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貿易コラム

新型コロナウィルスが国際物流にもたらす影響について。フォワーダー視点から3月7日時点の情報を共有します。 | 物流ニュース・物流ラジオ

新型コロナウィルスが国際物流にもたらす影響について。フォワーダー視点から3月7日時点の情報を共有します。

現在、世界中を震撼させる新型コロナウィルス(以下:新型コロナ)ですがタイの物流業界で働く私たちの間でも色んな形で影響が出始めてきています。 色んな業界の貨物を運んでいる筆者としましてはお客様を訪問した時にコロナの影響について物流の観点から色々と質問を受けます。 本日は現時点(3月7日時点)で筆者が確認している範囲で新型コロナが物流にどのような影響を与えているかについてご説明をしていきたいと思います。 新型コロナによる中国物流の影響 現時点では新型コロナは世界中に広がっておりますが、新型コロナが中国武漢から広まった当時では中国の物流はどのようになっているのか頻繁に問い合わせを受けました。 武漢地域での物流はもちろん止まっています。それ以外のお客様の関心事項は上海や寧波などの中国の主要港です。 船社や弊社の中国の代理店に確認したところ、現時点では港が止まると言う事にはなっていません。武漢地域以外では通常通りとの事です。 上海近郊ではトラックが南に行ってくれないから、トラックが手配出来ないという事は頻繁に聞きました。最近では南方面はさておきトラック手配は可能との事です。 中国からタイ向けの輸入貨物 弊社のお客様には中国から原材料を輸入してタイで加工して日本などに輸出している工場が多いです。お客様からよく聞くのは中国からの原材料が入ってこないから生産量が落ちているとのこと。 なので中国からの輸入は減ってはいるのですが、中国以外からの輸入に切り替えているお客様もいます。 中国からタイに生産変更する 中国に工場を構えていて中国から日本などに輸出をしていた会社様で、生産をタイに移すという動きが出ています。 現在ある生産ラインでは出来ない製品は、生産ラインごと中国からタイに持ってくるという案件もあります。 中国で貨物が動かないからコンテナが滞留中 特にヨーロッパの話を聞くのですが、中国から貨物がヨーロッパに行かないのでコンテナがヨーロッパに行かずコンテナが中国に滞留しています。 空コンテナを動かすにも費用がかかりますので、現在ではヨーロッパから諸外国への海上運賃に反映されております。 コロナの影響で日本で商品が売れない 日本向けに最終製品を製造販売しているお客様ですが、過去5年で最も貨物が動かないとのこと。 外出の自粛は旅行業・飲食業・サービス業以外にも消費が冷え込む事で製造業へも影響しています。物が売れないと原材料の動きにも徐々に鈍りが出てきます。 航空便が減便して航空運賃にも影響か タイでは特定の11カ国への出国を規制しており、各航空会社も減便をすることになっています。まだインドのように外国人に対して新規ビザを発行しないなどはありませんが、日本人の入国禁止も義務化されるかもしれません。 日本人だけでなく世界的に人が動かないので航空便数も減ります。飛行機は人だけじゃなく同時に荷物も運んでいるので供給量が減るために航空輸送費用が上がるかもしれません。 生産量が減り出荷量も同時に減れば影響はないかもしれませんが、輸送費用が上がる可能性はあります。 タイからの輸出海上運賃 これは船会社によりけりですが、弊社に対しては据え置きしている船会社やLSSを値上げしてきた船会社があります。 現在はソンクラーンも控えているので船社のサービスが減ったと言う話は聞きませんが、海上輸送にも運賃やサービスなどで影響は出てくる可能性は十分にあります。 まとめ 新型コロナウィルスがもたらす影響ですが、現時点で筆者が把握しているのは上述したものになります。 マスクなどの必需品などの動きは大きいですが、人が動かないという影響は消費の冷え込みから物を動かす国際物流業にも影響しています。 それでも各お客様は対策を取っておられ、今でこそできる事をやっているお客様もいらっしゃいます。事態の早期収縮を祈りながら出来ることをやっていきたいと思います。

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。 | 輸送・ロジスティクス

タイの倉庫について解説!一般・冷蔵/冷凍・危険品・保税倉庫など。立地と機能を理解して最適な倉庫を選びましょう。

主に輸入貨物を取り扱うときにお客様によっては倉庫の手配を希望される事があります。倉庫は単に商品を在庫保管するだけでなく、積み下ろしや軽作業にも使われます。 弊社のHPからは日本語でタイの倉庫に関する問い合わせが多く、それだけ日系企業のお客様からの需要が高いのか or 単に情報がないのかが良く分かりませんが筆者の知っているタイの倉庫事情についてご説明をしていきたいと思います。 現在のタイの倉庫事情 倉庫選びで重要な要素に立地が挙げられます。港・空港と配送先・仕入れ先などの場所から最適な場所に貨物をストックする。 いくら倉庫費用が安いと言っても配送先などから距離が離れていると輸送費用が高くなり効率的ではありません。 人気の倉庫立地 筆者が知る限りでは貨物が集まりやすい立地はタイではスワナプーム空港・バンコク港・レムチャバン港の近く。 そして日系企業が多く入っている工業団地としてチョンブリ県のアマタナコーン工業団地やサムットプラカーン地域にある工業団地に近いBangNa Tradが人気のエリアかなと思います。 割と空いている倉庫立地 一方でガラガラの倉庫もあります。2011年にタイの起きた洪水でタイのアユタヤ地域周辺は水没しました。その影響で東部のレムチャバン地域に倉庫が多く建てられました。 しかし供給過多でその地域の倉庫はまだガラガラに空いていると言う印象です。 倉庫の種類 倉庫では様々な貨物が保管・作業をされますので、それに適した倉庫が必要となります。 以下に各種倉庫について説明をしてきましょう。 一般倉庫 / General Warehouse 一般の貨物(General Cargo)が保管される倉庫です。樹脂、木材、自動車パーツなどなど。一般貨物の場合は他の倉庫に比べて機能がないので他社と差をつけるにはサービス、立地、価格になります。 またコンテナからの積み下ろしが出来ないお客様の場合、一般倉庫でコンテナを開梱してトラックに載せ替えてお届けする事があります。 冷凍・冷蔵倉庫 / Cold Warehouse タイでは冷凍・冷蔵倉庫の需要が高くなってきたように感じます。 2018年ごろから屋台の撤去が進みコンビニやスーパーの冷蔵・冷凍食品の需要が増えていくと予想されています。 弊社では冷凍のシーフードや温度管理が必要な工業品のリクエストもあり日系・タイ系の冷蔵/冷凍倉庫を状況に応じて使い分けています。 冷凍・冷蔵倉庫の温度設定ルーム ・-25度 ・3度〜5度 ・5度〜10度 ・15度〜18度 ・25度 など。 タイでは日中の気温は一般的に30度を超えますので温度管理が必要な貨物は冷蔵・冷凍倉庫を使います。 危険品倉庫 / DG Warehouse 化学品などで危険品とされる貨物は危険品倉庫に保管しなければいけません。また危険品の輸入登録をする時にもDIW(タイの工業省)に保管する予定の危険品倉庫の資料を提出する必要があります。 危険品倉庫というくらいですので、本当に危険です。船や倉庫でも危険品が燃えたというニュースはよくあります。 タイの危険品倉庫でクラス4(可燃性物質), クラス5(酸化性物質)を取り扱っている所は私は知りません。 でも日本のお客様からたまにこれらのクラスの危険品の取り扱い依頼を頂きます。 弊社で取り扱い可能なのは ・クラス3:引火性液体 ・クラス6:毒物 ・クラス8:腐食性物質 ・クラス9:その他 これらのクラス以外の危険品につきましてはMSDSを頂き、確認した上で判断をさせて頂いております。 保税倉庫 / Bonded Warehouse 一般的に貨物を輸入すると関税やVATが発生します。しかし輸入した貨物を加工して再輸出をするという場合などに使う倉庫が保税倉庫です。 ラベル貼り、梱包作業、簡単な組み立てなどを行ったり、他国との貨物を合わせて第三国に送るためにコンテナ積めをしたりもします。 基本的に再輸出を前提としていますので主に空港の近くや港の近くにあります。 他国との貨物をまとめてコンテナにバン積めする際は保税倉庫以外にもCFSを使ったりする事があります。お客様のご要望を聞いてどうしたら最も効率が良い物流手配になるのかを提案させて頂いております。 B2C 向けの倉庫 / E-Commerce Warehouse 近頃ではタイもオンラインショッピングの利用が盛んになってきました。タイではLazadaやShopeeが有名です。筆者も「どこで買ったらいいの?」という商品をLazadaで購入する事があります。 ちょっと調べましたら、2013年〜2017年までLazadaやShopee(2015年創業)まで赤字だったそうです。確かにタイの通販は物を買ってお金払ったけれども送られてこないや詐欺のような事がよくあったと聞きます。 2016年に楽天がタイから撤退したのもマーケットがまだ出来ていなかったからでしょう。 しかし昨今ではアプリを使った注文はGrabTaxi/Food, Panda Foodなど便利なものが増えておりますのでオンラインショッピングも一般的になっている印象です。※筆者の主観です。 弊社グループ会社でもE-Commerceの波にのって倉庫を始める計画があります。 やはり米・水などの重たい物を運ぶのは大変ですし、外出しないで買い物できる利便性は大きいので今後伸びていくマーケットなのは間違い無いでしょう。 アリババやAmazonのようなロボットが働く倉庫はまだタイでは人件費の面で導入されないかもしれません(安いから)。しかしこれも時間の問題だと筆者は思っております。 まとめ 今回はタイの倉庫に関して一般的な情報をお伝えさせて頂きました。弊社ではまだまだB2Bのビジネスが多いので、一般倉庫・冷蔵倉庫・危険品倉庫・保税倉庫の利用が多いのですが、いずれはB2C用の倉庫も主要倉庫の一つになると思います。 倉庫はとにかくロケーションが大切です。まだまだタイの倉庫情報は多く無いかもしれませんので、もし各種倉庫でお探しでしたらお問い合わせください。

海上保険・保険条件について解説しました。海上損害の種類やリスクカバーの範囲・料率の計算方法について。 | 貿易実務の基本

海上保険・保険条件について解説しました。海上損害の種類やリスクカバーの範囲・料率の計算方法について。

海上保険は、貿易において欠かすことのできないリスク対策の1つです。 民間企業による保険には、大きく分けて損害保険と生命保険がありますが、貿易において利用するのは損害保険のなかでも「マリン」と呼ばれる海上保険です。 今回は、海上保険のうち取引において特に知識を必要とする貨物保険について見ていきたいと思います。 貨物保険に関わる当事者 保険金を支払う保険会社のことを保険者(Insurer/Assurer)といいます。 また、保険金を受け取る事ができる者を被保険者(Insured/Assured)といいます。 保険期間 自動車保険や火災保険といった保険は、通常一年単位で契約されます。しかし、貨物保険の保険期間はこうした時間としての期間(期間建)ではなく、ある地点から別の地点まで(場所建)の間で定められます。 協会貨物約款(ICC)によれば、貨物保険の保険期間は原則として仕出地の倉庫から仕向地の倉庫までをカバーする倉庫間約款(Warehouse to Warehouse Clause)が原則とされています。 保険金額と保険価額 損害が生じた場合に支払われる保険金の額は、どのようにして決まるのでしょうか。 これは、貨物の評価額である保険価額をもとにして決められます。保険価額は現在、保険会社と被保険者との協定によりCIF価格の110%とされています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/cargo-insurance/?lang=ja" target="_blank"] 支払われ得る保険金の最高金額のことを、保険金額と呼びます。保険金額は、保険価額の範囲内で定められます。 海上損害の種類 海上輸送に伴う損害を、海上損害と呼びます。海上損害には大きく分けて、貨物に及ぶ物的損害と、救助費用などの費用損害があります。 物的損害は、さらに貨物の全てに被害が及ぶ全損と、貨物の一部が被害を受ける分損に分かれます。 ここでは、海上損害の種類についてそれぞれ見てみましょう。 全損 全損とは、貨物全体が価値を失った状態になることを言います。海上輸送の場合、例えば穀物が浸水のために変質してしまった場合や、船の沈没により引き上げが不可能となった場合なども全損にあたります。 現実全損 損害により貨物の価値が全くなくなってしまうことで、この場合保険金額は全額支払われます。 推定全損 現実分損には当たらなくても、例えば貨物が沈没してそのサルベージ(引き揚げ)費用が貨物の価格を超える場合などは、保険会社の鑑定により全損と見なされることがあります。こうした場合を推定全損と呼びます。 分損 貨物の一部が損害を受けることを分損と呼びます。分損は、損害の費用を誰が負担するかによって単独海損と共同海損に分かれます。 単独海損 単独海損とは、保険契約者である荷主が単独で費用を負担する海損を指します。WA条件ではこの単独海損がカバーされ、FPA条件ではその一部が補償されます(詳細は後述)。 共同海損 共同海損とは、差し迫った、船舶と積荷との共同の危険(例:高波や座礁など)に瀕した場合に、船長の負担によりその状態から逃れるためにとられた処分(例:投荷など)により生じた損害および費用を船主と荷主等が共同で負担することを言います。 各自の費用負担については、共同海損清算人(General Average Adjuster)により計算され、その負担金は共同海損宣言書により各荷主に通知されます。 共同海損についての国際的統一規則としては、ヨーク・アントワープ規制(York-Antwerp Rules of General Average) があります。 保険条件 海上保険の保険条件としては、カバーされる範囲などによって次のような種類があります。 FPA(Free from Particular Average) FPA(分損不担保)条件は、本来は文字通り分損を担保せず、全損、共同海損、費用損害(海水濡れ危険を除く)をてん補する条件でした。 しかし現在では保険会社の競争などにより、実際には分損であっても特定分損についてはてん補されるようになっています。 特定分損とは、座礁、沈没、大火災、火災、爆発、他船との衝突・接触が原因で生じた分損(SSBC Sinking, Stranding, Burning, Collision)のことを言います。 WA(With Average/With Particular Average) WA条件とは、特定分損に加えて不特定分損がてん補される条件です。 不特定分損とは、海水による濡れ危険(潮濡)のことを指します。ですから、WA条件はバラ荷の中でも海水濡れに弱い穀物類や豆類の貨物に使用されます。 A/R(All Risks)オール・リスクス A/R条件(オール・リスクス)とは、FPA条件やWA条件でてん補されない危険も含めて包括的に補償される条件です。 但し、保険免責事由はあるためどのようなリスクでも全てカバーするというわけではないので、当然ながら契約時には注意が必要です。 まとめ 今回は海上保険と保険条件について見てきました。保険は貿易に欠かせない重要な要素です。 海上保険は必須ですが、適切な条件は貨物の種類や貿易条件等によって変わります。自分の取引に合った無駄のない保険を選んで、効率よく安全な取引を行いましょう。

イケてるフォワーダーの仕事術!国際物流の「売れる営業」と「売れない営業」の違いを解説しました。 | フォワーダーの仕事

イケてるフォワーダーの仕事術!国際物流の「売れる営業」と「売れない営業」の違いを解説しました。

国際物流業者として色んなお客様から色んな物流案件のお問い合わせを頂きます。フォワーダーの仕事としてどのようなお客様・案件であれ物流の手配をするのが大切です。 今回は仕事の姿勢によって変わる、売れるフォワーダーの営業マンと売れない営業マンについてお話をしていこうと思います。 色んな貨物輸送のリクエストがある 貨物を外国に送りたいという案件がある場合、フォワーダーの営業マンにとったら多くの場合でお客様になり得るのですが、所属している会社の得意・不得意によって提供できるサービスに差が出来ます。 例えば弊社では月間 5,000TEUの輸出入の実績があり、またタイの会社でドリアン・お米・マンゴー・シーフード・ゴムの木などの海上輸出の取り扱いの方が多いので、コンテナを使った海上輸出が得意です。 でも、たまに小さなダンボール1箱を運びたいというお客様から問い合わせを頂く事もあるのですが、この場合はDHLなどのクーリエを私たちが手配する事もあります。 お客様には説明した上で弊社でクーリエを手配したり、お客様自身で手配してもらっています。 物流に慣れているお客様 法人・個人に関わらず長年貨物を輸出入し続けている物流に慣れているお客様の場合は話が早いです。既に色々と経験済みで色々知ってますから。 しかし慣れているお客様の場合はフォワーダーの仕事の質が高くないと、コストでしか判断されません。 ただでさえ慣れているお客様はコスト意識が高く、別のフォワーダーとの相見積もりが一般的です。 コストの強みに加え、以下に説明するサービスの強みを持って挑まなければ仕事に繋がりにくいのです。 どんな物流でも手配出来る フォワーダーとして国際物流業に従事をしていると新規や既存のお客様から色んなケースでの物を運ぶ事に関しての質問を受けます。 機械以外にも ・お酒 ・衣類 ・工業品 ・危険品 ・化粧品 ・生鮮食品 ・冷凍貨物 ・引越し貨物 ・プラント装置 ・高級ゴルフバッグ など、色んな貨物を運ぶ依頼があるのですがこの時にイケてるフォワーダーの営業マンは このように物流のプロとして色んな案件を引き受けます。たとえ経験がなかったとしても経験のある人や業社を探してお客様のご要望にお応えします。 因みに筆者はタイにおいて上記の全ての貨物の取扱経験がございます。勿論、最初は経験ゼロでした。 フォワーダーの仕事はサービス業 フォワーダーというとNVOCCと呼ばれ、自社の船舶や飛行機を持たず船会社や航空会社の代理店として活動をするのですが船や飛行機以外の物流手配も出来るのです。 国際物流では他国のお客様に貨物をお届けするまでに 輸出側の物流手配テキストが入ります。 ・倉庫 ・梱包 ・トラック ・貨物の積み込み ・輸出通関 ・海上保険 ・船・飛行機 輸入側の物流手配 ・輸入通関 ・トラック ・貨物の積み下ろし ・倉庫保管・管理 などの各ステップがあります。 この一貫した物流を手配したり、得意・不得意はあれど上述したような様々な種類の貨物の物流手配をする事が出来ます。 サービス業なので何でも出来る 製造業とは違いサービス業の場合、お客様の要望するものはやり方次第で何でもお応えする事が出来ます。 物流業では ・倉庫を持ってる倉庫屋さん ・梱包資材や職人を抱えている梱包屋さん ・通関士を抱えている通関業者 ・船を持っている船会社 ・各種トラックを揃えているトラック業者 などアセット(設備・資材・資源)を持った業者さんがいます。 筆者としてはフォワーダーは商社と同じように情報を頼りにお客様に物流サービスを手配する業者だと認識をしています。 どんな貨物でも取り扱う 物流のプロであれば極力何でも取り扱う姿勢を持っている事が大切です。 確かに特殊な貨物の輸送の依頼の場合は慣れている所にお願いした方が良いのですが、お客様もその貨物を運べる業者を探している訳です。 自分が窓口になって出来る業者を探して上げれば自分の経験や利益にもなりますよね。 イケてるフォワーダーの営業マンは自らの情報とコネクションを活かしまくって、どんな貨物でも運ぼうとします。 まとめ 基本的にフォワーダーはアセットを持っていません(大手企業は別)。アセットを持っていないのであれば使えるのは情報と人脈とホスピタリティです。 製造業だと製品は全て均一に造らないといけないのですが、フォワーダーの仕事はサービス業ですから、提供できるサービスの差は人によって大きく異なります。 フォワーダーの営業マンとしてマネジメントも含め個人の実力が発揮できる所でもあるので、やりがいがある仕事だと筆者は思ってます。

フリータイムとディテンションの違いとは?輸入でデマレージを発生させない為に正しい貿易知識を身につけましょう。 | 輸送・ロジスティクス

フリータイムとディテンションの違いとは?輸入でデマレージを発生させない為に正しい貿易知識を身につけましょう。

海上輸送で貨物を輸入する時に確認しなければいけないことがあります。 それはフリータイムとディテンションです。 この確認を事前に怠ってしまうと貨物が港に到着してから、何らかのトラブルがあった時に費用が発生してしまうからです。 特にフリータイムを理解して活用する事で余計な費用をかけずに物流をコントロールする事が出来ます。 フリータイム・ディテンション・デマレージの違いを動画で解説! フリータイムとは? 海上輸送で貨物を輸入した時に無料で貨物を港に保管できる期間の事です。フリータイムを過ぎてしまうと「デマレージ」とういう超過保管料金が発生します。 フリータイムの長さは各船会社によって異なりますが、一般的に7日〜14日です。また冷蔵コンテナや危険品貨物の場合は一般貨物に比べてフリータイムは短くなっています。 フリータイムの起算日・計算方法 例えばフリータイムが7日間だとした場合、いつから起算して7日間なのか?それは貨物が港に搬入された日の翌日0時からが一般的です。 ですが船会社によって異なる場合があります。ある船会社では入港日の翌日から起算するところもございます。 フリータイムの計算方法の例 ・フリータイム:7日間の場合 ・ETA:10月1日 ・搬入日:10月2日 ・フリータイム起算開始日:10月3日0時 ・フリータイム: 10月10日まで ・デマレージ発生:10月11日から 特にフリータイムを注意するケースとは? フリータイムを認識していると、状況に応じてそれを有効的に活用することが出来ます。以下にどのようなケースにおいてフリータイムに注意をしたらいいかをご紹介します。 初めて輸入する貨物の場合 初めて輸入する貨物というのは通関が思ったほどスムーズにいかない場合があります。事前に登録申請しなければいけない事があったり、必要書類が抜けていたり。 この場合はフリータイムの短い船会社のサービスを使っているとリスクです。 特に冷蔵・冷凍食品や危険品の場合。フリータイムは短いのでミスがあって貨物が取り出せないとなると大きな損失につながりますので特に注意しましょう。 B/Lの記載に問題がある場合 B/Lの記載にミスがあると通関が通らない場合があります。 またB/Lは修正できたが船会社のマニュフェストが修正されていないなど、1つミスがあるとスムーズに物事が進まないのが国際物流です。 フリータイムは長い方が保険として安全です。 配送先の保管スペースの問題 貨物を港に出来るだけ長く保管しておきたいという要望も結構あります。 配送先の保管スペースがいっぱいで輸入した貨物を置く場所がないので、こういう場合にもフリータイムは有効に活用出来ます。 長期休暇の後は注意 長期の休暇がある前後はフリータイムに気をつけた方が良いです。なぜなら休暇中にも船はどんどん港に入っていきます。 そして休暇後に船会社やフォワーダーは溜まっている輸入書類を一気に作成しますからミスが発生しやすくなります。 また長期休暇後は直ぐにトラックの手配もできない場合があります。 特に冷蔵コンテナを使用している場合や危険品の場合は一般貨物に比べてフリータイムが短いので要注意です。 フリータイムは延長が可能な場合がある 一般的なフリータイムはブッキングの時点でフォワーダーに確認することが出来ます。 上述したようにフリータイムは色々と有効に活用出来るので、事前に長いフリータイムが必要だと分かっている場合はフォワーダーにフリータイムの延長を依頼しましょう。 また貨物が到着してからフリータイムの延長を希望をしてくるお客様も少なくありません。思いがけないトラブルが発生するのも国際物流です。 この場合は延長出来るかどうかは分からないですが一応フォワーダーに交渉してみましょう。 ディテンションとは? ターミナルから取り出したコンテナは貨物を積み下ろしをして、空のコンテナをコンテナデポ・バンプールに返却しなければいけません。 期間内に返却できない場合にディテンションチャージが発生します。 貨物の積み下ろしをしたコンテナを出来るだけ早く戻してほしいので、返却期間を過ぎた場合はディテンションチャージが請求されます。 ディテンションのフリー期間は船会社によって異なりますが、ドライコンテナでは一般的に7日〜14日です。 ディテンションの起算日・計算方法 ディテンションの起算日はCYからコンテナを引き取りから算出します。 ・ディテンションフリータイム:7日間の場合 ・コンテナ引き取り日:10月10日とした場合 ・ディテンションフリータイム:10月17日まで ・ディテンション発生:10月18日から デマレージ・ディテンションの費用例 フリータイム(猶予期間)が切れた場合、デマージ(超過保管料金)とディテンション(返却延滞料金)が発生してしてしまいます。 それはドライコンテナと特殊コンテナ(フラットラック、オープントップ、タンクコンテナ)で異なり、またコンテナのサイズによっても異なります。 以下に費用の参考金額をご紹介します。実際の費用は船会社によって異なりますので事前に取引のあるフォワーダー に確認をして下さい。 日本におけるデマレージの例 ドライコンテナの場合 (per 1day, per container) Day 1-3: JPY 6,000/20', JPY 12,000/40' Day 4-6: JPY 12,000/20'. JPY 24,000/40' Day 7 -: JPY 18,000/20' JPY 36,000/40' Flat Rack/Open Top/TANKコンテナの場合 (per 1day, per container) Day 1-3: JPY 10,000/20', JPY 20,000/40' Day 4-6: JPY 20,000/20'. JPY 30,000/40' Day 7 -: JPY 30,000/20' JPY 40,000/40' 日本におけるディテンションの例 ドライコンテナの場合 (per 1day, per container) Day 1-4: JPY 2,000/20', JPY 4,000/40' Day 5- : JPY 4,000/20'. JPY 8,000/40' Flat Rack/Open Top/TANKコンテナの場合 (per 1day, per container) Day 1-4: JPY 7,000/20', JPY 7,000/40' Day 5- : JPY 21,000/20'. JPY 21,000/40' タイから日本向けフリータイムについて 私たちは日本に向けて毎月多くのコンテナを輸出しています。 それゆえ船会社と良好な関係にあり、特定の船会社にて日本の主要港(東京・横浜・名古屋・大阪・神戸)に貨物を輸出する場合、フリータイム(超過保管料発生までの猶予期間)が最大21日取得出来る場合がございます。 まとめ 貿易取引において余計な費用はかけたくないものです。 貨物・書類・納入先の状況など、スムーズな貿易取引が出来れば問題ないのですがミスが起きてしまった時の為に長めのフリータイムを取る事が出来ればメリットになります。 フリータイムの長さについてはコンテナの種類や向け地、また船会社やフォワーダーによっても異なります。 事前にしっかりと確認をして円滑な貿易手配を行いましょう。

リーファーコンテナの品質管理!トラブルを避ける為にReeferコンテナの電気系統・清掃・洗浄・臭い除去などの確認にデポに行きました。 | 輸送・ロジスティクス

リーファーコンテナの品質管理!トラブルを避ける為にReeferコンテナの電気系統・清掃・洗浄・臭い除去などの確認にデポに行きました。

温度管理が必要な貨物を輸送する場合に使われるのがリーファーコンテナと呼ばれる空調設備を備えたコンテナです。 タイからはマンゴーやドリアン、パイナップルといったフルーツ、冷凍のシーフード、鶏肉や豚肉を大量に輸出されています。因みにマクドナルドのチキンナゲットや日本の焼き鳥の多くがタイ産のブロイラーだったりしています。 弊社ではリーファーコンテナの海上運賃には自信を持っているのでかなりの案件を扱っているのですがコンテナの管理について問われるケースもたまにあります。 今回はリーファーコンテナの品質管理についてコンテナデポに行った時のレポートを共有させて頂こうと思います。 リーファーコンテナの品質管理 一般のドライコンテナを海上輸送で送る場合、タイから日本までだとコンテナ内部の温度は50度以上に上がります。 その温度の中に鮮度が重要な食品などを入れて送る訳にはいきません。 なので冷蔵・冷凍機能付きのコンテナで送るのですが、この設備が全く故障しない訳ではありません。また主に食品を送るケースが多いので臭いも問題になるケースがあります。 このリーファーコンテナの設備問題はマレに聞きますし、また電気を要する設備なので電力プラグが入っていなかったなどの問題もあったりします。 リファーコンテナの管理を確認 このようなリーファーコンテナの設備トラブルを管理するのがコンテナデポです。 一度使ったコンテナは戻ってきた時に、清掃・消毒・ダメージの確認・電気系統の確認・動作確認などをします。 このようにデポでは使い終わったコンテナや使用準備完了のコンテナが積み上げられています。 使用済みコンテナの洗浄 使い終わったコンテナは高圧洗浄で水をかけた後に臭いを消す為に薬剤を使ったりします。 リーファーコンテナデポならではでリーファーが事務所的に使われています。 チェックリストを使って管理 このようにチェックリストを使って問題の主要項目の確認を忘れないようにします。 問題があったときはこのチェックリストを取り出して確認をしますが、大体ちゃんとチェックしてあったりします。。 リーファーコンテナの電気系統チェック リーファーコンテナはいわば大きな冷蔵庫・冷凍庫なので電気系統の確認は専門のエンジニアによって確認されます。 問題のあるコンテナはこのようにメモが書かれます。 プラグの問題をチェック 電気が使われるのでプラグ(コンセント)も確認をしなければいけません。 コンテナの外装・内装を確認 中にはファンの外装が破損しているものもあります。何かにぶつかったのでしょう。 コンテナ内で冷たい空気がどのように循環するのかを教えてもらっています。 まとめ 今回はコンテナデポの様子を共有しました。タイにコンテナデポは各地にあり基本的には船会社とデポが契約しております。※コンテナは船社の所有物ですので。 一般的にはコンテナの不具合は船会社に対応を依頼します。 しかしケースバイケースでこのようにデポに直接連絡をとってリーファーコンテナの品質管理を確認する事もあります。 タイという国で主に日系企業のお客様にサービスをご提供しておりますので、安心して使った頂く為にはこのような現場確認は必須だったりします。 リーファーコンテナの取り扱いでご相談がありましたらお問合せ下さい。

重量貨物の輸送・運搬時に注意すべき事を解説しました。成型機・プレス機・充填機・旋盤・炉などの据付について。 | 輸送・ロジスティクス

重量貨物の輸送・運搬時に注意すべき事を解説しました。成型機・プレス機・充填機・旋盤・炉などの据付について。

タイで活動をしていると製造業のお客様から機械の据え付けや取り外しのご要望を受ける事が多いです。 機械には色々なものがあり成型機、充填機、プレス機、旋盤、炉、製造ライン一式などあるのですが、人の手で簡単に持ち運びができる物ではありません。中には数百トンある機械もあります。 一般的に機械の単価は安くありません。 大量生産された商品の中の一つであれば少々ダメージがあったとしても多めに見てもらえるのですが(それでも破損はダメだが)、機械の輸送中にダメージが発生してしまうと大ごとになります。 筆者はこれまでに数々の機械を据え付け搬入、取り外し、梱包などをやってきました。中にはプラントを組み立てるお仕事もしてきました。 その数々の経験を踏まえて重量物の輸送で、今回は機械の据付についてご説明をしていきたいと思います。 重量物の輸送はとにかく安全第一 当たり前と思われるかもしれないのですが、本当に安全第一です。 中には「こんなんチャチャっと運べるでしょ!?」と思われる方もいるかもしれませんが何かあった時が本当にヤバイのです。 重量貨物を倒した時のリスク 重量物は重心のバランスを取るのが簡単ではありません。ここを間違えてフォークで少しあげて動かした時に倒れてしまう事もあります。 重量貨物が倒れる時に人が巻き込まれたら人命に繋がります。これは絶対にあってはいけない事です。 そして倒れた重量貨物を元に戻すのは簡単な事ではありません。 問題があった時のリスクがとても高いので重量物の輸送には細心の注意が必要なのです。 図面とパッキングリストを確認する 機械の種類にもよるのですが基本的に図面か写真を頂くようにしています。 機械の具体的なサイズや重量はどの重機を使って積み下ろすのか、据付するのかを図るために必要です。 特に重量を知るのが大切です。パッキングリストに書かれた重量を信用して重機を手配するのですが、ここが間違っていた時がありました。 危険過ぎた例 機械の据付を依頼されており港から機械をトレーラーに載せてお客の工場まで配送。 パッキングリストには6.3tonと書いてあったのでトレーラーから積み下ろす為に10tonフォークを準備しました。実際に持ち上げてみると不安定でどうもおかしい。なかなか降ろせない。危険と判断し作業を中止して翌日クレーンを手配。 すると貨物の実重量は9.2tonありました。 ※クレーンには計器がついていますので。10tonフォークでは10tonの貨物はその場で少し持ち上げられるくらいですが、取り廻しは出来ません。 作業を中止して正解で、無理に積み下ろそうとしていたら貨物(機械)が倒れていたかもしれません。 事前に下見が必要 重量貨物は楽々と動かせるものではありません。少し動かしたり、方向を変えたりするだけで一旦止まって機材を入れて動かします。 積み下ろした位置から、据え付けする位置までどういう経路で運ぶのか。お客様には経路の道中にある物は片付けてもらうなど依頼しないといけません。 必要な重機や道具を使って重量貨物を移動させる 各サイズフォークリフト、クレーン、チェーン、ベルト、ローラー、仮置き土台、鉄板、ブルーシートなどなど。 状況に応じて必要な重機や道具を使って動かしていきます。 レベル出しで水平に 機械は水平に置かれないといけません。置く場所が水平でない場合もありますし、高さを調整しないといけない場合もあります。 計器を使って貨物が水平であるかを確認して設置完了。 試運転をする 据え付けが終わったら機械を試運転します。ここは私たちの業務範囲ではないのですが、試運転に問題があればまた機械を解体する為に作業員が必要な場合があります。 弊社では機械のオーバーホールの為の作業員派遣もやっておりますので機械が正常に動くまでサポートをさせて頂きます。 おすすめの業者様 上述しているように重量貨物やオーバーサイズの貨物の取り扱いには危険が伴います。慣れていない業者に仕事を依頼すると作業の段取りや重機の手配、そして最悪の場合は事故につながる可能性もあります。 タイにおいては弊社は自信を持ってサービスを提供させて頂きます。 そして日本側での弊社のお勧めの業者様はジャパントラスト様です。ジャパントラスト様は独立系フォワーダーとして多くのネットワークがあり特に日本→アメリカ向けには大きな強みを持っています。 工作機や大型貨物、そして長尺貨物などの取り扱いも非常に慣れていらっしゃるので安全に、かつコストも抑えたご提案をして下さいます。 [keni-linkcard url="http://www.jpntrust.co.jp/lp/over-gauge/" target="_blank"] まとめ 今回は重量貨物の取り扱いで機械の据付に焦点を当ててご説明をさせて頂きました。とにかくは安全第一で運ぶ事。その為には経験が豊富な重量屋さんと協力して作業をします。 輸送コストは高くなりがちですが、それでも弊社ではローカルの強みとコミュニケーション能力を活かして安全にリーズナブルな価格でサービスをご提供させて頂いております。 重量物の輸送で必要な際はお問い合わせ下さい。

コンテナの種類やスペックを徹底解説!20ft・40ftコンテナからISOタンクまで、各種サイズ・重量・規制・修理などについて説明しました。 | 輸送・ロジスティクス

コンテナの種類やスペックを徹底解説!20ft・40ftコンテナからISOタンクまで、各種サイズ・重量・規制・修理などについて説明しました。

コンテナは海上輸送にとっては欠かせないもので様々なタイプのものがあります。それぞれのコンテナの特徴を理解し、適切なコンテナを選択しなければ行けません。 月間のコンテナ輸送本数が2,000本を超える弊社グループでは様々なご依頼がございます。その経験の中で得てきた情報を元に本日は海上輸送におけるコンテナについて様々な角度から説明をしていきたいと思います。 アニメーション動画でコンテナについて解説! それぞれのコンテナの特徴を動画を使って解説しました。なぜOpen TopやFlat Rackコンテナが高いのか?そんなことについても解説をしています。 コンテナの種類 海上輸送に使用されるコンテナには一般的に以下の種類に分類されます。貨物によってそれぞれのコンテナを使い分けます。 ドライコンテナ - Dry Container 一般的なコンテナです。20’フィート, 40’フィート, 40’フィート・ハイキューブの3タイプがあります。 自動車パーツ、金型、プラスチック成形品、化粧品、原材料、鉄鋼品、木材など一般貨物と呼ばれるものや、危険品(温度管理不要)を輸送する際もドライコンテナを使用します。 リーファーコンテナ - Reefer Container 断熱材が使用されており温度・湿度が調整できるコンテナです。設定可能温度は-25度〜+25度(船会社によって異なります)。 輸送・取り扱い費用はドライコンテナに比べて高くなります。主に温度管理が必要なフルーツ、冷凍食品、生花、薬品などに使用されます。 輸送中・ターミナルで電力費用が発生する リーファートラックは輸送している間やターミナルで本船の出航を待っている時もコンテナ内の調節した温度を維持しなければいけません。 その為、トレーラーは特別なジェネレーターを搭載していなければいけませんし、ターミナルにおいても電力を供給し続けなければいけないので追加費用が発生します。 まれにコンテナの機材トラブルや港でプラグが入っていなかったとかの問題を聞くことがあります。 オープントップコンテナ - Open Top Container 天井がないコンテナです。貨物の高さがハイキューブコンテナ(約2.7m)を超える場合に使用されます。 本船ではこのオープントップコンテナの上に別のコンテナを積み上げる事は出来ないので、積載出来る場所に限りがあるため費用は高くなります。 輸送中は天井部にシートをかけて貨物が雨に濡れないようにしています。 フラットラックコンテナ - Flat Rack Container 壁と天井がないコンテナです。一般的なコンテナに収まらないサイズの貨物の場合に使用されます。またドライコンテナに積載が困難な貨物の場合にフラットラックコンテナを使用する事があります。 オープントップと同様に本船上に積載出来る場所に限りがあるので費用は高くなります。 ISOタンクコンテナ - ISO Tank Container 液体を輸送するときに使用するコンテナです。積載出来る容量はタンクの種類によって異なり、約11,000リットル〜26,000リットルです。液体の危険品を輸送する際にも使用されます。 ドライコンテナでドラム缶を積載して輸送するより一般的に輸送可能量が多く、液体の積み込み・積み降ろしも容易になるのでコストダウンが見込めます。 コンテナのサイズ 貨物を効率的に積載するのにコンテナのサイズは重要です。船会社によって若干の誤差はありますので詳細は各船会社のホームページをご確認下さい。 貨物を積載するのに重要なのがコンテナの内寸です。主に以下の内寸を理解しておけば基本は問題ありません。 ドライコンテナ サイズ 20 フィートコンテナ 【外寸】長さ:6.05m / 幅: 2.43m / 高さ:2.59m 【内寸】長さ:5.86m / 幅: 2.35m / 高さ:2.38m 40 フィートコンテナ 【外寸】長さ:12.19m / 幅: 2.43m / 高さ:2.59m 【内寸】長さ:12.03m / 幅: 2.35m / 高さ:2.38m 40フィートコンテナは20フィートコンテナの「長さが2倍」とだけ覚えれば大丈夫です。 40 フィート・ハイキューブ コンテナ 【外寸】長さ:12.19m / 幅: 2.43m / 高さ:2.89m 【内寸】長さ:12.03m / 幅: 2.35m / 高さ:2.70m 40フィートハイキューブは普通の40フィートコンテナと「高さ」が違うだけです。 コンテナの最大積載重量 タイのでは道路を通行出来る貨物の積載重量がトラック・トレーラーによって決まっているためコンテナに積載する最大積載重量に制限があります。 詳細は船会社によって異なるのですが一般的に以下の重量を積載可能重量として捉えていただければと思います。 20’ & 40': 約28MT ※3軸シャーシーを使用した場合 ポイントとしては20’フィートでも40’フィートでも積載可能重量は同じという事です。40’フィートだから20’フィートの倍の重量を積めるわけではありません。 重たいコンテナを輸送するには危険が伴います。 道路を輸送する最中だけではなくコンテナをターミナルで動かす時や、本船に積み込む時、また積み降ろす時など、最大積載重量を超えてしまうと大きな事故につながりかねません。 万が一、重量貨物で事故をすると大変なことになります。重たいので転がってしまうと元に戻すのは簡単ではありません。また重たいので人命に関わる危険が高いです。 更に一般的に機械なども重量物でInvoice Valueが高いのです。保険対応が大変になります。とにかく気をつけましょう。 コンテナデポ・バンプール タイでは船会社のコンテナがそれぞれが契約したDepoに保管・管理されています。お客様から本船予約があると指定されたデポに空のコンテナをピックアップに行き貨物を積み込みます。 また輸入地で貨物の積み降ろしを終えたコンテナは輸入地側で指定されたコンテナデポに戻されます。日本だとコンテナバンプールという呼び方をします。 コンテナ 点検・クリーニング・修理 使用済みのコンテナはデポに戻されクリーニングをされます。またコンテナに穴が空いていたり、床が剥がれてしまっていたり、重度に錆びていたりすると修理されます。 コンテナについてタイでよく発生する問題 コンテナが汚い 弊社ではこれが最も多い問題だと認識しています。本船予約を船会社にするときにAグレードと呼ばれるキレイなコンテナをリクエストしますが、実際にデポで引き渡されるのは、汚れていたり、臭いがあったり、床が剥げていたり、酷いものであれば天井に穴が空いていたりします。 お客様にお届けしたコンテナがこのような状態だと貨物を積み込む事は出来ませんので、コンテナを交換する為にデポに戻ります。この際の輸送費用はもちろん物流業者が負担することになります。 コンテナを届ける時間が遅れる 弊社では極力このような無駄を避ける為にコンテナをピックアップするトレーラーのドライバーに引き取り前の点検をするように指示しています。 このコンテナ引き取りの際にデポから割り当てられたコンテナを一度拒否して別のコンテナを受け取ることが出来るのですが、この時に他のトレーラーがあれば最後尾に回らなければいけません。 この拒否を2度、3度続ける事になるとお客様の指定した時間通りにコンテナを届けることが出来ない場合があります。 コンテナクリーニング費用 まれに輸入地側から言われる事ですが、積み降ろしをしたコンテナの状態は非常にキレイなのに何故 クリーニング費用が発生するのかという問題です。 各船会社によって違いはありますが一般的に一度 使用したコンテナはデポにて点検・掃除・クリーニングなどをされますので、その費用だとご理解を頂いております。 まとめ フォワーダーの業務を通してコンテナに関する事をまとめてご説明しました。 弊社では様々な貨物を安全に効率的に輸送する為に最適なコンテナを選び、また発生しやすい問題を出来るだけ避けるように日々の業務をしております。

FCLとLCLの違いを解説!コンテナ積みと混載の損益分岐点を理解して最適な物流を手配しましょう。 | 輸送・ロジスティクス

FCLとLCLの違いを解説!コンテナ積みと混載の損益分岐点を理解して最適な物流を手配しましょう。

一般的な海上輸送では20フィートコンテナや40フィートコンテナで輸送するFCL、また他社の貨物と一緒に運ぶ混載便(LCL)があります。FCLは自社の貨物だけでコンテナをいっぱいに出来る場合に使う輸送方法です。 今回、あるお客様がLCLの問題を発生させてしまい、また別のお客様も同じ問題を発生させようとしていた経緯がありました。 今回は注意喚起の意味も込めてFCLとLCLの違いを説明した上で、LCLを使う際の注意点を解説します。 FCLとLCLの違い まず名前の違いから見てみましょう。 ・FCL:Full Container Load ・LCL:Less Than Container Load というのが直訳ですが、貿易関係者以外は特に正式名称を覚える必要はないかと思います。 FCL コンテナ輸送 コンテナに貨物を詰め込むにあたり、まずコンテナの内寸と最大積載重量を把握しましょう。これを理解していると効率的な貨物の輸送が出来ます。 コンテナのサイズ(内寸) 20フィートコンテナ: 2.3m(幅) x 5.7m(縦)x 2.4m(高さ) 40フィートコンテナ: 2.3m(幅)x 12m(縦)x 2.4m(高さ) 40フィートHC(ハイキューブ):2.3m(幅)x 12m(縦)x 2.7m(高さ) 注:船会社によってコンテナの内寸が若干異なる事があります。 コンテナの最大積載可能重量 20’, 40’, 40’HC: 約25ton 重さに関しては20フィートであれ、40フィート(HC含む)であれ、同じ25tonが最大となります。40フィートだから50tonまで積載可能かというとそうではありません。 これはとても重たい貨物を船に乗せる時や貨物の乗ったコンテナをトレーラー等で移動させる時に危険が伴う為、重量の規制が定められているからです。 注:船社によって最大積載重量の許容重量が違う場合がありますが、25tとしている会社が多いです。 LCL 混載輸送 一方で20フィートや40フィートコンテナ1本を埋めることが出来ない貨物量の時に利用するのがLCLです。 LCLの場合は1RT(Revenue Ton)が最低積載ボリュームとなり、1RT以下でもその分の料金が請求されます。 RTとは1CBM = 1Tonがイコールという条件でどちらか大きい方の単位を採用するものです。 FCLとLCLのローカルチャージの違い FLCであれLCLであれローカルチャージという港を使用する際に発生する諸費用があります。 ここでの注意点としてFLCとLCLのローカルチャージが全く別の計算方法を取られるということです。 FCLの港費用 THC (Terminal Handling Charge):ターミナル・ハンドリング・チャージという港内でコンテナを動かす費用があります。 20’フィートで○円、40フィートで○円という固定された費用です。 例えば、 ・THC - 20フィート: JPY 35,000/20’ ・THC - 40フィート: JPY 49,000/40’ 船会社によってTHCの価格は違いますので詳しくは各船会社のホームページをご確認下さい。 LCLの港費用 LCLでもFLCと同様にTHCがあり、更にLCLではCFS(Container Freight Station): コンテナ・フレート・ステーションという港や倉庫でコンテナに貨物を積み下ろしする場所の費用が発生します。 LCLのTHCとCFSチャージは固定の金額ではなくRTの大きさによって変わります。 例えば、一般的な日本側の港費用は以下の通りです。 ・THC - JPY 1,500/RT ・CFS - JPY 3,980/RT もし5CBM(2ton)の貨物をLCLで輸送した場合の港の費用は以下のようになります。 ・THC - JPY 1,500 x 5 = JPY 7,500 ・CFS - JPY 3,980 x 5 = JPY 19,900 FLCとLCLの損益分岐点 FLCかLCLか、どちらで輸送した方が価格メリットがあるのか? ある一定のボリュームを超えた時点でLCLよりFCLで輸送した方がメリットが出るのですが、その損益分岐点はフォワーダーが提示する費用によって異なります。 海上運賃だけを見てはいけない ここが大きなポイントなのですが、損益分岐点を見る時に海上運賃だけを見てはいけません。 例えば、以下の条件の場合 FLCかLCLかどちらがメリットがあるかを考えてみましょう。 条件:貨物サイズ・重量・数量 貨物ボリューム: 1.1m x 1.1m x 1.0m/パレット(1.21CBM/パレット) 貨物数量:10パレット 貨物重量:500kg/パレット トータルボリューム:12.1CBM トータルウェイト: 5ton 条件:海上運賃 FCL:USD 300/20’ all in LCL:USD10/CBM 条件:日本の港費用 FCL : THC - JPY 35,000/20’ LCL: THC - JPY 1,500/RT CFS - JPY 3,980/RT 答え FCLの諸費用 ・海上運賃:USD300 ・港の費用:JPY 35,000 為替:USD 1 = JPY100として ・合計:JPY 30,000 + JPY 35,000 = JPY 65,000 LCLの諸費用 ・海上運賃:USD 10 x 12.1CBM = USD 121 ・港の費用 THC: JPY 1,500 x 12.1CBM = JPY 18,150 CFS: JPY 3,980 x 12.1CBM = JPY 48,158 為替:USD 1 = JPY 100として ・合計:JPY 12,100 + JPY 18,150 + JPY 48,158 = JPY 78,408 海上運賃だけを見るとLCLの方がメリットがありますよね?しかし、港の費用を合わせて見てみると、FLCの方が価格メリットがある事が分かります。 インコタームズに注意する インコタームズとは輸送費用の取引条件でして、EXW, C&F, CIF, FOB, DDU, DDPなどがあります。詳しくはこちらに記載しています。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/incoterms/?lang=ja" target="_blank"] CIFやCRFの場合に特に注意が必要 CIFでは輸出者側は輸出側の国内輸送費用と海上運賃までしか負担しません。LCLの輸送の時に気をつけなければいけないのは「輸入地側の港の費用」です。 輸出者がFCLとLCLの損益分岐点を理解していないと、海上運賃の安いLCLで運ぶ事があったりします。 クレームが発生した件 弊社のお客様(輸出者)は別の物流業者を使って日本向けに通常 20パレットをFCLで送っていたけれども、ボリュームが減ったからと言って14パレットをLCLで輸送手配してしまいました。 14パレットを1CBM/パレットの14CBMで単純計算しても日本側のTHCとCFSが確実に20’のTHCより高くなってしまうわけです。 FCL港費用 - THC: JPY 35,000/20’ LCL港費用 - THC: JPY 1,500 x 14 + CFS: JPY 3,980 x 14 = JPY 76,720 この時のインコタームズがCIFで日本の港費用は日本側が支払わなければいけません。輸入者側からいつもの倍以上の港の費用がかかったとのことでクレームになった事例があります。 これはその別の物流業者のミスでもあります。14パレットのものがLCLでBookingされた時点でお客様に確認をしなければいけません。 まとめ FLCとLCLでは損益分岐点がありますがそれはフォワーダーの見積もり次第です。 でも1-5パレットくらいであればLCLで輸送する方がメリットがあるでしょう。※貨物の「高さ」ももちろん関係しますが。 そして10パレット近くになると一般的にはFCL(20’)の方がメリットがあると予想出来ます。 輸出者側と輸入者側で支払う項目が異なるのでFLCをLCLに変更するときはインコタームズと港の諸経費も含めて事前に確認をしておきましょう。

フォワーダーの大切な仕事を解説!海上貿易ではコンテナ本船のスペース確保ほど重要な仕事はない。 | フォワーダーの仕事

フォワーダーの大切な仕事を解説!海上貿易ではコンテナ本船のスペース確保ほど重要な仕事はない。

国際物流を担うフレイトフォワーダーの仕事で重要な一つはコンテナ本船のスペースをいかに確保出来るかという事です。 タイからだとソンクラーン(タイの旧正月)やチャイニーズニューイヤー(春節)、エンドオブイヤー(年末年始)などの長期連休前にはどの工場も貨物を出したいという傾向がありますので、必然的に本船スペースは少なくなります。 また製造現場やオペレーションミスによっての緊急対応の場合も本船スペースが必要だけども取りにくい状態です。 筆者もタイでフォワーダーをするまではこのスペースの重要性についてそれ程まで認識をしていませんでした。 今回はフォワーダーの仕事としてのスペース確保に焦点を当てて説明していきたいと思います。 なぜフォワーダーの仕事でスペースが重要なのか? 日本国内の宅配や、DHLやFedexなどのクーリエサービスを利用するときに「スペースが取れない」という話を聞く機会はまずないので、本船のスペースの問題は一般的ではありません。 しかしコンテナで送る程の量の貨物は主に商業用貨物です。 商業用の貨物で納期トラブルが発生した場合・・・ ・小売:店頭に商品が並ばない ・飲食:材料がない、提供する商品がない ・工場:製造ラインがストップする という大問題が発生してしまいます。 その為、納期トラブルが出たらエアーで飛ばすなどの対応をして、とてつもなく高い輸送費用を払ってでも対応するのが一般的です。 なぜ本船のスペースがなくなるのか? 上述もしていますが、長期休暇の前はどの工場も貨物を出したいという思いがあります。休暇中はもちろん生産がストップしますし、また通関業務もストップするからです。 貿易ではとにかく遅れてはいけない 貨物が止まらずに常に流れていればこのような問題はないのですが、休暇のために流れが止まってしまうとその動きを取り戻す為に時間がかかり遅れにつながります。 製造業の場合は生産スケジュールに基づいて商品が作られます。スケジュールに遅れがあると、またその先の工程や取引先でも遅れが発生してしまうのでとにかく遅れには敏感なのです。 これらの遅れを避ける為に多くの製造業が休み前には一斉に貨物を送るので本船スペースがなくなりがちになります。 船社のサービス(航路)が少ない 船会社もビジネスです。利益が見込めない航路のサービスをずっと続けている訳にはいきません。少ない航路では当然ながら貨物が集中しがちです。そうなったときにスペースは取りにくくなります。 CYカットオフの直前 お客様の都合でカットオフの直前にスペースを取って欲しいという依頼がたまにあるのですが、この時もスペースがない場合が多いです。 弊社では2週間前にBookingを頂ければ基本的には問題なくスペース確保ができますが、2日前の直前などでは船社のCS担当者ではなく、営業担当者に掛け合わないといけません。 なぜスペースが取れないのか? これは業界の風習のようなものがありまして、タイでは船会社とフォワーダーとの人間関係が結構大きな要因でもあります。 船会社にも営業担当者がいて、この営業担当者も自分のお得意先には融通を効かせるところがあります。 このように船会社の営業担当者と良い関係があればスペースは取りやすいですし、営業ではなくCS担当者のみとのやり取りをしている場合 スペース確保に融通が効かない場合があります。 弊社がスペースを取りやすい理由 弊社ではグループ会社各社を含めて毎月2,500本以上のコンテナの輸出入の取り扱いがあります。 特にアジア、東南アジア、中東、ヨーロッパに集中しておりこれらの地域では複数の船会社の協力の元でお客様の貨物を運んでおります。 ですので複数の船会社の営業担当者やタイ支店の代表者たちと良い関係が構築出来ております。 日系フォワーダーの下請けもやってます タイに進出したばかりの日系企業で大手企業を除いて、それほど貨物を集められる会社は多くありません。 なのでその日系企業が船社にBookingをするよりフォワーダーだけども弊社を利用した方が選択肢も多くコストメリットもあるので現在4社程の下請けをさせて頂いております。 とはいえあまり同業者の取引先を増やすとやりにくくもなりますので、あまり積極的に増やす予定はございません。 まとめ フォワーダーはサービス業で自社のアセット(設備)をもっておりません。船会社のスペースも代理店であるフォワーダーの営業力で取りやすい状況を作っております。 フォワーダーにとってはどれだけ多くの貨物を集められるかはやはり大切なポイントです。多くの仕事があるからこそ船会社からもメリットのある価格や待遇を受ける事が出来るのです。 スペースにお困りの荷主様は是非お問い合わせください。