ホルムズ海峡封鎖継続で石油危機!2026年の世界情勢

ホルムズ海峡封鎖継続で石油危機!2026年の世界情勢 | 物流ニュース・物流ラジオ

2026年3月、世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡をめぐる情勢が急速に悪化している。イランによる海峡封鎖の継続宣言を受け、海上保険市場では戦争保険料率が従来の12倍となる3%まで急騰し、世界の海運業界に深刻な影響を与えている。約1,000隻の船舶が立ち往生し、2万人の船員が危険な海域に取り残される中、日本をはじめとする石油輸入依存国のエネルギーセキュリティが重大な脅威にさらされている。

この記事を書いた人
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)

2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!

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ペルシャ湾封鎖の背景と現状

2026年3月13日時点で、ペルシャ湾情勢は極めて深刻な状況に陥っている。イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ氏が、ホルムズ海峡の封鎖継続を宣言したのは、2月28日の米軍攻撃で家族を失い、自身も負傷したことが背景にある。

現在の状況は以下の通りだ:
約2万人の船員がアラビア湾の船舶に取り残される
推定1,000隻の船舶が立ち往生状態
24時間以内に6隻の船舶が攻撃を受ける
– 航行の危険性が極めて高い水準に達している

図解:ホルムズ海峡の位置と封鎖状況を示す地図

この封鎖により、世界の石油輸送の約20%を担うホルムズ海峡が機能停止状態となり、国際エネルギー市場に甚大な影響を与えている。

海上保険市場の激変と料率急騰

海上保険市場では前例のない料率上昇が発生している。専門ブローカーのマーシュによると、物理的戦争損害保険の料率推移は以下の通りだ:

通常時:船舶価値の0.25%
危機初期:1-1.5%に上昇
現在:3%まで急騰(12倍の水準

ロンドン海上保険市場の中核を担うロイズ保険組合、ガード、スクルドなどの主要保険会社は、3月5日にイランとペルシャ湾水域に関する保険契約の解約通告を発出した。これは、より厳格な条件と高い保険料での保険提供体制を再構築するための措置である。

図解:戦争保険料率の推移グラフ(0.25%から3%への急騰)

米政府の海上保険参入と市場の反応

トランプ政権は海上保険市場の混乱に対応するため、200億ドルの政治的リスク保険基金の設立を発表し、米国国際開発金融公社に船体・貨物保険の提供を指示した。ただし、汚染損害は対象外としている。

しかし、海上保険の専門家からは懐疑的な見方が示されている。その理由は:
– 米国保険会社の海上保険経験不足
– 海上保険特有の複雑なリスク評価への対応力
– 国際的な保険慣行との整合性の問題

一方、ロンドン海上保険市場は混乱の中でも機能を維持している。ロイズ会長のチャールズ・ロックスバーグ卿は3月9日の英国財務相との会合後、「ロイズの海上保険市場は開放されており、このリスクが高まった期間中も国際貿易と海運を支援し続けている」と明言した。

図解:ロンドンとニューヨークの海上保険市場の役割分担図

日本への深刻な影響とエネルギーセキュリティ

日本にとってホルムズ海峡は、原油輸入の約8割が通過する生命線である。現在の封鎖により、日本のエネルギーセキュリティは重大な脅威にさらされている。

具体的な影響は以下の通りだ:
日本の海運会社:高額な戦争保険料の負担を強いられる
代替航路:喜望峰経由への変更で輸送コストと日数が増加
石油製品価格:既に上昇が始まっている
製造業:コスト増加が避けられない
消費者物価:値上げ圧力が高まる

政府は石油備蓄の放出検討を含む緊急対策を講じているが、長期化すれば日本経済全体への打撃は避けられない状況となっている。

図解:日本の石油輸入ルートとホルムズ海峡依存度

世界海運業界の構造変化と今後の展望

この危機により、世界の海運業界は大幅な構造変化を迫られている。主要な変化は以下の通りだ:

運賃・コスト面での変化
– 船会社が高額な保険料を貨物運賃に転嫁
– 荷主企業のサプライチェーン再構築検討
– 喜望峰経由の迂回航路が常態化

地政学的な影響
– アフリカ南端の港湾施設需要増加
– 南アフリカ沖海域での保険料率上昇
– 代替エネルギー源の重要性が再認識

ロンドン国際保険協会のクリス・ジョーンズCEOは、「ホルムズ海峡での貿易停止は保険の不足ではなく、明白な安全上の懸念によるもの」と述べ、戦争保険市場は適切に機能していると強調している。

図解:世界の主要海運ルートと代替航路の比較図

今回のホルムズ海峡封鎖は、世界の海運・エネルギー業界に長期的な構造変化をもたらす可能性が高い。各国政府や企業は、エネルギーセキュリティの確保とサプライチェーンの多様化を急務として取り組む必要がある。海上保険市場の動向は、この危機の深刻度を示すバロメーターとして、今後も注視していく必要があるだろう。

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