航空貨物運賃が急騰?中東情勢がエアカーゴ市場を直撃

航空貨物運賃が急騰?中東情勢がエアカーゴ市場を直撃 | 物流ニュース・物流ラジオ

本日は「航空貨物運賃、アジア発欧州 上昇続く。ベトナム・台湾6ドル超え」を参照して、中東情勢悪化が航空貨物市場に与える深刻な影響について解説します。

この記事を書いた人
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)

2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!

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航空貨物運賃の急激な上昇状況

TACインデックスの3月16日付データによると、アジア発欧州向け航空貨物運賃の上昇が続いています。

ベトナム発は前年同週比45%増の6.04ドル、台湾発は63%増の6.68ドルと、いずれも1キログラム当たり6ドルの大台を突破しました。

この水準は非常に高く、ベトナム発が6ドルを超えるのは2024年11月以来、台湾発は2022年11月以来となります。

インド発も64%上昇の3.47ドルと、2024年11月以来の高水準を記録しています。

アジア発欧州航空運賃
ベトナム:6.04ドル(+45%)
台湾:6.68ドル(+63%)
インド:3.47ドル(+64%)

中東ハブ機能の低下

今回の運賃急騰の最大の要因は、中東ハブ空港の機能低下です。

JOCの分析によると、アジアと欧州を結ぶ航空貨物輸送の約30%は中東経由となっています。

特に輸送量を支えているのが

  • カタール航空
  • エミレーツ航空

などの中東系航空会社です。

しかし今回の情勢悪化によって、中東経由便が大幅に減少しました。

その結果、欧州向け貨物スペースが急激に不足し、需給バランスが大きく崩れています。

さらに背景として、2022年のロシア・ウクライナ戦争以降、航空会社がロシア上空を避けて中東経由便を増やしていたことも影響を拡大させています。

地域別の運賃動向

地域別に見ると、運賃の動きには差が出ています。

  • バンコク発:前年同週比4%上昇
  • 攻撃前比較:42%上昇
  • 韓国発:攻撃前比較19%上昇

一方で、中国発の上昇は比較的小幅にとどまっています。

この差は

  • 中東ハブ依存度
  • 代替輸送ルート

の違いを反映していると考えられます。

特に東南アジアは中東経由輸送への依存度が高く、影響を強く受けています。

燃油サーチャージの追加負担

運賃上昇に加えて問題となっているのが燃油サーチャージ(FSC)です。

マースクは3月13日、航空貨物輸送のFSC引き上げを発表しました。

同社は

  • 運賃の15%を燃料費として充当
  • 輸送障害追加料金(TDS)の導入

を提案しています。

さらにキャセイパシフィック航空も3月19日からFSCを引き上げる予定です。

日系航空会社も「過去に例がないレベルの上昇になる可能性がある」と警戒しています。

航空貨物コストの上昇要因
運賃上昇
燃油サーチャージ増加
輸送障害追加料金

日本企業への影響

この状況は日本企業にも直接影響します。

特に影響を受けるのは

  • 電子機器メーカー
  • 自動車部品メーカー

です。

ベトナムや台湾に生産拠点を持つ企業は、欧州向け輸送コストの急増に直面しています。

また、日本から欧州向けの

  • 精密機器
  • 医薬品

など航空輸送に依存する製品も、物流コスト増加の影響を受けます。

フォワーダー各社も荷主への運賃転嫁を進めざるを得ない状況です。

今後の市場展望

短期的には、航空貨物運賃の上昇は続く可能性が高いと見られています。

中東情勢が安定するまでは、中東ハブ便の回復は期待できません。

中期的には、航空会社が

  • 北極圏ルート
  • 迂回航路

の活用を拡大することで輸送能力が回復する可能性があります。

しかし燃料費上昇と運航距離の延長により、運賃水準は以前より高い状態が続くと予想されています。

長期的には

物流構造の変化
海上輸送へのモーダルシフト
在庫戦略の変更
調達先の多様化

といったサプライチェーンの見直しが進む可能性があります。

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