2026年序盤、US輸入コンテナ17%減へ

2026年序盤、US輸入コンテナ17%減へ | 物流ニュース・物流ラジオ

アメリカの小売向け輸入コンテナが2026年序盤も二桁減となる見通しです。背景には関税の不透明感過剰在庫があり、荷動きの停滞が続いています。

全米小売業協会(NRF)とハケット・アソシエイツは、2026年1〜4月にかけて、米国の輸入コンテナ量が4ヶ月連続で前年比二桁減になると予測しています。

特に3月は17%減と大きく落ち込む見通しです。

空コンテナの戻りや海運会社の配船計画にも影響が波及しつつあり、アジア発北米向け運賃も下落傾向です。

 

この記事を書いた人
HPS CONNECT

減少の背景:関税不透明感と在庫過多

要因は主に次の二つです。

  • 関税政策の先行きが読めない 企業は追加関税の再上昇リスクを警戒し、発注を控える姿勢を継続しています。
  • 過剰在庫の圧迫 2025年夏に関税回避で先行輸入した反動として、倉庫には売り切れていない在庫が多く残存しています。

このため、2026年初頭は「在庫整理が優先される期間」となり、新規オーダーが入りにくい状況です。

 

海運市場への影響

ハケット・アソシエイツは、関税の影響が貨物需要の弱さとして既に表れていると指摘します。

実績でも影響は明確で、10月の輸入量は前年割れ、12月は2年ぶりの低水準となる見込みです。

アジア発の荷量も細り、北米向けの海上運賃は下落トレンドが継続しています。

関税不透明感 → 発注控え → 荷動き鈍化 → 運賃下落 という流れが続いています。

 

今後の焦点:年末商戦と政策判断

NRFは、今年の年末商戦が初の1兆ドル突破になる可能性を示しています。

一方で、2026年の貿易政策については依然として不透明であり、小売企業は在庫の積み増しに慎重です。

当面の市場は「待ちの時間」となり、
・在庫がどこまで減るか
・アメリカの関税政策がどう決着するか
が、2026年前半の荷動きを大きく左右します。

 

まとめ

  • 2026年1〜4月は輸入コンテナが4ヶ月連続二桁減
  • 最大は3月で17%減
  • 関税不透明感過剰在庫が主因
  • アジア発北米向けは運賃下落が続く
  • 市場は在庫調整が終わるまで「様子見」局面

今後もアメリカの小売在庫と政策判断は、海運マーケットを動かす重要テーマとなります。

動画視聴はこちらから

関連記事