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貿易コラム

貿易における良い仕入れ先の発掘方法 | 物流コラム

貿易における良い仕入れ先の発掘方法

貿易における良い仕入れ先の発掘方法について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は初めて海外から商品を仕入れたいという企業様のために、輸入貿易における、仕入れ先の発掘方法についてお話をしたいと思います。 海外から商品を仕入れる。これは国内で商品を仕入れるのとは全く異なります。 他国との取引は、言葉が違う、文化が違う、商習慣が違うということで初めて貿易取引をする人にとっては、とにかく注意をしなければいけません。 それでも海外から商品を仕入れるというのはコスト面で魅力的なことが多いです。 今回の動画を見ることで、実際に仕入れる以前に確認しなければいけないことが分かり輸入貿易の失敗のリスクを下げることが出来ます。それではいってみましょう。 仕入れる商品を決める まず何の商品を仕入れるのか?これを決めなければいけません。 既に国内で取引をしているビジネスの関連商品だったらコストや品質を注意して取引先を選定していきます。 もし新規事業で輸入貿易を始めるというのであれば、実際に輸入する前にどのような商品を輸入するのか、マーケティングが必要です。 マーケティングに関しては別の動画で詳しく解説をしていますので概要欄にリンクを貼っておきます。 仕入れる国を選ぶ 輸入する商品が決まった場合、次に決めるのはどの国から輸入するのかになります。 国選びは非常に重要です。 仕入れたい商品のコストだけをみてはいけません。 もし その国の政情が不安定だったり、日本と協定を結んでいなくて特恵関税がなかったり、日本までの距離が遠すぎたりすると、価格のメリットは一発で吹き飛びます。 仕入れる国の距離に注意 仕入れる国の距離に関して もう少しお話しましょう。 例えばヨーロッパの国から日本に仕入れる場合、海上輸送にかかる期間は約40日です。 在庫調整も難しくなりますし、輸送期間中のキャッシュフローも悪くなります。また自分が生産現場を確認しに行くにも渡航費用が高くつきます。 しかし距離のデメリットをカバー出来るほどユニークな商品であったり、他社との差別化が出来る商品なら問題ないでしょう。 会社はヨーロッパやアメリカとかでも、実際の生産国は中国や東南アジアという場合もあります。 仕入れる国が好きだ! またその国が凄く好きだという理由で仕入れる国を決める企業さんも実際にあります。 私はタイで活動をしていますが、タイが好きという理由だけでタイからの仕入れをしている中小企業を何社も知っています。 私も少し前にベルギーの飼料を扱っていたんですが、ベルギービールが飲みたいという よこしまな理由で事業を始めました。 中小企業のビジネスの始まりって、そんなノリから始まることは実際よくあると思います。 仕入れる会社を見つける方法 では仕入れる国が決まったら、どうやって仕入れる会社を探すのか? インターネットを使う 今は便利な時代なので、インターネットである程度の情報は集まります。キーワードを入力して検索し、該当する企業に メールや電話で連絡します。 メールを1度送っただけでは返信がない場合が多いので、本気で仕入れたいなら何度もアプローチをしましょう。 展示会を利用する また展示会に訪問するのもお勧めです。展示会は色んな国で行われています。 展示会に出店するには費用がかかります。出店する企業としてもお金を出している分、販売先を探す本気度が違いますし、展示会をきっかけに商談を進めていくと早いです。 商社を使う もし言葉や商習慣の違いに不安があるという場合は、商社を使いましょう。商社にも専門商社というものがあり、特定の分野を専門に扱っている会社があります。 日本(自国)までの輸入もやってくれますので、商社のマージンは乗って金額面では高くなりますが仕入れる最低ロットが少なかったり、国内で在庫をしてくれる時もあり、メリットがあります。 JETRO/商工会議所を使う 他にはJETROや商工会議所を利用するのもありです。 これらの団体は海外に進出しようとしている企業のサポートをしているので、現地の企業情報だけでなく、マクロな視点での情報を提供してくれます。 また輸出に比べて、輸入の方が難易度は下がります。なぜなら あなたはお金を払ってくれるお客様なので販売先より、仕入れ先の方が簡単に見つかるからです。 貿易の初心者は輸出より輸入から始めた方が良いでしょう。 仕入れ先の信用に注意する ここからが最も大切です。海外の仕入れ先を見つける時に注意しなければいけないのは、その会社の信用です。 輸入の場合だと、お金を支払ったけれどもちゃんと商品を送ってくれるのか?品質に問題はないか?納期をしっかりと守ってくれるかなどがあります。 海外の会社とメールだけで取引を開始した場合はこれらの信用リスクが高くなる印象があります。顔も合わせずに取引を進めることになりますし、実際にその会社が存在するのかも不明です。 送金したけれども、追加で費用が発生したから再度金を送れと言ってきたりむちゃくちゃな要求をしてくる会社もあります。 日本でしか取引をしたことがない人は、ここら辺の商習慣がないので騙される可能性があります。 日本の企業は海外に比べると本当にちゃんとしていますから、海外取引に慣れていない人は、お金を払えばちゃんと商品を送ってくれると思うかもしれませんね。 でも実際は甘くありません。私もしっかり騙されたことがあります。 その信用リスクを下げる為に使うのが、L/C決済であったりB/Lという貿易の仕組みです。 これらについては別の動画で詳しく解説していますので概要欄にリンクを貼っておきます。 ダンレポートを使う またちゃんと取引先の会社について調べたい時はダン・レポートを使う場合もあります。 米国のダン社(Dun &Bradstreet Corp)という信用調査機関の最 大手会社が取引先の与信を確認してくれます。日本でいう帝国データバンクのような会社ですね。 ダンレポートでは紛争地域を除くほとんどの国の企業を対象に信用調査をしてくれます。 まとめ それでは今回の内容をまとめましょう。輸入貿易を始めるにあたり、まず仕入れる国を選定しましょう。なぜその国から仕入れるのか?どれだけのメリットがあり、リードタイムやキャッシュフローのリスクは問題ないかの確認が必要です。 仕入れる国が決まれば、次は仕入れる会社です。どのように仕入れ先を発掘するかは、 ・インターネットを使う ・展示会に訪問する ・商社を使う ・JETROや商工会議所を使う などの方法があります。 海外の企業というのは物理的に距離がありますので信用リスクをとにかく注意深く確認しなければいけません。 注意をしないと ・送金したけど商品が送られてこない ・品質に問題がある商品が送られてくる ・納期が大幅に遅れる などの問題が本当に発生します。 信用できる会社かどうかを確認するためにダンレポートを使ったり、取引にL/Cを使ったりB/Lでコントロールすることもあります。 このように、正しい貿易に関する知識がないと大きな損をしてしまう可能性がありますのでこれからもこのチャンネルで学んでいきましょう。 まだチャンネル登録をしていないという場合は、この動画の終了時に登録ボタンを押して頂ければと思います。 今回のお話は以上です。ありがとうございました!

フォワーダーの得意・不得意について | 物流コラム

フォワーダーの得意・不得意について

どうもこんにちは。飯野です。 今回はフォワーダーの得意・不得意というテーマでお話をしていきたいと思います。 世界のインフラとしてのフォワーダー おかげさまでこのYouTubeチャンネルも沢山の人に見てもらえるようになり、国際物流のお仕事を各国から依頼頂けるようになりました。ありがとうございます! コロナ禍であったとしても経済は動いていますので、貨物の動きは止まりません。私たちフォワーダーという仕事は世界のインフラとして機能していなければいけないと思っています。 弊社にくる問い合わせには本当に色んな種類のものがあります。 私も物流に関する色々なノウハウを発信しているので、何でも運べると思って頂いているようで、とてもありがたいのですが、実際の所は今回のテーマのように得意・不得意があります。 貨物の運び方が分かれる3つの要素 物を運ぶという単純な仕事のようですが、物の運び方は全て同じではありません。 主に ・貨物の内容 ・配送する地域 ・配送する量 によって変わります。 これらによって最適な物流方法を提案するのがフォワーダーの仕事ですが、実際には「これどうやって運ぶの?」という貨物はあったりします。 私としてもタイから色んな貨物を輸出入してきた経験があります。 例えば、自動車パーツ、エアコンパーツ、生鮮食品、加工食品、アルコール類、引越し貨物、金型、紙袋、化粧品、化学品、活性炭、革製品、スクラップ、電子部品、建築資材、家具、新品・中古機械、プラント設備などなど。 貨物内容について 一般的な貨物であれば運ぶのは簡単ですが、運んだ経験がないものは依頼をされた時に、運び方を即答出来ない場合があります。 例えば、弊社の場合では、ワクチン、有名な絵画、樹木とかですね。 絵画の国際輸送ってどうやるの? 絵画を例にもう少しお話ししましょう。オークションで出品されたり、美術館の展示用に輸送されるような有名絵画の価値は、そこら辺の一般貨物より遥かに高額です。 また破損もしやすく、取り扱いには細心の注意が必要な貨物です。 もし私が有名絵画の輸送を依頼されたら、ビビってしまいます。運んだ経験もないし、リスクも高いので、即答でやります!とは言いにくいものです。 樹木の国際輸送ってどうやるの? また樹木に関してですが、物理的にはフラットラックコンテナを使ったり、在来船を使って運ぶことは出来ると思います。ですが輸入国での検疫が大変だろうなとも思っています。 植物の輸送では病害虫が他国に侵入しないように、水際でストップするために検疫があります。樹木の検疫はやったことがないので、依頼を受ける前に色々と調べないといけません。 配送地域によって違う そして輸送する地域についてです。頻繁に貨物を送っている国であれば、慣れているのでフレキシブルなサービスのご提案可能です。 現地の代理店との連携もスムーズですし、色んな種類の貨物が運びやすいです。 送ったことがない地域への貨物輸送 しかし、貨物を送ったことがない地域だと、代理店すらない場合があります。 それでも貨物自体は運べるのですが、輸出先の港や空港までになり、到着してからの通関と配送は輸入者に対応をして頂くことになります。 また送ったことがない地域だと海上運賃などはタリフ、いわゆる定価でのご案内になります。 これが地域におけるフォワーダーの得意・不得意の大きなポイントです。例えば弊社であればタイから日本向けであれば、毎月100本以上のコンテナ輸送をしているので、割安な価格をご提案可能です。 しかし、南米のチリやコロンビア、アフリカのタンザニアとかには貨物を送ったことがありません。 一方で南米向けに沢山のコンテナを定期的に送っているフォワーダーもあるでしょう。そこに依頼する方がメリットのある価格を得たり、スペース確保がしやすくなる場合があります。 貨物の輸送量によっても違う そして配送する貨物量も重要なポイントです。 弊社の問い合わせには個人の方からも貨物輸送の依頼があります。個人の場合、引っ越しを除いて、殆どの貨物の輸送量は段ボールが数箱という程度です。 また法人であったとしてもサンプルを送ったり、小さくて軽いものを輸送する場合もあります。 貨物量が少ない場合は一般的にクーリエやEMSを使用した方が価格メリットがあります。クーリエとはDHLやFedexなどが有名ですよね。EMSは各国の郵便の国際サービスなので、こちらも価格は安いです。 私たちフォワーダーが航空貨物で実重量か大きさが、45kg以下のものは、先ほど説明したようなタリフ(定価)でしかご提案出来ません。 一方でDHLやFedexのようなクーリエは自社の航空機で大量の小口貨物を運んでいるわけですから、割安の価格となります。 また小口貨物では少額の場合も多いので、簡易通関というスピーディーな通関方式を取るために、荷主が通関手配に必要な書類などを手配する手間が省ける場合が多いのです。 個人的な経験からですが、航空貨物であれば100kgを超えるボリュームだとフォワーダーを使うと良いでしょう。依頼する貨物内容、地域、フォワーダーにもよりますが、メリットが出る場合が多いです。 海上輸送の混載便(LCL)を使用する場合は、最低でも 1m3の量はあった方が良いです。これは1m3が海上運賃や港の諸経費のミニマムボリュームだからです。 LCLについては別の動画で詳しく解説していますので、概要欄にリンクを貼っておきます。 特殊コンテナによっても違う 先に説明した貨物内容にも関連しますが、特殊コンテナの取り扱いも得意・不得意が関係します。特殊コンテナにはリーファーコンテナ、オープントップコンテナ、フラットラックコンテナなどがあります。 リーファーコンテナが得意なフォワーダー 冷蔵・冷凍貨物を扱う場合にはリーファーコンテナが必要となります。主に食品の輸送で使われますが、食品専門で活動しているようなフォワーダーはリーファーコンテナの取扱い量が多いです。 そうなるとリーファーが必要な時には、これを得意としているフォワーダーに依頼をする方がコンテナ手配も より確実ですし、価格メリットもあるでしょう。 大型貨物が得意なフォワーダー 次にフラットラックやオープントップなどのコンテナ。 主に機械など大型の貨物を輸送する時に使用するコンテナですが、先ほどのリーファーコンテナと同様に、大型機械の取り扱いをメインにしているフォワーダーはこれらのコンテナ手配でメリットがあります。 このような貨物をオーバーゲージカーゴと言いまして、以前に解説動画を作りましたので、概要欄にリンクを貼っておきます。 大手フォワーダーは全てが得意か? 大手のフォワーダーについても触れておかなければいけません。大手フォワーダーは各国に支店を持ち、倉庫やトラックなどのアセットを自社で持っています。 人材も豊富なので色んな輸送ケースの経験が会社単位であるでしょう。そういう意味で、特殊な貨物を輸送する際に大手フォワーダーが選ばれるのには理解できます。 ですが中小フォワーダーとして抵抗をさせて下さい。大手と言えど、担当するのは営業マンです。大きい案件の場合だとチームで動くかもしれませんが、一般的に窓口になるのは1人の営業マンになります。 この営業マンが全ての物流を理解しているかというと、そうではありません。社内でノウハウ共有出来ていなかったり、社内の経験者からの情報共有がなければ、私たち中小企業とさほど変わりません。 また大手だから運賃が安いというのも幻想です。営業マンの匙加減によると覚えておきましょう。 イーノさんの得意の国際輸送 最後に弊社の得意をご紹介させて下さい。弊社はタイのフォワーダーで、法人様を対象とした、タイからの海上輸出を最も得意としています。 貨物については冒頭で説明したように、工業品、食品、日用品など色んなものをタイから運んできた実績があります。 また私は現時点で、タイでフォワーダーをやって8年目です。3年〜5年で帰国する駐在員とは違い、この8年もの間に、多岐に渡る貨物輸送をしてきましたので、海上輸出以外でも、航空輸送や、近隣諸国へのクロスボーダートラック、機械設備の据え付け、通関対応のノウハウがあります。 そういう意味で、最も得意としているのは海上輸出ですが、タイ関連の貨物輸送においては全般的に、他の日系フォワーダーの日本人営業マンより得意だと思っております。 まとめ それでは今回の内容をまとめましょう。貨物を世界中にお届けするフォワーダーには、実は得意・不得意があるとお伝えしました。主に貨物の内容、輸送地域、貨物ボリュームによって、各フォワーダーの得意が異なります。 特定の貨物・地域に貨物を定期的に輸送している業者は、安全に運ぶノウハウもあり、また船会社・航空会社からも良いレートを得ている場合があります。そういう意味で得意と表せます。 反対に取り扱いしたことがない貨物や地域への輸送は、ノウハウもなく、運賃もタリフ(定価)になってしまいます。 また個人と法人でも違います。輸送量が法人に比べて少ない個人は、クーリエやEMSのサービスを使う方がメリットがある場合が多いです。 そして特殊コンテナでの取り扱いにも同じく得意・不得意があります。 あなたがこれから運ぼうとしている貨物は、現在 取り引きのあるフォワーダーの得意の範疇なのかをしっかり確認しましょう。別により良い提案が出来るフォワーダーもいるとも思います。 今回のお話が良いフォワーダー選びの参考になれば幸いです。それでは、以上になります!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

貿易販売を成功させるマーケティング | 物流コラム

貿易販売を成功させるマーケティング

貿易販売を成功させるマーケティングについて動画で解説 どうもこんにちは飯野です。 今回は貿易販売を成功させるマーケティングについて、私の実体験を含めて解説をしていきたいと思います。 成功するマーケティングとは? 貿易の事業を始めるという時に、全く何も情報がないまま進めるのは非常に危険な行為です。ボランティアでなくビジネスで収益を上げるために活動をするのであれば、あなたが取り扱う商品は売れなければいけません。 ではどうやったら商品が売れていくようになるのでしょうか? その為に必要な活動の一つが、マーケティングです。 輸出で他国に自社の商品を販売する時や、輸入で自国に他国の商品を販売する時にまず最初にマーケティングを使って戦略を立てなければいけません。 売れる商品をリサーチする マーケティングという言葉が、多くの場所で色んな意味を含めて使われている為、具体的に何をしたらいいか、分からないと思う人もいるかもしれませんね。 なので、すごく簡単にマーケティングの具体的な活動を説明させて頂くと、それは「リサーチ」と「企画」です。 マーケティングミックスとは このように言うと、何をリサーチしたらいいの?どのように企画をしたらいいの?と思った人もいるでしょう。 まず教科書的な内容をお伝えします。マーケティングの教科書で「マーケティングミックス」というものがあります。 それは ・Product(商品計画) ・Price(価格設定) ・Place(流通システム) ・Promotion(販売促進) この4つのPを それぞれ調べましょうというもので、リサーチするための指標としたりフレームワークとして活用するのはありだと思います。 リサーチする際の重視ポイント しかし、このマーケティングミックスを使ってリサーチをしても私個人的には不十分だと思います。これには大切なことが抜けているからです。 実際に私がマーケティングでリサーチをする時に最も重視するポイントをご紹介します。 それは ・お客 ・自社の商品 ・ライバル です。もう少し詳しく解説をしていきましょう。 お客様を知る まず、あなたのお客について知らなければいけません。 お客のことを全く考えずに、自分が売れる!と思った商品を市場に投入しても売れない可能性が非常に高いです。お客のことを知らないという事業者は結構いる印象です。 自分の商品に惚れ込んでしまっている場合、自分だけが良い商品だ!と思い込んでいると、買ってくれるお客のことが分からず商品が売れない場合が多いです。 では「お客の何を調べるの?」というとこのテーマだけで一つの動画が出来てしまうので、最も重要なポイントだけをお伝えします。 それはお客の ・悩み ・欲求 の2つです。あなたの取り扱う商品がお客の悩みを解決するもの、もしくは欲求を満たすものであること。そして、あなたの商品の「伝え方のポイント」としても、この2つが入っていないと売れない可能性が高くなります。 商品を知る 次に自社の商品について調べましょう。 これは先ほどお伝えしたように、あなたの商品がお客さんの悩みを解決し、欲求を満たすものなのかを確認しなければいけません。 それ以外にも、あなたの商品が ・買いやすい価格であるのか? ・商品に魅力的な物語があるのか? ・他社より選ばれる理由は何か? ・魅了的な特典・オファーはあるのか? なども調べることも大切です。 値決めは経営 この中でも「価格」は大切な要因です。どれだけ商品が素晴らしかったとしても、お客には予算があります。 赤字覚悟で売ったり、業界で最安値にする必要はありませんが ・価格に見合った価値がない ・価格を高くし過ぎて買える顧客数が少なくなる ということもあります。 京セラの稲盛和夫さんも「値決めは経営である」と言っているくらい価格というのは、大切だということを忘れてはいけません。 競合他社を知る 最後にライバルについてです。 自分の競合他社のことをどれだけ理解しているでしょうか?全く競合のことを知らずに、事業を運営していると負ける可能性が高いです。 あなたの商品の強みが、ライバルともろにバッティングをしていると資本が多い方が勝ちます。またあなたの商圏のライバルを見ずに、業界でNo.1の会社ばかり見ていても無駄だったりすることもあります。 ライバルが弱いところで戦うというのは資本が限られている中小企業には非常に有効です。 逆に業界No.1という立場であれば、ブランド力と資本を使って 自社が出来ていない領域の会社を買収するとか、強者の戦い方があります。 ライバルが全くいないというのも注意が必要です。 ライバルがいないのでブルーオーシャンだ!と思うかもしれませんが、過去に誰かがその市場に参入して、結果を出せなかったからライバルがいないという場合の確率の方が高いです。 中小企業の経営戦略で大切なのは、リッチの中のニッチを狙うことだったりします。 リサーチのあとは? 大まかに説明しましたが、これらがマーケティングのリサーチで重要なポイントです。 このリサーチで調べたことをベースに、あなたの商品の企画を考えます。どの顧客層に対して、ライバルが出来ていないことを、あなたの商品で実現するのか。 どのようにあなたの商品の魅力を伝えるのか。 このようにリサーチで入手した情報の質が、企画の質に影響しますので、今回はリサーチについて重点的に説明をさせて頂きました。 まとめ それはで今回のお話をまとめましょう。 マーケティングの具体的な活動で大切なのは、リサーチと企画です。一般的なマーケティングミックスを使うのもありですが、私のお勧めでは ・お客 ・自社の商品 ・ライバル についてリサーチをする事とご説明をさせて頂きました。 それぞれで調べる事は沢山あるので、今回の動画では簡単にお伝えをさせて頂きましたがまた別の動画で詳しく説明をしていきたいと思います。マーケティングを活用して、輸出であれ、輸入であれ、取り扱う商品を戦略的に広く流通させましょう。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

色々な貿易取引について | 物流コラム

色々な貿易取引について

色々な貿易取引について動画で解説 どうもこんにちは、飯野です。 今回は色々な種類の貿易取引についてお話をしていきたいと思います。 海外に商品を売る、海外から商品を仕入れるという貿易取引ですが、実際には色んな形での取引が存在しています。 私も日頃の実務では今回ご説明するような色んな貿易の物流に携わることがあります。また過去に商社としてでも複数の貿易取引を経験してきましたので、それらも交えてご説明をしていきたいと思います。 ではいってみましょう。 直接貿易 まず最初にご紹介するのは直接貿易です。 直接貿易とは輸出入国の両方の流通業者・小売業者・製造業者が直接 取引をすることです。商社などを使わずに生産国側の会社と価格や条件などを交渉し、直接取引をするので中間マージンが入っていない取引になります。 中間マージンが乗っていないから、一番いいじゃないか!と思われるかもしれませんが、貿易経験のない人や会社が直接貿易をするとリスクが高いです。 別の動画でも説明したように、代金の支払い、商品の発送などの信用リスクや、言葉、商習慣による違いで間違いが起きる可能性も高いので注意が必要です。 D2Cについて ちなみにですが、最近の流行りのビジネスモデルの一つで、D2Cというものがあります。 D2CはDirect to Consumerのことで、自ら企画した商品を 商社や広告代理店などを使わずに消費者に直接届けるものです。 私も個人的にこのD2Cをしている会社さんのお手伝いをしていて、タイのマンゴーを日本に輸送し、日本各地の実店舗でマンゴージュースを提供しています。 私がタイでマンゴーの加工工場との取引と、日本までの国際輸送をお手伝いしているので、日本にいながらも圧倒的にリーズナブルな価格で本場のフレッシュマンゴージュースを飲むことが出来ます。 そのマンゴージュース屋さんの詳細は概要欄にリンクを貼っておきますので、ご興味がありましたら一度 見てみて下さい。 間接貿易 続きまして、間接貿易をご紹介しましょう。 間接貿易とは商社など、間に仲介者を使って取引をする方法です。 商社は各国にネットワークを持ち、貿易取引に精通しているので商社が入る分のコストは上がりますが、貿易の専門家が間に入ることのメリットもあります。 間接貿易のメリットにはこれらのようなものがあります。 ・外国の商習慣や貿易制度に関して詳しい ・交渉に必要な語学力がある ・小規模の取引の場合は価格メリットがある ・小ロットからも仕入れることが出来る ・納期や品質も商社を通すと調整をしてくれる ・物流も上手くコントロールしてくれる 貿易に精通している商社を使うことでリスクを下げるだけでなく、小ロットでも対応可能というのは条件によっては大きなメリットだと思います。 これらのメリットと自社で出来ることをしっかりと検討をして、商社を上手く活用することも重要だと思います。 並行輸入 次に並行輸入です。 既に国内で販売代理店契約がされている海外のブランドであったとしても、そのブランドの名声、信用、商標を損なわず、不利益を与えないことを条件に代理店の権利者を通さずに輸入販売することです。 この平行輸入で大切なのは、商品が模造品(コピー品)でなく、真正品ということです。 私自身も約15年前に並行輸入をしていた経験があります。 アメリカやカナダのブランドの商品で、日本に正規代理店がありましたが、現地から直接買い付けて、インターネットを使って販売をしていました。 既にブランドの知名度があり、売りやすいというのが並行輸入のメリットです。 並行輸入をする場合に気をつけないといけないのがコピー品の取り扱いです。 特にアパレルなどの場合は、取り扱うブランドが本物か偽物かの真偽が分かりにくく、税関で本物であることの証明を要求されることがあります。 この点についてはノウハウがないと、知らずにコピー品を扱うことになり、税関で止められて通関が通らないこともありますので、ご注意ください。 仲介貿易・3国間貿易 そして仲介貿易です。 仲介貿易は海外の輸出者と輸入者を第三国である国の会社が仲介する取引です。これは3国間貿易とも呼ばれます。 取引自体は仲介者が生産国の会社から仕入れをして、販売先の国に仲介者が販売します。しかし、製品自体は生産国から直接 販売国に送られることで、余計な輸送コストを抑えることが出来ます。 この仲介貿易、3国間貿易ではInvoice, Packing list、B/Lの書き方が少し複雑になります。これらについては別の動画で詳しく解説していますので、そちらをご確認下さい。 委託加工貿易 他には委託加工貿易というものもあります。 委託加工貿易は海外の工場に原材料や部品などを提供し、加工や組み立てさせて、完成した商品を輸入する形態のことをいいます。 わざわざ原材料を送って、他国で加工・組み立てをする理由は主に人件費です。高い輸送費を払ってでも他国で加工・組み立てをする方が安い場合があるのです。 委託加工貿易で重要なのは工場が保税地域にあることや、タイだとBOIという制度を使ったり、輸入税の還付制度を使ったりして、原材料に輸入関税がかからないようにしている事です。 原材料に関税がかかってしまうと、それだけでコストアップにつながり、他国で加工するメリットが薄くなってしまうので、注意しなければいけないポイントです。 OEM輸入 そしてOEM輸入も忘れてはいけません。 OEMとは海外のメーカーが独自の仕様に基づいて製造した製品に、外見に少し変更を加えたり、自社のブランドやロゴをつけたりして自社製品として輸入するものです。 海外にはこのようなOEM製造をしてくれるメーカーは沢山あります。 中国だと精算ロットは数百、数千からと多いことが一般的ですが、タイだと精算ロットが小さくても対応してくれる会社もあります。 自分のブランドの商品をもって販売をしていきたい場合に、割と簡単に始められるのが特徴です。 開発輸入 最後に開発輸入です。 開発輸入には2つあり、1つが鉱業資源や農水産資源の開発輸入です。これは先進国が資本や技術を開発途上国に投下して、鉱業資源や農水産資源を開発しそれを輸入するものです。 そしてもう一つが、流通業者による委託生産としての開発輸入です。 外国製品をそのまま輸入すると、サイズや規格、デザインテイスト、趣味趣向が違う場合がありますよね。それを輸入する国に合う形に仕様や規格を変えたりしてから輸入します。 OEMとの違いは、OEMは製品の主な仕様は海外のメーカーのものを使い、主にロゴやブランド名だけを変えますが、開発輸入では主たる仕様を考案し、別の商品として開発輸入をするものです。 まとめ それでは本日のお話をまとめましょう。 貿易取引には様々なものがあります。直接貿易、間接貿易、並行輸入、仲介貿易、委託加工貿易、OEM輸入、開発輸入など。 それぞれの貿易にはメリットと注意点がありました。 勉強して貿易に詳しくなると、どの形の貿易取引スタイルが自社に合っているかを理解し、それぞれの貿易取引のメリットを使いこなせるようになります。 今流行りのD2Cは少しレベルが高いものになりますが、その分ライバルも少なくなり高い収益が見込めるものになります。 これからも貿易について学び、実践をしていきましょう。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました! イーノさんに連絡する ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

2021年5月物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2021年5月物流ニュース

2021年5月物流ニュースを動画で見る どうもこんにちは飯野です。 今回は2021年5月の物流ニュースをお届けします。前回に引き続き、最近の物流や海運に関するニュースをまとめてみました。「物流の今」が分かるように解説していきたいと思います。 それでは、いってみましょう。 コンテナ不足、長期化も。9月までか? 世界的な海上コンテナ不足に収束の兆しが見えていません。 昨年秋から悪化に拍車が掛かったコンテナ不足ですが、当初の今年2月まで、遅くとも5月までには落ち着くという予想が外れ、状況には変化がなく長引く気配が続いています。 海外主要港湾の混雑解消は目処がたたず、最近では9月ごろまで混乱が続くという見方が広がっているようです。 コンテナ船業界にとって重要な米国西岸ロサンゼルス(LA)、ロングビーチ(LB)では沖待ちが減少したものの、混雑の解消のために他の港に 多くのコンテナ船が向け地をシフトしておりカナダのバンクーバー港や北米東岸のサバンナ港でも沖待ちする状況になっています。 コンテナ不足はコロナ禍による巣ごもり需要で、荷動きが配給を上回ったことに加え、港湾やトラックの労働者不足が影響しています。 それによりコンテナ貨物の滞留を引き起こし、コンテナのターンタイム(返却されるまでの所要日数)が通常により長期化しているのが原因となっています。 米国のコンテナ船社関係者によると、「収束にはあと3~4ヶ月」「正常化には3~6ヶ月」との声があがっています。 北米西海岸 輸入コンテナ、2ヶ月連続100万TEU超え 次のニュースです。「北米西海岸 輸入コンテナ、2ヶ月連続100万TEU超え。コンテナ運賃上昇に歯止めかからず」 国際海運団体BIMCO(ボルチック国際海運協議会)によると、北米西岸港湾の輸入コンテナ取扱量は110万TEUで、2ヶ月連続100万TEUを突破。 過去10ヶ月では今年の2月を除き、9ヶ月で100万TEUを超えています。1月〜4月は前年同期から4割増で、5月以降も堅調が予測されます。 米政府は追加景気対策として3月に1人当たり1,400ドルの給付をしており、小売業の売り上げを押し上げ、それに比例してコンテナ輸入量も高水準となっています。 BIMCOの分析によると、小売りの販売が好調で在庫の補充も必要となるため、去年のサプライチェーンの混乱対策として通常より前倒しで輸入を行う可能性があり、5月以降の物流を押し上げるとのことです。 コンテナ運賃上昇に歯止めかからず コンテナ運賃に関しては高騰が止まりません。 5月14日付の上海発 北米東岸向けコンテナのスポット運賃は40フィートコンテナ当たり7,378ドルとなり、この1ヶ月あまりで2,000ドルも値上がりしてます。 北米西岸向けは4月末に5,000ドル超え。また北欧州・地中海向けも20フィートコンテナが5,000ドルを初めて突破するなど、最高値を更新しています。 IMO, 自動運航船のルール策定へ IMO(国際海事機関)は自動運航船の国際ルールを策定のために、SOLAS条約の改定する方針であることを発表しました。 自動運航船の国際ルールを決めるために、今後条約の改正や解釈を変更する必要があり、その中でも無線通信、航海の安全と海上保安の章に自動化システムの定義を取り入れることになるそうです。 また、船舶自動識別装置の互換装置として開発が進められている 衛星VDESについて、これもSOLAS条約の航海機器と扱われるように検討されることが決められました。 VDESは洋上における通信情報ネットワークで高い通信能力があり、将来的には画像の送受信ができ 船舶のより安全な運行に貢献することになりそうです。 新造船発注数、前年比43%増 造船マーケットも活気づいています。 ベッセルズ・バリューマーケット・リポートでは新規造船の発注が増え、2021年1~4月の新造発注隻数は352隻で前年同期比の43%増と伝えています。 また同期間の総発注金額は169億6,000万ドルで、前年同期の2.1倍と活況の数字を示しています。 コンテナ船輸送時間の大幅増により、景気回復の足かせに ここからは、アメリカからのニュースです。 今年に入ってから貨物船の荷役時間が大幅に増加しコンテナ船の遅延を引き起こし、輸送能力と在庫を圧迫しサプライチェーンの混乱を招いています。 デンマークのSea-Intelligence ApS社の分析によると、3月に世界の港に到着したコンテナ船のうち、時間通りに到着したのは約40%に過ぎず、平均で6日以上の遅れが発生しています。 過去2年間では70%以上の船が定刻に到着していました。 マースク社のVincent Clerc氏は、「上海からロサンゼルスまでの航海には通常14日かかるが、現在では33日かかっている。運行時間は同じだが、荷降ろしを待つ時間は2倍になっている。」と語っています。 脱炭素化、一部 懐疑的な意見も 米国が推進する脱炭素化船舶について、業界内で意見が分かれています。 バイデン政権は船舶のCO2排出量を大幅に削減することを求めていますが、非化石燃料を使うことにより輸出コストの上昇を恐れるアジアや南米の国から反発を受けることになりそうです。 今年4月、米国のジョン・ケリー特使は、IMO(国際海事機関)は2050年の温室効果ガス排出量をゼロにするというより厳しい目標を推進すべきだと述べましたが、日本や一部の北欧諸国のメンバーは米国の要求に加わることが予想されます。 一方でブラジル、アルゼンチン、アフリカ諸国などでは、目標を支持する条件として、補償を求める国もあるようです。 IMOの審議に詳しい関係者によると、中国は発展途上国とともに、新燃料への移行を容易にするため、新たな要件の例外を求めたり、資金援助や技術移転を求めたりする可能性が高いと予想しています。 2050年までに温室効果ガスゼロを達成できるかどうかについては、業界内でも懐疑的な意見が多く、脱炭素化船舶への取り組みはまだ初期段階と言えるようです。 解説コーナー はい、それでは今回ご紹介した、ニュースの解説のコーナーです。 昨年の10月から続いているコンテナ不足の解消見込みですが、やはり後ろ倒しになっていますね。3月末にエバーグリーンの船が約1週間、スエズ運河を封鎖した影響もありピンと張り詰めていたコンテナの流動性が崩れ落ちたのも影響していると思います。 それに伴い、アメリカ向けで本当にスペースが取れず、海上運賃の高騰も 現場で働いている私としても、凄く実感しています。私のYouTubeを見て頂いた荷主さんから、アメリカ向けのスペースを取って下さいという問い合わせは本当に多いです。 弊社でも出来る限りのことをしていますが、流石にお約束できるという状況ではありません。 またIMOがSOLAS条約を改定する方向で動いていますね。 SOLAS条約とは船舶の安全確保を目的とする国際条約で、最近の改訂だとコンテナの重量を規制するVGMがありました。今回の条約改定のきっかけはスエズ運河の座礁問題も影響しているのではないかと思います。 テクノロジーが発達し、船舶の自動運航も進んでおり、車の自動運転でも法律の整備が行われるのと同じように、船舶の自動運航システムのルール作りがこれからも重要になってくるでしょう。 造船マーケットも盛り上がっています。 発表されている船会社の決算結果を見れば分かるように、現在の海運マーケットは好況を迎えています。 それに伴い、造船や新しいコンテナの発注も増えているんですけども、これって別の動画でも解説した1956年のスエズブームの時と同じで、この後で高い確率で過剰供給になると思うんですよね。 そうなるとまた値下げ合戦が始まることになりますが、船会社も過去数年続いた不況期の経験を元にどのようにするかが注目ポイントだと思います。 そしてアメリカからのニュースの脱炭素船舶。今はニュースを見ると脱炭素、脱炭素と注目を集めているこのテーマですが、やはり反対勢力もあるんですよね。 インフラを整えるにも多額の資金がが必要になりますし世界No.1のアメリカとしては先陣を切って進めていけるでしょうが、一方で途上国の場合は財源の問題もありますし、ガラッと変えるのは抵抗があるでしょう。 とはいえ、この脱炭素の課題は地球規模の対策なので、今後の進展にも注目です。 今回の物流ニュースはいかがだったでしょうか。 物流関係者もそうでない人にもわかるように物流ニュースをまとめてみました。今回参考にしたニュースのソースは概要欄にリンクを張っておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。 現場からは以上でーす!ありがとうございました。 2021年5月物流ニュース - 参照情報 ★コンテナ不足長期化も。「9月まで」見方広がる。港湾混雑 解消見えず★ ★北米西岸港、2カ月連続100万TEU超え。輸入、5月以降も高水準★ ★コンテナ運賃、北米東岸FEU当たり7000ドル超。上昇歯止めかからず★ ★IMO、SOLAS条約の一部改正。海上安全委、自動運航船ルール策定へ★ ★ベッセルズ・バリュー・マーケット・リポート★ ★Shipments Delayed: Ocean Carrier Shipping Times Surge in Supply-Chain Crunch★ ★U.S. Push for Carbon-Neutral Ships Expected to Reveal Industry Divisions★ ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

フォワーダーの新人営業マンがすべき5つのこと | 物流コラム

フォワーダーの新人営業マンがすべき5つのこと

フォワーダーの新人営業マンがすべき5つのことについて動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回はもし私がフォワーダーの新人だったら、まず何をするか?というテーマでお話をしていきたいと思います。 イーノさんのフォワーダー経験 まず私の簡単なフォワーダーとしての経歴ですが、私がフォワーダーの仕事を始めたのは今から10年前。 日本にあるAgilityという外資系のフォワーダーの派遣社員として輸入の業務から始めました。その後、タイで働く機会があり、タイのローカルのフォワーダーに営業として入社しました。 その時の営業成績が良かったので、その会社のオーナーと一緒に現在の会社を経営することになりました。 おかげさまで現在会社は5期目を迎えています。私の詳しい経歴については概要欄にブログへのリンクを貼っておきますので、もしご興味がありましたらご覧下さい。 さて本題です。もし私がフォワーダーの営業マンとして新入社員となったら何をするか。これから5つのポイントを説明していきます。 前提条件として中小企業のフォワーダーとします。企業の規模で出来る事や期待されていることが違うと思いますので、中小フォワーダーの新人営業マンという前提としてお話をさせて頂きます。 業界に関する基本ルールをとにかく勉強する まず最初にすることは「業界に関する基本ルールをとにかく勉強する」です。 国際物流の具体的な流れや、ルールが分からないと、お客さんに何も提案が出来ません。その前にお客さんの問題も見抜けなかったりします。 営業マンだからといって海上・航空のスペースを売れば良いというだけではありません。これにはスペース確保と価格競争力が関係しており、スペース確保は新人が出来ることではなく、会社組織としての総合力となります。 そして価格競争であれば大手が本気を出したら勝てません。 だから国際物流の基本ルールをまず学んで、自分の提案の引き出しを増やすこと。 お客さんが何かで悩んでいる時に適切な回答が出来たり、もしくは現状より良い提案が出来るような基礎知識を身につけることが本当に重要です。 物流に関する基礎知識はこのチャンネルで学べるようになっています。現在では週2回を更新目標に、貿易や物流に関する知識・ノウハウを発信しています。 是非チャンネル登録をして学んで頂ければと思います。 業務能力を高める 話を本題に戻しましょう。 次に意識をすることは「業務能力を高める」ことです。フォワーダーの営業マンといえど、お客さんを訪問するだけではありません。 会社によっても違いますが、お客さんの物流の業務はCS担当が全てするところもあれば、営業も業務に加わって対応する場合があります。 外回りの営業であったとしても業務能力が必要な理由は、国際物流という仕事の内容が関係しています。 国際物流では1件の輸送案件でも本当に多くのプロセスや書類があり、1つの小さなミスでも貨物をストップさせて大きな問題につながるからです。 基本的に自分は出来る限りミスをしない。もし他の人がミスをしても一緒にカバー出来る様に、高い業務能力は必要となります。 業務能力が低いとミスが多発して全体に迷惑をかけてしまうことになります。全体像を理解して一つ一つ丁寧に仕事をしましょう。最初は早さより正確さの方が大切です。 私の経験としても、営業マンの雑な条件確認や雑な指示などにより業務の人たちがかなり困っているケースを良く知っています。 そういうケースは大抵 後から必要書類が判明したり、書類の内容が間違っていたり、必要連絡が抜けていたりと、貨物の到着間際で大騒ぎをすることになります。本当に気をつけたいところです。 全ての仕事を快く引き受ける 3つ目の意識するポイントは「全ての仕事を快く引き受ける」です。 国際物流の仕事は本当に色んなものがあります。取り扱う貨物や地域で違った規制が出てきて、最初は混乱するかもしれません。しかし新人であれば基本的に知識はゼロの状態。スポンジの様に色んな知識を吸収してくことをお勧めします。 色々と実際に体験してみないと分からないことも多いです。体験・経験値の多さが今後の仕事の活動内容に影響するのは間違いなくって、最初から”仕事を選ぶ”ということはしない方がいいでしょう。 とはいえ、日本ではブラック企業たるものが存在しますので常識の範囲を超えた業務量になる場合は もちろん断ります。あくまで経験の為に仕事は選ばないという意味で、自分の身体を蔑ろにしてまで働けという意味ではありません。 社内・社外で敵を作らない 4つ目は「社内・社外で敵を作らない」です。 商社の新入社員の時、私は上司から生意気と言われた事がありまして、社内で敵を結構作っていたらしいですが、今振り返るとフォワーダーだったらとっくに終わっていたと思います。 お伝えした通り国際物流の仕事は沢山のプロセスがあり、関係者が多いのです。多くの人の協力を得て1件の仕事を進めていくことになりますので、チームワークが大切になります。 特に業務の人たちと良い関係がないと問題だと思っています。「営業マンは仕事を取ってきてなんぼ」みたいな古い考えがあったりするかもしれませんが、フォワーダーに関しては別です。 フォワーダーの場合では仕事の役割分担が違い、やることが違うだけなのです。 まあ、これは他の業種でも同じなんですけど、特にフォワーダーの場合は営業と業務の連携が本当に大切だと思っていますね。こういうのって若い時は特に気づかないものかもしれません。 中途半端に成果を出してしまうと「自分の実力」と勘違いしてしまうのですが、それは全て他の人たちのサポートがあるからだと肝に銘じましょう。 英語を身につける 最後は「英語を身につける」です。 他の業界でも英語は大切だと言われますが、フォワーダーという仕事においては英語能力はデフォルトだと言っても過言ではありません。 日本だけでなく他国の人たちとコミュニケーションを取って貨物を輸送する仕事です。メールはもちろん英語になり、営業マンであれば海外の人に電話をすることもありますし、実際に海外に行くこともあります。 何度もお伝えしているように、フォワーダーの仕事ではチームワークが大切です。これは社内や国内だけでなく、国外の協力者(支店・代理店)の人たちも含めて協力して貨物を運ぶ仕事なのです。 まとめ では本日の内容をまとめましょう。 国際物流という仕事では本当に書類が多く、1件の貨物を送るだけでも多くのプロセスや多くの関係者が存在しています。 そんなプロセスや書類が多い仕事をするにあたり、もし私がフォワーダーの新人営業マンなら、このようなことを意識して行動をするでしょう。 1. 業界の基本ルールをしっかりと勉強する 2. 業務能力を高める 3. 全ての仕事を快く引き受ける 4. 社内・社外で敵を作らない 5. 英語を身につける フォワーダーの仕事の特性を理解すると、まずはこの5つなのかなと思います。 この中の、業界の基本ルールについてはこのチャンネルで分かりやすく学べますので、まだ登録していない方は、この動画の終了後に是非ともチャンネル登録をお願いします。 このように、やることが明確になると余計なことを考えずに集中する事が出来、自分の目標に近づくスピードも上がります。フォワーダーとして活動する新人さんたちの参考になれば幸いです。 今回は以上になります。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

貿易の基礎について | 物流コラム

貿易の基礎について

貿易の基礎について動画で解説 どうもこんにちは飯野です。 今回は「貿易」の基本についてお話をしたいと思います。 貿易の基本について! 現代社会では貿易によって経済が支えられています。あなたの身の回りの製品が安い価格で買えたり、いつでもどこでも、買いたい時に買える状態であるのは貿易のおかげです。 もし世の中に貿易がなかったり、全てが地産地消や国内で生産したものしか使ったらダメというルールであったりしたら、天然資源がほとんどない日本の成長は確実に弱まりますし、身の回りの製品も多様性がなく、また値段も高くなるでしょう。 貿易がなかったら? 生産や取引を、特定の地域だけではなく、世界をベースにすることで、多種多様の製品が作られ、また多くの人の手に行きわたるようになっています。 安い製品だけでなく、高価だけれども珍しいもの、希少なものも入手出来るため、貿易により 物質的には豊かな世の中が形成されています。 「正しい知識」の必要性 しかし、貿易をするということは、近所のスーパーでリンゴを買うのとは訳が違い、言葉や文化、商習慣が違う人たちと取引をすることになります。 海外の人たちと取引をして製品を売買するには、正しい知識が必要です。 この正しい知識がないと ・騙されたり ・利益が出るどころか、赤字になってしまったり ・知らずに法律違反をしてしまったり することになってしまいます。 ボランティアではなく、利益を得るためのビジネスとして貿易をする訳ですから、損をしたり、違法行為のようなリスクは絶対に避けなければいけません。 しかし、正しい貿易知識があるとリスクやトラブルを回避して、貿易に慣れていないライバル会社よりもより大きな利益を得る可能性があります。 取引相手への信用のリスク では具体的に、貿易にはどのようなリスクがあるのでしょうか? 一番大きなリスクは「取引相手」の信用です。 製品を売ったり、買ったりする取引の相手が ・ちゃんとお金を払うのか? ・ちゃんと製品を送ってくるのか? という商売の基本的なことをしてこない可能性があります。 海外という物理的に距離がある会社と取引をするのですから、相手のことをよく知らない、状況が随時分からないとなると、 普通に損をする可能性が高いのです。 貿易取引をしたことがない人からしたら、「本当にそんなリスクがあるの!?」と思われるかもしれません。 それは日本という国がビジネスの取引においては本当にちゃんとしているからです。 貿易取引歴が長い私としても、日系企業との取引は 確かに要求などは厳しいけれども、金払いの良さ、商品の安全、納期を遵守する姿勢が抜群に良いと実感しています。 もちろん人や会社にもよりますが、 私たち日本人の感覚や商習慣からすると、海外の会社との取引では ・支払いをわざと遅らせる ・粗悪品を普通に入れてくる ・商品の梱包や包装が不十分 ・納期が平気で1ヶ月以上遅れる ・よく分からない項目を入れて金額を請求してくる など、考えられないことをしてきます。 これは良い悪いではなく、商習慣の違いです。しかし、他の国ではこれらが一般的という国もあります。この商習慣の違いをカバーする為に正しい貿易知識があるのです。 為替のリスク また海外ということで為替のリスクもあります。 為替は日々変動しています。極端な円高や円安に為替が振れてしまうと儲けが大きく減ったりすることもあります。貿易取引においては為替変動も常に意識をしなければいけません。 国際的な規則の理解 他にも貿易には国際的な規制を理解していなければいけません。 この規制を理解せずに「儲かるかも!」と盲目的になってしまい、税関で貨物が止まり 大赤字になってしまうケースはよくあります。本当によくあります。 では、どのような規制があるのでしょうか? ・知的財産の侵害 ・環境問題 ・危険品 ・絶滅危惧種 ・外来種 ・国内産業の保護 ・安全性の遵守 大枠で見たら「当たり前」と思うかもしれませんが、これが実際の商取引になると、知らずに規制を無視して 進めてしまっているケースが本当によくあります。 これらの規制についての解説はまた別の動画を作りたいと思いますので、まずは、ざっくり このようなものがあるとだけ理解してください。 今回のトピックのまとめ! では今回のお話のポイントをまとめましょう。貿易取引がなければ、現代の物質的な豊かさはありえません。 しかし他国の人と取引をする貿易には ・代金支払い(信用リスク) ・製品の発送(ダメージ・納期) ・為替変動 などのリスクがあります。 また「世界の条約」「各国の規制」を理解していないと、送れると思った製品が送れなかったり、税関で止められたりして大赤字になるケースもよくあります。 これらのリスクをカバーするのが正しい貿易知識です。 このチャンネルでは正しい貿易の知識を分かりやすく随時更新をしていきますので、一緒に学んでいきましょう。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

2021年4月 物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2021年4月 物流ニュース

2021年4月 物流ニュースを動画で見る どうもこんにちは飯野です。 今回は新しい取り組みとして、最近にあった物流・海運に関するニュースをまとめて私の動画でもっとカジュアルに伝えようと思いました。 物流業界で働く人も、そうでない人も楽しく物流の今に触れて頂ければと思います。 では、いってみましょう。 世界の貿易量、すでにコロナ前に回復 オランダ経済政策分析局によると世界貿易量は2月時点で、すでに新型コロナウイルス禍の前の水準を上回っているとの発表がありました。 コロナ禍でいったん落ち込んだ分の挽回である、「ペントアップ」需要が押し上げており、これをけん引しているのは米国と中国になります。 昨年春にはコロナ禍で世界中で需要が冷え込み、生産調整が進みました。 しかし経済活動の再開とともに、先送りされた消費が戻っただけでなく、在庫を回復させる動きが活発になり、生産や貿易が一気に上向いています。 コロナ禍からの立ち直りが早かったのは中国。1~3月は輸出入ともに過去最高を記録。 また米国も中国などアジアからの輸入を大きく増やしています。日本海事センターによると、アジア18カ国・地域から、米国へのコンテナ輸送は2020年は過去最高とのこと。 このうち、2割強を占めるのが家具・家財道具や、建築用具といった住宅関連です。 米国の住宅市場は低金利環境に加え、コロナ禍による郊外への移転などが重なり活況を呈(てい)しています。 住宅着工が増えるにつれ、米国の関連資材の需要が増え、更に「巣ごもり」による電化製品などの需要拡大も、コンテナ輸送の増加につながっています。 北米西岸港湾、貨物急増でパンク寸前。 アジア発 アメリカ向けコンテナ航路の荷動きが記録的な水準で推移する中、北米港湾や内陸輸送がパンク寸前となっています。 LAやLBなどの港湾ではターミナル内の混雑が悪化して貨物が滞留しており、鉄道への接続も滞るなど、混雑状況は悪化しています。西岸経由の機能不全で東岸サービスの引き合いも急増しており、新規ブッキングはまったく入らないなど、混乱が広がっています。 船社関係者によると、「アジア発を含めて5月中のスポット貨物の新規ブッキングはまず無理」とのこと。 アジア発、北米東岸向けスポット運賃の実勢レートは、40フィートコンテナ1本当たり1万ドルまで上昇しています。 国際海運、「2050年までに温室効果ガスゼロ」。脱炭素化さらに加速へ。 続いてのニュースです。 4月21日に開かれた、気候変動サミットへに向けての特別会合で、10カ国の代表者により国際海運の温暖化対策について、意見交換がありました。 この中でアメリカのジョン・ケリー特使は、国際海運からの温室効果ガス排出量を2050年までにゼロにするという野心的な目標を提言。 IMO(国際海事機関)の温室効果ガス削減戦略を上回る目標が提示されたことで、国際海運における脱炭素化がさらに加速しそうです。 この目標に対して、関係者からは「環境技術の研究開発に弾みがつく可能性もある」との声も上がっています。 アメリカ、ドライバーの需要が急増。賃上げ実施しドライバー確保へ。 ここからはアメリカからのニュースです。 米国のトラック会社は、需要が急増しているドライバーを確保するため、賃金を引き上げました。 米国のトラック運送会社は、消費者の需要が急増し輸送能力が逼迫(ひっぱく)していることから、貨物市場の復活に向けてドライバーの増員に躍起になっています。 実際に賃上げを行った、業界大手のKnight-Swift Transportation Holdings(社) INCは資格を取得したばかりのドライバーの賃金が、ここ数カ月で40%以上も上昇したと報告。 労働統計局によると、昨年の大型トラックおよびトラクター・トレーラのドライバーの給与の中央値は4万7,130ドルでしたが、同社によると免許を取ったばかりの教習後1年目のドライバーでも、年収6万ドル以上を稼げるようになったと伝えています。 TuSmple社 IPO トラックの自動運転にも注目が集まっています。米国と中国に拠点を持つTuSimple社は、4月12日 新規株式公開を行い約3,380万株を販売して10億8,000万ドルを調達しました。 同社の関係者によると、今年、第4四半期にツーソンとフェニックスを結ぶ約100マイルの距離で誰も運転しない「ドライバーアウト」のパイロットプログラムを実施する予定であると述べました。 このパイロットプログラムでは顧客の貨物を輸送する予定で、アリゾナ州の運輸当局と緊密に連携して調整を進めているとのこと。 同社は新技術の開発を進め、最初の商業収益を2024年と予測しています。 解説コーナー それでは本日のニュースの解説のコーナーです。 まず最初のニュースですけれども、アメリカ向けの輸送が本当に伸びていますよね。中国からの輸送も過去最高と、アメリカの人たちの巣ごもりの消費って本当にすごいなと思います。 コロナのワクチン接種も進んでいますし、経済活動はこれからも伸びそうですよね。 これまでは港湾やトラックドライバーもコロナで稼働が制限されていたので、荷役のスピードやドライバー不足などはあったりしましたが、アメリカのトラック会社も賃金アップなどをしてドライバーを確保しようとしています。 私の個人的な予想ですが、インフラの回復より物量の増加の方が多くて まだまだ物流は安定しないかなと思っています。 また将来的にですがトラックの自動運転が一般的に普及されることで今回のコロナで発生したようなドライバー不足は無くなっていくので、今後の技術の進歩にも注目ですよね。 最後にですが、アメリカが主催した気候変動サミットが4月24日に閉幕したのですが、これが関係してか海運業でも温室効果ガス削減への取り組みのニュースを最近多く見かけます。 船の燃料を液化天然ガスにしたり、アンモニアを使ったり、風力も使おうとしたり、スクラバーがデフォルトになっていたりと各関係会社で技術開発が進められています。 これに関しても非常に面白いコンテンツだと思いますので、今後も注目して取り上げていきたいと思います。 今回の物流ニュースはいかがだったでしょうか。一般的には海運のニュースって業界の人しか見ない印象ですが、こんな感じでカジュアルに、ニュースも発信していきたいと思います。 今回 参考にしたニュースのソースは以下にリンクを貼っておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。 現場からは以上でーす!ありがとうございました!! 2021年4月物流ニュース - 参照情報 快走する海運株 世界貿易量、すでにコロナ前回復 北米西岸港湾、貨物急増でパンク寸前。滞留悪化、内陸受託停止も 国際海運、「2050年までにGHGゼロ」。脱炭素化さらに加速へ。ケリー米特使が提言 Trucking Companies Boost Pay in Hunt for Drivers as Demand Surges Autonomous-Truck Developer TuSimple Plans Driverless Road Test This Year ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

関税の基礎知識について | 輸送・ロジスティクス

関税の基礎知識について

関税の基礎知識について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は、輸入に関する手続きで欠かせない、「関税の基礎知識」。こちらについて解説をしていきたいと思います。 関税の重要性 フォワーディング業務の中で、お客様から輸入時の関税の問い合わせは非常に多いです。 条約や国の法律に則り、税金として支払うお金に関する部分なので、関税の申告・支払い手続きは輸入において重要な部分となります。 関税とは何か まずはじめに、関税とはどういったものなのでしょうか。 日頃ニュースなどでも、「関税」というワードをよく耳にすることがあるかもしれません。 関税とは一言で表すと、「外国からの輸入品に対して国が課す税金」と定義されます。 個人が収める消費税・所得税、そして企業が収める法人税、これらと同様に国から徴収される税金の一種です。 関税の目的 徴収された関税は国の財源となりますが、関税をかける一番の目的は、自国の産業を保護するためです。 安い外国製品が大量に輸入されてきて市場に出回ると、国内製品が売れなくなり国内産業は廃れてしまいます。 輸入製品に関税をかけると、その分製品にコストがかかり、市場で販売する価格も高く設定されることとなります。 関税によって、輸入品の市場での競争力も調整をすることになるのです。 外交政策としての「報復関税」 ちなみに関税は、外国との通商政策や外交政策にも関わってきます。 例えば、外交問題で「報復関税」という政策が取られることがあります。 相手国への制裁として、相手国からの輸入品に高い関税をかけます。 すると相手国から製品の参入がしづらくなり、相手国の輸出産業に大きな打撃を与えることになります。 関税の制度の取り決め方 次に、関税の制度はどのように取り決めをされているのでしょうか。 輸入時に関税を収める仕組みは、日本を含め世界中の国々で存在します。 その中で、国際機関である世界税関機構(WCO)は、税関や関税に関する手続きの統一化に携わっています。 HS条約 そのWCOが関税の制度を作成し、世界の大半の国が加盟しているHS条約では、HSコードと呼ばれる6桁の番号を用いて、 輸出入対象の製品を種類ごとに分類し、製品ごとに関税率が決められます。 この関税率は、輸入国ごとに数値が異なります。 ちなみに日本では、世界共通のHSコード6桁にさらに3桁の数字を加え、計9桁の数字で輸出入品の統計表を用いています。 この統計表で分類された製品に対し、それぞれの税率を定めたものが、「実行関税率表」と呼ばれます。 また、関税は通常 輸入者に支払いの義務が発生します。 このHSコードによる分類は、正しい関税率を決めるために必要で、輸入者が支払う金額にも直結してくるのです。 日本の関税率の種類 日本の関税率には、いくつかの種類があります。 実行関税率表には、すべての品目に対しての基本税率が記載されています。 その他に、一定期間の間に輸入される品目に対して定められた暫定税率。 途上国の産業を保護するために適用される特恵税率。 EPA、すなわち経済連携協定などの協定を結んだ国同士で適用される、協定税率と呼ばれるものもあります。 関税の金額算出方法 関税は、インボイスのCIF価格に基づいて、その割合で金額が確定されます。 CIF価格とは、製品価格に、国内で運送に掛かった輸送費、そして海上や航空輸送で発生した運賃、保険料込の価格のことです。 また、価格に加えて、対象となる製品の原産国が、関税の金額を確定する上で重要な要素となります。 つまり、製品の原産国によって適用される税率が変わる場合があるためです。 先ほど説明した実行関税率表の中で、特恵受益国と認定されている途上国産の製品であれば、特恵税率で無税となったり、 EPAやFTAで協定を結んでいる国の原産品であれば、優遇された協定税率を輸入製品にかかる関税に適用することができるのです。 そして優遇された関税を適用するために、原産国の証明となるのが原産地証明書です。 関税の納付方法 では、関税を収めるにあたっては、具体的にどういった手続きが行われているのでしょうか。 まず輸入時に、貨物が船や飛行機で輸入国に到着し、その後で保税地域に搬入されています。 そして基本的には輸入申告を税関に行う際に、関税の納付申告も一緒に行うこととなります。 この申告は、日本ではNACCSと呼ばれるシステム上でされます。 関税の支払い義務は輸入者にありますが、輸入国のフォワーダーなどの通関業者に輸入申告を依頼する際に、関税の納付も依頼しているのが通常です。 昨今では通関業者が関税を立て替える金額が大きすぎて問題になっているケースもあります。 DDPなどのタームの場合 ちなみに、DDPなどのタームによっては、関税の支払いの責任範囲が輸出者となるケースもあります。 納税の申告にあたって、貨物の品名・個数などの情報、そして、インボイス、パッキングリスト、船積書類、原産地証明書などの関連書類の提示が必要です。 申告内容に誤りがあったら? CIF価格に基づき、関税の税率で、実際の金額が決定されます。 しかし、申告の内容が誤っていたり、特定の製品を申告しなかった場合は、税関より過少申告加算税や無申告加算税などが請求されることとなります。 申告内容は誤りがあってはいけません。 また意図的に無申告すると、それは密輸行為になります。 関税が減免される場合 逆に、関税が減免されるケースもあります。 例えば、再輸入し性質や形状が変化していないと認められる貨物、修繕のために一度輸出された貨物などは、減免の対象となることがあります。 数千万円のインボイス価格のものであれば、関税の支払いだけで何百万円にものぼります。 特恵関税や協定関税を適用したり、減免の制度を使用すれば、支払う金額が何百万と違ってくることがあります。 関税は適用される税率、また関税の種類は基本税率や特恵税率など、何種類か存在し、法律や制度と関連しています。 該当の申告がどの種類のものに適用されるか、判断することも必要になります。 輸入時の関税の申告も兼ねているため、輸入通関手続きは特に慎重に行う必要があります。 まとめ 最後に話をまとめましょう。 関税とは世界中で導入されている、自国の産業を守るために輸入品に適用される税金となります。 HSコードと呼ばれる共通の製品分類基準を基に、各国が各輸入品の税率を決めています。 関税率には、基本的な税率・製品の原産国を対象を考慮し、優遇された税率が適用される特恵税率、協定税率などがあります。 関税の申告は、輸出入の通関時に税関に行いますが、特に重要なのが輸入国の通関申告です。 申告内容によっては関税の減免がされるケースもありますが、逆に過少申告など誤りがあれば追加で徴収されてしまうこともあります。 特に輸入者さんは、輸入の負担金額にも直結するため、関税については注意をしましょう。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

スエズ運河の座礁問題 | 物流コラム

スエズ運河の座礁問題

スエズ運河の座礁問題を動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は 現在世界的に話題になっているスエズ運河の座礁の問題についてお話をしていこうと思います。 3月23日にエバーグリーンという船会社のEver Givenという名前の船が、スエズ運河で座礁をしたというニュースが飛び込んできました。 問題なのは、そのEver Givenという船は全長400mもあって、スエズ運河を完全に塞いでしまうほど大きく 他の船が強制的に通行止めを食らっている状態です。 ちなみにですがこの船を所有している会社は正栄汽船という日本の会社です。 スエズ運河について スエズ運河は地中海と紅海を結ぶ運河で、アジアと欧州を最短距離でつないでいて、世界の貿易の約12%がこの運河を経由しています。 一年で約19,000隻の船、1日で約50隻の船が通行する、国際物流にとっては重要な運河です。 なんで今回、船が座礁したかというと、船に電気系のトラブルがあって、更に強風と砂嵐のために視界が悪化してしまい座礁してしまったとのことです。 船が座礁する場合の多くが運航時のナビゲーションミスが原因だと言われています。 スエズ運河は水深が比較的浅い方でして、こういう事故は割と発生しがちな運河です。 実際に今回の座礁が初めてではなく、過去10年に25回の座礁事故がありました。 対処方法 現在では突っ込んだ船首の周りの沿岸部分を削ったり、タグボートで押したりして動かそうとしていますが、 この台本を書いている3月27日時点では、この船のサルベージ(引き上げ)作業は難航していて、現時点で約300隻の船がスエズ運河周辺で待機をしています。 今回 座礁したコンテナ船はコンテナがほぼ満帆な状態で座礁してしまっています。 動かすにはとにかく重たい状態なのです。 もし現在のサルベージ活動がうまくいかないとなると、コンテナを降ろしたり、燃料を抜いたりして、軽量化してから動かすことになり、数週間かかるとも言われています。 もし数週間もスエズ運河が使えない状態だと、船は南アフリカの喜望峰を回らなければいけません。 こうなると追加で10日以上の日数がかかるだけでなく、燃料もかなりの量を消費することになるので、現在 約300隻の船が待機という選択をとっています。 座礁問題による影響 現状は分かったと。ではこの問題がどのように影響するのでしょうか? 離礁作業がすぐに終われば、影響はそれほど大きくはないと思います。 しかし、コンテナを積み下ろしたりして、数週間がかかると、現在のコンテナ不足に更に影響が出て、海上運賃も上がることになります。 先ほどご説明したように、喜望峰を回ることになると、10日以上の日数がかかるわけです。 この追加の10日間というのがかなり大きくて、コンテナの回漕にも時間がかかるし、余計に燃料を使うことにもなるので 船会社もそれを補填する形で値上げをしてきます。 それだけは本当に勘弁して欲しいです。 1956年のスエズブーム ちなみにですが1956年に第二次中東戦争が勃発して、スエズ運河が1年閉鎖されたことがあります。 この時は船が喜望峰回りを強制されることになったり、船の絶対数が足りなくなって、船会社は不定期戦の運賃を2倍にして海運業界は好況を迎えました。 いわゆる「スエズブーム」と呼ばれているものです。 今回の座礁の問題は1年も続くことはないでしょうが、もしサルベージに数週間かかるとなると スポット的な「第二次スエズブーム」が海運業界に訪れるかも知れません。 荷主からしたらたまったものではないので、早い解消を祈るばかりです。 まとめ それでは今回のお話をまとめましょう。 3月23日にエバーグリーンという会社のEver Givenという20,000TEUクラスの大型船がスエズ運河で座礁をして、運河を塞いでしまいました。 これにより3月27日時点では約300隻の船が足止めされている状態です。 現時点では離礁作業は難航しています。 もし、このまま船を動かすことが出来なければ、満杯に積まれているコンテナを下ろしたり、燃料を抜いたりして軽量化をしなければいけません。 そうすると作業として数週間がかかることになり、この期間はスエズ運河が使えなくなります。 もしそうなってしまうと、船は南アフリカの喜望峰をまわることとなって、追加で10日以上の航海をすることになります。 これは現在のコンテナ不足に更に悪影響を及ぼします。 海上運賃もスポット的ですが更に上がることになるでしょう。 私としても1日も早い離礁を祈っています。 今回のお話は以上になります!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。