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貿易コラム

HMMジャパン社長のインタビューから考察、今後の海運市況について。 | 物流ニュース・物流ラジオ

HMMジャパン社長のインタビューから考察、今後の海運市況について。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞のニュースから、HMMジャパン社長へのインタビュー内容をお届けします。 2022年2月9日イーノさんの物流ラジオ HMMジャパンの社長へのインタビュー HMMは韓国最大の船会社で現在世界コンテナランキング8位の会社で、社長が崔起佑(Choi Gi Woo)さんという、51歳の方です。 船会社視点でのマーケットについてお話があったので共有していきたいと思います。 2021年を振り返って 「船社にとっては、運賃面では非常に良いマーケットだった。コロナ禍でも消費財などの需要は伸び、荷動きは極めて高い水準で推移していた」と振り返っています。 ローカル問題がグローバルに拡大 一方で、ロジスティクス全般においては、ローカルの問題がグローバルな問題に発展するというリスクを改めて実感したとのことです。 例として、 ・2021年3月末のスエズ運河座礁事故 ・北米、LA・LBの100隻規模の沖まち、ドライバー不足、労働者不足 ・アジアの主要港で、港湾混雑が悪化し、船のスケジュール乱れ この3つがローカルの問題から全世界に拡大していったものとして特に印象が強く残っています。 今後の見通し 今後の見通しについては、「海上運賃に関しては運賃指標であるSCFIでは短期的な下落はあっても、基本的に高止まりする」としています。 特に2022年前半は好調な市況が続く可能性が高いとおっしゃっています。 ローカル問題の解消 先ほど言ったような、港湾混雑などのローカルの問題が解消されない限り、グローバルなロジスティクスのボトルネックが残るため、事態は改善しない、と続けています。 よって2022年いっぱいは、この混乱した状況が続くのではないか、とのことです。 僕自身も本当にその通りだと思います。2022年いっぱいは混乱が続くと思った方がよいと思います。 スペースに関して 「日本はこれまで、船社にとって直荷主=BCOが多い『特別なマーケット』だったが、出荷の重心がアジアに移ったことで状況は変わった」と指摘しています。 日本のBCOは物流面において、同業他社ではなく、欧米の小売やEC大手などと戦わなくてはいけなくなりました。 厳しい競争相手 昔は日本国内で製造をしていましたが、グローバル資本主義の世の中になったので、製造拠点が海外に移っています。 製造コストのやすい中国・東南アジアなどへ移しています。それらの国では欧米の小売のウォルマートや、ECならアリババ、Amazonなどと戦わないといけなくなります。 とても厳しい戦いではないかと思います。 2022年の運賃交渉 「少なくとも2022年末までは、船社が主導するマーケットは続くだろう」としています。 船会社の海運周辺の拡大について 「大手コンテナ船社では、高収益を背景に、物流企業などへの出資など、事業多様化の動きが見られる」と指摘しています。 船社の成長戦略 HMM社長の個人的な考えとして今後の船社の成長戦略は3つあるとしています。 ・ロジスティクスプラットフォーム(PF)の構築  ・環境投資  ・M&A(買収・統合) というフェーズがあると考えてらっしゃいます。  このラジオでもこれらのポイントはかなり押さえて発信していると思います。船社の社長が3つに分けて成長戦略とお話したのはとても分かりやすかったです。 この記事を読んで思ったのは、このラジオで発信する方向性はあながち間違ってはいないので、引き続きこういう点を押さえておくのが重要だと感じました。 また、フォワーダーの視点や国際物流の僕ならではの視点でお話をしていきたいと思います。 引き続き、ラジオを宜しくお願い致します。

米国デジタルフォワーダー Flexport、9億3,500万ドル(約1,070億円)の資金調達に成功!物流のデジタル技術投資に加速。 | 物流ニュース・物流ラジオ

米国デジタルフォワーダー Flexport、9億3,500万ドル(約1,070億円)の資金調達に成功!物流のデジタル技術投資に加速。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、ウォール・ストリート・ジャーナルのニュースから、「フレックスポートが9億3,500万ドルの資金調達に成功」についてお話していきたいと思います。 2022年2月8日イーノさんの物流ラジオ Flexport社について アメリカのデジタルフォワーダーのFlexport社はテクノロジーを駆使した貨物輸送サービスを提供するスタートアップのフォワーダーです。 評価額80億ドルに引き上げ 今週の月曜日、シリーズEの投資ラウンドで、9億3,500万ドル(約1,070億円)を調達したと発表しました。これで評価額を80億ドル(約9,200億円)に引き上げました。 Flexportは2019年のシリーズD資金調達ラウンドでは、ソフトバンクグループのVision Fundから10億ドルの投資があり話題になっています。 物流業界のデジタル化 世界のサプライチェーンが混乱している中で、物流・貿易業務のデジタル化競争が進んでいます。 このようにフレックスポートの資金調達ラウンドは、Logistics テックのスタートアップへの投資を広げるものだと記事は報じています。 スタートアップの急増 ある分析会社によると、サプライチェーンの技術のスタートアップは2021年の第1~3四半期に調達した資金は243億ドルで、2020年の全期間より58%も多いということです。 物流のデジタル技術投資が増えています。 このラジオでもお伝えしていますが、海事新聞を見ていても、AIやプラットフォームのニュースを頻繁にみるようになってきています。 Flexportのビジネスについて Flexportは船社のスペースを借り、荷主さんにスペースを提供するフレイトフォワーダーです。 プラットフォームの活用 他社との違いは独自開発したデジタルプラットフォームを使っているところです。プラットフォームでは、価格の比較、トラッキング、Bookingができます。 他には、通関、倉庫オペレーション、航空機をチャーターもしたりしています。 金融への取り組み 面白いのは、保険と融資という「金融」もやっているところです。全米3位の資産価値がある、Wells Fargoという銀行が投資家の一人です。 輸入者などのキャッシュフローでの繋ぎ融資にもなり、IT企業のため膨大なデータがあるので、ローン審査などにもデータ活用をしています。 物流の周辺事業への展開 IT技術を活かして、物流の周辺の事業もするというのは、ちょっとしたヒントになるような気がします。 常に世界のトレンドを追いかけて知っている必要があると思います。 今後も色々とテック情報などをお伝えしていきます。

中国旧正月でもLA、LB港の回復は期待薄!状況変わらず。労働力不足、シャーシ、コンテナ不足続く。 | 物流ニュース・物流ラジオ

中国旧正月でもLA、LB港の回復は期待薄!状況変わらず。労働力不足、シャーシ、コンテナ不足続く。

どうもこんにちは、飯野です。 今日はJob.comのニュースから「LA、LB港の労働力不足により、旧正月での港の回復に期待薄」についてお話していきたいと思います。 2022年2月7日イーノさんの物流ラジオ 旧正月後、貨物減少せず 通常、旧正月後は貨物の量が大体落ちますが、北米の小売業者の在庫が過去最低水準のため、中国からの貨物減少は少ない傾向にあります。 コンテナ会社やアナリストによると、約2週間の旧正月中の海運の減速は、今年はそれほど顕著ではないとのことです。 中国の工場稼働 中国政府はコロナの対策で、労働者に休暇中に故郷に帰らないよう、工場に圧力をかけており、小売店の注文も依然として強いと報じられています。 北米、労働者不足続く それに加えて現場での労働力不足がある北米の西岸港湾では、1月の最初の3週間で港湾労働者1,800人以上に陽性反応がありました。 これは2021年全体の1,624件より多いです。 熟練港湾労働者が不足 現在ではピークが過ぎて減少に転じているようですが、ヤードでコンテナを動かす装置を運転する「熟練の港湾労働者」へのコロナの影響は労働力確保の点からとても大きいようです。 熟練の港湾労働者がリーダーとして、その部下のような形で7人、10人、12人とギャングが構成されています。リーダーがコロナで不足すると、作業員も派遣されない形になっています。 倉庫でも労働者不足 更に、倉庫でも労働力不足が問題になっています。 南カリフォルニアをはじめ、全米各地の倉庫は、賃金上昇しているにもかかわらず、コロナによる人手不足に直面しています。 人手不足の結果、旧正月前の駆け込み需要で入港した貨物で倉庫は満杯になっています。 人手不足によりシャーシ不足発生 人手不足のため倉庫で貨物をコンテナから下ろせず、倉庫業者は入荷したコンテナをヤード内のシャーシに保管せざるを得ず、これが南カリフォルニアのシャーシ不足の一因になっています。 シャーシにコンテナが乗ったままの状態のため、シャーシが使えず、シャーシ不足になると、港からトラックでコンテナを取り出すことができません。 北米、コンテナ船の滞留の状態 ロサンゼルス-ロングビーチに向かうコンテナ船の数は、2月1日の火曜日時点で101隻のコンテナ船が南カリフォルニアに向かっています。 一方、LA、LB沿岸にあるコンテナ船の状況は、バースにあるコンテナ船が26隻、25マイル以内に停泊中が7隻。更に25マイルの外の安全大気汚染防止区域(SAQA)外で停泊しているコンテナ船は94隻です。 100隻以上が積み降ろし待ち状態です。 貨物滞留問題解消せず 北米の状況を見る限りでは、旧正月で貨物滞留の問題は解消されず、沖まちの船もほとんど減っていません。 バースにある船を換算するとちょっと増えています。 それに加え、労働者不足、シャーシ不足もあり、状況は変わらずという感じです。この状況から、旧正月後に何とかなるという期待は捨てた方が良いと思います。 引き続き、情報をアップデートしていきたいと思います。

2022年1月物流ニュース | 貿易実務の基本

2022年1月物流ニュース

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今回は2022年1月の物流ニュースをお届けします。北米・中国、海上運賃の動向、コロナ、物流テクノロジーなど、物流業界の新しい情報をお届けします。 それではいってみましょう! コロナ・オミクロン株、LA・LB港で拡大、港湾労働者が大量欠勤 1月上旬、ロサンゼルス港とロングビーチ港で、コロナ関連の理由で約800人の港湾労働者が欠勤。これは1日の労働者のおよそ10人に1人の割合にあたります。 今回の港湾における欠勤者の中には、 ・ウイルス検査で陽性となった人 ・検査結果を待つために隔離されている人 ・体調が優れない人 などが含まれています。 作業員不足により生産性低下 LA港とLB港では、輸入品が殺到しており、11月下旬に港の沖で待機している船は100隻に上り、元旦には過去最高の106隻に達しました。 LA港のターミナルの担当者は「クリスマスと年末年始に始まった作業員不足が更に拡大し、ターミナルの生産性が約20%低下した」と述べています。 中国寧波でコロナクラスター、厳しい車両制限も 寧波で新型コロナウイルス感染者が相次いで確認されています。 船社関係者によると、本船荷役など港のオペレーションは通常稼働しているとのことですが、トラックやドレーなどの車両制限が継続しているようです。 そのため、トラックドライバーは港に入るための通行許可書の申請が必要となり、許可書があっても隔離要請があるケースもあるようです。 中国のゼロ・コロナ政策 中国のゼロコロナ政策は現在とても厳しく、西安では感染者1,300人程の発生でロックダウンされました。 北京オリンピックを前にし、中国政府のコロナを絶対に広げないという厳しい国策が取られ、サプライチェーンにも影響が現れています。 コンテナ運賃、最高値 更新続く 2021年末から2022年1月中旬にかけて、アジア発北米向けのコンテナ運賃上昇が続いています。 上海航運交易所(SSE)がまとめた2021年12月31日付の上海発北米西岸向けスポット運賃は、40フィートコンテナ当たり7,681ドルとなり、5週連続で最高値を更新。 1カ月で1,000ドル近くも上昇し、北米東岸向けや北欧州・地中海向けなど欧米諸国向けはいずれも大きく上昇するなど、全面高となっています。 旧正月前に上昇に足踏み しかし、1月下旬になると運賃上昇に足踏みがありました。1月31日から始まる中国の旧正月、そして大幅な本船遅延、中国のゼロコロナ政策によるトラックドライバーへの厳しい規制。 北京オリンピック前という時期でもあり、市場は若干の落ち着きを見せていますが、ここから先の動向はまだまだ不透明です。 米国 Infor、コンテナ船遅延 2023年までと予測 アメリカのクラウド、ソフトウェアの大手Inforは2022年のサプライチェーンに関する予測やトレンドをまとめたリポートを発表し、港湾混雑やコンテナ船の遅延問題は2023年まで続くと予測しました。 コンテナ船遅延の問題と課題 同社によると、北米・北欧州の主要港湾の混雑や遅延はグローバルなサプライチェーンネットワークの問題によるもの。港湾の労働力やトラック運転手の労働力、倉庫からの荷降ろしの労働力、空コンテナとコンテナ用シャーシの利用に関して課題があるとのこと。 これらの課題と「歴史上最も高い消費者需要」による、アジアからの出荷量増加が互いに作用し合うだろうと見通しています。 またInforは2022年以降も海上・航空貨物輸送コストの上昇を挙げています。 これは現在の混雑と輸送能力の制約が落ち着いても変わらず、荷主は貨物輸送能力を確保するため、NVOCCと3PL事業者の利用を拡大すると予測しています。 KN、世界主要9港で混雑指標を提供 国際物流大手キューネ・アンド・ナーゲル(KN)は、世界の港湾の混雑度を示す新たな指標「ディスラプションインジケーター」の提供を始めたと発表しました。 指標の対象となる港は カナダのプリンスルパート、バンクーバー 北米のシアトル、オークランド、ロサンゼルス・ロングビーチ、ニューヨーク、サバンナ 香港地区、上海・寧波地区 オランダのロッテルダム ベルギーのアントワープ地区の各港となります。 混雑度の可視化 この指標により、世界のコンテナ輸送網の混雑度を測り、サプライチェーンのボトルネックが可視化されます。 利用者は指標を分析・活用し、自社のサプライチェーンへの影響を予測し、最適なアクションに生かすことが出来ます。 MSCがコンテナ船ランキング首位に、29年ぶりの首位交代 スイスの船社MSCが、これまで首位だったデンマークのMaerskを抜いて、創業以来初のコンテナ船社首位となりました。 アルファライナーの1月6日付コンテナ船社運航規模ランキングによると MSC:645隻、428万4,728TEU
 Maersk:738隻、428万2,840TEU MSCが2,000TEU弱をわずかに上回り、29年ぶりの首位交代です。 2021年1月1日時点での規模は、Maerskが413万TEU、MSCが385万TEUでした。MSCは2021年通年で規模を11%拡大したと報じられています。 解説コーナー それでは2022年1月のニュースの解説コーナーです。 昨今ではコロナウィルスのオミクロン株が世界中で猛威を奮っていますよね。特に北米では1日100万人を超える感染者となるほど、今回ご紹介したように物流のマンパワーにも影響があります。 コロナの影響 北米では港の港湾労働者がコロナに感染したり、感染の疑いがある人が増えたりで、滞留する貨物の荷役に必要な人員が足りていません。 1月31日から始まる中国の旧正月期間中と少し後は、中国から北米に来る本船が減少します。この期間にマンパワー不足だとしても、どれだけ物流の目詰まりを解消できるかがポイントになります。 また中国においてもここ数週間に、デルタ株とオミクロン株の両変異株が中国全体で流行しています。 寧波港の周辺ではガスの流通や衣料品工場の操業が停止。西安市のロックダウンでコンピューター用半導体製造に混乱が生じているほか、安陽市でも11日に市全体が封鎖されました。 2月4日から始まる北京オリンピックに向けて中国のゼロコロナ政策の手が緩むとは思えません。 サプライチェーンの乱れだけでなく、世界の工場としての供給面でも注目が必要かと思います。 海上運賃の動向 このようにコロナが大きく影響する中、海上運賃の動向が読み辛くなっています。 1月中旬までは上昇をし続けていた中国発北米向けの海上運賃は旧正月前には足踏みをし始めました。通常であれば旧正月後は運賃は落ち着いていきますが、先ほどご説明したようにコロナが影響してどのような動きになるのかが全く分かりません。 しかし、この物流の混乱は2022年中は続くと予想されています。 Inforの市場予測 アメリカのソフトウェア大手会社のInforはIT会社ならではの視点から市場を予測しています。 印象的だったのは荷主はNVOCCや3PLに より依存をするというポイント。一般的には大手荷主は船会社に直接Bookingをする傾向があります。 しかし、Inforはトータル物流に注目をしており、既にある程度の開発・改善がすすんだラストワンマイルではなく、まだまだ改善の余地があるファーストマイルへの改革を提唱しています。 KN、港の混雑の可視化 そしてキューネ・アンド・ナーゲル。大手の国際物流会社としてSaaS(Software as a Service)に力を入れています。 キューネはオンラインで見積もり・Booking・追跡が出来るサービスを展開しており、今回は港の混雑を可視化するサービスを始めました。 コンテナ船社ランキングに変化 またコンテナ船社のランキングの変更にも注目です。MSCはコンテナ船を増やす一方で、MaerskはEC物流や3PLに積極的に投資をしています。 InforがNVOCCや3PLの重要性を挙げたように、私個人的には国際物流は「スケールだけ」を追う時代ではもうないような気がしています。 IT技術が倉庫・トラック・通関・船・飛行機・税関などの各物流プロセスの仕切りを無くし、全てがシームレスに繋がる時代になっていくと思います。 まとめ コロナの問題をきっかけに物流のIT化・DX化に注目が集まり、物流業界においてはこれまで古くアナログだった時代から、新しい時代への変革期を迎えています。 ここで大切なのは情報収集をして、自分で考え、行動することです。今回の内容がお役に立てましたら幸いです。 そして、チャンネル登録やいいね!SNSでもシェアをして頂けると、これからも更新していくモチベーションに繋がりますので、何卒よろしくお願いします。 今回は以上になります!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

ジャパントラスト、LA向け在来船チャーターを再度実施!沖待ち回避。3月名古屋積み。 | 物流ニュース・物流ラジオ

ジャパントラスト、LA向け在来船チャーターを再度実施!沖待ち回避。3月名古屋積み。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞のニュースから、「ジャパントラスト、在来船で北米西岸向け輸送、3月に名古屋積み」についてお話していきたいと思います。 2022年2月4日イーノさんの物流ラジオ ジャパントラスト社について 名古屋に本社を置くジャパントラスト社は、NVOCCで北米向け世界6位の規模の、主にオーバーゲージ貨物の輸送が得意な独立系のフォワーダーさんです。 革新的な菅社長 菅社長はイケイケの社長さんで、僕もオンラインで3回くらいお話ししたことがあります。HPの構成や自社のLINEスタンプを作成したりなど、色々と似ているところがあると思っています。 クラウドファンディングを行ったり、新しいことに挑戦している社長さんです。 LA港向けに在来船チャーター ジャパントラスト社は3月末に名古屋港からロサンゼルス(LA)港向けに在来船による輸送を予定しています。 LA港の沖待ち LA港の沖まちは深刻で、少し前は100隻の沖待ちがあると報道されていました。先日のデトロイトの方と対談した際、1−2ヶ月遅れは当たり前とおっしゃっていました。 ジャパントラストのサービス LA港までのトランジットタイムは約20日間です。 重量物、特殊コンテナを使う工作機械のほか、通常はドライコンテナを使う貨物も引き受けるそうです。危険品は扱わないとのことです。 海上輸送のほかにも、ドアデリバリー、梱包、保管などにも対応し、SOC(荷主のコンテナ)の船積みは要相談ということです。 在来船チャーターの実績 これまで 2014年3月と2021年3月:名古屋積み 2021年9月:下関積み 以上の3回、在来船のスペースチャーターで北米向け輸送を実施しました。 菅社長曰く、コンテナ輸送混乱の中、「当社がスペースを生み出すことで、限られたキャパシティーを取り合って、誰かが泣く状況を避けられる」とのことです。 在来船は沖待ちリスクが少なく、過去3回ともスムーズに輸送できたようです。オーナー企業の強みを生かし、リスクを背負った輸送手段も手配しています。 ハイリスクでもサービス提供 最近、企業紹介が多めですが、企業案件ではなく、僕が勝手ご縁のある会社さんを紹介しているだけです。 LA向け在来船のチャーターは、確か2−3千万円すると思います。 貨物が集まらなかったら大赤字になりますが、それだけのリスクをとってでも、必要とされているサービスを提供してらっしゃいます。とても勢いのある会社さんだと思います。 今回のLA向けの受付は、2月15日までのパッキングリスト提出、3月18日までの搬入が船積み条件になります。 もしLA向けでスペース取れずにお悩みの場合、ジャパントラストさんにお問い合わせをしてはいかがでしょう。

JapanFuse、「PortX」の提供開始。国際物流の見積もりをDX!PFで業務を一元管理。 | 物流ニュース・物流ラジオ

JapanFuse、「PortX」の提供開始。国際物流の見積もりをDX!PFで業務を一元管理。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は、海事新聞からのニュースで、「国際物流の見積もりを電子化する「PortX」本格提供」についてお話していきたいと思います。 2022年2月2日イーノさんの物流ラジオ JapanFuse、「PortX」提供開始 国際物流のDXに取り組んでいるJapanFuseが見積もり業務を効率化するデジタルプラットフォーム「PortX(ポートエックス)」の提供を本格的に開始します。 JapanFuseについて JapanFuseの石田社長は、大学卒業するタイミングでこのサービスを始め、非常に若い方です。去年にTwitterから問い合わせがあり、国際物流業界について色々とお話しさせていただきました。 それで今回紹介するPortXが開発され、海事新聞にまで載ったということで、本当にすごいことです。 そこで、「PortX」について紹介したいと思います。 「Port X」のサービス 見積もり業務を効率化するデジタルプラットフォームで、海外調達・生産、貿易など国際物流を行う荷主などがターゲットです。 国際物流の見積もりでは、フォワーダーや3PL事業者ごとにフォーマットが違います。 弊社でも、船社から見積もりはリストで来たり、LINEで都度回答をいただいたり、都度フォーマットが異なります。 見積もり取りまとめの業務 船会社、フォワーダーから見積もりが出てきても、荷主さんがそれをまとめるのはとても大変です。それぞれの会社で、エクセルや自社システムへの転記などをしており、そこでは入力ミスなどのリスクもあります。 これら業務は単純作業ですが、オープンにできない情報の外注しづらい面もあります。 情報共有の必要性 案件ごとに担当が違う場合もあり、情報が適切に共有されていない状況もあります。 実際に弊社の営業でも、それぞれが見積もりを取ったりしており、情報管理と共有もうまくできておらず、無駄が多いと感じます。 大きい企業なら尚更そういう問題もあると思います。 「PortX」では見積もり業務をプラットフォーム上で行うことで、これら課題の解決を目指すとのことです。 プラットフォーム上で業務 2月から、「スポット案件」および「定期入札案件」に対応する形で、本格的に「PortX」のサービスを提供します。 利用企業は、プラットフォーム上で登録した事業者に対して、一括で見積もり依頼を送信することができます。回答された見積もりは自動で集計され、価格比較表なども自動で作成できます。 メール送信等のコスト削減も期待 この際、フォワーダーや3PLにおいても、メール送信や確認のコミュニケーションコストが削減されることが期待されています。 フォワーダーも金額をパパッと入力するだけです。 プラットフォーム上で一連の業務を完了することで、見積もり工数を従来のやり方と比較して6分の1まで低減できると報じられています。 一元管理で業務・情報の属人化回避 発注者側では、組織内で情報の共有が行えるため、業務・情報の属人化を避けられます。ここが大きいと思います。 例えば、それぞれの担当者が見積もりをプリントアウト、比較、データ保管、書類も別途保管、など結構な事務処理となりますが、プラットフォーム上で一元管理できると、かなり楽になると思います。 「PortX」のサービスコスト 「PortX」の初期導入費用は不要です。 こういったシステム開発では数千万から数億円かかることもありますが、「PortX」はクラウド経由のソフトウエア提供なので、追加機能などの追加開発コストもかかりません。 導入も数週間程度で、月間運用費は顧客の規模・課題に合わせて柔軟に設定するとしています。 個人的にも良いサービスだと思います。 スペース残表示はもう少し後に 見積もりの簡単比較というところで、価格だけを見られそうなところは、フォワーダーの立場としてはちょっと怖いですが、荷主の立場ならマーケットプライスが大体わかります。 とはいえ、出てきた見積もりから最安値を選んだとしても、スペースが取れるかどうかは別の話です。 本船スペース残の表示は船会社のAPIが解放される必要もあり、もう少し後になると思います。 自らのスキルで課題解決 大学卒業間近の学生が、業界関係者にヒアリングをし、課題を自分たちで見つけ、僕らの世代が苦手としているプログラミングで課題を解決しようとしているところが本当にすごいと思います。 普通のITエンジニアだと、なかなか課題は見つけられません。 しかし、石田社長は自分のプログラミングスキルで課題を解決するところまで持ってきており、優秀で実行力のある社長さんだと思います。 IT化・DX化における世代 IT化、DX化に関しては、若い人の方が得意です。こういう優秀な若者を応援・サポートするのも、上の世代の役割ではないでしょうか。 知らない!分からない!で終えるのではなく、上の世代は築いてきた人脈や経験があるので、それを活かして若い人を応援する文化がもっと広がればいいと思います。 PortX、導入費無料ですので、問い合わせされてはいかがでしょうか。

海上輸送におけるマニフェストとは? | 輸送・ロジスティクス

海上輸送におけるマニフェストとは?

この記事を動画で見る どうもこんにちは。飯野です。 今回は海上輸送の実務で登場してくるキーワード、「マニュフェスト」について解説をしていきたいと思います。 マニフェストとは 貿易事務・実務を経験されている方なら、海上輸送で「マニフェスト」という言葉を耳にする機会があるかと思います。 マニフェストとは、船にどんな貨物が積まれているかが記載されている明細書のことです。 飛行機でいうと、どんな人がその飛行機に乗っているのかが記載されている乗客名簿のようなものです。 マニフェストの役割 海上輸送におけるマニフェストには、揚地側(輸入側)の税関にどんな貨物が運ばれてくるのかを事前に知らせるという役割があるのです。 特に、2001年に起きたアメリカ同時多発テロにより、アメリカが「船積24時間前のマニフェスト提出ルール」を義務付けるようになったことから、マニフェストは各国でもテロを未然に防ぐために重要視されるようになりました。 マニフェストの活用 税関は輸出入貨物の許認可の可否を判定する国の機関であり、その名の通り「関所」としての役割を担っています。 その税関がテロ行為に使用される疑いのある貨物を事前に特定し、それらの貨物が輸入されないよう、マニフェストを活用しています。 マニフェストの記載内容 ここで、海上輸送におけるマニフェストにはどのような情報が記載されているのか、確認していきましょう。 マニフェストには、大きく分けて2つの情報が記載されています。 本船の情報 まず、1つ目に「本船の情報」です。 この本船の情報として記載されている内容は次の2つです。 ・貨物を積んでいる本船名 ・貨物を積んでいる本船の国籍 「本船の国籍」とは、私たちに国籍があるように、船にもどの国に所属しているかの「船籍」があります。 貨物の情報 2つ目には、「貨物の情報」で、最も重要です。 貨物の情報は主に以下の内容が記載されています。 ・コンテナの種類 (Container type) ・コンテナ番号.とシール番号. (Container No & Seal No) ・船荷証券番号 (Bill of Lading No) ・シッピングマーク (Marks & Nos) ・品名 (Description of Goods) ・梱包の種類 (Kind of Packages) ・貨物の数量 (Number of Packages) ・総重量 (Gross Weight) ・容積 (Measurement) ・仕出地 (Place of Shipment) ・仕向地 (Place of Destination) ・荷送人 (Shipper) ・荷受人 (Consignee) などです。 これらの貨物の情報は、B/Lに記載されている内容です。つまり、マニフェストはB/Lの内容を基に作成されています。 マニフェストの流れ さて、海上輸送におけるマニフェストは誰が作り、どのようにして揚地の税関に送られるのでしょうか。 ここで、マニフェストの流れをご説明します。揚地によって異なることもあるので、ご注意ください。 船会社がマニュアル作成 先ほどでもお伝えした通り、マニフェストはB/Lの内容を基に作成されます。B/Lは貨物を積んだ船の船会社が発行します。 つまり、B/Lの情報を管理している「積地側の船会社」がマニフェストを作成するのです。 積地側船会社~揚地側船会社代理店~税関 作成されたマニフェストは、積地側の船会社から揚地側の船会社代理店に送られます。そして、揚地側の船会社代理店から税関へと送られます。 尚、積地側の船会社から直接揚地側の税関にマニフェストを提出する場合もあります。 24時間ルール マニフェストには、冒頭でお話しした通り、「24時間ルール」というマニフェストの提出期限があります。 これは、貨物が本船に積まれる前、または貨物を積んだ本船が港を出港する24時間前までに揚地側の税関にマニフェストを提出するよう、アメリカをはじめ、カナダや欧州などの税関がテロ対策の一環として義務付けたルールです。 マニュフェストの注意点 マニフェストの注意点もお伝えしておきましょう。 マニフェストはB/Lの内容を基に作成されるので、もしB/Lの内容が実際の貨物の情報と違いがあった場合、マニフェストも実際の貨物の情報と異なってしまいます。 このようなことが起きると、揚地側での輸入通関の際に税関から輸入者へ確認が入り、通関がスムーズに行われない場合があります。 このようなことが起きぬよう、B/Lの基データを作成するのは荷主(SHIPPER)ですので、早めにACLやD/Rに必要な情報を送っていただけるよう、また内容に間違いのないよう、荷主への協力を仰ぐことが一番大切です。 また輸入通関用のI/V、P/L、その他現地で必要なライセンスやC/Oなどにもマニフェストと相違がないか、荷受人と荷主とで確認する必要もあります。 マニフェストの訂正 B/Lとマニフェストの内容に訂正が必要になった場合、時間と費用がかかります。 「B/Lが発行された」 = 「マニフェストが揚地の船社代理店へ送信が完了された」ということになります。 マニフェストは通常、港から本船が出港するとロックされます。ロックされるというのは、揚地側の船会社代理店でマニフェストの情報が取り込まれ手配が進むと、船会社代理店の許可なしでは貨物の情報を訂正することが出来ないということです。 そのためロック解除に時間を要することがあります。 その為「B/Lの内容を訂正する」=「マニフェストの内容も訂正が必要」ということになります。 両者の内容を訂正するには、訂正料が発生します。 マニフェストの訂正料 B/Lとマニフェストの訂正料は船社によって料金が異なります。また、マニフェストの訂正に掛かる費用は積地側だけではなく、揚地側でも発生する場合があります。 その場合、予定していなかった揚地でのマニフェストの訂正料を誰がもつのかと輸入者ともめることも少なくありません。 このような問題が起きないよう、B/Lの内容の訂正が必要となった際は、船社へ事前にB/L訂正料と併せて積地と揚地の両方のマニフェスト訂正料についても確認しておいた方がよいでしょう。 B/Lの内容に注意 揚地が韓国や中国といった近海の場合は、B/Lやマニフェストを訂正している間に船が到着してしまうことがあります。 貨物は到着しているのに、輸入者の手元にB/Lがなく輸入通関の手配が出来ない、マニフェストの訂正に時間を要し輸入許可がおりないといったことで、輸入者がなかなか貨物を引き取れないという事態になり兼ねません。 荷主は、正確にマニフェストの情報が税関へ送られるためにも、B/Lの内容に細心の注意を払って作成することが重要になります。 まとめ これまでの海上輸送におけるマニフェストの内容のポイントをまとめておきましょう。 マニフェストは、 1.国の安全対策に活用されている 2.B/Lの内容がマニフェストの情報となる これまでの説明の通り、マニフェストの内容に不備があると、後々、船会社、税関、場合によっては輸入者といった色々な関係者に追加の作業・時間・費用などが発生し、貨物の流れ・国の安全対策に影響をきたします。 マニフェストの情報は重要なだけに、マニフェストの基となるB/Lの内容の取扱いに気を付けながら、業務を進めていきましょう。 今回の内容はいかがだったでしょうか。このチャンネルでは貿易のお仕事で使える知識や実践的なノウハウをお伝えしています。 もし今回の内容が勉強になった!という場合、いいね!チャンネル登録、あとSNSでのシェアをして頂けると非常に嬉しいです。今回の内容は以上になります。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

貿易事務の1日の流れ | 輸送・ロジスティクス

貿易事務の1日の流れ

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今回は、フォワーダーで働く貿易事務の1日の流れについてご紹介していきたいと思います。 会社によって業務プロセスは違うかもしれませんが、あくまで参考の一つとしてご視聴頂ければと思います。 貿易事務とは 「貿易事務」と聞いて、みなさんが思う仕事内容はどのようなものでしょうか? 英語を使って海外とやり取りをしたり、英語で商談や会議を進めたり、海外出張に同行したり、来日したお客様のアテンドを行う、そんな華やかな世界で最前線で働く姿を想像されるかもしれません。 しかし私が知る限りでは、フォワーダーの貿易事務のお仕事では英文メールでやり取りすることはあっても、電話や対面で英語を話す機会はそれ程多くはありません。 貿易事務は業種や業界によって仕事内容が全く異なります。 必要なスキル 商社やメーカー勤務だと、英語の使用頻度は多く高度な英会話スキルが求められることもあるでしょう。 しかしフォワーダーで働く場合は、海外とのやり取りは9割がメールのため中学生レベルの英文法スキルさえ持っていれば海外の人たちとコミュニケーションを取ることができます。 フォワーダーで貿易事務として働くために必要なスキルは、「英語」よりも「正確かつスピーディーに業務を遂行する能力」だと実感しています。 貿易事務の業務内容 さて前置きが長くなりましたが、ここからは日本のフォワーダーの会社で貿易事務として活動されていた、弊社の協力者のリアルな1日の流れを紹介します。 輸出の場合 主に輸出業務では ・コレポン ・船積書類の作成、確認 ・貨物搬入までのスケジューリング ・輸出通関業務 ・L/Cチェック などを行います。 輸入の場合 そして輸入業務では ・コレポン ・国内配送指示、納期調整 ・輸入通関業務 ・関税・消費税の納付 などを毎日ルーティンで処理するイメージです。 コレポンとは ちなみにコレポンとは、Correspondence(コレスポンデンス)の略で英語を用いて海外とメールのやり取りを行うことを指します。 フォワーダーでの貿易事務が英語力必要とされる理由は、扱う書類が全て英語表記であるためです。 それでは順を追って紹介していきますね。 AM9:00~:メールの仕分け まずはパソコンを開いてメールのチェックから1日が始まります。 貿易事務は海外とのやり取りが多いため、時差の影響で夜中にメールが届いていることが多いです。 そのため、朝一は海外から届く大量のメールを仕分けしていく作業で時間を取られます。 輸出の場合は、輸出先の船会社へ商品情報を伝えたり、事前に書類を送付したりします。 一方輸入の際は、輸出者へ書類や商品情報を取り寄せるために催促のメールを送ったりします。 一般的に、輸出業務の方が高度な英語スキルを求められることが多いです。 海外とのメール このときにメールの返信があれば良いのですが、海外は連絡にルーズなところがあるので何日かほったらかしにされてしまうこともあります。 1日に3〜5回催促メールをして、やっと返信してくれるということも少なくはありません。 最近では、業務の効率を高めるためにSkypeやTeamsなどのチャット機能を取り入れている企業が多いです。 AM10:00~:スケジューリング 輸出者から船積み依頼があれば、船会社へBOOKING手配をします。最近はコンテナ不足が多発しているため、出航までに余裕があっても希望のスケジュールでスペースが取れないことが多いです。 そうした場合は、輸出者へ積載可能な本船候補を伝えてスケジュールを調整してもらいます。 AM10:30~:支払処理 船会社からFAXまたはメールでアライバルノーティスが届いていれば、輸入者に代わって海上運賃やCYでの諸費用の支払処理を行います。 当日ピックを要する際は、支払い処理を当日の午前中に済ませる必要があるため社内の経理部と連携を取りながら早急に進めます。 入金確認 処理を終えたら、船会社へ入金が無事にされたか電話で確認をします。 過去に船会社側で決済が混み合い支払い確認がされない、というアクシデントが起こったことがあります。 そのときは、コンテナヤードでコンテナの引き取りが行えず、船会社へ確認して事なきを得たのですが、当日引き取りの場合は支払処理後、船会社へ入金確認が取れたかの電話をした方がよいでしょう。 AM11:00~:国内配送手配 国内納品を急ぐ輸入貨物があれば配送会社へ依頼します。 昨今のドライバー不足が原因で、「当日ピック翌日納品」の手配が難しい状況が続いています。 即納を要する場合は、高速代や手数料としての追加料金が発生することがあるので、輸入者・配送会社・フォワーダー間で迅速にコミュニケーションを図りながら手配を進めなければなりません。 PM13:00~:船積書類作成 お昼休憩が明けると、午後の仕事を始めます。 急ぎの仕事が無ければ、船積書類の作成・確認を行います。 作成する書類は、Wordソフトを使ってインボイスやパッキングリストなど。金額や数量など間違いのないように注意して入力します。 またD/R(ドックレシート)の作成も併せて行います。 D/RはB/Lの情報元になるので1字のミスも無いように入念にダブルチェックをします。 L/C確認作業 そして、L/Cの確認作業も行います。 品名や買取・発行銀行のスペルミスがないかどうか、何度も確認をします。 書類の確認作業 貿易事務は書類に誤りがないか、不備がないかを確認する作業が業務の5割を占めていると言っても過言ではありません。 正直なところ、書類の作成や内容確認は集中力を要する業務のため午前中に済ませたいところです。 ただ、午前はメールチェックや支払処理、急ぎの配送手配など緊急性の高い仕事を優先するので、どうしても後回しになってしまいます。 PM14:00~:通関の書類作成 輸出・輸入通関の書類作成を仕上げていきます。 商品説明書(MSDS)を取引先から取り寄せたり、他法令に該当する場合は他法令の許可書が準備されているかを確認します。 初めて輸出入する製品は、税関から用途などの質問が入ることが多いので、あらかじめ取引先へ確認しておくことも時間の効率化につながります。 PM15:00~:B/L差し入れ B/Lを船会社へ差し入れに行きます。 また、D/O(デリバリーオーダー)レスでない場合は、原本が必要なので引き取りに行きます。 PM16:00~:スケジューリング 納期調整・配送指示を行います。 本船が予定通りに入港することはめったにありません。入港日が近づいたらスケジュールをなるべくこまめに輸入者へ伝えるようにします。 輸入者が納品を急ぐ場合は、納品場所が変更されることもあるので本船の動静は注意深く確認する必要があります。 PM17:00~:コレポン ヨーロッパ圏の人たちが出社をする時間帯なので、メールのやり取りを行います。 この時間帯に返信が来なければ、明日の朝の確認となってしまうので、緊急を要する際は何度もメールで催促をしたり、電話で確認をすることもあります。 PM17:30~:翌日の準備 翌日朝一に処理したい書類を整理していきます。 メモまたは手帳に明日すべき業務を優先順に羅列して、効率的に業務が行えるように事前準備をしておきます。 PM18:00:終業 業務が終われば、退勤です。 ただし海外からの連絡待ちなどで残業になることが多いです。 まとめ 以上、いかがでしたでしょうか。 貿易事務の仕事は、ほかの事務職と同じく基本的にデスクワークです。 しかし輸出入に関する高度な知識やメールでコミュニケーションが取れるレベルの語学力を要する、とても専門性の高い仕事だと思います。 トラブルやイレギュラー対応はほぼ毎日のように発生します。抱える責任も重く残業は多い職場もありますが、やりがいを強く感じられる職種だと思います。 この動画を見て、少しでも貿易事務の仕事に興味を持っていただければ嬉しいです。 今回の内容は以上になります!いいね!チャンネル登録、SNSでのシェア、どうぞよろしくお願いします!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

キューネ・アンド・ナーゲル、港の混雑指標を可視化!アクションプラン策定に効果。 | 物流ニュース・物流ラジオ

キューネ・アンド・ナーゲル、港の混雑指標を可視化!アクションプラン策定に効果。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は、海事新聞のニュースから、「キューネ・アンド・ナーゲル、世界9カ国の港の混雑指標を提供」についてお話していきたいと思います。 2022年1月28日イーノさんの物流ラジオ KN、新しく港混雑の指標提供開始 国際物流大手キューネ・アンド・ナーゲルは、世界の港湾の混雑度を示す新たな指標として、「ディスラプションインジケーター」の提供を始めたと発表しました。 世界の主要9港を対象に船の待機時間を集計し、混雑度を可視化するようにしました。 指標の対象の港 カナダのプリンスルパート、バンクーバー 北米のシアトル、オークランド、ロサンゼルス・ロングビーチ、ニューヨーク、サバンナ 香港地区、上海・寧波地区 オランダのロッテルダム ベルギーのアントワープ地区 指標によるボトルネック可視化 KNはこの指標により、世界のコンテナ輸送網の混雑度を測り、サプライチェーンのボトルネックを可視化するようにしました。 利用者は指標を高度な分析にも活用でき、自社のサプライチェーンへの将来の影響を予測し、アクションプランの策定に生かすことができます。 可視化によるメリット この指標をみることで、混んでいる港を避けることができます。 例えば、北米の港が混んでいたらバンクーバーなど、割と空いている港につけて、トラックや鉄道で運ぶルートを選べます。 また、今、船で送ると大幅な遅延が起こりそうなので、エアーで送ろう、といった選択も可能です。 とても便利なツールだと思います。 キューネ・アンド・ナーゲルのIT化 キューネ・アンド・ナーゲルはオンライン見積もり、Booking、追跡が出来るプラットフォームを持っており、そして今回は混雑を可視化出来るツールを始めました。 フォワーダーがIT会社化しており、同社は独自のSaaSを広めています。 物流のIT化、DX化 大手フォワーダーはM&Aでスケールを拡大しつつ、ITでサービスを強化しています。何度も放送でお話ししていますが、物流のIT・DX化は避けられません。 大手は積極的に投資ができて、ITで便利になる時代です。 一方、中規模の会社はIT化を後追いして、よりニッチを狙うようになるのではないでしょうか。 ITとマンパワー とはいえ、100%ITのものが選ばれるとは限りません。 転職市場の場合 例えば、転職市場で、自分で仕事を探す転職サイトではなく、転職エージェントを使う人もいます。 転職エージェントは企業が表に出したくない求人を持っています。それらは、比較的良いポジションのお給料が高い仕事が多いです。 ミドルクラスの人などは、そちらを使うことが多いかもしれません。 ファッション業界の場合 また、服を買う場合でも、無料のAIのリコメンドを利用する人もいれば、スタイリスト(フリーランス)さんに依頼したい人もいます。 ITでは一般的な仕事を大量に扱えますが、特殊なものや難しいものは少し高いけれどエージェントがやる、と二極化していると思います。 今後の物流のIT化は? とはいえ、今後もITの精度が上がっていくので、どこまで人が出来るものが残っていくのかという問題もあります。 物流でもITと実際に人がする仕事は当分分かれているとは思いますが、ITが進むことで、より効率的になっていくでしょう。 物流のDX化について引き続き発信をしていきます。

旧正月前の中国発の運賃は?!コロナと北京オリンピックの影響も。全体的に値下がり傾向。 | 物流ニュース・物流ラジオ

旧正月前の中国発の運賃は?!コロナと北京オリンピックの影響も。全体的に値下がり傾向。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞からのニュースで、「コンテナ運賃、旧正月前に足踏みか。北米向け値下がり」についてお話していきたいと思います。 2022年1月27日イーノさんの物流ラジオ コンテナ運賃、足踏み傾向 昨日は旧正月前の中国の各港の状況について説明しましたが、今日は運賃について説明していきます。 中国の旧正月休みを前に、これまで上昇傾向にあったコンテナ運賃が足踏み傾向にあります。 上海発アメリカ向け 1月21日付の上海発北米西岸向けコンテナ運賃は、40フィートコンテナ当たり7,976ドルで、前週比で18ドルの値下がりです。 若干とはいえ、運賃が下がるのは2021年10月中旬以来となります。 上海発北米東岸向けは40フィートコンテナ当たり1万1,337ドルで、前週比では約400ドルの値下がりとなりました。 北米東岸向けは2週連続で値下がりです。 欧州航路 上海発北欧州向けが20フィートコンテナ当たり7,783ドル、地中海向けが7,522ドルです。 昨年12月末から若干の変動はあるものの、ほぼ横ばいに近い動きとなっています。 アフリカ航路 また西アフリカ向けが7,396ドル、南アフリカ向けが6,278ドルと、いずれも前週比で若干の値下がりとなりました。 ここにきて全体的に値下がり傾向も出ているが、金額はわずかで一気に軟化する気配は見えないとのことです。 オリンピックと旧正月の影響 旧正月休みに加え、北京オリンピックに備えたコロナ対策で厳格な規制を実施したことにより、出荷が滞っていることも影響している可能性がある、と記事は締めくくっています。 港の混雑とスペース有無 昨日の放送では深セン、寧波、上海などの港が混雑し、船の接岸日の3−4日より前のリターンに規制をかけているとお伝えしました。 上海航運交易所の指数には、それが反映していません。 船が遅延により港が混雑していることと、船のスペースの有無はまた別の話かもしれません。 旧正月に向けての運賃状況 去年の国慶節前は電力不足で、生産が終わらなかったShipperが直前キャンセルをし、フォワーダーがスペースを投げ売りして、運賃が急落しました。 投げ売りはさすがにないと思いますが、価格が少し下がっている状況です。旧正月に入ったらまたニュースがアップデートされると思います。 今年は、旧正月、コロナ、北京オリンピックと、イベントが続き、過去にこんなことは一度もないので、どう動いていくかは分かりません。 引き続き、中国の情報をウォッチしていきます。