投稿日:2020.03.19 最終更新日:2025.11.28
保税倉庫 – タイのFreeZoneとBonded Warehouseの違いを解説!IORとEORを利用して貿易をフレキシブルにしましょう。
加工貿易をする時や貨物を保税状態で国内に保管するときに使われるのが保税倉庫です。タイでは保税倉庫として使われる倉庫がBondedとFree Zoneの2種類があります。
筆者としても保税倉庫と言えばBonded Warehouseだろうと思っていたのですが、昨今のタイでの物流ではFree Zoneの倉庫が主流となってきています。
ではBondedとFree Zoneはどのように違うのでしょうか?
ほとんど同じでしょ?って思ってた。。
実は結構違うんです。今回はタイにおけるBondedとFree Zoneの倉庫についてご説明をしていきたいと思います。
- タイにおけるBonded WarehouseとFree Zone Warehouseの基本的な違い
- 保管期間・税金の支払いタイミング・出庫量など、実務上の重要な相違点
- IOR(輸入者扱い)・EOR(輸出者扱い)を活用した、タイ法人なしでの貨物取引方法
- Free Zoneを活用することで得られる柔軟性とキャッシュフローのメリット
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)
2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!
BondedとFree Zone 倉庫の違いとは
それでは以下にそれぞれの保税倉庫の特徴について羅列します。
| 比較項目 | Bonded Warehouse | Free Zone Warehouse |
|---|---|---|
| 保管期間 | 最大2年 | 2年 + 1年延長可能 |
| 国内貨物 | 入庫不可 | 入庫可能 |
| 税金の支払い | 入庫時に全額支払い | 出庫時に出庫分のみ支払い |
| 出庫量 | 入庫時と同じ物量を出庫する必要あり | 必要な分だけ出庫可能 |
| IOR / EOR | - | 使用可能 |
これだけやったら良く分からんなあ。
ご安心ください。それでは更に詳しく見ていきましょう。
BodedとFree Zoneの保管期間
保管期間は分かりやすいですよね。Bondedの倉庫は最大1年間の保管期間の制限があり、Free Zoneにはそれがありません。
長期的に保管する必要があればFree Zoneを使用した方が良いですね。
国内貨物の入庫について
Bondedは国内貨物を倉庫内に入れる事は出来ません。外国から来た貨物のみ保管することが可能です。
一方、Free Zoneは国内の貨物も入庫可能です。このメリットは国内の貨物と外国から輸入したFree Zone内の貨物を組み立てたり、箱の詰め替えが出来たりする事です。
Bondedだと国外の貨物だけで組み立てなどが可能ですが、Free Zoneの方がよりフレキシブルですね。
ちなみに保税区で組み立てられた貨物のHS Codeは変わらないよ。製造業ではなく倉庫業だからね。
税金の支払いタイミングについて
Bondedは外国からの貨物を入庫した時点で全ての関税・消費税を支払わなければいけません。
一方でFree Zoneでは倉庫に入庫した時は税金を払う必要がなく、国内に出庫した時に出庫した分だけの税金を払うことが出来ます。
外貨→内貨にした時に税金を支払うんだ。
それはキャッシュフロー的に助かるな!
出庫量について
Bondedでは海外から輸入した分を、そのままの量で出庫しなければいけません。例えば貨物を100ton入庫したら、出す時は100tonでなくてはいけません。50tonなど分けて出庫してはいけません。
FreeZoneでは出庫したい分だけを出庫することが出来ます。また上述したように出庫した分のみの税金を払えばOKです。
IORとEORについて

特定の倉庫業者のFree ZoneではIORとEORが使用可能です。これにより海外の企業はタイに会社がなくても貨物の輸出入が可能となります。詳しく見ていきましょう。
IOR – Importer of Recordとは
IORを使うことによりタイに法人がなかったとしても輸入手続きが出来ます。Free Zoneの倉庫業者を利用することで輸入者扱いになってくれるのです。
輸出国:日本
輸入国:タイ
Shipper: 株式会社ジャパン
Cnee: On behalf of 株式会社ジャパン
Invoice Value: USD 0
輸入した貨物は保税倉庫に保管されます。もしタイの国内に輸入をしたい時(内貨にする時)は出庫手続きをするのですが、この時に関税と消費税を受け取り人が支払います。
倉庫業者ですで保管が目的なので倉庫に入庫する時はInvoice Valueはゼロで申告します。出庫してタイの内貨にする時に正規のInvoiceの金額で申告することになります。
輸入ライセンスがないタイの会社も利用出来るらしいよ。
EOR – Exporter of Recordとは
IORでFree Zoneに輸入した貨物を再輸出する時に、タイに会社がなかったとしてもFree Zoneの倉庫が輸出者扱いとなってくれます。
先ほどの例を使って説明しましょう。
輸出国:タイ(Free Zoneに保管)- 輸入時のShipper: 株式会社ジャパン
輸入国:アメリカ
Shipper: On behalf of 株式会社ジャパン
Cnee: アメリカン Co.,Ltd
Free Zoneで加工・梱包などをして他国に輸出する時に現地に法人を用意する必要はありません。Free Zoneの倉庫業者がIORやEORでサポートしてくれるので安心です。
海外の会社からしたらこれは便利なサービスやな。
タイでの保税倉庫利用や国際物流に関するご相談は、
実績豊富な当社の専門スタッフにお任せください。
まとめ
Bondedの倉庫よりFree Zoneの方が機能的に優れているのがお分かりになったでしょうか。「保税」以外の機能を理解して倉庫を使いこなす事は大切だと思います。
タイでFree Zoneの倉庫が必要なさいはお問い合わせを頂ければと思います。
