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貿易コラム

インコタームズを図解!とにかく分かり易く貿易条件を解説しました。 | インコタームズ

インコタームズを図解!とにかく分かり易く貿易条件を解説しました。

貿易用語で最初の関門とは何でしょうか。私はインコタームズだと思います。CFRやEXWなど英単語3文字で表現されるインコタームズは何と11種類もあります。 でもご安心ください。ぶっちゃけフォワーダー歴8年の筆者も11種類のインコタームズを覚えていません。でも何とかなっております。 もしあなたが貿易業務を始めることになり、「まず最初にインコタームズを覚えなさい!」と先輩に言われたとしても11個全てを覚える必要はありません。 覚えるのは頻繁に貿易業務に出てくる6個だけで大丈夫です。もし他のも覚えたければこの基本の6個を理解してから拡張していくのが良いでしょう。 今回はとにかく分かり易くインコタームズについて解説していきます。 インコタームズとは? インコタームズを図解する前に、そもそもコレって何のために使うものなのかをご説明します。 インコタームズとは貿易取引において 「売り手」と「買い手」で ・誰がどこから運賃を支払うのか ・誰がどこから貨物の責任を取るのか という国際的な取り決めだとざっくり理解しましょう。この2点を取り敢えず理解すればOKです。 貿易においては様々な工程を経て貨物が届けられます。この各工程においての輸出者と輸入者の双方が、どこからどこまで責任を取るのかを決めなければ貨物トラブルがあった時に責任の所存がハッキリせず貿易取引がより複雑になってしまいます。 インコタームズを図解してみる インコタームズをマスターするコツは、覚えるのではなく理解する事です。今回は理解しやすいように6個のインコタームズを図解して説明をしていきます。 文字だけでなく図を見る事で頭にイメージが入ってき易くなるので、すぐに覚える事が出来ますよ。 EXW/イーエクス・ワークス(出荷工場渡し) 貨物を輸出先の工場から買い手に渡すのがEXWです。イーエクスワークス、またはエクスワークスとも言います。 輸送費用と貨物責任は工場で貨物をトラックやコンテナに積み込んでから、買い手に渡ります。 このように売り手からしたら、工場で商品を生産し終わり、積み込みが完了した時点で貨物責任は買い手に移るわけなので、売り手からしたらとても楽な取引と言えるでしょう。 買い手に荷物が届くまでに何か物流の問題があったとしても売り手の責任にはならないのです。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-exw/?lang=ja" target="_blank"] FOB/Free On Board(本船甲板渡し) FOBは輸出側で本船に乗ったら貨物の責任が買い手に渡る取引条件です。 輸出側の国内費用(トラック・通関・港の諸費用)は売り手が負担し、買い手は海上運賃から輸入にかかる諸々の費用を負担します。 EXWでは全ての運賃は買い手負担だったのですが、FOBでは現地の運賃は売り手の負担です。ですがこの運賃は売り手側によって現地の輸送業者に支払われますが、一般的には製品代金に乗っかっています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-fob/?lang=ja" target="_blank"] C&F/Cost&Freight(運賃込み) C&F(CFRとも呼ばれる)では売り手側が、買い手国の港に貨物を着けるまでの費用と責任を負担する取引条件です。万が一、海上輸送中にトラブルが発生した際には買い手側の責任になります。 ※厳密に言えばC&Fではリスクは買い手に移っています。分かりやすくするためにこのように記載しております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-cif/?lang=ja" target="_blank"] 買い手側が保険を掛ける事が出来る CIFでは売り手側が保険をかけるのですが、C&Fで買い手が保険を掛けるのも実は一般的です。貨物の内容によっては保険の掛け方に注意しないといけないものもありますから。 売り手側や買い手側に全てを任せるのではなく自分たちでコントロールする事が大切です。 CIF/Cost, Insurance & Freight(運賃・保険料含む) CIFは上述したC&Fに売り手側が保険(Insurance)を掛けた取引条件です。 保険の掛け方と保険料についてはこちらの記事に記載をしております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/cargo-insurance/?lang=ja" target="_blank"] DDU/Delivered Duty Unpaid(仕向地持ち込み渡し・関税なし) DDUは売り手が買い手の指定した届け先までの運賃を責任を負担する取引条件です。ですが輸入関税や消費税は買い手の負担となります。 関税・消費税の金額は小さくありませんし、会社のキャッシュフローにも影響します。筆者の経験では次に説明するDDPより、このDDU条件の方が多い印象です。 DDP/Delivered Duty Paid(仕向地持ち込み渡し・関税含む) DDPは売り手が貨物の運賃と責任を全て負担する取引条件です。輸入関税・消費税も売り手が負担します。 輸送中に問題があっても売り手が負担するし、税金も払わなくても良いので、買い手にとっては最も楽な取引条件ですね。 とはいえ売り手が全てを負担するとは言っても、大体が製品費用に乗っかっています。この場合、売り手は運賃をそのままの金額を乗せている訳ではなくて、いくらかの利益を乗せて買い手に費用算出をしている場合があります。 買い手側としてはもしコストを出来だけ抑えたいというのであれば、手間ではありますが物流は自分たちで手配する方がよりコントロールも出来るし製品に余計な金額が付加される事はありません。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/ddu-ddp/?lang=ja" target="_blank"] まとめ インコタームズで頻繁に使われるのがこの6つとなります。全ての取引条件において売り手と買い手の同意がベースにあります。 もし始めて輸入する国という場合はFOBやC&F/CIFの方がいいかもしれません。 輸出の場合はC&F/CIFの方がおすすめです。 現地の国内の輸送費用を把握するのは取引のあるフォワーダーの得意不得意にもよります。そのフォワーダーがあまりその国から輸出入経験が少ないとなると現地側に任せる方が良い場合が多いのです。 全てケースバイケースなのですが、それぞれの取引条件の特徴を理解してスムーズな貿易取引が出来るように今回ご紹介した6つのインコタームズを覚えてみて下さい。 企業様の貿易・新人研修にお勧めの無料コンテンツ

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。 | フォワーダーの仕事

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。

「フォワーダー」というと一般の方にはあまり聞き慣れない職業で、何をしている業者なのか分かってもらえない時があります。 確かに私もフォワーダーという職業については実際に自分がなってみるまではよく分かっていませんでした。物流の手配をするんだけど、明確に何の仕事をするのかが全く不明でした。 ですので、今回のお話しはフォワーダーという職業に興味を持っている方のためにフォワーダー歴9年の著者よりご説明をしたいと思います。 フォワーダーの仕事内容について動画で解説! フレイトフォワーダーとは? では、まずWikipediaで「フォワーダー」を調べてみましょう。 フォワーダー(Forwarder)とは貨物利用運送事業者のことであり、荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者を指す。 一般的には貨物利用運送事業者のうち国際輸送を取扱う業者を指す。航空輸送を得意とする業者をエア・フレイト・フォワーダー(フォワーダー)、海上輸送を得意とする業者をNVOCC(非船舶運航業者、Non-Vessel Operating Common Carrierの略、NVと略されることもある)と呼ぶこともある。 簡単にいうとその通り。世界的にお馴染みの企業名に「DHL」や「Fedex」(これらはクーリエとも呼ばれるが)があり、日系企業だと「日通」などが有名です。 フォワーダーの仕事は物流をコントロールする事 海外に物を送るというのは実は様々な工程を経て貨物が送り先に届けられます。トラックに乗せて「はい、終わり!」という感じではありません。 国際輸送の一般工程 海上・航空輸送の輸送工程例 ・貨物の梱包 ・貨物のトラック積み込み ・貨物の国内配送 ・書類の確認フォーム申請 ・輸出通関 ・貨物の積み込み(港・空港) ・海上/航空輸送(船・飛行機) ・貨物の積み下ろし(港・空港) ・貨物によって各省庁に届出 ・輸入通関 ・港で貨物のピックアップ ・荷物の配送 ・貨物のお届け/積み下ろし 国際物流にトラブルはつきもの 断言します。毎回 問題なく100%スムーズに貨物が送り先に届く事はありません。 お客様にとっては毎回大きな問題なく荷物が届いていると思うかもしれませんが、その問題解決を水面下で解決しているのが私たちフォワーダーです。 天候、船の遅れ、書類のミス、港でのストライキ、港での機材トラブル、通関など。様々な要因で貨物の到着が遅れたり、止まったりします。 これらの原因を可能な限り回避・調整してスケジュール通りにお客様に貨物を届けるのがフォワーダーの役割となります。 情報力が大きな差を生む フォワーダーはお客様の貨物を運ぶサービスを提供している事業者です。商品の品質というよりサービス品質がフォワーダーとしてのレベルに大きく影響します。 その中でより大きな要因なのが情報力です。 イケてるフォワーダーの条件 上述しているようにフォワーダーはサービス業です。国際物流に従事している業者として、お客様に提供出来る良いサービスとは何でしょうか? ここで著者が考えるイケてるフォワーダーの条件をご紹介しましょう。 イケてるフォワーダーの条件 ・沢山の選択肢を持っている ・お客様の都合に合わせた最適な提案 ・船のスペースが取りやすい ・輸送費用が他社より安い ・お客様にリスクをしっかり伝える ・問題発生時に全力で解決に取り組む ・通関で貨物が止まらない(特に東南アジア) ・法規制に沿った正しい申請をする 営業担当者やCS担当者の力量による 製造業とは違いフォワーダーはサービス業です。ですので営業マンやCS(カスタマーサービス)担当者の知識やレスポンスの早さによってサービスの質が変わります。 お客様のリクエストに対して、最初からすぐに出来ないと言う人や少しやって難しいと諦めてしまう人より、全力で頑張ってお客様のご要望に答えようとする営業マンがいればその人にお客様はついていきます。 営業マンが同業者に転職をした時に一緒に、その営業マンにお客様がついていく事はよくあります。 なぜなら担当者がかわった事によりサービスレベルが下がるというのは前担当の営業マンのレベルが高ければ高い程よくある事です。 まとめ もしあなたがフォワーダーの仕事に興味をもっているのであれば、あなたの頑張り次第でいくらでも可能性のある仕事だと著者の経験上お約束する事が出来ます。 貿易に関する知識を持ち、様々な現場で発生する物流の問題を頑張って解決していく事でもの凄く経験値が上がります。 その積み重ねが実力となりお客様からの評価にもつながりますので是非挑戦をして欲しいと思います。

貿易における海上・貨物保険の計算方法についてご説明します。 | 貿易実務の基本

貿易における海上・貨物保険の計算方法についてご説明します。

その貨物、保険に入ってますか?国際輸送ではあらゆる所に危険が隠されています。もしあなたの貨物がちゃんと保険に入っていなかったら、貨物に破損などが発生した場合は保障してもらえません。 国際物流に慣れていない人はこの保障の問題を軽視しがちなところがあったりします。普通にものが届いて当たり前。これは日本国内での輸送であれば商品は割と安全に運ばれてくるのですが、国をまたいでの国際輸送の場合はそう簡単にはいかないのが事実なのです。 特に食品やガラスなどの割れ物、高額な貨物を運ぶ時には、ちゃんとリスクを理解しておかなければいけません。 そうなんです。機材トラブルだけでなく、船上で揺れたり、陸送中に事故にあったり、また国にもよりますが作業員の雑な荷扱いなどが危険なのです。 今回はこの万が一のアクシデントに備えての保険のかけ方とその海上保険の計算方法についてご説明していきます。 海上保険の掛け方と計算方法について動画で解説 貨物保険・海上保険とは 海上保険とは主に外国へ貨物を輸送する時に発生したダメージの費用をカバーしてくれる保険のこと。海上保険というので「海上輸送のみ」で適応される保険と思われてしまうかもしれませんが、空路や陸路でも保険対象とされる包括的な保険もあります。海上の貨物保険を掛けるにはフォワーダーに「保険をお願いします」と一方入れればOKです。どこからどこまでを保険適応対象とするかはフォワーダーさんにご相談下さい。 全ての貨物に保険をかける必要はあるのか? 保険をかけるにはもちろんコストが発生します。貨物の内容や梱包状態にもよりますが、必ずしも保険に入らなければいけないと言うことはありません。 海上保険の金額はいくら? 海上保険の金額は保険会社や掛ける保険の内容にもよるのですが一般的なものでInvoice Value ×110% ×0.2%〜0.3%となります。※最低金額 約USD28/time 海上保険の計算方法 保険の利率は分かりました。では具体的な計算方法をご紹介していく事にしましょう。 例:冷凍マンゴー 保険会社:A海上保険会社保険利率:0.3%Invlice Value: USD 10,000保障適応割合:Invoice Valueの110%保障適応金額:USD 10,000 × 110% = USD 11,000保険金額:USD 11,000 ×0.3% = USD 33 海上保険には入った方がいいのか? 私たちは国際物流業者として毎月2,500本以上のコンテナの輸出入をしているのですが、やはり貨物ダメージによるトラブルは絶えません。この時に一番問題になるのが保険に入っていなかった場合。貨物ダメージの保障は船会社はしてくれませんし、トラック業者はタイではTHB100万〜THB300万(約350万円〜約1,050万円)までを保障する保険を入っている所が多いです。※タイの場合はトラック会社が既に保険に入っているので特別に保険をかける必要はありません。 海上保険には出来る限り入るべき 上述したようにコントロールが出来ることが少なく、不慮の事故・問題の可能性もあります。保険金額自体は一般的なものは0.2%〜0.3%ほどで、最低金額がUSD28くらいです。あくまで保険なので万が一に備えてのコストとなりますが、可能な限りリスクを理解し、コントロールするのが大切ではないでしょうか。 まとめ トラックに載せたら終わりの国内輸送とはことなり、国際物流では貨物がお客様に到着するまでに様々な貨物のダメージリスクが存在します。そのような状態で全てのリスクをコントロールするのは容易無ことではありません。万が一の貨物ダメージによるトラブル、またそれを対処する労力と時間を考えた時に、安心を持っているのは全く違います。

インコタームズの基礎!最も頻度の高い6つの取引条件 – EXW / FOB / CFR / CIF / DAP /DDP | インコタームズ

インコタームズの基礎!最も頻度の高い6つの取引条件 – EXW / FOB / CFR / CIF / DAP /DDP

動画で学ぶインコタームズの基礎 今回はインコタームズ についてとにかく分かりやすく、簡単に理解できるように解説していきたいと思います。 インコタームズはCFRやFOB など英単語3文字で表現される貿易の取引条件なんですが何と11種類もあります。 11 種類のインコタームズ を覚えるのって大変ですよね。 でも安心して下さい。初心者の方はまず頻繁に使う6個だけを覚えましょう。他のものは基本の6個を覚えてからでも大丈夫です。 インコタームズとは? まず インコタームズ とは何でしょうか?これを理解しないといけません。 インコタームズ とは貿易取引において「売り手」と「買い手」で誰がどこからどこまでの「運賃を支払うのか」、「貨物の責任を取るのか」この2点を明確にした取り決めだと理解してください。 国際貿易においては様々な工程を経て貨物が輸送されます。 この各工程においてのお金の支払いの範囲や、貨物の引き渡しのタイミングは、インコタームズによって取り決められているのです。 もし貨物トラブルがあった時に、誰がどこからどこまでの責任を取るのかが明確でないと、他国との貿易取引が難しくなります。 その為には国際的なルールに基づいて、売り手と買い手が取引をしなければいけません。 6つの主要インコタームズ 今回ご説明するのは、貿易取引で頻繁に使われる6個のインコタームズです。 ・EXW ・FOB ・CFR ・CIF ・DAP ・DDP この6個です。 それでは1つずつ解説していきましょう。 Ex-Works(EXW) まず最初はEXWです。 EXWは エクスワークスとも呼ばれ、日本語では「出荷工場渡し」という意味です。 輸出先の工場で売り手から書いてに貨物が引き渡されます。輸送費用の支払いも、工場から送り先まで、買い手である輸入者が支払う事になります。 工場で生産し終わった貨物をコンテナに積み込み完了した時点で、貨物の責任は買い手移ります。なので売り手からしたらもっとも楽な取引条件と言えるでしょう。 FOB (Free on Board) 次にFOBです。 FOBはフリーオンボードの略で日本語では「本船甲板渡し」という意味です。 FOBでは輸出側で貨物が船に乗ってから、貨物の責任が売り手から買い手に渡る取引条件になります。輸出側の国内費用は売り手が負担します。 そして買い手は海上運賃から、貨物を輸入して配送先までにかかる諸々の費用を負担する取引条件です。 CFR (Cost and Freight) 次にCFRです。CFRはかねてより、Cost & Freight(C&F)と呼ばれておりましたが、CFRが正しい表現になります。 CFRでは、運賃は売り手が工場から輸入先の港につけるまで全ての費用負担します。 そして輸入した港から配送先の費用は輸入者が負担することになります。 CFRの貨物の責任の移動について説明する前に、CIFについても説明をしておきましょう。 CIFは先程のCFRと同じで、輸出する工場から、輸入先の港につけるまでの全ての費用を売り手が負担します。 CFRとCIFの違いは保険です。CIFのIはInsuranceのIの事です。売り手は輸送における貨物保険も手配しなければいけません。 ここでCFRとCIFの費用と貨物の責任について説明します。CFRとCIFの費用負担は輸出者が工場から貨物の輸入先までの費用を負担します。 しかし貨物の責任・引き渡しについてはFOBと同じで輸出国の港で、船の甲板に貨物が乗った時点で輸入者に移ることになります。 ここは間違いやすいので注意しましょう。 保険についても少しお話をしておきましょう。国際輸送においてはコンテナに乗った貨物がクレーンにつられ、船で揺られ、長い航海を経て輸入先まで届けられます。 またコンテナ船では、他のコンテナで危険品も運ばれています。危険品が燃えて他のコンテナに火が燃え移るという話は稀に聞きます。 貨物保険に入っていないと残念ですが誰も保証をしてくれません。 保険に入っておく事で安心感が全く違います。本当に何が起こるか分からないのが国際物流です。 私たちとしてはお客様には毎回貨物保険に入る事を強くお勧めしています。 DAP(Delivery At Place) それではインコタームズに戻りましょう。 5つ目はDAPです。 DAPは「売り手」が、買い手の指定した届け先までの運賃と責任を負担する取引条件です。 いわゆるDoor to Doorでの取引条件の事です。 Delivery Duty Paid 合わせてDDPも見てみましょう。 DDPもDAPと同様で「売り手」が輸出する工場から輸入先の指定された届け先までの物流を手配します。 貨物の責任や輸送費用も指定先へ届けられるまで、輸出者である「売り手」にあるのが特徴です。 DAPとDDPの違いは、輸入する時の税金の支払いを輸出者か輸入者のどちらで払うかの違いになります。 DAPでは輸入の関税・消費税は輸入者が支払います。 一方でDDPでは輸入の関税・消費税も輸出者である売り手が支払います。 DDPでは税金を含めた輸送の全ての手配と費用を売り手が対応してくれるのです。 コスト負担と費用負担について おさらい ここで、インコタームズの費用と責任についておさらいをしてみましょう。 EXWでは輸入者が工場から貨物をピックアップして配送先までの全ての輸送費用と責任を負担する取引条件でした。 FOBでは輸出者が港で船に乗せるまでの国内費用と責任を負担し、そして輸入者が海上運賃を含めた輸入地までの全ての費用と責任を負担します。 そしてCFRとCIFでは、輸出者は輸入先の港までの全ての費用を負担します。輸入者は輸入してから届け先までの国内の費用を負担します。 そして注意すべきは貨物の責任の切り替わり場所です。これはFOBと同じで輸出側の港の船の甲板で売り手から買い手に引き渡される事になります。 最後にDAPとDDPでは輸出者が届け先までの全ての輸送費用を負担しました。DAPは税金は輸入者が負担しますが、DDPでは税金も輸出者が負担します。 費用負担に関して一覧にするとこのようになります。 そして貨物の責任負担に関して一覧するとこのようになります。 まとめ いかがでしたでしょうか。インコタームズで頻繁に使われるのがこの6つとなります。 全ての取引条件において売り手と買い手のお互いの同意がベースにあります。 もしあなたがメーカーや商社だとしたらどの取引条件が自社の物流にとってメリットがあるのか。貿易条件の内容をしっかりと理解して相手に提案をしましょう。 もしあなたがフォワーダーだとしたら今回説明した貿易条件をしっかりと理解して、あなたのお客様に提案が出来るようになりましょう。 一度理解してしまえばそれほど難しいことではありません。頑張ってください。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。