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貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい? | 物流コラム

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい?

貿易事務・実務別 フォワーダーの仕事は忙しい?について動画で解説 どうもこんにちは、飯野です。 今回はフォワーダーの仕事は忙しいのか?をテーマにお話をしていきたいと思います。 もしあなたがフォワーダーの仕事に興味がある、でも全くの初心者の場合フォワーダーの仕事がどのようなものか見当も尽きにくいですし、どれくらい忙しいのかも分からないと思います。 Googleの検索を見てもフォワーダーの業務の忙しさを検索している人たちは一定数でいると分かりますので、今回は私なりの考えをお話ししていきます。 会社やポジションによる フォワーダーの仕事は忙しいのか? 結論を言えば、「会社やポジションによる」という事になります。激務で長時間労働をしているフォワーダーもいれば毎日定時に帰っているフォワーダーもいます。 それでは どういうポイントでフォワーダーの仕事が激務になるのか?または定時で帰れる程の業務量になるのか?フォワーダーの仕事が忙しいかどうかを判断するポイントをご紹介します。 もし、あなたがフォワーダーに就職や転職をしようとしているならこれらのポイントを面接の時に質問してみるのもいいかもしれません。 今回のポイントはフォワーダーの営業と業務担当のポジションでのお話となります。ではいってみましょう。 業務量について まずは業務量です。フォワーダーの仕事はサービス業なので商品を売って終わりというものではありません。 フォワーダーが貨物を荷主さんから引き取って、別の国の届け先までしっかりと届けるには色んな工程があって、それぞれで連絡業務や書類が発生してきます。 もし引き取りから、最終的な届け先までの全ての物流を手配するワンストップサービスをフォワーダーが提供する場合、1つの案件での業務量は多くなります。 また どれくらいの顧客数を フォワーダーが担当するのか、どれくらいの案件を1ヶ月でこなさなければいけないのか、これらによって大体の仕事の忙しさが決まってきます。 業務内容について 次に業務内容です。先程ご説明したようにもしワンストップのサービスをお客に提供する場合、貨物の引き取りから、配送先までの全ての物流手配をする必要があります。 しかし お客の取引条件や、通関やトラック手配をしないという方針であればフォワーダーの仕事は船や飛行機だけの手配で済む場合もあります。 フォワーダーの大前提の仕事としては 船会社や航空会社のスペースを使って、物流を手配する代理店業になります。 なので船や飛行機の手配だけという案件もあるのです。 輸出・輸入のトラックや通関の手配は荷主が別の会社を使用するケースもあります。 これは会社や営業マンのスタイルにもよります。船や飛行機の手配だけではフォワーダーの会社にスペースを確保する力や海上運賃・航空運賃が相当魅力的でないと荷主が他社に簡単に切り替えられてしまいます。 なので出来るだけワンストップサービスをお客に提供しようとするフォワーダーは少なくありません。とはいえ、船や飛行機の手配だけなら1案件の仕事内容は比較的 楽なものになります。 営業と業務の仕事の振り分けについて 他には「営業と業務 の仕事の振り分け方」です。 これは完全に会社によるのですが、 営業は新規の開拓、見積もり作成、既存客のフォロー、トラブルが発生した時の対応をする。 業務はBookingや各種書類の手配、通関手配、トラック手配、請求書の発行をする。 などがあり、それぞれの仕事を営業と業務で分担します。 業務担当の仕事 まず業務担当者の話をします。 業務担当者は仕事の業務量や業務内容にも勿論よるのですが、仕事が多い、人手が足りていない会社ではすごく忙しいです。 業務の仕事には早さと正確さが求められます。ミスをしてしまうとミスのカバーするための仕事が発生してしまうので、正確さと早さのバランスがとても重要です。 また会社にもよりますが業務担当者がレートを確認し、見積もりを作る場合もあります。 営業マンは新規顧客獲得と問題が起きた時のフォローだけ。 貨物を送る為のオペレーション全般は全て業務担当者がするという会社もあります。 この場合、仕事が多い会社だと業務担当者は むちゃくちゃ忙しくなります。 営業マンの仕事 次にフォワーダーの営業マンの一般的な仕事ですが、日本のフォワーダーの営業マンは基本的に外回りが中心で、事務所にいることが少ないケースもあります。 仕事をしない営業マンだと、ぶっちゃけ楽です。 しかし、仕事をバリバリする営業マンだと仕事のプレッシャーが大きいです。物流の仕事では納期通りに貨物を届ける事が求められます。 しかし最終配送先まで届けるのに複数のプロセスがあり貨物の輸送中に問題が発生することは少なくありません。 物流の問題の種類は沢山あるのですが、昨今のコンテナ不足で発生している問題で例にあげますと ・本船のスペースが取れない ・コンテナがロールオーバー(積み残し)され翌週の船に回される ・翌週の船が港を抜港して更に1週間遅れる ・他の国の港が混雑してスケジュールが遅れる ・通関で貨物が止まる ・ドレーが取れない などなど。自分たちでコントロール出来ない事も沢山あり、その中でフォワーダーの営業マンは出来る限りの対応を取る必要があります。 仕事が出来る営業マン、また仕事の多い営業マンほど問題を多く抱えることになります。 問題が発生した時は荷主からのプレッシャーがハンパないのです。 フォワーダーの繁忙期 また時期によってもフォワーダーの仕事の忙しさは変わります。 例えば、中国との取引が多い荷主を担当する場合 中国の旧正月や国慶節といった長期休暇の前は荷主も貨物を出そうとBookingが集中しますので忙しくなります。 あと年末年始やタイだとソンクラーンというタイの旧正月前は忙しくなります。 また長期休暇後も忙しいです。休暇中は通関は止まりますので、休み明けに書類作成や通関対応を まとめてすることになります。 日本の場合3連休が多いので、3連休明けは業務担当者は忙しくなります。 まとめ では今回のお話をまとめてみましょう。 フォワーダーの仕事は忙しいのか?という質問に対しては 「会社やポジション」によります。 フォワーダーはサービス業なので、業務量が多いと純粋に忙しくなりますし、業務内容がワンストップサービスを提供するものだと作業は増えます。 業務担当者と営業担当者でも違いはあって業務担当者がスケジュール確認をしてBookingするだけでなく、レート確認をして見積もりを作る場合だと忙しくなりますし、営業マンは仕事をとれば取るほど問題発生の可能性が高くなって、問題発生時には荷主さんからのプレッシャーがハンパないです。 他には長期休暇前では荷主は休み前に貨物を出そうとするので、輸出担当者が忙しくなります。 そして長期休暇後では貨物は港や空港に入って来ているけれども、通関が止まっていたり、Arrival NoticeやD/Oといった書類の作成が一気に増えますので、連休明けは輸入担当者が忙しくなります。 主にこれらのポイントがフォワーダーの仕事が、忙しいかどうかを判断する参考材料になると思います。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴 | 物流コラム

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴

ダメなフォワーダーの営業マンの特徴について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今日はですね、ダメなフォワーダーの営業マンの特徴についてお話をしていきたいと思います。 私自身が商社で働いていた時にいろんなフォワーダーさんと取引していたのと 現在はフォワーダーの経営者として社内の営業マンを管理していたり 競合他社の営業マンの話を聞く機会もあったりでダメな営業マンはやっぱり共通しているなと思ったことがあります。 もし、あなたがフォワーダーの営業マンであれば参考にして頂いたり、もし荷主さんであればフォワーダーの仕事や内情を理解して、より良いフォワーダーを選ぶ基準の一つになればと思います。 では、いってみましょう! すぐに「できない」と言う ダメなフォワーダーの営業マンの共通点1「すぐに出来ない、難しいと言ってくる」 貨物を送る荷主の立場からして、新しいビジネスが決まった時や物流で何らかの問題が発生した時に営業マンの対応が必要になった時 簡単に「出来ない」というフォワーダーの営業マンがいます。 検討や確認すらせず即答する人もいます。 仕事を抱えすぎて本当に忙しくて時間的に余裕がないから出来ないのと単にやった事がないから出来ないというパターンがあり、どちらにしろお客さんにとったら、「じゃあどうすればいいの?」となります。 既存の案件の貨物を運ぶだけなら他のフォワーダーでも沢山 対応出来る所があります。 もちろん本当に難しい案件だったり、内容にもよるのですが、お客さんの依頼や悩みを解決しようとする所にフォワーダーの営業マンの意義があるので即答で出来ないと言ってくるのは営業マンの引き出しが少ない可能性があります。 昨今ではフォワーダーに、ピックアップから最終目的地までのワンストップサービスが求められることが割と一般的です。 単に船会社・航空会社の取次業務だけでは、「コンテナやスペースが確実に取れる」や「相当な価格メリットがある」などの特徴がないと生き残れません。 お客さんの物流のコンサルタント的な役割も フォワーダーの営業マンには必要なのかなと思います。 レスポンスが遅い ダメなフォワーダーの営業マンの共通点2 「レスポンスが遅い」 国際輸送は案件によっては対応のスピードが求められる時があります。特にトラブルが発生した時。対応が遅くなればなるほどデマレージなどのペナルティーが発生したり、金額が大きくなったりするものもあります。 この「レスポンスが遅い」には営業マン自体の問題だったり 下請け業社の問題だったりすることがあります。営業マンは早くお客さんに回答をしたいけれども下請け業社がなかなか回答をくれない事も少なくありません。 これは後にも説明しますが下請け業社との連携が大切な要因です。 営業マン自体のレスポンスの速さは意識次第で何とかなります。 短くてもいいのでチャットやメールを確認した旨を伝え、対応しているという姿勢を見せましょう。 自分ですぐに回答できるものは即レス。他の部署の担当者や下請けの回答が必要な場合は 常に進捗を確認してフォローをする意識が大切です。 仕事が雑 ダメなフォワーダーの営業マンの共通点3 「詰めが甘い、仕事が雑」 新規案件の時に営業マンの詰めの甘さが露呈する場合があります。弊社も含めてですが結構あります。 営業マンの仕事は新規開拓でもあります。新規案件を取ったはいいものの、実際の業務になると 実は確認漏れがあって、見積もりに含めていない項目が出てきたりすることがあります。 営業マンにとっても初めて取り扱う貨物やルートの場合 十分に調べたつもりでも、実際に貨物が送られてきて「何このチャージ?」と港や通関からの請求書を見て驚く時があります。 これはお客さんに請求できない場合が多く、結構な金額を支払った同業者さんも知っていますし 弊社でもやってしまったことがあります。 自社で問題の責任を取ればまだセーフな感じはしますが 事前確認の問題でお客さんに負担を強いたりするのは問題かなと思います。 業務との連携が取れない ダメなフォワーダーの営業マンの共通点4 「業務との連携が取れていない」 フォワーダーの営業マンはオペレーションをしてない場合が多く カスタマーサービス担当者に任せている所もあります。 営業マンはお客との窓口で、フォワーダーの営業に伝えたことが業務に正しく伝わっていない事が結構あります。 業務担当であるカスタマーサービスは大量の作業を抱えていて、特に新規案件の場合は業務連絡のミスが起こりやすいです。 営業マンからの適切な指示やフォローアップがないと かなりの確率で問題が発生して、営業マン自身がトラブル対応に追われることになります。 下請けとの連携が取れない ダメなフォワーダーの営業マンの共通点5 「下請けとの連携が取れていない」 フォワーダーは大手企業でなければ 通関、ドレー、倉庫、梱包、据付などの仕事を外注しています。 これは先にも説明したように、船会社・航空会社との取次業であるフォワーダーにワンストップサービスが求められる事が多いからです。 これも先程の業務担当者との連携の話に共通しますがフォワーダーの営業マンに依頼したのに、通関などの下請けに情報が正しく伝わっていない時があります。 通関のミスは貨物が税関で止められてしまう原因になるので納期を優先しているお客さんの場合だと大問題になります。 また少し複雑な据付や梱包の手配では 案件の全体をよく理解している営業マンが現場に立ち会わないと現場判断が出来ずにミスにつながる可能性もあり、最悪の場合は事故につながるケースもあります。 これは営業マンの意識だと思います。下請け業社に丸投げするのではなく、しっかりと進捗を確認して正しく業務が遂行されるかを管理する必要があります。 因みにですが、大手企業でも自社のリソースを使うけれども営業マンによっては連携が取れていない人もいます。会社の大小の話ではなく、営業担当者としての話です。 コストが高すぎる ダメなフォワーダーの営業マンの共通点6 「値段が高すぎる」 物流は物が安全に納期通りに運ぶことが出来れば、あとは基本的にはコストでしかありません。 営業マンのサービスが素晴らしい場合、他社と比べて最安値である必要はないけれども 圧倒的に高い場合は他社に切り替えられる可能性があります。 同じ案件で安全に・納期通りに・営業マンの対応にストレスなく 貨物が運ぶことが出来れば、安い方が選ばれるのが資本主義の原則です。 フォワーダーの営業マンは自分の仕事のキャパシティの限界とマーケットプライスをしっかりと理解している必要があると思います。 営業マンは自分の仕事のキャパがいっぱいで手が回らない時に、安く売る必要はないと個人的には思います。 しかし他の人にまわせるのであれば、仕事をまわして適正価格で取引した方が組織としては中長期的に儲かりますので、そこはマネージャーの仕事になってきます。 まとめ それでは今回の話をまとめます。 ダメなフォワーダーの営業マンの特徴は ・すぐに出来ないという ・レスポンスが遅い ・詰めが甘い ・業務との連携が取れていない ・下請けと連携が取れていない ・値段が高すぎる だと私は思います。 フォワーダーの仕事はサービス業です。サービスを度外視して、単に貨物を運ぶだけなら他のフォワーダーでも出来るコモディティな業種だと私は思っています。 そこでどうやったら生き残れるのかを常に考えると、やはり目の前の仕事に対して 丁寧にスピード感を持ってやる事ではないでしょうか。 今回のお話がフォワーダーの営業マンや荷主の物流担当者さんのご参考になれば幸いです。 今回は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

第一回!物流クイズ-正しいインコタームズを当ててみよう! | 物流コラム

第一回!物流クイズ-正しいインコタームズを当ててみよう!

第一回!物流クイズ どうも、こんにちは飯野です。さあ、始まりました新企画。物流クイズでございます。 このチャンネルではIt’s fun to learn Logistics「物流を学ぶのは実は楽しいことなんだ」というテーマでお送りしておりますので皆さんの物流や貿易の知識を是非 力試しして欲しいと思ったので 今回のクイズ企画を作りました。 楽しんで頂ければと思います。 まず簡単にクイズの概要を説明します。今回のクイズはインコタームズ についてです。 これから一枚ずつ画像が表示されます。この画像をみてEXWやFOBなど、どのタームかを当てるクイズです。 判断するポイントは輸出者と輸入者との間での「物流のコスト」と「貨物のリスク」の負担が切り替わる場所です。 全く分からないという方のために、関連動画集を概要欄に貼っておきますのでそちらを見てから挑戦してもらっても大丈夫です。では、いってみましょう! 第一問 問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DDP B. EXW C. FOB D. CIF 正解はBのEXWです!物流コストと貨物のリスクを輸出者の工場から全てBuyerである輸入者が負担するという図ですので、タームはEXWになります。 第二問 では続いての問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. CIF B. DDP C. CFR D. FOB 正解はBのDDP!先ほどのEXWとは逆で、輸出側の工場から輸入側の届け先までSellerである輸出車が費用と貨物のリスクを全て負担すると表している図です。なのでタームはDDPになります。 第三問 問題。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. FCA B. DAP C. DPU D. CFR これは少しトリッキーなタームですね。正解は。。。DのCFRです! 物流コストの負担は輸出者が輸入側の港まで負担する。そして貨物のリスク負担は輸出者が輸出側の港までを負担する条件です。 インコタームズのCグループはこのようにコスト負担とリスク負担が変わる場所が違うトリッキーなものなので注意が必要です。 第四問 続いての問題はこちら。これはどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DAP B. CPT C. FOB D. DPU さて正解は。。CのFOBです!コストとリスク負担を輸出者は輸出側の港まで、それ以降を輸入者が全て負担するという取引条件です。FOBは貿易では頻繁に使用するタームです。 第五問 それでは最終問題です。この図は、コスト負担とリスク負担のどちらを表現しているでしょうか? 3択問題です。 A. コスト負担 B. リスク負担 C. どちらでもない さあ、ここで50:50. Cのどちらでもないが消えます。 ※みのもんた風のタメ 正解はAのコスト負担です! 問題の解説 もう一枚別の図を見て一緒に解説しましょう。この問題でのポイントはCFRとCIFです。先ほどの問題の左の図は輸出者が輸入側の港までを負担するもの。これは物流費用・コストでしたね。 そして右側の図では輸出者が輸出側の港までしか負担しない。これは貨物のリスクでした。 このトリッキーなタームをしっかりと理解しているかどうかが正解を分けるポイントになりましたね。 まとめ 今回の物流クイズはいかがだったでしょうか? 慣れている方には簡単なものだったかもしれません。 しかし貿易・物流の基本といえるインコタームズは確実に理解しておかなければいけません。 輸出者と輸入者で取引条件の共通認識が出来ていなければ勘違いが生じてトラブルの元になってしまいます。 これからも 楽しく学べる物流のクイズを作っていきますので 次回もお楽しみに!ありがとうございました! ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは? | 物流コラム

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは?

コンテナ不足によって起こる物流業界のニューノーマルとは?を動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回はこのコンテナ不足によってこれから物流業界がどのように変わっていくのか私の個人的な考えをお話ししていきたいと思います。 昨年末にコンテナ不足の原因や影響を解説する動画を作成していまして、まだ見ていないという人の為に概要欄にリンクを貼っておきますので是非 一度ご覧になって下さい。 海上運賃の高騰 ここ最近の海上運賃の高騰はもの凄く大きくてルートよっては20倍にまで値上がりしたという航路もあります。20倍は極端な例ですが、ここ数年の海上運賃が低水準過ぎたという見方もできます。 実は過去数年で統合合併する船会社や倒産した船会社もあります。ここ数年では船会社はずっと赤字で運営しているところが多かったんです。 そこで今回のコンテナ不足が発生し、この高騰しまくった海上運賃でも貨物を輸送する荷主さんは実際には沢山います。 このような状態を経験すると、船会社としても赤字運営をしていた以前のように海上運賃を低水準まで落とす必要はありません。 コンテナ不足が解消されたら? なのでコロナが落ち着き、コンテナが市場に余ってきたとしてもコンテナの量は調整されると思います。 そうなると海上運賃は以前のように安くならないので ・利益が少ないビジネスは続けるのが難しい ・価値が高い商品でないと採算が合わない ・製品によっては近場や国内調達の方がメリットが出てくる ・薄利でもボリュームで利益を確保できる資本のある会社が結局強い これらのような事が起こってくると思います。 海上輸送は世界のインフラです。 現在のように運賃が高すぎるのもどうかと思いますが安すぎて船会社が倒産してインフラ自体が使えなくなる、または競争が減って各国への船の便数も減ってしまうと逆に納期通りに送れなくなったり、船会社のサービスが悪くなってしまうのも問題かと思います。 何事もバランスが大切なのかなと思います。 コンテナ確保の重要性 またコンテナの量が限られているので、コンテナを確保できないフォワーダーも生き残りが難しくなるでしょう。 私の周りでも現在 コンテナが確保できないフォワーダーは仕事がなくて暇でコンテナが確保できるフォワーダーは仕事が集まって忙しいという状況になっています。 荷主は貨物を送らなければいけません。この時に取引のあるフォワーダーがコンテナを確保出来なければ確保できる別のフォワーダーが選ばれることになります。 そしてコンテナが取れない、また海上運賃が高騰しているので、海上輸送以外の手法で輸送を希望される荷主さんも増えています。なので現在 海上の混載便や航空輸送に影響が出ています。 クロスボーダートラック案件の増加 タイにある弊社ではクロスボーダートラックの案件が増えています。 特にシンガポールとマレーシアはトランシップ港として港の混雑が大きな問題になっており、タイからだとトラックの方がスケジュールが見えるので、そちらが選ばれるようになってきました。 これまで海上輸送しかやってこなかったというフォワーダーが急にクロスボーダートラックの手配を依頼されても迅速な対応は難しいです。 また輸入者も在庫を準備するようになり、倉庫を求められることもあります。その時に素早く適切な倉庫を提案が出来るかどうか。フォワーダーの営業マンは総合的な物流提案の実力が必要になってくるでしょう。 フォワーダーが多すぎる 私の個人的な感覚でもありますがタイに関して言えばフォワーダーは非常に多い印象です。日系の運輸業者はバンコク日本人商工会議所に登録されているだけで約100社あります。 その中でフォワーディングの業務対応をしている会社も多いです。そして日系の製造業・商社業は登録されているもので約1,150社あります。 私がバリバリに営業をしていた時で、1人で抱えていた顧客数は30社以上あったのでこの数字を見る限りではタイでは日系のフォワーダーは供給過多だと思えてしまいます。 フォワーダーの仕事は日系やタイローカルも含めて少人数で始める事が出来ます。 これまでは物量が少なくてもコンテナを船会社から確保出来ていたので問題なく物流手配が出来ていましたが、現在では取り扱いボリュームが少ないフォワーダーはコンテナが取れないと聞きます。 船会社の営業のマンパワーにも限りがあるのでボリュームの多いフォワーダーの対応を優先しがちになるからです。 タイの物流はイーノさん ここで少し宣伝をさせて下さい。 弊社のグループでは通常時で月間5,000TEUの物量を扱っており複数の船会社と良い関係があります。 その為、弊社ではタイ発のコンテナは取れている方だと思います。 他の同業者さんがコンテナを取れなく、荷主さんから弊社にBooking依頼が来ることも最近は少なくありません。 また得意なのは海上輸送ですが、総合的なタイの物流手配を私自身 7年やってきましたので様々な案件にお答えできるかと思います。 タイに支店がない日本のフォワーダーさんで、タイからの輸送案件がありましたら是非お問い合わせ下さい。 まとめ では今回の話をまとめますと昨年下旬から発生したコンテナ不足から、物流業界にもニューノーマルが訪れ、以前と全く同じようなコンテナ供給や海上運賃には戻らないと思います。 これはニューノーマルというか、ずっと以前に戻ったという感じでしょうか。 なので荷主さんにとっては物流を意識したビジネスモデルが重要になり またフォワーダーの実力や営業マンの提案力が重要になって来ると思います。 現時点ではまだコロナは治まるどころか逆に広がっていますし、その中でも自分が出来ることを考えて行動するのが大切なのかなと思います。 今回のお話は以上になります。また次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

よくあるB/Lのトラブルについて | 貿易書類と手続き

よくあるB/Lのトラブルについて

どうもこんにちは。飯野です。 今回はよくあるB/Lのトラブルについてお話ししたいと思います。 B/Lとは日本語では船荷証券と呼ばれ、運送契約書のことです。輸入の際、貨物を引き取る時に荷物の持ち主であるという証明書になります。 今回はB/Lのよくあるトラブルの例と、トラブルの対処方法についてのお話です。では、いってみましょう。 よくあるB/Lのトラブルについて どのようなものがある? B/Lのトラブルにはどのようなものがあるでしょうか? 主に発生するB/Lのトラブルは ①B/Lの記載内容が間違っている ②貨物を引き取りたいのにMaster B/Lがサレンダーになってない 私が体験しているものでは殆どがこの2つになります。 記載ミス なぜB/Lの記載内容に間違いが生じてしまうのでしょうか? それはB/Lの内容は主に人が手作業で入力しているからです。 輸出者から送られるSI(Shipping Instruction)を元にB/Lは作成されます。フォワーダーがB/Lの原稿となる内容のデータを入力しますので、タイプミスがあると間違ったまま発行されてしまうのです。 またフォワーダーのHBLだけでなく、船会社が発行するMBLにもミスはあります。 なのでB/Lの記載ミスはドラフトの時点でしっかりと確認しましょう。フォワーダーに連絡すれば、すぐに修正してくれます。 B/Lの記載ミスはHBLの場合はすぐに修正することが出来ますが 船会社のダイレクトB/Lを使用している場合は修正により時間がかかります。 B/Lの記載ミスの修正には費用がかかります。主にミスした側の負担になりUSD50程度支払わなければなりません。 サレンダーになっていない そして貨物を引き取りたいのにマスターB/Lがサレンダーになっていない時もあります。サレンダーB/Lは、オリジナルB/Lを発行した際に輸出側でそのB/Lを船会社やフォワーダーに差し入れて回収することです。 なのでサレンダーのことを元地回収とも言います。サレンダーされていれば輸入側にオリジナルB/Lが届いていなくても貨物を引き取ることが出来ます。 しかし サレンダーB/Lの発行手配をしたつもりでも、貨物が引き取れない時があります。 サレンダーB/Lの手配は、一旦オリジナルB/Lが発行されて、そのオリジナルB/Lを輸出側で船会社に差し入れることでサレンダー(元地回収)になります。 よくあるのは輸出側でB/Lの回収手配を忘れていることがあるのです。 これはフォワーダーか船会社の単なるオペーレーションミスで輸出側のフォワーダーに連絡をして、正しくB/Lの元地回収が行われているかを確認しなければいけません。 また稀にあることですが、B/Lが紛失する時があります。これは貨物の持ち主であることの証明がないのと同じなので、貨物を引き取れません。 万が一B/Lが紛失した時の対応としては、輸入者がL/G(Letter of Guarantee)を発行し フォワーダーに説明をすると、先に貨物の引き取りが出来る時があります。 これはフォワーダーによっても判断は分かれることもあるので絶対とは言えませんし、銀行の保証をつけることも求められます。 銀行の保証を解除するためには後日オリジナルのB/Lを入手し、L/Gと交換しなければなりません。もしくは最終的な手段として、法的手段しか方法はありません。 どうしてB/Lのミスは危険なのか ではそもそも、なぜB/Lのミスが危険なのでしょうか? B/Lの記載ミスがあると、輸入側で通関出来なかったり修正に時間がかかります。 そうなると、ヤードや倉庫から貨物を出せずにデマレージや保管料がかかるのです。 貨物が止まって時間がかかるだけでなく、安くない余計な費用も発生するからです。 B/Lの記載ミスを防ぐには ではどうすればB/Lの記載ミスを防ぐことが出来るでしょうか? ・ドラフトの時点でB/Lの記載事項に間違いがないかチェックする ・B/Lが発行されたら直ぐに輸入側にコピーを送り確認をしてもらう そして万が一のオリジナルB/Lの紛失を防ぐには オリジナルは3部発行されるのですが、1度に3部まとめて郵送するのはやめましょう。 またEMS(国際郵便)ではなくDHLなどのクーリエサービスを使って送ると良いでしょう。 他にはサレンダーB/Lを積極的に活用する事をおすすめします。 まとめ 今回のB/Lのトラブルについてまとめます。 B/Lのトラブルでは、B/Lの記載ミスとマスターB/Lがサレンダーになっていないことが頻繁に起こります。また稀にですがB/Lの紛失もあります。B/Lは正しく記載することが重要です。 間違いがないようにドラフトの時点で確認を怠らない様にしましょう。 B/Lの訂正にはお金と時間がかかります。発行した後にB/Lの間違いに気づいたとしても 本船の入港前であれば、それほど大きな問題にはなりません。 またマスターB/Lでサレンダーがされていない場合は とにかく輸出側のフォワーダーとの連携が必要です。 マスターB/Lにサレンダーのスタンプが押されていても船会社のシステムでサレンダーになっていない場合もあります。これは気付いた時点ですぐに行動しなければいけません。 万が一B/Lは無くしてしまうと、再発行は難しいです。 1部は輸出者で保管、1部は輸入者で保管、1部はフォワーダーに送付など決めておくと、どれか1部無くしてしまっても、他のB/Lの原本を使用する事で貨物を引き取ることが出来ます。 これらのことを気をつけるだけでB/Lのトラブル発生確率を下げることが出来るので 参考にして頂ければと思います。今回は以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

第二回!物流クイズ – インコタームズの特徴 | 物流コラム

第二回!物流クイズ – インコタームズの特徴

第二回!物流クイズ どうもこんにちは。飯野です。 さあ、今回も始まりました。第二回目の物流クイズでございます。 このチャンネルではIt’s Fun to learn Logisticsをテーマに発信していますので楽しく物流を学べるように心がけております。 では今回のクイズの概要を説明します。これから各問題ごとに1枚の画像が表示されます。 テーマはインコタームズですが、それぞれの特徴を問題としています。全て4択問題で、選択肢から最も適切な回答を選んで下さい。ちなみに正解は1つだけとは限りません。それではいってみましょう! 第一問 問題。EWXで輸出者のメリットはなんでしょうか? A. 全ての物流のコントロールをする事ができる。 B. 物流のリスクが少ない C. 生産スケジュールを遅らせてもいい D. 何もメリットはない 正解は・・・Bの「物流のリスク」が少ないです。 EXWでは輸出側の工場などから配送先までの貨物のリスクを輸入者が負担します。 輸送手配は全て輸入者が対応してくれるので、もし選択肢に「物流手配の手間が少ない」という回答があればそれも正解になっていたでしょう。 第二問 問題。EXWで輸入者のメリットは何でしょうか? A. 物流をコントロールする事が出来る B. 物流費用を支払う必要がない C. 輸入関税と消費税を支払う必要がない D. フォワーダーを選ぶ事が出来る 正解は・・・AとDです。 先ほど説明したようにEXWでは輸入者が物流の手配をしますので、輸出側の工場から配送先までの全ての物流を手配することになります。 その為、輸出側・輸入側のトラック・通関・フォワーダーを輸入者が選ぶ事が出来るので全ての物流をコントロールすることが可能になります。 第三問 問題。EXWで輸入者のデメリットは何でしょうか? A. デメリットはない B. 現地に詳しいフォワーダーがいないと使えない C. 本船のスペースが取りにくい D. 全ての物流のリスクを負担しなければいけない 正解は・・・BとDです。 EXWでは輸入者が輸出地の物流も手配することになります。その為、取引のあるフォワーダーが輸出側に詳しい必要があるのです。 フォワーダーには得意・不得意があり、現地に支店や代理店がなかったり 全く馴染みがない国の物流手配をすることは難しいです。もし出来たとしてもトラブルが発生した時の対応が難しくなります。 その全く馴染みがない国でのトラブルのリスクも負担する必要がありますので 全てのリスクを輸入者が負担するEXWは輸出する国の物流のことをよく知っているフォワーダーを見つけなければいけません。 第四問 問題。FOBでは貨物の運賃とリスクの負担はどこから輸出者から輸入者に変わるでしょうか? A. 輸出側のCY B. 輸入側のCY C. 輸出側で貨物が船に乗った時 D. 輸入側で貨物が船から下ろされた時 正解は・・Cの輸出側で貨物が船に乗った時です。 CYとはコンテナヤードの事ですが、FOBではCYではなく輸出側で貨物が船に乗せられた時に費用と貨物の責任が輸出者から輸入者に移ります。 先程の輸入者のデメリットでも少し触れましたが、輸入者にとって輸出側の国のことがよく分からないとその国の物流手配をするのは簡単な事ではありません。 なので馴染みのない国から輸入する場合、その国の国内物流を輸出側に任せるFOBを使用するのは 物流のリスクを下げることにつながります。 第五問 最終問題です。この画像はどのインコタームズを表しているでしょうか? A. DPU B. FOB C. CIF D. FCA 正解は・・ DのFCAです。 インコタームズのFCAでは輸出側の特定の場所までの費用とリスクを輸出者が負担する取引条件です。それは輸出側のCYであったり、特定の倉庫の場合があります。 特定の倉庫を使う場合はバイヤーズコンソリデーションで複数の輸出者の貨物をまとめてコンテナに積み込んで輸送する時に使われることもあります。 また輸出側のCYを指定場所としたときに、CYに貨物が入ったら費用負担とリスク負担が輸入者に切り替わります。 これはCYに入った貨物が地震や津波などで災害にあった時の貨物責任は、輸入者が負担することになるのです。 商習慣的にFOBを使うことが多いですが、このようなリスクを知った上で適切なインコタームズ を選択することも大切です。 まとめ 今回のクイズはいかがだったでしょうか。 インコタームズを理解することは大切ですが実際に実務で使用できることが大切です。貿易では貨物が最終的な配送先に届けられるまでに複数のプロセスが存在しています。 そこで発生するリスクや輸出側・輸入側の物流業者の強みなどを考慮してどのような物流手配がベストなのかを選択出来るようになると物流担当者としての強みになります。 引き続きケーススタディーも含めて、楽しく学べるクイズを作っていきたいと思います。 今回はこれまで!また次の動画でお会いしましょう!ありがとうございました! ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

2020年、20201年のコンテナ不足の影響について | 物流コラム

2020年、20201年のコンテナ不足の影響について

2020年、20201年のコンテナ不足の影響について動画で解説 以前に投稿した「コンテナ不足の原因」という動画がとても好評でして多くの人にシェアをしてもらい沢山の人に見てもらうことが出来ました。皆様 本当にありがとうございます。 そこで今回はその続編としまして、現在のコンテナ不足によって起こっている「影響」についてお話をしていきたいと思います。 前回の動画「コンテナ不足の原因」を見ていないという方のために、概要欄にリンクを貼っているので、そちらの動画もあわせて見て頂ければと思います。 コンテナ不足の影響 ではコンテナ不足によって現在 どのような事が起こっているのでしょうか? その影響を大きく分けて2つのポイントからご説明したいと思います。 ・海上運賃の高騰について ・本船の遅延について そしてフォワーダーとしての現場対応についても含め私が知る限りの情報をお伝えしていきたいと思います。 海上運賃の高騰 まずアジアや東南アジアで製造業・商社業・物流業に従事している方なら実感していると思いますが海上運賃がとんでもなく上昇しています。 2020年の10月の時点でアメリカ向けの海上運賃が過去最高に上がっていると前の動画でもお話ししたのですがそれがアジア近海の海上運賃にまで大きく影響してきています。 例えばタイから日本向けの海上運賃はここ数年 比較的低い水準で動きも小さかったのですが、11月から値上がりが始まり、12月には過去の2, 3倍の金額に跳ね上がっています。 特に中国出しの価格が著しく高いです。例えば上海からシンガポールまでの40’の海上運賃は以前であればUSD200/40’ほどだったものが今ではUSD 1,000/40’近くにまでなっています。 また天津からタイは以前はUSD 400/40’ほどでしたが、現在ではUSD2,000/40’を超えています。 コンテナの需要と供給 なぜこのように海上運賃が跳ね上がっているのか?一般的に価格は 需要と供給のバランスで変動します。 現在ではアジア・東南アジアでは特にコンテナが足りておらず、船会社も空コンテナの回漕船をフルに導入してるけれどもコンテナの需要に供給がおいつていません。 では、そのコンテナはいったいどこにあるのか? 実は多くのコンテナは現在 中国から北米・欧州などの長距離航路(ロングホール)の輸送に優先されています。 コロナの影響 ここで少しコロナの話をします。コンテナ不足の原因は前回の動画で主にコロナによる日用品の需要回復、ロックダウンによる人手不足もあると説明しました。それがやはり関係しています。 まず日用品の需要ですが、北米ではクリスマス商戦の需要だけでなく、コロナによる在宅ワークの定着により家で仕事をするための製品や雑貨、またスポーツ用品などの需要も高まりました。 これらの製品の生産国といえば、やはり中国です。 また欧州では、コロナの第3波に備えての生活必需品や消費財の在庫の積み増しと考えられる輸送が9月に中国から多くありました。 この需要の高まりとコンテナ不足が原因で9月から10月の上海出し、オランダのロッテルダム港 向けの海上運賃が上昇しています。 コロナによる人員不足 そしてロックダウンによる人手不足ですがイギリス全土とフランス全土で11月から12月まで2回目のロックダウンがありました。 ロックダウン中は外出禁止や港湾の作業員の人数も減りますので、荷役のスピードが格段に落ちます。 イギリスの港湾では今年の夏頃から船の混雑が始まっていましたが、このロックダウンを機に更に荷役が悪化します。コンテナの搬出作業にも時間がかかりターミナルにコンテナが滞留していきます。 これを少しでも解消するために船会社によってはイギリス向けのBookingは停止したり、イギリスの港を抜港したりするほどでした。 このように欧米での日用品の需要の高まりと、コロナによる人手不足の影響が コンテナ不足の原因です。 それに加え、船会社の収益確保がアジア圏のコンテナ不足に拍車をかけています。アジア内での短距離・中距離の輸送より、収益性の高い 中国から北米・欧州などの長距離航路が優先されています。 だから空のコンテナが中国を除くアジア・東南アジアにないのです。 このコンテナが限られている状況では、船会社が空コンテナの回漕を収益性が高い航路に優先するのが市場原理です。 本船の遅延 そしてこれらの影響は船の遅延にも繋がっています。 先ほど説明したようにコロナの影響で港の人材不足が発生しています。 これは再度ロックダウンとなったイギリス、フランスだけでなくアメリカのロサゼルス港、スリランカのコロンボ港はコロナの影響で荷役遅延が発生しています。 港の混雑 他にもアジアのハブとして大量のコンテナが集まるシンガポールでも港の混雑が深刻で、船が4−5日以上 港で沖待ちしている状態で、貨物を積み下ろす事が出来ません。 シンガポール港の混雑はマーケットの動きが影響しています。 先ほどご説明したように、最近ではロングホールの輸送にコンテナが優先されています。そして、そのロングホールの直行便の本船にスペースがなくなってきました。 その代替えとして、シンガポール経由のトランシップ便を使うようになっています。このトランシップの積み替え荷役の増加が、シンガポール港の混雑の原因になっています。 海上輸送では一つの港が混雑しているだけで、その航路を含む船のサービスは遅延してしまいます。現在、アジア圏ではシンガポールだけでなく、上海、釜山、ベトナムと各地で混雑が発生しています。 スケジュール通りに運行する本船が少ない為、荷主様には何卒ご理解を頂きたいです。 フォワーダーの現場対応 そして最後に私たちフォワーダーの現場対応についてご紹介をさせて頂きます。現在、本当にコンテナがありません。 私たちも各船会社と取引がありますがBooking予定のコンテナ本数を事前に伝えて確保してもらったり、日頃の関係から優先してコンテナを回してもらえることもあります。 そして荷主様もとにかく貨物を出荷しないといけないので、現行で使用しているフォワーダーだけでなく、別のフォワーダーにもコンタクトを取りコンテナの確保をより確実なものにしようとしています。 その為 2重でBookingとなることも珍しくはなく、より早いスケジュールや良い価格の条件のBookingを選ばれることになります。 そしてこうなると、船会社もBookingのキャンセル料の徴収を強化しはじめるようになります。 現在は海上運賃が過去最高になるくらいの状況ですがお金を積めば貨物を送れるという状況でもなくなってきました。更に船会社もBookingを停止するという動きも出たりしています。 いつになったらこの問題が解消するのか?残念ながらまだハッキリとした答えは出ていません。 2021年の2月頃に中国でコンテナ製造会社に発注しているコンテナの引き渡しがあったり、コロナのワクチンが流通して、少しでもコンテナ不足解消に向かうかもしれません。 私としては継続して情報収集をして、皆様により分かりやすく情報をお届けしたいと思います。 まとめ では今回の内容をまとめましょう。 このコンテナ不足によっての影響は大きく分けて2つあります。 過去にないほど海上運賃が高騰しています。これまではアメリカ向け中国出しの運賃が高騰していたのですが日本やタイを含むアジア圏での近海でも運賃が上がって来ました。 そして空コンテナは船会社にとって収益性が高いとされるロングホールと呼ばれる長距離航路が優先されています。その為アジア圏内でのコンテナ不足に拍車がかかっています。 こんな状況ですので2重Bookingとなることもあり船会社もキャンセル料の徴収を強化し始めました。またコロナの影響やマーケットの動きの影響で港の混雑が発生しており、多くの本船が遅れています。 まだハッキリといつ頃に解消されるかという情報はなく実務をしている現場としてはコンテナ不足・値上げ・本船の遅延・Booking停止などで本当に混乱をしています。 出来るだけ早い状況回復を望みながらも私としては分かりやすく新鮮な情報を発信していきたいと思います。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

2020年、2021年のコンテナ不足の原因について | 物流コラム

2020年、2021年のコンテナ不足の原因について

2020年、2021年のコンテナ不足の原因について動画で解説 今日は現在発生しているコンテナ不足の原因についてお話していきたいと思います。 コンテナ不足の原因 昨今ではこの物流業界で「コンテナがとにかく無い」と、コンテナショーテージが非常に深刻な問題になっています。 この問題は物流業界だけの問題ではありません。それにより製造業や商社業、そして小売業にも影響していきます。 このコンテナが足りない、さらに言えば船のスペースがなかなか取れないという状況においてこの原因は何なのか?今回は私が知っている範囲内で分かりやすいように、ざっくりとご説明していきたいと思います。 コロナの影響 なぜこのようなコンテナ不足が起こっているかというと、やっぱりコロナの影響です。 2020年の初頭からコロナウイルスが世界で猛威をふるっています。 そして今年の3月、4月から各国の都市でロックダウンが始まりました。 ロックダウンが始まると、経済活動が制限されますし、外で仕事をする人も制限されます。その時には、港の港湾作業員の人数が減ったため、荷役のスピードが落ちる原因になりました。 また運営をストップする工場もあったりして、そのため港に大量のコンテナが滞留していきました。 そうして貨物の動かない状況で船会社は価格を安定させるために、船の便数を減らしていきました。 貨物がないのに船を動かしていると船会社は赤字になってしまうので、船の便数を減らして価格の安定を維持しています。 7月からの経済回復 そして4月から6月は各国の経済活動の自粛が多い時期でした。7月くらいから世界中でも経済活動が少しずつ回復に向かいました。 そうした中、コロナ発祥の中国では結構早い段階からコロナ対策をしていて、今ではコロナの押さえ込みが出来ています。 中国は日本よりも一日の感染者数はかなり抑えられていて、中国の工場の稼働については、政府の補助金とかもあり結構早い段階で回復していきました。 中国の工場が稼働すると、それに伴い輸出の活動が再開していき、どんどん中国からの輸出が増えていくわけです。 そして、他の国よりコロナが抑えられている中国では工場は他国よりも早くから稼働しているので、そのために中国で生産しようとする商売が増えていき中国からの輸出は更に伸びていきました。 クリスマス商戦、国慶節に向けて貨物増加 そして、9月頃くらいから通常では北米向けにクリスマス商戦の貨物がどんどん送られます。特に中国から北米の貨物が本当に多いです。 1ヶ月で20フィートコンテナだったら、約90万個が中国から北米に送られる計算になります。 さらに10月では中国では国慶節という長期の休みがあり、その長期の休みの前に貨物をできるだけ早く出してしまおうという、そういう休み前の駆け込み需要でどんどん中国から輸出が進んでいったわけです。 また、船会社は便数をどんどん減らしているので、空コンテナを十分に回漕することができません。 タイにある弊社でも、タイから中国向けの輸出は船会社から少し制限されていまして、ボリュームの多い輸出はブッキングを拒否されたいうこともあります。 中国向けのコンテナの輸出を船会社がコントロールしていたと風に今では思っています。 フリータイムとディテンションの短縮 そのコンテナ不足を少しでも解消するために船会社もフリータイムとディテンションを短くしてきています。 例えば、日本向けで通常14日間あるフリータイムが7日間にしている船会社もあります。 早くコンテナを港から取り出して、貨物をおろして、コンテナを返却しなくてはいけないという仕組みを作っています。 人不足とシャーシ不足 これはアメリカから入手した情報ですが、現在のアメリカではコロナの影響で人で不足、シャーシ不足というのが発生しています。 港からコンテナを取り出して、アメリカの内陸の方までコンテナを運んでいきますが、そのコンテナがなかなか戻ってこないんですね。 その原因としては荷受人の方でも人手が足りていないので、バンニングやデバンニングがスケジュール通りに進んでいないことがあげられます。 またドライバー不足もありますので、内陸に行ったコンテナを戻すことが出来ないということも起きています。 そのため港からコンテナを取り出すための十分なシャーシが足りなくなっていきます。そういった理由で港にどんどんコンテナが溜まっていくことになるのです。 通常だったら1日~2日とかで戻ってきた空コンテナとかシャーシが1週間以上戻ってこなかったりします。 こういったことが繰り返し発生しているので、どんどん悪循環になっているのです。 このドライバー不足、シャーシ不足に原因があるので、船が港に到着してから2週間ぐらいかかってやっとコンテナを引き取れたという事例もあります。そういった経緯でコンテナ不足が発生しています。 海上運賃の高騰 北米の海上運賃が過去最高に高騰しています。アジアの玄関といわれるロサンゼルス港向けでは、海上運賃が通常だったら40フィートで2,000ドルはしません。それが4,000ドル近くにまで上がっている船会社があります。 これは別の動画でも解説しましたが、船会社はこれまでかなり熾烈な価格競争をしてきています。2016年には大手の韓国系の船会社が倒産してしまうほど、今まで価格競争が激しかったんですね。 こういうコンテナが不足している状況で、船会社が海上運賃を値上げするのは市場原理から見ると普通に理解できる事だと思います。 いつ解消されるのか? これがいつぐらいに解消されるかというと来年の2月とか3月ぐらいに解消するのではないかと予想はしていますが、実際のところはまだ分からないと思っています。 コロナの影響次第ではさらに荷役が遅くなったりするかもしれないし、このようなパンデミックのような状態でのコンテナ輸送の影響は初めてのことなので、はっきりと予想するのが大変難しいです。 まとめ 今回の話をまとめますと、コンテナ不足の影響はやっぱりコロナが影響しています。 ・4月から6月は経済活動の自粛 ・7月以降は日用品とかの需要が回復して輸出が増えてくる ・中国はコロナの影響を抑えられて、工場の生産が他国よりも回復したため中国からの輸出増 ・船会社が便数を減らしているので空コンテナの回漕が十分でない ・アメリカのクリスマス需要ということで、中国からアメリカ向けにコンテナが使用されている ・アメリカでは深刻なドライバー不足やシャーシ不足が発生してるため、内陸に行ったコンテナが戻ってこ  ない、港にあるコンテナが取り出せない ・アメリカの荷役も人材不足のためにスピードが遅くなっている これらの一つ一つの要因が重なりあって、このような深刻なコンテナ不足が発生しています。 これが回復するのは来年の2月とか3月とか言われていますが、実際のところはコロナの影響によってはまだまだ先が見えないという私の感想ではあります。 現在コンテナ不足によって直前のブッキングはなかなかコンテナがとれない状態になっているので、貨物輸送のブッキングはとにかく早めで宜しくお願い致します。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

コンテナ輸送の歴史について | 物流コラム

コンテナ輸送の歴史について

コンテナ輸送の歴史について動画で解説 今回は、「コンテナ輸送の歴史」についてお話をしていきたいと思います。 マルク・レビンソン氏著「コンテナ物語 THE BOX」 今回のお話をさせて頂くにあたり、参考にした本があります。それはマルク・レビンソン氏著の「コンテナ物語 THE BOX」です。貿易や物流に携わっている方に是非読んで頂きたい一冊です。 コンテナ導入はいつから? コンテナが導入されたのはいつからだと思いますか?50年前でしょうか、100年前でしょうか。 初めてコンテナが導入されたのは1956年4月26日、アメリカの東海岸ニューアーク港からヒューストンまで58個のアルミコンテナが運ばれました。 コンテナ輸送の前は? では、このコンテナ輸送が行われる前はどのように貨物が運ばれていたのでしょうか。 まず当時の海上輸送は沖仲仕(おきなかし)と呼ばれる人達が人力で積込・積卸をしていました。 この沖仲仕の仕事は とにかくキツくて危険な肉体労働です。彼らは手作業で50キロ~60キロのコーヒー豆や砂糖の袋の荷役をします。 彼らは波止場の近くに住んでいて、朝になると港に行って斡旋業者から仕事を貰いながら 日雇いの雇用形態で船の荷役の仕事をしていました。 当時の輸送費用はどういう感じでしょうか? 海上費用の内訳は、半分が沖仲仕の賃金と言われています。 良くない労使関係 また労使関係もあまり良くありませんでした。 港で仕事を斡旋する業者は、とにかく人件費をカットしようとしますし、二交代制にして効率化をしようと考えました。 しかし沖仲仕たちはそれに対して、猛反発をします。 労働組合がありストを起こし長時間の休憩をとり更に盗難も発生していました。 この問題をどうにかしようと港の人たちも考えていたけれど、なかなか上手くいきませんでした。 マルコム・マクリーンの功績 そこで港の問題を解決に導いた人がいます。それがマルコム・マクリーンです。 マルコム・マクリーンは起業家で、最初はトラックドライバーでした。 彼がある時トラックで貨物を運んでいる時「トラックをそのまま船に乗せたら荷役の問題が解決できるのではないか」と思いつきます。 彼はトラック会社の経営で大きな利益を得ていたので、その利益で船会社を買収して自分の船でコンテナ化を進めていきました。 そして世界で初めてコンテナが導入されることになります。上述したように1956年の4月にマルコム・マクリーンは初めてのコンテナ輸送を世に送り出しました。 初めてのコンテナ輸送の費用 お伝えしましたが、当時の海上輸送では50%が沖仲士の賃金でした。 そして、この初めてのコンテナ輸送の費用は とてもインパクトのあるものでした。 1956年代に貨物の積込費用は1トン当たり5.8ドルでした。これは中型船に沖仲仕が荷役する場合の費用です。 そしてマルコム・マクリーンの開発したコンテナ荷役では、1トン当たり15セントになりました。 とても大きなコスト削減になりました。 荷役時間の短縮 またコンテナ化により荷役時間が大幅に短縮されました。 沖仲仕の荷役では船が港に停泊して1週間かけて貨物の積込・積卸をしていました。コンテナ化が初めて行われた時は7分間で1個のコンテナが積込・積卸され、8時間で船の荷役が完了しました。 コンテナ化の浸透 コンテナ化されると効率が上がりますが、すぐには浸透していきませんでした。 アメリカでマクリーンともう一つの会社がコンテナ化を進めましたが、他の船会社たちはなかなか進めることは出来ませんでした。 なぜか?船会社は保守的な会社が多くコンテナ化を進めるにあたって以下の3つの問題がありました。 ①新しく船を導入する ②コンテナが乗せられるように改造する ③コンテナを沢山作る必要がある このように大きな初期費用が最初に掛かることから、コンテナ化はなかなか普及しませんでした。 しかし、中にはコンテナ化を進めていく会社もありましたが、沖仲仕に猛反発されて結局コンテナを使えず、投資がたたって赤字や倒産した会社もありました。 コンテナ化浸透のきっかけ では、このコンテナ化がどうやって浸透していったのか?そのきっかけとなったのがベトナム戦争です。 ベトナム戦争は当初ベトナムとフランスの対立でしたが、フランスが撤退して、ベトナムの北部と南部の対立になりました。 そしてベトナムの北部ではホーチミン(人名)が社会主義を広めようと率いていました。 一方アメリカでは社会主義の広がりを懸念しており、1965年にアメリカがベトナム戦争に参入していきます。 ベトナム戦争でアメリカの兵士が最終的には約54万人がベトナムに送られました。でも最初の約6万人近くがベトナムに送られた時点で、当時の物流方法では戦争の継続など不可能だと気づいたと言われています。 ベトナムの南のサイゴン港という所では、そこの水深が非常に浅くて貨物船が沿岸に近づけませんでした。 そこで筏(いかだ)や水陸両用の戦車を使って、沖に浮かんでいる船まで移動し そこで積卸をしていました。 非常に非効率でした。 しかも貨物管理も出来ておらず貨物が野ざらしにされ、どこの軍隊の物かわからない状態でした。そのため、なかなか貨物が到着しないために盗難もあったようです。 その盗難対策として船が倉庫として使われていたため、最大で約74隻が貨物満載の状態で沖に浮いているという状態でした。 マルコム・マクリーンのコンテナ輸送の手配 そういう物資が届かない状態で戦争は続けられないので、なんとかこの物流を解決しないといけない、そういう状態で解決に導いたのがマルコム・マクリーンです。 マクリーンはベトナム戦争の様子が写真で報道されているのを見て、アメリカの海軍大将へ直訴しに行き、何とかコンテナ輸送の手配にこぎつけます。 この時には港も改築され水深が深くなっており、コンテナで物を運べるようになっています。そして生鮮食品や肉、アイスクリームまでも運ばれるようになるほど物流が改善したのです。 そしてマクリーンはコンピューターを導入していたので、この貨物が誰の所に行くべきかとしっかり管理し、正確に物を届けるということが出来ていました。 このベトナム戦争以降、これまで沖仲仕たちが反発して導入が進まなかったコンテナ化が進んでいく事になります。 コンテナ化が進んだ後は? そしてコンテナ化が進むと、次に船や港、会社までが巨大化していきます。 コンテナ輸送が始まった時は58個のコンテナしか運べなかった船が、今では2万TEUという20フィートコンテナなら2万個運べる船があります。 そして資本の面で大きい会社は生き残り投資を進め 船を大きくしていき、一方で小さい会社はどんどん潰れていきます。 巨大化した船会社は70%〜80%の積載量がないと赤字になるので、船会社は貨物を必死で集めるようになります。 価格競争の始まり 貨物を集めようとすると船会社の間で熾烈な価格競争が始まります。 荷主にとっては当然費用が重要なため、とにかく貨物を一番安く運べるところで運ぼうとします。 そのため船会社では熾烈な価格競争が続いていました。最近では2016年に大手の韓国系の船会社が倒産してしまったという例もあります。 コンテナリゼーションの今後 徹底した効率化を進めてきたコンテナリゼーションですが、これからどうなっていくのでしょうか? 現状から考えるとガントリークレーンの遠隔操作やターミナルの荷役が自動運転になり無人化されるでしょう。 しかし、64年かけて積み上げてきたコンテナ化の仕組みがすぐに無くなるとは思いません。 コンテナというハード面は変わらずに、IT化やサービスへのソフト面が変わっていくと予想しています。 私はフォワーダーというポジションで活動していますが、時代に合わせた経営の舵取りをしないとフォワーダーも生き残るのが難しく、これからは柔軟性が求められる時代だと思います。 まとめ 今回ご説明したコンテナの歴史はいかがだったでしょうか。このような海上輸送の歴史背景を知ると、より国際物流に興味を持って頂けると思っています。この他にも物流に関するお話を随時更新していきます。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

YouTubeを始めた理由 | 物流コラム

YouTubeを始めた理由

YouTubeを始めた理由について動画で解説 今日は動画を始めた経緯についてお話をしてみたいと思います。 今年の4月からこの動画を始めて、現在で半年がたちます。 改めて振り返ってみますとこの動画を始めた経緯をお伝えするのも面白いかと思いました。 YouTubeを始めたきっかけ この動画を始めたきっかけは4月にタイではコロナの影響でロックダウンが始まって、本当にすることがなくなったからです。 自宅待機もありましたし、出社してもお客さんのところに営業に行けません。 その中で何をしようかと思っていて、ある時「あ、YouTuberになろう!」と思いました。本当に思いつきでした。YouTuberになって何か発信をしてみたいなと思ったのがきっかけです。 コロナの影響 他にも理由があります。最近では世界中でコロナが広がっているとはいえ、タイではお客さんの会社や工場に問題なく訪問することが出来ています。 しかし、4月の時点ではどうなるか全く分かりませんでした。実際にお客さん所に訪問して営業なんて出来るのか?新規の営業はかなり難しくなるのではないか?と不安になりました。 だから物流のノウハウをYouTubeで発信したら、それを興味があるお客さんから問い合わせがあり、そこに訪問で出来が出来たら何とかなるのではと思いました。 実際この動画を半年やってみて、物流の問い合わせが動画から増えたかは まだ分かりませんが、見てくれている人は日に日に増えてるというのが数字で良く分かります。 今、チャンネル登録者数が2,500人を突破しています。見て頂いている皆様、本当にありがとうございます。 なぜ国際物流なのか そして、他にもこの動画を始めた理由があります。 僕がやっているのは国際物流で、インコタームズ、B/L、フリータイムなど、世界共通のものが多いです。 タイ人スタッフの教育 だから最初は日本語で発信をして、それを英語に翻訳し、タイ語にも翻訳をする。そうするとタイ人のスタッフの教育に使えると思ってやり始めました。 弊社ではタイ人のスタッフを15名ほど雇っていますが、未経験の人を雇うこともあります。 残念なことに、未経験の人を採用・教育をして、知識がついてきた所で辞められることも沢山ありました。辞められてしまうと、今まで教えてきた時間、労力が無駄になってしまいます。 ずっとこれについて何とかしないと思っていました。 ですがYouTubeを使ってタイ語で国際物流に関するノウハウ、知識を残します。 そして未経験の新人が入ってきたら、最初はオリエンテーションで概要を説明しますが、細かい物流のノウハウなどは動画を見ると理解が出来るようにしました。 これはお陰様で機能していて、新人教育がかなり楽になりました。 お客様からの疑問解決 他にも、既存のお客さんが物流に関する疑問などがあればURLを送るだけで、お客さんも動画を見てくれて簡単に理解してくれます。 更にお客さんのタイ人のスタッフ様にも理解をしてもらうために、タイ語版の動画もフル活用しています。 動画を通じて会社への訴求 次の目標としては、この動画を見てくれた人に「タイに関する物流のことならイーノさん」に聞いてみようと思ってもらうことです。 日本語だけではなく英語でも更新をしているので、国際物流の業務に関係する方がいらっしゃれば 日本語や英語の動画を通じて、「タイの物流なら弊社(HPS)を使ってみよう」と思ってもらえるようにすることです。 ほぼ思いつきや遊びで始めたようなYouTuberの活動ですが、半年やってきてみて意外にも伸びたなと僕が一番驚いておいます。 まとめ では今回の内容をまとめましょう。なぜ僕が物流のYouTuberになろうかと思った理由は、コロナで暇だったからです。 他には「ニューノーマル」として、お客さんのところに行けなくなるかもしれないと思ったので、新しい営業の手段として始めました。 更に社員教育です。英語に翻訳してタイ語に翻訳して、自社やお客さんのタイ人のスタッフ様の物流に関する教育に役立てています。 最後は、国際物流では世界共通の内容が多いので、海外の各社スタッフ様から「タイの物流に関してイーノさん」に問い合わせをしてもらえるようにと思いを込めて更新をしています。 これからも更新を頑張っていきたいと思いますので、チャンネル登録、高評価、コメントなどを頂けると、とても励みになります。今回はこれで以上になります。ありがとうございました。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。