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貿易コラム

ハウスB/LとマスターB/Lの違いとは?メリットとデメリットを理解しよう。 | 物流コラム

ハウスB/LとマスターB/Lの違いとは?メリットとデメリットを理解しよう。

海上輸出を手配するときに一般的にフォワーダーにBookingをします。 その取り扱いの際にB/L(船積証券)を発行することになるのですが、お客様はハウスB/LかマスターB/Lのどちらか使用する事を選ぶことが出来ます。 ハウスB/LとマスターB/Lにはそれぞれメリット・デメリットがあり、その違いをしっかりと理解した上でBooking時にフォワーダー に伝えましょう。 それでは、ハウスB/LとマスターB/Lの違いについて解説していきましょう。 House B/LとMaster B/Lの違いについてのアニメ動画解説 ハウスB/LとマスターB/Lとは? B/LにはオリジナルB/L, サレンダードB/L, Sea Waybillなどの種類がありました。このB/Lの種類についてはこちらに詳しく記載しております。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-bl/?lang=ja" target="_blank"] ハウスB/LとマスターB/Lの違いは簡単に言うと発行者の違いです。 ハウスB/LとマスターB/Lの違い ・ハウスB/L - House B/L(HBL) : フォワーダーが発行 ・マスターB/L - Master B/L(MBL): 船会社が発行 貨物取り扱いにハウスB/Lを使用した場合 ハウスB/Lを発行する時には、同時にマスターB/Lも発行されています。 お客様にはハウスB/Lしか送られないので、その存在が分かりにくいのですがマスターB/Lはフォワーダーの業務で処理をされております。 ではHBLの書式例を見てみましょう。 ハウスB/Lの例 HBLの記載ポイント ① Shipper欄:貨物の輸出者名が記載 ② Cnee欄:貨物の輸入者名が記載 ③ B/Lのフォーマット:フォワーダーのものを使用 ④ B/Lの差入れ先:B/Lを発行したフォワーダーの代理店及び関連会社 ハウスB/L使用時のマスターB/Lの例 MBLの記載ポイント ① Shipper欄:輸出を手配するフォワーダー名を記載 ② Cnee欄:B/L差入れ先のフォワーダー名を記載 ③ B/Lのフォーマット:船社のものを使用 ④ B/Lの差入れ先:B/Lを発行した船社の代理店及び関連会社 HBLをお客様に使用する時のポイント このようにハウスB/Lを使用した際には1shipmentでB/LはハウスB/LとマスターB/Lの2セットが発行されています。 このように2セットのB/Lが存在しているので、輸入した貨物が通関で引っかかった時に、ハウスB/Lは問題ないけれどもマスターB/Lに間違いがあるという事が稀に発生します。 貨物取り扱いにマスターB/Lを使用した場合 ハウスB/Lではなく、お客様がマスターB/Lを使いたいと指定してくる事もあります。 その時のマスターB/Lの書式例を見てみましょう。 マスターB/L使用時のB/Lの例 MBLをお客様に使用した場合のポイント ① Shipper欄:貨物の輸出者名が記載 ② Cnee欄:貨物の輸入者名が記載 ③ B/Lのフォーマット:船社のものを使用 ④ B/Lの差入れ先:B/Lを発行した船社の代理店及び関連会社 先ほどのハウスB/Lを使用した場合とは違い、B/Lのフォーマットは船会社のもので、Shipperには貨物の輸出者名が記載されており、Cneeには貨物の輸入者が記載されています。 フォワーダーの名前はどこにも記載されていません。 では、このようにハウス・マスターB/Lを利用した際にどのようなメリット・デメリットがあるのか、以下に解説をしていきます。 ハウスB/Lのメリット・デメリットとは? ハウスB/Lのメリット ・発行するのが早い ・修正するのが早い ・フレキシブルな対応が可能 ・原産地証明の申請にも影響 ハウスB/Lのデメリット ・揚げ地でD/O費用(約USD50)が発生する ハウスB/L発行のポイント 一般的にB/Lは貨物港を出港した後に発行されますが、ハウスB/Lの場合は出航前からB/L作成の準備が出来ていたりするので、出航後すぐにお客様にB/Lをお届けする事が出来ます。 また国際輸送においてはB/Lにミスがある事は珍しくありません。Gross Weightが違ったり、サイズが違ったり、DescriptionにHS Codeを記載しなければいけなかったなど。 この時にハウスB/Lだとフレキシブルなサービスを提供しているフォワーダーであれば、すぐに修正する事が出来ます。 また原産地証明書の発行のスピードにも影響します。原産地証明書の発行にはB/Lが必要になります。 ハウスB/Lの場合は出航後にすぐにB/Lを入手する事が出来るので、すぐに原産地証明書の申請が可能になります。 特に近隣国へ輸出する時はHBLがお勧め! 近隣国への輸出の場合、書類を発行している間に貨物が到着してしまっているというのはよくあります。 必要書類がないと輸入通関が進められませんので迅速な書類発行というのは物流では非常に重要なポイントなのです。 マスターB/Lのメリット・デメリットとは? マスターB/Lのメリット ・揚げ地でD/O費用が発生しない。 ※DOC Feeとして約USD20のみ マスターB/Lのデメリット ・発行に時間がかかる ・修正に時間がかかる ・フレキシブルな対応は無し ・原産地証明の入手に時間がかかる ハウスB/Lと反対の事がマスターB/Lを使用すると発生します。 船会社がB/Lを発行するので一般的には船が港を出港してから、早くて翌日 or 翌々日にB/Lが発行されます。 海外でよくあるケースですが船社のB/L発行部隊の人材不足の問題やシステムエラーなどでとにかくB/Lの発行が遅くなる事もしばしばあります。 それでもお客様からはマスターB/Lを使ったとしてもミスがないように注意するよう指示され、B/L発行後とにかく超特急で持ってくるように依頼されたりすることもあります。 まとめ 昨今の物流においてはとにかくスピード化が進んでいます。お客様も在庫を出来るだけ作らないようにスケジュールを組んで製造していますので、貨物と書類の流れが同じように進まないと製造・輸送スケジュールに影響してしまいます。 貨物は動いていますので、それを取り扱う為の「書類」を迅速に扱えるかどうか。 私たちはフォワーダーですので、フォワーダーの立場でものを言ってしまいますがハウスB/Lを使用した方がかなり安全です。 文化・言葉が違う国際間の取引ですし、更に言えば人間が書類作成し、取扱いを管理しています。国際間取引では何かしらの問題が発生してしまう事はよくあります。 安定的に問題をいかにしてコントロールするか。その為にハウス・マスターB/Lのメリット・デメリットを理解してご利用頂ければと思います。

B/Lについて解説!貿易取引において重要なB/Lの種類と役割とは? | 物流コラム

B/Lについて解説!貿易取引において重要なB/Lの種類と役割とは?

貿易事務や実務で覚えなければいけない書類の代名詞である「B/L」。貿易においてB/L(船荷証券)は非常に重要な役割を持ちます。 今回はB/Lの役割について出来るだけ分かりやすく解説をしていきたいと思います。 B/Lについての解説動画はこちら B/Lの役割と流れについてのアニメ動画解説 B/Lの種類についてのアニメ動画解説 B/L(Bill of Lading)とは 簡単に言えばB/Lとは「貨物受領書類」&「貨物引渡し書類」です。 B/Lを発行するのは輸出者側の船会社で、船が港を出航したタイミングで発行されます。 そしてB/Lがなければ輸入者は港に到着した貨物を引き取ることが出来ません。故にB/Lを紛失してしまうと大問題に繋がってしまいます。 国際貿易の中では製品(モノ)と製品代金(カネ)のやり取りにこのB/L(カミ)が活用されるケースが多々あります。 貨物が完成し、船積みを完了したとしても輸入者側からの代金が支払われていない場合、輸出者側はB/Lを差し押さえる事で代金回収リスクを防ぐことが出来ます。 反対に輸入者が製品代金を支払ったにも関わらずB/Lが送られてこないケースも稀にあります。それを避ける為に貿易取引ではL/C(Letter of Credit)を利用する事もあります。 L/Cについての詳しい説明はまた別の機会にしますが、L/Cを使う事で輸出者は代金回収リスクを避け、輸入者は支払ったにも関わらず製品未納リスクを避ける事が出来ます。 B/L発行から貨物引き取りまでの流れ ※オリジナルB/Lを使用した場合。 ① 本船が港を出港する(ETD) ② 船社からB/Lが発行される ③ 輸出者(Shipper)が輸入者(Cnee)にB/Lを郵送する ④ 輸入者がB/Lを船社(or フォワーダー)に差し入れる ⑤ 船社が貨物をリリースする ※詳しくはB/Lを入手する事で、D/Oという貨物引き渡し書類と交換して貨物を引き取ります。 B/Lには船会社が発行するMaster B/Lとフォワーダーが発行するHouse B/Lがあります。MBLとHBLの違いについてはこちらに記載しています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/hbl-mbl-difference/?lang=ja" target="_blank"] では以下にB/Lの種類とその役割について解説していきましょう。 オリジナルB/Lとは 通常B/Lはオリジナルという「原本」を売り手(輸出者)と買い手(輸入者)の間で貿易取引に用います。このオリジナルB/Lの原本を買い手(輸入者)が入手出来れば貨物を港から取り出す事が出来ます。 オリジナルは3部発行されます。3部発行される理由としてはB/Lの紛失を防ぐ為です。オリジナルB/Lは「原本」を輸出者から輸入者にDHLやFEDEXなどのクーリエ便で郵送します。 1度に3部送るのではなく、飛行機を2便、3便と分けて送る事でB/Lの紛失リスクを防ぐことが出来るのです。 サレンダードB/Lとは サレンダーとはB/Lの元地回収の事です。上述したようにオリジナルB/Lでは原本が輸入者側に到着しないと貨物を港から引き出すことが出来ません。 ですが輸送先が近い場合(レムチャバンからホーチミンは3−4日間)や船足が早い便で貨物を輸送した場合、貨物がB/Lより早く港に到着してしまう事はよくあります。 スピーディーに貨物を取り出す為にB/Lを輸出者側(元地)で回収するのがサレンダーです。 この場合、輸出者側から船会社にサレンダーのリクエストをして、サレンダー費用を船会社に支払います。タイだとサレンダー費用はTHB1,300 - 1,500/BLくらいです。 B/Lに”Surrendered” というスタンプが押され、輸出者はその書類の「コピー」をメールやFAXで輸入者に送り、このB/Lのコピーで貨物の引き出しが可能になります。 輸出者がオリジナルB/Lを輸入者に送らず、代金の入金確認が出来たらB/Lをサレンダーして、そのコピーをメールするというケースはよくあります。 輸出者が船会社にサレンダー費用を支払うのは輸入者から代金の回収について問題がないからですね。 Sea Waybillとは Sea WaybillはB/Lとは違い有価証券ではありません。故にSea Waybillを使って貨物を輸送すると輸入者側の商品代金の有無は関係なく、輸入者によって貨物が港で引き出すことが出来るのです。 オリジナルB/LやサレンダードB/Lと比べて、Sea Waybillが発行されたら貨物が取り出せるというスピードのメリットはあるのですが、輸出者側に代金回収リスクが生まれてしまいます。 またSea Waybillは有価証券ではないのでL/Cにも利用される事はほとんどありません。 故にSea Waybillは輸出者と輸入者の間で長く取引があり信用がある場合や、子会社・グループ会社間で信用が確保されている場合に利用されます。 稀にお客様(輸出者)からSea Waybillを依頼されることがありますが、Sea Waybillの特徴をしっかりと説明させて頂いております。 まとめ 今回はB/Lについての基本概要を説明しましたが、今回の内容は「モノ」・「カネ」・「カミ」の概要を理解する為に事務取引の手順を一部省略して解説しています。 貿易実務担当者であれば上記の内容を理解していることが最低条件です。まずは概要を理解しましょう。

インコタームズを図解!とにかく分かり易く貿易条件を解説しました。 | インコタームズ

インコタームズを図解!とにかく分かり易く貿易条件を解説しました。

貿易用語で最初の関門とは何でしょうか。私はインコタームズだと思います。CFRやEXWなど英単語3文字で表現されるインコタームズは何と11種類もあります。 でもご安心ください。ぶっちゃけフォワーダー歴8年の筆者も11種類のインコタームズを覚えていません。でも何とかなっております。 もしあなたが貿易業務を始めることになり、「まず最初にインコタームズを覚えなさい!」と先輩に言われたとしても11個全てを覚える必要はありません。 覚えるのは頻繁に貿易業務に出てくる6個だけで大丈夫です。もし他のも覚えたければこの基本の6個を理解してから拡張していくのが良いでしょう。 今回はとにかく分かり易くインコタームズについて解説していきます。 インコタームズとは? インコタームズを図解する前に、そもそもコレって何のために使うものなのかをご説明します。 インコタームズとは貿易取引において 「売り手」と「買い手」で ・誰がどこから運賃を支払うのか ・誰がどこから貨物の責任を取るのか という国際的な取り決めだとざっくり理解しましょう。この2点を取り敢えず理解すればOKです。 貿易においては様々な工程を経て貨物が届けられます。この各工程においての輸出者と輸入者の双方が、どこからどこまで責任を取るのかを決めなければ貨物トラブルがあった時に責任の所存がハッキリせず貿易取引がより複雑になってしまいます。 インコタームズを図解してみる インコタームズをマスターするコツは、覚えるのではなく理解する事です。今回は理解しやすいように6個のインコタームズを図解して説明をしていきます。 文字だけでなく図を見る事で頭にイメージが入ってき易くなるので、すぐに覚える事が出来ますよ。 EXW/イーエクス・ワークス(出荷工場渡し) 貨物を輸出先の工場から買い手に渡すのがEXWです。イーエクスワークス、またはエクスワークスとも言います。 輸送費用と貨物責任は工場で貨物をトラックやコンテナに積み込んでから、買い手に渡ります。 このように売り手からしたら、工場で商品を生産し終わり、積み込みが完了した時点で貨物責任は買い手に移るわけなので、売り手からしたらとても楽な取引と言えるでしょう。 買い手に荷物が届くまでに何か物流の問題があったとしても売り手の責任にはならないのです。 FOB/Free On Board(本船甲板渡し) FOBは輸出側で本船に乗ったら貨物の責任が買い手に渡る取引条件です。 輸出側の国内費用(トラック・通関・港の諸費用)は売り手が負担し、買い手は海上運賃から輸入にかかる諸々の費用を負担します。 EXWでは全ての運賃は買い手負担だったのですが、FOBでは現地の運賃は売り手の負担です。ですがこの運賃は売り手側によって現地の輸送業者に支払われますが、一般的には製品代金に乗っかっています。 C&F/Cost&Freight(運賃込み) C&F(CFRとも呼ばれる)では売り手側が、買い手国の港に貨物を着けるまでの費用と責任を負担する取引条件です。万が一、海上輸送中にトラブルが発生した際には買い手側の責任になります。 ※厳密に言えばC&Fではリスクは買い手に移っています。分かりやすくするためにこのように記載しております。 買い手側が保険を掛ける事が出来る CIFでは売り手側が保険をかけるのですが、C&Fで買い手が保険を掛けるのも実は一般的です。貨物の内容によっては保険の掛け方に注意しないといけないものもありますから。 売り手側や買い手側に全てを任せるのではなく自分たちでコントロールする事が大切です。 CIF/Cost, Insurance & Freight(運賃・保険料含む) CIFは上述したC&Fに売り手側が保険(Insurance)を掛けた取引条件です。 保険の掛け方と保険料についてはこちらの記事に記載をしております。 DDU/Delivered Duty Unpaid(仕向地持ち込み渡し・関税なし) DDUは売り手が買い手の指定した届け先までの運賃を責任を負担する取引条件です。ですが輸入関税や消費税は買い手の負担となります。 関税・消費税の金額は小さくありませんし、会社のキャッシュフローにも影響します。筆者の経験では次に説明するDDPより、このDDU条件の方が多い印象です。 DDP/Delivered Duty Paid(仕向地持ち込み渡し・関税含む) DDPは売り手が貨物の運賃と責任を全て負担する取引条件です。輸入関税・消費税も売り手が負担します。 輸送中に問題があっても売り手が負担するし、税金も払わなくても良いので、買い手にとっては最も楽な取引条件ですね。 とはいえ売り手が全てを負担するとは言っても、大体が製品費用に乗っかっています。この場合、売り手は運賃をそのままの金額を乗せている訳ではなくて、いくらかの利益を乗せて買い手に費用算出をしている場合があります。 買い手側としてはもしコストを出来だけ抑えたいというのであれば、手間ではありますが物流は自分たちで手配する方がよりコントロールも出来るし製品に余計な金額が付加される事はありません。 まとめ インコタームズで頻繁に使われるのがこの6つとなります。全ての取引条件において売り手と買い手の同意がベースにあります。 もし始めて輸入する国という場合はFOBやC&F/CIFの方がいいかもしれません。 輸出の場合はC&F/CIFの方がおすすめです。 現地の国内の輸送費用を把握するのは取引のあるフォワーダーの得意不得意にもよります。そのフォワーダーがあまりその国から輸出入経験が少ないとなると現地側に任せる方が良い場合が多いのです。 全てケースバイケースなのですが、それぞれの取引条件の特徴を理解してスムーズな貿易取引が出来るように今回ご紹介した6つのインコタームズを覚えてみて下さい。 企業様の貿易・新人研修にお勧めの無料コンテンツ

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。 | フォワーダーの仕事

貿易のプロ!国際物流業者フォワーダーの仕事内容について解説します。

「フォワーダー」というと一般の方にはあまり聞き慣れない職業で、何をしている業者なのか分かってもらえない時があります。 確かに私もフォワーダーという職業については実際に自分がなってみるまではよく分かっていませんでした。物流の手配をするんだけど、明確に何の仕事をするのかが全く不明でした。 ですので、今回のお話しはフォワーダーという職業に興味を持っている方のためにフォワーダー歴9年の著者よりご説明をしたいと思います。 フォワーダーの仕事内容について動画で解説! フレイトフォワーダーとは? では、まずWikipediaで「フォワーダー」を調べてみましょう。 フォワーダー(Forwarder)とは貨物利用運送事業者のことであり、荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける事業者を指す。 一般的には貨物利用運送事業者のうち国際輸送を取扱う業者を指す。航空輸送を得意とする業者をエア・フレイト・フォワーダー(フォワーダー)、海上輸送を得意とする業者をNVOCC(非船舶運航業者、Non-Vessel Operating Common Carrierの略、NVと略されることもある)と呼ぶこともある。 簡単にいうとその通り。世界的にお馴染みの企業名に「DHL」や「Fedex」(これらはクーリエとも呼ばれるが)があり、日系企業だと「日通」などが有名です。 フォワーダーの仕事は物流をコントロールする事 海外に物を送るというのは実は様々な工程を経て貨物が送り先に届けられます。トラックに乗せて「はい、終わり!」という感じではありません。 国際輸送の一般工程 海上・航空輸送の輸送工程例 ・貨物の梱包 ・貨物のトラック積み込み ・貨物の国内配送 ・書類の確認フォーム申請 ・輸出通関 ・貨物の積み込み(港・空港) ・海上/航空輸送(船・飛行機) ・貨物の積み下ろし(港・空港) ・貨物によって各省庁に届出 ・輸入通関 ・港で貨物のピックアップ ・荷物の配送 ・貨物のお届け/積み下ろし 国際物流にトラブルはつきもの 断言します。毎回 問題なく100%スムーズに貨物が送り先に届く事はありません。 お客様にとっては毎回大きな問題なく荷物が届いていると思うかもしれませんが、その問題解決を水面下で解決しているのが私たちフォワーダーです。 天候、船の遅れ、書類のミス、港でのストライキ、港での機材トラブル、通関など。様々な要因で貨物の到着が遅れたり、止まったりします。 これらの原因を可能な限り回避・調整してスケジュール通りにお客様に貨物を届けるのがフォワーダーの役割となります。 情報力が大きな差を生む フォワーダーはお客様の貨物を運ぶサービスを提供している事業者です。商品の品質というよりサービス品質がフォワーダーとしてのレベルに大きく影響します。 その中でより大きな要因なのが情報力です。 イケてるフォワーダーの条件 上述しているようにフォワーダーはサービス業です。国際物流に従事している業者として、お客様に提供出来る良いサービスとは何でしょうか? ここで著者が考えるイケてるフォワーダーの条件をご紹介しましょう。 イケてるフォワーダーの条件 ・沢山の選択肢を持っている ・お客様の都合に合わせた最適な提案 ・船のスペースが取りやすい ・輸送費用が他社より安い ・お客様にリスクをしっかり伝える ・問題発生時に全力で解決に取り組む ・通関で貨物が止まらない(特に東南アジア) ・法規制に沿った正しい申請をする 営業担当者やCS担当者の力量による 製造業とは違いフォワーダーはサービス業です。ですので営業マンやCS(カスタマーサービス)担当者の知識やレスポンスの早さによってサービスの質が変わります。 お客様のリクエストに対して、最初からすぐに出来ないと言う人や少しやって難しいと諦めてしまう人より、全力で頑張ってお客様のご要望に答えようとする営業マンがいればその人にお客様はついていきます。 営業マンが同業者に転職をした時に一緒に、その営業マンにお客様がついていく事はよくあります。 なぜなら担当者がかわった事によりサービスレベルが下がるというのは前担当の営業マンのレベルが高ければ高い程よくある事です。 まとめ もしあなたがフォワーダーの仕事に興味をもっているのであれば、あなたの頑張り次第でいくらでも可能性のある仕事だと著者の経験上お約束する事が出来ます。 貿易に関する知識を持ち、様々な現場で発生する物流の問題を頑張って解決していく事でもの凄く経験値が上がります。 その積み重ねが実力となりお客様からの評価にもつながりますので是非挑戦をして欲しいと思います。

貿易における海上・貨物保険の計算方法についてご説明します。 | 貿易実務の基本

貿易における海上・貨物保険の計算方法についてご説明します。

その貨物、保険に入ってますか?国際輸送ではあらゆる所に危険が隠されています。もしあなたの貨物がちゃんと保険に入っていなかったら、貨物に破損などが発生した場合は保障してもらえません。 国際物流に慣れていない人はこの保障の問題を軽視しがちなところがあったりします。普通にものが届いて当たり前。これは日本国内での輸送であれば商品は割と安全に運ばれてくるのですが、国をまたいでの国際輸送の場合はそう簡単にはいかないのが事実なのです。 特に食品やガラスなどの割れ物、高額な貨物を運ぶ時には、ちゃんとリスクを理解しておかなければいけません。 そうなんです。機材トラブルだけでなく、船上で揺れたり、陸送中に事故にあったり、また国にもよりますが作業員の雑な荷扱いなどが危険なのです。 今回はこの万が一のアクシデントに備えての保険のかけ方とその海上保険の計算方法についてご説明していきます。 海上保険の掛け方と計算方法について動画で解説 貨物保険・海上保険とは 海上保険とは主に外国へ貨物を輸送する時に発生したダメージの費用をカバーしてくれる保険のこと。海上保険というので「海上輸送のみ」で適応される保険と思われてしまうかもしれませんが、空路や陸路でも保険対象とされる包括的な保険もあります。海上の貨物保険を掛けるにはフォワーダーに「保険をお願いします」と一方入れればOKです。どこからどこまでを保険適応対象とするかはフォワーダーさんにご相談下さい。 全ての貨物に保険をかける必要はあるのか? 保険をかけるにはもちろんコストが発生します。貨物の内容や梱包状態にもよりますが、必ずしも保険に入らなければいけないと言うことはありません。 海上保険の金額はいくら? 海上保険の金額は保険会社や掛ける保険の内容にもよるのですが一般的なものでInvoice Value ×110% ×0.2%〜0.3%となります。※最低金額 約USD28/time 海上保険の計算方法 保険の利率は分かりました。では具体的な計算方法をご紹介していく事にしましょう。 例:冷凍マンゴー 保険会社:A海上保険会社保険利率:0.3%Invlice Value: USD 10,000保障適応割合:Invoice Valueの110%保障適応金額:USD 10,000 × 110% = USD 11,000保険金額:USD 11,000 ×0.3% = USD 33 海上保険には入った方がいいのか? 私たちは国際物流業者として毎月2,500本以上のコンテナの輸出入をしているのですが、やはり貨物ダメージによるトラブルは絶えません。この時に一番問題になるのが保険に入っていなかった場合。貨物ダメージの保障は船会社はしてくれませんし、トラック業者はタイではTHB100万〜THB300万(約350万円〜約1,050万円)までを保障する保険を入っている所が多いです。※タイの場合はトラック会社が既に保険に入っているので特別に保険をかける必要はありません。 海上保険には出来る限り入るべき 上述したようにコントロールが出来ることが少なく、不慮の事故・問題の可能性もあります。保険金額自体は一般的なものは0.2%〜0.3%ほどで、最低金額がUSD28くらいです。あくまで保険なので万が一に備えてのコストとなりますが、可能な限りリスクを理解し、コントロールするのが大切ではないでしょうか。 まとめ トラックに載せたら終わりの国内輸送とはことなり、国際物流では貨物がお客様に到着するまでに様々な貨物のダメージリスクが存在します。そのような状態で全てのリスクをコントロールするのは容易無ことではありません。万が一の貨物ダメージによるトラブル、またそれを対処する労力と時間を考えた時に、安心を持っているのは全く違います。

インコタームズの基礎!最も頻度の高い6つの取引条件 – EXW / FOB / CFR / CIF / DAP /DDP | インコタームズ

インコタームズの基礎!最も頻度の高い6つの取引条件 – EXW / FOB / CFR / CIF / DAP /DDP

動画で学ぶインコタームズの基礎 今回はインコタームズ についてとにかく分かりやすく、簡単に理解できるように解説していきたいと思います。 インコタームズはCFRやFOB など英単語3文字で表現される貿易の取引条件なんですが何と11種類もあります。 11 種類のインコタームズ を覚えるのって大変ですよね。 でも安心して下さい。初心者の方はまず頻繁に使う6個だけを覚えましょう。他のものは基本の6個を覚えてからでも大丈夫です。 インコタームズとは? まず インコタームズ とは何でしょうか?これを理解しないといけません。 インコタームズ とは貿易取引において「売り手」と「買い手」で誰がどこからどこまでの「運賃を支払うのか」、「貨物の責任を取るのか」この2点を明確にした取り決めだと理解してください。 国際貿易においては様々な工程を経て貨物が輸送されます。 この各工程においてのお金の支払いの範囲や、貨物の引き渡しのタイミングは、インコタームズによって取り決められているのです。 もし貨物トラブルがあった時に、誰がどこからどこまでの責任を取るのかが明確でないと、他国との貿易取引が難しくなります。 その為には国際的なルールに基づいて、売り手と買い手が取引をしなければいけません。 6つの主要インコタームズ 今回ご説明するのは、貿易取引で頻繁に使われる6個のインコタームズです。 ・EXW ・FOB ・CFR ・CIF ・DAP ・DDP この6個です。 それでは1つずつ解説していきましょう。 Ex-Works(EXW) まず最初はEXWです。 EXWは エクスワークスとも呼ばれ、日本語では「出荷工場渡し」という意味です。 輸出先の工場で売り手から書いてに貨物が引き渡されます。輸送費用の支払いも、工場から送り先まで、買い手である輸入者が支払う事になります。 工場で生産し終わった貨物をコンテナに積み込み完了した時点で、貨物の責任は買い手移ります。なので売り手からしたらもっとも楽な取引条件と言えるでしょう。 FOB (Free on Board) 次にFOBです。 FOBはフリーオンボードの略で日本語では「本船甲板渡し」という意味です。 FOBでは輸出側で貨物が船に乗ってから、貨物の責任が売り手から買い手に渡る取引条件になります。輸出側の国内費用は売り手が負担します。 そして買い手は海上運賃から、貨物を輸入して配送先までにかかる諸々の費用を負担する取引条件です。 CFR (Cost and Freight) 次にCFRです。CFRはかねてより、Cost & Freight(C&F)と呼ばれておりましたが、CFRが正しい表現になります。 CFRでは、運賃は売り手が工場から輸入先の港につけるまで全ての費用負担します。 そして輸入した港から配送先の費用は輸入者が負担することになります。 CFRの貨物の責任の移動について説明する前に、CIFについても説明をしておきましょう。 CIFは先程のCFRと同じで、輸出する工場から、輸入先の港につけるまでの全ての費用を売り手が負担します。 CFRとCIFの違いは保険です。CIFのIはInsuranceのIの事です。売り手は輸送における貨物保険も手配しなければいけません。 ここでCFRとCIFの費用と貨物の責任について説明します。CFRとCIFの費用負担は輸出者が工場から貨物の輸入先までの費用を負担します。 しかし貨物の責任・引き渡しについてはFOBと同じで輸出国の港で、船の甲板に貨物が乗った時点で輸入者に移ることになります。 ここは間違いやすいので注意しましょう。 保険についても少しお話をしておきましょう。国際輸送においてはコンテナに乗った貨物がクレーンにつられ、船で揺られ、長い航海を経て輸入先まで届けられます。 またコンテナ船では、他のコンテナで危険品も運ばれています。危険品が燃えて他のコンテナに火が燃え移るという話は稀に聞きます。 貨物保険に入っていないと残念ですが誰も保証をしてくれません。 保険に入っておく事で安心感が全く違います。本当に何が起こるか分からないのが国際物流です。 私たちとしてはお客様には毎回貨物保険に入る事を強くお勧めしています。 DAP(Delivery At Place) それではインコタームズに戻りましょう。 5つ目はDAPです。 DAPは「売り手」が、買い手の指定した届け先までの運賃と責任を負担する取引条件です。 いわゆるDoor to Doorでの取引条件の事です。 Delivery Duty Paid 合わせてDDPも見てみましょう。 DDPもDAPと同様で「売り手」が輸出する工場から輸入先の指定された届け先までの物流を手配します。 貨物の責任や輸送費用も指定先へ届けられるまで、輸出者である「売り手」にあるのが特徴です。 DAPとDDPの違いは、輸入する時の税金の支払いを輸出者か輸入者のどちらで払うかの違いになります。 DAPでは輸入の関税・消費税は輸入者が支払います。 一方でDDPでは輸入の関税・消費税も輸出者である売り手が支払います。 DDPでは税金を含めた輸送の全ての手配と費用を売り手が対応してくれるのです。 コスト負担と費用負担について おさらい ここで、インコタームズの費用と責任についておさらいをしてみましょう。 EXWでは輸入者が工場から貨物をピックアップして配送先までの全ての輸送費用と責任を負担する取引条件でした。 FOBでは輸出者が港で船に乗せるまでの国内費用と責任を負担し、そして輸入者が海上運賃を含めた輸入地までの全ての費用と責任を負担します。 そしてCFRとCIFでは、輸出者は輸入先の港までの全ての費用を負担します。輸入者は輸入してから届け先までの国内の費用を負担します。 そして注意すべきは貨物の責任の切り替わり場所です。これはFOBと同じで輸出側の港の船の甲板で売り手から買い手に引き渡される事になります。 最後にDAPとDDPでは輸出者が届け先までの全ての輸送費用を負担しました。DAPは税金は輸入者が負担しますが、DDPでは税金も輸出者が負担します。 費用負担に関して一覧にするとこのようになります。 そして貨物の責任負担に関して一覧するとこのようになります。 まとめ いかがでしたでしょうか。インコタームズで頻繁に使われるのがこの6つとなります。 全ての取引条件において売り手と買い手のお互いの同意がベースにあります。 もしあなたがメーカーや商社だとしたらどの取引条件が自社の物流にとってメリットがあるのか。貿易条件の内容をしっかりと理解して相手に提案をしましょう。 もしあなたがフォワーダーだとしたら今回説明した貿易条件をしっかりと理解して、あなたのお客様に提案が出来るようになりましょう。 一度理解してしまえばそれほど難しいことではありません。頑張ってください。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。