投稿日:2026.01.28 最終更新日:2026.01.29
【市況解説】SCFI 3週続落、1500ポイント割れ。春節前の需要減と今後の運賃動向
足元のコンテナ運賃市況に、はっきりとした下落シグナルが出てきました。
2026年に向けた市況を占う上で、今回のSCFI下落は重要な転換点になりそうです。
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)
2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!
動画視聴はこちらから
SCFIが3週続落、1,500ポイントを割り込む
1月23日、上海航運交易所が発表したSCFIは、総合指数が前週比7%安の1,458ポイントとなりました。
これで3週連続の下落となり、約1か月半ぶりに1,500ポイントを割り込んでいます。
これまで底堅さを見せていた中東航路や地中海航路も含め、主要航路がほぼ全面安となった点が今回の特徴です。
SCFIは短期需給を最も敏感に反映する指数であり、連続下落は実需の弱さを示します。
主要航路別に見る運賃下落の実態
北米西岸向けは40フィート当たり2,084ドルと、前週比5%下落しました。
東岸向けも9%安の2,896ドルとなり、6週ぶりに下落へ転じています。
欧州向けも弱含みで、北欧州は20フィート当たり1,595ドル、地中海向けは2,756ドルまで下落しました。
特に目立つのが中東向けで、24%安の1,288ドルと急落しています。
南米西岸向けも939ドルまで下がり、昨年以来初めて1,000ドルを割り込みました。
- 北米:年始の値上げ分がほぼ解消
- 欧州:需要回復の鈍さが鮮明
- 中東:供給過多が顕在化
下落要因は「春節前需要の早期収束」
今回の最大の要因は、中華圏の春節前需要が想定より早く息切れした点です。
例年であれば1月下旬まで駆け込み需要が続きますが、今年は1月中旬以降、出荷量が急速に鈍化しました。
船会社は減便やブランク・セーリングで供給調整を行ってきましたが、それでも需要を下支えできなかった形です。
構造問題としての「供給過剰」は依然解消されず
別の視点として見逃せないのが、新造船の竣工ラッシュによる供給増です。
Drewryなどの分析でも、2026年にかけて船腹供給は需要成長を上回る見通しが示されています。
特に中東航路の急落は、配船調整が追いついていないことを象徴しています。
今後の市況見通しと注意点
短期的には、春節期間から2月後半にかけて閑散期入りが確実視されます。
このため、運賃の反発材料は乏しく、弱含みから横ばいの展開が基本シナリオです。
一方で、船会社はさらなる欠便強化やサービス再編で市況防衛を図る可能性があります。
運賃は安いがスペースが取れないという局面が、春節明けに突発的に発生するリスクには注意が必要です。
物流担当者にとっては、単なる運賃水準だけでなく、供給戦略とスペース確保を含めた判断が求められる局面に入っています。
