投稿日:2026.03.19 最終更新日:2026.03.19
ジョーンズ法停止で何が変わる?米エネルギー危機の実態
本日は「トランプ政権、燃料・肥料供給緩和のためジョーンズ法を60日間停止」を参照して、イラン紛争が引き起こした米国内エネルギー危機への緊急対応についてお話しします。
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)
2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!
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ニュースの概要
トランプ政権は3月19日、ジョーンズ法の60日間停止を発表しました。
これは米国・イスラエルによるイラン攻撃の影響で、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、世界の石油・LNG供給の約20%が停止したことを受けた緊急措置です。
石油、天然ガス、肥料、石炭などの重要資源が、60日間米国港湾に自由に流入できるようになります。
今回のポイント
ジョーンズ法を60日間停止
エネルギー・肥料供給を緩和
米国内危機への緊急対応
ジョーンズ法停止の意味
ジョーンズ法は1920年制定の海事保護法で、米国内輸送は
- 米国製造船
- 米国籍
- 米国所有
であることが条件です。
この制約により、国内輸送に使える船舶は大きく制限されていました。
今回の停止により、外国船が米国内輸送に参入可能となり、輸送効率の改善が期待されています。
危機の深刻さ
ホルムズ海峡は世界のエネルギー輸送の要衝です。
1日約2100万バレルの原油と、世界のLNGの約3分の1が通過しています。
今回の封鎖により
エネルギー市場の影響
原油価格:30%以上上昇
WTI:120ドル突破
ガソリン価格:6ドル超(米一部地域)
といった深刻な価格上昇が発生しています。
また、肥料不足も発生し、農業にも影響が広がっています。
政治的背景
エネルギー価格の上昇は、政権にとって大きなリスクです。
トランプ大統領はエネルギー価格抑制を掲げており、中間選挙を前に迅速な対応が求められていました。
ジョーンズ法の停止は通常、災害時に限定される措置であり、今回のような地政学リスクでの発動は極めて異例です。
海運業界への影響
今回の措置により、外国船社に新たな参入機会が生まれます。
一方で、米国海運業界は収益機会の損失を懸念しています。
- 外国船:参入機会拡大
- 米国船:収益減少懸念
また、米国籍船は外国船の約3〜4倍のコストとされており、輸送効率の改善余地も大きい状況です。
日本企業への影響
日本の海運大手にとっては、新たなビジネスチャンスとなります。
特に
- 米国内タンカー輸送
- エネルギー輸送需要の拡大
が期待されます。
さらに、米国産エネルギーの重要性が上昇し、日本向け輸出拡大の可能性もあります。
今後の展望
短期的には、エネルギー供給の安定化が最優先となります。
中期的には、国内生産拡大や調達多様化が進むと見られます。
長期的には
構造変化の可能性
ジョーンズ法見直し議論
サプライチェーン再構築
エネルギー安全保障強化
といった変化が想定されます。
