【最新】北米コンテナ運賃が20%急騰 船社の供給絞りと欧州12月需要の正体

【最新】北米コンテナ運賃が20%急騰 船社の供給絞りと欧州12月需要の正体 | 物流ニュース・物流ラジオ

本日は、アジア発北米向けコンテナ運賃が、ここにきて一気に急反発した動きについて解説します。

正直、年末にこの数字が出てくるとは思っていなかった方も多いのではないでしょうか。

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北米向け運賃が1週間で2割上昇

先週まで下落基調が続いていた北米向けのスポット運賃ですが、ここにきて状況が一変しました。

12月18日に発表された世界コンテナ運賃指標によると、上海発のスポット運賃はニューヨーク向けが前週比19%高の3,293ドルとなりました。

ロサンゼルス向けも前週比18%高の2,474ドルまで上昇しています。

わずか1週間で2割近い上昇です。

ただし、冷静に水準を見ると、11月中旬と同程度であり、急騰というより急落からの持ち直しと捉えるのが妥当でしょう。

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最大の要因は船社の供給調整

では、なぜ需要が特別強くないこの時期に、ここまで運賃が動いたのでしょうか。

最大の要因は、主要船社による供給調整です。

具体的には、ブランクセーリングと呼ばれる欠便の実施です。

ドゥルーリーのデータによると、太平洋航路では来週も10便の欠便が予定されています。

11月で年末商戦向けの出荷は一巡し、荷動き自体は落ち着いています。

それでも、船社が意図的にスペースを絞ることで、運賃の底割れを防ぐことに成功した形です。

需要が弱くても、供給を絞れば市況は動くという典型例です。

欧州航路はさらに堅調

一方で、欧州向けは北米以上に安定した上昇が続いています。

上海発ロッテルダム向けは8%高、ジェノバ向けは10%高となり、こちらは3週連続の上昇です。

運賃水準はすでに8月並みまで戻っています。

欧州で定着する「12月需要」という新常識

ここで興味深いのが、欧州航路における新しい季節パターンです。

従来、旧正月前の駆け込み需要は1月から本格化するのが一般的でした。

しかし近年は、供給不安や紅海情勢の影響を背景に、物流混乱を避けるための前倒し出荷が常態化しています。

その結果、12月に一つの需要ピークが形成される流れが定着しつつあります。

別ソースから見える市況の裏側

上海航運交易所が発表するSCFIを見ても、北米と欧州の双方で底打ち感が鮮明になっています。

業界では、今回の運賃上昇には二つの背景があると見られています。

  • 2026年旧正月を見据えた在庫積み増しの前倒し
  • 船社による戦略的な需給コントロール

特に北米では、関税政策を巡る不透明感が続いており、早めに在庫を確保したいという荷主心理が働いています。

今後の見通し

ドゥルーリーは、来週も小幅な上昇が続く可能性があるとしています。

今後の焦点は、この運賃上昇が一時的な供給絞りによるものなのか、それとも実需回復を伴うものなのかという点です。

足元では明らかに船社側のコントロールが効いています。

1月に入れば旧正月前のラストスパートが始まるため、しばらくは底堅い市況を前提にした物流計画が求められそうです。

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