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貿易コラム

トレードワルツ、5ヵ国間で貿易プラットフォームの連携!貿易手続き効率化へ。 | 物流ニュース・物流ラジオ

トレードワルツ、5ヵ国間で貿易プラットフォームの連携!貿易手続き効率化へ。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、4月27日の海事新聞の記事から「トレードワルツが5カ国間で貿易PFを連携」についてお話していきたいと思います。 2022年4月27日イーノさんの物流ラジオ トレードワルツ、5ヵ国連携 貿易情報連携プラットフォーム(PF)を運営するトレードワルツは、日本とタイに加えて、シンガポール、豪州・ニュージーランドの5ヵ国の貿易PF間でシステム連携する実証を行うと発表しました。 これは経済産業省の「インド太平洋地域サプライチェーン強靭化事業」に採択されたもので、通関業務の効率化を実証するものです。 対象とするPFは、タイの「NDTP」、シンガポールの「NTP」、豪州・ニュージーランドの「トレードウィンドウ」、日本のトレードワルツです。 通関の元情報となる実ビジネスの商流電子データをPF間で連携させるということです。 トレードワルツのプラットフォーム トレードワルツのプラットフォームは貿易実務を電子化するためのものです。 貿易取引では1つの案件を輸送するのに関連業者も多く、紙が多いです。複数の関連業者に共通の証明書として提示するものが必要で、これまではそれが紙でした。 トレードワルツはブロックチェーンを使って、データを書き換え出来ない状態になっています。 トレードワルツのプラットフォームは、各関係会社のデータを、APIを解放して繋げているため、一つの共通のプラットフォームで貿易手続きが出来るようにしています。 それが今回の国をまたいでの貿易のデジタル化の実証に繋がります。 貿易手続き効率化へ 5カ国での貿易PFの連携に加え、TradeWaltzと商工会議所のシステムとの接続を通じ、デジタルデータで発行された原産地証明書(eCO)のデータをTradeWaltzに取り込み、相手国の実務者、または貿易PFに連携する動きもあります。 これにより、輸入国税関での貿易手続きの効率化も目指しています。 これまではeB/Lという電子化されたB/Lを使いましょうという取り組みがありました。しかし、実務ではそんなに浸透している感じはせず、まだオリジナル原本やPDFを使っています。 同じく原産地証明も原本で扱っています。日本ではコピーで対応した経験はありますが、タイでは基本的にコピーはダメという認識です。 データ管理の必要性 プラットフォームにデータ管理することは、個人的には絶対に便利だと思います。 いちいちメールでPDFを送るより、共通のプラットフォームを開いて、そこに必要な情報を落としていけば、情報は整理されて残ります。 今回は国を超えてのデジタルプラットフォームの連携の実証ということで、今後どのように進んでいくのかが楽しみです。 またデジタル情報もアップデートしていきたいと思います。

ATAカルネについて | 輸送・ロジスティクス

ATAカルネについて

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 本日はATAカルネについて解説していきたいと思います。 ATAカルネとは 通関業者の方はカルネと言う言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、一般的にあまり馴染みのない単語かもしれません。 ATAカルネについてどのようなものか知っておくと、これは普通の輸出入をするのではなく、カルネを使ってみてはどうかとか思いつくチャンスがあると思います。 それでは行ってみましょう。 まず、ATAカルネとは何でしょうか。 ATAとは、「一時輸入」を意味するフランス語と英語の頭文字を組み合わせたものです。 ATA条約という一時輸入のための通関条約があり、カルネとはフランス語で手帳を意味します。 つまり、手帳に記載された品物を有効期限内に再輸出することを条件とした、一時輸入するための通関手帳のことです。 ATAカルネの一時輸入は、職業用具、商品見本などの物品を外国へ一時的に持ち込む場合に、外国の税関で免税の一時輸入通関が簡単にできることを指します。 例えば、検査に使う高額な機械をハンドキャリーで、他の国に持って行くとします。 この場合、自社の機械なのに、持って帰る時に高い税金がかかっては困る時に、ATAカルネを使用すれば税金はかからず、スムーズに輸入できるようになります。 一般的に、輸入の手続きには関税や輸入消費税が発生します。 その通関手続きを簡略化出来る書類がATAカルネなのです。 日本から他国に輸出し、その品物が戻ってくる時のように一往復で使用する場合もありますが、日本からA国に行き、次にB国へ輸出され、またC国に輸出されるように、品物が転々としていくときにも使用が可能です。 カルネの種類 カルネには、ATAカルネとSCCカルネがあります。 ATAカルネは世界主要国約100カ国が加盟しており、加盟国の間で一時輸入をする際に使用します。 SCCカルネは台湾と日本の2カ国間で使用できます。 ATAカルネの使用 ATAカルネを利用する場合は、「日本商事仲裁協会」という輸入税を保証してくれる社団法人にATAカルネを発給してもらいます。 この協会に品物を登録し、ATAカルネの申請・発給がされれば、税関にこのATAカルネを提出することで輸出入の申告ができ、期間内の輸出入であれば免税されます。 ATAカルネの発行手数料 ATAカルネの申請には、発行手数料がかかります。それ以外にも担保の提供や担保措置料の支払いが必要です。 担保を提供することで免税を受けることができるので、期限内に再輸出が出来ず、輸入税が掛かる場合はこの協会が代わりに支払いをしてくれます。 ATAカルネの使用 一時輸入に便利なATAカルネですが、カルネが認められる用途というのは決まっています。 ・展示会、国際的な催し、国際会議 ・職業用具 ・商品見本市 ・1年以内に日本に品物が戻ってくること ・持ち込もうとする国がATA条約に加盟していること また、使えない条件もあります。       ・日本へ持ち帰らないもの ・輸出時と形状・性質が変化するもの ・消耗品や食品、価格が0円のもの ・修理や加工を施すもの ・各国の法律で輸出入不可のもの ・大型掘削機など自然破壊に通じるもの 利用するためには基準を満たしているか、使えない条件に入っていないかを確認しましょう。 カルネ申請の流れ それでは、カルネ申請の流れを見ていきましょう。 まずは、カルネを使用できる国なのか、使用できる品物なのかを「日本商事仲裁協会」に連絡をして確認します。 次に「日本商事仲裁協会」のホームページから申請します。 1.会員の仮登録をします。登録申請書と印鑑証明などを協会へ送るとカルネ電子申請システムの通知書が簡易書留で送られていきます。 2.オンラインでカルネの申請をします。 3.審査が完了すると発給予定日と発給料金の連絡があります。 4.料金を振り込めばカルネが発給されて送付されてきます。 カルネ発行手数料 ここで発行手数料についてご案内しておきます。 発行手数料は¥14,000からで、それに加え担保提供が求められます。担保料または担保措置料とよばれるものです。 担保料は品物代の30%ぐらいが多いですが、品物が高額な場合は担保措置料として品物1,000万円につき約3,0000円となっており国や物品表の総額によって料金が違います。 カルネの提出 実際使う時はATAカルネを税関に提出し、税関から輸入許可の記載をもらいます。 職業用具などを携帯して持っていくときはカルネ使用者の方が税関に提出し、別に品物を送る場合は通関業者が税関にATAカルネを提出し、通関手続きをします。 ATAカルネを使い終えたらそのカルネを日本商事仲裁協会へ返納すると、担保料のみが返還されます。 まとめ いかがでしたか?今回はATAカルネについて解説してきました。 ATAカルネは再輸出することを前提に、一時輸入の時に免税できる制度のことです。 カルネは輸出入をする前に申請・準備をしなければなりませんが、実際の輸出入の際には通関書類の準備が必要なく、輸入税がかかりません。 簡単に免税できる制度なので、上手く活用していきましょう。 日本商事仲裁協会のホームページでも申請方法や活用方法の動画を公開していますので、概要欄にリンクを貼っておきます。 JCAA / 日本商事仲裁協会 | カルネセミナー第2弾「オンライン申請利用登録方法と申請手順」 JCAA / 日本商事仲裁協会 | 輸入税等が免税となるATAカルネ(通関手帳)をぜひご活用ください! 今回の動画がためになったという方は、チャンネル登録、いいね、SNSでシェアをお願いいたします。 今回は以上になります。どうも、ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

北米の1-3月期、堅調な需要!第2四半期は挑戦的な貨物量予想。港湾厳しい状況。 | 貿易実務の基本

北米の1-3月期、堅調な需要!第2四半期は挑戦的な貨物量予想。港湾厳しい状況。

どうもこんにちは、飯野です。 本日はjoc.comの記事から、「第1四半期の米国でのアジアからの輸入は、消費者需要の減速を示していない」についてお話していきたいと思います。 2022年4月26日イーノさんの物流ラジオ 第1四半期のアジアからの輸入 第1四半期における米国のアジアからの輸入の伸びは、インフレ上昇の警告や、サービス支出への回帰がまだ具体化していないにもかかわらず、消費者需要が引き続き堅調であると記事は報じています。 データでは、2022年1~3月の第一四半期の総輸入量は、すでに記録を更新した昨年の第1四半期から2.7%増加し、162万TEUとなりました。 記録を更新した去年よりもまだ伸びています。 東海岸の市場シェア増加 またこのデータでは、現在ではアジアからの輸入で東海岸とメキシコ湾岸の市場シェアが増加し、それに伴い西海岸の市場シェアが減少しています。 これは今年、西岸港湾では、ILWU(西岸港湾労働組合)とPMA(太平洋海事協会)の間で労働協約の交渉があるため、小売業者が輸入の一部を西海岸から東海外へシフトしているためです。 そして、2022年3月のアジアからの米国輸入は、前月2月から4%増加し、3月も伸び続けています。 ターミナルは今後も苦戦を強いられるだろうとのことです。 第2四半期は挑戦的な貨物量 全米小売協会は、今年の第2四半期(4月〜6月)の輸入量が、前年比で増加、または横ばいとなった場合、米国の港は港湾関連のサプライチェーンに対して挑戦的な貨物量と争うことになると予測しています。 第二四半期での厳しい状況を懸念しています。 全米小売協会が発行する Global Port Tracker の、4月7日のレポートで「港湾は 1 年前ほど圧倒されてはいないが、記録的な量の貨物のハンドリングに著しく忙殺されている」とあります。 去年に比べて港湾の状況はマシになったとはいえ、まだまだ忙しいようです。 インフレとエネルギー価格高騰 北米西岸港湾では1年前はアジアからの輸送で過去最高のコンテナ取扱量でした。 現在、輸入の伸びは緩やかになっていますが、米国の港湾は、アジアからの輸入量の新たな上昇基調に適応しなければいけません。 今年のアジアからの第1四半期の輸入量は、米国ではパンデミック前の2019年の第1四半期と比較して、31.1%増加しています。コロナ前より輸入量が多くなっており、今年の第一四半期では需要は落ちていないどころか、伸びています。 ウクライナ侵攻が2月末から始まり、2022年1月から原油価格は上がり続けています。 北米のインフレとエネルギー価格の高騰で、どれだけ需要が抑えられるかがポイントです。 記事にもあったように第二四半期が、横ばいでも、1−3月期で需要が伸びているため、北米の港湾は厳しい状況になりそうです。 引き続きマーケットを見ていきたいと思います。

北米メーカー、ニアショア戦略が不発か?サプライチェーン改革実現遠く。製造拠点シフトへの課題。 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米メーカー、ニアショア戦略が不発か?サプライチェーン改革実現遠く。製造拠点シフトへの課題。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事から「北米企業が、生産拠点の近接化に苦慮」についてお話していきたいと思います。 2022年4月21日イーノさんの物流ラジオ ニアショア戦略 サプライチェーンが世界中で乱れて、欧米諸国では生産拠点をアジア・東南アジアではなく、自国に近いニアショア戦略を取ろうとしています。 以前の放送でもお伝えしましたので、リンクを貼っておきます。 北米メーカー、メキシコ・中南米からの調達増加!アジア地域からの仕入れ減少。生産拠点をより自国の近くへ。 専門家によると、それは生産に関する問題を身近なものにするだけかもしれないと、専門家は指摘しています。 製造拠点のシフトの困難さ サプライチェーンの乱れがあったため、米国の輸入業者はアジア太平洋地域からメキシコ、さらに中南米へと調達のシフトを検討しています。 しかし、中国や東南アジアなどの製造拠点で、既に確立された適切な原材料、生産品質、独自の部品を調達するネットワークを持つサプライヤーをメキシコや中南米で見つけることは簡単ではないようです。 ニアショア戦略のもとで現在の生産能力を再現し、サプライヤーを再形成するには、何年もかかると専門家は指摘しています。 また、ある専門家は「中国は、基本的な部品から高度な部品まで、あらゆる種類のナットやボルトの唯一最大の市場であることは否定できない。このようなエコシステムは、世界のどの国でも再現することは不可能」と述べています。 生産のインフラ フロリダ州拠点を置く寝具メーカーは、サプライチェーンの混乱に備え、メキシコや中米からの調達を検討しています。 しかし、それほど高価でない綿や合成繊維などを、現在の調達先である中国、パキスタン、インドで大規模に生産されている生地と比較すると、素材を手に入れるのに苦戦している模様です。 担当者は、ラテンアメリカ(メキシコとか中南米)では、「現在の中国・インドなどのグレードの材料を低コストで生産するためのインフラが中南米にはまだない。」としています。 新しい生産拠点への投資 更に、「ニアショアと地域調達の開発の一環として、資金投入と原材料の入手可能性に目を向ける必要がある」と続けています。 中国やインドなどでは、大量生産しているため、コストが安くなっていますが、中南米では、まだそれほどの生産量がありません。現時点では品質も低く、価格も高いのが現状です。 長年にわたって構築されたサプライチェーンを変更するには、特に原材料や、部品の入手や輸送の面で、複雑な作業となるだろうということです。 メキシコへの製造拠点シフト メキシコシティに拠点を置くコンサルティング会社は、この1年で「ニアショアを試みる北米のクライアントの数が驚くほど増えた」と述べています。 事実として問い合わせは増えているようです。 メキシコは米国に近く、既存の製造インフラや貨物輸送網が整備されていることから、新しい生産地としてのターゲットとして選ばれています。 アジアの製造拠点の再現 そのメキシコのコンサル会社が、米国の製造業経営者を対象に行った最近の調査があります。 70%が製造拠点のメキシコ移転を計画、検討、または期待しているにもかかわらず、すでに移転しているのは17%に過ぎませんでした。 「多くの企業は、メキシコの生産能力が逼迫していること、更にプラスチック製品の高価な金型は中国から輸入する必要があるなど、多くの企業で特定の設備や部品が現地で作れないことが分かってきた」とメキシコのコンサル会社の人は発言しています。 メキシコの生産能力はまだ高くないため、すぐに逼迫するのかもしれません。更に、まだ技術も中国に比べて高くはなく、作れない部品もあります。 ある北米のメーカーは、メキシコという「選択肢はない」と述べています。 アジアの製造拠点に見られるようなサプライヤーネットワークや原材料の入手しやすさを再現するには、何年もかかるかもしれないと記事は報じています。 中国の品質は現在では十分に高いですが、ひと昔前はそうでもありませんでした。ネット通販している知り合いは、中国からの輸入品の7割が不良品だった時もあると言っていました。 しかし今は変わり、だんだんレベルが上がってきています。 例えば電気自動車関連では、優秀な人材を破格の待遇で引き抜いているようです。基本的にはお金が集まるところに優秀な人材も集まり、製品のレベルが上がっていきます。 今後のマーケット メキシコや中南米はまだまだこれからで、今後、投資が進むかもしれません。 すぐに生産地が切り替わるということはありませんが、今はそういう流れで進んでいます。 今後どのようにマーケットが変化していくのかはわかりませんが、こういう時はある種のビジネスチャンスなので、メキシコを攻めるのもありかもしれません。 今後も情報をアップデートしていきます。

上海シャットダウンが中国で物流の機能不全引き起こす。国際物流へも影響。 | 物流ニュース・物流ラジオ

上海シャットダウンが中国で物流の機能不全引き起こす。国際物流へも影響。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、「中国の物流が機能不全、上海の日系の7割が停止」についてお話していきたいと思います。 2022年4月20日イーノさんの物流ラジオ 上海ロックダウンで物流機能不全 上海のロックダウンで上海市と周辺の物流が機能不全に陥っています。 上海日本商工クラブが会員企業約70社を対象に4月9日〜12日にアンケートを実施し、うち53社から回答を得ました。 まず、「上海市と市外との物流が停止している」という回答がありました。 物流停止の大きな要因はトラックドライバーの不足、省を越える場合のPCR検査やドライバーの隔離にあると回答がありました。 たとえトラックを手配できても、地区の封鎖や作業員不足で「出荷が現実的でない」との声も上がっています。 多くの企業で、貨物の発送も受け取りもできず、サプライチェーンが寸断されているとのことです。 各所への影響 ドライバーだけでなく、荷役作業員も不足しているため、上海の港湾・空港ともに稼働が大きく落ちています。 中国国内だけでなく、国際物流が完全に停止していると回答した企業もあります。 一部動いていても、遅延などもあり、「この状況が継続すると、国際物流が機能停止し、貿易に甚大な影響を及ぼすことになろう」とアンケートで危惧した回答もありました。 航空便への影響 他には、航空便にも影響が出ています。 日本発、上海向けの航空便のスペースは通常時の約半分に減少し、空港からの貨物搬出も難しく、上屋内の貨物の滞留が深刻化しています。 上海港への影響 更に、上海港でも貨物の滞留が続いている模様です。 到着した船が出発港に戻るケースがあるほどで、上海近辺の港のキャパシティーも限界との回答もみられました。 このほか、一部では通関も停止し、上海港の現状を「実質閉鎖」とする声もあがっています。物流機能の混乱は全国に広がっていると記事は報じています。 工場への影響 アンケートでは工場の操業を停止していると回答もあり、中国国内外での生産にも支障が出始めています。 製品の生産・納入ができず他地域の同業他社に販路を奪われるケースも出てきています。これに伴い、生産を他地域や中国国外へ振り替える動きがあります。 チャイナリスク再び? 数年前のチャイナリスクに備えた第二の動きの可能性も出てきました。 前回は生産をタイへと移しましたが、次は個人的にはベトナムだと思っています。タイは人件費が高くなっていますので。 上海のロックダウンが開けたら、もしかしたら停留している貨物が動き出すかもしれませんし、生産も開始し、スペースが取りにくくなるかもしれません。 引き続き、情報を取りながらアップデートしていきたいと思います。

北米でトラック運賃価格が下落!インフレによる買い控え懸念。日本への影響は? | 物流ニュース・物流ラジオ

北米でトラック運賃価格が下落!インフレによる買い控え懸念。日本への影響は?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、WSJの記事から「貨物輸送の需要低迷により、トラック輸送への需要減」についてお話していきたいと思います。 2022年4月19日イーノさんの物流ラジオ 北米トラック需要減 北米でのトラック需要が落ち着きつつあります。これまでシャーシ不足、ドライバー不足が北米の物流の目詰まりの原因でした。 トラック輸送のスポット運賃が下落し、市場のアナリストも評価を下げつつあります。 トラックスポット運賃の下落 3月の国内輸送需要の指数は前月比0.6%増と、成長に鈍化がありました。同時に、運賃も最近の歴史的な高水準から引き下げられつつあります。 輸送需要量とトラック積載量のバランスが取れてきているため、運賃が下がってきています。 アメリカのバンク・オブ・アメリカ・コーポレーションのアナリストによると、燃料サーチャージを除く、トラックのスポット運賃は12月以降で37%も低下しているとのことです。 過去1ヶ月では27%低下となり、直近でかなり下がっています。 運賃のピーク過ぎる トラック輸送アナリストは「運賃の値上げを期待できる時代は終わったと言っていい」と述べています。 また、アメリカのブローカーの担当者は、「現在、輸送のキャパ不足のため高額な契約を結んだ荷主も、市場の変化に合わせて、より低い運賃を求めて契約を破棄しつつある」と述べています。 実際に低い運賃が出てきてはいます。 同氏によると、大手のトラック運送会社の輸送は依然として高い需要があるものの、「今後、ここ2、3年のような盛り上げはないだろう」としています。 運賃のピークは過ぎたようです。 北米のインフレ ある小口混載貨物輸送会社は、トラック輸送の大部分を占める、消費者向けの貿易がインフレにより縮小していると述べています。 北米では現在かなりのインフレです。3月のCPI(消費者物価指数)が前年同月比8.5%の上昇で、物価上昇は約2%上昇が理想とされている中、かなりの高さです。 変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は前年同月比6.5%上昇、前月比ではCPIは1.2%上昇、コア指数は0.3%上昇でした。 ウクライナ情勢によるエネルギーの上昇 エネルギーと食料品は、北米でかなり物価が上昇しています。ウクライナ情勢により、ガソリンは48.0%上昇(多分前年比)、前月比でも18.3%上昇しています。 食品は4月17日のイースター祭を前に卵の需要が拡大していて、各州で鳥インフルエンザ発生が確認されており、卵製品価格が上昇している状況です。 運輸アナリストが、インフレやロシア・ウクライナ戦争の影響の逆風が、好調な成長期を終えたところに課題を突きつけると指摘していると、記事は締めくくっています。 経済の流れ コロナで始まった物流の目詰まりによる運賃が上昇し、北米での需要回復による物価上昇しました。更にウクライナ侵攻による、エネルギー価格の高騰で北米での物価がかなり上がりました。 ガソリン代、電気代、食品代が上がれば、買い控えが増えるのではないかとおもいます。 実際にコア指数の伸びは鈍化があって(前月比0.3%増)、需要が少し抑えられる気もします。 日本への影響 FRBは今年利上げを7回行います。 利上げも関係しますが、今のように生活コストが上昇し、ローンを使って購入する住宅や自動車の買い控えが進んで、需要が下がれば貨物の動きも下がります。 そうすれば、物流の目詰まりは解消に向かいます。 日本としても、アメリカのインフレが落ち着いて、利上げが小さければ、円安に大きく影響しない可能性もあります。 このままでは、日本では輸入品が円安でどんどん高くなっており、生活だけでなく、経済的にも厳しい状況に来ています。 給料が上がらない中、原材料のコスト高で物価が上がっています。これを「スタグフレーション」と呼びます。 経済は色々と繋がっているので、引き続き情報を発信していきます。

2022年4月20日〜22日、日本最大の海事展示会 SEA JAPAN、4年ぶりの開催! | 物流ニュース・物流ラジオ

2022年4月20日〜22日、日本最大の海事展示会 SEA JAPAN、4年ぶりの開催!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、「日本最大の国際海事展示会 Sea Japan」についてお話していきたいと思います。 2022年4月18日イーノさんの物流ラジオ 4年ぶり、国際海事展示会開催 2022 年 4月20日から22日、日本最大の国際海事展 Sea Japanが4年ぶりに東京ビッグサイトで開催されることになりました。 展示会には、ジャパンパビリオンをはじめ、既に350社を超える出展社の参加が決定しており、大型の業界イベントがコロナで制限されてきて、久々の開催に業界関係者からの期待が高まっています。 メインテーマと諸問題 今回Sea Japanのメインテーマを「ゼロとデジタルの時代へ」とし、造船、海運、舶用機器のそれぞれの分野でのゼロエミッションとDXに関連する取り組み、最新の技術や戦略を紹介していきます。 世界規模での環境保護対策が進められており、日本では2028年までの「ゼロエミッション船の商業運航」を目指して業界をあげた取り組みが展開されています。 また同時に、海事産業が抱える海難事故の減少、個人輸出入の拡大による貿易ニーズの増加、労働環境の改善、労働力不足などの諸問題へ対応していきます。 対応策としては、自律運航、自動運行、遠隔検査、IoT、AIなどデジタル技術を活用したDXの推進などがあり、業界にとっての欠かせない課題となっています。 ジャパンパビリオン 展示会ではメインテーマに沿った、企業出展やイベントが行われます。 今回の Sea Japan で展示ホールの中央部には、巨大な「ジャパンパビリオン」が設置されます。 この中には2つのゾーンがあり、国土交通省をはじめ産官学の団体で構成された「テーマゾーン」と一般社団法人日本舶用工業会の会員企業の「メンバーズゾーン」です。 テーマゾーン テーマゾーンでは、10のテーマに係る日本の最新技術や製品を紹介します。 テーマは、海運、造船、フェリー、ゼロエミッション、海洋開発・洋上風力利用、DX・自動運航などを発信していきます。 メンバーズゾーン またメンバーズゾーン には日本の舶用メーカー64社が出展し、国内最高峰の舶用技術製品、サービスを発表します。 展示会なので、自社の製品をお披露目して商談につなげますが、今回はオンラインでのマッチメイキングでの商談会も行うので、遠方からも参加できます。 僕はYouTuberとして、取材にいこうと思っています。 YouTubeはラジオを合わせたら、日本語チャンネルが1.1万人、英語チャンネルが6.5万人の登録者がいます。 日本と海外に日本最大の海事展示会を紹介できるので、楽しみにしています。

物流の2024年問題について。残業は年間960時間へ。 | 物流ニュース・物流ラジオ

物流の2024年問題について。残業は年間960時間へ。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、「物流の2024年問題」についてお話していきたいと思います。 2022年4月15日イーノさんの物流ラジオ 物流の2024年問題とは 「物流の2024年問題」とは、働き方改革関連法によって、2024年4月1日以降、「自動車運転の業務」に対し、年間の時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する諸問題の総称のことです。 どのような法律かというと、簡単にいうとドライバーさんの残業は年間960時間を上限にするということです。年間960時間はざっくりと計算すると、月に80時間、1ヶ月の労働日数を22日としたら、約3.6時間/日を上限にすることになります。 現在のドライバーの平均時間外労働時間 2020年に行われた「厚生労働省」の調査によると、大型トラックドライバーの”平均” 時間外労働時間は月間 35時間、中小型トラックドライバーは月間 31時間です。 これをみると、年間960時間、月間にすると80時間という制限は、十分クリアしていると思われるかもしれませんが、これはあくまで平均時間です。 通常月の時間外労働時間 厚生労働省が2020年10月から12月にかけて実施した別の調査によると、繁忙期ではない、通常月における1日の時間外労働時間は下記のような結果となっています。 ・時間外労働なし:20.8% ・1時間未満:12.7% ・1時間以上~4時間以下:48.1% ・4時間超~7時間以下:14.0% ・7時間超:4.3% 「4時間超~7時間以下」+「7時間超」=18.3%、約20%弱のドライバーさんの働き方は、2024年4月以降の基準の、残業960時間を超過することは確定となります。 ボリュームが多い「1時間以上~4時間以下:48.1%」の中にも、960時間を超過するトラックドライバーが含まれていると考えられます。 しかし、この厚生労働省の調査方法では問題があるともされています。 ・比較的企業規模の大きな運送会社が調査対象の割合として多い ・1社あたりの調査対象を、6名のみに限定している 以上によって、実態はもっと違うのではないかという見立てもあります。 実際の現場は 企業規模の小さな企業ほど労働環境は一般的に悪い傾向もあり、1社あたりの調査対象者を絞れば、結果が歪む可能性も高いです。 そうすると、もっと長時間労働をしているドライバーさんの割合は多いのではないでしょうか。 2024年4月以降、ざっくり毎日3.6時間以上の残業を上限とすることが決められています。 定時を9時〜17時とすると、毎日仕事が終わるのが21時くらいとなります。現在でも20%弱のドライバーさんがこの時間以上働いており、実態はもっと多いだろうとされています。 繁忙期であれば更に長い労働時間で働いている可能性も高くなります。個人的には、上限が決まってもまだ長いと感じます。 各運送会社の対応 この2024年問題を解消するために、長距離輸送を、リレー形式にしたり、フェリーやRORO船を使ったりすることが行われています。 高速道路の自動運転はもう少し時間がかかるので、できる限りの対応をとっているようです。 北米と日本の違い 北米や日本ではドライバーさんのなり手が少ないです。 しかし、北米の場合は、長時間労働ではありますが、賃金は高く、年収800万円を超えています。 よって北米は、ドライバーの年収も高いため、物流コストを最適化するためにスタートアップの会社が自動運転の技術開発を進めています。 しかし、日本の場合は、賃金はそれほど高くはありません。 厚生労働省の調べによると、残業代なし、ボーナスなしで換算すると年収320万円ほどとのことです。 同じドライバー不足でも、北米と日本では内容が異なっています。 人件費が上がらない日本 長時間労働を法律で規制しても、人件費は安いままなので、日本は複合輸送で対応しています。 よって、IT化が北米に比べて進まないのが現状です。これはドライバーだけの話ではなく、別の産業でも同じです。 これで先進国と本当にいえるのでしょうか。 安い人件費でなんとかしようという考えは、途上国と全く同じです。 現状を嘆いても仕方ないので、自分たちで出来るところで、変えていきたいなと思います。

なぜ日本の企業は脱炭素への取り組みが必要なのか?LCA規制への対応 | 物流ニュース・物流ラジオ

なぜ日本の企業は脱炭素への取り組みが必要なのか?LCA規制への対応

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、「なぜ日本の企業は脱炭素に取り組まないといけないのか?」というテーマでお話していきたいと思います。 2022年4月14日イーノさんの物流ラジオ SGL、CO2排出の可視化 海事新聞に、「SGLがCO2排出可視化する」という記事がありました。 住商グローバル・ロジスティクス(SGL)は、国際輸送でのCO2排出量の算定・可視化に取り組んでいます。 外部顧客へ 親会社の住商グループから受託する案件について可視化を完了させ、現在は外部顧客との連携を目指し、アジア域内輸送での可視化を進めています。 SGLの執行役員のグローバルロジスティクスの事業本部長は、「輸送自体がコモディティー化している側面もあり、商社系物流会社として新たな付加価値を創出していきたい」と語っています。 ヨーロッパのLCA規制 付加価値としての脱炭素の取り組みと記事にはありますが、それよりも脱炭素が必須になっているように思います。 ヨーロッパを中心に「LCA規制」というのがあります。LCAとはライフサイクルアセスメントの略で、製品やサービスが生まれてから廃棄されるまでのライフサイクルを通じた環境負荷を評価する取り組みです。 例えば、自動車であれば、原料となる鉄などを、製造、使用、メンテナンス、リサイクル、廃棄までの環境負荷を評価するということです。 火力発電が主な日本 どういうことかというと、具体的に電力エネルギーのことです。 日本は国内で作られている電力のうち、火力発電比率が約75%です。 電気を作るのに石炭を燃やしたりして、二酸化炭素を排出しており、よって、日本の電力で作った車(パーツなども含む)はLCA規制の対象となります。 車の製造段階でCO2を出しているため、LCAの規制対象になり、ヨーロッパで、日本で作られた車が販売できない、もしくは追加費用がかかることになります。 ヨーロッパで日本製に制限? ヨーロッパで「日本で作った車」が売れなくなります。 そのため、日本の企業は製造だけでなく、物流を含むサプライチェーン全体で『脱炭素』への対応を迫られることになっています。 よって、どの大手物流企業も脱炭素への取り組みを進めています。 LCA規制による雇用 ちなみに、このLCA規制で日本の自動車産業の雇用が100万人くらいの規模でなくなるかもしれないという話もあります。 なぜなら、LCA規制に準ずるために、日本の電力をカーボンフリーで自動車を作るか、自動車の生産をカーボンフリー電力でまかなえる海外工場で行うことになります。 日本は原発を止めており、太陽光、風力などのエネルギーはヨーロッパに比べてまだまだです。 トヨタの社長、豊田章男さんは「今のままだと海外で作るしかなくなる。日本の工場を閉めることになり、部品産業を含めたたくさんの雇用を失うことになる。」と述べています。 将来への取り組みとしての脱炭素 クルマがすべてEVになればいいというわけではありませんが、今現在は、世の中が脱炭素の方向に動いています。 単にイメージアップのために、脱炭素とかSDGsと言っている企業もあるかもしれませんが、脱炭素に取り組まないと将来的に商売がなくなる。というのが本質的なところではないかと思います。

CMA-CGM、GEFCOを買収。事業売り上げ2兆円へ!トータルロジスティクスを強化! | 貿易実務の基本

CMA-CGM、GEFCOを買収。事業売り上げ2兆円へ!トータルロジスティクスを強化!

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、海事新聞のニュースから、「CMA-CGM、欧州最大手の完成車物流のGEFCO買収。ロジスティクス大幅強化」についてお話していきたいと思います。 2022年4月12日イーノさんの物流ラジオ CMA-CGM、GEFCO買収 GEFCOの株主構成は、ロシア国営のロシア鉄道が75%、仏自動車メーカー大手のステランティスが約25%出資しています。 これをCMA-CGMがほぼ100%株式を取得とのことです。 非海運部門の強化 CMA-CGMは昨年末から、米情報機器販売大手のイングラム・マイクロの物流部門(CLS)や仏宅配業者のコリプリヴェなどの買収を発表しています。 2021年初には航空貨物部門を立ち上げるなど、非海運部門の強化を進めてきました。 ウクライナ侵攻の影響 現在、欧米諸国や日本などがロシアへの経済制裁を強めているため、産業界でもロシア資本との関係を断とうという動きが加速しています。 ウクライナ侵攻と同じタイミングで、GEFCOは株主構成が原因で事業が困難になっており、先月から経営陣による株式買い取りなどを検討してきたとのことです。 GEFCOについて GEFCOは、もともとはフランスの会社で、プジョーのブランドで有名なPSAグループであり、PSAが資金流動性を確保するために2012年にロシア鉄道に株式75%を売却しました。 2021年にPSAがフィアット・クライスラーと合併し、ステランティスになり、GEFCOの株式を25%保有している形になっています。 CMA-CGMによる買収が完了すれば、GEFCOは10年ぶりに仏資本に戻ります。 GEFCOの業績 通常、買収には関係各国当局の承認が必要ですが、今回は特別な手続きにより、欧州委員会が買収を即時に承認したとのことです。 GEFCOは、世界47カ国・地域に拠点を置き、従業員数は約1万1,500人の企業です。 直近の通年業績(2020年)は、売上高が前年比20%減の38億500万ユーロ(約5,150億円)でした。2020年上半期は、世界的な自動車減産があり、これが大きく響いたようです。 2020年は、完成車物流(FVL)が21%減、陸送・コントラクトロジスティクス(CL)が20%減、産業サービスが38%減、などいろんな部門での売り上げが下がっていました。 CMA-CGM、規模大幅拡大 CMA-CGMの2021年ロジスティクス事業売上高は109億ドル(約1兆3,500億円)でした。 今回、GEFCOを加えると、CMA-CGMのロジスティクス事業は単純合算で2兆円規模まで拡大すると記事は締めくくっています。 CMA-CGMはマースクと同じでロジスティクスを強化しており、一方でMSCやONEは海運にフォーカスしています。 この戦略の違いが今後、どのようになってゆくのか注目です。 これからの時代の流れは? 個人的にはテクノロジーを用いてトータルロジスティクスに攻める方がリスクは少なく、これからの時代にあっている気がします。 世の中がどのようになったとしても物流自体は無くなりませんし、コロナ前のような海上運賃には戻らないと思います。 海上運賃下がった時が海運だけにフォーカスしていると、リスクが高いような気もします。 まだ正解はわからず、海運に携わる人間として、この先がどのように時代が流れていくのか楽しみです。 情報を常にアップデートしていきます。