2022.04.14
なぜ日本の企業は脱炭素への取り組みが必要なのか?LCA規制への対応
どうもこんにちは、飯野です。 本日は、「なぜ日本の企業は脱炭素に取り組まないといけないのか?」というテーマでお話していきたいと思います。 2022年4月14日イーノさんの物流ラジオ SGL、CO2排出の可視化 海事新聞に、「SGLがCO2排出可視化する」という記事がありました。 住商グローバル・ロジスティクス(SGL)は、国際輸送でのCO2排出量の算定・可視化に取り組んでいます。 外部顧客へ 親会社の住商グループから受託する案件について可視化を完了させ、現在は外部顧客との連携を目指し、アジア域内輸送での可視化を進めています。 SGLの執行役員のグローバルロジスティクスの事業本部長は、「輸送自体がコモディティー化している側面もあり、商社系物流会社として新たな付加価値を創出していきたい」と語っています。 ヨーロッパのLCA規制 付加価値としての脱炭素の取り組みと記事にはありますが、それよりも脱炭素が必須になっているように思います。 ヨーロッパを中心に「LCA規制」というのがあります。LCAとはライフサイクルアセスメントの略で、製品やサービスが生まれてから廃棄されるまでのライフサイクルを通じた環境負荷を評価する取り組みです。 例えば、自動車であれば、原料となる鉄などを、製造、使用、メンテナンス、リサイクル、廃棄までの環境負荷を評価するということです。 火力発電が主な日本 どういうことかというと、具体的に電力エネルギーのことです。 日本は国内で作られている電力のうち、火力発電比率が約75%です。 電気を作るのに石炭を燃やしたりして、二酸化炭素を排出しており、よって、日本の電力で作った車(パーツなども含む)はLCA規制の対象となります。 車の製造段階でCO2を出しているため、LCAの規制対象になり、ヨーロッパで、日本で作られた車が販売できない、もしくは追加費用がかかることになります。 ヨーロッパで日本製に制限? ヨーロッパで「日本で作った車」が売れなくなります。 そのため、日本の企業は製造だけでなく、物流を含むサプライチェーン全体で『脱炭素』への対応を迫られることになっています。 よって、どの大手物流企業も脱炭素への取り組みを進めています。 LCA規制による雇用 ちなみに、このLCA規制で日本の自動車産業の雇用が100万人くらいの規模でなくなるかもしれないという話もあります。 なぜなら、LCA規制に準ずるために、日本の電力をカーボンフリーで自動車を作るか、自動車の生産をカーボンフリー電力でまかなえる海外工場で行うことになります。 日本は原発を止めており、太陽光、風力などのエネルギーはヨーロッパに比べてまだまだです。 トヨタの社長、豊田章男さんは「今のままだと海外で作るしかなくなる。日本の工場を閉めることになり、部品産業を含めたたくさんの雇用を失うことになる。」と述べています。 将来への取り組みとしての脱炭素 クルマがすべてEVになればいいというわけではありませんが、今現在は、世の中が脱炭素の方向に動いています。 単にイメージアップのために、脱炭素とかSDGsと言っている企業もあるかもしれませんが、脱炭素に取り組まないと将来的に商売がなくなる。というのが本質的なところではないかと思います。