投稿日:2026.01.16 最終更新日:2026.01.20
マーケットにないものを売れ。ハラル和牛とタイ向け冷凍混載便という二つの商機
本日は「マーケットにないものを売る」という視点から、私自身が現場で感じた二つのビジネスチャンスについてお話しします。
価格競争が激しい物流業界において、まだ市場に存在していない商品やサービスを見つけ出すことが、事業成長の大きな鍵になると改めて感じた一日でした。
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)
2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!
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大阪の屠畜場視察で見えたヒント
昨日、私は大阪の食肉卸業者と屠畜場を、お客様と一緒に訪問しました。
食品輸送を手がける中での現場視察でしたが、単なる見学ではなく、将来につながる明確なビジネスの芽を感じる時間になりました。
その中で特に印象に残ったのが、ハラール認証を取得した和牛の存在です。
ハラル和牛は「存在しない市場商品」
訪問した屠畜場では、イスラム圏向けのハラール対応が行われていました。
包丁を都度新調することや、宗教的手順を厳格に守ることなど、一般的な屠畜とは比較にならないほど厳しい管理体制が敷かれています。
同行したお客様からは、ドバイ向けに和牛の引き合いがあるという話もありました。
調べてみると、ドバイを含む中東向けの牛肉輸出では、ハラール認証が必須条件となっています。
さらに印象的だったのが、マレーシアの話です。
一緒に訪問した方は、マレーシアに家族がおり、和牛をお土産に頼まれることが多いそうですが、現地の空港で食べた牛肉について「段ボールを食べているようだった」と表現していました。
これは現地で流通している牛肉の品質が、決して高くないことを端的に示しています。
日本の和牛は、飼料管理や飼育方法を徹底し、安定した品質とサシを実現しています。
つまり、イスラム国家であるマレーシアにおいて、ハラール認証を取得した高品質な和牛そのものが、まだ市場に存在していない商品だと感じました。
タイ向け冷凍冷蔵LCLという空白市場
二つ目のビジネスチャンスが、タイ向けの冷凍冷蔵LCL、いわゆる混載輸送サービスです。
タイ向けの食品輸送を手がけていると、「冷凍冷蔵のLCL定期便はないのか」という問い合わせを頻繁に受けます。
しかし実際には、タイ向けの冷凍冷蔵LCL定期サービスは市場に存在していません。
- 香港向けには冷凍LCLが存在
- シンガポール向けにも定期混載便が存在
- 台湾向けも同様
一方で、タイだけが完全な空白地帯になっています。
フォワーダーとしては、FCL手配か、スポットでの混載委託しか選択肢がありません。
「ないのであれば、自分たちで立ち上げてもいいのではないか」という発想に自然と行き着きました。
小さく始めて市場をつくる発想
毎週運航は現実的ではありませんが、月2便程度であれば現実的です。
初期は赤字になる可能性もありますが、定期的に1パレット程度を出したい荷主が複数集まれば、事業として成立します。
自分が持つメディアを活用しながら貨物を集めるという戦略も視野に入っています。
まとめ。マーケットにないものを売れ
今回の視察を通じて改めて感じたのは、「マーケットにないものを売る」という視点の重要性です。
既存市場の商品やサービスは、どうしても価格競争に陥りがちです。
だからこそ、「これは本当に市場に存在しているのか」という問いを持つことが、新たな価値を生みます。
物流に限らず、どの業界でも応用できる考え方だと思います。
ぜひ皆さんも、この視点でビジネスチャンスを探してみてください。
