投稿日:2021.10.27 最終更新日:2026.01.21
B/Lの裏書きについて
海上貨物の輸送で「B/Lの裏書き」が必要と言われたものの、「どのような時に必要なのか」「誰の裏書きが必要なのか」と手続きが曖昧で不安を感じていませんか。
実務では貨物が到着してから裏書きが抜けていることに気づき、慌てて手配するケースもあり、スムーズな貨物引き取りに影響が出ることがあります。
この記事では、海上貨物輸送におけるB/Lの裏書きの仕組み、必要なケース、記名式B/Lと指図式B/Lでの違いをわかりやすく解説します。
裏書きの基本を理解し、事前にチェックすることで、トラブルなく貨物引き取りを進められます。
- B/Lの裏書きとは何か、なぜ必要なのか
- 記名式B/Lと指図式B/Lで誰の裏書きが必要かの違い
- L/C決済での記名式裏書きの仕組みと注意点
- WAYBILLやサレンダーB/Lの場合の裏書き対応
B/Lの裏書きで不安がある場合、事前に必要な手続きを確認しておくことでスムーズな貨物引き取りが可能です。
貴社の取引条件に合わせた進め方を一緒に整理しませんか。
B/Lの裏書きについて!
飯野 慎哉(株式会社HPS CONNECT 代表取締役社長)
2016年にHPS Trade Co., Ltdを設立し、経営者として企業の物流課題を解決。 自身の経験を基に物流ノウハウを発信するYouTubeチャンネル「イーノさん」は登録者11万人を突破。 セミナーや講演、ブログを通して物流情報やグローバルでの仕事・挑戦・苦悩を発信。アジア・東南アジアに事業拡大中!
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どうもこんにちは、飯野です。
今日は海上貨物輸送において行われる「B/Lの裏書き」について説明します。

B/Lの裏書きとは何のことでしょうか?
それはB/Lの裏に書く署名のことです。
弊社でも輸入側で実際に貨物を引き取ろうとしたときに、B/Lの裏に何も書かれておらず、慌ててB/Lの裏書きを手配することがあります。

今日はB/Lの裏書について、どのような時に裏書が必要か、誰の裏書が必要かなどについて詳しく解説をしていきます。
それではいってみましょう。
B/L=有価証券

まずB/Lとは船荷証券で、有価証券であるという事をご理解ください。
輸出者から輸入者へ貨物が輸送され、配達されるまでには船や飛行機で輸送されていきますが、その貨物の持ち主であると証明する書類がB/Lです。

そのB/Lは裏書きという署名をして輸出者から輸入者へ持ち主である権利が移ることになっています。
また輸入者がB/Lに裏書きをすることで、フォワーダーが輸入者の代理人として貨物を引き取ることができます。
それでは、B/Lの裏書きはどのようなものなのか。詳しく見ていきましょう。
B/Lの裏書きとは

B/Lは表面にシッパーやコンサイニーや貨物内容が記載されます。
裏側は薄いグレー等の細かい活字がびっしり書いてあります。
そこには約款というB/Lを発行している船会社などとの運送契約が書かれています。

その約款の上に会社の社印を押し、その会社の方がサインをします。この会社名とサインが裏書きと言われるものです。
B/Lの裏の隅や印刷されていないほんの少しの余白のところに裏書きされているのを何度か見たことがありますが、約款の上にかかるように書いて問題ありません。
また、その約款が読めるように斜めに書くのが通常です。
誰の裏書きが必要か

裏書きがどんなものか分かったところで、次に誰の裏書きが必要かについて説明していきます。
まずここが注意です。
B/Lの記載によって誰の裏書きが必要かが変わります。

B/Lには輸出者と輸入者の記載があります。
輸入者の名前や住所が記載されているものを記名式B/L(STRAIGHT B/L)といいます。
反対に輸入者の欄にTo orderやTo order Shipper などと具体的な名前が記載されていないものが指図式B/L (ORDER B/L)です。
この記名式B/Lと指図式B/Lでは裏書きを書く人が違ってきます。
記名式B/Lの場合

記名式B/Lでは輸出者、輸入者の名前が記載されています。
記名式B/Lが発行された場合は輸出者から輸入者へ直接B/Lが送られることが一般的です。

荷物が輸入地へ到着すれば、必然的に所有権は輸入者に移るため、輸出者のB/Lの裏書きは省略できるのです。
そして輸入者は貨物を引き取るときの証明として、B/Lの裏書きをします。
指図式B/Lの場合

一方で指図式B/Lでは輸入者の欄にTo orderやTo order of 〇〇(第三者)と書かれており、一見すると誰が輸入者か分かりません。
To Orderの指示者がB/Lの所有者を指示することで、次の所有者が誰かが分かるB/Lになっています。
この指図式B/Lの場合はConsignee欄にどう書かれているかが重要になってきます。

CongsigneeがTo orderまたはTo order of shipper であれば、まずはShipperの裏書きが必要です。
この場合は貨物の権利者であるShipperの次の権利者を指示する権利があるのですが、一般的にはShipperのサインだけを裏書きして、次の権利者を特定しない場合がほとんどです。
これをShipperの「白地裏書」と言います。

次に指図式B/Lには、To order of銀行や第三者の場合もあります。その場合は銀行や第三者の裏書きが必要です。銀行や第三者の裏書きさえあれば、Shipperのサインは必要ありません。
この場合は銀行や第三者が最終的な輸入者ではないでしょうから、銀行や第三者に加えて最終的な輸入者の裏書きが必要になります。

ここで注意点です。銀行や第三者は裏書きをするのですが、今までの裏書きに加えてもう一つ文言を付け加えます。
「To order of 実際の貨物の所有者、銀行や第三者の名前、サイン」となります。この裏書のことを「記名式裏書」と呼びます。

記名式裏書は、Consigneeに銀行や第三者が指定されている場合に行われ、その後最終的な輸入者の裏書きでB/Lの裏書が繋がることになります。
このB/Lの裏書きはL/C決済でよく行われるので覚えておきましょう。
L/C決済や複雑な取引条件では、裏書きの手続きが多段階になり、抜け漏れが発生しやすくなります。
貴社の決済条件に合わせた書類手配と確認ポイントを一緒に整理しませんか。
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WAYBILL、サレンダーB/Lの場合

これまでB/Lの裏書きについて説明しましたが、オリジナルB/Lがない状態であるWAYBILLやサレンダーB/Lについても補足しておきましょう。

原則的に言えば、WAYBILLは誰でも貨物が引き取れる状態ではあります。
ただ誰でも引き取れることが出来ないように船会社によっては、事前に輸入者の裏書きを登録しておいて、その裏書きがなければ引き取りの書類を渡さないようにしているところもあります。

またサレンダーでも同様で、B/Lは輸出地で回収するのですが輸入地でそのサレンダーB/Lのコピーに輸入者の裏書きをするように決めている会社もあります。
実務についてはB/Lを渡す時にフォワーダーに確認するようにした方が間違いありません。
まとめ
- B/Lは有価証券で、裏書きにより貨物の所有権が移転する重要な手続き
- 記名式B/Lは輸入者の裏書きのみ、指図式B/LはConsignee欄の記載によって必要な裏書きが変わる
- L/C決済では銀行や第三者を経由する記名式裏書きが必要で、手続きが複雑になる
- WAYBILLやサレンダーB/Lでも船会社によって裏書きが必要な場合があるため事前確認が重要
B/Lの裏書きは、貨物の所有権移転を証明する重要な手続きです。
記名式B/Lと指図式B/Lでは必要な裏書きが異なり、特に指図式B/LのConsignee欄が「To order of 銀行」などの場合は、記名式裏書きという複雑な手続きが必要になります。
輸出者であればConsigneeが記名されていなければサインが必要で、輸入者であればどのB/Lでも裏書きが必要です。
また、WAYBILLやサレンダーB/Lの場合でも、船会社によって裏書きを求められることがあります。
オリジナルB/Lがあれば裏を確認し、サインが抜けていないかチェックすることでスムーズな輸出入の手配につながります。
実務では、B/Lを渡す時にフォワーダーに確認し、貴社の取引条件に合わせた適切な裏書き手続きを進めることをおすすめします。
B/Lの裏書きを理解したら、次は貴社の取引ごとに必要な書類と手続きを整理することが重要です。
抜け漏れなく進めるためのチェックポイントを一緒に確認しませんか。
