冷凍鶏肉をタイから輸入したい!動物検疫・植物届けなど、食肉の輸入手続きを解説しました。

タイは日本にとって最大の鶏肉・鶏肉調製品供給国で、マクドナルドのチキンナゲットやイオンの唐揚げなど、身近なところにタイ産の鶏肉はたくさんあります。
しかし、「タイから冷凍鶏肉を輸入したいが、どんな手続きが必要なのか」「動物検疫と食品検疫の違いは何か」と複雑な手順に戸惑っていませんか。

食肉の輸入は、家畜伝染病の侵入防止と食の安全確保のため、動物検疫(家畜伝染予防法)と食品検疫(食品衛生法)という2つの検査をクリアする必要があります。
この記事では、タイからの冷凍鶏肉輸入の3ステップ(動物検疫、食品検疫、税関申告)と必要書類・費用を詳しく解説します。
手順を理解することで、確実に輸入を実現できます。

この記事でわかること
  • タイから冷凍鶏肉を輸入する3ステップ(動物検疫、食品検疫、税関申告)
  • 動物検疫で必要なHealth Certificate(輸出国検査証明書)の取得方法
  • 食品検疫で必要な製造工程表・原材料表と検査の流れ
  • 税関申告で必要な書類と関税率(一般12%、EPA8.5%)

 

冷凍鶏肉の輸入は手順が複雑ですが、一つ一つ確実に進めれば実現できます。貴社の輸入計画に合わせて、必要な手続きと書類を一緒に整理しませんか。

鶏肉輸入の進め方を相談する

 

タイ産の食品と言いますとマンゴーやドリアンなどの植物・フルーツを思い浮かべる方が多いと思いかもしれません。タイは植物だけでなくブロイラー(食肉用の鶏)の飼育量が多く日本にとって最大の鶏肉・鶏肉調製品供給国なんです

生産量こそ米国やブラジルに比べると少ないですが、きめ細かなカットや異物混入の低減などによりシェアを伸ばし冷凍鶏肉などの合計輸出額はブラジル次ぐ世界第二位で米国と同程度にまでなりました。

ネコ先輩
ネコ先輩

日本の鶏肉などの合計輸入額を国別にみてもタイが一番大きいんだよ!

そんなにタイ産の鶏肉を食べている実感はないかもしれませんが、マクドナルドのチキンナゲットはタイ産の鶏肉なんです。先日、イオンの食品売り場で売られていた鶏肉の唐揚げも原産地を見たらタイでした。身近なところにタイ産の鶏肉はたくさんあるのです。

ではこのタイ産の冷凍鶏肉をどのような手順で輸入するのか?詳しく説明していきたいと思います。

この記事を書いた人
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)

2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!

食肉の輸入について動画で解説

ネコ先輩
ネコ先輩

ニッチな動画をつくってしまった。

冷凍鶏肉の輸入概要

食肉及び食肉製品の輸入に際しては家畜伝染予防法に基づく畜産物の輸入検査と、食品衛生法に基づく食品等輸入検査を受ける必要があります。
その2つをクリアしてから税関での申告となります。一つずつ見ていきましょう。

1. 動物検疫をする

まずは家畜伝染予防法に基づいた動物検疫の手続についてご説明します。

海外から家畜の伝染病の侵入を防止するため、農林水産省が動物検疫所にて家畜から作られる肉製品などの畜産物を対象に輸出入検査を行っています。この検査は量の多少・個人用・商用等の用途にかかわらず必ず受ける必要があります。

食肉は家畜伝染予防法に基づく指定検疫物です。輸入される動物や畜産物などを介して日本に家畜の伝染性疾病の病原体が持ち込まれる恐れがあるので動物や畜産物などのうち特にその可能性の高いものを指定検疫物として指定しており鶏肉もそちらに該当します。

タイでHealth Certificateを取得する

指定検疫物の輸入にあたっては輸出国の政府機関、つまり日本の動物検疫所に相当する期間が行う検査に合格し、その機関の発行した輸出国検査証明書(Health certificate)の添付がなければ輸入してはならないとされています。

難しく聞こえますが輸出国での検査や証明する事項は輸出国と輸入国の間で事前に決められておりますし、普段から鶏肉を輸出されているタイの業者さんは慣れています。輸出が決まったらこの検査証明書を輸出者より入手しておきましょう。

貨物が到着してからの手続きの流れ

貨物が日本の港に到着しましたら原則として検査を希望する日の前日までに輸入港を管轄する動物検疫所へ以下の書類を提出して検査を受けます。

 

検査と共に必要な書類
  • 輸入検査申請書(畜産物)
  • Health Certificate
  • B/L
  • Invoice
  • Packing List
 

検査の結果 合格となれば「合格証明書」が発行されます。万一、伝染性疾病の病原体への汚染(または汚染の可能性)が発見されると不合格となりますが消毒後に合格となります。

カモメ先輩
カモメ先輩

ちなみに消毒にかかる費用は輸入者負担やで。

動物検疫の費用概算

動物検疫検査手続きは輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を使用してできますので、通関業者へ依頼するのが一般的かと思います。

費用の大体の目安としては

  • 動物検疫検査申請料:15,000円〜20,000円/品目
  • 動物検疫検査立会費用:10,000円〜15,000円/件
  • 動物検疫検査ショートドレ-料:20,000円〜25,000円/件 *MGシャーシ利用 
ネコ先輩
ネコ先輩

これくらいの費用は最低限 必要なんだ。

検査の申請や立会は頑張って自身で行ったとしてもコンテナの輸送料金などはどうしても発生しますので、鶏肉の輸入の際には十分注意する必要があります。

2. 食品届の提出 – 食品検疫

動物検疫をクリアしますと次は食品検疫が待っています。ここからは厚生労働省管轄の食品検疫所への申請となります。

マンゴーの輸入解説でもお話ししましたが個人使用目的で輸入する際には特に手続は必要ありません。自分が自宅で冷凍鶏肉を食べる場合には規制はないのです。

なのでここでは商売目的での輸入についてのお話となります。

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近年は海外の名産品なども割と手軽に輸入食品販売店やネットショップで手に入るようになりましたね。 「自分でも個人輸入してあの国のあれが食べたい!」や「輸入食品ビジネスを立ち上げたい!」なんて思った方もたくさんいらっしゃるかもしれませんが、食品を輸入するには通常の輸入よりも複雑で手間がかかり費用も発生

食品検疫の必要性

まずは食品届を厚生労働省管轄の食品検疫所に提出します。

これは食品衛生法によるもので、人体への安全性を確保し衛生上の問題発生を防止するために避けては通れません。私たちの体内に入るものなのですから当然と言えば当然ですよね。

具体的に冷凍鶏肉をどれだけの量でタイのどこの誰から輸入するのか、それには日本で禁止されている添加物や残留農薬などが含まれていないかなどを検疫所に届け出て確認を受けることで税関からの輸入許可も受けることができるようになります。

ネコ先輩
ネコ先輩

食の安全は本当に大切だからね。。

届出申請は、輸入地を管轄する食品検疫所にて行います。通関業者に代行を依頼する場合は凡そ5,000円~1万円程度の代行手数料が発生します。届出のフォームは食品検疫所のサイト内にありますので自身で申請することも可能です。

カモメ先輩
カモメ先輩

動物検疫所も食品検疫所も基本的には各税関官署の近くにあるで。

食品届に必要な書類

 
必要書類
  • 製造工程表
  • 原材料表
 

これらは輸出者側で用意すべき書類ですので、輸入が決まったら早めに輸出者から入手しましょう。動物検疫でも提出した輸出国検査証明書は検疫合格後に返却されますのでそれを食品検疫でも提出すればOKです。2通必要なわけではありません。

食品届は貨物到着の7日前から事前提出ができますのでなるべく早く提出するようにすると良いでしょう

カモメ先輩
カモメ先輩

検疫所が申請書類だけでは輸入許可の判断が難しい判断する時があるんや。。何か怪しい点があると疑われたら検査になる可能性があるからな。。

食品検疫の検査

検査の内容が自主検査指導などであった場合には輸入者は自己の負担で、登録検査機関に検査を依頼しなければなりません。

ネコ先輩
ネコ先輩

検査は大体5営業日ほど時間がかかるよ。

書類審査・検査の結果、違法でないと判断されると「食品等輸入届出済証」が輸入者に渡されます。

 

動物検疫と食品検疫は手続きが複雑で、書類の準備やタイミングが重要です。
Health Certificateの取得から日本側の検査申請まで、スムーズに進めるための段取りを一緒に確認しませんか。

検疫手続きの段取りを相談する

 

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3.税関で輸入申告をする

 
税関申告で必要書類
  1. 動物検疫の合格証明書(動物検疫)
  2. 食品等輸入届出済証(食品検疫)
  3. B/L
  4. Invoice / Packing List
 

これらの書類をもって申告の際に以下の税表番号も入力することで、税関からの輸入も許可されます。

 

冷凍ブロイラーの税率
  • 税表番号:0207.14.220
  • 一般関税:12%
  • EPA関税:8.5%
 

決して低いとは言えない関税がかかってきますのでこちらも忘れないで下さい。EPAを使う場合には原産地証明書の入手も必要です。

鶏肉は部位によって申告内容が異なる

鶏肉は骨付きのものや一匹丸々のもの、そして肝臓などの内臓といった部位によって税関への申請が変わってきます。

ネコ先輩
ネコ先輩

単に「ブロイラー」の輸入申告ではなく、部位や冷凍・生鮮までも具体的に説明しなければいけないんだ!

まとめ

この記事で押さえておきたいところ
  • 冷凍鶏肉の輸入は動物検疫(家畜伝染予防法)と食品検疫(食品衛生法)の2つが必須
  • 動物検疫ではタイでHealth Certificateを取得し、日本で検査申請(費用約4.5万円〜6万円)
  • 食品検疫では製造工程表・原材料表が必要で、貨物到着7日前から事前提出可能
  • 関税は一般12%、EPA8.5%で、部位によって税表番号と申告内容が異なる

 

タイから冷凍の鶏肉を輸入する流れはざっとこんなところです。食肉を輸入するなんてハードルが高い、と思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、一つ一つの手順をちゃんと踏めば実現できることがお分かりいただけましたでしょうか。

冷凍鶏肉の輸入は、動物検疫(家畜伝染病の侵入防止)と食品検疫(食の安全確保)という2つの厳格な検査をクリアする必要があります。タイ側でHealth Certificate(輸出国検査証明書)を取得し、日本側で動物検疫所と食品検疫所での検査を経て、ようやく税関申告となります。

動物検疫では検査申請料・立会費用・ショートドレー料で約4.5万円〜6万円、食品検疫では通関業者への代行手数料で約5,000円〜1万円が発生します。

関税は一般12%、EPA8.5%で、EPAを利用する場合は原産地証明書も必要です。

また、鶏肉は部位(骨付き、一匹丸々、内臓など)によって税表番号と申告内容が異なるため、事前に確認が必要です。

昨今のヘルシーブームにより、鶏肉の需要は今後も高まると予想されます。安全で安心でおいしい冷凍鶏肉を輸入することで日本の人たちの健康維持に貢献できます。

一つ一つの手順は複雑ですが、タイ側での書類準備(Health Certificate、製造工程表、原材料表)から日本側での検査申請まで、計画的に進めることでスムーズな輸入を実現できます。実務経験のあるフォワーダーに相談しながら、確実に進めることをおすすめします。

 

冷凍鶏肉の輸入手順を理解したら、次は貴社の具体的な輸入計画です。
タイ側での書類準備、日本側での検査申請、費用とスケジュールまで、実務に即した進め方を一緒に整理しませんか。

鶏肉輸入の実現可能性を相談する

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