
2022.10.21
2023年から2024年でコンテナ船の供給船腹量、排ガス規制と老齢船スクラップにより15%減!
どうもこんにちは、飯野です。 本日は、10月21日付の海事新聞の記事から、「コンテナ船 供給船腹量、23―24年に15%減を見込む」についてお話していきたいと思います。 2022年10月21日イーノさんの物流ラジオ コンテナ船供給船腹量、15%減少 コンテナ船の供給船腹量は2023―2024年にかけて、環境規制や減速航行などによって最大15%程度減少する可能性があるとコンテナ船アナリストによる分析で明らかになりました。 これまでは2023年以降、新造コンテナ船の竣工ラッシュが続くため、供給船腹量は確実に増加するとみられていました。 ただ、EEXI(既存船の燃費性能規制)などによる規制で減速航行が進み、結果として供給船腹量は減少するとの見方が強くなっています。 新造船竣工ラッシュ 米ジャーナル・オブ・コマースは、コンテナ船アナリストの国際会議での発言を引用しつつ、2023年以降のコンテナ船供給船腹量の動向について分析しています。 世界のコンテナ船腹量は今後2年間で8―9%増加する見通し。 英クラークソンによると新造船竣工量は、2022年は86万TEUほどで、2023年は351万TEU、2024年以降は227万TEUと急激に拡大するとのことです。 新造コンテナ船の竣工ラッシュが続くことになります。 需要の低迷 一方で貨物需要はコロナ禍による巣ごもり需要の一服や、世界経済の低迷もあり、2023年以降は減速すると想定されています。 このため、大量竣工による供給増を貨物需要の伸びが補えず、需給バランスが悪化する可能性が何度も指摘されてきました。 EEXIの適用開始 ただ、2023年1月からはIMO(国際海事機関)のEEXIの適用開始に伴い、世界の供給船腹量に対して10%の削減効果が発生。 さらに、老齢船のスクラップによる削減効果が5%上乗せされるとアナリストは分析し、「2023―2024年は新造コンテナ船による竣工ラッシュが続くものの、老齢船のスクラップと環境規制の二つによって供給船腹量の増加は大幅に抑制される」と語っています。 老齢船のスクラップ増 コロナ禍による混乱でコンテナ運賃市況が高騰した過去2年間、船腹需要が高かったためスクラップ船はほとんどない状況でした。 今後はコロナ禍で無理して使っていた老齢船の大量スクラップが予想され、例年よりも既存船の削減効果は大きくなる模様です。 CO2排出削減への対策 EEXIは、IMOの2030年GHG排出削減目標のための短期対策として採択された技術アプローチであり、船に対してのトンマイル当りのCO2排出を数値化して、規制します。 本船のEEXIスコアが規制値に達していない場合は、エンジン出力の制限や省エネ技術の導入などの対策が必要となります。 対策としては、多元燃料エンジンに変える、燃料を変える、排ガス洗浄装置のスクラバーを取り入れるなどがあります。 古い船にも投資をしないといけなくなり、それであればスクラップにしよう、という流れに向かっています。 スクラップによる供給スペース減 過去2年は船のスペースが足りなくてスクラップにはできませんでした。 これにより、そこまで船の供給スペースは増えないとも考えられますが、これも蓋を開けてみないとわからないような気がします。 また新しい情報があったらアップデートしていきます。