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貿易コラム

国際物流における最適な梱包とは?強化段ボールやスキッド・クレート・パレット梱包など様々な梱包について解説をしました。 | 輸送・ロジスティクス

国際物流における最適な梱包とは?強化段ボールやスキッド・クレート・パレット梱包など様々な梱包について解説をしました。

海外への輸出で、貨物の適切な梱包方法に迷っていませんか? 国際輸送では、荷物の扱いが雑な場合があり、投げられたり、水濡れや結露のリスクもあります。コストを抑えるために梱包を最小限にしたいと思いがちですが、せっかく送った貨物が壊れて使えなかったら意味がありません。 通販で何かを買った時に、商品が何も梱包されずにそのまま届く場合はほとんどないと思います。一般的にはどんな物を運ぶ時でも梱包されています。 そして貿易の仕事では梱包はなべくお金をかけずに最低限でいいと思われがちです。せっかく貨物を送ったり受け取ったりしたのに、壊れて使えなかったら送った意味がありません。 普段、日本で活動されている人は貨物は安全に運ばれて当たり前かと思われているかもしれませんが、国内貨物と国際貨物では全く輸送事情が違います。 これから海外へ輸出貨物を出そうとしている方に、梱包において気をつけなければならないことをお伝えします。 この記事でわかること 国際輸送と国内輸送の荷扱いの違いと、梱包が重要な理由 航空貨物と海上貨物で異なる梱包方法の選び方(軽量 vs 丈夫) 水濡れ・結露対策の具体的な方法(バリア梱包、防錆フィルムなど) 木製梱包材の種類(密閉箱・すかし箱・パレット・スキッド)と使い分け 貴社の貨物に最適な梱包方法をご提案します。まずは貨物の種類と輸送方法をお知らせください。 梱包方法を相談する 梱包について動画で解説 海外の荷扱いの現状 国際輸送では日本国内の輸送では考えられないくらい荷物の扱いが雑な場合があります。 例えば、海外旅行に行って飛行機にスーツケースを預けると壊れてしまう時があると聞いたことはありませんか?実際にスーツケースのキャスターがとれて無くなったという話を私の周りでも聞いたことがあります。 海外では商品であれ、お客様のものであれ荷物が投げられていると日本ではあまり考えられない事が起きているからです。 航空貨物と海上貨物 航空貨物は軽く、海上貨物は丈夫にするのが基本です。また木材を使う場合は必ず輸出国の木材規制を確認しましょう。 国際貿易における木材こん包材の規則にのっとり、木材を熱処理またはメチルブロマイド燻蒸などをした承認マークがついた木材を使わないと輸入ができない国が増えています。 航空貨物の梱包 航空貨物は航空運賃を重量(または容積重量)にかけて計算します。とにかく梱包材の重さを軽くすることが運賃を下げることにつながるため、軽い梱包材を選ぶことが多いです。 容積重量に関してはこちらの記事に詳しく書いています。 航空輸送では梱包は段ボールのカートン、木箱であればすかし梱包が主流です。 貨物の大きさにもよりますが50キロまでであればカートンがいいでしょう。カートンにカートンのスキッドやパレットをつければ100キロぐらいまで大丈夫です。 輸送用の特殊な段ボール カートンは国内輸送で使うような普通のカートンでは危険です。フォワーダーではダブルカートンと呼ばれるものを使う事が多いです。 ダブルカートンは厚紙の間にある波なみの緩衝材になる部分が二層になったものです。普通のカートンの2倍の厚みがあるものを使っています。 普通の国内輸送のカートンを使う場合には普通に梱包した後に、もう一つ大きいカートンに入れ直しカートンを2重にしたりもします。 海外では残念ながら投げられて仕分されてしまう時がありますので、投げられても壊れないように梱包する必要があります。 航空貨物の場合、通常はダブルカートン、大型貨物でもトライウォール(3層カートン)が多いです。木材梱包は壊れやすい物、精密機械、重量貨物などに使用されます。 海上貨物の梱包 海上貨物は梱包材が海上運賃に与える影響は少ないため、海上輸送中に起こりやすい水濡れ対策を施した梱包、大型貨物を安全に運ぶための梱包などが求められます。 LCLの水濡れ事情について 海上混載貨物(LCL)ではいろいろな貨物が一緒のコンテナに積まれるため、個々の貨物を保護するために梱包した状態で渡し、段積みできるように対策していないとCFSで受けてもらえない時があります。 またタイのCFSは倉庫でなく屋外で作業される事があります。乾季は問題ありませんが雨季だと急なスコールで貨物が濡れてしまう時があります。 FCLの水濡れ事情について またコンテナ輸送でよくあるのが結露です。冬場は特に多く届け先に着いたらコンテナの壁に近くに置いてあるカートンがビショビショだったというのはよくあります。 また稀にですが船に積み込む時のガントリークレーンの操作ミスでコンテナ上部に穴を開けられ、そこから雨水が入る時もあります。 コンテナを納品した時には天井に穴がないのを確認しているのですが、貨物が着いたら天井に穴が開いて貨物もビショビショになっている時がたまにあります。 海上輸送の機械の梱包 機械を輸送する時はバリア梱包を使う時が多いです。バリア梱包とは真空梱包の事でバリアメタルという湿気を通しにくい素材でくるみ、掃除機のようなもので空気を吸い出し乾燥剤を入れて品物を包む梱包方法です。 その上から、木箱やトライウオールなどで梱包をします。 東南アジアを渡る船の場合は特に温度や湿度の変化が大きく、錆やカビが発生する場合があるからです。 バリア梱包に加えて、気化性防錆フィルムといわれるポリエチレンシートなどに気化性防錆材料を塗布したフィルムで製品を包んだりすることもあります。 木製の梱包資材と梱包方法について 木製でも木は生木、合板、ISPM NO.15の処理をされた木材と種類があります。 合板(ベニヤ)は輸出梱包材としては木材としては扱われず、接着剤で貼り合わせた木製の加工品という扱いになり燻蒸等の処理が必要ありません。 合板は安いですし木材として扱われないために梱包材としてはとても優秀なのですが、耐荷重がありません。1トン以上の貨物には使えません。 密閉箱 密閉箱は一般的によく使われます。立方体のすべての面を木材で覆い、中身がみえません。税関検査の際に梱包を開けるのが大変というデメリットがあります。 高価な品物には盗難対策として密閉箱を選ぶこともあります。 すかし箱 - クレート梱包 すかし箱はクレートと呼ばれていますが木材の木の間が開いており、中身が少し見える梱包のことです。メリットは重量が軽くなることとです。 壊れにくい貨物には適しています。 パレット梱包 パレットは木やプラスチックのパレットの上に貨物を載せる形状です。カートンに入れてパレットに乗せ、シュリンクで巻いたり、バンドルで巻いたりします。 パレットからはみ出るように貨物を乗せると貨物同士がぶつかって壊れやすいので、荷物よりも大きいパレットサイズを選びましょう。 スキッド梱包 スキッドは貨物にあわせて架台をつけるような形です。それぞれの貨物専用に大きさに合わせて梱包容器を作ることは運賃を下げるためには重要ですが、梱包日数がかかったり梱包料金が上がってしまいがちです。 小さいパーツをおくるのには事前に用意しておいた箱にいれ、大きい物はパレットやスキッドにするといいかもしれません。 またプラント設備の梱包の場合、貨物が大きすぎるのでスキッドだけを貨物に履かせてフラットラックコンテナに積んで輸送する場合があります。スキッドにベルトをつけて吊り上げたりもしますので強度が必要です。 貴社の貨物の特性に応じて、最適な梱包方法と輸送コストのバランスをご提案します。安全性と経済性を両立させます。 最適な梱包プランを相談する 梱包を最小限にする または梱包は最小にとどめ、貨物をFCLで送る方がかえって安上がりのこともあります。貨物の安全性、輸送費用をトータル的に考えて最適な梱包を提案してくれるフォワーダーさんは頼りになります。 「イケてるフォワーダーの仕事」についてはこちらに記載しております。 まとめ この記事で押さえておきたいところ 国際輸送では荷物が投げられることがあるため、国内輸送より頑丈な梱包が必要 航空貨物は軽量優先(ダブルカートン)、海上貨物は水濡れ対策優先(バリア梱包、防錆フィルム) 木製梱包材は4タイプ(密閉箱・すかし箱・パレット・スキッド)。貨物の特性と用途で使い分ける 梱包コストと輸送費用をトータルで考えることが重要。FCLの方が安い場合もある   国際物流の中で梱包というと簡単に考えられますが奥が深いです。梱包には荷物を安全に運ぶという重要な役目があります。 適切な梱包は、貨物の安全性確保とコスト削減の両立に直結します。航空貨物と海上貨物の違い、水濡れ・結露対策、木製梱包材の選定など、貨物の特性に応じた最適な梱包方法を選ぶことで、トラブルを未然に防ぎ、輸送費用も最適化できます。 最近ではエコの観点からリターナブル容器を使うという選択肢もあります。今までの梱包を見直してみるいい機会にしてみましょう。 国際輸送の梱包でお悩みの方へ。貨物の安全性と輸送コストをトータルで考え、最適な梱包方法をご提案します。まずは貨物の詳細をお聞かせください。 梱包を相談する

EPAとは?EPAの基礎を理解し関税や投資などメリットある貿易取引きについて解説しました。 | 通関・関税

EPAとは?EPAの基礎を理解し関税や投資などメリットある貿易取引きについて解説しました。

EPAという言葉を聞いたことがありますか? ものすごく簡単に言えば「TPP」のようなものです。TPPはメディアにも取り上げられているので馴染みのある言葉かもしれませんが、これは貿易に関する言葉です。 そしてEPAも同じくして貿易の時に使用する言葉なんです。そしてこのEPAを理解していると有利に商品を仕入れることが出来たり、他国へ投資をしたりするときにもメリットがあるんです。 今回はEPAの基礎的な内容についてご説明をしていきます。 EPA(経済連携協定)とは EPAの正式名称は「経済連携協定」- Economic Partnership Agreementと呼ばれ、2国間で経済的にメリットのあるように協力をしましょうねという取り決めです。 では経済的なメリットととは、どのようなことを意味するのでしょうか? FTAとEPAの違いは何か? 経済的なメリットを得る為に各国の外務省の偉い方達が様々な協議をしています。上述したTPPもその一つですし、EPAの基盤となるFTAと呼ばれるものもその協議で決められました。 FTAは「自由貿易協定」 - Free Trade Agreementの事で、EPAと併せて覚える方が理解しやすいので簡単にご紹介します。 ・FTA:物だけの貿易のことで「物品の関税を削減・撤廃する協定」のこと ・EPA:物のほかに投資規制の撤廃や、知的財産制度や競争政策の調和なども入っている包括的なもので、人、物、金の移動の自由化、円滑化を図り、幅広い経済関係の強化を図る協定であります。 EPAの活用法 具体的にビジネスでは実際どのような場面でEPAが活用できるのか、EPAの具体的なメリットとポイントを見ていきましょう。 より安く輸出入したい ポイント:輸出入にかかる関税の削減・撤廃    EPAを使えばコストを減らせるかもしれません。条件がありますので次の項で詳しく説明していきます。 海外で自分たちのサービスを提供したい ポイント:サービス業を行う際の規制を緩和・撤廃する  貿易はモノ以外にもサービスが国境を越えてやり取りされるようになりました。海外のコールセンターや海外旅行も国境を越えたサービスで、EPAで参入が自由化され流ものがあります。 このサービスとは実務、通信、金融、運送、観光・旅行などの分野に分類されております。他国に進出するにあたり、これらのサービスの規制の自由化が進み経済的なメリットを産むようになっています。    安心して海外に投資したい ポイント:投資環境の整備を行う 海外に自社ビジネスを展開したいが、相手国とトラブルが起きるのではないかと不安になる場合がありますよね。 EPAを利用すると他国の政府から収益を得る機会を奪われるようなことがあったり、契約を履行しないなどのリスクもあったりします。EPA締結国同士ではそのようなリスクは低くなっています。 海外でのビジネス環境に改善要望をしたい ポイント:ビジネス環境の整備を協議する 海外でインフラ・治安・法務等様々なビジネス上の問題に直面した場合、ビジネス環境の整備に関する委員会を通じて外国政府と協議ができる場合があります。 貿易における関税について 通常、輸出入を行う際に各国が定めた関税を支払う必要があります。輸入時の関税は国内産業を守るためでもあります。 この関税には、WTO(World Trade Organization)で定められた原則に基づいて全ての国に対して共通の関税率が適用されます。 EPAによる関税削減・撤廃 しかし、輸出入に際してEPAを活用すると通常よりも有利な関税率の適用を受けることができる場合があります。 EPAを結んだ国の間ではMFN税率(WTOの税率)より低い税率を定めることができるため、EPAを結んでいない他国よりも低い税率で輸出入を行うことができます。 ただし、MFN税率よりも低い関税率の適用を受けるためには適用されるための要件を満たす必要があります。 それではEPA特恵税率が適用されるための要件について見ていきましょう。 EPAによる関税削減の適用条件 ① 製品にEPA特恵税率が設定されているか? ② 製品にEPAの原産資格があるか? ③ 原産地を証明する必要書類 ④ 船積みを証明する書類 この4つの条件を確認しなければいけません。では一つずつ解説をしていきましょう。 ①製品にEPAの特恵税率が設定されているか? EPAを使ったら全ての品目で関税の優遇が受けられると言うわけではありません。二国間の協議で品目ごとに特別な関税率(特恵という)が決められているのです。 例えばタイの冷凍鶏肉のWTOの関税率は11.9%で、EPAを使うと8.5%になります。製品によっては無税になるものもあったり、特恵がないものもあったりします。 このように、そもそもの特恵税率が適応されているかを確認する必要があります。 ②製品にEPAの原産資格があるのか? EPAの原産資格というのは、対象の製品が「本当に原産国で作られたものなのか?」ということです。 それには以下のような基準があります。 ⑴ 完全生産品(WO) ⑵ 当該締約国の原産材料のみから生産される産品(PE) ⑶ 非原産材料を用いて加工された産品(PS) この原産基準については別の記事で詳しく解説しようと思います。 今はこの3種類の原産基準があって、これらに当てはまっていると原産資格があり特恵関税が適用となると理解してください。 ③原産地を証明する必要書類 EPAの利用には「特定原産地証明書」が必要です。 例えば日本―タイの場合でのEPAでは(JTEPA)は二国間の取り決めであり、その特典であるEPA特恵関税は日本やタイの現産品に限り適用されるからです。 日本とタイの二国間のEPAを使うのに、製品が中国製だと適用されません。従って当該物品が原産品であることを確認しそれを証明する必要があります。 特定原産地証明についてはこちらの記事をご確認ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/epa-co/?lang=ja" target="_blank"] ④船積みを証明する書類 船積み証明書(B/L)はEPAの特恵関税を適用させる為に必要な書類です。基本的には輸出国から輸入国まで対象産品の原産性を維持したまま輸送することが要求されます。 しかし第三国で蔵置、積み替えて輸送する場合などでは原産品の資格を失っていないことを証明する為に以下の書類が必要となります。 ・通し船荷証券の写し *Through B/L ・加工などが行われなかったことを示す書類 (税関またはほかの権限を有する官公署が発給した証明書) ・その他(タイ)税関長が適当と認める書類 例:タイの場合 まとめ EPA活用による輸出入の際に必須となる要件をよく理解すれば商品の付加価値を増し、顧客の信頼を高めることにつながります。 条件は色々ありますが協定や基準をしっかり理解できれば、ビジネスチャンスが広がるのではないでしょうか。 まずは自分の貿易取引商品が対象輸入産品で、EPA特恵税率が設定されているかについて調べるところから始めてみましょう。

HSコードとは?輸出入の手続きに必須の「世界共通ルール」を解説!関税率にも影響するので理解をしましょう。 | 通関・関税

HSコードとは?輸出入の手続きに必須の「世界共通ルール」を解説!関税率にも影響するので理解をしましょう。

貿易の世界では「HSコード」という用語が使用されることが多々あります。HSコードは輸出入をする製品をコードで表し、世界中の国が貿易の取引をスムーズに行うための役割を果たしています。 今回はHSコードの概要と決め方、実務上どのような場面で使用するのかを順に解説していきます。 HSコードを動画で解説 HSコードを決める目的 貿易で輸出入の対象となる製品は、生鮮食品から工業製品まで多岐に渡ります。工業製品は製品ごとの型式もあり、全ての輸出入品の種類は数えきれないほどになるでしょう。 輸出入の手続きで、インボイスや梱包明細の品名を確認しただけでは、その製品がどのようなものなのか判断ができないことがあります。 そこで輸出入の申告をするときにHSコードを用いて、瞬時に対象製品が何かを特定することができます。HSコードの利用は輸出入手続きをスムーズにする趣旨がありますが、具体的には次のことに役立っています。 HSコードの活用目的 ・該当製品の正しい関税率を参照、適用できる。 ・輸出入した製品のデータを取りまとめ、統計を取る。 車のホイールのHSコード 例えば、乗用車ホイールは6桁で「8708.70」というように分類されます。 HSコードでどのように製品を分類するか明確に決められているので、「8708.70」というコードの情報があれば、税関はどのような製品を輸出入するのかすぐに認識することができるのです。 参照元:経済産業省ホームページ HSコードを規定する法令 HSコードはどのような枠組み、基準の中で取り決めされているのでしょうか。 世界共通のコード HSコードは、世界税関機構(WCO)が制定している「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約」=「HS条約」で規定されています。 この条約は現在世界で150か国以上が加盟しているため、世界共通ルールであると言えるでしょう。 HSコードは約5年ごとに製品の分類方法の見直しがされ改定が加えられています。より詳細に製品を分類したり品目が新たに追加されることがあります。 HSコードは税関が公表している、輸出統計品目表で確認することができます。 ※税関 - 輸出統計品目表 (2020年版) 世界共通と各国独自のコード これに基づき、分類した製品の種類ごとの関税率が決定されています。世界共通認識で輸出入時に製品の種類は6桁のコードで表されます。 6桁までのHSコードは、日本も含め輸出入通関で共通しています。 6桁以降の数字は条約加盟国が各国の国内法に基づき、対象製品をより細かく分類、特定するために使われることがあります。 そして日本では国内ルールで10桁まで使用されています。 HSコードを用いた分類方法 次に、HSコードを用いた具体的な分類方法を紹介します。 HSコードの分類 ①類…コードの上2桁 ②項…コードの上4桁(類を含む) ③号…コードの上6桁(類・項を含む) ここまでの6分類(6桁)が世界共通です。では以下に製品がどのように分類されるのかイメージを掴んでみましょう。 HSコード「類」 ①の「類」は第1類から97類まであります。 まずは製品の大まかなジャンルで分類されます。 第1類:動物(生きているものに限る。) 第2類:肉及び食用のくず肉 第8類:食用の果実及びナット、かんきつ類の果皮並びにメロンの皮 第9類:コーヒー、茶、マテ及び香辛料 第10類:穀物 第11類:穀粉、加工穀物、麦芽、でん粉、イヌリン及び小麦グルテン 第97類:美術品、収集品及びこつとう 上記のような形で97種類に分類されることとなります。 1類あれば上2桁は「01」、第2類であれば「02」、第97類であれば「97」というように番号が振られます。 例えば玄米は6桁のHSコードでは「10.06.20.」と分類されますが、まず第10類:穀物に属している製品ということになります。 HSコード「項」 ②の「項」で、類で分類されたものをさらに細かく分類します。 穀物はこのように分けられています。 10.01:小麦及びメスリン 10.02:ライ麦 10.03:大麦及び裸麦 10.06:米 この10.01のようなコードがHSコードの上4桁です。 HSコード「号」 ③の「号」では、項で4桁に分類されたものを製品の原料や材質などで分類をします。 【第10類(穀物)の分類】 項 10.04 オート 10.05 とうもろこし 10.06 米 10.07 グレーンソルガム 【項10.06(米)の分類】 項 10.06 米 号 1006.10 -もみ 1006.20 -玄米 1006.30 -精米 1006.40 -砕米 玄米のHSコードは10桁であれば「10.06.20.090.4」と表されますが、7桁目から10桁目は日本の国内法で項以降を細かく分類したものとなっています。 日本では「輸出入品目の統計データを詳細に取ること」、「税関手続きのシステムであるNACCSで使用すること」を目的に7桁目以降を使い、製品を分類しています。 HSコードが必要となるケース HSコードがどのようなものかはご理解できたかと思います。ではこれらは具体的にどういうシチュエーションで活用されるのでしょうか。 一つずつ見ていきましょう。 輸入通関 HSコードは輸出入申告時に輸出国、輸入国でそれぞれ適用されます。 HSコードの6桁の分類は世界共通ですが、製品分類の解釈の仕方で輸出国と輸入国で相違が発生してしまうケースがあります。 それが関税率が違うHSコードであれば、輸入時に輸入製品の正しい関税率が適用されません。 通関士によるHSコードの選定 フォワーダーのような輸出入代行業者で通関手続きを行うときは通常、資格を有する通関士が輸出入製品のHSコード選定を行います。 船積書類の品名から実績等も加味し選定をしますが、品名だけでは製品が何か分からない場合は詳細を調べたり、原材料などの化学品であればMSDS(成分安全データシート)で材質まで調べた上でコードの特定が必要となります。 輸出手配上、輸出者が書類に記載したHSコードと通関士が選定したHSコードの相違が発生してしまうことがあります。 そのときは輸出者へ確認を行い、製品の詳細説明を求め成分表等も確認した上で判断を行うことになります。税関へHSコードの問い合わせをすることができるので、選定に迷ったときは税関へ問い合わせをするのが確実です。 HSコードの情報が品名と併せて税関に申告され、許可が下りれば輸出入許可書に品目番号として記載されます。 輸出入申告の流れ 流れをまとめると以下のようになります。 ①(輸出者:製品のHSコード選定)、インボイス等作成 ② 通関士:通関依頼作成、製品のHSコードの選定 ③ 税関へ申告 ④ 輸出入許可 通関士の仕事についてはこちらの記事に詳しくご説明しましたのでご覧ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/customs-broker/?lang=ja" target="_blank"] HSコードに関する各国の取り決め 輸出者から発行されたインボイス等の書類を扱っていると、品名と併せてHSコードが記載されているのを見かけることがあると思います。 それは製品を輸入する国の輸入申告手続きで、事前にHSコードの情報送信が必須となっているために記載をしている場合が多いです。 向け地ごとの輸入ルールで、HSコードの情報について取り決めがされています。 24時間ルール EU地域やアメリカで輸入通関を行うときには、24時間ルールが定められており、船積みの24時間前までに、現地の税関へHSコードを含めた輸入品詳細の情報送信が必要となります。 輸入手続きをスムーズに行うため、インボイス等にHSコードを事前に記載をしていることが多くなります。 各国への事前連絡 現地のフォワーダーからも、事前に製品のHSコードの情報提示を求められるでしょう。 最近は、フィリピン、ベトナム、インド、インドネシアなどアジアの国々でHSコードに関する通達が公に出されることが増えました。 これらの国々では、現地の税関へHSコードの情報を事前に送信するとともに、BL上に品名と併せて記載が必須となっています。 BLに正しいコードを記載するために、BL作成をするフォワーダーは輸出者に、インボイス等の船積書類にもHSコードを記載してもらうのが良いでしょう。 そのとき、輸出者と輸入者側で摺り合わせを行った上で書類に明記することで、輸入国側のHSコードの解釈と相違ないようにします。 原産地証明書 EPA(経済連携協定)を結んでいる国へ製品を輸出する場合、原産地証明書で製品の原産国を提示することによって関税の優遇を受けることができます。 原産地証明書を取得して輸出する場合、正しいHSコードが適用されていなければ、誤った関税率で計算され関税の優遇が受けられなくなることが考えられます。 特定原産地証明書は輸出者が日本商工会議所に申告することとなりますが、申請する前に、輸入国で適用されるHSコード6桁の特定、関税率の確認が必要です。 日本商工会議所によると、特定原産地証明書にHSコードの記載は必須項目ではありませんが、相違が発生したときは最終的に輸入国の税関のHSコード選定判断に従うことになります。 予想外の関税適用となってしまえば輸出者と輸入者のトラブルの元となります。事前に輸出者側が輸入者に確認を取り、インボイスや原産地証明書に記載をしておくのが一般的です。 原産地証明に関する記事はこちらにまとめておりますので併せてご覧ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/certificate-of-origin/?lang=ja" target="_blank"] まとめ HSコードに関するルールは、貿易の世界で必須の知識となっています。 全ての製品の細かい分類方法までは網羅する必要はありませんが、輸出入の手配を行う上で、概要を押さえどのように使われているのか、なぜ使われているのかを把握する必要があります。 今後も、輸入手続き時のHSコード情報送信に関する取り決めを新たに行う国が増えるかもしれません。 安全を守るために輸出入品対象品の規制を強化していくにあたり、HSコードの重要性は高まっていくと言えます。

通関士の仕事について解説!通関実務のリアルな仕事内容をご紹介します。 | 通関・関税

通関士の仕事について解説!通関実務のリアルな仕事内容をご紹介します。

通関士と聞いてどんな仕事をイメージするでしょうか? 私の周りからですが「何するの?」「英語を使う仕事?」「かっこいい!」等 という声を聞いたことがあります。国際物流業に携わっていないと、それほど身近ではない通関士の仕事は理解されにくいかもしれません。 今回はそんな通関士の仕事内容についてご紹介します。 動画で解説!通関士の仕事内容 通関士の仕事の概要 通関業務とは大きくわけて3つあります。 ① 他社から依頼を受けて、貨物の輸出・貨物の輸入をする際に税関に申告をして許可を受ける ② 関税法などの処分に対して、税関長や財務大臣への不服申し立て ③ 税関各署に対する主張または陳述 ほとんどの業務は輸出・輸入の際に税関に申告して許可を受けるまでの①の業務を毎日やり続けます。 ②③の業務は①の後に不服があった場合に申し立てや陳述するので、通関業務といえば申告業務を指すのです。 通関士の実務 申告業務が通関士の仕事ですが、申告業務がどういったものかもう少し詳しく説明します。 通関士は輸出入において他社の依頼を受けて税関に申告します。その輸入者、輸出者から輸出入に関わる商品の売買の請求書、船積み書類などをもらって代わりに税関に申告し、必要な検査などを受けて税関から許可をもらいます。 輸出入者本人が税関に申告するのはもちろん可能です。貨物が置いてある管轄する税関に行って、ご自身で申告書を書いて許可をもらうこともできます。 では実際の実務をやっている人に参考になるように、どのように申告書を書いているかを紹介します。 輸入申告の流れ 輸入申告は自国に輸入していい貨物、絶対に輸入してはいけない貨物があり(武器・麻薬など)、輸出申告より厳しいと日常業務で感じています。なので今回は輸入申告について見ていきましょう。 まずは輸入申告の為に必要な書類をご紹介します。 輸入申告に必要な書類 ・インボイス ・パッキングリスト ・B/L ・アライバルノーティス ・商品説明書 ・原産地証明書(あれば) ・他法令に該当すれば他法令許可書 関税額の確認 例えば、タイ産マンゴー 100個 / CIF 100,000円とすると通関士はインボイスを見てマンゴーを実行関税率表で確認します。 この実行関税率表にはHSコードと呼ばれる税番が載っており、すべての品物にこの数字9桁の税番を決めます。 実行関税率表から税番が決まったら次に関税率や消費税を確認します。 タイ産のマンゴーはJTEPAを使うと関税0%です。 消費税はCIF価格100,000円 × 10% = 10,000円となります。 EPA/原産地証明に関する記事はこちらをご覧ください。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/certificate-of-origin/?lang=ja" target="_blank"] 税関への説明・検査 金額などを申告書に記載して税関に輸入申告書を提出します。流れとしてはこのような感じです。 1. 必要書類を税関に提出 2. 税番の根拠を説明 3. 貨物の現品検査 4. 納税して輸入許可を受ける 実際の業務は税関と通関業者はNACCSといわれるシステムでつながっているため、通関士はそのシステムにHSコードや金額を入力すると税額は計算され、輸入申告は送信のボタンを押すだけになっています。 必要な書類は税関にPDFで送ることもできるようになっており、時間の短縮につながっています。 輸入申告の注意点 意外と簡単そうと思割れるかもしれません。しかし申告書を作成するのに1件5分で仕上げられるものと丸一日以上かかる複雑なものもあります。 商品100アイテムあった場合 それに伴い税番をそれぞれ振り分け、税率ごとにまとめたりします。 また税番を振り分けるというのも一筋縄ではいかないところです。明らかに税番が決まるものありますが、該当しそうな税番がいくつもあるものは事前に税関に相談したりする場合もあります。 それによって関税率が変わり、輸入の費用に影響がでるため重要なところです。 書類のミスをチェック インボイスが正しいかどうか確認すること、サンプルなど金額が抜けているものがないかチェックしたりもしています。貿易の際に書類が間違っているというのは往々してあります。 毎回足し算が間違っている書類がくる場合もあります。 税関検査について 申告をすると以下の数字がNACCSに表示されます。 1. 即時許可 2. 書類審査を経て許可 3. 書類審査を経て現品検査その後許可 申告はNACCSで申告の送信ボタンを押すとランダムに1.2.3の数字が表示され、"1"だとそのまま許可です。"2","3"の場合は申告に必要な書類を添付して税関に送付し税関の担当者からの連絡を待つことになります。 書類上問題がなければ そのまま許可になることもあれば、貨物検査をすることになると検査の指定表が送られてきます。 貨物の立ち会い検査 貨物検査は通関士か通関従業者が立ち会うことになりますが貨物検査の瞬間は通関士に緊張感が走ります。指定された箱を持ち込んで税関職員と顔を見合わせながら箱を開けるのですが、それまで中身をみることはできません。 輸入したものの場合、「書類上の品物が出てこなかったらどうしよう。。」と通関士はいつも思いながら開けるのです。 申告したからには、通関士が許可まで責任を持たねばなりませんので、毎回ドキドキしながら貨物検査を受けることになります。 何はともあれ、許可が出れば貨物を引き取り国内貨物として流通できるようになります。その許可について不服がなければ、通関士の1件の申告は終わりになります。 通関士の特技 たまに身の回りのもの全ての税番を言える通関士さんもいます。 百科事典のような実行関税率表が頭にはいっているということなのでとても凄いことなのですが、通関士以外の人に言っても驚かれるさことはありません。 これがなぜ凄いかというと、身の回りの物の材質がわかっているということを意味しているのです。多くの品物は材質がわからないと税番はわけられません。 例えば靴だったら、これは本革なのか合皮なのか。プラスチックでもPP(ポリプロピレン)製かPE(ポリエチレン)製かによって違い申告内容が変わってきます。 なので依頼した通関業者から商品の説明を詳しく聞かれた場合には面倒くさがらずに対応してあげてください。 まとめ なんとなく通関士の仕事内容がイメージ出来たでしょうか。 貨物の輸出入には通関士が影で活躍しています。普段通関士のことを考えたことがない人も、どこかの通関士が通関した品物を毎日使っています。通関士は納期に間に合わせよう、予定の船や航空機に載せられるように、必死に計算し、書類を照らし合わせています。 きちんとした書類、必要な書類は渋らず出してくれると 通関士の仕事に大いに役立ちますので、何卒ご協力をお願いします。

3国間貿易の流れとメリットを解説!スイッチB/Lやインボイス, 原産地証明の記載内容とは? | 輸送・ロジスティクス

3国間貿易の流れとメリットを解説!スイッチB/Lやインボイス, 原産地証明の記載内容とは?

3国間貿易と聞くと「何か難しそう。。」と思われる人もいるかもしれません。 慣れてしまえばそれ程 難しくありません。業界では通称「3国間」「仲介貿易」などと呼ばれていますが、主要な貿易形態のうちの1つです。 輸入者、輸出者にとっていくつかメリットがある方法なので、貿易に携わっていれば3国間貿易を取り扱うことがよくあります。 ただし、輸入者と輸出者が直接やり取りをするときよりも更にプロセスが必要で仲介する業者やフォワーダーは取扱いに注意しなければなりません。 今回は3国間貿易の全体像と特色を押さえて解説をしていきます。 この記事でわかること 3国間貿易の基本的な流れと関係者の役割 輸出者・輸入者が得られる経済的メリット スイッチインボイスとスイッチB/Lの実務的な取り扱い方法 原産地証明書の使用時に注意すべきポイント 3国間貿易について動画で解説しました 3国間貿易の流れ 3国間貿易は輸出者、輸入者の他に第3国の仲介業者が間に入って取引を行う貿易形態です。 以下の当事者が発生することになります。 ・輸出者(Shipper): A国 ・仲介業者(Buyer): B国 ・輸入者(Consignee): C国 ※A国、B国、C国は全て別の国となります。 国によって3国間に関する法律は異なりますが、日本では自由に取引できると定められています。その中でいくつか細かいルールや制限は定められています。 代表的なものとして、仕向国が外為法輸出管理令で一定の決まった国・地域の中では経済産業大臣の許可がいることが挙げられます。 契約と支払いについて 3国間貿易では「金額の取引」と「商品の輸送」は流れが少々異なります。 売買契約と支払いは「輸出者 - 仲介業者 - 輸入者」の間でそれぞれ行われています。 輸出者と輸入者の取引実績がなくても、共通して契約している仲介業者があれば貿易ができるということです。 代金の流れ 代金は輸入者から仲介業者に仲介業者のマージン込で支払われます。その後、仲介業者から輸出者へ代金が支払われるという仕組みです。 商品の流れ 商品の流れに関しては輸出者から依頼を受けた輸出国のフォワーダーから、輸入国のフォワーダーへと渡りアレンジを行っています。 基本的にインボイス・パッキングリストなどの船積書類及びB/Lは輸出者から入手しフォワーダー経由で輸入者へ送付されます。 3国間貿易の目的・メリットとは? 3国間貿易では、間に仲介者を挟むことによって輸入者・輸出者双方に生まれるメリットがあります。 まず3国間貿易の取引の特色から、以下のような経済面のメリットがあります。 輸出者・輸入者のメリット 輸出者のメリット ・輸入者との交渉の手間が省け製品販促のための費用が削減できる。 ・取引や販売実績のある仲介業者を間に挟むことで、取引実績の少ない輸入者からの代金回収リスクを防ぐ。 輸入者のメリット ・仲介業者に取りまとめをしてもらうことで、輸出者に販売価格を有利に交渉してもらえる。 ・製品の輸送は輸出国から輸入国へ直接となるので、輸送コスト削減となる。 ・製品が第3国を経由して輸送されないので、その分の消費税がかからない。 例えば、海外に現地法人があるけれども支払いのみ本社で行いたい場合があります。 外国の工場から仕入れたものを直接現地に送り、代金の支払いは本社が取り纏めて行うことが可能となります。 これは本社が法人税率の安い国にあれば、本社で売上を計上することによってトータル的に法人税を抑えられるメリットがあります。 または現地法人のキャッシュフローや代金回収リスクを軽減することが出来ます。 3国間貿易のスキームを活用したい、 自社に最適な方法を知りたい方はお気軽にご相談ください。 CONTACT 輸出者(仕入れ先)を隠すことができる 3国間貿易は他に、輸入者にとって輸出者=仕入先を分からないように隠すことができます。 代金に関しては、輸入者と仲介業者がやり取りをされ、輸出者から発行されたインボイス(=請求書)は通関用として扱われ現地送付厳禁となります。 スイッチインボイスの使用 そして3国間でConsigneeへのインボイス送付指示があるならば、スイッチインボイスを用いている場合が大半です。 輸出通関上は輸出国から輸入国へ直接製品が輸送されるため、製品の価格に加え輸出国→輸入国への輸送量、保険料などが込み(タームによる)の請求金額が記載されたインボイスを提示して申告することとなります。 通関用のインボイスが誤ってConsigneeの手に渡ってしまえば、仲介業者からの請求金額との差額で、仲介業者がどのくらいマージンを乗せているのか判明してしまうことになります。 これは仲介業者と輸入者との信頼問題に繋がるので、フォワーダーにとってもインボイスの取り扱いは特に注意が必要となるのです。 3国間貿易の例 ここから例を上げて説明をしていきます。日本の会社とアメリカ会社がタイ産のマンゴーの取引をすることになりました。アメリカの会社にはタイの輸出者は知らせないものとします。 この時に登場するインボイスとB/Lについてご説明します。 ①インボイス(輸出通関) ②スイッチインボイス(輸入通関) ③最初のB/L ④スイッチB/L スイッチインボイスの使用 【①輸出通関に使うインボイス】 ※輸入者に送ってはいけない Seller:輸出者 - タイ Buyer:輸入者 - アメリカ Notify:仲介業者(Bill To) - 日本 【②輸入通関用のインボイス(スイッチインボイス)】 Seller: 仲介業者 - 日本 Buyer: 輸入者 - アメリカ スイッチインボイスは輸出通関用とは別で作成され仲介業者と輸入者の商取引の請求書として使われ、輸入通関にも使われます。 スイッチB/Lの使用 またB/Lも仲介国でスイッチB/Lに切り替えることで、輸入者に輸出者(仕入れ先)を知られずに輸送することができます。 スイッチB/Lでは輸出者の社名に代わって、仲介業者の社名を記載するということが可能になるのです。 スイッチB/Lの流れ ではスイッチB/Lの仕組みをもう少し詳しく見ていきましょう。スイッチB/Lでは、仲介業者の第3国のフォワーダーがB/Lを発行し、Consignee送付用として切り替えを行います。 この場合仕向け地はそのまま輸出国→輸入国となり、製品の輸送もそのまま直で行われますが、B/L上の表記は異なります。 ③【最初のB/L】輸出者→仲介業者へ送付 Shipper:輸出者 - タイ Consignee:仲介業者 - 日本 ④【スイッチB/L】仲介業者→輸入者へ送付 Shipper:仲介業者 - 日本 Consignee:輸入者 - アメリカ   上記のように3国間貿易の中で2種類のB/Lが発行されることとなります。 ④輸入者へ渡るB/L(スイッチB/L)には、Shipperとして仲介業者が記載されることになるので、輸出者(仕入れ先)が判明することはありません。 スイッチB/Lや書類管理など、 3国間貿易の実務でお困りの際はまずはご相談ください。 CONTACT 3国間貿易での原産地証明書 EPA(経済連携協定)を結んでいる国同士の貿易であれば、輸出国で原産地証明書を取得し 輸入国で提示をすると関税が優遇されます。 3国間貿易の場合でも、輸出国と輸入国がEPAを結んでいれば間に業者が入っていても適用は可能となります。 その場合、輸出国の特定原産地証明書が必要となります。多くは、第3国発行のインボイス番号の記載が必要となっています。 第3国から仲介業者→輸入者へ送付されたインボイス(スイッチインボイス)の番号で、輸入される製品との一致を取るのです。 また、スイッチB/Lで輸出者(仕入れ先)を隠していても、原産国と輸出者(製造元)が原産地証明書で記載されることとなってしまうので、原産地証明書を申請する場合は輸出者への確認を事前に行うようにしましょう。 原産地証明書で輸出元が判明してしまうリスクを双方が認知していないと、トラブルを生むことになってしまいます。 各企業ごとの状況に合わせて最適な進め方を ご提案します。まずはお気軽にご相談ください。 CONTACT まとめ この記事でわかったこと 3国間貿易は輸出者・仲介業者・輸入者の3者で取引し、販路拡大やコスト削減につながる。 代金の流れと貨物・書類の流れが異なるため、スキーム設計と支払い条件の整理が欠かせない。 スイッチインボイス・スイッチB/L・原産地証明書の扱いを誤ると、仕入先情報の漏えいや関税優遇の不適用につながる。 書類管理と情報共有を徹底し、フォワーダーや関係者との役割分担を明確にすることが、トラブル防止と信頼維持の鍵となる。 3国間貿易は主に経済的なメリットが強く活用されている機会が多いものですが、実務上書類の取り扱いに注意が必要です。 書類送付ミスで情報漏えいとなった場合、輸出者と仲介業者が 客先(輸入者)からの信用を失ってしまいかねません。 3国間貿易を進める場合は、各関係者と綿密なコミュニケーション、確認を取りながら進めていくようにしていきましょう。

危険品の輸送について解説!SDSの確認点・危険品クラス・UN番号などを理解して海上・航空輸送をスムーズに手配しましょう。 | 輸送・ロジスティクス

危険品の輸送について解説!SDSの確認点・危険品クラス・UN番号などを理解して海上・航空輸送をスムーズに手配しましょう。

「危険品の輸送」と聞いてどのようなことをイメージされるでしょうか? 危険なものを運ぶの? そもそも運べるの? 実は危険品にはいろんな種類があって身近な製品に使われているのも危険品だったりします。 一般的に危険品といって思いつくものは人によって違うと思います。爆薬やライターなどを思いつくかもしれません。それらももちろん危険品なのですが、今回は国際輸送上で危険品と扱われる物はどんなものか見ていきましょう。 この記事でわかること 国際輸送における危険品の定義と身近な危険品の例 UN番号と9つの危険品クラスの分類 危険品輸送に必要なSDS(安全データシート)の入手方法と確認事項 危険品の通関・保管・国内輸送における注意点   危険品の輸送を動画で解説 危険品について まず私が取り扱った危険品を思い返してみました。 車のエンジン 車のバッテリー エンジンオイル 接着剤 ドライアイス 圧力タンク ノートパソコン(リチウムイオン電池) スプレー缶 バーベキュー用木炭 塗料など   これらを見て意外な物は含まれていませんか? まず大事なことは初めて輸送する貨物が危険品に該当する物ではないかと疑ってみることです。 もし危険品を通常貨物として輸送してしまうと、航空機や船の運航に影響をあたえたりトラブルがなくても罰金が科せられることもあります。例えば米国では最高27,000ドルの罰金とされています。 もしかしたら危険品かもしれないと思った場合は、フォワーダーに確認してみましょう。 自社の製品が危険品に当たるか判断に迷う場合は、危険品輸送の経験があるスタッフがSDSの確認から輸送方法のご相談まで丁寧に対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。 CONTACT UN番号と危険品クラス 危険品を国際輸送する場合は国際的に決められた規則があります。 国連で「危険品輸送にする勧告」(通称オレンジブック)で定められたルールにのっとって輸送します。 危険品にはすべて国連番号(United Nation Number)という番号が付けられており通称でUN番号・UNナンバーと呼ばれております。 それらを危険度別に1から9までのクラスに分類しています。 危険品のクラス クラス1 火薬類: 花火、発煙筒など クラス2 高圧ガス: 燃料ガスボンベ、消化器、スプレー缶など クラス3 引火性液体類:ガソリン、灯油、塗料など クラス4 可燃性物質類:活性炭、マッチ、硫黄など クラス5 酸化性物質:漂白剤、過酸化ソーダなど クラス6 毒物類:殺虫剤、農薬など クラス7 放射性物質類:核燃料物資など クラス8 腐食性物質:蓄電池、水銀、硫酸など クラス9 有害性物質:リチウム電池、ドライアイス、磁石など   こういったものが危険品とされるのです。 危険品は船会社や航空会社それぞれ載せられるものが決まっており、載せられるものでも量が決まっています。しかも それぞれの会社によって規定が違うのです。 そのため事前に船積みできるかどうか確認しなければなりません。 一般的に航空会社は船会社よりも厳しい規定を適用しています。UN番号で問い合わせすれば、積載できるかどうかを教えてもらえます。 このように覚えておきましょう。 危険品を取り扱う時の事前準備 危険品を実際扱うとなると、船会社、ヤード、港湾、通関業者すべてにSDSを送付し、コンテナ危険品明細書(通称赤紙)などを事前に提出します。そして貨物を安全に取り扱うための指示をだします。 その他にも貨物へ貼るラベル、ケースマーク、包装容器の種類など細かい規定がいろいろあります。また、その輸出入地それぞれの国の危険品の規制があります。運送上の経由地である積み替え港でも適用されることがあります。 そのため現地にもSDSを送り事前に連絡しておく方が後々のトラブルになるのを防げます。 SDSとは? そのUN番号、9つのクラスはどうやって知ることができるのでしょうか。SDSという書類にのっています。SDS(Safety Data Sheet)は安全データーシートというもので、化学物質が含まれる製品に発行されるものです。 以前はMSDSという名称でしたので、現在では両方使われています。SDSは化学物質のメーカーや製造者が発行し使用者に渡されるものです。国際物流では必要になる書類なので必ず取り寄せなければいけません。 どこで入手するのか SDSは製造者やメーカーのホームページでダウンロードできたり、電話やメールで問い合わせすればすぐに送ってもらえます。英文のものが必要です。一部、中国に輸出する場合は中国語が必要になる場合があります。 SDSの記載事項 SDSに記載されていることは、製品の取扱方法からもし漏れたときの対処方法や有害性の情報などがのっており16項目に分かれてます。 9項の危険品情報では引火点が書いてあります。航空貨物でも海上貨物でも必要な情報です。14項の輸送上の注意の欄では、日本の消防法などの分類と国際規制について書かれています。 そこには先ほど出てきた積載できるか確認するための番号UN番号と9つのクラス等が書かれています。 危険品の通関について 危険品の通関で気をつけることは危険品はフリータイム(貨物が無償で保管できる期間)がとても短いため、通関を急ぐ必要があるということです。 また危険品はもし通関にトラブルがあり許可が遅れてしまうとスケジュールが大幅に遅れてしまうだけでなく、デマレージの金額が跳ね上がってしまいます。 早めに準備をしてSDSの内容をきちんと確認して通関準備には時間をかけましょう。 危険品の国際輸送でお困りではありませんか? 経験豊富な専門スタッフが、安全で確実な輸送をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。 CONTACT 危険品の国内輸送について 輸送時、保管時に気をつけることは、国際輸送するからといってオレンジブックに定められた国際規定だけを気にしてはいけないということです。 日本の国内に貨物がある場合は、日本の毒劇物取扱法、消防法、高圧ガス保安法などの規定に準じた取扱をしなければなりません。 例えば通常のコンテナヤードには一時保管はできるものの、長い保管はできない為その危険物を取り扱うことができる倉庫に保管しなければなりません。 その保管倉庫では消防法が適用されます。トラックで輸送する場合は毒マークをつけたりもします。 まとめ この記事でわかったこと 身近な製品にも危険品が含まれており、国際輸送では通常貨物とは異なる扱いが必要になる 危険品にはUN番号と9つの危険品クラスが定められており、船会社・航空会社ごとに積載可否や条件が異なる 危険品輸送ではSDSを入手し、ラベル・包装・書類などを事前に準備して関係先と共有することが重要になる 通関や国内輸送ではフリータイムや保管場所、国内法令の制約に注意し、専門知識をもつフォワーダーに相談するのが安心である 危険物を安全に輸送するためには、いろいろな規定があることがわかっていただけましたでしょうか。なかなか普段から危険品を扱っていないと、危険品を輸送するのは大変です。 危険品を輸出入するためには、危険品への知識をもったフォワーダーに依頼し、専門の業者と協力して取り扱うことをおすすめします。

特定原産地証明書の取得方法について解説しました!EPAに使われる原産地証明の申請・発行のタイミングなど。 | 輸送・ロジスティクス

特定原産地証明書の取得方法について解説しました!EPAに使われる原産地証明の申請・発行のタイミングなど。

貿易での商取引で意識することの1つに関税があります。これにより製品の代金が関税により上がってしまい、輸入後に価格面での競争力がなくなってしまいます。 それを避けるために特定原産地証明書を使うのですが、これにより協定を結んでいる国同士であれば特恵税率という関税が無税・減税というメリットあります。 今回はこの特定原産地証明書の取得方法する方法について解説したいと思います。 関連するブログへのリンクを貼っておきますのでご一読いただければ理解がより深まると思います。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/epa/?lang=ja" target="_blank"] [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/certificate-of-origin/?lang=ja" target="_blank"] [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/normal-co/?lang=ja" target="_blank"] 一般の原産地証明書と特定原産地証明書の違い まずは原産地証明書の違いについてお話したいと思います。一般に原産地証明書といわれるものは貨物の原産地を証明するためのもので、輸入国の法律や規則に基づく要請や契約や信用状で指定がある場合に提出します。 一方、今回のテーマである特定原産地証明書は日本が締約する「EPA経済連携協定」に基づくものです。協定によって決められた特恵関税の適用を目的としているものです。 各地の商工会議所ではありません。ここが違うポイントとして重要なところです。 発給機関の違い ・一般の原産地証明書:各地の商工会議所 ・特定原産地証明書:日本商工会議所 各地の商工会議所と、日本商工会議所 発行機関が「各地の商工会議所」か「日本商工会議所」か、字面で見ると大して違いが無いように思えてきますが実際は全く異なる機関です。 もし一般の原産地証明書の取得のために各地の商工会議所で貿易登録をしていたとしても、特定原産地証明書を取得するためには改めて日本商工会議所にも貿易登録をしなければなりません。 例えば日本商工会議所の名古屋事務所が名古屋商工会議所の中にあるように両者の距離感が近いので勘違いされやすいのですが、日本商工会議所への貿易登録が済んでいなければ発行は決して叶いません。 特定原産地証明書の取得が必要となりそうな場合には必ず事前に貿易登録をしておくように忘れないでください。 EPAの規定などを確認する 日本商工会議所への貿易登録を済ませ、輸出しようとする産品のEPA税率の有無と税率を確認しします。そして、それぞれのEPAに定められる原産地規則に基づいた原産資格があることをちゃんと確認できたら日本商工会議所に判定審査を依頼します。 ちなみにこのように、「産品がそれぞれEPAに定められる原産地規則等を満たしている」とその産品は特定原産品と呼ばれます。 申請は窓口ではなくインターネットで 原産品の判定を依頼するためにはオンラインの専用システム「特定原産地証明書発給システム」から「原産品判定依頼書」を入力し日本商工会議所に提出をします。 特定原産地証明書関連の申請は一般の原産地証明書とは違って、窓口申請ではなくインターネットでの申請ができるのです!これはとても便利ですね。 日本商工会議所が原産品判定に関して必要な情報を受理してから原産品判定番号を付与するまでの期間は、原則3営業日かかります。なるべく早く済ませるようにしましょう。 特定原産地証明書の取得 ここまで完了しましたら後は輸出する産品に対する特定原産地証明書を取得します。こちらも原産品判定の依頼と同様オンラインシステムから申請可能です。 日本商工会議所が証明書発給に必要な情報を受理してから審査結果を通知するまでの期間は、原則2営業日かかります。 何かと日にちのかかる申請ですので余裕をもって準備してください。 発給手数料 発給時には交付と引き換えに発給手数料を納付する必要があります。基本料は申請1件につき2,000円、加算額は1品あたり500円です。 原産品判定番号の使用が20回を超えると21回目から50円になります。 ★特定原産地証明書の発給手数料 ・2,500円(1回目~20回目) ・2,050円(21回目以降) 発給審査が完了しますとシステムから発給申請一覧で発給手数料を確認することができます。 納付方法 発給手数料は原則、発給事務所の窓口で交付と引き換えに納付します。こちらはチケット制ではなく現金で支払うことができます。事務所が遠い場合は銀行振り込みも認められていますし、月当たりの件数か金額が多い場合は後日振り込み払いとすることもできます。 ご自分の都合に合わせて確認してみて下さい。 特定原産地証明書の受け取り 原則通り手数料を窓口で現金払いする場合にはシステムから「引換書・受領書」を印刷し、窓口へ出向いて引換書の提出とともに現金で納付すれば完了です。 発給申請は輸出者しかできませんが引換は代理でも問題ありません。 多少の手数料が取られるとは思いますがわざわざ足を運ぶ手間が減りますし、そのまま現地への発送も依頼してしまえばより楽かつタイムリーな手配になります。 申請のタイミング 申請は船積みが確定してから船積みまでが原則とされています。船積みが確定というのは曖昧な表現ですがおススメはBLの内容を確認してからです。 というのも、原産地証明書にはBL番号を入力することこそありませんが船積み地や便名などの情報も入力しなければならないからです。 特定原産地証明書の取得には例外もあり ここでざっとお話しましたことは特定原産地証明書の一般的な流れです。実際は協定ごとに異なる原産地規則がありますのでそれぞれの協定に基づく形で発給されます。 例えば、日シンガポール協定に基づく特定原産地証明書のうち、ビール等4品目に対する証明書に限り一般の原産地証明書と同じように各地の商工会議所で発行されます。 また日オーストラリア協定は自己申告制度が導入されていますので、輸出者、生産者さらには輸入者が原産品申告書を作成することが可能です。原産品申告書は税関様式に則ったフォームであれば問題ないので、この場合は特定原産地証明書を取得する必要がありません。 代わりに原産品明細書が必要だったり事前教示が勧められたりしていますので、一概にどちらが楽と言えるものではなさそうですが輸出者輸入者の双方にとってメリットのある方法を選ぶことができます。 まとめ 特定原産地証明書の取得の流れにつきましてご理解いただけましたでしょうか。 EPA自体、この数年で始まったものですので、これからまた規則が変わることは十分に予想されます。特定原産地証明書の取得が必要な方はいつも最新の情報をチェックしておくようにされると良いでしょう。

一般原産地証明の取得方法について!原産地証明を商工会議所で入手する方法について詳しく解説しました。 | 輸送・ロジスティクス

一般原産地証明の取得方法について!原産地証明を商工会議所で入手する方法について詳しく解説しました。

貨物を外国に輸送する時、貿易では原産地証明書を取得する場合があります。そして輸出で取得する原産地証明書は大きく分けて「一般原産地証明書」と、EPA経済連携協定に基づく「特定原産地証明書」の2種類があります。 どちらも「原産地証明書」という名称が含まれていますので不慣れな方は混同しがちだと思いますが取得目的も効果も大きく違います。 一般原産地証明 対象国:全世界 目的:輸入国側の法律や規則で必要。貿易取引の契約書や荷為替信用状(L/C)を運用 申請方法:窓口による書類申請 特定原産地証明 対象国:日本と経済連携協定を締結している国と地域 目的:EPA経済連携協定に基づき関税の優遇を受ける 申請方法:インターネットでの電子申請 どちらの原産地証明書を取得しようとしているかで、企業登録方法や申請手続もかなり変わってきますので、初めて取得をしようとするときにはご自分がどちらの証明書を求められているかをしっかりと確認してください。 今回は一般原産地証明書の取得方法について解説したいと思います。 特定原産地証明の取得方法は以下のリンク先の別記事にて解説していますが、それぞれに違いがありますので混同されないようにご注意下さい。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/epa-co/?lang=ja" target="_blank"] 原産地証明書とは? まず原産地証明書とは何かを簡単にご説明します。原産地証明書とはその名の通り、取引の対象となっている物品が特定の国又は地域で生産又は加工をされたことを証明する書類のことです。 貿易では基本的に関税を低くするために取得されることが多いです。英語では「Certificate of Origin」と表記されます。英文では「Cert」や「C/O」と略して呼ばれることもあります。 原産地証明書は輸出者が手配します。輸入の場合であれば輸出者から原本を入手するだけで基本的にはOKですので、取得方法は主に輸出者に関係する作業となります。 原産地証明書の全体像についてはこちらに記載をしました。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/certificate-of-origin/?lang=ja" target="_blank"] 一般原産地証明 さて以下に一般原産地証明書の取得方法について詳しく説明をしてきます。 一般原産地証明が必要とされるケース ・輸入国側の法律や規則で必要とされている場合 ・貿易取引の契約書やL/C(Letter of Credit)を使用するのに要求される場合 商工会の窓口のみで入手可能 一般原産地証明書は各地の商工会議所で窓口での書面申請により発給を受けることができます。郵送やメールで対応してくれる商工会議所は今のところ聞いたことがありません。 原産地証明書が必要とされる取引を開始する前に忘れずに商工会議所への登録を済ませて下さい。 さらに原産地証明書は原本でないと効果を発揮しません。 なので事前に原産地証明書用紙も商工会議所で購入しておきます。地域によって価格に違いはありますが窓口で100枚綴り500円程度で販売されています。 一般原産地証明の取得手続き さて船積が確定しましたら原産地証明書の発給手続きを始めます。各商工会議所のHPに印刷用のフォームがありますのでそちらに入力し、先ほど説明しました証明書用紙に印刷すると良いでしょう。 サインを除いてすべての記載事項を黒字または青字で英文で記載します。 記載ミスに注意 詳しい記載内容はここでは省略いたしますが、一字一句、決して間違いの内容に記載して下さい。窓口で申請する際にはかなり細かくチェックされます。 少しの間違いもないか何度も確認をしてから印刷をするようにしましょう。 サインも正確に 無事に記載事項が証明書用紙に印刷できましたら、サインを入れます。このサインは先に述べました貿易証明登録の際に商工会議所へ提出したサインでなければなりません。発給の際には登録のサインと相違がないかをしっかりとチェックされています。 少し自体が崩れているというだけで発給が不可となるケースもあります。なので他人の筆跡を真似てサインをしてもまず間違いなく見破られますので必ずサイン登録した本人がサインします。あらかじめ複数人のサインを登録しておくと安心ですね。 本人のサインであっても、登録の際と同じようなサインが書けるように十分注意してください。 商工会議所にて申請する 書類が準備できましたら商工会議所へ持参し発給申請をします。申請の際に一部は商工会議所側での控えとなりますので、ご自分の必要な部数 プラス 一部を持参するようにしてください。 窓口は平日の日中しか開いていません。夜間、土日は対応してもらえません。また、年末年始など混み合うときは午前で申請締め切りなどイレギュラーな対応となることもあります。 持参される際には窓口の空いている時間や申請の締め切り時間をあらかじめ確認しておく必要があります。 一般原産地証明所発行の手数料 申請の際にも手数料がかかります。こちらは1件あたり1,000円程度となります。券売機で必要な手数料分のクーポン券を購入して、それを申請書類と一緒に提出するスタイルです。 喫茶店のコーヒーチケットのように、10枚の値段で11枚綴りなどお得な冊子式クーポン券も各地で発売されていますので、度々原産地証明書を申請される方は購入されても良いでしょう。 無事に審査が通りましたら発給印やサインなどの入った原本が返却されます。後は現地へ送るなどすれば輸出側の手配は終了となります。 フォワーダーに依頼 申請手順としてはこんな感じでそれほど難しいものではありませんが、商工会議所へ出向いたりするのは少し手間に感じられますよね。お忙しい方は多少手数料が取られますがフォワーダーへ依頼するのも一つの手です。 商工会議所への申請はもちろん原産地証明書の作成から引き受けてくれるところも多いので料金がかかっても手間を減らしたい方はぜひフォワーダーに相談してみて下さい。 フォワーダーに依頼する際の注意点 フォワーダーに依頼する際の注意点ですが、フォワーダーが作成したとしてもサインは必ず貿易登録通りでなければなりません。 毎回、フォワーダーが作成したものを送ってもらってそれからサインしていては逆に手間ですので100枚綴りの証明書用紙を購入し、そちらに全てサインを入れてフォワーダーに預けておくという形で進めるとスムーズです。 これを受け入れていただけるかどうかもフォワーダー次第だと思いますので要相談です。 ちなみに、このやり方にOKが出てサインを入れる際ですが100枚一気にサインを入れると手が疲れてきてしまい、後半はサインが崩れてきて商工会議所からNGが出るレベルのサインになってしまう方も時々いらっしゃいます。 まとめ 一般原産地証明書の取得手順についてざっとお話ししましたがお分かり頂けたでしょうか。窓口でしか発行してもらえない書類ということで手間な側面はありますがまとめてサインをする、フォワーダーに依頼をするなどで対応が可能です。 是非ご参考にして下さい。

冷凍鶏肉をタイから輸入したい!動物検疫・植物届けなど、食肉の輸入手続きを解説しました。 | 物流コラム

冷凍鶏肉をタイから輸入したい!動物検疫・植物届けなど、食肉の輸入手続きを解説しました。

タイ産の食品と言いますとマンゴーやドリアンなどの植物・フルーツを思い浮かべる方が多いと思いかもしれません。タイは植物だけでなくブロイラー(食肉用の鶏)の飼育量が多く日本にとって最大の鶏肉・鶏肉調製品供給国なんです。 生産量こそ米国やブラジルに比べると少ないですが、きめ細かなカットや異物混入の低減などによりシェアを伸ばし冷凍鶏肉などの合計輸出額はブラジル次ぐ世界第二位で米国と同程度にまでなりました。 そんなにタイ産の鶏肉を食べている実感はないかもしれませんが、マクドナルドのチキンナゲットはタイ産の鶏肉なんです。先日、イオンの食品売り場で売られていた鶏肉の唐揚げも原産地を見たらタイでした。身近なところにタイ産の鶏肉はたくさんあるのです。 ではこのタイ産の冷凍鶏肉をどのような手順で輸入するのか?詳しく説明していきたいと思います。 食肉の輸入について動画で解説 冷凍鶏肉の輸入概要 食肉及び食肉製品の輸入に際しては家畜伝染予防法に基づく畜産物の輸入検査と、食品衛生法に基づく食品等輸入検査を受ける必要があります。 その2つをクリアしてから税関での申告となります。一つずつ見ていきましょう。 1. 動物検疫をする まずは家畜伝染予防法に基づいた動物検疫の手続についてご説明します。 海外から家畜の伝染病の侵入を防止するため、農林水産省が動物検疫所にて家畜から作られる肉製品などの畜産物を対象に輸出入検査を行っています。この検査は量の多少・個人用・商用等の用途にかかわらず必ず受ける必要があります。 食肉は家畜伝染予防法に基づく指定検疫物です。輸入される動物や畜産物などを介して日本に家畜の伝染性疾病の病原体が持ち込まれる恐れがあるので動物や畜産物などのうち特にその可能性の高いものを指定検疫物として指定しており鶏肉もそちらに該当します。 タイでHealth Certificateを取得する 指定検疫物の輸入にあたっては輸出国の政府機関、つまり日本の動物検疫所に相当する期間が行う検査に合格し、その機関の発行した輸出国検査証明書(Health certificate)の添付がなければ輸入してはならないとされています。 難しく聞こえますが輸出国での検査や証明する事項は輸出国と輸入国の間で事前に決められておりますし、普段から鶏肉を輸出されているタイの業者さんは慣れています。輸出が決まったらこの検査証明書を輸出者より入手しておきましょう。 貨物が到着してからの手続きの流れ 貨物が日本の港に到着しましたら原則として検査を希望する日の前日までに輸入港を管轄する動物検疫所へ以下の書類を提出して検査を受けます。 検査と共に必要な書類 ・輸入検査申請書(畜産物) ・Health Certificate ・B/L ・Invoice ・Packing List 検査の結果 合格となれば「合格証明書」が発行されます。万一、伝染性疾病の病原体への汚染(または汚染の可能性)が発見されると不合格となりますが消毒後に合格となります。 動物検疫の費用概算 動物検疫検査手続きは輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)を使用してできますので、通関業者へ依頼するのが一般的かと思います。 費用の大体の目安としては ・動物検疫検査申請料:15,000円〜20,000円/品目 ・動物検疫検査立会費用:10,000円〜15,000円/件 ・動物検疫検査ショートドレ-料:20,000円〜25,000円/件 *MGシャーシ利用 検査の申請や立会は頑張って自身で行ったとしてもコンテナの輸送料金などはどうしても発生しますので、鶏肉の輸入の際には十分注意する必要があります。 2. 食品届の提出 - 食品検疫 動物検疫をクリアしますと次は食品検疫が待っています。ここからは厚生労働省管轄の食品検疫所への申請となります。 マンゴーの輸入解説でもお話ししましたが個人使用目的で輸入する際には特に手続は必要ありません。自分が自宅で冷凍鶏肉を食べる場合には規制はないのです。 なのでここでは商売目的での輸入についてのお話となります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/frozen-mango-import/?lang=ja" target="_blank"] 食品検疫の必要性 まずは食品届を厚生労働省管轄の食品検疫所に提出します。 これは食品衛生法によるもので、人体への安全性を確保し衛生上の問題発生を防止するために避けては通れません。私たちの体内に入るものなのですから当然と言えば当然ですよね。 具体的に冷凍鶏肉をどれだけの量でタイのどこの誰から輸入するのか、それには日本で禁止されている添加物や残留農薬などが含まれていないかなどを検疫所に届け出て確認を受けることで税関からの輸入許可も受けることができるようになります。 届出申請は、輸入地を管轄する食品検疫所にて行います。通関業者に代行を依頼する場合は凡そ5,000円~1万円程度の代行手数料が発生します。届出のフォームは食品検疫所のサイト内にありますので自身で申請することも可能です。 食品届に必要な書類 必要書類 ・製造工程表 ・原材料表 これらは輸出者側で用意すべき書類ですので、輸入が決まったら早めに輸出者から入手しましょう。動物検疫でも提出した輸出国検査証明書は検疫合格後に返却されますのでそれを食品検疫でも提出すればOKです。2通必要なわけではありません。 食品届は貨物到着の7日前から事前提出ができますのでなるべく早く提出するようにすると良いでしょう。 食品検疫の検査 検査の内容が自主検査指導などであった場合には輸入者は自己の負担で、登録検査機関に検査を依頼しなければなりません。 書類審査・検査の結果、違法でないと判断されると「食品等輸入届出済証」が輸入者に渡されます。 3.税関で輸入申告をする 税関申告で必要書類 1. 動物検疫の合格証明書(動物検疫) 2. 食品等輸入届出済証(食品検疫) 3. B/L 4. Invoice / Packing List これらの書類をもって申告の際に以下の税表番号も入力することで、税関からの輸入も許可されます。 冷凍ブロイラーの税率 税表番号:0207.14.220 一般関税:12% EPA関税:8.5% 決して低いとは言えない関税がかかってきますのでこちらも忘れないで下さい。EPAを使う場合には原産地証明書の入手も必要です。 鶏肉は部位によって申告内容が異なる 鶏肉は骨付きのものや一匹丸々のもの、そして肝臓などの内臓といった部位によって税関への申請が変わってきます。 まとめ タイから冷凍の鶏肉を輸入する流れはざっとこんなところです。食肉を輸入するなんてハードルが高い、と思っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、一つ一つの手順をちゃんと踏めば実現でいることがお分かりいただけましたでしょうか。 昨今のヘルシーブームにより、鶏肉の需要は今後も高まると予想されます。安全で安心でおいしい冷凍鶏肉を輸入することで日本の人たちの健康維持に貢献出来たりします。

原産地証明書について解説!EPAやFTAで優遇される特恵関税とは? | 輸送・ロジスティクス

原産地証明書について解説!EPAやFTAで優遇される特恵関税とは?

貿易や物流の仕事を必ず出てくる書類があります。それは原産地証明書です。既に貿易に携わっている人であれば「関税を安くするための書類でしょ??」と理解されているかもしれません。 実際にはその用途としての機能が強いのですが、今回は原産地証明書の全体像からご説明をしていきます。 原産地証明書とは? 原産地証明書とはその名の通り、取引の対象となっている物品が特定の国又は地域で生産又は加工をされたことを証明する書類のことです。牛肉や水産品のトレーサビリティのために発行されたりもしますが、貿易では基本的に関税を低くするために取得されることが多いです。 英語では「Certificate of Origin」と表記されます。英文メールでは「Cert」や「C/O」と略して呼ばれることも多いので海外とメールでよくやり取りをされる方は覚えておくといいでしょう。 原産地証明が必要とされる場面 さて原産地証明書は輸出でも輸入でも必要とされる場合があります。輸出で必要とされる場合は大きく二つあります。 一般原産地証明書(非特恵) まずは非特恵の原産地証明書です。これは契約上指定されていたり、輸入国側で輸入を禁じている国で作られた物品ではないことを確認するために必要だったりします。 詳しくはこちらの記事に書きました。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/normal-co/?lang=ja" target="_blank"] 特定原産地証明書 もう一つが特定原産地証明書です。これは経済連携協定(EPA)に基づくもので、この協定を結んでいる国の輸入者は特定原産地証明書を用いることで特恵関税の適用を受けることができ一般税率よりも低い関税率で輸入ができるのです。 輸入者は協定で決められている規則を満たしていることを証明するためにこの原産地証明書が必要となり、輸出者側が発行手続きをして送ってあげる必要があります。 [keni-linkcard url="http://forwarder-university.com/epa-co/?lang=ja" target="_blank"] EPAとは? ここでEPAという単語を初めて聞いたという方のために簡単にですがご説明したいと思います。EPA経済連携協定は、特定の国や地域同士での貿易や投資を促進するために輸出入に係る関税の撤廃・削減や投資環境の整備などを約束した条約です。 EPAとFTAの違い よく似たものに「自由貿易協定(FTA)」もあります。こちらは名前の意味する通り、特定の国や地域同士での物品及びサービス貿易の自由化を定めたものです。 EPAはFTAの内容も含めつつ貿易だけではなくさらに人の移動やや知的財産、投資など様々な分野での協力を含む幅広い経済関係の連携強化を目的とする協定です。 GSP - Generalized System of Preferences 輸入の場合では輸出と同じくEPAに基づく特恵関税制度に加えて、開発途上国・地域を原産地とする鉱工業産品および農水産品の輸入については、先進国による国際的途上国支援制度があります。 経済的に発展が遅れている、いわゆる発展途上国から輸入する貨物の関税を低くして日本へ輸出をすることで、発展途上国の経済力の上昇に貢献するというこの制度はもう何十年も前から取り組まれているのです。 この時の原産地証明書を使うのですがこの原産地証明書の名称は「Form A」です。 原産地証明書の種類 EPA - 日本と経済連携協定を結んでいる国々 シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、アセアン、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル。 そしてEPAに基づく特定原産地証明書の書式名は、連携している国同士の頭文字を取って名付けられています。 ・Japan - Thailand: 「JTEPA」 ・Vietnam - Japan: 「Form VJ」 例えば、日本とタイであればJTEPA(JAPANとTHAILANDのEPA)、日本とベトナムであればフォームVJ(VIETNAMとJAPAN)などです。これはわかりやすくてよいですね。 FTA - ASEANの自由貿易協定 そしてASEANで締結されている自由協定には色んな種類があり、それぞれの経済協定で使う原産地証明のフォームの名前も違います。 ASEAN諸国との取引をする時はどの貿易協定が使えるのかを事前に確認しておきましょう。 GSP - 日本と後発開発途上国 日本と特別特恵受益国として指定する受益国(47カ国)を原産地とする産品については、品目により無税になる関税の優遇措置があります。 この後発開発途上国から発行される原産地証明書は「Form A」です。 原産地証明の種類のまとめ 色んな原産地証明書の種類と名前が出てきましたので、少し整理をしましょう。 1. 一般原産地証明 2. 特定原産地証明 ・ EPA - 経済連携協定: JTEPA・VJ Formなど ・ FTA - 自由貿易協定: Form AK・Form Dなど ・ GSP - 一般特恵原産地証明: Form A 原産地証明書は2種類しかありません。「一般原産地証明」と「特定原産地証明」です。 一般原産地証明は原産地を証明するだけのものなので非特恵(関税の優遇なし)です。 一方で、特定原産地証明にはEPA、FTA、GSPがあります。それらは各国の経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)、そして発展途上国に対しての経済的な特恵(GSP)があります。 全て関税に対する特恵(無税・減税)があります。 原産地の規則 さてここで日本とタイとの経済連携協定を使って輸出入をするとします。これは日本とタイとで結ばれた協定ですのでどちらかの国で生産されてさえいれば全て関税の削減又は撤廃が認めると考えがちですが実はそうでもないのです。 EPAの原産地規則で決められている条件をクリアしなければなりません。 詳細に説明するとかなり長くなってしまいますので簡単に説明しますと原産地の基準として3つの条件が定められています。 ①日本(タイ)で完全に生産された産品であること(WO) ②日本(タイ)の原産材料のみを使用して日本(タイ)で生産された産品であること(PE) ③外国の原材料を実質的な変更をして日本(タイ)で生産された産品であること(PS) このように、かなり細かい条件となっております。輸出入が決まりEPAを使って関税を低くしようと考えた場合にはこの条件をクリアしているかをしっかりと吟味しなくてはなりません。 どこで原産地証明書を取得するのか? その原産地証明書はどこで入手するのかと言いますと各地にある商工会議所で発行してもらえます。 輸入の場合は輸出国の行政機関が発行することとなります。当然ですが日本では発行することはできません。輸入が決まり次第、輸出者に原産地証明書を取得するよう依頼しましょう。 原産地証明書に関する注意点 原産地証明書は輸入通関の際に原本が必要となります。コピーではまず受け付けていただけません。航空機での輸入や海上輸送でも中国や韓国など船足の短い国の場合には、なるべく早く原本が手元に届くように輸出者側としっかり調整をして下さい。 そうでないと、原本を待つ時間がなくせっかく送ってもらった原産地証明書を使用することなく通常の関税を支払ったり、原本を待っている間に保管料が嵩んで結局関税よりも高くなってしまったりということも起きかねません。 まとめ 細かな条件は色々ありますものの原産地証明書は難解なものでは決してなく、協定や基準をしっかり理解して利用すれば輸出入の双方にメリットがあります。 まずは自分の貿易取引が特恵関税を使えるものであるのかどうか、調べるところから始めてみましょう!