは存在する Door to Doorの輸送を手配するフォワーディングの場合、フォワーダーは輸出側と輸入側で協力して貨物を輸送する必要があります。 大手のグローバルフォワーダーであれば世界各国に支店がある場合もありますが、一般フォワーダーは各国のフォワーダーと代理店契約を結んで協力をしています。 各国との代理店との連携が必要なので、フォワーダーはFreight Forwarder Networkに所属している事が多いです。そのネットワーク内で特定の地域のフォワーダーを見つけて契約をし、荷主の貨物手配をします。 まとめ まとめますと、荷主とフォワーダーのマッチングサービスが少ないのは、需要が大きくなく、フォワーダー自体が荷主と各物流業者とをマッチングさせるような存在だからです。 その形は今後 デジタル・フォワーダーという形で荷主にとってより国際物流の手配をシンプルなものにするでしょう。

貨物保険なしで事故を起こした時の悲劇。実体験をお話しします。 | 物流ニュース・物流ラジオ

貨物保険なしで事故を起こした時の悲劇。実体験をお話しします。

どうもこんにちは飯野です。 今日のテーマは、貨物保険に入らずに事故を起こしたらどうなるのか?というテーマでお話をしていきたいと思います。 2021年9月21日イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   失敗を共有する理由 これは実際に私が貨物保険を入らずに事故を起こしてしまった経験があり、その実体験を元にした内容です。 当時はお客様に大きなご迷惑をおかけしてしまったことを、このようなパブリックな場所でお伝えするのは もしかしたら良くない事かもしれません。 しかし失敗を共有することで、同じような失敗をする人が減れば良いなという思いでお伝えします。 中古機械の国内輸送 数年前にタイで中古機械の国内輸送をした時の話です。タイの港から工業団地までトレーラーで運ぶ手配をしました。 この中古機械は金額が数千万円する高額なものです。しかし輸送距離が短いということもあり、貨物保険に入らずに輸送手配をしてしまったのです。 人間の仕事にはミスがある そして配送日の朝。「事故をしてしまった。。」との連絡がありました。重量がある機械で下り坂のカーブを曲がりきれずにトレーラーが横転してしまったのです。 当然ですが誰も事故を起こそうとして、事故った訳ではありません。人間が対応する以上 間違いが起こるケースは必ずあります。 お客様は貨物保険に入っていたので、機械の金額の補償を受け取ることが出来ました。 保険会社に訴えられる 事故の処理があり、数ヶ月がたったある日のこと。一通の通知書が法律事務所から送られてきます。内容を確認してみると、お客様に貨物事故の補償をした保険会社が弊社を訴えるとのこと。 貨物保険に入らずに事故を起こすと、お客様の保険会社に訴えられます。 この時に弊社に出来る対応は ①裁判を起こす ②示談金を支払う となります。 裁判を起こすとなると必要書類を手配したり、裁判所に出向いたりとかなりの時間を取られます。そもそもは弊社の責任なので示談金を支払うという選択を取りました。 小さな利益で大きな損失 本来のこのトラック輸送案件の利益は約THB1,000(約3,500円)/トラックでした。それが貨物保険に入らずに事故を起こしてしまったので、数百万円の損失となってしまったのです。 この失敗から学んだことは、機械などの価値が高く輸送が難しいものは、短距離であっても必ず貨物保険に入るということです。 貨物保険に加入する事が理由で売値が高くなり失注したとしても、貨物保険は必ず必要だと強く思いました。 まとめ 当たり前だと思う人もいるかもしれませんが、「仕事の慣れ」や「ちょっとくらい」という甘い考えが、時に大きな問題につながります。 今回お話しした私の失敗体験が、普段の仕事に慣れた皆さんへの注意喚起につながれば幸いです。

中国とオーストラリアが関係悪化!?反ダンピング関税・石炭輸送など、ドライバルク市場に影響も。 | 物流ニュース・物流ラジオ

中国とオーストラリアが関係悪化!?反ダンピング関税・石炭輸送など、ドライバルク市場に影響も。

今日のテーマは中国とオーストラリアの関係悪化による海上の影響です。 現在 中国とオーストラリアの国際関係は悪化しており、それに伴う貿易の流れ・国際物流の流れが変わってきています。 2021年9月17日 イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   中国とオーストラリアの関係悪化 実は2017年ぐらいから両国の関係悪化は少しずつ見られていましたが、2020年にオーストラリアが新型コロナウイルス感染起源を国際調査を公式に求めたことで中国が貿易面で対抗措置を取ったことが決定打となりました。 その中国による貿易の対抗措置はオーストラリアの大麦にアンチダンピング関税をかけたことから始まり、更にワイン、石炭、ロブスター、木材などにも高い関税をかけたのです。 アンチ・ダンピング関税 ダンピングについて少し説明をします。ダンピングとは他国に貿易をするときに、不当に安い 投げ売りのような価格で他国に製品を販売して市場を破壊する行為のことです。 それを抑制する為に輸入国はアンチ・ダンピング関税措置を取ることが出来、製品に高い関税をかけて自国の産業を守ることが出来ます。 中国のアンチ・ダンピング関税措置 今回、中国はオーストラリア産の大麦に80%、ワインに218%の追加関税(アンチ・ダンピング関税と相殺関税)を課して市場からの締め出しを図りました。 それに対してオーストラリアはWTOルール違反の可能性を指摘し、中国に協議を求めましたが 和解には至っていません。 石炭輸送にも大きな影響 更に中国はオーストラリア産の石炭を積んだドライ・バルカー船に入港許可を出しませんでした。その為に一時期では70隻以上のドライ・バルカー船が入港許可待ちとなり、また約1年ほど入港許可が降りなかった船もあります。 昨年までオーストラリアの石炭の最大取引国は中国でしたが、現在に至っては中国はオーストラリアからの石炭の輸入を99%にまで減らしています。 代わりに中国はインドネシアからの石炭を輸入し、オーストラリアはこれまで中国に販売していた石炭をインドと韓国に販売することになりました。 ドライ・バルク船の市況に影響 このトレードパターンの変化はドライ・バルク船の航海距離の増加に影響し、1トンあたりの平均航海距離は前年同月比の6.6%増加しています。 現在 バルチック海運指数は右肩上がりですが、中国・オーストラリアの外交関係が ドライ・バルカー船の需要アップに繋がったものだと考えられます。 まとめ 今回ご説明したように他国の外交状態も海運市場に影響を与える要因になりますので、このような視点で海運を見てみるのも市況の流れを読む良い訓練になると思います。

2021年 台風14号 Chanthu、上海港・浦東空港で国際物流に影響。 | 物流ニュース・物流ラジオ

2021年 台風14号 Chanthu、上海港・浦東空港で国際物流に影響。

今日のテーマは台風Chanthuが与える上海物流への影響です。 今週の13日、14日に上海の小中学校が休校になるほど大きな台風が来ていました。それに合わせて上海港・寧波港も港のオペレーション活動を一時停止し、PVG(上海浦東空港)では13日に前フライトをキャンセルを実施しました。 14日からは運行再開したものの、その影響は10月1日の国慶節前のピークシーズンに大きな影響を与えるでしょう。 2021年9月16日 イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   ピークシーズン中での港・空港停止 現在は北米のクリスマス商戦や国慶節前の駆け込み需要で中国のサプライチェーンでは、海上・航空輸送においてスペースが逼迫をしており、輸送価格も高騰をしています。 そのような中で1日であっても港や空港の物流機能が停止となると、更なるスペースの逼迫につながります。 実務でもスペース逼迫を感じる 今回の台風の影響かどうかは分かりませんが、弊社でも海上輸送の本船スペースが9月はかなり取りにくくなりました。北米向けに至っては10月の上旬でもスペースがない状態です。 現在多くのフォワーダーが同じような状況だと思います。本当に限られたスペースをうまく荷主に配分する。あとはこのサプライチェーンの乱れが落ち着いてくるのを待つだけとなります。 今できることをする しかし、そんな中でも自分に出来ることを実行することは重要だと個人的に思います。私が物流ラジオとして毎日の音声配信をしているのも、コロナ禍における営業活動の一環です。 人との面談が難しい状況においてでも、定期的な情報発信をすることで弊社のサービスに対して興味を持って頂いたり、見込み客との接触を繰り返すことが出来ます。 イーノさんとお話しませんか? このラジオやブログを見て下さっているフォワーダーさんで、もし私とお話ししたいという方がいらっしゃればTwitterやLinkedInでご連絡を下さい。 私としてはタイの現在の物流に関する情報共有をすることが出来ますし、各国の代理店候補のフォワーダーとお話しできる機会は貴重だと考えています。 皆様からのご連絡をお待ちしております。

北米トラックドライバー、ワクチン義務化による大量離職か?サプライチェーンが乱れる可能性も。 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米トラックドライバー、ワクチン義務化による大量離職か?サプライチェーンが乱れる可能性も。

今日のテーマは北米のトラックドライバーのワクチン義務化についてです。 先週 アメリカのバイデン大統領はトラック会社のコロナ対策に関して計画を発表しました。それは100人以上の従業員が在籍する会社はドライバーのワクチンを義務化。もしくは週1回の検査の義務化をするという計画です。 2021年9月15日 イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   ドライバーの一部がワクチン義務化に抵抗 現在 北米ではコロナのデルタ株が流行っているので感染拡大を抑えなければいけません。しかし、問題は一部のドライバーがワクチン接種の義務化に抵抗をしていることです。 必ずワクチンを摂取しなければいけないのであれば、従業員100人以下のワクチンが義務化されていない会社に転職するドライバーも一定数でいると考えられます。 小売店に商品が陳列できない? ご存知の通り昨今では外国からクリスマス商戦に向けて大量の貨物がアメリカに送られてきていますよね。その貨物をトラックドライバーが小売店に届けないと小売店の棚に商品が並んでいない状態になりかねません。 もしそのようなことが発生するのであればトラック会社は小売側からの信用を失ってしまい、別のトラック会社への切り替えの検討材料になってしまいます。トラック会社としてはそれを避けなければいけません。 そういう意味でもトラックドライバーの確保は現状では大きな課題なのです。 ドライバーの離職によるサプライチェーンの乱れ しかし北米の約97%の運送会社はトラック20台以下の規模で経営をしているとのこと。なので今回の計画は主に大企業に向けたものと考えられます。 大企業においてワクチン接種の義務化となれば、もしかしたらドライバーの大量離職になる可能性もあります。そうなるとただでさえ乱れているサプライチェーンに更なる混乱が発生しかねません。 更なる物流の目づまえりへの懸念 トラックの大企業は自社の配送センターを抱えており、ドライバーがいなければ配送センターに貨物が滞ります。そうなると配送センターに送る予定だった港にあるコンテナ貨物は、行き場所がなく引き続き港に滞留することになるのです。 更なる物流の目詰まりに繋がってしまうので、この新しいドライバーに対する規制は単なるアメリカ内の問題には終わらないのです。 ドライバーからの感染拡大 そもそもの課題である、ドライバーからコロナの感染拡大につながるのか?というポイントですが、私が活動するタイにおいては そのような事例があった模様です。 コロナに感染していたドライバーからの伝票の受け渡しの際の接触が、工場に感染者を発生させ工場が一時閉鎖されたという話を聞いたことがあります。 弊社が取引しているトラック会社では週に一回の検査をドライバーに義務付けて対応をしていますが、検査だけでどこまで感染を抑えられるかは疑問が残るところです。 しかしタイではワクチンの流通量が足りていないので現状で出来る対策をしなければいけません。 まとめ 話は北米のドライバーのワクチン義務化に戻りますが、ワクチン摂取が まさかサプライチェーンの乱れにつながる可能性があるなんて思いもしませんでした。 それほどまでに現在のサプライチェーンにおいては緊張の糸がピンと張った状態です。この情報については引き続きアップデートをしていきたいと思います。

コンテナ用船料が高騰!10倍の用船料の長期契約による影響について | 物流ニュース・物流ラジオ

コンテナ用船料が高騰!10倍の用船料の長期契約による影響について

今日のテーマはコンテナの用船料の値上がりについてです。 コロナ以降で海上運賃の高騰について何度もお伝えをしてきました。それは船会社による運賃の値上げのようにお伝えをしておりましたが、実は背景にはコンテナ用船料の値上がりもありました。 2021年9月14日 イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   コンテナ用船料の値上がり 現在のコンテナの用船料はこのように値上がりをしています。 現在の用船料 USD 98,000/日 コロナ前の用船料 USD 10,000/日 コンテナ船のサイズ:4,400TEU 昨年の夏ぐらいから徐々に値上がりを続け、現在では約10倍の価格に跳ね上がっています。 船主とオペレーター コンテナ船の用船料を説明するにあたり、まず船の船主とオペレーターの違いについてご説明をします。海運市場において、ONEやMaerskのような船会社が全ての船を所有しているわけではありません。 もちろん船会社も自社の船を所有していますが、別の船主から本船をレンタルして運行(オペレート)をしています。その為、船会社をオペレーターと呼ぶことがあります。 例えば、今年の4月にスエズ運河でEverGreenの船が座礁をしたと話題になりましたが、この船の船主は日本の正栄汽船であったため、スエズ運河庁との賠償について交渉をしていたのはEverGreenではなく正栄汽船でしたよね。 用船期間も注目ポイント コロナ前の用船期間は長くても1年契約でした。しかし昨今では4-5年契約が当たり前との情報があり、1年の短期契約の更新は難しい状態になっています。船主は高騰した用船料で更に長期契約を条件に交渉をしています。 海運市場は現在〜2022年も高いことが予想されていますが、もし2023年以降で海運市場が下がったにも関わらず、高い用船料を船主に支払わなければいけないのは船会社(オペレーター)としては避けたいものです。 しかし船主との交渉がうまくいかなければ、船会社は船主から船を貸してもらえずサービス供給に制限がかかる可能性もあります。 高額な船への投資 船主としても船への投資は1隻で数十億〜200億円くらいの非常に大きなものです。投資したにも関わらず市況が低い状態だと投資を十分に回収することが出来ずに、大損失を被る可能性もあるのです。 そういう意味で船主の立場としたら、高い用船料で長期契約を結びたいのは当然の考えでしょう。 まとめ 市場価格は需要と供給のバランスによります。現在は供給が需要に追いついていない状態です。その為 海上運賃は過去最高の価格となっていますが、コロナや北米のクリスマス商戦などが落ち着き、需要も下がっていけば価格も落ち着くことになります。 今後の海運市況においてはこの用船料というのも注目しておくと良いでしょう。

フォワーダーの仕事で大切なこととは?輸送だけでは選ばれない理由。 | 物流ニュース・物流ラジオ

フォワーダーの仕事で大切なこととは?輸送だけでは選ばれない理由。

今日のテーマはフォワーダーのお仕事で大切なことです。 私自身がフォワーダーの仕事を始めて約10年になります。その経験をもとにフォワーダーの仕事では何が大切なのか?についてお話ししようと思いました。 2021年9月13日 イーノさんの物流ラジオ .standfm-embed-iframe { height: 190px; } @media only screen and (max-device-width: 480px) { .standfm-embed-iframe { height: 230px; } }   フォワーダーの仕事とは? フォワーダーの仕事は船会社や航空会社のスペースを借りて、荷主の貨物を海外に輸送する仕事です。昨今ではスペースの確保が難しいのですが、ちゃんと運べるということが最低限の機能です。 このように世界のインフラとして機能している必要があるのですが、これだけだと不十分だと個人的には思います。 フォワーダーとしてのサービス品質 上述したようにフォワーダーは商品を販売しているわけではなく、無形のサービスを販売しています。だからサービスの質というのも非常に大切なのです。 正確な仕事 何がサービスの質を分けるのか?フォワーダーの仕事においては、正確性というのは重要な要素です。よくあるのがB/Lのミスによって、通関を通すことが出来ずデマレージが発生してしまうこと。 またフォワーダーとトラックの連携が出来ておらず、輸出側でコンテナを搬入する港を間違えてしまい予定していた船に乗せられない事もあります。万が一ですがB/Lが紛失したとなれば大問題で、貨物を港から取り出すのに一苦労することになります。 スピード対応 対応が遅いというのもサービスの質が高いとはいえないでしょう。お客からの問い合わせがあった対応に1週間〜2週間もかかっていると別のフォワーダーを選ばれることにつながります。 フォワーダーの営業は頑張っているけれども、現場の確認に時間がかかることもあります。そういう意味で全体の連携が必要ですね。メールの返信もできるだけ早い方が好まれます。 何か問題が発生したときもスピードが重要になります。半日遅れるだけで損失が大きく膨らむこともあるので、トラブル時はとにかく早い対応が必要になります。 フレンドリーである またフレンドリーであることも個人的には大切だと思います。接客において愛想がない、話しかけにくいというのはお客がサービスを受け続けたくなるのか? スペースが確保できるが、担当者があまりにも無愛想で対応が悪いとしたら、別のスペース確保が出来るフォワーダーを選ぶ理由になりますよね。 なので単にものを運ぶ機能としてスペース確保が出来る、運賃が安いというだけでは最低限のフォワーダーの仕事で、それ以上の付加価値はサービスの品質にあるのです。 個人と会社でサービスの質を追求する フォワーダーの会社経営者の立場からすると、これらのサービス品質を担当者個人に依存してしまってはいけません。全てのスタッフが等しく高いレベルのサービスを提供できること。 しかし、一方であなたが営業やCS担当であればサービス品質は自分の力である程度あげることが出来るものです。スペース確保や運賃は会社単位での力なので、これは総力戦です。 会社としても、個人としても、サービスに力を入れるとお客に選ばれるフォワーダーになれるでしょう。