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一般原産地証明の取得方法について!原産地証明を商工会議所で入手する方法について詳しく解説しました。 | 輸送・ロジスティクス

一般原産地証明の取得方法について!原産地証明を商工会議所で入手する方法について詳しく解説しました。

貨物を外国に輸送する時、貿易では原産地証明書を取得する場合があります。そして輸出で取得する原産地証明書は大きく分けて「一般原産地証明書」と、EPA経済連携協定に基づく「特定原産地証明書」の2種類があります。 どちらも「原産地証明書」という名称が含まれていますので不慣れな方は混同しがちだと思いますが取得目的も効果も大きく違います。 一般原産地証明 対象国:全世界 目的:輸入国側の法律や規則で必要。貿易取引の契約書や荷為替信用状(L/C)を運用 申請方法:窓口による書類申請 特定原産地証明 対象国:日本と経済連携協定を締結している国と地域 目的:EPA経済連携協定に基づき関税の優遇を受ける 申請方法:インターネットでの電子申請 どちらの原産地証明書を取得しようとしているかで、企業登録方法や申請手続もかなり変わってきますので、初めて取得をしようとするときにはご自分がどちらの証明書を求められているかをしっかりと確認してください。 今回は一般原産地証明書の取得方法について解説したいと思います。 特定原産地証明の取得方法は以下のリンク先の別記事にて解説していますが、それぞれに違いがありますので混同されないようにご注意下さい。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/epa-co/?lang=ja" target="_blank"] 原産地証明書とは? まず原産地証明書とは何かを簡単にご説明します。原産地証明書とはその名の通り、取引の対象となっている物品が特定の国又は地域で生産又は加工をされたことを証明する書類のことです。 貿易では基本的に関税を低くするために取得されることが多いです。英語では「Certificate of Origin」と表記されます。英文では「Cert」や「C/O」と略して呼ばれることもあります。 原産地証明書は輸出者が手配します。輸入の場合であれば輸出者から原本を入手するだけで基本的にはOKですので、取得方法は主に輸出者に関係する作業となります。 原産地証明書の全体像についてはこちらに記載をしました。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/certificate-of-origin/?lang=ja" target="_blank"] 一般原産地証明 さて以下に一般原産地証明書の取得方法について詳しく説明をしてきます。 一般原産地証明が必要とされるケース ・輸入国側の法律や規則で必要とされている場合 ・貿易取引の契約書やL/C(Letter of Credit)を使用するのに要求される場合 商工会の窓口のみで入手可能 一般原産地証明書は各地の商工会議所で窓口での書面申請により発給を受けることができます。郵送やメールで対応してくれる商工会議所は今のところ聞いたことがありません。 原産地証明書が必要とされる取引を開始する前に忘れずに商工会議所への登録を済ませて下さい。 さらに原産地証明書は原本でないと効果を発揮しません。 なので事前に原産地証明書用紙も商工会議所で購入しておきます。地域によって価格に違いはありますが窓口で100枚綴り500円程度で販売されています。 一般原産地証明の取得手続き さて船積が確定しましたら原産地証明書の発給手続きを始めます。各商工会議所のHPに印刷用のフォームがありますのでそちらに入力し、先ほど説明しました証明書用紙に印刷すると良いでしょう。 サインを除いてすべての記載事項を黒字または青字で英文で記載します。 記載ミスに注意 詳しい記載内容はここでは省略いたしますが、一字一句、決して間違いの内容に記載して下さい。窓口で申請する際にはかなり細かくチェックされます。 少しの間違いもないか何度も確認をしてから印刷をするようにしましょう。 サインも正確に 無事に記載事項が証明書用紙に印刷できましたら、サインを入れます。このサインは先に述べました貿易証明登録の際に商工会議所へ提出したサインでなければなりません。発給の際には登録のサインと相違がないかをしっかりとチェックされています。 少し自体が崩れているというだけで発給が不可となるケースもあります。なので他人の筆跡を真似てサインをしてもまず間違いなく見破られますので必ずサイン登録した本人がサインします。あらかじめ複数人のサインを登録しておくと安心ですね。 本人のサインであっても、登録の際と同じようなサインが書けるように十分注意してください。 商工会議所にて申請する 書類が準備できましたら商工会議所へ持参し発給申請をします。申請の際に一部は商工会議所側での控えとなりますので、ご自分の必要な部数 プラス 一部を持参するようにしてください。 窓口は平日の日中しか開いていません。夜間、土日は対応してもらえません。また、年末年始など混み合うときは午前で申請締め切りなどイレギュラーな対応となることもあります。 持参される際には窓口の空いている時間や申請の締め切り時間をあらかじめ確認しておく必要があります。 一般原産地証明所発行の手数料 申請の際にも手数料がかかります。こちらは1件あたり1,000円程度となります。券売機で必要な手数料分のクーポン券を購入して、それを申請書類と一緒に提出するスタイルです。 喫茶店のコーヒーチケットのように、10枚の値段で11枚綴りなどお得な冊子式クーポン券も各地で発売されていますので、度々原産地証明書を申請される方は購入されても良いでしょう。 無事に審査が通りましたら発給印やサインなどの入った原本が返却されます。後は現地へ送るなどすれば輸出側の手配は終了となります。 フォワーダーに依頼 申請手順としてはこんな感じでそれほど難しいものではありませんが、商工会議所へ出向いたりするのは少し手間に感じられますよね。お忙しい方は多少手数料が取られますがフォワーダーへ依頼するのも一つの手です。 商工会議所への申請はもちろん原産地証明書の作成から引き受けてくれるところも多いので料金がかかっても手間を減らしたい方はぜひフォワーダーに相談してみて下さい。 フォワーダーに依頼する際の注意点 フォワーダーに依頼する際の注意点ですが、フォワーダーが作成したとしてもサインは必ず貿易登録通りでなければなりません。 毎回、フォワーダーが作成したものを送ってもらってそれからサインしていては逆に手間ですので100枚綴りの証明書用紙を購入し、そちらに全てサインを入れてフォワーダーに預けておくという形で進めるとスムーズです。 これを受け入れていただけるかどうかもフォワーダー次第だと思いますので要相談です。 ちなみに、このやり方にOKが出てサインを入れる際ですが100枚一気にサインを入れると手が疲れてきてしまい、後半はサインが崩れてきて商工会議所からNGが出るレベルのサインになってしまう方も時々いらっしゃいます。 まとめ 一般原産地証明書の取得手順についてざっとお話ししましたがお分かり頂けたでしょうか。窓口でしか発行してもらえない書類ということで手間な側面はありますがまとめてサインをする、フォワーダーに依頼をするなどで対応が可能です。 是非ご参考にして下さい。

原産地証明書について解説!EPAやFTAで優遇される特恵関税とは? | 輸送・ロジスティクス

原産地証明書について解説!EPAやFTAで優遇される特恵関税とは?

貿易や物流の仕事を必ず出てくる書類があります。それは原産地証明書です。既に貿易に携わっている人であれば「関税を安くするための書類でしょ??」と理解されているかもしれません。 実際にはその用途としての機能が強いのですが、今回は原産地証明書の全体像からご説明をしていきます。 原産地証明書とは? 原産地証明書とはその名の通り、取引の対象となっている物品が特定の国又は地域で生産又は加工をされたことを証明する書類のことです。牛肉や水産品のトレーサビリティのために発行されたりもしますが、貿易では基本的に関税を低くするために取得されることが多いです。 英語では「Certificate of Origin」と表記されます。英文メールでは「Cert」や「C/O」と略して呼ばれることも多いので海外とメールでよくやり取りをされる方は覚えておくといいでしょう。 原産地証明が必要とされる場面 さて原産地証明書は輸出でも輸入でも必要とされる場合があります。輸出で必要とされる場合は大きく二つあります。 一般原産地証明書(非特恵) まずは非特恵の原産地証明書です。これは契約上指定されていたり、輸入国側で輸入を禁じている国で作られた物品ではないことを確認するために必要だったりします。 詳しくはこちらの記事に書きました。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/normal-co/?lang=ja" target="_blank"] 特定原産地証明書 もう一つが特定原産地証明書です。これは経済連携協定(EPA)に基づくもので、この協定を結んでいる国の輸入者は特定原産地証明書を用いることで特恵関税の適用を受けることができ一般税率よりも低い関税率で輸入ができるのです。 輸入者は協定で決められている規則を満たしていることを証明するためにこの原産地証明書が必要となり、輸出者側が発行手続きをして送ってあげる必要があります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/epa-co/?lang=ja" target="_blank"] EPAとは? ここでEPAという単語を初めて聞いたという方のために簡単にですがご説明したいと思います。EPA経済連携協定は、特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するために輸出入に係る関税の撤廃・削減や投資環境の整備などを約束した条約です。 EPAとFTAの違い よく似たものに「自由貿易協定(FTA)」もあります。こちらは名前の意味する通り、特定の国や地域同士での物品及びサービス貿易の自由化を定めたものです。 EPAはFTAの内容も含めつつ貿易だけではなくさらに人の移動やや知的財産、投資など様々な分野での協力を含む幅広い経済関係の連携強化を目的とする協定です。 GSP - Generalized System of Preferences 輸入の場合では輸出と同じくEPAに基づく特恵関税制度に加えて、開発途上国・地域を原産地とする鉱工業産品および農水産品の輸入については、先進国による国際的途上国支援制度があります。 経済的に発展が遅れている、いわゆる発展途上国から輸入する貨物の関税を低くして日本へ輸出をすることで、発展途上国の経済力の上昇に貢献するというこの制度はもう何十年も前から取り組まれているのです。 この時の原産地証明書を使うのですがこの原産地証明書の名称は「Form A」です。 原産地証明書の種類 EPA - 日本と経済連携協定を結んでいる国々 シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、アセアン、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル。 そしてEPAに基づく特定原産地証明書の書式名は、連携している国同士の頭文字を取って名付けられています。 ・Japan - Thailand: 「JTEPA」 ・Vietnam - Japan: 「Form VJ」 例えば、日本とタイであればJTEPA(JAPANとTHAILANDのEPA)、日本とベトナムであればフォームVJ(VIETNAMとJAPAN)などです。これはわかりやすくてよいですね。 FTA - ASEANの自由貿易協定 そしてASEANで締結されている自由協定には色んな種類があり、それぞれの経済協定で使う原産地証明のフォームの名前も違います。 ASEAN諸国との取引をする時はどの貿易協定が使えるのかを事前に確認しておきましょう。 GSP - 日本と後発開発途上国 日本と特別特恵受益国として指定する受益国(47カ国)を原産地とする産品については、品目により無税になる関税の優遇措置があります。 この後発開発途上国から発行される原産地証明書は「Form A」です。 原産地証明の種類のまとめ 色んな原産地証明書の種類と名前が出てきましたので、少し整理をしましょう。 1. 一般原産地証明 2. 特定原産地証明 ・ EPA - 経済連携協定: JTEPA・VJ Formなど ・ FTA - 自由貿易協定: Form AK・Form Dなど ・ GSP - 一般特恵原産地証明: Form A 原産地証明書は2種類しかありません。「一般原産地証明」と「特定原産地証明」です。 一般原産地証明は原産地を証明するだけのものなので非特恵(関税の優遇なし)です。 一方で、特定原産地証明にはEPA、FTA、GSPがあります。それらは各国の経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)、そして発展途上国に対しての経済的な特恵(GSP)があります。 全て関税に対する特恵(無税・減税)があります。 原産地の規則 さてここで日本とタイとの経済連携協定を使って輸出入をするとします。これは日本とタイとで結ばれた協定ですのでどちらかの国で生産されてさえいれば全て関税の削減又は撤廃が認めると考えがちですが実はそうでもないのです。 EPAの原産地規則で決められている条件をクリアしなければなりません。 詳細に説明するとかなり長くなってしまいますので簡単に説明しますと原産地の基準として3つの条件が定められています。 ①日本(タイ)で完全に生産された産品であること(WO) ②日本(タイ)の原産材料のみを使用して日本(タイ)で生産された産品であること(PE) ③外国の原材料を実質的な変更をして日本(タイ)で生産された産品であること(PS) このように、かなり細かい条件となっております。輸出入が決まりEPAを使って関税を低くしようと考えた場合にはこの条件をクリアしているかをしっかりと吟味しなくてはなりません。 どこで原産地証明書を取得するのか? その原産地証明書はどこで入手するのかと言いますと各地にある商工会議所で発行してもらえます。 輸入の場合は輸出国の行政機関が発行することとなります。当然ですが日本では発行することはできません。輸入が決まり次第、輸出者に原産地証明書を取得するよう依頼しましょう。 原産地証明書に関する注意点 原産地証明書は輸入通関の際に原本が必要となります。コピーではまず受け付けていただけません。航空機での輸入や海上輸送でも中国や韓国など船足の短い国の場合には、なるべく早く原本が手元に届くように輸出者側としっかり調整をして下さい。 そうでないと、原本を待つ時間がなくせっかく送ってもらった原産地証明書を使用することなく通常の関税を支払ったり、原本を待っている間に保管料が嵩んで結局関税よりも高くなってしまったりということも起きかねません。 まとめ 細かな条件は色々ありますものの原産地証明書は難解なものでは決してなく、協定や基準をしっかり理解して利用すれば輸出入の双方にメリットがあります。 まずは自分の貿易取引が特恵関税を使えるものであるのかどうか、調べるところから始めてみましょう!

ドレーの依頼方法とは?スムーズに依頼するためのポイントとコツを解説しました。 | 輸送・ロジスティクス

ドレーの依頼方法とは?スムーズに依頼するためのポイントとコツを解説しました。

今回はドレーをスムーズに依頼するための手順とポイントやコツについて解説したいと思います。 まずドレーとは何かを軽くおさらいしましょう。ドレーとは海上輸送で使われているコンテナを陸上輸送することを言います。輸入の場合は保税地区にあるCY(コンテナヤード)から輸入者の工場など指定の場所まで輸送すること、輸出の場合はその逆で輸出者の工場や倉庫からCYまで輸送することです。 その輸送を主たる業務として経営している会社のことを「ドレー会社」と呼びます。ドレー会社はトラクタヘッドやシャーシを保有していますのでそちらに予約の手配をし輸送を依頼することとなります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/container-drayage/?lang=ja" target="_blank"] 色んなドレー会社がある 基本的にはフォワーダーは多くのドレー会社と付き合いがあります。一つのドレー会社だけでは回せないですしドレー会社によって得意な分野も違います。 色んなドレー会社 ・遠距離のドレーを安く引き受けてくれる。 ・高いけど無理を聞いてくれる。 ・MGシャーシを沢山保有している。 など様々な会社がありますので依頼のTPOに併せてお願いするドレー会社を変えています。なので自身に付き合いのあるドレー会社などがなければフォワーダーに全てお願いしてしまえばよいでしょう。 フォワーダーは他の顧客分も含めて多くの依頼をドレー会社にしておりますので、その分スポットで依頼をするよりも安い料金でドレー輸送を依頼できる場合が多いです。 ドレー手配を依頼する時のポイント フォワーダーに依頼をする際にもいくつか覚えておいていただきたいポイントがあります。 まずは昨今ではドレーの確保が難しくなっていることです。これはドライバーの高齢化や人件費の高騰などにより人手不足となっているドレー会社が多いことが一つです。 また首都圏では最近こそ先行き不透明でそれほどでもありませんが、昨年ころはオリンピック関連施設の建設ラッシュなどでそちらに車両や人手が回ってしまっていたことなどもあげられます。 そういった事情から、ドレーの依頼は少しでも早めに!が原則です。 平常期と繁忙期 輸入の場合であれば日本への到着予定日が判明し納期の目途がついたらまずはドレーの確保をフォワーダーへ依頼するくらいでOKです。インボイスやパッキングリストといった通関に必要な書類はまだなくても構いません。 現地からのBLコピーとともに「こういった貨物が到着しますのでドレーの確保お願いします。納入は〇日を予定しています」と連絡すればすぐに手配してくれるはずです。 ・平常期:1週間前 ・繁忙期:2週間前(遅くとも) 中国など船足の短い国でしたらBLコピーがなくても先に情報だけ流しておくのも全然問題ありません。むしろ後で慌てなくて済みフォワーダーとしても大変助かりますのでドレー依頼はとにかく早めにが鉄則です。 繁忙期のドレー手配 そして繁忙期です。日本の年末年始、ゴールデンウイーク、お盆休みの前後は非常にドレーが混み合い、確保が難しいです。これはフォワーダーも胃をキリキリとさせているところです。 繁忙期のドレー手配のコツ ・年末年始:11月の終わり頃 ・ゴールデンウィーク:4月初旬〜中旬 ・お盆休み:7月後半頃 だいたい年末年始分は11月終わりころGW分は4月当初、お盆休み分は7月後半からドレーの確保合戦が始まりますので、2週間前でもすでに予約で一杯なんてこともざらにあります。 ここの時期に輸出入が決まりましたらすぐにフォワーダーへ連絡してドレーの確保を依頼しましょう。 MGシャーシの手配 あとはMGシャーシも確保が難しいです。そもそも所有しているドレー会社が少ないですし、大手と呼ばれるドレー会社でも所有本数は10本前後くらいです。 数少ないMGシャーシを取り合っているのが現状です。なので冷凍鶏肉や生鮮マンゴーなどMGシャーシで輸送する必要があるものの場合にもとにかく早く依頼するよう心掛けて下さい。 キャンセルについて あまり早く依頼するとキャンセル料が心配。。。という方もいると思いますが依頼先に確認が必要ですが基本的に3日前くらいまではキャンセル料はかからない会社が多いです。 直前に依頼が来て慌てて依頼をするよりも、事前に連絡を入れてもらって念のためにでも確保をしておく方がフォワーダーとしても心のゆとりができますしミスも減りますので有難いです。不確定だからと言って遠慮はせず早めに連絡してしまって問題ありません。 積み込み・積み下ろしの現場の調整 ドレーを依頼して納品(作業)日時が決定したら必ずその時間からバンニング又はデバンニング作業ができるよう現場の調整をしっかりしておいて下さい。 ドレー料金の解説でもお伝えしましたがスタートが遅れたりして余計な時間がかかると待機料が発生してしまいますので要注意です。 ドレーの依頼方法 ドレーの依頼方法もここで簡単にお話ししておきます。 フォワーダーにドレーを依頼する場合 フォワーダーへ依頼する際は輸入の場合はBLとA/N(アライバルノーティス)、納品日時と納品場所を連絡すればOKです。D/O(デリバリーオーダー)の手配や輸入許可書の受け渡しなどは全てフォワーダーでやってくれます。 輸出の場合も作業日時と作業場所、本船情報を伝えれば問題ありません。本船のbookingも同じフォワーダーへ依頼している場合には本船情報も既に業者が知っているので不要です。空のコンテナを船社へ予約する手続なども手配してくれますのでとても簡単です。 早めの依頼さえ心がけていただければ大きな問題も起きにくいでしょう。 自社でドレーを手配する場合 自分で依頼する際はフォワーダーに任せていた部分の手配が必要です。輸入であればD/Oと許可書をドライバーさんへ渡さなければなりません。輸出の場合は船社へ空コンテナの予約を入れる必要があるでしょう。 慣れてしまえば難しい手続ではありませんが手間はかかりますし、フォワーダー程タイムリーに手配もできないでしょうから、よほどの理由がない限りはドレーはフォワーダーへお任せするのがおすすめです。 ちなみに依頼方法ですがドレー会社は今でもfaxが主流となっています。 急ぎの場合はまず電話で仮予約をし、その後、注文書などの形で本船情報やコンテナ情報、納品or作業日時及び場所などを記載してfaxで送ります。そちらに料金を追記して送り返してもらえば料金の確認もできるのでgoodです。 まとめ ドレーの依頼のポイントはこのような感じになっています。自分でドレーの手配をすることが出来ますが、やはりフォワーダーに依頼する方が選択肢も多いしフレキシブルな対応も可能になります。 そして大切なことですが、とにかくは依頼を早めにすることを心がけていただければきっと大丈夫です!

コンテナ・ドレージとは?輸出・輸入で使うドレーの手配や料金体系を解説しました。 | 輸送・ロジスティクス

コンテナ・ドレージとは?輸出・輸入で使うドレーの手配や料金体系を解説しました。

昨今の日本では「ドレーが取れない」という言葉をよく聞きます。私も日本に貨物を送る時でスケジュール通りに必ず届けないといけない場合、ドレーの手配に関しては気を使ってしまいます。 またタイからであっても、「ドレーの費用は安くないな。。」という印象もあります。 このドレーとはいったい何のことでしょうか?今回はドレーの料金体系について解説したいと思います。 ドレーについて動画で解説 物流におけるドレーとは? まず「ドレーとは何か?」から説明を始めましょう。ドレーとは海上輸送で使われている20フィートや40フィートなどのコンテナを陸上輸送することを言います。 輸入の場合は保税地区にあるCY(コンテナヤード)から輸入者の工場など指定の場所まで輸送すること、輸出の場合はその逆で輸出者の工場や倉庫からCYまで輸送することです。 ドレーに関する名称 業者によっては「ドレージ」と呼ぶこともあります。違いはありません。同じ会社の中でもドレージと呼ぶ人とドレーと呼ぶ人に分かれることもあるくらい、何の差もないので気にしなくていいと思います。 アルファベットで綴る時は「DRAYAGE」となります。アライバルノーティスのチャージ費用として記載されていることもありますのでこのスペルは覚えておくとよいですよ。 その輸送を主たる業務として経営している会社のことを「ドレー会社」と呼びます。業務の性質上、港の周りに営業所のあることが多いですね。 ヘッド/ トラクタヘッド/ トレーラーヘッド 時々 トラックの頭だけが走っているような車両を大きな道路で見かけませんか? あれはトラクタヘッドであの後ろに海上コンテナを専用に積載するトレーラをつなぎ、そこにコンテナを固縛して、牽引して輸送先まで運んでいます。 2軸・3軸シャーシ そのトレーラのことをシャーシと呼びますので、ドレー車両のこと自体を「シャーシ」と呼ばれる方が乙仲には多い印象です。 ドレーの料金というのは「ラウンド制」、つまり往復料金で設定されています。 港からコンテナを引き取って倉庫や工場まで輸送し、倉庫で貨物を積み降ろししてまた港までコンテナ運ぶという流れですのでどうしても往復での依頼となるのはご理解いただけると思います。 ドレーの費用について 基本的には港から輸送先までの距離で決められています。細かく何キロで何円、というよりは地域で設定されている業者さんが多いです。 例えば名古屋港から豊田市であれば3万円という形ですね。宅配便の料金設定をイメージしていただければわかりやすいです。各業者さんで料金表をお持ちだと思いますので、都度確認していただければ問題ありません。 特に何もなければこの基本料金だけでドレーの依頼はできますが、他にも付加的に様々な料金がかかってきますのでそちらも十分注意をしておきましょう。 待機料金 まずは待機料金の発生する場合があります。コンテナを港から運んできてドライバーさんは、当然また港へ戻らなくてはならないので倉庫で工場を積み降ろししている際はその周辺で待機をしています。 通常の時間内であればこの待機料金も基本料金の中に含まれています。大体2時間くらいでしょうか。しかしその時間を超えて待機が発生した場合にはその分の待機料が請求されることになります。 1時間5,000円くらいが相場です。なのでドレーを依頼して倉庫へ着く時間を指定した際には、必ずその時間から積み降ろしが開始できるよう社内で調整しておくのがよいです。 3軸シャーシ その他には3軸費用というものがあります。シャーシには大きく分けて2軸と3軸があります。この軸とは、左右のタイヤを連結させている棒のことなので2軸の場合はタイヤ4個、3軸の場合はタイヤ6個になります。 貨物重量とシャーシの種類 もし、コンテナの総重量がおおよそで20フィートなら約20トン、40フィートなら約24トンを超える可能性がある場合は、3軸シャーシを使用しなければならないと国内関係法令で定められています。 運送会社としてこの法を破るわけには決していかないので、ドレー会社は重量の重い貨物の輸送依頼が来たら念のため3軸を用意したいと言うことが多いです。 3軸シャーシは大体プラス3,000円~5,000円かかりますし、2軸よりも圧倒的に台数が少ないので貨物の重量が大きい輸出入をされる場合にはその費用も意識してドレー依頼も早めに行うようにされると安心です。 MGシャーシ(Reefer用) あとはMGシャーシ費用というものがあります。これはリーファーコンテナと呼ばれる温度を一定に保つことのできる低温輸送用コンテナを運ぶことができるシャーシです。 MGはMotor Generatorの略で、電力を供給する発電装置がついており輸送中もリーファーコンテナ内の温度を保つことができます。 このMGシャーシは料金がとても高くなります。凡そ2倍ほどと思っていただいて大丈夫です。またシャーシ自体の購入費用が高いので保有しているドレー会社も少ないです。 大きいところでも数える程度しか保有していなく、リーファーコンテナの需要が高まる夏場などは取り合いになります。なのでもしもリーファーコンテナでの輸送があればすぐにシャーシを確保すると良いです。 走行距離 最後に1点、長距離のドレーを依頼する際にも注意が必要です。例えば東京港~青森県など長距離となる場合は交代要員としてもう一人ドライバーさんを乗せての運送となります。 当然ながら人件費が2倍となり合計でのドレー料金もかなり高くなります。 海上運賃が安いからといって遠くの港へコンテナを到着させたりすると結局ドレー料金が割高になり損をしてしまうこともありますので、輸出入の際にはコンテナドレー料金も念頭において計画を立てるようにされるとよいですね。 まとめ ドレーの料金体系についてご理解いただけましたでしょうか。正確な料金設定はドレー会社さんによってまちまちですので必ず確認してくださいね。 ドレーは通関業者を通して通関などと一式でご依頼される方が多いですが、自分で依頼することももちろんできます。そうすることで、お得なドレー料金を手配できる可能性もあります。 次回はその依頼のコツなどについてお話したいと考えています。

InvoiceとPacking Listの書き方について解説!貿易書類のサンプル・テンプレートとしてダウンロードも可能です。 | 輸送・ロジスティクス

InvoiceとPacking Listの書き方について解説!貿易書類のサンプル・テンプレートとしてダウンロードも可能です。

今回のテーマは貿易におけるINVOICEとPACKING LISTの書き方について分かりやすく解説していきたいと思います。 まず、そもそもINVOICEとPACKING LISTとは何でしょうか? 貨物を輸出するときには必ず作らなければならない書類、輸入するときには乙仲や通関業者へ提出しなければならない書類、との認識を持っていらっしゃる方は多いと思います。 では実際にどのような役割があるかについて確認していきましょう。 InvoiceとPacking Listの書き方を動画で解説しました 貿易におけるInvoiceの役割 まず最初にINVOICEの役割についてです。 INVOICEは日本語にすると「請求書」です。皆さんが通信販売などで商品を購入したときに商品とともに送られてくる請求書、それのことです。 貿易では、INVOICEを元にどんなものが輸出入されているかの確認や、輸入国でいくら税金を払わなければならないかの計算がされます。 なので「仕入書」や「送り状」と訳したほうがしっくりくるかもしれません。関税法上、輸出入の申告においてほぼ例外なく必要となる書類です。 貿易におけるPacking Listの役割 続いてPACKING LISTの役割です。こちらは日本語にすると「梱包明細書」です。 貿易ではPACKING LISTでどの貨物がどれくらいの数量で輸出入されているか、どのような荷姿で梱包されているか、貨物にどのようなマークが付けられているか、などの確認をします。 つまりInvoiceもPacking Listもどちらも貿易にとってなくてはならない書類ということです。 なので たかが仕入書、梱包明細書と思わず、正確な情報を明確に記載することが重要です。 絶対にやってはいけない事 間違っても、税金を安く済ませたいから商品の価格をわざと低く記載したり、運賃を節約するためにボリュームを小さめに記載したりすることはあってはならないことです。 もし仮に、乙仲業者や通関業者はうまくやり過ごせたとしても税関の事後調査で指摘されて多大な追加税を払うことにな理ます。 また船や飛行機に積載する段階になって判明して輸出できなくなり、貨物の引き取りや船のキャンセルで余計なお金や時間がかかったりするのは目に見えています。 そういったことを防ぐためにも、貿易にとって大切なこれらの書類の書き方をしっかり覚えておきましょう。 InvoiceとPacking Listの例 - ダウンロード可能 「書き方の前に書式はどこにあるの?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、INVOICEもPACKING LISTも特定のフォームはありません。 もし1から作る必要があるという方がいらっしゃいましたら、弊社で使っているものをテンプレートとしてお使いください。 こちらからダウンロードすることが可能です。 【形式:エクセルファイル】 ・Invoice ・Packing List ・Shipping Mark Invoiceの書き方 それではまずINVOICEの書き方から解説します。 INVOICEには輸出入者情報に加えて、輸出入される物の品名・数量・金額、船やフライトの便名などの輸送情報などが主に記載されます。基本的には英語表記です。 そしてこのINVOICEが請求書としての役割にプラスして輸出入時の通関書類にもなるのです。つまりINVOICEを見ればその貿易の内容がわかるように作成することが重要です。 また、記入は細かく正しく分かりやすくというのが大切です。 Invoice作成時のポイント ここからは基本的な記載事項についてお話します。 売り手と買い手の情報 輸出者(=送り主、シッパーとも言います)の社名・住所・電話番号・FAX番号などを記載します。 同じように輸入者(=受取人、コンサイニーとも言います)の社名・住所・電話番号・FAX番号などを記載します。 Invoiceの番号について インボイス番号の決め方に特に決まりはありませんので、任意の番号で構いません。 連番にする、日付を利用する、送り先の国名や会社のイニシャルを入れる、などルール決めをしておくと便利でしょう。今まで見てきた感じではやはり日付を利用されているパターンが多かったです。 本船情報について 利用する飛行機や船の便名、出港日も記載します。業者に依頼していて不明な場合は確認しましょう。 支払条件はその貿易取引のものを正しく書いてください。電子送金決済を意味するT/Tなどが多いです。 到着する港や空港の名前、国名も記載しておきます。 取引条件について 貿易取引条件の明記も必要です。インコタームズで規定されている取引条件に沿って記載しておけば問題ないでしょう。 FOB OSAKAやCIF SHANGHAIといった表現で大丈夫です。 貨物の詳細情報について そして重要な、貨物の明細についてです。輸出入する貨物の品名、個数、単価、合計金額を記載します。 通関業者はこの品名を見て申告する税表番号を決めていきますので、分かりやすく詳しく書くことがポイントです。 できれば品名だけでなく材質や使用目的なども書いてあるとよいでしょう。材質ならWOODENやSTEEL、使用目的ならFOR CARなど書いてありますと通関業者はとても助かります。 シッピングマークについて シッピングマークはこちらも規定のものはありませんので任意で構いません。 オーソドックスなものは上から会社名、向け地、箱の番号(連番など)、生産国もしくは輸出国名(MADE IN JAPANなど)でしょうか。 サインして完了 最後に輸出者の名前と、担当者のサインを記入します。 近年はサイン入りのINVOICEでないと輸入申告ができない国も増えていますので、しかるべき担当者の方が忘れずにきっちりサインをするようにすると良いですね。 Packing Listの書き方 続いてPACKING LISTの書き方です。 PACKING LISTの内容は実はINVOICEとほぼ変わりません。フォームも同じものを使っている会社がほとんどです。 貨物の単価や合計金額ではなく、貨物の大きさや重さ、梱包前の重量と梱包後の重量などを記載します。 ケースの数や、どのケースに何が何個入っているかなども書かれていると、もし貨物が検査になったときにスムーズに進みます。 InvoiceとPacking Listをまとめる 実務上の話をしますと、実はPACKING LISTは、ほぼ例外なく必要なINVOICEとは違い、他の書類(B/Lや他の明細書)などで貨物の個数重量がわかるような書類があればなくてもOKです。 なので、輸送する貨物が少ない場合は、INVOICEとPACKING LISTを一つにまとめてしまっても問題ありません。 もちろん、貨物の管理には大変有効な書類ですし、到着地で貨物が行方不明になってしまった場合(嘘のような話ですが本当にあります)にもPACKING LISTがあると捜索に役立ちます。 ぜひ正確でわかりやすいPACKING LISTの作成も心掛けて頂ければと思います。 まとめ 以上がINVOICEとPACKING LISTの書き方となりますがいかがでしたでしょうか。 慣れてしまえばそれほど難しい書類ではありません。あらかじめフォーマットさえ決めてしまえば後は輸出入の都度、必要事項を書き換えるだけで作成することができるでしょう。 繰り返しになりますがINVOICEもPACKING LISTも細かく、正しく、わかりやすく、が重要です。 この3つのポイントを忘れずに作成すればスムーズな貿易取引が期待できます!

物流における実重量と容積重量の違いとは?LCL・航空輸送・トラック輸送でそれぞれ違う容積重量の計算方法を紹介します。 | 輸送・ロジスティクス

物流における実重量と容積重量の違いとは?LCL・航空輸送・トラック輸送でそれぞれ違う容積重量の計算方法を紹介します。

主に航空便で貨物輸送をする時に気をつけないといけないのが容積重量です。しかし、容積重量は航空便だけでなく海上輸送のLCLやトラック輸送、そして倉庫でも使われる重さとなります。 実重量と容積重量の違いをよく理解をしていなければ正しい物流コストを算出することは出来ません。今回は物流における容積重量と実重量の違いと、各種物流においての容積重量の計算式についてご説明をしていきたいと思います。 実重量と容積重量 まず実重量と容積重量とは何でしょうか?これは物流業界では基本の重さに対する専門用語です。実重量とは実際の重さのことで、そして容積重量とは貨物の大きさを重さに変換した時の重量のことです。 そうなんです。容積重量が物流業務での重さを理解する肝なんです。 アニメーション動画で容積重量について解説 Chargeable Weigthとは? より分かりやすく理解できる為に、貿易の実務で一般的に使用されるChargeable Weightを一緒にして説明をしていきます。 Chargeable Weightとは貨物の大きさと重さを比較して大きい方を費用換算に使う重量のことです。大きいものと重いものという単位が違うものを比較するというのがポイントです。   物流業では限られたスペースでビジネスをしている 物流では限られたスペースを使ってお客様の貨物の配送や保管をします。 これは船会社、航空会社、トラック会社、倉庫会社のような限られたスペースを使ってビジネスをする場合、大きさや重さのどちらか一方の単位だけで費用換算をするとフェアではない場合が出てくるからです。 同じ1トンを扱うにもこれはフェアでしょうか? 例をあげましょう。航空輸送で「1トンの水」と「1トンの綿」を運ぶ場合どちらの方がスペースを多く取るでしょうか? 水は重いけれど かさばりません。しかし綿は軽くて非常にかさばるので、水より遥かに大きなスペースを使います。 航空会社からしたら同じ1トンという実重量で費用換算してしまうと、かさばる綿の場合はスペースを大きく使うので損をしてしまいます。 まず単位を同じにして比較をする 貨物の大きさと重さが全く違うとフェアではなくなってしまう。。そうならない為に貨物の容積を重量換算する容積重量が使われます。 そして実重量と容積重量を比較して どちらか大きい方をChargeable Weightとして費用換算するのです。 それでは実際に実重量と容積重量の比較をみていきましょう。 海上輸送LCLと倉庫での容積重量の計算方法 まず海上輸送のLCLと倉庫の場合ですが、大きさと重さを比較するルールがあります。 このルールは絶対に覚えておかなければいけません。 例えば ・貨物の実重量:1.5ton ・貨物サイズ:0.8m(縦) × 0.9m(横) × 1.7m(高さ) = 貨物の体積: 1.22m3 先ほどの 「1m3=1トン」というルールを使えば1.22m3=1.22トン(容積重量)となります。 そして実重量が1.5トンで容積重量は1.22トン。この場合の大きい重量(Chargeable Weight)は実重量の1.5トンとなります。 航空輸送での容積重量の計算方法 次に航空輸送での容積重量の換算法を見てみましょう。 航空輸送では先ほどの海上輸送や倉庫でのルールとは違うものになります。 先ほど説明した例とは違い航空便では一般的にcm2とkgが使われます。また会社によっては6,000ではなく5,000でわる場合もありますが、6,000の方が一般的です。 例をあげましょう。 ・貨物の実重量:50kg ・貨物サイズ: 70cm(縦) × 90cm(横) × 90cm(高さ) = 貨物の体積: 567,000cm3 568,000(体積cm3) ÷ 6,000 = 94.5kg(容積重量) 実重量が50kg, 容積重量が94.5kgということでChargeable Weightは容積重量の94.5kgとなります。 混載トラックでの容積重量の計算方法 そして日本での混載トラックの場合、基準となるルールですが これも同様に単位には気をつけてください。 例を見てみましょう。 ・貨物の実重量:50kg ・貨物サイズ:0.7m(縦) x 0.9m(横) x 0.9m(高さ) = 体積:0.56m3 0.56(体積m3) × 280 = 156.8kg(容積重量) 実重量が50kgで容積重量は156.8kgです。この時のChargeable Weightは 容積重量の156.8kgとなります。 航空便でのChargeable Weightを計算しよう 最後にケーススタディーをしてみましょう。 2リットルの水が12本入った箱があります。これを100箱、航空輸送で出荷をする予定です。 箱のサイズは縦90cm、横30cm、高さが40cmです。 この貨物を輸送する時のChargeable Weightはいくつになるでしょうか? まとめ いかがだったでしょうか。今回は容積重量と実重量の違いと計算方法について解説をしました。 これは物流業界では基本の専門用語で計算方法はルールとして覚えなければいけません。LCL、航空輸送、倉庫、トラック輸送の実務で頻繁に使われる内容ですので今回の動画の内容を理解をして、使えるようになりましょう。

海上コンテナ輸送の一連の流れを解説!輸出・輸入の貿易業務のお仕事では貨物と書類の流れを理解することが重要です。 | 輸送・ロジスティクス

海上コンテナ輸送の一連の流れを解説!輸出・輸入の貿易業務のお仕事では貨物と書類の流れを理解することが重要です。

コンテナを使った海上輸送をする時、どのような流れで「貨物」と「書類」が動いているのかを貿易担当者なら理解しておかなければいけません。国際物流で貨物が輸出先から輸入先に送られるまでに実際は様々な工程があります。 貿易事務の担当の場合、輸入だけ、輸出だけ、通関だけなどと役割が分かれている場合があると思います。その場合、自分の担当している業務は分かるけれどもそれ以外の工程は分からず偏った貿易の知識だけとなってしまいます。 一方で貿易の実務担当者・営業マンの場合はざっくりした流れだけを理解しがちです。どの場面でどの書類が発行され、処理されているのかを学んでいきましょう。 海上コンテナ輸送の流れに関するアニメ動画解説 アニメーション動画を使っても海上輸送の一連の流れを解説しています。動きがありますので理解しやすいと思いますので是非こちらもご覧ください。 輸出者・輸入者で商品の売買について合意される 貨物を出荷する前に、輸出者様と輸入者様とでの商品の仕様・価格・数量・納期などについてのやりとりがあります。これらの取引条件などに双方の合意が出来てから貨物を出荷する流れとなります。 この時の取引内容がInvoiceやPacking listに記載され、また輸入時に登録が必要な貨物の場合は事前に準備をします。 海上輸出貨物の全体の流れ まず全体の流れをご紹介します。ざっとみていただいても分かるように、1件のコンテナ輸送案件でかなりの作業工程が行われています。 1.工場で製品が生産される / 2.お客様からBookingのリクエストがある / 3.フォワーダーが物流の手配をする / 4. 必要書類の確認をする / 5. 空のコンテナをピックアップする / 6. 空コンテナをお客様に届けて貨物をピックアップ 7. 貨物が港に到着する ※輸出通関を忘れずに / 8. コンテナが船に積み込まれる / 9. 本船が港を出港するとB/Lが発行される / 10. 海上輸送する 11. 本船が港に到着する2〜3日前にA/Nが発行される / 12. 輸入者はA/Nの支払いをしてB/Lも差し入れる / 13. フォワーダーから輸入者にD/Oがリリースされる 14. 輸入通関をする / 15. ヤードでD/Oを差し入れて貨物がリリースされる / 16. 貨物がお客様にお届けされる 輸出側の国内輸送と海上輸送 海上輸送をするにもお客様の工場から港に本船にコンテナが乗せられるまでのプロセスがあります。一つずつ解説をしていきましょう。 1. 工場で製品が生産される 個人レベルではコンテナを使って輸送するケースは流石に稀ですが工場では毎日商品を生産していて毎週 海外に出荷している工場もあります。 弊社のお客様でも自動車パーツ、冷凍食品、紙、革製品、化粧品、スクラップ、包装資材など多種多様にわたる貨物をコンテナで海上輸送をしています。 ※その他、お米、マンゴー、パイナップル缶詰、ドライフルーツ、ドリアン、ゴムの木、鶏肉といったタイならではの商品も多く輸送しております。 2. 輸出のBooking依頼がある 完成した商品のQCが終わったら、工場の出荷担当者からフォワーダーにBooking依頼があります。 このBooking時に、必要なコンテナの種類や本数、貨物の引き取り日、積み地、揚げ地、Cut Off、ETD、ETA、フリータイム、直行便・経由便などの連絡があります。 3. フォワーダーが物流を手配する お客様から頂いた情報を元にフォワーダーが本船予約・トラックの手配・通関手配、それぞれの必要書類の確認をして準備を進めていきます。 基本的にワンストップサービスを依頼されるお客様が多く、フォワーダーが本船予約以外の物流手配もすることでお客様にとっては一つの窓口で物流を完結出来るメリットがあります。 4. 必要書類の確認 そしてここが大切なのですが必要書類の確認作業です。どれか一つの情報でも間違っていると、正しく通関を通すことができませんし本船に乗せることが出来なくなります。 また原産地証明を発行する場合で書類にミスがあれば関税の優遇が受けられません。書類のミスに関しては特に中をしなければいけません。 5. 空コンテナをピックアップする お客様の貨物を引き取る為に、貨物引き取り日の朝か、前日の夕方にコンテナデポに空のコンテナをピックアップに行きます。コンテナデポはコンテナバンプールとも呼ばれます。 デポには使い終わった船会社のコンテナを掃除し、修理し終わったものが沢山積み上げられています。空コンテナのピックアップの際の注意は、コンテナ品質です。 コンテナグレードAで予約したにも関わらず、質の悪いコンテナが割り当てられる事は少なくありません。弊社のサービスでは、コンテナを引き取るドライバーに必ずチェックをさせて質の高いものを選んでお客様にお届けしております。 6. 工場でコンテナに貨物を積み込む 空のコンテナをお客様の工場に届けたら、コンテナに貨物を積み込みます。規模の多いお客様だと1日に何十本というコンテナを使う場合があり積み込みにかかる時間を計算しトラックの配車スケジュールも管理したりします。 コンテナは海上では大きく揺れる場合がありますので、貨物がコンテナ内で動かないようにしっかりとラッシング(固定)もしなければいけません。 7. 貨物が港に到着する 貨物を乗せたコンテナが本船に積み込まれる港に到着します。コンテナのCut Offという言葉が使われるのですが締め切り時間のことだと理解してください。 またContainer Returnはコンテナが船に乗せるために港に戻っていなければいけないということです。 AFRやVGMを事前に済ませておく コンテナが船に乗せられる前に ・AFR(日本向け:輸出の事前申告 - ETDの24時間前) ・VGM(コンテナの総重量の申告義務) を済ませておかなければいけません。 輸出通関をする そして通関の輸出申告も済ませておかなければいけません。 上述したように、貨物が工場でコンテナに積み込まれ、船に乗る前までに色んな申請事項を済ませておかなければいけないのです。 8. 本船にコンテナが乗せられる 港には本当に大量のコンテナが集められています。その為、港湾内での荷役の時間も十分に必要だということでCut Offは守らなければいけないのです。 港・ターミナルでの荷役について コンテナが船に乗せられる時はガントリークレーンという大型のクレーンに吊られて積み込まれます。吊り上げるのでコンテナの総重量が大きなポイントとなります。 40’フィートコンテナだと20’フィートコンテナの倍の重量を積むことが出来るのかという問い合わせをたまに聞きますが、設備上の関係で出来ません。20’フィートであれ、40’フィートであれ貨物重量は大体25トンくらいまでと覚えておきましょう。 このように本船には大量のコンテナが積み込まれます。コンテナ船に積めるコンテナの本数には限りがありますのでシーズンによってはスペースが取りにくくなります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/forwarder-space/?lang=ja" target="_blank"] 9. B/Lが発行される コンテナが本船に積み込まれたらB/Lが発行されます。その後、フォワーダーから発行されたB/LがShipperに送られ、ShipperとConsigneeの間で商品の代金支払いなどのやりとりがあります。 オリジナルB/Lの場合はShipperからB/Lの原本がConsigneeにDHLやFedexなどのクーリエサービスで送られます。このようにConsigneeはD/Oを引き取るためのB/Lを入手しておかなければいけません。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-bl/?lang=ja" target="_blank"] 10. 海上輸送する 海の上でコンテナが船に揺られながら各港で積み込み・積み下ろしを繰り返して、スケジュール通りに進んでいきます。よく天候の問題で船が遅れる場合がありますがこれだけは仕方がありません。 海上輸送では近海であれば数日で到着し、日本ーヨーロッパのようなロングルートだと2ヶ月近くかかったりする場合もあります。 輸入のプロセスのご紹介 ここからは輸入のプロセスになります。貨物が積みあげられる港に到着してから、配送先まで届けられるまでの貨物と書類の流れです。 11. A/Nが発行される 本船が入港する2−3日前に輸入側のフォワーダーからArrival Noticeが発行され、輸入者に送られます。 このArrival Noticeには、港の諸費用やD/O費用などの諸々の費用があり輸入者はそれを支払わなければいけません。 12.A/Nの金額をフォワーダーに支払い、B/Lを差し入れる 輸入の流れを詳しく見ていきましょう。 輸入者は貨物引き渡し書類であるD/Oを入手しなければいけません。その為にA/Nに書かれている金額をフォワーダーに支払います。 そしてA/Nの支払いのタイミングと同時に、Shipperから入手したB/Lも差し入れます。オリジナルB/Lなら原本を差し入れ、サレンダーB/Lならコピーをフォワーダーに提出します。 D/Oがリリースされる A/Nの支払いとB/Lの差し入れと引き換えに、輸入側のフォワーダーがConsigneeにD/Oをリリースします。 D/Oも原本だけでなく、D/O LessといったID番号を発行する簡素化された手続きもあります。 貨物の輸入通関をする 輸入者がコンテナを引き取るにはD/Oだけでなく輸入通関も完了しておかなければいけません。Invoice, Packing List, 原産地証明などの書類を使い、システムに入力して通関士によって輸入申告がされます。 申告に何も問題がなければ税関から輸入許可が出ますが、問題があれば検査などが発生します。 D/Oをヤードに差し入れて、貨物がリリースされる D/Oを入手し輸入通関も完了したConsigneeは、D/Oをヤードに差し入れて、コンテナ貨物を引き取ることが出来ます。 コンテナが配送先に到着し,貨物を積み下ろして配送完了 コンテナを乗せたトレーラーが届け先まで運んできて、貨物の積み下ろし作業をして配送完了となります。 まとめ いかがだったでしょうか。コンテナに貨物を乗せて輸送しているだけのように見えますが、色んな工程で必要書類が出てきます。 この書類に間違いがあると貨物はスムーズに輸送されませんし、書類の修正などに時間がかかって港での保管の超過料金が発生するのもよくあります。 全体の流れをよく理解して、スムーズな国際物流が手配できるようになりましょう。

保税倉庫 – タイのFreeZoneとBonded Warehouseの違いを解説!IORとEORを利用して貿易をフレキシブルにしましょう。 | 輸送・ロジスティクス

保税倉庫 – タイのFreeZoneとBonded Warehouseの違いを解説!IORとEORを利用して貿易をフレキシブルにしましょう。

加工貿易をする時や貨物を保税状態で国内に保管するときに使われるのが保税倉庫です。タイでは保税倉庫として使われる倉庫がBondedとFree Zoneの2種類があります。 筆者としても保税倉庫と言えばBonded Warehouseだろうと思っていたのですが、昨今のタイでの物流ではFree Zoneの倉庫が主流となってきています。 ではBondedとFree Zoneはどのように違うのでしょうか? 実は結構違うんです。今回はタイにおけるBondedとFree Zoneの倉庫についてご説明をしていきたいと思います。 BondedとFree Zone 倉庫の違いとは それでは以下にそれぞれの保税倉庫の特徴について羅列します。 Bonded Warehouse ・保管期間:2年 (最大保管期間) ・国内貨物:使用不可 ・税金:入庫時に全部支払う ・出庫量: 入庫の時と同じ物量を出庫する必要あり Free Zone Warehouse ・保管期間:2年 + 1年延長可能 ・国内貨物:入庫可能 ・税金:出庫時に出庫した分支払う ・出庫量: 出庫したい分だけ出庫可能 ・IOR / EOR: 使用可能 ご安心ください。それでは更に詳しく見ていきましょう。 BodedとFree Zoneの保管期間 保管期間は分かりやすいですよね。Bondedの倉庫は最大1年間の保管期間の制限があり、Free Zoneにはそれがありません。 長期的に保管する必要があればFree Zoneを使用した方が良いですね。 国内貨物の入庫について Bondedは国内貨物を倉庫内に入れる事は出来ません。外国から来た貨物のみ保管することが可能です。 一方、Free Zoneは国内の貨物も入庫可能です。このメリットは国内の貨物と外国から輸入したFree Zone内の貨物を組み立てたり、箱の詰め替えが出来たりする事です。 Bondedだと国外の貨物だけで組み立てなどが可能ですが、Free Zoneの方がよりフレキシブルですね。 税金の支払いタイミングについて Bondedは外国からの貨物を入庫した時点で全ての関税・消費税を支払わなければいけません。 一方でFree Zoneでは倉庫に入庫した時は税金を払う必要がなく、国内に出庫した時に出庫した分だけの税金を払うことが出来ます。 出庫量について Bondedでは海外から輸入した分を、そのままの量で出庫しなければいけません。例えば貨物を100ton入庫したら、出す時は100tonでなくてはいけません。50tonなど分けて出庫してはいけません。 FreeZoneでは出庫したい分だけを出庫することが出来ます。また上述したように出庫した分のみの税金を払えばOKです。 IORとEORについて 特定の倉庫業者のFree ZoneではIORとEORが使用可能です。これにより海外の企業はタイに会社がなくても貨物の輸出入が可能となります。詳しく見ていきましょう。 IOR - Importer of Recordとは IORを使うことによりタイに法人がなかったとしても輸入手続きが出来ます。Free Zoneの倉庫業者を利用することで輸入者扱いになってくれるのです。 【例】 輸出国:日本 輸入国:タイ Shipper: 株式会社ジャパン Cnee: On behalf of 株式会社ジャパン Invoice Value: USD 0 輸入した貨物は保税倉庫に保管されます。もしタイの国内に輸入をしたい時(内貨にする時)は出庫手続きをするのですが、この時に関税と消費税を受け取り人が支払います。 倉庫業者ですで保管が目的なので倉庫に入庫する時はInvoice Valueはゼロで申告します。出庫してタイの内貨にする時に正規のInvoiceの金額で申告することになります。 EOR - Exporter of Recordとは IORでFree Zoneに輸入した貨物を再輸出する時に、タイに会社がなかったとしてもFree Zoneの倉庫が輸出者扱いとなってくれます。 先ほどの例を使って説明しましょう。 【例】 輸出国:タイ(Free Zoneに保管)- 輸入時のShipper: 株式会社ジャパン 輸入国:アメリカ Shipper: On behalf of 株式会社ジャパン Cnee: アメリカン Co.,Ltd Free Zoneで加工・梱包などをして他国に輸出する時に現地に法人を用意する必要はありません。Free Zoneの倉庫業者がIORやEORでサポートしてくれるので安心です。 まとめ Bondedの倉庫よりFree Zoneの方が機能的に優れているのがお分かりになったでしょうか。「保税」以外の機能を理解して倉庫を使いこなす事は大切だと思います。 タイでFree Zoneの倉庫が必要なさいはお問い合わせを頂ければと思います。

LSSサーチャージについて分かりやすく解説!海上貿易で使われる従来の燃料(C重油)はなぜダメなのか? | 輸送・ロジスティクス

LSSサーチャージについて分かりやすく解説!海上貿易で使われる従来の燃料(C重油)はなぜダメなのか?

2020年から義務付けられた新しい規制により海上輸送に新たなサーチャージが加わりました。 船の燃料にLSC重油という低硫黄の燃料を使わなければいけませんよとIMO(国際海事機関)がマルポール条約(海洋汚染防止条約)を改正したのです。 簡単に言えばこれまで使っていた環境に優しくない燃料をそのまま使うのはダメですと国際機関によって決定されたという事です。 これにより加わったLSS(Low Sulfur Surcharge/ローサルファー・サーチャージ)について今回はご説明をしていきたいと思います。 LSSについて動画で解説しました 排ガスの硫黄酸化物がPM2.5の大気汚染に ご存知の通りPM2.5による大気汚染は国際的な問題になっていますよね。PM2.5は元をたどると排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)から生成されています。 なのであなたの健康を害するPM2.5を減らす為に、IMO(国際海事機関)はPM2.5を引き起こす排ガスの硫黄酸化物(SOx)を減らそうとしているのが今回の規制です。 ローサルファーとは? 硫黄(Sulfur)なので、Low Sulfurで低硫黄を指します。 硫黄分濃度が低い燃料を使いましょうという事で、その硫黄分濃度の基準が以下になります。 ・従来のC重油:HS (High Sulfur): 3.5%以下 ・低硫黄C重油:LS (Low Sulfur):0.5%以下 硫黄分濃度が0.5%以下の重油のことがLow Sulfur重油で、この重油を使用することでPM2.5の発生を抑制しましょうという決まりなのです。 スクラバーを使って従来のC重油を使う スクラバーを使えば従来のC重油でも、排ガスを低硫黄燃料を使ったときのレベルまで洗浄することが出来るので低硫黄燃料を使用する必要はありません。 出典:Alfa Laval PureSOx (サイトに移動します) なぜサーチャージが発生するのか? 低硫黄燃料はこれまで使用可能だった従来のC重油より3割〜5割ほど高くなっています。船会社も燃料費としてカバーしなければいけません。 またスクラバーを導入した船舶であれば、そのコストをカバーする為に船舶会社も補填をしなければいけません。 各船会社のLow Sulfur Surcharge さてこの環境に優しくする為のLSSですが船会社によって金額が異なります。詳しい理由は分からないのですが各船会社ごとに戦略があるのでしょう。 このLSSが導入され始めるぞと騒ぎになった2019年11月頃、筆者の会社も各船会社からの情報が不十分なままお客様に色々と質問をされました。 独自の呼び方と計算方法をする船会社 全ての船会社を調べた訳ではないのですが以下の2社はLSSという言葉ではなく別の言葉で新しい燃料サーチャージを表現しています。 ONEのLSS: OBS ・ONE:ONE Bunker Surcharge(OBS) OBSは他社のLSSと比較すると安く設定されており、ONEによると独自の計算方法をしているとの事です。 海上運賃はAll inで出した方がいいかもしれませんね。 EverGreenのLSS: ISOCC ・EverGreen:IMO Sox Compliance Charge(ISOCC) EvergreenのLSSはこのように表現されています。当初Evergreenの見積もりを見た時に「ISOCC」という項目を見つけてググったのを覚えています。 LSSにはタリフと売値がある タリフとは定価の事です。タイから日本の主要港までのLSSのタリフはDryコンテナで ・USD 70/20’ ・USD140/40’ だったと思います。※うる覚えですみません。。間違ってたらすみません。 しかしこれはタリフで実際には各船会社はそれぞれの価格を提示してきました。 フォワーダーとしてのLSS 船会社も各フォワーダーに対して同じLSSを提出しているところもあれば、安くLSSを設定している船会社もあります。 一般的にLSSはタリフで3ヶ月間の固定ですが、弊社は特定の船社からはタリフよりかなり安い価格で提示をされ、毎月交渉をしています。 タリフのLSSであれば値上げはありませんが、お客様の為に交渉しているとLSSは上がることがありますのでご理解ください。 まとめ 国際物流には様々な機関が関係し定期的に規制が変わります。近年でもIMOによるSolas条約(海上人命安全条約)で導入されたVGMがありました。 貿易をより良くする為に規制は変わり続け、私たちはそれに合わせて事業運営をしなければいけません。 今回のLSSは地球環境の為に必要とされたもので、コストアップは辛いものではありますが、何卒ご理解を頂けましたら幸いです。 企業様の貿易・新人研修にお勧めの無料コンテンツ

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。 | 輸送・ロジスティクス

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。

主に輸入貨物を取り扱うときにお客様によっては倉庫の手配を希望される事があります。倉庫は単に商品を在庫保管するだけでなく、積み下ろしや軽作業にも使われます。 弊社のHPからは日本語でタイの倉庫に関する問い合わせが多く、それだけ日系企業のお客様からの需要が高いのか or 単に情報がないのかが良く分かりませんが筆者の知っているタイの倉庫事情についてご説明をしていきたいと思います。 現在のタイの倉庫事情 倉庫選びで重要な要素に立地が挙げられます。港・空港と配送先・仕入れ先などの場所から最適な場所に貨物をストックする。 いくら倉庫費用が安いと言っても配送先などから距離が離れていると輸送費用が高くなり効率的ではありません。 人気の倉庫立地 筆者が知る限りでは貨物が集まりやすい立地はタイではスワナプーム空港・バンコク港・レムチャバン港の近く。 そして日系企業が多く入っている工業団地としてチョンブリ県のアマタナコーン工業団地やサムットプラカーン地域にある工業団地に近いBangNa Tradが人気のエリアかなと思います。 割と空いている倉庫立地 一方でガラガラの倉庫もあります。2011年にタイの起きた洪水でタイのアユタヤ地域周辺は水没しました。その影響で東部のレムチャバン地域に倉庫が多く建てられました。 しかし供給過多でその地域の倉庫はまだガラガラに空いていると言う印象です。 倉庫の種類 倉庫では様々な貨物が保管・作業をされますので、それに適した倉庫が必要となります。 以下に各種倉庫について説明をしてきましょう。 一般倉庫 / General Warehouse 一般の貨物(General Cargo)が保管される倉庫です。樹脂、木材、自動車パーツなどなど。一般貨物の場合は他の倉庫に比べて機能がないので他社と差をつけるにはサービス、立地、価格になります。 またコンテナからの積み下ろしが出来ないお客様の場合、一般倉庫でコンテナを開梱してトラックに載せ替えてお届けする事があります。 冷凍・冷蔵倉庫 / Cold Warehouse タイでは冷凍・冷蔵倉庫の需要が高くなってきたように感じます。 2018年ごろから屋台の撤去が進みコンビニやスーパーの冷蔵・冷凍食品の需要が増えていくと予想されています。 弊社では冷凍のシーフードや温度管理が必要な工業品のリクエストもあり日系・タイ系の冷蔵/冷凍倉庫を状況に応じて使い分けています。 冷凍・冷蔵倉庫の温度設定ルーム ・-25度 ・3度〜5度 ・5度〜10度 ・15度〜18度 ・25度 など。 タイでは日中の気温は一般的に30度を超えますので温度管理が必要な貨物は冷蔵・冷凍倉庫を使います。 危険品倉庫 / DG Warehouse 化学品などで危険品とされる貨物は危険品倉庫に保管しなければいけません。また危険品の輸入登録をする時にもDIW(タイの工業省)に保管する予定の危険品倉庫の資料を提出する必要があります。 危険品倉庫というくらいですので、本当に危険です。船や倉庫でも危険品が燃えたというニュースはよくあります。 タイの危険品倉庫でクラス4(可燃性物質), クラス5(酸化性物質)を取り扱っている所は私は知りません。 でも日本のお客様からたまにこれらのクラスの危険品の取り扱い依頼を頂きます。 弊社で取り扱い可能なのは ・クラス3:引火性液体 ・クラス6:毒物 ・クラス8:腐食性物質 ・クラス9:その他 これらのクラス以外の危険品につきましてはMSDSを頂き、確認した上で判断をさせて頂いております。 保税倉庫 / Bonded Warehouse 一般的に貨物を輸入すると関税やVATが発生します。しかし輸入した貨物を加工して再輸出をするという場合などに使う倉庫が保税倉庫です。 ラベル貼り、梱包作業、簡単な組み立てなどを行ったり、他国との貨物を合わせて第三国に送るためにコンテナ積めをしたりもします。 基本的に再輸出を前提としていますので主に空港の近くや港の近くにあります。 他国との貨物をまとめてコンテナにバン積めする際は保税倉庫以外にもCFSを使ったりする事があります。お客様のご要望を聞いてどうしたら最も効率が良い物流手配になるのかを提案させて頂いております。 B2C 向けの倉庫 / E-Commerce Warehouse 近頃ではタイもオンラインショッピングの利用が盛んになってきました。タイではLazadaやShopeeが有名です。筆者も「どこで買ったらいいの?」という商品をLazadaで購入する事があります。 ちょっと調べましたら、2013年〜2017年までLazadaやShopee(2015年創業)まで赤字だったそうです。確かにタイの通販は物を買ってお金払ったけれども送られてこないや詐欺のような事がよくあったと聞きます。 2016年に楽天がタイから撤退したのもマーケットがまだ出来ていなかったからでしょう。 しかし昨今ではアプリを使った注文はGrabTaxi/Food, Panda Foodなど便利なものが増えておりますのでオンラインショッピングも一般的になっている印象です。※筆者の主観です。 弊社グループ会社でもE-Commerceの波にのって倉庫を始める計画があります。 やはり米・水などの重たい物を運ぶのは大変ですし、外出しないで買い物できる利便性は大きいので今後伸びていくマーケットなのは間違い無いでしょう。 アリババやAmazonのようなロボットが働く倉庫はまだタイでは人件費の面で導入されないかもしれません(安いから)。しかしこれも時間の問題だと筆者は思っております。 まとめ 今回はタイの倉庫に関して一般的な情報をお伝えさせて頂きました。弊社ではまだまだB2Bのビジネスが多いので、一般倉庫・冷蔵倉庫・危険品倉庫・保税倉庫の利用が多いのですが、いずれはB2C用の倉庫も主要倉庫の一つになると思います。 倉庫はとにかくロケーションが大切です。まだまだタイの倉庫情報は多く無いかもしれませんので、もし各種倉庫でお探しでしたらお問い合わせください。