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ドローン宅配、米で急拡大!ラストワンマイル市場争奪へ。人手不足、環境問題改善か。 | 物流ニュース・物流ラジオ

ドローン宅配、米で急拡大!ラストワンマイル市場争奪へ。人手不足、環境問題改善か。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、7月18日付日経新聞の記事から、「ドローン宅配、米で急拡大!ラストワンマイル市場争奪へ」についてお話していきたいと思います。 2022年7月18日イーノさんの物流ラジオ ドローン宅配、拡大中 米国でドローンを使った食品や医薬品の宅配サービスが急速に広がっています。 小売り大手ウォルマートは新興のドローンアップ社と提携し、年内に6州400万世帯への宅配を実現する予定です。インターネット通販最大手アマゾンも相次いでサービスを提供しています。 消費者の玄関先まで商品を届ける「ラストワンマイル」市場の争奪戦が熱を帯びています。 記事に紹介されているアメリカの主なドローン宅配は下記の4社です ・ドローンアップ(ウォルマートの配送) ・アマゾン ・ウィング(Googleの親会社アルファベットの傘下) ・ジップライン(豊田通商と連携して実験) ドローンアップ オンラインでの注文から平均22分で食料品やおむつ、医薬品などを店舗から消費者の玄関先まで届けています。 1回の配達料は3.99ドル(約550円)で、数万点の商品の中から総量約4.5キログラムまで買い物できます。 人手不足の改善 ドローン配送が普及すると、物流業界が抱える慢性的な人手不足の改善も期待できます。 また、荷物の積み込みへのロボットの活用も進め、年内に配達時間を15分まで短縮するように動いています。 現在は安全上の監視や非常時の手動制御を担うオペレーターが常駐していますが、「5年以内の無人化も可能」とみられています。 2023年以降、大都市圏全体へのサービス展開も視野に入れています。 日本もドライバーの働き方改革の2024年問題があるので、伸びていく分野ではないかと思います 安全性も考えるとまず地方から導入し、ドローンが浸透することで、交通渋滞が緩和され、CO2排出量の削減にもなります。 ウィング ウィングの2022年1~3月のドローン配送は5万件を超え、前年同期の3倍に増えたと明らかにしました。 オーストラリアやフィンランドを中心とする、世界でのドローン配送実績は3月時点で計20万件に上っています。 広い土地があるところではドローン配送はどんどん増えています。 ジップライン ジップラインはアフリカでの30万回の飛行実績を持ち、配達地域の住民は注文から最短15分で商品を受け取れます。 2022年4月には日本に参入し、豊田通商とともに長崎県の五島列島で医薬品の配達を始めました。 ドローン宅配市場 ドローン宅配は市場としても大きくなってきています。 欧米系調査会社のビジネス・リサーチ・カンパニーは、ドローン宅配の世界市場規模が年平均49%で拡大し、2025年に82億3000万ドル(約1.1兆円)と2020年の約7倍に膨らむと予測しています。 アマゾン アマゾンは六角形型で安定性を高めたドローンで2022年後半に、カリフォルニア州での宅配サービスを開始します。 人口の多い大都市圏では、ネックとなりやすい飛行上の制約や障害物の多さにも対策が進んでいます。 アマゾンは目視による監視なしで他の飛行物や人、ペット、障害物を検知し自動で回避できるシステムを開発しています。 2022年後半、カリフォルニア州ロックフォードで、「アマゾン・プライム・エア」としてサービスの提供を始める予定です。 日本でのドローン宅配 各社のサービスの選別が進むなか、効率化や安全性の向上で消費者の需要を取り込めるか、正念場となりそうだ、と記事は締めくくっています。 注文して15分で届くというのはとても便利です。ドライバー不足はアメリカでも、日本でも必ず立ちはだかる問題です。 日本もジップラインと豊田通商が参入し始めているので、安全面と規制が整えば、浸透していくだろうと思います。 引き続き、テクノロジーの方面も注目していきます。

フランス・ルアーブル港でMSC子会社が約950億円投資!24,000TEU型にも対応。生産性向上と雇用創出。 | 物流ニュース・物流ラジオ

フランス・ルアーブル港でMSC子会社が約950億円投資!24,000TEU型にも対応。生産性向上と雇用創出。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は7月13付の海事新聞の記事から、「仏ルアーブル港、MSCの子会社が7億ユーロ投資。2.4万TEU型船に対応」についてお話していきたいと思います。 2022年7月13日イーノさんの物流ラジオ TiL、ルアーブル港に7億ユーロ投資 MSCの子会社でターミナル事業を手掛けるTiL(ターミナル・インベストメント・リミテッド)がフランスのルアーブル港で総額7億ユーロ(約962億円)の投資を行うと発表しました。 今後6年間でガントリークレーンの増設やターミナルの拡張を行い、コンテナ処理能力を強化する予定です。 将来的には2万4,000TEUクラスの大型船舶にも対応するターミナルへと進化させることを目標としています。 TiLの計画 このTiL(ターミナル・インベストメント・リミテッド)は現在、ルアーブル港のTNMSCターミナルとTPOターミナルの2つのコンテナターミナルを運営しています。 今回は総額7億ユーロを投入し、稼働するガントリークレーンの台数を現在の2倍の20台に増設。 更に、取扱貨物の増加に対応するほか、6バース全てに新たに荷役機器を導入し、ターミナル内の保管能力を3倍に増強していきます。 また、電動荷役機器や船舶用の陸上電力供給設備も導入し、環境負荷軽減にも貢献していく見通しです。 雇用創出 これらの投資により、今後6年間で港湾労働者900人、メンテナンスに携わる労働者200人の雇用創出が見込まれているとのことです。 TiLのCEOは、「MSCからの貨物量の保証や港の成長と生産性を支える人材の提供という地元との合意の下、このような大規模な投資が実現した。」としています。 また、「欧州へのゲートウエーとしてのルアーブルの潜在力を最大限に発揮するため、政府によるコンテナターミナルと複合一貫輸送を円滑化する鉄道インフラ開発への支援を期待している」と述べています。 日本への大型船寄港 24,000TEUは現在、最大規模のコンテナ船です。 一方で港湾への投資については、日本はまだまだと思います。 大型コンテナ船が寄港するためには十分な水深が18mくらい必要となり、日本で18mの水深がある港は横浜港のMC3,4バースのみです。 24,000TEUクラスの船が横浜以外は入ってこられません。 この先、大型船が増えていったとしても、日本にはトランシップしか入ってこないことになります。直接大型船が寄港できず、トランシップとなるとリードタイムも伸びます。 港への投資 産業の空洞化で日本は外国に工場を作っていましたが、円安になって、今後日本で作る方が安いという流れになる可能性があります。 しかし港に投資をしていないため、先進国にも変わらず大型船は寄港できないのが現状です。 こういった海外の港湾投資のニュースをみると、ちょっとやるせない気持ちになってしまうというお話でもありました。

北米の小売、2022年も夏から秋に需要増と予測!港湾混雑、スペース不足への懸念。 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米の小売、2022年も夏から秋に需要増と予測!港湾混雑、スペース不足への懸念。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「米国の小売業者、夏から秋にかけての好調な輸入に備えるよう港湾に要請」についてお話していきたいと思います。 2022年7月12日イーノさんの物流ラジオ 11月まで輸入好調 アメリカの小売業者は、西海岸の港湾労働者(ILWU)と使用者団体(PMA)に対して、すでに緊張状態にある港湾のサプライチェーンに負担をかけるような労働中断をすることなく、労使契約を成立させるよう求めています。 米国の小売業者は、少なくとも11月までは輸入が引き続き好調であると予測しています。 とはいえ夏から秋にかけての出荷ピーク時の数量は、昨年の記録的な荷動きから若干減少するとされています。 2021年との比較 2021年の米国の輸入は、2020年に記録した前回の年間記録を17.4%上回る異例の大幅増でした。 今年は若干落ちるとはいえ、引き続き好調な輸入量があるということです。 全米小売業協会(NRF)とHackett Associatesは、7月のグローバル・ポート・トラッカー(GPT)で月ごとの前月比の輸入量は下記のとおり予測を発表。 7月:5.3%増 8月:0.5%減 9月:0.8%減 10月:4.1%減 11月:2.5%減 7月が5.3%増ですが、これは小売業者の秋冬商品の前倒しの仕入れが一因です。8月と9月は微減、10月と11月で合計6.6%減となります。 東海岸での混雑、労使交渉の影響 現在、サプライチェーンのボトルネックは東海岸とメキシコ湾岸の港でも表面化しており、2022年のピークシーズンを通してこのボトルネックは継続すると予想されています。 この貿易を覆っているのは、5月に始まった西海岸のPMAとIWLUの契約交渉です。 全米小売業協会NRFのサプライチェーン・関税政策担当副社長は、「サプライチェーンの課題は今年いっぱい続くだろうが、西海岸の港の労使が交渉のテーブルにつき、合意に達することが特に重要だ」と述べています。 今年はピークシーズンでもあまり需要が下がりません。 労使交渉の労働組合側の仕事がスローダウンしたら、目詰まりの可能性は高いです。昨日のラジオでもお伝えしたように、ヨーロッパでも港湾混雑が発生しています。 またスペースが取れなくなるかもしれません。 引き続き北米情報はアップデートしていきたいと思います。

欧州の港湾混雑が危機的レベル!需要減でも混雑大。スケジュールの乱れとコールサイズの増大 | 物流ニュース・物流ラジオ

欧州の港湾混雑が危機的レベル!需要減でも混雑大。スケジュールの乱れとコールサイズの増大

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、Job.comの記事から、「欧州の港湾混雑が危機的レベル」についてお話していきたいと思います。 2022年7月11日イーノさんの物流ラジオ 欧州港湾、混雑 インターモーダルオペレーターのContargoによると、北欧のいくつかのハブ港では混雑が危機的レベルに達しており、ターミナルから内陸部まで混雑が広がっています。 さらに、ドライバー不足、内陸部の鉄道やバージの運行停止など、輸入量の減少や経済状況の急速な悪化にもかかわらず、ボトルネックはさらに深刻化しています。 各船社の対応 マースクはこの状況に対し、主にターミナルの混雑など、多くの外部要因によって引き起こされているとし、混雑による大幅な遅延のため、アジア-ヨーロッパ航路の出発日を、8月から11月にかけて17便を調整するとしています。 Hapag-Lloydは、フランスのLe Havre港とFos-sur-Mer港のボトルネックに対応し、7月1日からすべての輸出入トラックの移動に対して25ユーロ(26ドル)の混雑追加料金を課し、コンテナの適時集荷と搬出を促しています。 欧州の複合一貫輸送サービス 欧州の輸入サプライチェーンに欠かせないのが、コンテナを内陸のターミナルに集めて運び、道路、鉄道、水路を通じて最終目的地まで配送する複合一貫輸送サービスです。 「海港のターミナルは満杯で、非常に狭い時間枠でしかコンテナを受け入れていない」と、Contargoは先週末のマーケットアップデートで指摘しています。 ドライバーと空コンテナの不足の深刻化が、さらなる遅延を引き起こしています。 港での待ち時間の増加 ロッテルダムとアントワープでの平均待ち時間は、5月に比べて6月は改善されましたが、依然としてコロナパンデミック前のレベルをはるかに上回っています。 先週の待ち時間は、ロッテルダムで56時間、アントワープで51時間でした。 欧州の鉄道貨物も6月を通じて大きな混乱に直面しており、ドイツでは工事のため路線が閉鎖され、列車の発着に影響が出て、ネットワーク全体のバランスが崩れています。 輸入量は減少 コンテナ貿易統計(CTS)の最新データによると、今年1〜4月の北欧および地中海へのコンテナ輸入量は前年同期比4%減の416万TEUでした。 エネルギーと食糧の価格高騰がインフレと生活費の危機を招き、欧州経済が打撃を受けるなか、アナリストは需要はさらに減少していく警告しています。 しかし、ヨーロッパの景気後退が勢いを増す一方、ハブ港の混雑を緩和する効果はほとんどないようです。 港湾混雑の理由 Sea-Intelligenceのアナリストによると、ターミナル混雑の主な要因はスケジュールの信頼性の低さであるとしています。 5月にアジア-北ヨーロッパ間の定時運航の信頼性は25.7%で、わずか4隻に1隻だけがスケジュールから1日以内に到着しているということになります。 北欧貿易のスケジュールの信頼性は、昨年の27パーセントに比べ、2022年の最初の5ヶ月間で平均18パーセントとなっています。 寄港数の大幅増加 このスケジュールの乱れに加えて、コールサイズ(1回の寄港で船舶に乗り降りするコンテナの量)の増大があります。 北欧の港では今年、寄港数が大幅に増加し、港湾に到着する船の量が増え、これがターミナルの処理能力に大きな負担をかけています。 よって、ハブ港での平均停泊時間が伸びています。 様々な要因で港湾の混雑が発生していますが、今後のクリスマス商戦に向けて、さらなる混乱が予想されます。 今後もヨーロッパの状況に注目していきたいと思います。

近鉄エクスプレス上場廃止!近鉄GHDの連結子会社へ。近鉄GHD、法人向け事業伸ばす狙い。 | 物流ニュース・物流ラジオ

近鉄エクスプレス上場廃止!近鉄GHDの連結子会社へ。近鉄GHD、法人向け事業伸ばす狙い。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は日経新聞の記事から、「近鉄GHD、近鉄エクスプレスへのTOBが成立」についてお話していきたいと思います。 2022年7月8日イーノさんの物流ラジオ 近鉄エクスプレス、GHDの子会社に 近鉄グループホールディングス(GHD)は6日、近鉄エクスプレスに対して実施していたTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表しました。 近鉄エクスプレスは近鉄GHDの連結子会社に入り、上場廃止になる見通しです。 GHD、法人向け事業へ 新型コロナウイルス禍や沿線の人口減少で、鉄道事業やレジャー関連の成長が難しくなるなか、法人向け事業を伸ばすことを狙いとしています。 5月に近鉄GHDの副社長はTOBの狙いについて、「人の動きに左右されない事業の育成・強化を図る」と述べています。 近鉄エクスプレスは12日に近鉄GHDの連結子会社になります。 近鉄GHDの収益は鉄道やレジャー、流通など消費者向けが主力ですが、近鉄エクスプレスの国際物流事業を取りこむことで法人向けの売上比率を高める方針です。 また、近鉄エクスプレスの海外拠点を生かして不動産事業などで海外進出にもつなげたい考えです。 2社の決算 近鉄GHDは5月に2023年3月期の連結純利益が、前期比37%減の270億円になるとの見通しです。 一方、近鉄エクスプレスは2023年3月期の連結純利益が、前期比26%減の320億円になると見込んでいます。 前期が好調だったため、前期比から大きく下がっていますが、近鉄GHDは消費者向けのため、コロナ渦から消費者がまだ完全に戻ってきていないことが影響しているようです。 近鉄エクスプレスが、これからどうなっていくのかが個人的に気になります。 上場廃止をし、市場・株主からは物を言われなくなりますが、今後は親会社が出来ることで、どうなっていくのでしょうか。 注目していきたいと思います。

船会社の地位乱用をストップ!フォワーダー団体が批判。脱炭素への投資を推奨。 | 物流ニュース・物流ラジオ

船会社の地位乱用をストップ!フォワーダー団体が批判。脱炭素への投資を推奨。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、7月6日付の海事新聞から「FIATA、船社の地位乱用を批判。垂直統合より脱炭素投資推奨」についてお話していきたいと思います。 2022年7月7日イーノさんの物流ラジオ FIATA、船社批判 フォワーダーの国際団体FIATA(国際貨物輸送業者協会連合会、International Federation of Freight Forwarders Associations)は6月30日、「海運会社が市場での支配的な地位を乱用している」と指摘する意見表明書を公表しました。 この文書では、現在の市場環境と合致しない、独禁法適用除外などと併せ、船社が自由競争をゆがめ、最終消費者に悪影響を与えていると批判しています。 そして、IMO(国際海事機関)や各国規制当局などに、適切な政策措置を求めています。 また、過去2年で得られた巨額の利益を、ロジスティクス企業の買収など垂直統合ではなく、脱炭素化などに投資するべきとしました。 フォワーダーの分野への進出 FIATAは3大アライアンスが世界の海運市場の80%、東西基幹航路に限れば95%を支配していると分析しています。 サプライチェーンが混乱する中、海運会社がフォワーダーに対するサービスを削減・制限しようとしていると説明しています。 エアーはエアフォワーダーを通さないとタリフ運賃の適用となります。しかし、船はBCO(実荷主)と直接荷主と取引ができ、船会社は物流会社を買収して陸に上がってきているため、フォワーダーの仕事がなくなってきています。 脱炭素への投資を推奨 IMOは海運業界のGHG(温室効果ガス)排出量を2050年までに50%削減することを目指しています。 そのためのコストは2050年までに1・5兆ドル(約200兆円)を超えると推定され、そのうち87%が陸上インフラ・施設に投じられる見通しです。 一方、コンテナ船社は過去2年間で記録的な利益を上げており、イギリスの海事コンサルタントのドゥルーリーはコンテナ船社の2022年税引き前利益の総計は3000億ドル(約40兆円)に達すると予測しています。 FIATAは「船社は規制環境下で生み出されたこの利益を、ロジスティクス全体を支配するための合併や買収に投じている」と非難しているのです。 IMOや各国政府に対して、船社の投資を促すような脱炭素化計画を実施するように要請しました。 船社に対する独禁法 船社に対する独禁法適用除外についても、見直しを求めていく方針です。 更に、FIATAは特に船社が陸上輸送や付帯サービスに事業を拡大する中、独禁法適用除外の恩恵を受けないプレーヤーと、不公平な競争を行っていると指摘もしています。 独禁法適用除外の見直しと、より適切な規制対応を求めていく姿勢を示しています。 船会社の独禁法適応除外について 外航海運に係る独占禁止法適用除外が認められてきた背景として、「安定的な国際海上輸送の確保のための海事政策のあり方について」、次の4点が挙げられています。 1.世界単一市場で激しい国際競争が行われていること 2.サービス供給量の調整が容易ではなく供給過剰に陥りやすいこと 3.巨額投資が必要であり他社との連携の必要性が極めて高いこと 4.国際的な法制度の整合性の確保が求められること これによって、船社は独禁法の適応除外でした。 制度の見直し 同制度は昭和24年に制定された後,平成11年,平成18年、平成22年の3度にわたって主な見直しが行われてきました。 平成22年度における見直しの検討の結果、同適用除外制度は維持し、平成27年度に再検討をし、場合によっては運賃同盟に係る独占禁止法適用除外制度を廃止の方向で見直しています。 今回FIATAが独禁法を持ち出してきたのは、船会社がコロナ禍で得た大きな収益で船以外の事業拡大を狙い、ロジスティクス全体を支配しようとしているという動きが大きくなってきたためです。 そのため、ここでちょっとストップをかけておかなければならない、という背景があったと思われます。 船会社の進出と中小フォワーダーの生き残り 国際物流とは歴史背景からみても、経済合理性の最たるものであり、もっとも効率的で、合理的でコストが追求されるものです。 船会社が物流で船以外の分野まで進出すると、フォワーダーの仕事が失われていく恐れがあります。 個人的には、今後は8割のロジスティクスの仕事は船会社や大手フォワーダーが取っていくようになると思います。中小は2割のニッチなところを攻めていくのではないでしょうか。 今後、船会社がどれだけ陸に上がってくるか、中小がどのように生き残っていくか。 何度もこのラジオでお伝えしていますが、国際輸送は変革期にきています。 マーケットの流れを読んで、正しい戦略を考えるというのが大切になってくると思います。

北米西岸の労使交渉、期限終了!交渉を継続。港湾自動化が焦点 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米西岸の労使交渉、期限終了!交渉を継続。港湾自動化が焦点

どうもこんにちは、飯野です。 本日は7月5日付の海事新聞から、「米西岸協約、期限後も協議継続。見通し不透明」についてお話していきたいと思います。 2022年7月6日イーノさんの物流ラジオ 西岸労使交渉、継続 米国西岸港湾の使用団体のPMAと労働組合のILWUは7月1日に共同声明を発表しました。 現行労働協約の終了後も引き続き新協約の契約に向けて協議を続けていくとの姿勢を明らかにしました。 ILWUとPMAは、新協約の合意に達するまで港湾の通常業務を続けていくとしています。 現時点では交渉継続の意思を表明しただけで新しい情報はなく、交渉の見通しについては不透明なところが多いです。 これまでの経緯 ILWUとPMAの現行労働協約の期限は7月1日午後5時。 両者は5月から交渉を開始し、同月下旬にいったん中断、6月から再開して交渉を続けてきました。 ただし、交渉の詳細が外部に伝わることはなく、7月の期限切れまで目立った動きは出てきませんでした。 PMAの基本方針 今年の労使交渉で使用者側であるPMAは、オペレーションを継続した協議の実施で以下のことを基本方針としていくとしていました。 港湾労働者への世界最高水準の待遇の提供 安全性とトレーニング優先 貨物増加に対応するためのターミナル近代化 環境規制への対応 ILWUは自動化につながるこうした方針に強く反発しており、港湾の自動化をどう扱うかが今回の労使交渉最大の焦点となっています。 ILWUの対応 現在、労働者側はスローダウン作戦でダラダラと仕事をしています。 今年は北米での需要が少なく、金利が高く、買い控え、サービスに消費が移っている背景があります。 需要は低いとはいえ、スローダウンがどう影響するかが注目です。 どうなっていくのか、更新情報があったらまたお伝えします。

CMA CGMが10%値下げ!フランス政府からの異例の要請に応える。 | 物流ニュース・物流ラジオ

CMA CGMが10%値下げ!フランス政府からの異例の要請に応える。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は7月5日付の海事新聞から、「CMA CGM、フランス向けのコンテナ運賃10%引き下げ。異例の政府指示。」についてお話していきたいと思います。 2022年7月5日イーノさんの物流ラジオ CMA CGM、運賃10%引き下げ 仏船社CMA CGMは6月30日、フランスの小売業者向けコンテナ運賃を10%引き下げると発表しました。 フランスへの輸入貨物が対象となります。 これは仏政府のル・メール財務相が先週、インフレ対応のため高い利益を還元するよう仏企業大手へ呼び掛けたのに対し、CMA CGMが対応したものです。 CMAはフランスの会社なので、母国のため実施したようです。 コンテナ1本あたり500ユーロ値下げ 高収益を上げているコンテナ船社への批判は各国で強いものの、政府によるここまで具体的な値下げ圧力は極めて異例です。 値下げ時期は8月1日から1年間、CMA CGMは仏本国の小売業者向けのコンテナ輸送に関し、コンテナ1本当たり500ユーロ値下げする用意があるとしています。 1本あたり500ユーロは、それほどインフレ抑制になるのかは疑問です。 製品とインボイスバリューにもよりますが、1製品あたりにすると500ユーロはそれほど大きな金額ではありません。 また、仏海外領土向けのコンテナ貨物についても同額の運賃引き下げが可能で、他の地域に対しても下げる準備があるとのことです。 この値下げ額について、CMA CGMでは、10%相当の運賃引き下げにつながると説明しています。 政府介入の受け入れ 今、船が埋まらないために値下げで埋めようとしているのか。 もしくはAPIを解放してデータのサブスクで稼ぐことができるため、戦い方を変えようとしているのか。 いろいろな見解があります。 来年以降は市況が落ち着いてくると思っていましたが、この政府介入の受け入れが全体にどう影響するかが今後注目だと思います。

2022年6月物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2022年6月物流ニュース

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今回は2022年6月の物流ニュースをお届けします。海運市況を中心に、北米や欧州の現況を解説していきます。 では行ってみましょう。 北米の物流業界で雇用が減少傾向。内陸の目詰まり続く アメリカの雇用統計によると、5月にトラック運送会社、倉庫会社、宅配便会社は、合わせて32,900人の雇用を増やしましたが、4月の44,700人を下回る結果となりました。 コロナ渦以降、堅調だったオンライン販売から、消費者が店舗に戻ってきており、オンライン販売の伸びは、歴史的な高水準から後退していると報告されています。 あるデータによると、eコマースの荷物運搬業者を含む宅配便・メッセンジャー会社は、4月は約1万5000人の雇用増でしたが、5月に1,900人だけに留まりました。 しかし、北米の内陸ではまだ物流の目詰まりがあります。 コンテナは港から早く取り出されてはいますが、内陸に移動しただけで、内陸ではまだ混雑が続いているという情報もあります。 まだ内陸の物流が解消していないにも関わらず、トラックや倉庫の人材が増えないことに懸念の声もあります。 北米で海事法改正案が下院で可決、船会社のサービスに制限 米国超党派グループが米議会下院に提出していた海事法改正案が6月13日、賛成多数で可決されました。 今回の改正案の主な項目は、FMC(連邦海事委員会)の監視機能を強化し、船社によるデマレージ・ディテンション課徴に関し、FMCに準拠することを求めています。 北米のコロナ禍の混乱中に、船会社からのデマレージ・ディテンションが不当のものだったのでは、ということです。 この改定案は、船会社が空のコンテナをアジアに早く返したいため、アメリカからのBookingを制限していましたが、それを規制するものです。 これに対し、船会社側の団体WSCではコロナ禍以降、コンテナ船社は2021年に555隻、2022年に208隻を発注し、需要に応えるための投資を行ってきたと強調しています。 米国西岸でアジアからの輸入が急増、5月に予想外の過去最高を記録 アジアから米国西海岸への輸入量は、上海のロックダウンや米国でのインフレ上昇にもかかわらず、5月に月間新記録を達成しました。 北米西岸の混雑を避けるために、東海岸とメキシコ湾岸に向かう船が増えていましたが、東海岸とメキシコ湾岸の港の混雑が大きくなりました。 よって、東岸に回されていた貨物が西海岸に貨物が戻ってきています。 また、4月の貨物が上海のロックダウンのため、他の港を経由して北米に向かったことにより、ずれ込んで5月に輸入となったことも輸入量増加の原因の一つと考えられます。 北米東岸向けコンテナ市況、1年ぶり1万ドル割れ。荷動き増も供給増で軟化か アジア発北米向けのスポットコンテナ運賃が、6月24日時点で西岸向けが40フィートコンテナ当たり7,384ドル、東岸向けが9,804ドルとなりました。 東岸向けが1万ドルを割り込むのは実に1年ぶりです。 一般的に北米のピークシーズンは10月の中国国慶節前の7-9月です。 しかし、繁忙期にもかかわらず貨物が集まらず、足元では運賃を下げる動きが続出しているとのことです。 一部ではサービスコントラクトを結んだ契約運賃でもブッキングが減少しており、価格に関するSCの修正要請も増加しています。 国際物流が混乱、欧州港湾の混雑が深刻化 国際物流の先行き不透明感が増しています。 労使交渉が続く北米西岸港湾で混雑悪化の懸念が高まるほか、現在、北欧州のハブ港では混雑が深刻化しており、港湾ストライキにも直面しています。 マースクやJIFFA(国際フレイトフォワーダーズ協会)の代表者らによると、「欧州港湾ではコンテナがあふれかえり、往航・復航とも遅れが状態化している」とのことです。 欧州航路のスケジュールの順守率は大きく低下し、航海日数も増えています。 対ロシアの経済制裁により、EU・英国税関当局が貨物検査を厳格化したことに加え、シンガポールなどアジア側のトランシップ港の混雑が影響しているようです。 更に、欧州ではストライキが多発し、インフレなどを背景に労使の緊張感が高まっています。 解説コーナー では、今回の物流ニュースの解説コーナーです。 先ずは北米の運輸業界での雇用減少のニュースです。 北米でトラック・倉庫業で雇用が減少傾向にあります。 5月の雇用統計ではアメリカ全体では39万人増えたにもかかわらず、運輸業での雇用は減少しています。 消費者がモノからサービスへシフト これは、北米のコロナ禍以降、需要が衰え、消費者の支出がモノからサービスへとシフトしているためともみられています。 求人情報サイトIndeed.comは、この変化は物流業界の雇用に大きな変化をもたらしてはおらず、「運輸と倉庫業は引き続き好調である」と述べています。 しかし、依然として北米内陸で目詰まりが発生している中での雇用減少が、今後の物流混雑の解消にどう影響していくのかがポイントです。 北米からの空コンテナ返却制限 続いては、北米の海運改定案可決のニュースです。 船会社は、中国から北米へのドル箱航路へ多くのコンテナを出すため、空コンテナをできるだけ早めに北米から中国に戻すようにしてきましたが、これが規制されるようになります。 これまでの様に北米からの空コンテナの早期返却ができなくなると、他の国から空コンテナを中国に集めることとなり、特定の地域でコンテナ不足が発生する可能性があります。 今回の下院での法案可決は昨年とは違う動きのきっかけになると思いますので、今後の北米の動きに注目です。 北米西岸、輸入量大幅増 北米西岸の輸入量が5月に過去最高を記録しました。 アジアから西海岸への輸入は5月に約174万TEUとなり、前年比5.7%増、コロナ前の2019年5月に比べると、25.1%の大幅な上昇となりました。 一方で、5月の東海岸の割合は、4月の35.9%から33.5%に減少し、メキシコ湾岸の割合は6.7%から6.3%に減少しています。 東海岸の処理能力が限界のため、結局貨物が西海岸に戻ってきています。 現在、北米向けは割とスペースが取りやすい状態であり、西側の沖まちも20数隻ほどに減少しています。 東岸から西岸への貨物の戻りのほか、小売業者が早々に在庫の積み増しをしている可能性もあります。 既に東岸が混雑しているため、今後の西岸の目詰まりにも注意が必要です。 コンテナ運賃軟化 コンテナ運賃の軟化傾向が鮮明になってきています。 5月の北米東航コンテナ輸送量は前年同月比8%増の199万TEUとなり、単月実績では過去最高を記録しました。 しかし、荷動きは堅調なものの、サービス拡充に伴う供給量増で需給が緩んでいる模様です。 コロナ禍でコンテナが足りなくなり、コンテナを増やし、他の船会社もドル箱航路であるアジア北米間のサービスを増やしたため、供給は増えている状況です。 消費財の貨物量も落ちつつあるという関係者もおり、潮の変わり目ではとの認識も増えています。 航空貨物需要も軟化 コンテナ輸送の混乱により好調だった航空貨物輸送でも、需給軟化の傾向が強まっています。 すでに日本発着の航空貨物市場は「今年3月が市況のピークで、今は需給軟化が鮮明になっている」と担当者は発言しています。 北米の小売企業が在庫一掃に乗り出したほど、在庫コストは上昇、更には、北米の荷動きを支えていた家具類などの需要減退を指摘する声も上がっています。 よって、今後は通常より仕入れボリュームが減少する可能性が高くあります。 欧州の港で混雑悪化 最後に、国際物流の先行き不透明感のニュースです。 5月下旬には労働者不足により、欧州の港で目詰まりが発生しましたが、現在も欧州の港では混雑が深刻化しており、コンテナの滞留が発生しています。 欧州の陸側では、輸送が中断されたロシア向け貨物の滞留により、倉庫スペースが圧迫、更にウクライナ人ドライバーの帰国でドライバーが不足しています。 また、船社情報によると6月初旬にハンブルクなどのドイツの港湾でストが行われたのに続き、6月20日、ベルギーのアントワープ・ブルージュ港で労働組合が24時間ストに入りました。 ヨーロッパでは、5月のユーロ圏消費者物価指数は過去最高を更新し、前年同月比から8.1%上昇するなど、インフレが加速しています。 欧米でのインフレ、労働者不足、ロシア・ウクライナ情勢の影響、西岸港湾の労使交渉、更に中国はゼロコロナ政策で突然の地区封鎖など、物流への影響は多数あります。 昨年ほどの混雑はなく、今現在、スペースは取りやすいですが、7月以降はどうなるのでしょうか。 また目詰まりが発生する要因は十分にあると思います。 要因が多い中、今後どうなるかはわかりませんが、各々今自分ができることをし、幅広く情報を取っていくことが大切だと思います。 まとめ 今回のニュースはいかがだったでしょうか。 面白かった、役に立ったという方は、ぜひチャンネル登録、いいね、SNSでシェアをお願いいたします。 本日は以上になります。 どうもありがとうございました!! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

アマゾンと税関局、コピー品対策で覚書!取り締まり強化。 | 物流ニュース・物流ラジオ

アマゾンと税関局、コピー品対策で覚書!取り締まり強化。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は7月4日付の海事新聞から、「アマゾンと関税局、模倣品の水際阻止で覚書。取り締まり強化」についてお話していきたいと思います。 2022年7月4日イーノさんの物流ラジオ 模倣品への取り締まり強化 アマゾンジャパンは6月30日、財務省関税局と模倣品などの知的財産侵害物品の水際取り締まりに関する協力関係強化で、覚書を締結したと発表しました。 水際での模倣品業者の特定や悪質業者の取り締まりをより効率的に行い、模倣品などの国内流入防止をより一層強化するとのことです。 関税局とEC事業者の協力 財務省関税局がEC事業者と覚書を締結するのは初めてのことです。 両者は今後協力関係の強化方法について共同で検討し、税関が差し止めた模倣品や、関連する模倣品業者などに関する情報交換を進めていく方針です。 税関がコピー品を販売している業者の情報をアマゾンと共有し、アマゾンは自社で販売できないようにするような形ではないかと思います。 アマゾンの模倣品対策 アマゾンではさまざまな模倣品対策に取り組んでいて、2021年には模倣品対策のための活動に9億ドル以上を投資しました。 更に、模倣品撲滅を目的としたブランド保護のツールとサービスを日本でも提供しています。 模倣品対策 インターネットの普及と国境をまたいだECの拡大に伴い、模倣品などの流通は大きな問題になっています。 財務省関税局によると、ECプラットフォーム事業者が提供するサービスを介して貨物が急増しました。 税関職員の数が限られる中、増加する貨物の取り締まり強化が急務になっているということです。 最近のコピー品は精度が高すぎて、見分けが難しい場合もあります。 難しいところですが、コピー品はつかまされたくないので、こういった官民連携は良いなと思います。