ロジスティクス強化と2025年度補正予算案のポイント

ロジスティクス強化と2025年度補正予算案のポイント | 物流ニュース・物流ラジオ

政府は11月28日に2025年度の補正予算案を閣議決定し、港湾事業の整備として806億円を計上しました。

この予算ではサイバーポートやAIターミナルの推進を中心に、港湾機能の向上とサプライチェーンの強靭化を図る施策が示されています。

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補正予算の主な内訳

補正予算の総額は806億円で、主に次の項目に配分されています。

  • 91億700万円:港湾機能強化、生産性向上、民間投資の誘発
  • 6億300万円:港湾ロジスティクスの高度化

これらを支える中心施策としてサイバーポート、AIターミナル、防災・減災投資が位置づけられています。

サイバーポートの推進

サイバーポートは国土交通省が整備する物流DXプラットフォームで、港湾に残る紙、電話、FAXなどのアナログ手続きをデジタル化する取り組みです。

船会社、荷役会社、通関業者、陸送会社、ターミナルなどが個別に行ってきた手続きや情報伝達を一元化し、行政手続きとの連携や業務ミスの削減を図ります。

AIターミナルによる現場支援

AIターミナルでは遠隔操作RTG、AIによるコンテナ配置最適化、ゲート処理自動化などを導入し、労働環境の改善と生産性向上を両立させます。

現場の負担を軽減しつつ処理能力を高める取り組みです。

サプライチェーンの強靭化

京浜港や阪神港などの国際コンテナ戦略港湾を中心に、大型船受け入れ能力や荷役効率の向上を進めます。

バルク貨物の安定供給を確保し、国民生活に関わる物流の安定性を高める狙いがあります。

エネルギー安全保障と洋上風力対応

洋上風力発電の拡大に向けて、風車の組立や積出しを行う基地港湾の整備を加速します。

再エネ普及やエネルギー自給率向上に寄与するため、港湾機能を強化していきます。

防災・減災と港湾の強靭化

大規模災害に備えて耐震強化、防波堤の高度化、老朽化対策などを重点的に実施します。

災害時の迅速な状況把握を可能にする情報収集体制の整備も進められます。

取引環境の改善

港湾運送事業者の健全な経営を支えるため、適正な運賃や料金のあり方について検討が進められます。

まとめ

今回の補正予算ではロジスティクスが国家成長戦略の一部として明確に位置づけられ、DX、防災、エネルギー安全保障の三軸で港湾強化が進められます。

サイバーポートを基盤としたデータ連携の加速により、世界最高水準の港湾を目指す取り組みが続きます。

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