【2026年 航空貨物市場】AI需要と越境ECが招くスペース逼迫、その行方は?

【2026年 航空貨物市場】AI需要と越境ECが招くスペース逼迫、その行方は? | 物流ニュース・物流ラジオ

本日は、Journal of Commerce(JOC)が発表した2026年の航空貨物市場予測をベースに、2025年の振り返りと2026年の見通しを整理していきます。

結論から申し上げますと、2026年もアジア発の航空貨物市場は、特定のピーク時期においてスペース逼迫が続く可能性が高いと見られています。

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2026年の主役はAI需要と越境EC

JOCの記事が指摘している最大のポイントは、AI関連需要と越境ECという二つの構造的要因です。

世界各地で建設が進むAIデータセンター向けに、高性能半導体やサーバー関連機器の輸送需要が拡大しています。

これらの製品は高額かつ納期厳守が求められるため、輸送モードとして航空便が選択されやすく、結果として航空スペースを強く圧迫します。

AI需要は一過性ではなく 中長期的に航空貨物のベースロードとなる可能性があります

2025年に起きた越境ECの調整と適応

2025年を振り返ると、中国発越境EC貨物が航空市場を大きく揺さぶりました。

SheinやTemuなどのプラットフォーム貨物が太平洋路線のスペースを占有していましたが、トランプ政権によるデミニミス免税措置の撤廃が大きな転換点となりました。

一時的に中国発航空貨物は急減しましたが、その後は東南アジア発米国向けや、アジア発欧州・中南米向けが増加し、全体として需給は持ち直しました。

2026年の焦点は台湾とベトナム

2026年に向けて注目されるのが、台湾とベトナムです。

台湾は引き続きAI半導体供給の中核であり、ベトナムも製造能力の強化により航空貨物需要を押し上げています。

これらの半導体輸送が、既存の越境EC貨物と重なることで、アジア発主要レーンでは高い積載率が常態化すると予想されます。

量だけでなく質が問われる航空物流

AI関連貨物は単なる数量勝負ではありません。

GPUなどは非常に繊細かつ高価であり、温度管理や衝撃監視、セキュリティを含めた高付加価値輸送が求められます。

物流企業にとっては、スペース確保能力と同時に、品質対応力が競争力の分かれ目となる一年になりそうです。

中長期では供給過剰リスクも

一方で、長期的には市況が緩む可能性も指摘されています。

旅客機のベリースペース回復や新造フレイターの投入が進めば、供給が需要を上回る局面も想定されます。

そのため、2026年は短期的な逼迫と長期的な調整が同時に存在する、非常に難しい年になるでしょう。

まとめると、2026年の航空貨物市場はAI需要と越境ECが牽引し、アジア発を中心にスペース逼迫が続く一方で、将来的な供給増も見据えた柔軟な契約戦略が重要になります。

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