【2025年物流市況】香港空港、11月貨物量が過去最高を更新 米国向け減速を補った欧州・インドシフトの実像

【2025年物流市況】香港空港、11月貨物量が過去最高を更新 米国向け減速を補った欧州・インドシフトの実像 | 物流ニュース・物流ラジオ

本日は、香港空港における11月の貨物取扱量が過去最高を更新したというニュースについて解説します。

数字だけを見ると好調そのものですが、詳しく見ていくと、世界の物流構造が大きく変わりつつあることが分かります。

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香港空港、11月の貨物量は6%増で過去最高

香港空港管理局が発表したデータによると、2025年11月の貨物取扱量は前年同月比6%増の48万6,000トンとなりました。

これは2か月連続の前年超えであり、単月としては過去最高の水準です。

これまでの最高記録は、コロナ禍で航空貨物需要が急増していた2021年11月の47万8,000トンでした。

今回の結果は、それを明確に上回るものです。

内訳を見ると、輸出にあたる積み込みが5%増、輸入にあたる取り降ろしが8%増となっており、輸出入ともに堅調に推移しています。

北米向けは減少、それでも過去最高になった理由

注目すべきは仕向け地の変化です。

従来、主要マーケットであった北米向け貨物は減少しています。

背景にあるのは、2025年以降に強化された米国の関税政策です。

2月には越境ECなど小口輸入品への課税が開始され、5月には中国発貨物を対象とした少額輸入免除制度、いわゆるデミニミスルールが撤廃されました。

これにより、中国系ECプラットフォームを中心とした北米向け航空貨物は大きく減少しています。

欧州・中国本土・インドへのシフトが鮮明に

それにもかかわらず、11月に過去最高を更新できた理由は明確です。

北米以外へのシフトが一気に進んだからです。

欧州、中国本土、インド発着の貨物が大きく伸び、北米向け減少分を補って余りある結果となりました。

特に越境EC事業者が、規制の厳しい米国から欧州など別市場へ販売先を切り替えた動きが顕著です。

インド向けについても、製造拠点の分散化や消費市場の拡大が追い風となっています。

香港空港は、北米依存から脱却し、多極化する物流の中核ハブへと進化しています。

航空運賃は引き続き上昇基調

貨物量の増加は、航空運賃にも影響を与えています。

運賃データを見ると、香港発米国向けの航空運賃は9月以降、上昇基調が続いています。

12月中旬には、香港発シカゴ向けがキロあたり6.69ドルと年内最高値を更新しました。

ロサンゼルス向けも同様に高水準で推移しています。

2026年に向けた見通し

短期的には、この活況は2026年春節前まで続く可能性があります。

一方で、中長期的には欧州側での規制強化や、さらなるサプライチェーン再編にも注意が必要です。

総量は増えていても、ルートは大きく変化しています。

特定レーンに依存しない、柔軟な物流戦略がより重要になるでしょう。

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