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貿易コラム

物流における実重量と容積重量の違いとは?LCL・航空輸送・トラック輸送でそれぞれ違う容積重量の計算方法を紹介します。 | 輸送・ロジスティクス

物流における実重量と容積重量の違いとは?LCL・航空輸送・トラック輸送でそれぞれ違う容積重量の計算方法を紹介します。

主に航空便で貨物輸送をする時に気をつけないといけないのが容積重量です。しかし、容積重量は航空便だけでなく海上輸送のLCLやトラック輸送、そして倉庫でも使われる重さとなります。 実重量と容積重量の違いをよく理解をしていなければ正しい物流コストを算出することは出来ません。今回は物流における容積重量と実重量の違いと、各種物流においての容積重量の計算式についてご説明をしていきたいと思います。 実重量と容積重量 まず実重量と容積重量とは何でしょうか?これは物流業界では基本の重さに対する専門用語です。実重量とは実際の重さのことで、そして容積重量とは貨物の大きさを重さに変換した時の重量のことです。 そうなんです。容積重量が物流業務での重さを理解する肝なんです。 アニメーション動画で容積重量について解説 Chargeable Weigthとは? より分かりやすく理解できる為に、貿易の実務で一般的に使用されるChargeable Weightを一緒にして説明をしていきます。 Chargeable Weightとは貨物の大きさと重さを比較して大きい方を費用換算に使う重量のことです。大きいものと重いものという単位が違うものを比較するというのがポイントです。   物流業では限られたスペースでビジネスをしている 物流では限られたスペースを使ってお客様の貨物の配送や保管をします。 これは船会社、航空会社、トラック会社、倉庫会社のような限られたスペースを使ってビジネスをする場合、大きさや重さのどちらか一方の単位だけで費用換算をするとフェアではない場合が出てくるからです。 同じ1トンを扱うにもこれはフェアでしょうか? 例をあげましょう。航空輸送で「1トンの水」と「1トンの綿」を運ぶ場合どちらの方がスペースを多く取るでしょうか? 水は重いけれど かさばりません。しかし綿は軽くて非常にかさばるので、水より遥かに大きなスペースを使います。 航空会社からしたら同じ1トンという実重量で費用換算してしまうと、かさばる綿の場合はスペースを大きく使うので損をしてしまいます。 まず単位を同じにして比較をする 貨物の大きさと重さが全く違うとフェアではなくなってしまう。。そうならない為に貨物の容積を重量換算する容積重量が使われます。 そして実重量と容積重量を比較して どちらか大きい方をChargeable Weightとして費用換算するのです。 それでは実際に実重量と容積重量の比較をみていきましょう。 海上輸送LCLと倉庫での容積重量の計算方法 まず海上輸送のLCLと倉庫の場合ですが、大きさと重さを比較するルールがあります。 このルールは絶対に覚えておかなければいけません。 例えば ・貨物の実重量:1.5ton ・貨物サイズ:0.8m(縦) × 0.9m(横) × 1.7m(高さ) = 貨物の体積: 1.22m3 先ほどの 「1m3=1トン」というルールを使えば1.22m3=1.22トン(容積重量)となります。 そして実重量が1.5トンで容積重量は1.22トン。この場合の大きい重量(Chargeable Weight)は実重量の1.5トンとなります。 航空輸送での容積重量の計算方法 次に航空輸送での容積重量の換算法を見てみましょう。 航空輸送では先ほどの海上輸送や倉庫でのルールとは違うものになります。 先ほど説明した例とは違い航空便では一般的にcm2とkgが使われます。また会社によっては6,000ではなく5,000でわる場合もありますが、6,000の方が一般的です。 例をあげましょう。 ・貨物の実重量:50kg ・貨物サイズ: 70cm(縦) × 90cm(横) × 90cm(高さ) = 貨物の体積: 567,000cm3 568,000(体積cm3) ÷ 6,000 = 94.5kg(容積重量) 実重量が50kg, 容積重量が94.5kgということでChargeable Weightは容積重量の94.5kgとなります。 混載トラックでの容積重量の計算方法 そして日本での混載トラックの場合、基準となるルールですが これも同様に単位には気をつけてください。 例を見てみましょう。 ・貨物の実重量:50kg ・貨物サイズ:0.7m(縦) x 0.9m(横) x 0.9m(高さ) = 体積:0.56m3 0.56(体積m3) × 280 = 156.8kg(容積重量) 実重量が50kgで容積重量は156.8kgです。この時のChargeable Weightは 容積重量の156.8kgとなります。 航空便でのChargeable Weightを計算しよう 最後にケーススタディーをしてみましょう。 2リットルの水が12本入った箱があります。これを100箱、航空輸送で出荷をする予定です。 箱のサイズは縦90cm、横30cm、高さが40cmです。 この貨物を輸送する時のChargeable Weightはいくつになるでしょうか? まとめ いかがだったでしょうか。今回は容積重量と実重量の違いと計算方法について解説をしました。 これは物流業界では基本の専門用語で計算方法はルールとして覚えなければいけません。LCL、航空輸送、倉庫、トラック輸送の実務で頻繁に使われる内容ですので今回の動画の内容を理解をして、使えるようになりましょう。

海上コンテナ輸送の一連の流れを解説!輸出・輸入の貿易業務のお仕事では貨物と書類の流れを理解することが重要です。 | 輸送・ロジスティクス

海上コンテナ輸送の一連の流れを解説!輸出・輸入の貿易業務のお仕事では貨物と書類の流れを理解することが重要です。

コンテナを使った海上輸送をする時、どのような流れで「貨物」と「書類」が動いているのかを貿易担当者なら理解しておかなければいけません。国際物流で貨物が輸出先から輸入先に送られるまでに実際は様々な工程があります。 貿易事務の担当の場合、輸入だけ、輸出だけ、通関だけなどと役割が分かれている場合があると思います。その場合、自分の担当している業務は分かるけれどもそれ以外の工程は分からず偏った貿易の知識だけとなってしまいます。 一方で貿易の実務担当者・営業マンの場合はざっくりした流れだけを理解しがちです。どの場面でどの書類が発行され、処理されているのかを学んでいきましょう。 海上コンテナ輸送の流れに関するアニメ動画解説 アニメーション動画を使っても海上輸送の一連の流れを解説しています。動きがありますので理解しやすいと思いますので是非こちらもご覧ください。 輸出者・輸入者で商品の売買について合意される 貨物を出荷する前に、輸出者様と輸入者様とでの商品の仕様・価格・数量・納期などについてのやりとりがあります。これらの取引条件などに双方の合意が出来てから貨物を出荷する流れとなります。 この時の取引内容がInvoiceやPacking listに記載され、また輸入時に登録が必要な貨物の場合は事前に準備をします。 海上輸出貨物の全体の流れ まず全体の流れをご紹介します。ざっとみていただいても分かるように、1件のコンテナ輸送案件でかなりの作業工程が行われています。 1.工場で製品が生産される / 2.お客様からBookingのリクエストがある / 3.フォワーダーが物流の手配をする / 4. 必要書類の確認をする / 5. 空のコンテナをピックアップする / 6. 空コンテナをお客様に届けて貨物をピックアップ 7. 貨物が港に到着する ※輸出通関を忘れずに / 8. コンテナが船に積み込まれる / 9. 本船が港を出港するとB/Lが発行される / 10. 海上輸送する 11. 本船が港に到着する2〜3日前にA/Nが発行される / 12. 輸入者はA/Nの支払いをしてB/Lも差し入れる / 13. フォワーダーから輸入者にD/Oがリリースされる 14. 輸入通関をする / 15. ヤードでD/Oを差し入れて貨物がリリースされる / 16. 貨物がお客様にお届けされる 輸出側の国内輸送と海上輸送 海上輸送をするにもお客様の工場から港に本船にコンテナが乗せられるまでのプロセスがあります。一つずつ解説をしていきましょう。 1. 工場で製品が生産される 個人レベルではコンテナを使って輸送するケースは流石に稀ですが工場では毎日商品を生産していて毎週 海外に出荷している工場もあります。 弊社のお客様でも自動車パーツ、冷凍食品、紙、革製品、化粧品、スクラップ、包装資材など多種多様にわたる貨物をコンテナで海上輸送をしています。 ※その他、お米、マンゴー、パイナップル缶詰、ドライフルーツ、ドリアン、ゴムの木、鶏肉といったタイならではの商品も多く輸送しております。 2. 輸出のBooking依頼がある 完成した商品のQCが終わったら、工場の出荷担当者からフォワーダーにBooking依頼があります。 このBooking時に、必要なコンテナの種類や本数、貨物の引き取り日、積み地、揚げ地、Cut Off、ETD、ETA、フリータイム、直行便・経由便などの連絡があります。 3. フォワーダーが物流を手配する お客様から頂いた情報を元にフォワーダーが本船予約・トラックの手配・通関手配、それぞれの必要書類の確認をして準備を進めていきます。 基本的にワンストップサービスを依頼されるお客様が多く、フォワーダーが本船予約以外の物流手配もすることでお客様にとっては一つの窓口で物流を完結出来るメリットがあります。 4. 必要書類の確認 そしてここが大切なのですが必要書類の確認作業です。どれか一つの情報でも間違っていると、正しく通関を通すことができませんし本船に乗せることが出来なくなります。 また原産地証明を発行する場合で書類にミスがあれば関税の優遇が受けられません。書類のミスに関しては特に中をしなければいけません。 5. 空コンテナをピックアップする お客様の貨物を引き取る為に、貨物引き取り日の朝か、前日の夕方にコンテナデポに空のコンテナをピックアップに行きます。コンテナデポはコンテナバンプールとも呼ばれます。 デポには使い終わった船会社のコンテナを掃除し、修理し終わったものが沢山積み上げられています。空コンテナのピックアップの際の注意は、コンテナ品質です。 コンテナグレードAで予約したにも関わらず、質の悪いコンテナが割り当てられる事は少なくありません。弊社のサービスでは、コンテナを引き取るドライバーに必ずチェックをさせて質の高いものを選んでお客様にお届けしております。 6. 工場でコンテナに貨物を積み込む 空のコンテナをお客様の工場に届けたら、コンテナに貨物を積み込みます。規模の多いお客様だと1日に何十本というコンテナを使う場合があり積み込みにかかる時間を計算しトラックの配車スケジュールも管理したりします。 コンテナは海上では大きく揺れる場合がありますので、貨物がコンテナ内で動かないようにしっかりとラッシング(固定)もしなければいけません。 7. 貨物が港に到着する 貨物を乗せたコンテナが本船に積み込まれる港に到着します。コンテナのCut Offという言葉が使われるのですが締め切り時間のことだと理解してください。 またContainer Returnはコンテナが船に乗せるために港に戻っていなければいけないということです。 AFRやVGMを事前に済ませておく コンテナが船に乗せられる前に ・AFR(日本向け:輸出の事前申告 - ETDの24時間前) ・VGM(コンテナの総重量の申告義務) を済ませておかなければいけません。 輸出通関をする そして通関の輸出申告も済ませておかなければいけません。 上述したように、貨物が工場でコンテナに積み込まれ、船に乗る前までに色んな申請事項を済ませておかなければいけないのです。 8. 本船にコンテナが乗せられる 港には本当に大量のコンテナが集められています。その為、港湾内での荷役の時間も十分に必要だということでCut Offは守らなければいけないのです。 港・ターミナルでの荷役について コンテナが船に乗せられる時はガントリークレーンという大型のクレーンに吊られて積み込まれます。吊り上げるのでコンテナの総重量が大きなポイントとなります。 40’フィートコンテナだと20’フィートコンテナの倍の重量を積むことが出来るのかという問い合わせをたまに聞きますが、設備上の関係で出来ません。20’フィートであれ、40’フィートであれ貨物重量は大体25トンくらいまでと覚えておきましょう。 このように本船には大量のコンテナが積み込まれます。コンテナ船に積めるコンテナの本数には限りがありますのでシーズンによってはスペースが取りにくくなります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/forwarder-space/?lang=ja" target="_blank"] 9. B/Lが発行される コンテナが本船に積み込まれたらB/Lが発行されます。その後、フォワーダーから発行されたB/LがShipperに送られ、ShipperとConsigneeの間で商品の代金支払いなどのやりとりがあります。 オリジナルB/Lの場合はShipperからB/Lの原本がConsigneeにDHLやFedexなどのクーリエサービスで送られます。このようにConsigneeはD/Oを引き取るためのB/Lを入手しておかなければいけません。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-bl/?lang=ja" target="_blank"] 10. 海上輸送する 海の上でコンテナが船に揺られながら各港で積み込み・積み下ろしを繰り返して、スケジュール通りに進んでいきます。よく天候の問題で船が遅れる場合がありますがこれだけは仕方がありません。 海上輸送では近海であれば数日で到着し、日本ーヨーロッパのようなロングルートだと2ヶ月近くかかったりする場合もあります。 輸入のプロセスのご紹介 ここからは輸入のプロセスになります。貨物が積みあげられる港に到着してから、配送先まで届けられるまでの貨物と書類の流れです。 11. A/Nが発行される 本船が入港する2−3日前に輸入側のフォワーダーからArrival Noticeが発行され、輸入者に送られます。 このArrival Noticeには、港の諸費用やD/O費用などの諸々の費用があり輸入者はそれを支払わなければいけません。 12.A/Nの金額をフォワーダーに支払い、B/Lを差し入れる 輸入の流れを詳しく見ていきましょう。 輸入者は貨物引き渡し書類であるD/Oを入手しなければいけません。その為にA/Nに書かれている金額をフォワーダーに支払います。 そしてA/Nの支払いのタイミングと同時に、Shipperから入手したB/Lも差し入れます。オリジナルB/Lなら原本を差し入れ、サレンダーB/Lならコピーをフォワーダーに提出します。 D/Oがリリースされる A/Nの支払いとB/Lの差し入れと引き換えに、輸入側のフォワーダーがConsigneeにD/Oをリリースします。 D/Oも原本だけでなく、D/O LessといったID番号を発行する簡素化された手続きもあります。 貨物の輸入通関をする 輸入者がコンテナを引き取るにはD/Oだけでなく輸入通関も完了しておかなければいけません。Invoice, Packing List, 原産地証明などの書類を使い、システムに入力して通関士によって輸入申告がされます。 申告に何も問題がなければ税関から輸入許可が出ますが、問題があれば検査などが発生します。 D/Oをヤードに差し入れて、貨物がリリースされる D/Oを入手し輸入通関も完了したConsigneeは、D/Oをヤードに差し入れて、コンテナ貨物を引き取ることが出来ます。 コンテナが配送先に到着し,貨物を積み下ろして配送完了 コンテナを乗せたトレーラーが届け先まで運んできて、貨物の積み下ろし作業をして配送完了となります。 まとめ いかがだったでしょうか。コンテナに貨物を乗せて輸送しているだけのように見えますが、色んな工程で必要書類が出てきます。 この書類に間違いがあると貨物はスムーズに輸送されませんし、書類の修正などに時間がかかって港での保管の超過料金が発生するのもよくあります。 全体の流れをよく理解して、スムーズな国際物流が手配できるようになりましょう。

【3月26日時点】新型コロナウィルスによる国際物流への影響について。マニラ・インドの封鎖や航空便が減少・ストップする影響とは。 | 物流ニュース・物流ラジオ

【3月26日時点】新型コロナウィルスによる国際物流への影響について。マニラ・インドの封鎖や航空便が減少・ストップする影響とは。

新型コロナウィルスが世界中に広がりWHOが3月11日にパンデミック宣言をしてから2週間が経ちます。フィリピンはマニラを閉鎖し、インドは国を閉鎖し外出禁止令まで出しました。そして3月26日のタイにおいては非常事態宣言が発令されました。 今のところ事態の収束に向けて各国がそれぞれの対応をとっており、各企業もリモートワークの導入や部外者の訪問禁止などを実施しております。またタイにおいては映画館、ムエイタイスタジアム、ショッピングモールなどの娯楽施設、バー、レストラン、マッサージ店などの閉鎖を実施。 そして航空会社も便数を減らしたり、一部の国においてはサービスの運休を決定した会社もあります。 国際物流は重要なインフラなのでそう簡単には止まりませんが、確実に影響が出てきているのが現状です。本日は3月26日時点での新型コロナウィルスが物流に与えている影響について筆者が理解している範囲でご説明をしていきます。 武漢向けの海上輸送は再開 新型コロナウィルス発症の地である武漢。一番最初に物流がストップした地域ですが、現在では武漢向けの海上輸送サービスは再開をしております。 残念ながらウィルスは世界中に広まってしまいましたが事態の収束の目処がほんの少しだけ見えた気がしました。 フィリピン マニラのロックダウンの影響 3月15日に東南アジアでいち早くロックダウンを決めたのがフィリピンのマニラでした。弊社でもマニラ港向けへの海上輸送は多く取り扱っております。今のところ各船会社からの特別なアナウンスはありません。 お客様からも沢山の問い合わせを受けましたが海上輸送便に関しては通常通り動いております。しかしDHLがフィリピンの一部の地域には配送ストップしたとのことで代わりにTNTで書類を送ったことがあります。 インド全土 閉鎖による国際物流への影響 3月25日から、インドは全土において21日間の完全封鎖を発表。外出禁止令が出され工場や航空便などが停止しています。 ツイッターで「India Logistics Covid」で検索したらインドの物流は深刻な状態だとネット記事で確認出来ました。要約しますと以下のようになります。 インド全土封鎖による物流の影響 ・食品、マスク、医療品などは配送されないといけないが道路で警察に止められる ・貨物便はインドに到着しているが空港職員が少ないので積み下ろし出来ていない ・税関職員も足りていないので通関が出来ない ・倉庫もストップしておりサプライチェーンが止まる 詳しくはこちらの記事を参照ください。※英語になります 航空便が減少・ストップすることの影響 コロナウィルスの輸送者である人の動きを制限する為に、各航空会社も地域によって減便、またはストップする動きが出てきています。 タイ国際空港 / 日本 - タイサービスの運休について タイ国際航空(TG)は日本向けのサービスを以下のように運休すると発表しました。 ■日本発 運休(2020年3月26日~6月1日まで) <成田発> TG641便/TG643便/TG677便※ ※TG677便は5月31日まで運休 <羽田発> TG661便/TG683便 <関西発> TG623便※ ※TG623便は3月26日は運航 <中部発> TG645便※ ※TG645便は3月28日は運航 ※TG645便は5月31日まで運休 ■バンコク発 運休(2020年3月25日~5月31日まで) <成田行き> TG640便/TG642便/TG676便 <羽田行き> TG660便/TG682便 <関西行き> TG622便※ ※TG622便は3月25日は運航 <中部行き> TG644便 ※TG644便は3月28日は運航 ■日本発 運休(~2020年10月24日まで) <札幌発> TG671便 <仙台発> TG627便 <関西発> TG673便 <中部発> TG647便 <福岡発> TG649便 ■バンコク発 運休(~2020年10月24日まで) <札幌行き> TG670便 <仙台行き> TG626便 <関西行き> TG672便 <中部行き> TG646便 <福岡行き> TG648便 タイ国際航空HPより引用 航空運賃が高騰している 便が減少しているので仕方がないのですが航空運賃が高騰しています。成田向けの全日空(NH)の貨物便の航空運賃ですがTHB 170/kg all inでした。通常であればTHB 50〜60/kg all inほどの金額なのですが3倍以上しております。 またキャンセル料が発生します。以前であればキャンセルしてもキャンセル料は発生しなかったのですが、現在は請求されるとのことです。ご注意ください。 DHL, UPS, Fedex, TNTなどのクーリエサービスについて 弊社はB/Lや原産地証明などの重要書類を発送する為にDHLのサービスを利用しております。しかし先日、DHLではフィリピンの一部の地域には送ることが出来ないと言われました。 代わりにTNTのサービスを利用したので問題はなかったのですが船積み関係書類が送れないことで問題が発生します。 ①B/Lのオリジナルが送れない ・B/L Surrenderで対応 ・L/Cの場合 → WaybillやSurrender。またL/Gで対応する必要あり ※銀行に相談してください。 ②原産地証明のオリジナルが送れない 原則オリジナルなのですが状況によりコピーでの提出で税関との話し合いが出来るかもしれない。 ※不確定な情報ですが弊社の見解です。 まとめ このような非常事態では通常では問題なく出来ていたことが、突然出来なくなったりします。 政府の突然の発表から各関係部署へのアナウンス・準備もままならない状態で物事が決まり実行されますので、私たち国際物流業者もオンタイムでの対応や情報発信を心がけておりますが、通常通りの対応は難しい場合があります。 状況を見ながら随時対応をして情報の共有もさせて頂きます。とにかくはこれ以上の拡大が止まり、早く収束に向かっていって欲しいと思います。

保税倉庫 – タイのFreeZoneとBonded Warehouseの違いを解説!IORとEORを利用して貿易をフレキシブルにしましょう。 | 輸送・ロジスティクス

保税倉庫 – タイのFreeZoneとBonded Warehouseの違いを解説!IORとEORを利用して貿易をフレキシブルにしましょう。

加工貿易をする時や貨物を保税状態で国内に保管するときに使われるのが保税倉庫です。タイでは保税倉庫として使われる倉庫がBondedとFree Zoneの2種類があります。 筆者としても保税倉庫と言えばBonded Warehouseだろうと思っていたのですが、昨今のタイでの物流ではFree Zoneの倉庫が主流となってきています。 ではBondedとFree Zoneはどのように違うのでしょうか? 実は結構違うんです。今回はタイにおけるBondedとFree Zoneの倉庫についてご説明をしていきたいと思います。 BondedとFree Zone 倉庫の違いとは それでは以下にそれぞれの保税倉庫の特徴について羅列します。 Bonded Warehouse ・保管期間:2年 (最大保管期間) ・国内貨物:使用不可 ・税金:入庫時に全部支払う ・出庫量: 入庫の時と同じ物量を出庫する必要あり Free Zone Warehouse ・保管期間:2年 + 1年延長可能 ・国内貨物:入庫可能 ・税金:出庫時に出庫した分支払う ・出庫量: 出庫したい分だけ出庫可能 ・IOR / EOR: 使用可能 ご安心ください。それでは更に詳しく見ていきましょう。 BodedとFree Zoneの保管期間 保管期間は分かりやすいですよね。Bondedの倉庫は最大1年間の保管期間の制限があり、Free Zoneにはそれがありません。 長期的に保管する必要があればFree Zoneを使用した方が良いですね。 国内貨物の入庫について Bondedは国内貨物を倉庫内に入れる事は出来ません。外国から来た貨物のみ保管することが可能です。 一方、Free Zoneは国内の貨物も入庫可能です。このメリットは国内の貨物と外国から輸入したFree Zone内の貨物を組み立てたり、箱の詰め替えが出来たりする事です。 Bondedだと国外の貨物だけで組み立てなどが可能ですが、Free Zoneの方がよりフレキシブルですね。 税金の支払いタイミングについて Bondedは外国からの貨物を入庫した時点で全ての関税・消費税を支払わなければいけません。 一方でFree Zoneでは倉庫に入庫した時は税金を払う必要がなく、国内に出庫した時に出庫した分だけの税金を払うことが出来ます。 出庫量について Bondedでは海外から輸入した分を、そのままの量で出庫しなければいけません。例えば貨物を100ton入庫したら、出す時は100tonでなくてはいけません。50tonなど分けて出庫してはいけません。 FreeZoneでは出庫したい分だけを出庫することが出来ます。また上述したように出庫した分のみの税金を払えばOKです。 IORとEORについて 特定の倉庫業者のFree ZoneではIORとEORが使用可能です。これにより海外の企業はタイに会社がなくても貨物の輸出入が可能となります。詳しく見ていきましょう。 IOR - Importer of Recordとは IORを使うことによりタイに法人がなかったとしても輸入手続きが出来ます。Free Zoneの倉庫業者を利用することで輸入者扱いになってくれるのです。 【例】 輸出国:日本 輸入国:タイ Shipper: 株式会社ジャパン Cnee: On behalf of 株式会社ジャパン Invoice Value: USD 0 輸入した貨物は保税倉庫に保管されます。もしタイの国内に輸入をしたい時(内貨にする時)は出庫手続きをするのですが、この時に関税と消費税を受け取り人が支払います。 倉庫業者ですで保管が目的なので倉庫に入庫する時はInvoice Valueはゼロで申告します。出庫してタイの内貨にする時に正規のInvoiceの金額で申告することになります。 EOR - Exporter of Recordとは IORでFree Zoneに輸入した貨物を再輸出する時に、タイに会社がなかったとしてもFree Zoneの倉庫が輸出者扱いとなってくれます。 先ほどの例を使って説明しましょう。 【例】 輸出国:タイ(Free Zoneに保管)- 輸入時のShipper: 株式会社ジャパン 輸入国:アメリカ Shipper: On behalf of 株式会社ジャパン Cnee: アメリカン Co.,Ltd Free Zoneで加工・梱包などをして他国に輸出する時に現地に法人を用意する必要はありません。Free Zoneの倉庫業者がIORやEORでサポートしてくれるので安心です。 まとめ Bondedの倉庫よりFree Zoneの方が機能的に優れているのがお分かりになったでしょうか。「保税」以外の機能を理解して倉庫を使いこなす事は大切だと思います。 タイでFree Zoneの倉庫が必要なさいはお問い合わせを頂ければと思います。

フォワーダー 選びに失敗しない為の8つの事。国際物流を大手だけに任せて安心をしていませんか? | フォワーダーの仕事

フォワーダー 選びに失敗しない為の8つの事。国際物流を大手だけに任せて安心をしていませんか?

貨物を送るときに最適なフォワーダーを選んでいますか?大手だからという理由だけで特に選びもせずに仕事をお願いしていませんか? 貨物を海外に送るときに利用するのが国際物流業者であるフォワーダーと呼ばれる業者です。そして世界には本当に沢山のフォワーダーが存在しています。 この沢山あるフォワーダーから最適な業者を選ばないと、高いコストで貨物を運ぶ事になったり、実際は送れるけど送れないと言われてしまったり、通関で毎回止められたりすることもあります。 あなたの物流案件で最適なフォワーダーを検討するために、今回はフォワーダーの選び方について大切な8つのポイントを解説をしていきたいと思います。 フォワダーの選び方について動画で解説しました。 何故こんなにフォワーダーは多いのか? 筆者が活動するタイにおいても泰日商工会議所に登録されている日系の運輸業者だけで100社近くあります。リストを見るとほとんどがフォワーディング業務をしている業者だと思いました。 何故こんなにも多いのか? 船や飛行機などを持たないフォワーダーはノンアセット(設備なし)で出来る業態なので簡単に始められるというメリットもあるからです。タイでは日本人1人、タイ人4人だけで経営している会社も少なくありません。 また物を運ぶというのは単純なようで実は奥が深く、お客様・貨物・配送先によってフォワーダーの得意不得意、また合う合わないがあるからです。 初期投資が少ない、変動費が少ない、色んな物流があるからライバルが多くても意外とやっていける。大体こんな理由だと思います。 国際物流をフォワーダーに頼む必要はあるのか? アセットを持たずに国際物流の手配が出来るのであれば、フォワーダーを使わずに自社で直接 船会社やトラック会社に物流手配の依頼をして貨物を送れることが出来るのではないか?このように思うかもしれません。 実際のところやろうと思えばそのようにフォワーダーを使わず自社で物流手配をすることは可能です。しかし、もの凄く非効率です。あと大手企業のような物量がないと割高になります。 実際は色々と手配する必要がある国際物流の仕事 もしあなたが船会社に直接 海上輸送をお願いする時に必要な手配は船会社へのブッキングだけではありません。 自分でやると大変な諸々の物流手配 ・トラック会社にトレーラーの手配 ・通関業者に通関の手配 ・梱包が必要な場合は梱包業者に連絡 ・重量物の場合は重量屋さんに連絡 ・貨物量が少ない場合は混載業者に連絡 ・クロスボーダーが必要な場合は専門のトラック業者に連絡 ・冷蔵貨物を保管する場合は冷蔵倉庫業者に連絡 などが必要となります。 しかし、フォワーダーに物流手配を依頼をすると基本的に全ての必要事項を対応してくれます。また経験豊富な営業マンの場合、費用を抑え効率的にあなたの貨物を運んでくれます。 費用面でも大きな違いがある もしあなたの会社がコンテナでの輸送を必要としていたとしても、月間で1−2本程度の輸送量の場合 船会社からの海上運賃は恐らく高いものになります。一方でフォワーダーは毎月コンテナを何百本、何千本と輸送手配をしています。 船会社からしたらフォワーダーは代理店になり特約価格を得ていることになります。HISなどの旅行代理店と同じ感覚で物量がそれ程多くないのであれば代理店を通した方が安くなります。 フォワーダーの選び方のポイント フォワーダーの必要性は理解して頂けたかと思います。ではフォワーダーを使うという前提でどのような業者を選べば良いのか?フォワーダー選びのポイントをご説明しましょう。 フォワーダーには得意不得意がある 全てのフォワーダーが全ての物流を手配出来る訳ではありません。 フォワーダーには得意不得意があります。弊社はタイのグループ会社(CONNECT Group)でフォワーディングと通関の事業をしている会社が複数あるのですが以下のように得意が分かれています。 CONNECT Groupの得意分野 ・アジア・東南アジア向けが得意 ・アメリカ向けが得意 ・輸入が得意 ・危険品が得意 ・冷蔵貨物が得意 ・中東、アフリカが得意 ・航空輸送が得意 ・航空の輸入通関が得意 ・日本向けが得意&日系向け全般サービス(弊社) このように見事に得意が分かれております。 南米向けに貨物を送りたいのに、南米向けの貨物輸送を殆どやったことがないフォワーダーに依頼すると輸送費用が高くなったり、トラブルが起きた時の対応がよくなかったりします。 「物を送る」という単純に見える仕事でも、実は非常に幅広く多岐にわたるお仕事なのです。 スペースを確保する力 コンテナ船のスペースには限りがあります。送りたい時に好きなだけ送れる訳ではありません。特にニューイヤー、国慶節、ソンクラーン、ゴールデンウィークなどの長期休暇前は各企業も事前に貨物を輸送したいのでスペースがタイトになりがちです。 製造業ではラインを止めてはいけないというルールがあります。送りたいのにスペースがなくて送れないがために、大量のボリュームを航空輸送しなければいけないというケースもあったりします。 この本船スペースを確保する力はかなり重要なポイントです。 価格競争力 物流は安全に、納期通りさえ運ぶことが出来ればあとはコストです。お客様もコストが高いと最終的な製品単価が上がるので出来るだけ安く運べるなら、安い方が好まれます。 この価格競争力はどこから生まれるのか?これはフォワーダーの取り扱いボリュームと営業担当者のさじ加減です。取扱量が多いと船会社も特別なレートを出してくれます。 そして営業マンが高く売るタイプの人間であれば、必然的に高くなります。 複数の船会社との取引がある フォワーダーよりは少ないですが船会社も複数存在します。そして各船会社によってスケジュールが違ったり価格が違ったり、ルートが違ったりします。フォワーダーを使うメリットは選択肢があるという所です。 複数の船会社と取引するには全体的に多くの物量を持っていなければいけません。特定の船会社で勝負しているフォワーダーもいますが、複数の選択肢を提供できるフォワーダーの方がお客様としてはメリットがあるでしょう。 通関対応の良さ 国際輸送では通関が一つの関門と言えます。税関で貨物がストップするとスケジュールに遅れが出てしまうからです。国をまたいでの輸送では何でもかんでも自由に送れるという訳ではありません。 許可や登録が必要な物も少なくありません。そいういう情報を事前にお客様に伝えられるかどうか。通関で貨物が止まらずスムーズに対応できるかどうかが良いフォワーダーの条件です。 海外支店や代理店との連携 貨物を海外に送る時に向け先の港まででなく、当然ですが指定の届け先まで送らなければいけません。輸出側と輸入側の二国間でのコミュニケーションがないと貨物が届けられるのか、また港についた後はちゃんと通関を通ったのかが分かりません。 海外に支店があった方が良いとの情報もありますが、海外支店がないフォワーダーでも各国に代理店があります。 あまり貨物を送らない地域には代理店を新規で探さないといけませんが、マスターB/Lで貨物を送ることは出来ます。輸入側でお客様に通関手配をお願いする事になりますが。 営業担当者のフットワーク 上記は会社単位での強みや選定ポイントでした。しかしフォワーダーという仕事はサービス業でありますのでお客様に良いサービスを提供する姿勢で、お客様の実務・事務担当者様が感じる使いやすさの印象は変わってきます。 フォワーダーの営業の仕事についてはこちらに詳しく記載しておりますのでご確認ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/good-forawrder-sales/?lang=ja" target="_blank"] [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/about-forwarder/?lang=ja" target="_blank"] カスタマーサービス担当者のレスポンスと正確さ 会社によるのかもしれませんが、弊社ではフォワーダーで実際の実務にあたるのはカスタマーサービス担当者です。通常で流れている業務に関しては営業マンではなくCS担当者が対応しております。 営業マンは新規獲得や問題発生時のトラブル対応、お客様のお困りごとの解決という仕事を弊社ではしております。なので通常の物流業務においてCS担当者のレスポンスの早さや書類などにミスをしないかも大切な判断要因となります。 担当者替えというのもたまにあったりします。お客様の担当者様とうまくコミュニケーションが取れない社員は別のお客様の対応をさせて頂くなど、そういうところでは会社単位で対応をしております。 弊社が日本でお取引のある代理店 タイで活動するフォワーダーである弊社ですが、日本向けには毎週多くの貨物を輸出しています。その日本側のパートナーとして現在お取引があるのが以下のフォワーダー様になります。 ・フライングフィッシュ株式会社 ・ジャパントラスト株式会社 フライングフィッシュ株式会社様 筆者が会社を創業する前に同社の社長様がわざわざタイまで会いに来て下さいました。そのフットワークの軽さは凄いなと思ったのを覚えています。 食品輸送のスペシャリスト フライングフィッシュ様は食品の取り扱いを得意としていらっしゃいまして、ヨーロッパやタイなどから定期的に食品輸送の手配をされています。 弊社でもタイから日本に食品関連の貨物を輸送する時は、同社の食品輸入通関の経験を信頼して安心して依頼することが出来ています。 ジャパントラスト株式会社様 ジャパントラストの社長様は筆者と非常に似た考えをお持ちの方で、LINEのスタンプを作ったり、ウェブのプロモーションなども力を入れていらっしゃいます。 北米向けコンテナ輸送のスペシャリスト また独立系フォワーダーとして日本-北米間の輸送の取り扱いが世界で第4位とのこと。タイ-アメリカのレートを同社に依頼したところ、非常に魅力的なレートを出してくださり実力は本物だと思いました。 まとめ 今回はフォワーダー を経営している筆者の視点で良いフォワーダーの選び方について解説をしてみました。大手のフォワーダーは確かに会社レベルではサービス出来ることが多いのですが、担当者レベルでは話が違います。小さい案件はやらないという担当者もいるでしょう。 会社の組織力と属人性の両方がうまくバランスが取れていること。これが良いフォワーダーの見極めに大切な事です。

LSSサーチャージについて分かりやすく解説!海上貿易で使われる従来の燃料(C重油)はなぜダメなのか? | 輸送・ロジスティクス

LSSサーチャージについて分かりやすく解説!海上貿易で使われる従来の燃料(C重油)はなぜダメなのか?

2020年から義務付けられた新しい規制により海上輸送に新たなサーチャージが加わりました。 船の燃料にLSC重油という低硫黄の燃料を使わなければいけませんよとIMO(国際海事機関)がマルポール条約(海洋汚染防止条約)を改正したのです。 簡単に言えばこれまで使っていた環境に優しくない燃料をそのまま使うのはダメですと国際機関によって決定されたという事です。 これにより加わったLSS(Low Sulfur Surcharge/ローサルファー・サーチャージ)について今回はご説明をしていきたいと思います。 LSSについて動画で解説しました 排ガスの硫黄酸化物がPM2.5の大気汚染に ご存知の通りPM2.5による大気汚染は国際的な問題になっていますよね。PM2.5は元をたどると排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)から生成されています。 なのであなたの健康を害するPM2.5を減らす為に、IMO(国際海事機関)はPM2.5を引き起こす排ガスの硫黄酸化物(SOx)を減らそうとしているのが今回の規制です。 ローサルファーとは? 硫黄(Sulfur)なので、Low Sulfurで低硫黄を指します。 硫黄分濃度が低い燃料を使いましょうという事で、その硫黄分濃度の基準が以下になります。 ・従来のC重油:HS (High Sulfur): 3.5%以下 ・低硫黄C重油:LS (Low Sulfur):0.5%以下 硫黄分濃度が0.5%以下の重油のことがLow Sulfur重油で、この重油を使用することでPM2.5の発生を抑制しましょうという決まりなのです。 スクラバーを使って従来のC重油を使う スクラバーを使えば従来のC重油でも、排ガスを低硫黄燃料を使ったときのレベルまで洗浄することが出来るので低硫黄燃料を使用する必要はありません。 出典:Alfa Laval PureSOx (サイトに移動します) なぜサーチャージが発生するのか? 低硫黄燃料はこれまで使用可能だった従来のC重油より3割〜5割ほど高くなっています。船会社も燃料費としてカバーしなければいけません。 またスクラバーを導入した船舶であれば、そのコストをカバーする為に船舶会社も補填をしなければいけません。 各船会社のLow Sulfur Surcharge さてこの環境に優しくする為のLSSですが船会社によって金額が異なります。詳しい理由は分からないのですが各船会社ごとに戦略があるのでしょう。 このLSSが導入され始めるぞと騒ぎになった2019年11月頃、筆者の会社も各船会社からの情報が不十分なままお客様に色々と質問をされました。 独自の呼び方と計算方法をする船会社 全ての船会社を調べた訳ではないのですが以下の2社はLSSという言葉ではなく別の言葉で新しい燃料サーチャージを表現しています。 ONEのLSS: OBS ・ONE:ONE Bunker Surcharge(OBS) OBSは他社のLSSと比較すると安く設定されており、ONEによると独自の計算方法をしているとの事です。 海上運賃はAll inで出した方がいいかもしれませんね。 EverGreenのLSS: ISOCC ・EverGreen:IMO Sox Compliance Charge(ISOCC) EvergreenのLSSはこのように表現されています。当初Evergreenの見積もりを見た時に「ISOCC」という項目を見つけてググったのを覚えています。 LSSにはタリフと売値がある タリフとは定価の事です。タイから日本の主要港までのLSSのタリフはDryコンテナで ・USD 70/20’ ・USD140/40’ だったと思います。※うる覚えですみません。。間違ってたらすみません。 しかしこれはタリフで実際には各船会社はそれぞれの価格を提示してきました。 フォワーダーとしてのLSS 船会社も各フォワーダーに対して同じLSSを提出しているところもあれば、安くLSSを設定している船会社もあります。 一般的にLSSはタリフで3ヶ月間の固定ですが、弊社は特定の船社からはタリフよりかなり安い価格で提示をされ、毎月交渉をしています。 タリフのLSSであれば値上げはありませんが、お客様の為に交渉しているとLSSは上がることがありますのでご理解ください。 まとめ 国際物流には様々な機関が関係し定期的に規制が変わります。近年でもIMOによるSolas条約(海上人命安全条約)で導入されたVGMがありました。 貿易をより良くする為に規制は変わり続け、私たちはそれに合わせて事業運営をしなければいけません。 今回のLSSは地球環境の為に必要とされたもので、コストアップは辛いものではありますが、何卒ご理解を頂けましたら幸いです。 企業様の貿易・新人研修にお勧めの無料コンテンツ

ASEANのクロスボーダー トラック輸送について解説。タイからミャンマー・ラオス・マレーシア ・カンボジア・ベトナム・シンガポール・中国を陸送するトラック手配について。 | 物流コラム

ASEANのクロスボーダー トラック輸送について解説。タイからミャンマー・ラオス・マレーシア ・カンボジア・ベトナム・シンガポール・中国を陸送するトラック手配について。

地図を見るとわかるのですがタイはASEAN地域の中でとても良い立地にあります。タイには日系企業も多く品質の高い製品が製造される一方で、人件費が高騰し続けています。その為に周辺国に工場を構えて製造する企業も増えてきました。いわゆる「タイ+One」。 2015年にAECが発足しASEAN地域での関税撤廃やタイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアを含めた大メコン経済圏でのインフラ整備なども進み、貨物輸送では陸送が注目を集めています。 タイで国際物流に携わって現在7年目。クロスボーダートラックの要望や案件は実際に増えてきていると実感します。 今回はこのクロスボーダートラックの輸送手配を現場感覚でお伝えしていきたいと思います。 クロスボーダートラックのリードタイム クロスボーダートラックの魅力と言えばリードタイムです。流石に航空輸送には敵いませんが、海上輸送に比べると断然に早いのが特徴です。 タイからの輸送リードタイム ・クアラルンプール(マレーシア):約4〜5日 ・ビエンチャン (ラオス):約2〜3日 ・ヤンゴン(ミャンマー):約4〜5日 ・プノンペン (カンボジア):約2〜3日 ・ホーチミン(ベトナム):約3〜4日 ・ハノイ(ベトナム):約3〜4日 ・シンガポール :約4〜5日 例えば、ヤンゴン向けの海上輸送だとDoor to Doorで約3週間かかっていたのが、約4日ですので圧倒的に早くなっていますね。 ホーチミンやシンガポールでも海上輸送の船足は短いのですがCYに入れたりしてDoor to Doorだと週をまたいでしまいます。 クロスボーダートラックのコスト・費用 これは「向け地」と物流業者さんの「売値のさじ加減」にもよるのですが、弊社の感覚だとクアラルンプールだとクロスボーダーと海上輸送でDoor/Doorだとほぼ同じという印象です。 ホーチミン向けなどは海上運賃が安いのでコスト面では海上輸送の方が有利な場合が多いのですが、日系やローカルのトラック会社によっても変わってきます。 日系企業のクロスボーダートラック 筆者もネットから情報をとる時に日系企業の情報をよく見ます。 流石だなと思うのがクロスボーダートラックでASEANだけにとどまらず中国やインドまで支店を置いて陸送しているのが日通さんです。 その他、K-Lineロジッスティクスや三九さんなど、やはり大手の物流業者さんはASEAN地域を網羅しているように見えます。 鴻池さんはクロスボーダートラックでも冷蔵・冷凍の強みを持っており、コールドチェーンを確実に取りに行っているように見えます。 嬉しい混載サービスまで 日通さんや日立物流・佐川さんなどはタイ〜ベトナムで週1便などで混載サービスを提供しています。 コンテナやトラック一杯にならないくらいの貨物の場合は日系のトラック会社がお勧めです。 ローカルのクロスボーダートラック会社 筆者はローカルのフォワーダーとして様々な物流サービスを主に日系企業のお客様にご提供しているのですが、基本的にローカルのトラック会社しか使いません。 ローカルの業者には価格面でメリットがあるのですが、日通さんのような混載サービスを提供している会社を筆者は知りません。 コンテナかトラックで貨物を運ぶ ローカルのトラック会社では上述しているような混載サービスはありません(筆者は知りません)。 なので「40‘コンテナ」で運ぶか「4Wheelか6Wheelトラック」でチャーターで運ぶかになります。 ※しっかりと調査した訳ではありません。あくまで筆者の肌感覚でお話しています。 国境での積み替え クロスボーダートラックの特徴として、”基本的に” 国が変わると車輌も変えなければいけません。 同一のトラックで輸送できるライセンスを取得している業者もあり、そのトラックを使えば積み替え不要ですが、まだそれは多くなくて殆どが積み替えます。 コンテナを積み替える 国境にはコンテナを持ち上げる設備があり、輸出国のシャーシーから輸入国のシャーシーへコンテナを載せ替えます。 トラックで貨物を積み替える コンテナの場合、コンテナごと積み替えるので大きな問題は起こりにくいのですが、トラックの場合は国境沿いにある倉庫で作業員が詰め替え作業をします。 貨物がパレットに乗っていればフォークリフトを使っての積み込み積み下ろし作業となりますが、バラ積みの場合は現場の作業員の登場です。 ここがトラック輸送でのクロスボーダーのリスクです。弊社でもトラックでの陸送を希望されるお客様の場合はこのリスクを説明しております。 ライセンスを持っている業者であればトラックでも開けずにそのまま運べるので、弊社でもそういうサプライヤーを増やしてる最中です。 まとめ 昨今の物流ではとにかくリードタイムの短縮を希望されるお客様が多く、クロスボーダートラックでの輸送は大メコン経済圏内において今後も増えていくでしょう。 あとはコストとのバランスです。弊社ではローカルのトラック業者をメインで使っていますがサービス品質は悪くありません。 ローカル業者でも最近ではGPSは当然で、通関対応にも非常になれたローカルのサービスはコストと納期のバランスが取れた選択肢として有効です。 とはいえ日系のトラック会社にもサービスの強みもあり、状況に応じて使い分ければ良いと思います。

タイで食品輸入の為にFDAの登録申請をする方法!鮮魚・青果・肉・果物・加工品などのFDA申請代行もやってます。 | 物流コラム

タイで食品輸入の為にFDAの登録申請をする方法!鮮魚・青果・肉・果物・加工品などのFDA申請代行もやってます。

タイで食品の輸入販売をしたい。そのためにはタイのFDA(Food and Drug Administration)の登録許可が必要になります。 食べられる物であったとしても、何でもかんでも輸入出来る訳ではありません。タイの食品法に基づいて輸入許可が下りなければ、いくら日本や諸外国で食べることが許されている食品でもタイに輸入は出来ません。 弊社では鮮魚・野菜・フルーツ・加工食品・飲料などの食品を日本から輸入通関している実績があり、それぞれの商品のFDA登録もしてきました。 今回は弊社の経験に基づいた食品のFDA登録について手順や必要書類などについて解説をしていきます。 タイのFDA登録について動画で解説 タイで食品をFDAに申請するポイント FDAの登録を全て自分で手配をするとなるとかなり時間を要します。 これはアルコール・酒の輸入登録の時にもご説明をしましたが、FDAに頻繁に通えるロケーションやFDAの担当者との人間関係も大きく影響します。 ご参考にアルコール・酒の輸入登録の記事についてもご覧ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/alcohole-registration-thai/?lang=ja" target="_blank"] やはりFDAの申請に慣れている業者に依頼する方がスーピーディーにストレスなく登録手続きが出来ます。 商品によって求められる書類が違う 食品にも色んな種類の物があります。タイで輸入が禁止されている成分が使われているものがあったり、乳幼児が口にするような物などもあります。 タイで安全な食品を流通管理するために、FDAに登録申請する為の書類は商品によって異なります。 FDA担当者が「この書類を用意しろ」と言えば基本的には用意しなければいけません。しかしコネクションがあると追加書類の要求も緩くなる場合があります。 タイのFDA登録申請 全体の流れ 以下に輸入したい食品の登録完了までの必要なプロセスをご紹介します。 1. 貨物輸入ライセンス 2. 食品の輸入許可申請 3. FDAのカテゴリー登録 4. FDAの製品登録 それでは1つずつ見ていきましょう。 1.貨物の輸入ライセンス そもそもの話なのですがタイに貨物を輸入する輸入者としてのライセンスが必要です。 輸入したことが無いという会社様はライセンスを取るか、輸入したことがある業者に依頼しましょう。 2. 食品の輸入許可申請 輸入ライセンスがあれば食品でもなんでも輸入出来るかというとそうではありません。食品の場合は食品を輸入するためのライセンスが必要なのです。 ※ライセンスという言葉を使っていますが「登録」とご理解ください。 申請期間:約2週間 この時にお客様に手配してもらう書類が以下になります。 食品の輸入ライセンス取得に必要な書類 ・Company Registration(6ヶ月以内) ・代表者(社長)のパスポート(コピー&サイン) ・会社の株主一覧書類(外国人株主の場合) ・ワークパーミット(外国人社長の場合) ・登録住所証明書類 ・輸入貨物を保管する倉庫の地図・図面 ・倉庫の使用許可書 ・食品管理倉庫周辺の地図 ・社印 保管倉庫について FDAに申請をするためには食品を保管する倉庫を準備しなければいけません。輸入して直接配送先にお届けする場合であっても登録には倉庫情報が必要なのです。 冷蔵・冷凍倉庫であれば問題ないのですが、冷蔵庫があるスペースでも申請は可能です。※反応はFDA担当者によっても異なります。 まだ事業が大きくないという場合はこの倉庫条件がちょっとしたハードルかもしれません。弊社でもそのようなお困りごとに対応してきた実績がありますので、ご相談頂ければと思います。 3.FDAのカテゴリー登録 食品の輸入ライセンスが取得出来たら、どのカテゴリーの商品を輸入するのかを申請する必要があります。 野菜・フルーツ・肉・飲料・加工品など、輸入したい商品情報を頂けましたら弊社でどのカテゴリー登録が必要かをご連絡します。 例:「加工品」でカテゴリー登録した場合 【輸入可能な食品】 ・パックの味噌汁 ・サバの缶詰 ・オリーブの瓶詰 【輸入不可な食品】 ・キャベツ(青果) ・牛肉(肉) ・サーモン(鮮魚) 申請期間:約1週間 4.FDAの製品登録 カテゴリーの登録が終われば、最後にどの製品を輸入するのかの製品登録があります。 商品カテゴリーによって求められる書類は異なるのですが以下のような書類は求められます。加工品の場合の例です。 加工品の場合 1. 商品名 2. 商品写真 3. 商品ラベル 4. GMP/HACCP/FSSC22000/ISO など *品目による 5. 成分分析表 6. 製造工程標 7. 商品サンプル 申請期間:約1週間 弊社のFDA申請・通関サービスをを利用されているお客様の声 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/interview-karatsu/?lang=ja" target="_blank"] まとめ タイでのFDAの登録申請は慣れていないとかなり手間がかかるというのが筆者の印象です。 必要書類の手配は日本側のお客様の協力も必要となります。追加書類の要求がいきなり来たりしますのでお客様には事前にタイのFDA登録申請の煩雑さをお伝えさせて頂いております。 タイでは日本食などの人気は高く販路拡大のためにタイに進出される企業様もいらっしゃいます。タイのFDAの登録はどこにどうやって依頼したらいいの?と思われましたら、お問い合わせ下さい。

新型コロナウィルスが国際物流にもたらす影響について。フォワーダー視点から3月7日時点の情報を共有します。 | 物流ニュース・物流ラジオ

新型コロナウィルスが国際物流にもたらす影響について。フォワーダー視点から3月7日時点の情報を共有します。

現在、世界中を震撼させる新型コロナウィルス(以下:新型コロナ)ですがタイの物流業界で働く私たちの間でも色んな形で影響が出始めてきています。 色んな業界の貨物を運んでいる筆者としましてはお客様を訪問した時にコロナの影響について物流の観点から色々と質問を受けます。 本日は現時点(3月7日時点)で筆者が確認している範囲で新型コロナが物流にどのような影響を与えているかについてご説明をしていきたいと思います。 新型コロナによる中国物流の影響 現時点では新型コロナは世界中に広がっておりますが、新型コロナが中国武漢から広まった当時では中国の物流はどのようになっているのか頻繁に問い合わせを受けました。 武漢地域での物流はもちろん止まっています。それ以外のお客様の関心事項は上海や寧波などの中国の主要港です。 船社や弊社の中国の代理店に確認したところ、現時点では港が止まると言う事にはなっていません。武漢地域以外では通常通りとの事です。 上海近郊ではトラックが南に行ってくれないから、トラックが手配出来ないという事は頻繁に聞きました。最近では南方面はさておきトラック手配は可能との事です。 中国からタイ向けの輸入貨物 弊社のお客様には中国から原材料を輸入してタイで加工して日本などに輸出している工場が多いです。お客様からよく聞くのは中国からの原材料が入ってこないから生産量が落ちているとのこと。 なので中国からの輸入は減ってはいるのですが、中国以外からの輸入に切り替えているお客様もいます。 中国からタイに生産変更する 中国に工場を構えていて中国から日本などに輸出をしていた会社様で、生産をタイに移すという動きが出ています。 現在ある生産ラインでは出来ない製品は、生産ラインごと中国からタイに持ってくるという案件もあります。 中国で貨物が動かないからコンテナが滞留中 特にヨーロッパの話を聞くのですが、中国から貨物がヨーロッパに行かないのでコンテナがヨーロッパに行かずコンテナが中国に滞留しています。 空コンテナを動かすにも費用がかかりますので、現在ではヨーロッパから諸外国への海上運賃に反映されております。 コロナの影響で日本で商品が売れない 日本向けに最終製品を製造販売しているお客様ですが、過去5年で最も貨物が動かないとのこと。 外出の自粛は旅行業・飲食業・サービス業以外にも消費が冷え込む事で製造業へも影響しています。物が売れないと原材料の動きにも徐々に鈍りが出てきます。 航空便が減便して航空運賃にも影響か タイでは特定の11カ国への出国を規制しており、各航空会社も減便をすることになっています。まだインドのように外国人に対して新規ビザを発行しないなどはありませんが、日本人の入国禁止も義務化されるかもしれません。 日本人だけでなく世界的に人が動かないので航空便数も減ります。飛行機は人だけじゃなく同時に荷物も運んでいるので供給量が減るために航空輸送費用が上がるかもしれません。 生産量が減り出荷量も同時に減れば影響はないかもしれませんが、輸送費用が上がる可能性はあります。 タイからの輸出海上運賃 これは船会社によりけりですが、弊社に対しては据え置きしている船会社やLSSを値上げしてきた船会社があります。 現在はソンクラーンも控えているので船社のサービスが減ったと言う話は聞きませんが、海上輸送にも運賃やサービスなどで影響は出てくる可能性は十分にあります。 まとめ 新型コロナウィルスがもたらす影響ですが、現時点で筆者が把握しているのは上述したものになります。 マスクなどの必需品などの動きは大きいですが、人が動かないという影響は消費の冷え込みから物を動かす国際物流業にも影響しています。 それでも各お客様は対策を取っておられ、今でこそできる事をやっているお客様もいらっしゃいます。事態の早期収縮を祈りながら出来ることをやっていきたいと思います。

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。 | 輸送・ロジスティクス

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。

主に輸入貨物を取り扱うときにお客様によっては倉庫の手配を希望される事があります。倉庫は単に商品を在庫保管するだけでなく、積み下ろしや軽作業にも使われます。 弊社のHPからは日本語でタイの倉庫に関する問い合わせが多く、それだけ日系企業のお客様からの需要が高いのか or 単に情報がないのかが良く分かりませんが筆者の知っているタイの倉庫事情についてご説明をしていきたいと思います。 現在のタイの倉庫事情 倉庫選びで重要な要素に立地が挙げられます。港・空港と配送先・仕入れ先などの場所から最適な場所に貨物をストックする。 いくら倉庫費用が安いと言っても配送先などから距離が離れていると輸送費用が高くなり効率的ではありません。 人気の倉庫立地 筆者が知る限りでは貨物が集まりやすい立地はタイではスワナプーム空港・バンコク港・レムチャバン港の近く。 そして日系企業が多く入っている工業団地としてチョンブリ県のアマタナコーン工業団地やサムットプラカーン地域にある工業団地に近いBangNa Tradが人気のエリアかなと思います。 割と空いている倉庫立地 一方でガラガラの倉庫もあります。2011年にタイの起きた洪水でタイのアユタヤ地域周辺は水没しました。その影響で東部のレムチャバン地域に倉庫が多く建てられました。 しかし供給過多でその地域の倉庫はまだガラガラに空いていると言う印象です。 倉庫の種類 倉庫では様々な貨物が保管・作業をされますので、それに適した倉庫が必要となります。 以下に各種倉庫について説明をしてきましょう。 一般倉庫 / General Warehouse 一般の貨物(General Cargo)が保管される倉庫です。樹脂、木材、自動車パーツなどなど。一般貨物の場合は他の倉庫に比べて機能がないので他社と差をつけるにはサービス、立地、価格になります。 またコンテナからの積み下ろしが出来ないお客様の場合、一般倉庫でコンテナを開梱してトラックに載せ替えてお届けする事があります。 冷凍・冷蔵倉庫 / Cold Warehouse タイでは冷凍・冷蔵倉庫の需要が高くなってきたように感じます。 2018年ごろから屋台の撤去が進みコンビニやスーパーの冷蔵・冷凍食品の需要が増えていくと予想されています。 弊社では冷凍のシーフードや温度管理が必要な工業品のリクエストもあり日系・タイ系の冷蔵/冷凍倉庫を状況に応じて使い分けています。 冷凍・冷蔵倉庫の温度設定ルーム ・-25度 ・3度〜5度 ・5度〜10度 ・15度〜18度 ・25度 など。 タイでは日中の気温は一般的に30度を超えますので温度管理が必要な貨物は冷蔵・冷凍倉庫を使います。 危険品倉庫 / DG Warehouse 化学品などで危険品とされる貨物は危険品倉庫に保管しなければいけません。また危険品の輸入登録をする時にもDIW(タイの工業省)に保管する予定の危険品倉庫の資料を提出する必要があります。 危険品倉庫というくらいですので、本当に危険です。船や倉庫でも危険品が燃えたというニュースはよくあります。 タイの危険品倉庫でクラス4(可燃性物質), クラス5(酸化性物質)を取り扱っている所は私は知りません。 でも日本のお客様からたまにこれらのクラスの危険品の取り扱い依頼を頂きます。 弊社で取り扱い可能なのは ・クラス3:引火性液体 ・クラス6:毒物 ・クラス8:腐食性物質 ・クラス9:その他 これらのクラス以外の危険品につきましてはMSDSを頂き、確認した上で判断をさせて頂いております。 保税倉庫 / Bonded Warehouse 一般的に貨物を輸入すると関税やVATが発生します。しかし輸入した貨物を加工して再輸出をするという場合などに使う倉庫が保税倉庫です。 ラベル貼り、梱包作業、簡単な組み立てなどを行ったり、他国との貨物を合わせて第三国に送るためにコンテナ積めをしたりもします。 基本的に再輸出を前提としていますので主に空港の近くや港の近くにあります。 他国との貨物をまとめてコンテナにバン積めする際は保税倉庫以外にもCFSを使ったりする事があります。お客様のご要望を聞いてどうしたら最も効率が良い物流手配になるのかを提案させて頂いております。 B2C 向けの倉庫 / E-Commerce Warehouse 近頃ではタイもオンラインショッピングの利用が盛んになってきました。タイではLazadaやShopeeが有名です。筆者も「どこで買ったらいいの?」という商品をLazadaで購入する事があります。 ちょっと調べましたら、2013年〜2017年までLazadaやShopee(2015年創業)まで赤字だったそうです。確かにタイの通販は物を買ってお金払ったけれども送られてこないや詐欺のような事がよくあったと聞きます。 2016年に楽天がタイから撤退したのもマーケットがまだ出来ていなかったからでしょう。 しかし昨今ではアプリを使った注文はGrabTaxi/Food, Panda Foodなど便利なものが増えておりますのでオンラインショッピングも一般的になっている印象です。※筆者の主観です。 弊社グループ会社でもE-Commerceの波にのって倉庫を始める計画があります。 やはり米・水などの重たい物を運ぶのは大変ですし、外出しないで買い物できる利便性は大きいので今後伸びていくマーケットなのは間違い無いでしょう。 アリババやAmazonのようなロボットが働く倉庫はまだタイでは人件費の面で導入されないかもしれません(安いから)。しかしこれも時間の問題だと筆者は思っております。 まとめ 今回はタイの倉庫に関して一般的な情報をお伝えさせて頂きました。弊社ではまだまだB2Bのビジネスが多いので、一般倉庫・冷蔵倉庫・危険品倉庫・保税倉庫の利用が多いのですが、いずれはB2C用の倉庫も主要倉庫の一つになると思います。 倉庫はとにかくロケーションが大切です。まだまだタイの倉庫情報は多く無いかもしれませんので、もし各種倉庫でお探しでしたらお問い合わせください。