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コンテナ運賃、北米西岸最高値7,300ドル。来年度の運賃相場も上昇。 | 物流ニュース・物流ラジオ

コンテナ運賃、北米西岸最高値7,300ドル。来年度の運賃相場も上昇。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞から、「北米西岸向けコンテナ運賃の上昇が続いている」というテーマでお話ししていきたいと思います。 2021年12月14日イーノさんの物流ラジオ 上海発北米西岸向けスポット運賃、最高値記録 上海発、北米西岸向けのスポット運賃が、11月末が6,700ドル/40’だったのが、12月10日時点で7,300ドル/40’となり、最高値を更新しました。 肌感覚でも今年の12月は厳しいという印象もあり、スペースも取れず、運賃も上がっています。 既に北米のクリスマス商戦向けの輸送は終了しており、通常であれば需要は落ち着いているはずですが、まだ出荷の勢いはあり運賃上昇が続いている状況です。 北米のインフレ この背景には北米のインフレの背景もあると思います。 先日発表された北米のCPI(消費者物価指数)は6.8%の伸びを見せ、かなりのインフレだとわかります。通常、物価上昇は2%程度がベストと言われている中、物価の上昇が止まりません。 よって、FRBも利上げする方向で動いており、インフレが落ち着いてくれば、ある程度の時間はかかると思いますが、企業の仕入れも落ち着くかもしれません。 このように北米での仕入れに勢いがあるのも原因の一つだと思います。 北米東岸向け運賃 一方で、北米東岸向け12月に入ってから上昇していますが、そこまで高い水準ではありません。 今年の9月末に過去最高値の1万1,976ドルでしたが、現在は1万644ドルとなり、1,000ドル以上も下がっており、西岸に比べると落ち着いています。 船会社と荷主の来年度の年間契約 ここからがポイントですが、船会社と荷主の来年度の年間契約の運賃相場も上昇傾向にあります。 2021年度(今年度)の大手企業向けの運賃交渉(長期レート)は北米西岸向けで3,000から4,000ドル台でした。 2022年度(来年度)の運賃交渉では西岸向けは6,000から7,000ドルが基準値と言われていましたが、更に大きく超えるレベルとなりそうです。 実際に長期レートを結んだ関係者によると、「実際にこの運賃だと船積みされず使いものにならなかった、という事例が少なくない。」と記事にありました。 船会社と大手荷主の細かい契約は分かりませんが、スポットレートで7,000ドル以上しています。船会社としては、スポットレートの約半額の長期の契約レートに、限られたスペースを使いたくないのだと思います。 タイでも大手荷主はコントラクトレートがあっても、スペースが取れないという話はよく聞きました。 今回の交渉でも、金額よりとにかく「スペース重視」の姿勢になっているとのことです。 来年度の運賃は 最後に、船会社関係者は、「北米西岸向けレートは、今のスポット以上になっているのではないか。また、北米東岸向けはもう1万ドルは超えている」と発言しています。 大手向けの長期レートが高い水準なので、来年度はこの高い金額がデフォルトと思っていただいた方がいいと思います。 これが更に上がるかどうかは未だわかりません。マーケットが高い価格でも受け入れるのであれば上がりますし、ビジネス自体が成り立たないという企業が増えるようであれば、これ以上は上がらないでしょう。 来年度に向けた情報も引き続き発信していきたいと思います。

ジャパンリスク!?来年度のコンテナ運賃交渉、需要増だが供給は変わらず。日系荷主のスペースは良くて現状維持。 | 物流ニュース・物流ラジオ

ジャパンリスク!?来年度のコンテナ運賃交渉、需要増だが供給は変わらず。日系荷主のスペースは良くて現状維持。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞から「コンテナ船社と日系荷主の2022年度の運賃交渉が進んでいる」という記事からお話ししていきたいと思います。 2021年12月13日イーノさんの物流ラジオ 2022年度のスペースと出荷量 来年度はどの船社もスペースが増えない中、荷主側は出荷量の大幅増を予想しており、そのギャップをどう埋めるかが大きな課題となっています。 船社は「引き受けるのは既存顧客だけで、なおかつ物量も前年並み」を基本方針とし、需要が増えるけれど、供給が増やせない状態です。 更に、「ある船社が大手荷主に対し、北米向けの一部ルートで来期はスペースを出せないと通告し、激震が走ったようだ」と記事にありました。 船社側がこのように既存顧客に断るのは異例中の異例です。 高運賃の中国へ転換 各船社の営業担当によると、高い運賃が期待できる中国発のスポット貨物にスペースを割り当て、日系荷主向けのスペースは良くて現状維持。一部ではスペース減という話もあります。 一方で日本の大手荷主は来期の出荷量は平均で10%超の増加を予想しています。 荷主と船社の関係 「今は超売り手市場で船社主導の何でもありだけれど、コロナ禍が明けて完全に正常化した場合、荷主と正常な関係に戻ることができるのか」と懸念を示す声も強いと記事は締めくくっています。 これは悪い意味でものすごく日本的だと思います。 ONE以外は日系企業ではなく、外国の船会社なので、中国が儲かるとなれば中国を優先するのは当たり前のことです。 トヨタがEVに完全シフトが出来ないのは下請けがあるからです。悪いとは言いませんが、次の時代に向けては足枷になっている感は個人的にあります。 2022年には、日本ではコロナが開けるかもしれませんが、これまでお話ししてきたように、サプライチェーンは引き続き乱れると思います。 2023年以降は今造っている脱炭素の船が完成し、供給量が増えるかもしれません。しかし、供給をコントロールする方が、収益が高いのであれば、船会社が供給をコントロールする可能性もあります。 または、どこかのタイミングで安売りをする船社が出てきて、各社も次々と安売りをするかもしれません。 マーケットの動きによって変わっていきますので、これは分かりません。 日本へ寄港するメリット 荷主との正常な関係とは関係がなく、中華系は安く売っていこうとしていく気がします。 逆に、以前、チャイナリスクという言葉が流行り、中国から製造を撤退し、東南アジアへ拠点を移すような動きがありました。 今後、ジャパンリスクもありえるのではないかと思います。 この物流業社を安値で叩きまくる日本的な風潮が消えなければ、極端な話ですが、ONE以外が日本を寄港しないという考えがあっても不思議ではありません。 極端な例ではありますが、なぜ儲かりもしない日本の市場に外資の会社が船を寄港させる必要があるのか、ということです。このように日本に寄港する船は減り続ける可能性もあります。 そうすると、船の供給がないため、日本で生産して輸出することが出来なくなるので、製造拠点を更に海外に移さざるを得ないようになります。 こういったジャパンリスクの可能性は低いかもしれませんが、ゼロではないかと思います。 しかしまだ、この Japan As No.1の考えが消え切っていないようであれば、日本に寄港する船が減っていく可能性もあり、これについては、もっと考えていかなければならないと思い、今回お話ししました。

LA港、LB港の混雑解消 37%!罰金徴収開始を4度目の延長。12月13日へ。 | 物流ニュース・物流ラジオ

LA港、LB港の混雑解消 37%!罰金徴収開始を4度目の延長。12月13日へ。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞からのニュースで「LA、LB両港が滞留コンテナの超過料金の請求延長」についてお話ししていきたいと思います。 2021年12月9日イーノさんの物流ラジオ 罰金徴収開始、4回目の延期 10月末から、北米LA、LB港で滞留コンテナに対して、早期搬出のため新しい制度を導入し、罰金請求を予定しています。 11月1日から開始予定でしたが、延長が続き、今回は12月13日まで開始を延長し、これで4回目の延長です。 実際にこの制度のおかげで、長期滞留コンテナは37%も減少しています。 罰金徴収 罰金は、港到着後、トラック引き取りの場合9日目から、鉄道引き取りの場合は6日目から、徴収が開始し、一日当たりコンテナ1本に100ドルで、2日目で200ドル、3日目で300ドルと上がっていきます。 この罰金のため、ターミナル内の混雑が緩和傾向にあると報道されています。 新制度導入効果 ピーク時は約70隻の沖待ちがありましたが、12月6日時点では35隻、半分までに減っています。 罰金開始の延期が続いていくと、輸入者の気が緩んでいく可能性がありますが、コンテナ搬出の量が鈍化していくと、請求が開始され、輸入者は急いで搬出していくようになると思います。 実際に徴収が開始すれば、輸入者側から、シャーシ不足の問題などを提示し、ひと悶着ありそうです。 引き続き、情報を更新していきたいと思います。

2021年11月物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2021年11月物流ニュース

この記事を動画で見る どうもこんにちは飯野です。 今回は2021年11月の物流や海運に関するニュースをまとめました。 特に北米の物流ニュースを中心にまとめており、現在のサプライチェーンの乱れや、海上運賃の高騰など対して、私の見解を含めてお話をしていきたいと思います。 それでは、いってみましょう。 コンテナ運賃、正常化へ道のり遠く。最短で2023年中旬の見込み デンマークの海事調査会社シーインテリジェンスが中国発のコンテナ船運賃動向を発表しました。 過去20年のデータを分析し、これまでの運賃上昇・下落の周期を当てはめると運賃正常化までは26ヶ月、最短で18ヶ月かかるとの見込みです。 今回の運賃上昇は過去のものより、上昇幅が大きく予想よりも更に時間を要する可能性もあるとみられています。 北米西岸港湾24時間稼働、機能せず。物流の停滞続く クリスマスシーズンの繁忙期に向けて、北米LA,LBの港湾は9月から24時間体制で港湾混雑を解消すると発表されていましたが、夜間のコンテナ搬出は機能していない模様です。 港湾では一晩に25台以上のトラックの引き取り予約があれば夜間営業するとのことでした。しかし実際の予約件数は少なく、稼働することが出来たのは1晩だけだったと言われています。 夜間の稼働はトラックドライバー、シャーシ不足など問題、また予約の煩雑さなども絡まり、コンテナ搬出増加の要因にはなっておらず、物流の目詰まり解消に今のところ大きな効果が見えない模様です。 北米西岸港湾労働組合ILWU、労使協約 1年延長を拒否 北米港湾の労使協定が2022年6月末に期限を迎え、新たな協約の交渉が7月より始まる予定です。 現協定は2014年に締結。2017年に延長され、来年の更新時期が迫ります。2014年に締結された現協定は交渉が難航し、まとまるまで9ヶ月もの時間を要しました。 その間、北米西岸港湾の物流が滞り北米発着のサプライチェーンに大きな混乱を招く事態となりました。 そして、コロナによる現在の物流の目詰まりの問題を考慮して、港の使用者団体(PMA)は、北米西岸港湾労働組合(ILWU)に来年実施される交渉の1年延期を要請しました。 しかしILWUはその延期要請を拒否。 今回の労働協約では港のオートメーション化が議題に入っており、労働組合側の今後の労働条件に大きく影響を及ぼす案件であるため、締結には時間がかかることが予想されます。 北米西岸、滞留コンテナの超過保管料請求へ。荷主の負担増 北米西岸LA港、LB港では港に滞留するコンテナの早期引き出しを促す為に、11月15日より新たな規制として滞留コンテナに対して超過料金を請求する事となりました。 ターミナルの超過料金の計算はトラック搬出の場合、ターミナルに荷揚げされてから9日目、鉄道搬出の場合6日目から、コンテナ一本につき1日当たり100ドル請求されます。 1日目で100ドル、2日目で200ドル、3日目で300ドルと罰金が積み上がっていく形で、荷主にとっては大きな負担になることが予想されます。 この新しい規制が功を奏してか、11月1日時点では約28,000本の滞留コンテナが11月24日時点で約16,000本にまで約40%の減少。 物流の目詰まり解消に向けて少し兆しが見え始めました。 米国でコロナワクチン義務化に反対の動き。サプライチェーンにも影響か アメリカでバイデン政権は来年1月から従業員100人以上の企業を対象に、ワクチン接種か週一回以上の検査をするよう義務づけるとしています。 それに対し、半数の州が憲法違反として訴えを起こしています。現在のアメリカのコロナ感染者は1日で約76,000人、2回目ワクチン接種率は58%です。 運送業界最大手UPSでは従業員50万人おり、一部従業員のみにワクチン接種を義務づけていますが、対象外の従業員も多くいます。 また米国内に100万人の従業員がいるアマゾンでは、ワクチン接種を義務づけていませんでした。サプライチェーンの乱れ解消には各企業における従業員の労働力も大きな要因となります。 解説コーナー それでは今回のニュースを解説していきましょう。 現在のサプライチェーンの問題を考えると、ポイントは2つあると思います。 1つが海上運賃はいつになったら正常化するのか? もう1つは、本船スペースに影響している物流の目詰まりはいつ解消するのか? まず海上運賃の正常化についてはデンマークの調査会社によると、過去20年のデータを分析する限りでは、早くても2023年の中旬と発表がありました。 それくらい現在の運賃の高騰は大きなもので、来年2022年中に落ち着くものではないとしています。 そして来年の7月には北米西岸港湾の労使協約の再交渉があります。ILWU(港の労働組合)はPMA(港の使用団体)からの交渉1年延期要請を拒否します。 前回の交渉ではホワイトハウスが介入して、何とかまとまりましたが、9ヶ月という長い時間がかかりました。この期間の海上運賃はやはり上昇傾向にありました。 データとは別に来年はこのイベントがある為、2022年中に海上運賃の正常化の可能性は極めて低いと私個人的には考えております。 スケジュールとしては、2022年7月に交渉開始。10月1日に中国の国慶節。国慶節前には多くの貨物が中国から北米に向けて出荷されます。そうこうしている間に北米でクリスマス商戦の開始。 改めて北米西岸で物流の目詰まりが発生する可能性は高いのではないか?と思いませんか。 しかし、現在問題になっている物流の目詰まりは解消の兆しが見えています。 LA、LB港で導入した滞留コンテナに対しての罰金で、港の24時間稼働ではほとんど動かなかった荷主が、本気になって貨物を搬出させようとしていることが分かりました。 とはいえ、港でのコンテナ搬出が進んでも、内陸の鉄道ターミナルでの目詰まりや、工場や倉庫での積み下ろし作業員のマンパワーにも課題があると思います。 アメリカではワクチン接種は一定のところで止まり、現在でも1日あたり約7万人以上のコロナ感染者、約800人の死者がいます。ワクチンの義務化が進まない限り、マンパワーの確保が不確実なのも事実です。 このようにお伝えすると視聴者様に不安を煽ってしまうかもしれません。申し訳ございません。 しかし、現実をしっかりと見て、ご自身の頭で考えて予想を立て、どのように備えるのか、がビジネスをする上で大切なことだと思います。 引き続き、このチャンネルでは情報を発信していきますので、チャンネル登録や高評価、コメントなどを頂けますと嬉しいです。 現場からは以上でーす!ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

「ドル箱航路」へ空コンテナを戻せ!北米から空箱の輸出率が76%に。日本への影響は? | 物流ニュース・物流ラジオ

「ドル箱航路」へ空コンテナを戻せ!北米から空箱の輸出率が76%に。日本への影響は?

どうもこんにちは、飯野です。 今日は日経新聞からのニュースから、「北米からの空コンテナの需要がすごい」というテーマについてお話していきたいと思います。 2022年1月6日イーノさんの物流ラジオ 空コンテナ不足 コロナの物流混乱により、米国に製品を運んでから、中国にコンテナがなかなか戻ってこない状態です。 ある船会社の担当者によると、「とにかく空箱(空コンテナ)を中国に優先的に持ち帰りたい」とのことです。 一般的には輸送効率を上げるために行きと帰りで、貨物を乗せますが、今は違います。 ロサンゼルス港の統計で、空コンテナの輸出は、2019年 コロナ前は61%、2020年通期で65%、そして今年、2021年1~10月は76%にまで上がっています。 米国からの輸出量は輸入量より少ないとはいえ、今は76%が空コンテナを輸出しています。 空コンテナは中国の港に到着後、すぐに貨物を積み込んで輸送用コンテナとして使えます。一方、米国からの貨物入りのコンテナは、中身を空にする分の日数が必要となります。 例えば、輸入通関後、貨物を輸入者に届け、港に戻し、コンテナのクリーニングを、場合によっては修繕が必要なときもあります。 また、荷主がすぐに引き取りに来るとは限らず、フリータイムいっぱい使う可能性もあります。 「ドル箱航路」の中国ー北米 なぜ空コン率を76%にしてまで急ぐのかというと、中国 - 北米航路が「ドル箱航路」だからです。 記事にある情報で紹介しますと、北米航路では20フィートコンテナ換算で1万個以上積めるものが主流で、日本海事センターの上海発ロサンゼルス向けのスポット運賃USD 9,000/20’前後です。 実際は北米航路のおよそ半数は1年単位のコントラクトレート、長期契約をしているので、正確な数字ではありません。 しかし仮に、全てのコンテナにスポット運賃の場合、片道で9,000万ドル(約100億円)を稼ぎ出すドル箱航路ということになります。 逆に、10月のロサンゼルス発上海向けの運賃はUSD1,710/40’で、前年同月比の2倍高くなっています。 この高騰は空コンが貨物入りコンテナよりも優先されており、限られた予約枠に荷物が集中したためです。 船会社としてはできうる限り早く空のコンテナを戻し、中国から北米に向けて出したい、と凄いことが起こっている感じがします。 日本向けサービス減少 このシワ寄せが日本にも来ています。 拓殖大学の松田教授曰く、「日本は冷凍食品や食肉、大豆といった食料品の比率が高く、品不足や商品の値上げに直結しやすい。」とのことです。 また、食肉大手の担当役員も「肉が日本に届かない」とため息をついています。更に、ある船会社の担当者曰く、「日本に船を寄せてしまうと時間とコストの無駄だという意見がある」としています。 そのため、日本への寄港をスキップして次の港に向かってしまうケースがあります。 タイでは、日本向けのサービスをやめる船会社もあるほどです。 記事ではコロナ禍で進んだドル箱航路優先の動きは、日本の日常生活にじりじりと影響を広げそうだ。と締めくくっています。 私自身、肌感覚でタイからもスペースを取るのが厳しくなり、それ程コンテナやスペースが中国優先になっていると感じます。 コロナのオミクロン株の影響というより、北米の景気、港・内陸での目詰まり、シャーシ不足、ドライバー不足、労働者不足、ワクチン接種が関係していると思います。 これらに関しては、引き続き関連情報を更新していきます。

北米のドレー不足について解説をしました。なぜ、ドレー・シャーシがないのか?労働者不足、部品不足。 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米のドレー不足について解説をしました。なぜ、ドレー・シャーシがないのか?労働者不足、部品不足。

どうもこんにちは、飯野です。 今日はウォールストリートジャーナルの記事から、「北米のサプライチェーンの乱れで、貨物輸送用のドレーの生産が滞っている」というテーマでお話ししていきたいと思います。 2021年12月3日イーノさんの物流ラジオ コンテナ滞留の理由の一つ、ドレー不足 北米西岸のコンテナ滞留の理由の一つにドレー不足の問題があります。 そのため、ドレーの生産需要は高いので、ドレーの製造を増やすという流れにはなっていますが、材料や部品が手に入らず、更に、生産工場では、労働者も不足しています。 北米のあるドレー製造工場によると、コロナ前に比べ今年の生産台数は25%減少すると見込んでいます。需要があるけれど、作れない状態で受注残が11月30日時点で、23億ドル(約2500億円)に達しています。 上得意先へ優先的に供給 更に、鉄鋼などの材料費の値上がりがあり、ドレーの販売価格は安値だった2020年8月に比べ、2021年の第三四半期にかけて、約4倍に跳ね上がっています。 高く売れる状態ではありますが、供給量が限られているので、ドレーの製造メーカーは製作をためらっており、上得意先にのみ優先的に対応しています。 弊社でも同じですが、コロナ前の海上運賃が安い時、価格を叩いてきたり、都合のいい時に弊社を選んできた、そういうお客さんにはなかなかスペースを提供できない状態です。 長くお取引させていただいているお客さん、問題が起きたときでも理解していただいたお客さんへ、優先的に限られたスペースを提供しています。 値上げ、部品不足、労働者不足 北米のドレーの話に戻しますが、ドレーの製造不足により、商品の流通が遅れ、クリスマス商品が未だ港にとどまっている状態です。 他には、小売業者や他の荷主のトラック運送料金がアップしています。また、古いドレーの多くが交換部品の不足により、古いドレーが使えず、更に労働者が不足しています。 このように、部品もなく、労働者も十分でない状態で、メーカーは現在の需要レベルを満たすことはますます難しく、この業界のトレンドは2022年まで続くと予想していると記事にあります。 今のコンテナ滞留の問題に、ドレー不足の問題がありました。 単なるドレー不足ではなく、サプライチェーンが乱れているので、ドレーの部品・材料不足、マンパワー不足で新しいドレーが作れず、古いドレーは交換部品がないので、使えない、ドレー不足には、こういった背景がありました。 これについては、引き続きいろんな角度から情報をお伝えしていきたいと思います。

LA、LB港 滞留コンテナ超過料金の請求、11月15日から12月6日へ3回目の延期!罰金積み重ねの影響は? | 物流ニュース・物流ラジオ

LA、LB港 滞留コンテナ超過料金の請求、11月15日から12月6日へ3回目の延期!罰金積み重ねの影響は?

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞から「LA・LB港で超過料金の制度が3回目の延期」というニュースをお届けします。 2021年12月1日イーノさんの物流ラジオ 滞留コンテナの超過料金、徴収開始を延期 北米ロサンゼルス(LA)・ロングビーチ(LB)両港は、11月29日に、滞留コンテナに対する超過料金の徴収開始を12月6日まで延期すると発表しました。 実際、滞留コンテナの減少が進んでおり、今回3度目の延期を決定しました。これについての私の考察を踏まえてお話ししていきたいと思います。 北米西岸での滞留コンテナに罰金を課するという規制は、ターミナルにコンテナが搬入してから トラック引き取りの場合で9日以上 鉄道での引き取りの場合は6日以上 の滞留コンテナが対象となり、1日あたり100ドル/コンテナの罰金が発生します。 1日目が100ドル、2日目が200ドル、3日目が300ドルといったように、一日ごとに100ドルアップしていきます。 3日目で合計600ドルと、結構な額になります。 11月1日からスタート予定が延期となり、11月15日からスタートし、11月15日から月末にかけて多くの滞留コンテナが搬出されました。 輸入の滞留コンテナ本数が 11月1日:2万8,358本 11月24日:1万6,157本 約28,000本 から16,000本と40%程減っています。 罰金が積み重なると? 今回は、実際の罰金の徴収を少し先にするということになり、12月6日に延期をしました。減っているとはいえ、実際にはかなりの多くのコンテナが罰金対象になっています。 港全体で1日あたり1億円の罰金が発生する可能性もありますが、あくまで、罰金が目的ではなく、早期搬出が目的です。 荷主さんとしては、実際にはシャーシ不足、トラックドライバ不足のため、引き取りたくても、引き取れないという状況もあります。 制度の実施で、罰金が積み重なるとどうなるかというと、企業の業績悪化にもつながる可能性があります。せっかく景気が良くなってきたところで、製品の単価アップにつながるかもしれません。 日系企業はこういう時には自社でカバーする傾向がありますが、アメリカ企業は製品に転嫁するイメージがありますよね。 現在、アメリカはインフレになっています。通常だと2%くらいの物価上昇が適切とされていますが、10月時点で6.2%も上昇してしまっています。 これにともなって、アメリカFRBのパウエル議長が、現在行われている量的緩和を引き締めようとしており、それをさらに早める方向だと今日のニュースであったほどです。 そういうインフレの状況も関係しているかもしれません。 とはいえ、LA,LB港の混雑解消の兆しはなんとなく見えてきました。しかし、物流の目詰まりは、内陸の目詰まりの状態、コロナによるマンパワーの不足など、他の要素もあります。 今後も注目していきたいと思います。

北米西岸港湾で混雑解消の兆しあり!超過料金の効果か!?まだ楽観視はできず。 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米西岸港湾で混雑解消の兆しあり!超過料金の効果か!?まだ楽観視はできず。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞に、「アメリカの西岸の混雑緩和の兆しが見えた」という記事がありましたので、それについて話をしていきたいと思います。 2021年11月30日イーノさんの物流ラジオ 北米西海岸、沖待ち、滞留コンテナ減少 北米西海岸の入港待ちのコンテナ船と滞留コンテナが減少したとニュースがありました。 分かりやすく、LA港、LB港を同じにして説明します。ざっくりと感覚的に理解いただければと思います。 船の港の沖まちが 11月5日時点:33隻 11月24日時点: 23隻 と10隻の減少となりました。 輸入の滞留コンテナ本数は、11月1日時点で2万8,358本。 そこで、11月15日からトラックの場合は、荷揚げして9日以上の滞留コンテナに超過料金を課すという対策を取ったところ、11月24日時点で1万6,157本までに減少しました。 11月1日から24日までで約28,000本から16,000本のなり、約40%の減少となりました。 鉄道向けは6日以上の滞留でペナルティーですが、 11月11日時点:1,643本 11月24日時点:319本 とこちらも大きく減少しました。 今後の問題 沖まちが減り、滞留コンテナが減ったとはいえ、問題はあります。 ・年末に向けてコンテナの出荷量増加。 ・内陸の混雑状況がどうなっているかが不明。 ・倉庫や工場で貨物の積み下ろしのマンパワー不足。 ・空コンテナ返却のドライバーとシャーシ不足。 北米のコロナ感染者数は1日平均で感染者数:73,000人、死者800人程出ています。そういった意味で、マンパワーの状況が気になるところです。 港の部分的な改善情報だけなのでまだなんとも言えません。まだ楽観視は出来ないですが、内陸、マンパワー、シャーシ不足の情報を取っていく必要があると思います。 引き続き、情報を更新していきます。

DHL 「水素トラック」の試験運用開始!水素ステーションの設置問題は? | 物流ニュース・物流ラジオ

DHL 「水素トラック」の試験運用開始!水素ステーションの設置問題は?

どうもこんにちは、飯野です。 今日は海事新聞で、「DHL、水素トラックを試験運用開始」というニュースがありましたので、これについて話していきたいと思います。 2021年11月29日イーノさんの物流ラジオ DHL、水素を燃料とするトラック試験運用開始 DHLエクスプレスが水素を燃料とする「燃料電池型長距離トラック」の試験運用を始めたと発表しました。 試験はベネルクス地域(ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの3か国の集合地域)で運行し、アメリカのアップルの貨物を配送するとのことです。 試験運用段階でCO2排出量を最大350トン削減できると見込んでいます。 ちなみにDHLはアメリカで創業され、1998年にドイツポストという会社に買収されドイツ企業になっています。よって、今回の取り組みもアメリカではなく、ヨーロッパで試験が行われています。 ヨーロッパは特に環境に対して厳しく、2035年までにハイブリッドを含むガソリンエンジン車の新車販売を禁止するとしています。 移動式の燃料ステーション DHLのグループが水素トラックを導入するのは初めてであり、1日約200キロメートル運行しています。 ここからがポイントなのですが、この試験運用では移動式の燃料ステーションで燃料補給しています。トヨタが一般自動車を水素燃料電池で攻めていて、懸念されているのは、水素ステーションの普及の問題があります。 水素ステーションの設置は、現時点で1箇所あたり4億円かかると言われており、今のガソリンスタンドのように普及させるは、現実的ではありません。 しかし今回のDHLのトラックはB2Bなので、走るルートは決められ、水素ステーションの設置位置を限定できます。一般自動車は使えないようにして、DHLの商用車のみ使えるとなると現実的ですよね。 しかも移動式の水素ステーションを使っていますので、街中から外れたところとかで給油するのかもしれません。 商用車の大型トラックでの運用 DHLはラストワンマイルであれば、充電インフラがこれから普及するため、電気自動車の運用が効率的としています。しかし脱炭素化には長距離輸送での再生可能エネルギーの活用が不可欠とし、水素トラックの試験運用を決定しました。 グループの脱炭素化戦略の一環として、水素を活用した低炭素大型車両の開発を進めています。 サプライチェーンは配送地点が各地にあり、そこまでは大型トラックで輸送し、そこで、仕分けして小さなトラックが走っていく形です。大型トラックの輸送部分を水素トラックで運用するということなので、結構、現実的だと思いませんか? 商用車の脱炭素についても今後、注目して、発信していきたいと思います。

注意!外国企業との契約書は、まず疑うべし。代金回収、支払い期限など。 | 物流ニュース・物流ラジオ

注意!外国企業との契約書は、まず疑うべし。代金回収、支払い期限など。

どうもこんにちは、飯野です。 今回は、外国企業と取引する時の契約書についてのお話ししていきたいと思います。 2021年9月6日イーノさんの物流ラジオ 代理店契約 おかげさまで、YouTubeが世界中で見てもらえているので海外のフォワーダーと取引を開始することが増えてきました。 小さい会社なので、契約書の確認は私が行っています。 海外のフォワーダーからタイからの輸出案件がありますが、1回だけのスポットだけだと契約書は結びませんが、レギュラー案件になると契約書を結ぶケースが多いです。 フォワーダーの仕事は輸出側と輸入側の二国間で1つの案件をサポートします。 タイからの輸出案件の依頼で多いのが、他の国のフォワーダーが、既に別のタイのフォワーダーと取引があるなか、スペースが取れないという問い合わせです。 弊社では比較的スペースが取りやすいという強みがあります。何度か使っていただき、サービスレベル等でリピーターにもなっていただくケースが多いです。 また、YouTube視聴者にはインドの人が多く、本当にインド向けの案件が増えました。 海外との契約書 インドのフォワーダーさんと、スポットで何回かの取引後、向こうから契約の提案をいただき、向こうのフォーマットが送られてきました。 フォワーダー同士の契約で特に大きいのがお金の支払いの部分です。 特にタイからの輸出の場合は弊社が船会社に先払いすることがほとんどで、お金はインド側のフォワーダーさんが回収して、送ってもらうという流れです。 貿易に詳しい、インドと取引の経験がある人は、ご存知かと思いますが、これを聞いて、ヒヤヒヤしませんか? インドの会社の一部は、支払いを遅らせるのが経理担当者の功績、腕の見せ所という話が合ったりします。 私たちの立場からすると、先払い分は絶対に回収しないといけません。最初にこのインドの新しい代理店契約を結ぼうとしたとき、支払いサイトを45日にしてくれ、と言われました。 担当者曰く、大きい会社だから、場合によっては90日の条件をのんでくれているケースもある、とのこと。 弊社は大体、月末締めで30日です。 大きい会社で、なんで45日も必要なのか、と聞いたところ、いろいろな設備に投資しているから、必要との答えがありましたが、それはそちらの都合ですよね、という感じですよね。 その会社の契約書の一部を確認すると、 ・輸入者からの代金回収の延長を、リスクを考慮した上で認める。 との文言がありましたが、輸入者からの回収が延長したとしても、あなたの会社はしっかり払って、と思います。 また、 ・お金に関する論争(dispute)があったら、Max 2ヶ月で解決させる。 という文言もありました。2ヶ月以上たったらどうするの、という話になります。 弊社が先払いしているので、不利な立場におり、弊社の契約書のフォーマットを使うように交渉中です。もしくは、ちゃんとお金に関してのルールを明記するよう求めています。 海外の契約書の場合は、まず健全に疑ってかかった方がいいと、経験上思います。